(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0025] 本発明のさまざまな実施形態の以下の詳細な説明は単に自然に典型的で、発明の内容または用途を制限することを目的とするのではない。さらに、結合される意図は、前述の背景または以下の詳細な説明に示されるいかなる理論にもよらない。
【0018】
[0026] 発光の蛍光体化合物、この種の化合物を組み込む物品およびそれらの製造および認証の方法を本願明細書において記載する。下記に記載する蛍光体化合物が、物品認証効果を強化するためにこの種の蛍光体化合物を物品に組み込むことを含むがこれに限らず様々なアプリケーションのために使われることができる。以下に記載の蛍光体化合物は、それぞれのある実施形態では、少なくとも1つのイオン放出、および、および任意にホスト結晶格子に置換された1つ以上の増感イオンを含む。これらの蛍光体化合物のうちの1つが放射線を起こすことにさらされるとき、励起放射線はイオンを発し、および/または、任意に一つ以上によってイオンの感度を高めることによっておよび/または放射イオンへのエネルギーの次の転送を有するホスト結晶格子によって直接吸収される。励起放射が吸収されるいずれかの方法では、蛍光体化合物の放射イオンが放出された放射線は、固有の特性(例えば、独特のスペクトル特性と測定可能な減衰時定数)を有する生成する。
【0019】
[0027] 励起放射を受けた後に、多くの蛍光体化合物は、電磁スペクトルの可視および/または紫外線部分の範囲内で、複数の波長で検出可能な放射線を発する。電磁スペクトルのサブバンドの範囲内の高輝度発光は時々「輝線」と称され、「サブバンド」は高輝度発光が起こる蛍光体化合物の発光スペクトルの範囲内で、波長の連続範囲を意味するために本願明細書において定められる。例えば、エルビウム・イオンは、多数の波長で中央に置かれるサブバンドの放射線を発すし、980ナノメートル(nm)および1550ナノメートルで比較的強い放射を含む。さまざまな実施形態によれば、この種の蛍光体化合物を含むことができる物品を認証するための方法と装置は放射線に物品の領域をさらすことを含み、物品の領域から発した放射線を検出する。より詳しくは、励起放射線に物品の領域をさらすと、即座に、物品の領域から放射している発せられた放射線は、集められ、一つ以上の光センサ(本願明細書においては、「探知器」とも称される)の作動中の領域上へ差し向けられる。各々の探知器で、影響を与えている発せられた放射線は、全てのスペクトル・バンドにわたることができ、または一つ以上のサブバンド(例えば、検出の前に一つ以上のフィルタを通過して)にわたることができる。各々の探知器は、探知器の活性領域に影響を与える収集した放射線の強度と比例している電子信号を生成する。この強度は、本願明細書において「統合した強度」と称され、実施形態によれば、認証装置がバンドが蛍光体化合物の範囲内で放射イオンの周知の放出バンドと一致する多数の、非重なり合うスペクトル・バンドの統合した強度を検出することを試みる。次いで、比較値が算出され、それは多数のバンドの発せられた放射線の統合した強度との数学的関係を表す。ある実施形態では、励起が終わったあと、数学的関係は所定の時間に多数のバンドの統合した発せられた放射線の相対的な強度を定量化する。比較値が有利に認証パラメータと比較されるとき、物品は確実であると確認される。または、物品は出所不明であると確認される。
【0020】
[0028] 後で詳しく述べるように、特定の実施形態では、比較値は、二つのバンドに対応する二つの積分強度測定値に基づいて算出される、二つの重複しない帯域で放射される放射線を検出することを含む。他の実施形態では、発せられた放射線は、2つの非重なり合うバンドおよび比較値が2つ以上の統合した強度測定値に基づいて算出されることができ、より検出されることができた。加えて、特に、比較値は、第1のバンドに対応する統合した第1の強度および第2のバンドに対応する統合した第2の強度の数学的比率を表す。他の実施形態では、比較値は、比率以外の数学的関係に基づいてもよい。最後に、実施形態が認証方法および装置がエルビウム・ドープ・イットリウム酸硫化物を含む蛍光体化合物を検出するために用いる記載されているにもかかわらず、実施形態の蛍光体化合物はその化合物だけにさまざまな実施形態のアプリケーションを限定することを目的せず、さまざまな実施形態は発せられた放射線を探知し、多種多様なホスト格子のための物品認証を実行するために用いることができ、放射イオンができる。
【0021】
[0029] 上記のように、ある実施形態では、多数のバンド(例えば多数のバンドの発せられた放射線の統合した強度の比率の分析)の発せられた放射線の相対的な統合した強度は、物品を認証するための基礎として分析されることができる。容易に説明できないかもしれないが、 様々な要因は、絶対積分強度の読み取りの精度に影響を与えることができるので、相対積分強度を用いた分析は、単一のバンドでの絶対積分強度の評価よりも望ましいかもしれない。例えば、放出される放射線の強度は、土壌、及び/又は物品又は認証機能、認証機能の印刷、光学的形状、基板の反射率は、基板のサイズおよび形状内の光散乱の変化に着るいくつかの要因を挙げれば物品、励起放射の浸透深さ対基板厚さ、及びレーザのパワーレベルの影響を受ける可能性がある。したがって、ある実施形態では、比較値を算出するのに選ばれる数学的関係は、主にただの一つのバンドの統合した強度値から独立している数学的関係である。例えば、数学的関係が多数のバンドの統合した強度価値間の比率であるとき、比率の値は確実性のインジケータとしていずれの統合した値の絶対値よりはるかに強い。
【0022】
[0030] 蛍光体化合物の実施形態および後述するそれらの検出のための方法と装置は、認証のために使われることができる利用できる材料の多様性を増やす。認証の目的で測定できる量としての減衰時定数に加えて、本願明細書において議論される蛍光体化合物の実施形態を特徴づける多数のバンドの放出強度との数学的関係が、使われることができる。
【0023】
[0031] さまざまな例示の実施形態によれば、
図1は、蛍光体化合物100の潜在的コンポーネントを表す。さまざまな実施形態によれば、蛍光体化合物100は、ホスト結晶格子材料130および放射イオン110(すなわち置換された放射イオン)を含む。別の実施形態では、蛍光体化合物100は、発光する複数のイオン110を含むことができる。同様に、蛍光体化合物100も他の材料(例えば一つ以上の高感度イオン)を含むことができるが、他の材料は特に本願明細書において議論されない。
【0024】
[0032] 実施形態によれば、蛍光体化合物100内のイオン放射110は、複数の異なる波長で検出可能な放射によって特徴付けられる。好ましくは、異なるタイプまたは光センサの種類が蛍光体化合物100の放出特性を測定するのに用いられるために、波長は十分に切り離されるが、実施形態は光センサの同じタイプかクラスが異なるバンドの範囲内で放出を測定するのに用いられ、いずれであってもよいかについて考察される。実施形態によれば、蛍光体化合物100は、比較的遠く離れている複数のバンドで発光する単一のホスト結晶格子材料130及び110の単一イオンの発光、希土類、スペクトル的を含む。加えて、放射イオン110は、実施形態の分岐比率(すなわち異なるバンドの放出強度間の比率)すなわちドーパント・パーセンテージの強い機能を有する放出によって特徴づけられる。
