特許第6096768号(P6096768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デ・セ・エヌ・エスの特許一覧

特許6096768熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法
<>
  • 特許6096768-熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法 図000002
  • 特許6096768-熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法 図000003
  • 特許6096768-熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法 図000004
  • 特許6096768-熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法 図000005
  • 特許6096768-熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法 図000006
  • 特許6096768-熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096768
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】熱エネルギーシステムおよび熱エネルギーシステムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   F03G 7/05 20060101AFI20170306BHJP
   F28G 9/00 20060101ALI20170306BHJP
   F01K 25/10 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   F03G7/05 511
   F28G9/00 B
   F03G7/05 531
   F01K25/10 R
   F01K25/10 S
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-517675(P2014-517675)
(86)(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公表番号】特表2014-526009(P2014-526009A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】EP2012062436
(87)【国際公開番号】WO2013000948
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年5月27日
(31)【優先権主張番号】1101993
(32)【優先日】2011年6月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511093144
【氏名又は名称】デ・セ・エヌ・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100108383
【弁理士】
【氏名又は名称】下道 晶久
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】ブリス ウルマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ロワヌ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ ブシェ
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−194370(JP,A)
【文献】 特開平02−204685(JP,A)
【文献】 特開昭54−097986(JP,A)
【文献】 特開昭57−018473(JP,A)
【文献】 特開昭59−212601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
なくとも1つの熱交換器を各々有する少なくとも2つの交換器モジュールであって、各モジュールは、通常動作モードにおいて前記熱交換器を主要な流れ方向で通過する第1流体用の少なくとも1つの第1回路と、前記第1流体と第2流体との間で熱エネルギーを交換するための前記第2流体用の第2回路と、前記第1流体を前記主要な流れ方向で駆動するための流体駆動装置を有する少なくとも1つのポンプと、を有する、少なくとも2つの交換器モジュールを有し、
前記駆動装置は、前記主要な流れ方向に沿って前記各少なくとも1つの熱交換器の上流に配置され
清掃モードにおいて、前記第1流体が、前記交換器モジュールの1つの少なくとも1つの第1回路を前記主要な流れ方向で通過し、他の交換器モジュールの少なくとも1つの第1回路を前記主要な流れ方向と反対方向で通過するように、前記少なくとも2つの交換器モジュールの前記第1回路を直列に接続するように適合されている