【0025】
[0033] 上記したように、次の放射線のためのエネルギーを受信する放射イオン110のための少なくとも3つのメカニズムがある。例えば、ある実施形態では、放射イオン110は直接吸収励起放射線ができてもよく、放射イオン110はその後、最も少なくいくつかの吸収されたエネルギー(概して励起放射線とは異なるより長い波長で)で放射することができる。他の実施形態では、ホスト結晶格子材料130またはそれの(例えばバナジウム酸塩イオン)イオンは、吸収励起放射線ができて直接、エネルギーを放射イオン110へ移ることができる。さらに別の態様では、ホスト結晶格子材料130は、励起放射線を吸収することができるイオンの高感度イオン110および任意に一つ以上を発することによって置換されることができる一つ以上の「格子のイオン」を含むことができ、結果として生じるエネルギーを放射イオン110へ移すことができる。場合によっては、ホスト結晶格子吸収は役立ってもよい。但し、ホスト結晶格子吸収は特に大多数のケースに役立たない。より一般的に、移行金属イオン(例えばクロミウム)または希土類元素イオン(例えばエルビウム)が、高感度イオンとして使われる。これらの元素もイオンを発するとして作用することができ、または、それらもエネルギーを他のイオン(例えば、放射イオン110)へ移ることができ、それはそれから転送されたエネルギーを放出する。実質的に、励起的な光子エネルギーがこの範囲において非常に高いので、全てのホスト結晶格子材料は紫外線範囲の吸収装置として作用することができる。しかし、この現象が、統合された所望のイオンから全てでいかなる放出も与えることができるというわけでない。
【0026】
[0034] 交換されることができる格子のイオンは、100%の置換まで、含まれるか唯一であるかより放射イオン110である場合イオンの感度を高めている一つ以上によって置換されることができるホスト結晶格子材料130の範囲内のイオンである。最も放射イオン濃度だけでなく、100%の置換レベル未満に急冷されているので、100%の置換はまれである。しかし、相互作用項が大幅に削減されるように、ホスト格子中の放射イオンの物理的な分離以来、大きな置換を可能に特定のイオンとホスト格子の組み合わせが遠く離れて十分であり、いくつかの注目すべき例外がある。
【0027】
[0035] 後で更に詳細に説明するように、蛍光体化合物100の放射イオン110の濃度を示している値はさまざまな実施形態を使用して決定されることができる。その値が確実な蛍光体の放射イオン110の濃度と一致するとき、蛍光体が塗布される物品は確実であると決定されることができる。放射イオン110は、非常に低い置換パーセンテージ(例えば、1%未満で不純物を添加され)、中間の置換パーセンテージ(例えば、1%から20%まで)または高い置換パーセンテージ(例えば、20%から100%まで)で置換されることができる。例えば、Nd(ネオジム)が1.5重量%までの比較的低いパーセンテージで置換されていてもよく、ホルミウム(Ho)及びイッテルビウム(Yb)は20%まで媒体百分率で置換されてもよく、エルビウム(Er)は、60%までの比較的高い割合で置換されてもよく、これらおよび他のイオンも同様に、異なるパーセンテージで置換されていてもよい。ここで使用しているように、用語「置換」は、低、中間、および高い置換パーセンテージを含む、いかなるパーセンテージででも置換される。ホスト格子の材料に置換される各々のイオンの量は原子パーセントに関して一般に記載されている。ここで、高感度イオンおよび/または放射イオンによって取り替えられることができるホスト格子の材料のイオンの数は100%に等しい。高感度イオンおよび/または放射イオンと交換でき、ホスト材料のイオンは、典型的には、類似のサイズ、同様のローディング、それは置き換えられますイオンと同様の配位嗜好を有することができる。ホスト結晶格子の範囲内のさまざまな位置が生じることができるにつれて、各々のこれらの位置上のイオンは100原子パーセントと考えられる。
【0028】
[0036] ホスト結晶格子材料130は、放射イオン110および任意の増感剤が組み込まれる材料(例えば、置換)を含む。より詳しくは、ホスト結晶格子材料130が、異なる化学的構成が格子の範囲内でさまざまな位置で代理をすることができる結晶格子の形であってもよい。ホスト結晶格子材料130は放射イオン110が多数のバンドの範囲内で観測可能な放射物を生成することを確実にするのに選ばれなければならず、放出は認証装置の実施形態を使用して分析および以下に詳細に記載されている方法に適している。さまざまなある実施形態では、ホスト結晶格子材料130は酸化物、フッ化物、酸硫化物、ハロゲン化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、没食子酸塩、リン酸塩、バナジウム酸塩、オキシハライド(oxyhalide)、アルミン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、ガーネットおよびニオブ酸塩からなる群から選択される材料を含む。但し、同様に、他のホスト結晶格子材料が使われることができる。例えば、ホスト結晶格子130は、イットリウム(Y)酸硫化物(Y2O2SまたはYOS)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、ガドリニウム(Gd)ガリウム・ガーネットまたは他の材料を含むことができる。
【0029】
[0037] 放射イオン110は、ある実施形態では、はるかに比較的別々であるサブバンドの範囲内で、多数の、比較的強い放出を有するイオンを含む。さまざまな実施形態によれば、放射イオン110は、クロミウム(cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、セリウム(Ce)、プラセオジミウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(TM)およびイッテルビウム(Yb)からなる群から選択される要素のイオンを含む。例えば、ある実施形態では、放射イオン110は+3の原子価を有することができるが、他の実施形態では、放射イオン110は異なる原子価(例えば+2および/または+4)を有することができる。
【0030】
[0038] さまざまな実施形態では、ホスト結晶格子材料130に置換されるイオン110を発する総濃度は、蛍光体化合物に適切に励起放射を受けた後に検出可能な放射物を生産させるのに十分である。例えば、ホスト結晶格子材料において置換されるイオン110を発する総濃度は、約0.095原子パーセントから約99.995原子パーセントまでの範囲である。しかしながら、依然として、蛍光体化合物(例えば、励起放射に暴露される発光を生成する機能)の官能基を生成しながら置換されていてもよい放射イオン110の濃度は、置換されているイオンの種類に依存する。 換言すれば、まだ、蛍光体化合物の機能性を維持すると共に、いくつかのイオンは比較的高いパーセンテージで置換されることができる、しかし、他のイオンが同じ、比較的高いパーセンテージで置換される場合、機能性は破られることができる。
【0031】