ことを特徴とする熱エネルギーシステム。
【請求項2】
配水室が、前記主要な流れ方向に沿って前記駆動装置の下流で、前記少なくとも1つの熱交換器の上流に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
吸引パイプが前記配水室から延伸し、前記駆動装置は前吸引パイプ中に配置されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記吸引パイプは、前記吸引パイプの呼び径の4倍未満の長さを有することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記配水室は、少なくとも部分的に前記第1流体用の水槽の上方に配置されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプは、少なくとも部分的に前記配水室を通過する運動伝達装置により、前記駆動装置に連結されているモータを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
濾過手段が、前記駆動装置により吸引可能な前記第1流体を濾過するために、前記主要な流れ方向に沿って前記駆動装置の上流に配置され、前記濾過手段は、前記配水室から、前記第1流体用の水槽の底部まで延伸していることを特徴とする請求項〜6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
記熱交換器の少なくとも1つは、プレート熱交換器タイプであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
隔離弁が、前記直列に接続された第1回路において、前記主要な流れ方向に沿って前記熱交換器の下流で、前記少なくとも2つの交換器モジュールの前記第1回路間の連通を可能にするよう配置されることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1回路のそれぞれは、前記通常動作モードにおいて前記第1流体が前記交換器モジュールのそれぞれから排出されるように、出口弁を有することを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも2つのモジュールは、同一の機能を有することを特徴とする、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステムを動作させる方法であって、
前記熱交換器の上流に存在する前記第1流体を、前記駆動装置により前記主要な流れ方向に沿って駆動することと、
前記少なくとも2つの交換器モジュールの前記第1回路が、前記第1流体が、前記交換器モジュールの1つの少なくとも1つの第1回路を前記主要な流れ方向で通過し、他の交換器モジュールの少なくとも1つの第1回路を前記主要な流れ方向と反対方向で通過するように、直列に接続される清掃モードをアクティブ化することと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記清掃モードをアクティブ化することは、
前記直列に接続された前記第1回路において、前記第1回路を連通させるように、前記主要な流れ方向に沿って前記2つの熱交換器の下流にそれぞれ配置された少なくとも1つの隔離弁を開くこと
を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1回路のそれぞれは、前記通常動作モードにおいて前記第1流体が前記交換器モジュールのそれぞれから排出される出口弁を有し、前記清掃モードをアクティブ化することは、前記第1回路のそれぞれにおいて前記出口弁を閉じることを有することを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記清掃モードにおいて、前記直列に接続された第1回路を有する前記交換器モジュールに関連付けられた前記ポンプの1つを非アクティブ化することを更に有することを特徴とする請求項1214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記非アクティブ化されたポンプの速度を決定することと、
前記速度を、予め定められた基準速度と比較することと、
前記非アクティブ化されたポンプの前記速度を、前記予め定められた基準速度に制限することと、
を更に有することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記清掃モードは、予め定められた時間、アクティブ化されることを特徴とする請求項1216のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの熱交換器を有する少なくとも1つの交換器モジュールを有する熱エネルギーシステムに関する。特に、本発明は、海洋熱エネルギー変換システムに関する。更に、本発明は、海洋熱エネルギー変換システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これらのシステムおよび方法は、代表的には、海洋熱エネルギー変換システムにおいて使用され、このシステムにおいては、表面の海水と深海の海水との間の温度差を利用して、発電機を駆動して電気を生成する。例えば、表面の海水の温度は摂氏25度に到達またはこれを超えることもあり、一方、日光が当たらない深海の海水は1,000mの深さでは摂氏4度付近に留まっている。
【0003】
代表的には、この熱エネルギーシステムは、システム効率が低いため、温かいまたは冷たい海水の非常に大量の流れを必要とする。海水の大量の流れを扱うために、大規模な熱交換器が使用される。しかしながら、これらの熱交換器を清掃することは困難である。例えば、熱交換器の入口と出口の間に弁のセットを使用すると、圧力損失が引き起こされる。
【0004】
仏国特許出願公開第2477278号明細書(FR 2 477 278 A)は、熱交換器用の可動清掃装置を開示している。この清掃は、交換器が動作していないときに機械的に行われる。
【0005】
欧州特許出願公開第1486264号明細書(EP 1 486 264 A1)は、熱交換器用の自動清掃装置を開示している。代表的には、EP 1486264 A1に記載されている熱交換器は、冷却器に関する。
【0006】
従来、海洋熱エネルギー変換システム用のプレート熱交換器は、集水器に存在するポンプにより給水されており、集水器はプールに開口しており、それにより熱交換器に給水することが可能になる。更に、以前の設置では、ポンプと交換器との間と、熱交換器の下流とにポンプを設けていた。熱交換器の下流のポンプの配置は、幅または呼び径の約5倍の直線の長さを必要としており、これは、海洋熱エネルギー変換システム(OTEC)を利用するプラットフォームの据え付けおよびレイアウトを非常に制限するものである。実際、この活用は高い流量率を必要とし、従って、相当に大きなパイプラインの幅(呼び径)を必要とする。
【0007】
更に、既知の熱システムはマット濾過処理を使用しており、沖合での設置には適切ではなく、特に、空間の必要条件および設置の制約を考慮すると適切ではない。それに加えて、そのようなマットはフィルタ表面のサイズが小さいために、相当な圧力損失を誘発する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、最新技術の欠点を克服し、特に、フィルタの清掃頻度を少なくすると共に、より優れた効率を有し、清掃がより容易な熱エネルギーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の形態によれば、本発明は、熱エネルギーシステムに関し、特に2つの熱交換器などの少なくとも1つの熱交換器を有する少なくとも1つの交換器モジュールであって、各モジュールは、動作の通常モードにおいて熱交換器を主要な流れ方向で通過する第1流体用の少なくとも1つの第1回路と、第1流体と第2流体との間で熱エネルギーを交換するための第2流体用の第2回路と、第1流体を主要な流れ方向で駆動するための流体駆動装置を有する少なくとも1つのポンプと、を有する交換器モジュールを有し、駆動装置は、主要な流れ方向に沿って熱交換器の上流に配置される。
【0010】
本発明は、特に熱交換器の上流に駆動装置が配置されるため、より小さな体積の配置において供給される電力出力を最大にすることにより、海洋熱エネルギー変換システムの経済的収益性を高めることができる。例えば、プールに設置することにより、システムが占める体積を低減することと、特に熱交換器の下流におけるパイプの据え付けに関連する圧力損失を最小限にすることとの両方が可能となる。更に、例えば、毎時2、3千立方米の大流量ポンプなどの大流量ポンプは、プールに設置した場合、低速吸引(例えば、約0.8m/秒)を必要とする。
【0011】
一実施形態において、配水室が、主要な流れの方向に沿って駆動装置の下流、並びに、上記もしくは各熱交換器の上流に配置される。例えば、配水室により、第1流体を少なくとも2つの熱交換器に配水することが可能になる。しかしながら、配水室は、単一の熱交換器を有する交換器モジュールの場合にも使用可能である。
【0012】
有利な特有の特徴によれば、吸引パイプが配水室から延伸し、駆動装置は特にこのパイプ中に配置される。
【0013】
特別な実施形態において、吸引パイプは、特に例えばその呼び径の1から1.5倍の間などのその呼び径の3倍未満などのその呼び径の4倍未満の長さを有する。一実施形態において、吸引パイプは実質的に直線的におよび/または第1流体用の水槽の中へ開口している。このようにして、吸引パイプおよび特に駆動装置を第1流体に浸すと同時に、第1流体の表面上方に配水室を設置することが可能となる。
【0014】
他の有利な特有の特徴によれば、配水室は、少なくとも部分的に、例えば完全に、第1流体用の水槽の上方に配置される。これにより、空間に対する必要条件が低減された熱エネルギーシステムを得ることができる。
【0015】
1つの有利な特有の特徴によれば、ポンプは、少なくとも部分的に配水室を通過する運動伝達装置により、駆動装置に連結されているモータを有する。一実施形態において、モータは外側に配置され、特に配水室の上方に配置される。