[0039] ホスト結晶格子材料130に置換される放射イオン110の濃度は原料のためのいかなる背景不純物濃度よりも大きくなければならない、その一方で、多数のバンドの放出強度との所望の数学的関係を達成するために充分な濃度である。一般に、希土酸化物不純物のレベルは、蛍光体化合物の点で2、3ppmにまさらない。不純物のこの比較的低いレベルが蛍光体化合物の発せられた放射線特性に、軽微な変化を起こすことができるにもかかわらず、不純物は蛍光体化合物の特性のいかなる重要な変化も起こしてはならない。
【0032】
[0040] ある実施形態では、蛍光体化合物100の放射イオン110の濃度に基づいて変化する分岐比率によって特徴づける放射イオン110が選ばれる。換言すれば、ホスト結晶格子材料130が第1の濃度でイオン110を発すると共に不純物を添加されるときに、蛍光体化合物100は第1の分岐比率によって特徴づけられる。ホスト結晶格子材料130が第2の、異なる濃度で、イオン110を発すると共に不純物を添加されるとき、蛍光体化合物100は第2の、異なる分岐比率によって特徴づけられる。
【0033】
[0041] 励起放射に暴露した後、蛍光体合物100内の放射イオン110は、光子を放出し、複数のバンド内の放射の積分強度を観察することができる。後で詳しく述べるように、ある実施形態では、多数のバンドの範囲内で統合した強度との測定された関係を表す比較値は算出され、比較値は、比較値が蛍光体化合物100が確実な化合物であることを示すかどうか決定するために周知のパラメータ(例えば予想される比率)と比較される。したがって、多数のバンドの統合した放出強度との数学的関係が、認証パラメータとして使われることができる。ある実施形態では、減衰時定数も、認証パラメータとして使われることができる。
【0034】
[0042] 場合によっては、放射イオン(例えば、
図1の放射イオン110のうちの1つ)は直接の吸収プロセスを経て励起し、それは放射イオンのための吸収帯の範囲内で励起放射線を提供することを含む。あるいは、ホスト結晶格子または高感度イオンは、すでに記載されているように、放射イオンを励起するために経路として機能することができる。前者の場合、放射イオンからの放出は、吸収反響レベルから記憶レベルまで急速に減衰する。通常、吸収帯は記憶レベルより上にある。但し、これは常にではなく、吸収反響レベルからの減衰時間は記憶レベルから減衰時間と比較して非常に急速である。記憶レベルから、自然発生的な光子排出は、記憶レベルおよび下部のエネルギー準位で測定される波長バンドで起こることができる。更に詳細に下で説明されるように、放射イオン110からの発せられた電磁放射の特徴は蛍光体化合物100が「認証する」蛍光体化合物と一致するか否か、決定するために用いることができる。
【0035】
[0043]
図2-6は、特定の放射イオン(すなわちエルビウム)によって不純物を添加される特定の結晶格子材料(すなわちYOS)を含む蛍光体化合物のさまざまな特徴を表す。なお、以下の例は限定するものと解釈すべきではなく、実施形態は、他の蛍光体の多種多様な化合物を特徴付けるために使用されてもよいことが理解されるべきである。加えて、実施形態蛍光体化合物が特定のパーセンテージ(すなわち、2.0、4.0、8.0、16.0および32.0原子パーセント)で不純物を添加される化合物を含むにもかかわらず、実施形態が、同様に、異なるドーピング・パーセンテージを有する蛍光体化合物を特徴づけるために用いることができると理解される。
図2-6は、蛍光体化合物の分岐比率が水晶のホスト格子の材料に置換される放射イオンの濃度次第であることができる概念を例示するために含まれる。
【0036】
[0044]
図2は、ある実施形態では、さまざまな実施形態蛍光体化合物のためのドーピング・パーセンテージの関数として、(第1の波長で)放出強度を例示するグラフ200である。より詳しくは、グラフ200はエルビウム(Er)のための980ナノメートルのレベル(任意単位(AU))がさまざまなドーピング・パーセンテージでYOSに不純物を添加したという放出信号をプロットする。ポイント201は、約2.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント202は、約4.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント203は、約8.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント204は、約16.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント205は、約32.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応する。グラフ200が指示するように、放射物濃度は2.0乃至8.0原子パーセント・ドーピングまで急速に上がっり(約35.0AUから約120.0AUまで)、それから8.0乃至32.0原子パーセント・ドーピングまで比較的ゆっくり減少する(〜約5.0AU)。スペクトルに関連がある単一の数が得られるように、実際の比較は所望のいくつかの波長範囲以上の強度信号を積分することによって通常される。波長範囲は、一般的に発光バンドや結果に影響を与える可能性のある他の汚染信号を最小にするために少し他をカバーする。
【0037】
[0045]
図3は、実施形態による
図2の実施形態蛍光体化合物のためのドーピング・パーセンテージの関数として、放出強度(第2の波長で)を例示しているグラフ300である。より詳しくは、グラフ300はさまざまなドーピング・パーセンテージでエルビウム・ドーピングしたYOSの1550ナノメートルでの放出信号レベルをプロットする。ポイント301は、約2.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント302は、約4.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント303は、約8.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント304は、約16.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応し、ポイント305は、約32.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物の発光信号レベルに対応する。グラフ300が示すように、放射レベルは、2.0から16.0原子パーセント・ドーピングまで(約18.0AUから約125.0AUまで)急速に上がり、それから16.0から32.0原子パーセント・ドーピングまで比較的急速(〜約5.0AU)に減少する。
【0038】
[0046] グラフ200、300の分析は、放出強度とドーピング・パーセンテージとの間の関係が異なる波長でエルビウム・ドーピングしたYOSに関して異なることを示す。例えば、980ナノメートルで、放出強度は約8.0原子パーセント(ポイント203)のドーピングでピークに達するように見え、1550ナノメートルで、放出強度は約16.0原子パーセント・ドーピング(ポイント304)のドーピングでピークに達するように見える。さまざまな波長の放出強度およびドーピングとの関係が非線形であるので、放出強度間の分岐比率はドーピング・パーセンテージによって変化する。