【0016】
例えば、一実施形態において、配水室は第1流体を少なくとも45°、例えば少なくとも60°回転させ、特に流れの実質的に垂直な方向から、流れの実質的に水平な方向に回転させる。
【0017】
一実施形態において、第1流体用の水槽は、プールおよび/または海の表面上の温水の層である。例えば、第1流体用の水槽は20メートル未満、特に10メートル未満の深さを有する。
【0018】
有利な特有の特徴によれば、濾過手段が、駆動装置により吸引可能な第1流体を濾過するために、特に吸引パイプの周囲などの主要な流れ方向に沿って駆動装置の上流に配置され、この濾過手段は、特に配水室から、例えば第1流体用の水槽の底部まで延伸している。一実施形態において、濾過手段の濾過表面は、10m2を超え、特に15m2を超える。
【0019】
1つの特別な実施形態において、システムは少なくとも2つの交換器モジュールを有することができる。例えば、少なくとも2つのモジュールは、同一の機能および/または特徴を有することができる。
【0020】
他の有利な特有の特徴によれば、一実施形態に係るシステムは、清掃モードにおいて、少なくとも2つの交換器モジュールの第1回路が、第1流体が、交換器モジュールの1つの少なくとも1つの第1回路を主要な流れ方向で通過し、他の交換器モジュールの少なくとも1つの第1回路を主要な流れ方向と反対方向で通過するように、直列に接続されるよう適合される。
【0021】
熱交換器モジュールの逆流動作により、同じ機能を行う他の回路が使用可能であることを利用して、逆流状態において、例えば主要な流れの方向と反対方向において、動作するため起こり得る弁の追加により占められる体積を最小にすることが可能になる。関連する流量率の観点からは、これにより弁の実装により誘発される圧力損失を最小にすることが可能となる。
【0022】
更に、この解決法により、第1モジュールの交換器ラインを通過した水の流れは、その熱交換器を有する第2モジュールでも連続して使用できるので、例えばプレート熱交換器などの熱交換器の詰まりを連続動作により取り除くことが可能になり、システムにより生成される電力を少量しか損失しないようにすることが可能となる。更に、プレート熱交換器におけるプレートの形状により、「汚れ止め」処理によってもデッドゾーンの存在のために表面を全面的に清掃することはできない。本発明の実施形態に従って提供される解決法により、逆流動作のフェーズにおいてこれらのデッドゾーンを掃除することが可能となる。これにより、頻繁にシャットダウンするため海洋熱エネルギー変換システムの維持を不可能にする可能性のある、システムがシャットダウンしている間に行う交換器の清掃を回避できる。
【0023】
他の有利な特有の特徴によれば、特に熱交換器のすべてなどの熱交換器の少なくとも1つは、プレート熱交換器タイプである。
【0024】
特別な実施形態において、隔離弁が、直列に接続された第1回路において、主要な流れ方向に沿って熱交換器の下流で、少なくとも2つの交換器モジュールの第1回路間の連通を可能にするよう配置される。
【0025】
有利な特有の特徴によれば、第1回路のそれぞれは、通常動作モードにおいて第1流体が交換器モジュールのそれぞれから排出されるように、出口弁を有する。
【0026】
有利な特有の特徴によれば、少なくとも2つのモジュールは、同一の機能を有する。
【0027】
例えば、一実施形態において、第1流体は海水である。
【0028】
本発明は、本発明の一実施形態に係るシステムを動作させる方法にも関し、該方法は、
熱交換器の上流に存在する第1流体を、駆動装置により主要な流れ方向に沿って駆動することと、
少なくとも2つの交換器モジュールの第1回路が、第1流体が交換器モジュールの1つの少なくとも1つの第1回路を主要な流れ方向で通過し、他の交換器モジュールの少なくとも1つの第1回路を主要な流れ方向と反対方向で通過するように、直列に接続される清掃モードをアクティブ化することと、を有する。
【0029】
幾つかのモジュールの存在を利用することにより、2つの第1回路が共同し、それにより他方のモジュールの熱交換器が逆流状態で動作することが可能になる。
【0030】
プラットフォームのレイアウトおよび位置、従ってそのサイズに関する影響を低減することにより、この方法は、動作中に熱交換器の清掃動作を行うことを可能にする。
【0031】
一実施形態において、システムは同一機能を有する少なくとも2つの回路を必要とし、それにより、その2つの回路が共同することができる。逆流モードで動作するシステムおよび/または方法のモジュールの動作は、わずかに機能性が低下するように見える。
【0032】
他の有利な特徴によれば、清掃モードをアクティブ化することは、
直列に接続された第1回路において、前記第1回路を連通させるように、主要な流れ方向に沿って2つの熱交換器の下流にそれぞれ配置された少なくとも1つの隔離弁を開くことを有する。
【0033】
他の有利な特有の特徴によれば、第1回路のそれぞれは、それにより通常動作モードにおいて第1流体が交換器モジュールのそれぞれから排出される出口弁を有し、清掃モードをアクティブ化することは、第1回路のそれぞれにおいて出口弁を閉じることを有する。