【0039】
[0047]
図4は、実施形態による
図2の実施形態蛍光体化合物のためのドーピング・パーセンテージの関数として、第1および第2の波長で放出強度間の比率を例示しているグラフ400である。より詳しくは、グラフ400はさまざまなドーピング・パーセンテージのための1550ナノメートルで、放出強度に980ナノメートルで放出強度の比率をプロットする。ポイント401は、約2.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物について発光強度の比に対応し、ポイント402は、約4.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物について発光強度の比に対応し、ポイント403は、約8.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物について発光強度の比に対応し、ポイント404は、約16.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物について発光強度の比に対応し、ポイント405は、約32.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物について発光強度の比に対応する。グラフ400が示すように、比較的低いドーピング・パーセンテージの統合した放出強度間の比率は比較的高く(すなわち2.0原子パーセントのドーピング・パーセンテージで約4.0)、ドーピング・パーセンテージが増加する(すなわち16.0の原子パーセントおよび上記のドーピング・パーセンテージで〜約0.5)につれて、比率は着実に比較的低い値に減少する。以下でより詳細に説明するように、
異なる帯域における積分発光強度との比がドーピング割合によって変化するため、比率(または発光強度の間に別の数学的関係)の計算は、特定のリン化合物は、特定のドーピング濃度を有するかどうか、したがって、特定のリン化合物が本物であるかどうかを示すために使用され得る。異なるバンドの放出はかなり異なる崩壊定数を呈するので、励起ソースが除去されたあと、同時に、異なるバンドの測定値になることは、望ましい。この場合、統合した放出強度値はまた、時間の関数として、変化する。
【0040】
[0048] 蛍光体化合物が離散的な波長(例えば980または1550ナノメートル)で、放出すると評されるにもかかわらず、実際には、特定の波長と関連する放出はバンドの中央に乱暴に特定の波長を有する波長(すなわち全てのスペクトルのサブバンド)の範囲全体に、実際に広げられる。したがって、放出強度値を生み出すために、放出信号は、指定された波長範囲にわたって統合される。測定では、これは一般的に縮小波長範囲とその応答一般に関心のある波長範囲にわたって幾分平坦である検出器素子を受け入れるようにバンドパスフィルタを用いて行われる。それは発光ピーク値を比較することは困難であるように、統合された放射値は、測定するのが比較的簡単である。測定装置が一定の状態に保たれる限り、統合した強度の比率は与えられたイオン置換量のために安定していなければならない。したがって、本願明細書において実際になされることができる与えられた波長の「放出強度」または「強度」のリファレンスは、バンド全体の統合した強度測定値と一致する。この概念は、
図5および6に関してより明らかに表される。
【0041】
[0049]
図5は、実施形態による
図2の実施形態蛍光体化合物のための第1のバンド(すなわち、約980ナノメートルのバンドセンター)の範囲内で、波長の関数として、放出強度を例示しているグラフ500である。グラフ500が指示するように、第1のバンドの範囲内の重要な放出は波長(例えば、約975ナノメートルと1015ナノメートルとの間)の範囲全体にある。トレース501は約2.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース502は約4.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース503は約8.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース504は、約16.0原子パーセントのエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース505は、約32.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示す。
【0042】
[0050]
図6は、実施形態による
図2の実施形態蛍光体化合物のための第2のバンド(すなわち、約1550ナノメートルのバンドセンター)の範囲内で、波長の関数として、放出強度を例示しているグラフ600である。グラフ600が示すように、第1のバンドの範囲内の重要な放出は波長(例えば、約1500ナノメートルと1610ナノメートルとの間)の範囲全体にある。トレース601は約2.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース602は約4.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース603は約8.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース604は、約16.0原子パーセントのエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示し、トレース605は、約32.0原子%のエルビウムをドープしたYOSホストを含む蛍光化合物のための信号レベルを示す。
【0043】
[0051]
図7は、例示の実施形態によれば、蛍光体化合物(例えば蛍光体化合物100、
図1)を生産する方法のフローチャートである。通常、実施形態に従う蛍光体化合物は、従来技術において技術のそれらにとって公知である多くの従来の方法のいずれかを使用してつくられることができる。実施形態によれば、蛍光体化合物の作成は、ブロック702の事前の蛍光体化合物を形成するために蛍光体の組合せにホスト結晶格子材料(例えばホスト結晶格子材料130、
図1)および放射イオン(例えば一つ以上の放射イオン110、
図1)を用意することを含む。場合によっては、これは固体化学を使用して達成されることができる。例えば、蛍光体化合物が酸化物蛍光体であるときに、これは放射イオンの酸化物を有するさまざまな酸化物が組み合わさっている正しい規模を含むことができる。これらの酸化物を混合し、所定時間焼成する。他の場合、溶液化学技術が使われることができ、さまざまな材料は、その後誘発され、溶かされて、その後焼成する。
【0044】
[0052] 化合物をつくるために用いる特定の方法に従い、他の材料は、ホスト結晶格子材料の組合せおよび事前の蛍光体化合物を形成する際の放射イオンに含まれることができる。例えば、様々なフラクシング剤及び他のプレカーソルは、予備の蛍光体化合物内に含めることができる。
【0045】