【0034】
例えば、一実施形態において、この方法は、清掃モードにおいて、
特に第1流体が主要な流れ方向と反対方向で通過するモジュールに関連付けられたポンプなどの直列に接続された第1回路を有する交換器モジュールに関連付けられたポンプの1つを非アクティブ化することを更に有する。
【0035】
有利な特有の特徴によれば、この方法は、
非アクティブ化されたポンプの速度を決定することと、
速度を予め定められた基準速度と比較することと、
非アクティブ化されたポンプの速度を、予め定められた基準速度に制限することと、を更に有する。これにより、ポンプは制御された逆回転で動作する。
【0036】
一実施形態において、清掃モードは、特に例えば通常動作モードがアクティブである時間の5%未満などの通常動作モードがアクティブである時間の10%未満の時間などの予め定められた時間、アクティブ化される。
【0037】
一実施形態において、第1流体は海水である。一実施形態において、特に熱交換器のすべてなどの熱交換器の少なくとも1つは、凝縮器である。
【0038】
一実施形態において、各交換器モジュールは、それぞれが熱交換器に関連付けられた2つの第1回路を有する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】一実施形態に係る閉サイクルにおける海洋熱エネルギー変換システムの概略図である。
図2】一実施形態に係る熱交換器モジュールの透視図の概略図である。
図3図2の交換器モジュールの概略断面図である。
図4】通常動作モードにおける、他の実施形態の交換器モジュールの概略図である。
図5】一実施形態に係る、第1清掃モードにおいて共同する2つの交換器モジュールの概略図である。
図6】第2清掃モードにおいて、図5の共同する2つの交換器モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の追加的な特有の特徴および利点は、制限的でない方法で実施形態の例を例示する図面を参照して、および付属書類において下記に記載される記述から明白となろう。
【0041】
図1は、閉サイクルの海洋熱エネルギー変換システムの概略図である。明白なことであるが、本発明は開サイクルまたはハイブリッドサイクルの熱エネルギーシステムにも適用可能である。図1に示されている熱エネルギーシステム1は、供給パイプ12により、温かい流体、例えば、表面の海水が供給される蒸発器10を有する。温流体を蒸発器10で使用することによって、パイプ回路20において熱エネルギーシステムを循環する作動流体を蒸発させる。この作動流体は、例えば、アンモニアであり、作動流体ポンプ22により回路内で駆動される。
【0042】
蒸発器10を通過後、温流体は排出パイプ14を通して排出される。
【0043】
蒸発器10で蒸発された作動流体は、シャフト34により電流生成器32に連結されているタービン30に供給される。タービンにおいて、作動流体は膨張される。そして、作動流体は、凝集器40に送られて凝縮され、その後、作動流体ポンプ22により蒸発器10に再び送られる。凝集器40には、深海の海水のような冷流体が供給される。冷流体はポンプ42により駆動され、ポンプ42により流体は凝集器40に送られる。その後、凝集器40における交換により加熱された流体は、排出パイプ44を通して排出される。
【0044】
図2は、熱交換器モジュール100の実施形態を透視図で概略的に示し、図3は、この実施形態を断面図で示している。交換器モジュール100は、例えば、吸引プールなどの第1流体用の水槽の上方に配置されている2つの熱交換器ライン110aおよび110bを有する。他の実施形態は、1つのみの熱交換器ラインを含んでもよく、または少なくとも3つの熱交換器ラインを含んでもよい。例えば、熱交換器110aおよび110bは、海洋熱エネルギー変換システムの凝縮器または蒸発器であってよい。従って、第1流体は冷海水または温海水でもよい。好ましくは、第1流体は、海の表面または非常に浅い場所に位置している温水から構成される。一実施形態において、熱交換器110aおよび110bはプレート熱交換器でもよい。
【0045】
よく知られているように、プレート熱交換器は、略平らな形状の複数の流路を画定する複数の平行なプレートにより構成される。これらの流路は、スペーサウェブにより境界を定められており、波形スペーサを含んでいる。熱交換器全体は、炉においてろう付けにより組み立てられる。各流路に対する入力−供給、および出力−排出は、交換器の表面に溶接された略半円筒形の収水器により行われる。
【0046】
熱交換器110aおよび110bは同じレベルに配置され、配水室130がその間に配置され、特に、第1流体を2つの熱交換器110aおよび110bに供給する。
【0047】
配水室130は、第1交換器110aおよび第2交換器110bにそれぞれ流体接続により接続されている。配水室130は、流体水槽120の方向に吸引開口部131を有しており、第1流体を配水室130に汲み上げ、第1流体を第1交換器110aおよび第2交換器110bに配水する。この実施形態において、吸引パイプ132は、吸引開口部131から下方へ向けて延伸し、例えば、水槽120に存在する第1流体の表面121の下を通過する(例えば、図3参照)。示されているように、吸引パイプ132は、パイプの下端134において広がっている吸引ベルの形状であってよく、第1流体に浸されている。
【0048】
図4は、名目動作モードにおける交換器モジュールの概略図である。モジュール100は、平行に配置されている2つの第1回路140aおよび140bを有する。各第1回路は、熱交換器110aおよび110bにおける熱を、示されていない第2回路内を流れる第2流体と交換、または第2流体に転送する。第1回路140aおよび140bは、特に、吸引パイプ132と、配水室130と、各熱交換器110aおよび110bと、出口パイプ152aおよび152bに接続されている出口室150aおよび150bと、を有する。更に、例えば、図5および図6に示されるように、交換器モジュール100、特にこのモジュール100の第1回路140aおよび140bの1つを、他の交換器モジュール、特に他の交換器モジュールの第1回路に接続するために、出口室150aおよび150bは接続パイプ154aおよび154bに接続されている。出口室150aおよび150bは、パイプの分岐点の形状で設計することができる。
【0049】
出口パイプ152aおよび152bには、一時的に開閉可能な弁156aおよび156bがそれぞれ設けられている。接続パイプ154aおよび154bにもまた、一時的に開くことが可能な隔離弁158aおよび158bがそれぞれ設けられている。動作の通常または名目モードにおいて、出口弁156aおよび156bは開いており、隔離弁158aおよび158bは閉じている。図4から図6において、白い弁は開いている弁を示し、黒い弁は閉じている弁を示している。
【0050】
交換器モジュール100はポンプ160を有している。ポンプ160は、水を駆動するための装置162、例えばプロペラを有し、この装置は、吸引パイプ132または配水室130の吸引開口部131に配置されている。駆動装置はプロペラに制限されず、第1流体を駆動するポンプの他の実施形態、例えば、遠心回転ポンプを使用できる。図に示されている実施形態においては、軸回転ポンプが使用されている。駆動装置162は、シャフト166を介してモータ164により動作する。モータ164は、配水室130の上方に配置され、駆動装置162は配水室130の底部またはその下部に配置される。このようにして、シャフト166は配水室130を、例えば垂直に通過する。他の運動伝達装置は、例えば、直線運動を伝達するための装置であってよい。シャフト166のシールドベアリングを配水室130の壁に設けることもできる。ポンプ160のモータ164は、保守のために容易にアクセスできる。動作の通常モードにおいて、第1流体は、ポンプ160、特に駆動装置162により吸引され、1つのおよび/または他の熱交換器110aおよび110bへ押され、出口室150aおよび150b、出口パイプ152aおよび152b、および出口弁156aおよび156bを通過して、交換器モジュールの外側、例えば、海または水処理装置に排出される。
【0051】
図4において、矢印は、第1流体の主要な流れ方向、ここでは海水の流れ方向を示している。この主要な流れ方向は、通常動作モードにおける熱エネルギーシステムの動作中の第1流体の流れの方向である。上記に示したように、熱交換器は、第1流体が温流体であるかまたは冷流体であるかによって凝縮器または蒸発器であってよい。図3において、供給ポンプ160は、水槽120またはプールにおける第1流体を吸引するように設定されている。ポンプ160のシャフト166は配水室を通過し、そのため第1流体は吸み上げられ、その後、ポンプ160のシャフト166の周りに配水されて熱交換器ライン110aおよび110bに送られる。流体が第1熱交換器を通過すると、流体は出口室150aおよび150bにおいて収集される。
【0052】
一実施形態においては、図3から分かるように、濾過装置122は、配水室130の外部壁136から、第1流体水槽120の底部124に向けて下方に、または底部124に向けて延伸している。例えば、濾過装置122は、吸引開口部131または吸引パイプ132の周りで延伸する円筒形を有している。このようにして、吸引パイプ132またはポンプ160の吸引アンブレラ(傘状部)を取り囲む濾過表面により濾過が行われる。第1流体用水槽120の第1流体が空になると、フィルタ本体の内部と外部の両方にアクセス可能なために、濾過装置を清掃することが可能である。
【0053】
図3に示されている実施形態において、濾過装置は、吸引水槽の底部124に、交換器モジュール100、例えば、配水室130または熱交換器110aおよび110bの下側の壁に固定されている。しかしながら、大きな濾過表面を提供する濾過装置を開発する他の可能性もある。例えば、ポンプの周りに剛性ケージを構築して、濾過手段をこのケージに固定することができる。このようにして、吸引パイプ132を海の任意の地点に沈めることもでき、それにより、例えば、温かい海水を汲み上げることができる。図3の場合において、濾過装置は吸引プールに位置しており、誘発される圧力損失を制限するために大きな濾過表面を有することができる。フィルタの表面が大きいと、これらのフィルタの清掃周期の間隔を更に拡大することが可能になり、その結果、海洋熱エネルギー変換システムの利用可能性を高めることができる。