[0053] ブロック704において、事前の蛍光体化合物は後処理される。そして、発光の蛍光体化合物に結果としてなる。例えば、後処理は事前の蛍光体化合物に次の過程のいかなる一つ以上も実行することを含むことができる:点火;アニーリング:サスペンション:前駆体除去(例えば、フラクシング剤の除去);ミリング;堆積:超音波処理。そのさまざまな特徴の利点が理解されることができるために、結果として生じる蛍光体化合物はそれから様々な物品のいずれかに組み込まれることができる。例えば、蛍光体化合物は、物品を認証する方法を提供するために物品に組み込まれることができる。
【0046】
[0054]
図8は、例示の実施形態による物品850を認証するシステム800である。システム800は、実施形態によれば、処理システム802、励起放射発生装置804、光学フィルタ(フィルタ)810、812と関連する複数の放射線検出器(「検出器」)806、808、光学素子814、データストレージ816、およびユーザインタフェース818を含む。処理システム802は、物品(例えば、物品850)を認証に関連付けられた(例えば、実行可能なソフトウェア・アルゴリズムの形態)制御及び分析プロセスを実行するように構成された一つ以上のプロセッサ及び関連する回路を含んでもよい。
【0047】
[0055] ある実施形態によれば、励起放射線生成装置804が物品850の領域852に向かって励起放射820を指し向けるように、処理システム802は、励起放射線生成装置804に制御信号を提供するように構成される(例えば、蛍光化合物を含む認証機能やその上の領域を配置する必要がある)。望ましくは、領域852は、本格的な物品のために、一貫して生産し、濃縮し、本格蛍光体材料(例えば、プロセス変動の影響を比較的堅牢な領域)を有する可能性が高い認証機能が含まれ、領域に対応する。制御信号では、処理システム802は、励起放射の供給のタイミング(例えば、開始時間、停止時間、および/または持続時間)を指定することができ、および/または、特定の励起放射に関連する他のパラメータが生成される(例えば、強度および/または他のパラメータ)。一般的に、励起放射線発生器804(例えば選択された発光ダイオードまたはレーザーダイオードによって生じられる励起のバンド幅)の一部として含まれる励起ソースに基づいて、励起放射線のバンド幅は、予定される。例えば、さまざまなタイミングおよび/または放射線生成パラメータはデータ記憶816から検索されることができる。例えば、励起放射線発生器804は、一つ以上のレーザー、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)、白熱フィラメント、ランプまたは他の励起ソースを含むことができる。
【0048】
[0056] 制御励起放射線発生器804に加えて、演算処理システム802は発せられた放射線検出器806、808に、制御入力を提供するように構成される。そして、それは発せられた放射線検出器806、808にいくつかの励起放射線820を吸収した(直接間接的に)ことに応答して物品850の領域852によって生じられる発せられた放射線822、824、826を探知することを試みさせる。
【0049】
[0057] 実施形態によれば、発せられた放射線822は光学エレメント814に影響を与える。そして、それは発せられた放射線822を第1および第2の光線824、826に分ける。第1の光線824は第1のバンドの範囲内で光を含み、重ならなくて、第1のバンドから切り離される第2のバンドの範囲内で、第2のビーム826は光を含む。光学エレメント814は、探知器806のうちの1つに第1の光線824を向けて、探知器808のその他に第2のビーム826を向ける。実施形態によれば、光学エレメント814は第1の光線824を反射して、第2のビーム826を通過するように構成される。例えば、光学エレメント814はポリクロメータ(polychromator)、プリズム、回折格子、薄膜フィルタ、干渉フィルタ、干渉フィルタ、干渉鏡および干渉リフレクタからなる群から選択されるエレメントであってもよい。この種の光学エレメント814に対する効果は、同時に両方の探知器806、808が物品850の同じ領域852から放射した放射物のコンポーネントを受けることを可能にするということである。そして、このように結果として生じる強度測定値の相互関係を最大にする。
【0050】
[0058] 例えば、各々の発せられた放射線検出器806、808は、スペクトル・フィルタ810、812、一つ以上の電気光学センサ、光電子倍増管、雪崩フォトダイオード、フォトダイオード、電荷結合素子、電荷注入装置、光学的なフィルムまたは他の検出装置を含むことができる。具体例において、各々の発せられた放射線検出器806、808は、物品850および光センサの間に位置するスペクトル・フィルタ810、812を含む。検出器806、808に提供される前に、スペクトルフィルタ810は、ビーム812は、824、826をフィルタリングするように構成され、そのため、 唯一の全体のスペクトルのサブバンド内の放射される放射線は、実際には、各検出器806、808のアクティブ領域に入射する。例えば、スペクトル・フィルタ810、812はロングパスを含むことができる。そして、他の種類の帯域通過またはフィルタが重要なスペクトル・バンドだけの範囲内の光を通過して、他の全ての光を拒絶するように構成される。例えば、システム800が先に述べた蛍光体実施形態(例えばエルビウム・ドーピングしたYOS)のような蛍光体を含む物品を認証するように構成される場合、スペクトル・フィルタ810、812のうちの1つはロングパス・フィルタ(例えば1500ナノメートルのロングパス・フィルタ)を含むことができ、スペクトル・フィルタ810、812のその他は半値幅(FWHM)バンドパスフィルタ(例えば、20ナノメートルのFWHMバンドパスフィルタは、中心が980ナノメートル)で、前幅(Full Width)を含むことができる。
【0051】
[0059] 探知器806、808の各々は、重要なスペクトル・バンドの範囲内の感度を有し、したがって、そのスペクトル・バンドの範囲内であるスペクトル・フィルタ810、812を通過している光を検出することができる。実施形態によれば、探知器806、808のうちの1つは重要な(例えば980ナノメートルまたは他のいくつかのバンド)第1のバンドの範囲内で、発せられた放射線を探知するように構成される、そして、探知器806、808のその他は重要な(例えば1550ナノメートルまたは他のいくつかのバンド)第2のバンドの範囲内で、発せられた放射線を探知するように構成される。探知器806、808は、同じタイプの中でまたは異なるタイプであってよい。具体例によれば、探知器806、808は異なるタイプである。例えば、探知器806、808のうちの1つはシリコン探知器を含むことができ、探知器806、808のその他はインジウム-ひ化ガリウム(InGaAs)探知器(例えばテレコミュニケーション・タイプまたは拡張InGaAs)を含むことができる。他の実施形態(例えば硫化鉛、鉛セレン化物、ゲルマニウム、アンチモン化インジウム、インジウム-ヒ化物、プラチナ・ケイ素化合物、アンチモン化インジウムなど)で、他の種類の重要なバンドの範囲内で発せられた放射線を探知することができる探知器が使われることができる。別の実施形態では、単一の探知器は使用されることができ、それは重要な全てのバンドの発せられた放射線を探知することができる。このような実施形態では、光学エレメント814はシステム800から締め出されることができる。他の別のある実施形態では、2つ以上の探知器は、重要な2つ以上のバンドの発せられた放射線を探知するために使用されることができる。このような実施形態では、複数の光学エレメントは、多数の探知器の方へ直射的な異なった光線に使用されることができる。
【0052】
[0060] 上記したように、各々の探知器806、808は、探知器806、808の活性領域に影響を与える収集した放射線の強度と比例している電子信号を生産する。より詳しくは、各々の探知器806、808は、探知器806、808によって受け取られる発せられた放射線のサブバンド全体の統合した強度を表している信号(例えば一つ以上のデジタル化された強度値)を生成する。(例えば、
図8のシステム800と同様に)複数の検出器806、808はシステムで使用される場合、望ましくは、積分強度の値は、電子的に同時の積分強度として、同時に、各検出器806,808によって捕捉される測定は、よりロバストで正確な比較をもたらす可能性がある。各々の発せられた放射線検出器806、808は、一つ以上の予め選択された間隔(例えば、t=0、および、次いでその後0.1ミリ秒ごと、いくつかの間隔の間で始まる)で、強度値をデジタル化することができる。加えて、各々の発せられた放射線検出器806、808は演算処理システム802(例えばデジタル化された強度値)に、情報を提供する。そして、それは発せられた放射線822のスペクトルで時間的特性が特徴づけられることを可能にする。
【0053】
[0061] 処理システム802は、任意の検出された放射線の時間的およびスペクトル特性が「認証中」の蛍光体化合物(すなわち、識別および/または認証目的のために使われる周知の時間的でスペクトル特性を有する蛍光体化合物)の時間的およびスペクトル特性に対応するか否かを判断するために、その受信時に、そのような情報を分析するように構成される。
【0054】
[0062] 後で詳しく述べるように、演算処理システム802は、第1のバンドの発せられた放射線の第1の統合した強度、および、ある実施形態では、第1のバンドを重ねない第2のバンドの発せられた放射線の第2の統合した強度との数学的関係を表す比較値を算出するように構成される。処理システム802は、さらに、比較値が予想される予め決定された認証パラメータ(例えば、データ記憶装置816に格納されている)と有利に比較するかどうかを決定するように、並びに、比較値が認証パラメータと都合よく比較するとき、真正であると物品を識別するように構成される。逆にいえば、比較値が有利に認証パラメータと比較されないとき、演算処理システム802は物品を出所不明であると確認するように構成される。具体例において、比較値は第1の統合した強度と第2の統合した強度との間の比率であり、認証パラメータは比率が物品のために減少しなければならない比率の範囲が確実であることに指定されることを示している値を含む。他の実施形態では、比較値は、第1および第2の統合した強度との異なる数学的関係に基づいて算出される値であってもよい。さらに他のある実施形態では、励起ソース(例えば、放射線822を発した)が削除されるかまたは脇道へそれたあと、比較値は定義済みの時間に実際の強度に基づいて算出される値であってもよい。各々の光学フィルタ810、812および探知器806、808の組合せは、対応する波長範囲以上の信号を統合する。励起ソースが削除されるかまたは脇道へそれたあと、強度値はそれから放射物の減衰特性のために減少する。測定時間がシステム800のために固定されるままである限り、確実な材料のための強度の比率は比較的一定のままでなければならない。
【0055】
[0063] 加えて、ある実施形態では、演算処理システム802は検出放射線の時間的特性が有利に他の所定の認証パラメータと比較するかどうか決定することができる。例えば、演算処理システム802は発せられた放射線の減衰時間が有利に減衰時間パラメータに匹敵するかどうか決定することができる。減衰時間が都合よく減衰時間パラメータと比較しないとき、演算処理システム802は物品を出所不明であると確認することができる。
【0056】
[0064] 検出放射線の時間的でスペクトル特性が認証している蛍光体化合物の予想される予め定められた認証パラメータと一致するとき、演算処理システム802は物品850を確実な物品と確認することと関連するいくらかの措置をとることができる。例えば、演算処理システム802は信号をユーザ・インタフェース818(それはユーザ・インタフェース818に確実性(例えば表示された証印、光、音、その他)のユーザ-認知可能な指示を生じさせる)に送信することができるおよび/または、演算処理システム802によってルートの方へ物品850を送るシステム800(例示されなくて)または確実な物品に指定されるビンのルーティングコンポーネントが生じることができる。あるいは、検出放射線の時間的および/またはスペクトル特性が認証している蛍光体化合物の予想される予め定められた認証パラメータと、一致しないときに、演算処理システム802は物品850を出所不明の物品と確認することと関連するいくらかの措置をとることができる。例えば、 処理システム802は、非真正のユーザが知覚可能な指示(例えば、表示、光、音など)を生成させるユーザインターフェース818に信号を送信することができ、および/または、処理システム802は、システム800のルーティングコンポーネント(図示せず)が非真正の物品のために割り当てられたルートまたはビンに向けて物品850をルーティングさせる。
【0057】
[0065] ユーザ・インタフェース818は、システム800(例えばキーボード、ボタン、タッチスクリーン、その他)への入力を提供するためにユーザによって操作されることができ、または、ユーザ-認知可能な証印(例えばディスプレイスクリーン、照明、スピーカなど)を生じるために演算処理システム802によって制御されることができる多くのコンポーネントのいずれかを含むことができる。上記の方法は、例えば、ユーザ・インタフェース818を有するユーザの相互作用によって提供されるユーザ入力に応答して始められることができる。あるいは、上記の方法は、システム800(例えば物品850が励起および検出プロセスが実行されることができる場所に置かれた時)によって、自動的に始められることができる。
【0058】
[0066]
図9は、例示の実施形態による蛍光体化合物を含むことができる物品の認証を実行する方法のフローチャートである。例えば、
図9において表される方法の実施形態は、認証システム(例えば認証システム800、
図8)によって実行されることができる。ブロック902で、方法は開始することができる。そのとき、認証される(例えば物品850、
図8)物品は認証システムによって受け取られる。例えば、物品は認証システムの適当な容器の範囲内で、手動で配置されることができ、または、物品は自動的に容器(例えば、ソートまたは運搬装置システムによって)を経由することができる。
【0059】
[0067] ブロック904では、物品は励起放射線にさらされる。例えば、物品は励起位置(例えば、励起ウインドウの下)へ移動することができ、演算処理システム(例えば演算処理システム802、
図8)は励起放射線発生器に物品に励起放射線を向けさせる励起放射線発生器(例えば励起放射線発生器804、
図8)に、制御信号を送ることができる。あるいは、励起放射線発生器は連続的に励起放射線を提供することができ、または、励起放射線は調整されることができる。