【0054】
図5および図6は、類似または同一の機能を有する2つの交換器モジュール200および300、すなわち、第1交換器モジュール200と第2交換器モジュール300を有する熱エネルギーシステムを図示している。各モジュール200および300は、図4の交換器モジュールに類似している。このようにして、第1モジュール200の参照番号は図4のモジュールと比較して100増加されており、第2モジュール300の参照番号は図4のモジュールと比較して200増加されている。他の実施形態では、例えば、3つ以上の交換器モジュールを有することができる。
【0055】
第1モジュール200と第2モジュール300とは、流体が第1モジュール200の出口室250aおよび250bから第2交換器モジュール300の出口室350aおよび350bへ、隔離弁258aおよび258bを通して通過できるように互いに接続されている。これらの弁258aおよび258bは、両者のモジュール200および300に共通の要素である。
【0056】
図4に示されている動作の通常モードにおいて、隔離弁258aおよび258bは閉じており、出口弁256a、256b、356a、および356bは開いている。このようにして、各交換器モジュール200および300は、互いに独立してまたは並行に動作する。更に、各交換器モジュール200および300は、図4図6には示されていないそれ自体の第1流体水槽を有している。
【0057】
清掃モードにおいては、第1モジュール200と第2モジュール300を、隔離弁258aおよび258bの開口部により直列に接続可能である。このため、海洋熱エネルギー変換プラントのモジュールが、隔離弁258aおよび258bにより平行且つ分離して配置されていると仮定すれば、モジュール200および300の1つにおいて逆流を実現することが可能である。
【0058】
第1清掃モード(図5)において、隔離弁258aおよび258bは開いており、出口弁もしくは外殻弁(hull valve)256a、256b、356a、および356bは閉じている。第2モジュール300のポンプは非アクティブ化されており、下記に説明する制御バック駆動モードで動作している。このようにして、第1流体は第1モジュール200のポンプにより吸引され、配水室230と、第1モジュールの熱交換器210aおよび210bと、それぞれの出口室250aおよび250b並びに接続パイプ254aおよび254bとを通過し、それにより、それぞれの隔離弁258aおよび258b並びに接続パイプ354aおよび354bと、第2モジュール300のそれぞれの出口室350aおよび350bとを、主要な流れ方向と反対方向で通過し、第2交換器モジュール300のそれぞれの熱交換器310aおよび310bを主要な流れ方向と反対方向で通過し、第2モジュール300の配水室330および吸引パイプ332を通過する。このようにして、第1流体は、第2モジュール300の熱交換器310aおよび310bを主要な流れ方向と反対方向で通過する。このため、第2交換器モジュール300の熱交換器310aおよび310bの詰まりを除去することが可能である。第1モジュールの吸引ポンプは動作の通常モードにおいてと同様に、名目速度で動作する。隔離弁258aおよび258bは開いており、水は逆の流れにおいて、第2モジュール300の熱交換器に押し込められる。第2モジュール300のポンプは停止し、反対方向の流れにより駆動される。参考のために、第2モジュール300のポンプは、速度が予め定められた速度を超えないように制御され、これにより、例えばその絶対名目回転速度を超えない。これが動作の制御バック駆動モードとして知られているものである。清掃モードにおいては、熱エネルギーシステムは停止されず、依然としてエネルギーを生成するが、システム効率は清掃モードの間は減少する。
【0059】
図6は、第2清掃モードにおける熱エネルギーシステムを示している。この第2清掃モードにおいて、弁は図5と同じ状態であるが、定格速度で動作しているのは第2交換器モジュール300のポンプであり、一方、第1モジュール200のポンプは停止され、逆方向の流れにより駆動され、制御バック駆動モードで制御された速度で動作している。
【0060】
このようにして、第1モジュール200および第2モジュール300の熱交換器210a、210b、310aおよび310bが直列に接続され、それにより、第1清掃モードで第2モジュール300の熱交換器310aおよび310bの清掃を行い、第2清掃モードで第1交換器モジュール200の熱交換器210aおよび210bの清掃を行う。清掃モードにおいて、第1流体は動作の通常モードにおいてと同様に、第1交換器モジュールの第1回路に流入し、主要な流れ方向と反対方向で第2熱交換器に流入する。第2清掃モードにおいて、流体は逆の流れ方向において両者の熱交換器を通過する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6