【0060】
[0068] ブロック906では、物品に対する励起放射線の供給がやめられる。これは、励起放射線をオフにする(例えば、物品が動かないものおよび励起放射線のままであることができるシステムで、律動的に送られる)ことによって物品を励起放射線が目指している領域から離れ、検出位置(例えば、検出窓の下)に動かすことによって達成されることができる。別の実施形態では、システムが後述する検出プロセスを実行すると共に、励起放射線の供給は続くことができる。
【0061】
[0069] ブロック908では、認証システムは、物品(例えば、発せられた放射線検出器806、808、
図8)から、多数のバンド内で発せられた放射線を検出する。検出は一つ以上の検出間隔で実行され、物品の方の励起放射線の方向がやめられた時間から、それは測定される。ある実施形態では、システムは第1のバンドおよび第2のバンドの発せられた放射線を探知するように構成されるが、システムは、同様に、2つ以上のバンドの発せられた放射線を探知するように構成されることができる。
【0062】
[0070] ブロック910において、多数のバンドの範囲内で検出、発せられた放射線の強度を量子化している情報は、(例えば、演算処理システム802(
図8)によって)分析される。ある実施形態では、多数のバンドの発せられた放射線の強度との数学的関係は、算出される。具体例において、数学的関係は比率であり、比較値(C)は以下の通り算出されることができる:
C = I
B1/I
B2 (式1)
ここで、I
B1は、第一の帯域で測定された集積発光強度(励起が除去された後又は所定の時間で測定された絶対強度)を示し、I
B2は、第2の帯域内で測定された集積発光強度(又は励起を除去した後、所定の時間で測定された絶対強度)を示す。
【0063】
[0071] 他の実施形態では、比較値は、励起放射線の断絶の後、複数の時間に検出される多数の発せられた放射線強度に基づいて決定されることができる。例えば、平均強度は各々のバンドのために算出されることができ、比較値は平均強度の比率であってもよい。あるいは、バンドの範囲内の強度の比率は各々の多数の検出時間の間算出されることができ、比較値は比率の平均であってもよい。他の実施形態では、他の数学的関係が使われることができ、それは変数として多数の強度測定値を含む。選ばれる数学的関係は、他の要因と一緒に、認証されている蛍光体化合物の放出特徴に依存する。例えば、他のバンドの放出と比較して1つのバンドの放出が非常に急速に減衰する(例えば、放出が少ない時定数を有する)場合、特定の蛍光体化合物のために、強度間の比率は少ない時間増加以上の比率の急速な増加を避けるために分子の急速に減衰している放出を特徴づけている値を有する。ある実施形態によれば、所望の比率が統一(または他のいくつかの目標値)にセットされるように、検出システム(例えばシステム800、
図8)のための増加がセットされることができる。そのような実施形態では、前記比の変動を検出することは比較的容易であり、小さな測定誤差が大きな偏差を生じなくてもよい。
【0064】
[0072] ある実施形態では、発せられた放射線の分析も、一つ以上のバンド内で発せられた放射線の減衰時間を決定することを含むことができる。ある実施形態では、減衰時間は、複数回(例えばt=0、t=0.1ミリ秒など)で発せられた放射線の検出強度に基づいて決定されることができる。励起放射線の除去に、放出の強度は時間とともに減衰し、放射イオンのための減衰の率は減衰時定数によって特徴づけられることができる。例えば、放出強度の単純な指数関数的な減衰のために、減衰時定数は、以下の式の定数τによって表すことができる:
I(t) = I
0e
-t/τ (式2)
ここで、tは時間を表し、I(t)は時刻tにおける発光強度であり、I
0は、t=0での発光強度を示す(例えば、T=0は、励起放射の提供を中止した瞬間に相当する)。いくつかの蛍光体化合物のための放出強度が上記の、単純な指数公式によって減衰することができるにもかかわらず、他の蛍光体化合物のための放出強度は指数関数が減衰させる(例えば減衰に影響を及ぼしている多数の機構がある時)倍数に影響を受けることができる。場合によっては、蛍光体化合物は、特にエネルギー転送が機構の一部であるときに、単純な一つの指数関数的な減衰も示すことはない。
【0065】
[0073] ブロック912では、比較値は、一つ以上の認証パラメータと比較される。例えば、認証パラメータは、下限、上限、範囲、その他を含むことができる。より詳しくは、比較値が第1および第2のバンドの放出強度の比率の範囲であるある実施形態では、認証パラメータは、比率の範囲を定めている上下の限度を含むことができる。かかる場合、比較値と認証パラメータとの都合のよい比較は、放出強度(ブロック908からの算出比較値)の比率が比率(すなわち、比率は下限より大きくて上限より小さい)の範囲の中で減少する比較である。逆にいえば、比較値と認証パラメータとの好ましくない比較は、放出強度の比率も下限より小さいか上限より大きい比較である。比較値を評価することに加えて、判定は減衰時間が特定の蛍光体化合物のための指定された範囲の中であるかどうかなされることができる。
【0066】
[0074] ブロック914では、比較値が認証パラメータと好意的に同等であると見なす(及び、場合により、減衰時定数は許容される崩壊時間の範囲と好意的に同等であると見なす)と判断したとき、このシステムは、「真正」であると物品を識別し、ブロック914において、対応するアクションをとることができる。例えば、システムによって確実性のユーザ-認知可能な指示を生じることができ、および/または、ルートの方へ物品を送るシステムまたは確実な物品に指定されるビンのルーティングコンポーネントが生じることができる。別の方法として、判定は、比較値が認証パラメータと有利に同等であると見なさない(又は、場合により、減衰時定数は許容される崩壊時間の範囲と有利に同等であると見なさない)と判断したとき、 このシステムは、「非真正」であると物品を識別してもよく、ブロック918において、対応するアクションをとることができる。例えば、システムによって非確実性のユーザ-認知可能な指示を生じることができ、および/または、ルートの方へ物品を送るシステムまたは出所不明の物品に指定されるビンのルーティングコンポーネントが生じることができる。
【0067】
[0075]
図10は、例示の実施形態による蛍光体を含有する材料を含む物品1000の断面図を表す。例えば、物品1000の実施形態が、埋め込みおよび/または表層の応用認証機能1010、1020および/または物品1000を含むことができ、物品1000の一つ以上のコンポーネントの範囲内で、均一にまたは不規則に分散する蛍光体分子1030(例えば、基板1002、および/または、一つ以上の層または物品の他のコンポーネントの範囲内)などを含めることができる。認証機能1010、1020および粒子1030のさまざまな相対的な寸法は、
図10において一定の縮尺ではない。物品1000が埋め込みで表層の応用認証機能1010、1020および分子1030を含むために例示されるにもかかわらず、他の物品は1または埋め込み認証機能、表層-応用認証機能および分散した蛍光体分子の組合せを含むことができる。たった一つの埋め込み認証機能1010、1020の各々が
図10に示されているが、最終的に、物品は認証機能1010、1020のいずれかのタイプの複数を含むことができる。
【0068】
[0076] 物品1000は、基板1002(それは堅くてもよいか可撓性でもよい)を含む、そして、さまざまな実施形態では、それは一つ以上の層またはコンポーネントから形成されることができる。様々な実施形態の蛍光体化合物は、物品の異なるタイプの広大な配列と組み合わせて使用することができるように、基板1002の様々な構成は、枚挙にいとまがない。したがって、単純な、一体的基板1002が
図10において例示されるにもかかわらず、基板1002が様々な異なる構成のいずれかを有することができると理解される。また、無生物、固体物品がここで説明されているが、ある実施形態では、「物品」は、ヒト、動物、生体試料、液体試料、および実質的に任意の他の物体または材料を含んでもよいことを理解すべきである。
【0069】
[0077] ある実施形態では、埋め込み認証機能1010は、一つ以上の剛性であるか可撓性材料、または、蛍光体化合物を含む。例えば、埋め込み認証機能1010は、独立した装置、剛性であるか可撓性基板、偽造防止糸または他の種類の構造の形で構成されることができる。さまざまな実施形態では、埋め込み認証機能1010は基板1002の厚み1004まで、約1ミクロンの範囲の厚み1012を有することができ、埋め込み認証機能1010は幅および基板1002の長さ以下である幅および長さを有することができる。
【0070】
[0078] 例えば、表層-応用認証機能1020は、それが一つ以上の剛性であるか可撓性材料を含む印刷認証機能または認証機能であってもよく、または、実施形態によっては蛍光体化合物が含まれる。例えば、表層-応用認証機能1020は、インク、顔料、コーティングまたは前述したように蛍光体化合物を含む塗料から成ることができる。あるいは、表面適用認証機能1020は、蛍光化合物が中にまたはその上に含まれている剛性または可撓性材料からなり、次いで、基板を接着又は他の方法で物品基材1002の表面に取り付けられる。さまざまな実施形態によれば、表層-応用認証機能1020は、約1ミクロン以上の厚み1022を有することができ、表層-応用認証機能1020は幅および基板1002の長さ以下である幅および長さを有することができる。
【0071】
[0079]
図10に示すようにまたは他の実施形態の物品1000(例えば、物品の一つ以上の層またはその他コンポーネントの範囲内で)の一つ以上の他のコンポーネントの範囲内で、蛍光体分子1030は、基板1002の範囲内で均一にまたは不規則に分散することができる。例えば、蛍光体分子1030は、分子1030を基板1002または他のコンポーネントのためのベース材料(例えば製紙用パルプ、プラスチック・ベース樹脂など)に混入することによっておよび/または基板1002または他のコンポーネントに分子1030のコロイド分散を注入することによって基板1002または他のコンポーネントの範囲内で分散することができる。含浸は、滴下、又は溶射法、印刷法により、実施することができる。ある実施形態では、蛍光体分子1030は1ミクロンから20ミクロンまで範囲の粒子サイズを有することができる。但し、蛍光体粒子1030はより小さくてもよく、同様に、上の所定のレンジより、大きくてもよい。
【0072】
[0080] さまざまな実施形態では、物品1000は、身分証明書、運転免許証、パスポート、識別書類、銀行券、検査、文書、紙、株券、包装コンポーネント、クレジットカード、バンク・カード、ラベル、封止、郵便切手、液体、人間、動物および生物学的サンプルを包含するグループから選択される物品のいかなるタイプであってもよいが、これに限定されるものではない。基板1002は、様々な形の基板のいずれであってもよく、紙、重合体、ガラス、金属、織物および繊維を含むグループから選択される一つ以上の材料を含むが、これに限定されるものではない。
【0073】
[0081] 発光の蛍光体化合物を認証するための方法と装置のさまざまな実施形態およびそれらが組み込まれる物品を上述した。方法と装置が使われることができる蛍光体化合物の実施形態は、多数の放出サブバンドによって特徴づけられるドーパント(例えば、放射イオンを置換した)を含む。望ましくは、ドーピング濃度は、放出サブバンド間の安定した比率を生じるために蛍光体成長プロセスでかなり制御されることができる。検出器の異なるタイプは、関心のある各スペクトル放射を検出するために使用することができるように、実施の形態によれば、スペクトル放射は、比較的遠く離れている。従来の検出器は、異なる放射イオン濃度を有する化合物を区別することができない可能性があるため、そのような実施形態は、比較的強固な認証リン化合物の生成を容易にすることができる。したがって、秘密のドーピング濃度を有する蛍光体化合物をつくる試みは、おそらく成功していない。加えて、成長方法が有意に減衰時定数に影響を及ぼすので、成長方法も比率表示に影響を及ぼすことができる。機密ドーパントレベルは、十分に制御された以外の成長プロセスの使用は、蛍光体化合物のロバスト性に追加するだけでなく、および/または、機密成長プロセスは、同じ比率の読みを生成する蛍光体化合物を生成しないことを意味する。
【0074】
[0082] 蛍光体化合物の実施形態がインクを含んでいる発色団のようなキャリアに含まれるとき、インクの吸光度も信号の比率を変えることができ、インクの効果は認証プロセスで説明される。蛍光体化合物が紙または他の媒体に含まれるとき、類似した効果も起こり得る。
【0075】
[0083] 様々な実施形態の利点は、製造プロセス(およびプロセスに関連付けられた品質保証)が、製造工程及び蛍光体化合物の構成要素に関する詳細な情報にアクセスすることなく達成することは困難である発光レートを有する蛍光体化合物を生成し得ることである。上で詳述した様に、所定の濃度の単一の放射イオンの使用は予測可能な放出強度比率に結果としてなる。プロセスはまた、第1のオーダーにバリエーションおよび粒径分布を混合するロバストである。対照的に、デュアルタイプのタガント・システムは、はるかにエラーに影響されやすい。
【0076】
[0084] 加えて、エネルギーが均一かつ再現可能な様式で電子マニホールドを通って流れるための実施形態に係る単一の励起源および単一出射光の成分の分析の使用は、より強固な認証を提供する。これは、実質的に変更励起レベルのためのエラーおよびソースのスペクトル移動を除去することができる。それらのエラー条件は信号大きさ変化に結果としてなるだけである。そして、それは信号比率方法によって取り除かれる。
【0077】
[0085] 少なくとも一つの典型的な実施形態が前述の詳細な説明に示されると共に、非常に多くのバリエーションが存在すると認められなければならない。典型的な実施形態は例示だけであって、いかなる形であれ範囲、適用性または発明の内容の構成を制限することを目的としないことはまた、認められなければならない。むしろ、前述の詳細な説明は、技術を示す従来技術において本発明の典型的な実施形態を実行するための便利なロードマップを有し、それによく理解されている非常にさまざまな変化であることを提供する機能および特許請求の範囲に記載したように本発明の範囲内において、典型的な実施形態およびそれらの均等の範囲に記載されている要素の配置でなされることができる。