特許第6096775号(P6096775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6096775不連続受信(DRX)と共に構成されるユーザ機器のアクティブ時間ステータスに基づくアップリンク制御シグナリングを送信すべきかの決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096775
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】不連続受信(DRX)と共に構成されるユーザ機器のアクティブ時間ステータスに基づくアップリンク制御シグナリングを送信すべきかの決定
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20170306BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20170306BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170306BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W52/02 110
   H04W72/04 136
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-525965(P2014-525965)
(86)(22)【出願日】2012年5月9日
(65)【公表番号】特表2014-528196(P2014-528196A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】SE2012050490
(87)【国際公開番号】WO2013025147
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年4月10日
(31)【優先権主張番号】61/522,981
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(72)【発明者】
【氏名】エーステルガード、ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットバリ、ミーケル
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0038277(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/085230(WO,A2)
【文献】 特表2013−516921(JP,A)
【文献】 特開2010−050579(JP,A)
【文献】 特表2010−528557(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/063244(WO,A2)
【文献】 3GPP TS 36.213 V10.1.0,2011年 3月,pp.96-110,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.213/36213-a10.zip
【文献】 3GPP TS 36.321 V10.1.0,2011年 3月,pp.29,30,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.321/36321-a10.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(120)において、無線アクセスネットワークノード(110)へアップリンク送信を行うべきか否かを決定するための方法であって、当該ユーザ機器(120)及び無線アクセスネットワークノード(110)は、通信ネットワーク(100)に含まれ、当該ユーザ機器(120)は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるように不連続受信(DRX)と共に構成され、前記方法は、
送信時間tにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であるか否かに関わらず、前記送信時間tに対する予め定義されるより早い単一の時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、前記アップリンク送信を前記送信時間tにおいて行うべきか否かを決定すること(201)、を特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記アップリンク送信は、周期的なアップリンク制御シグナリング及び/又はサウンディングリファレンス信号の送信を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、前記周期的なアップリンク制御シグナリングと共に他のアップリンク制御シグナリングを送信するために使用すべきフォーマットを決定すること(202)、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記他のアップリンク制御シグナリングは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)及び/又は確認応答/否定応答(A/N)フィードバックを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、サウンディングリファレンス信号の送信を可能とするためにアップリンクデータ送信を間引くべきか否かを決定すること(203)、
をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記アップリンクデータ送信は、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)上で行われるものである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
PUSCH上で行われるべき前記アップリンクデータ送信の最終シンボルが、当該最終シンボルにおけるサウンディングリファレンス信号の送信を可能とするために間引かれる、請求項5〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づく前記決定は、前記ユーザ機器(120)から前記無線アクセスネットワークノード(110)への同時に起こる他のアップリンク送信が存在する時間インスタンスにおいて適用される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づく前記決定は、前記ユーザ機器(120)への無線アクセスネットワークノード(110)のシグナリング又は無線アクセスネットワークノードのデータ送信に起因する前記アクティブ時間の変更があった時間インスタンスにおいて適用される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記周期的なアップリンク制御シグナリングは、チャネル品質標識(CQI)、プリコーディング行列インジケータ(PMI)、ランク標識(RI)及びプリコーダタイプインジケータ(PTI)のうちの全て又は任意のサブセットを含む、チャネル状態情報(CSI)を含む、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
無線アクセスネットワークノード(110)へアップリンク送信を行うべきか否かを決定するためのユーザ機器(120)であって、当該ユーザ機器(120)及び無線アクセスネットワークノード(110)は、通信ネットワーク(100)に含まれことを意図され、当該ユーザ機器(120)は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるように不連続受信(DRX)と共に構成され、
送信時間tにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であるか否かに関わらず、前記送信時間tに対する予め定義されるより早い単一の時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、前記アップリンク送信を前記送信時間tにおいて行うべきか否かを決定するように構成される第2レイヤエンティティ(310)、を備えることを特徴とする、
ユーザ機器(120)。
【請求項12】
前記アップリンク送信は、周期的なアップリンク制御シグナリング及び/又はサウンディングリファレンス信号の送信を含む、請求項11に記載のユーザ機器(120)。
【請求項13】
前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、前記周期的なアップリンク制御シグナリングと共に他のアップリンク制御シグナリングを送信するために使用すべきフォーマットを決定するように構成される第1レイヤエンティティ(320)、
をさらに備える、請求項12に記載のユーザ機器(120)。
【請求項14】
前記他のアップリンク制御シグナリングは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)及び/又は確認応答/否定応答(A/N)フィードバックを含む、請求項13に記載のユーザ機器(120)。
【請求項15】
前記第2レイヤエンティティ(310)は、前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、サウンディングリファレンス信号の送信を可能とするためにアップリンクデータ送信を間引くべきか否かを決定する、ようにさらに構成される、請求項11〜14のいずれかに記載のユーザ機器(120)。
【請求項16】
前記アップリンクデータ送信は、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)上で行われることを意図される、請求項15に記載のユーザ機器(120)。
【請求項17】
PUSCH上で行われることを意図される前記アップリンクデータ送信の最終シンボルが、当該最終シンボルにおけるサウンディングリファレンス信号の送信を可能とするために間引かれる、請求項15〜16のいずれかに記載のユーザ機器(120)。
【請求項18】
前記第2レイヤエンティティ(310)は、前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づく前記決定を、前記ユーザ機器(120)から前記無線アクセスネットワークノード(110)への同時に起こる他のアップリンク送信が存在する時間インスタンスにおいて実行する、ようにさらに構成される、請求項11〜17のいずれかに記載のユーザ機器(120)。
【請求項19】
前記第2レイヤエンティティ(310)は、前記送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいて前記ユーザ機器(120)がアクティブ時間内であったか否かに基づく前記決定を、前記ユーザ機器(120)への無線アクセスネットワークノード(110)のシグナリング又は無線アクセスネットワークノードのデータ送信に起因する前記アクティブ時間の変更があった時間インスタンスにおいて実行する、ようにさらに構成される、請求項11〜18のいずれかに記載のユーザ機器(120)。
【請求項20】
前記周期的なアップリンク制御シグナリングは、チャネル品質標識(CQI)、プリコーディング行列インジケータ(PMI)、ランク標識(RI)及びプリコーダタイプインジケータ(PTI)のうちの全て又は任意のサブセットを含む、チャネル状態情報(CSI)を含む、請求項12〜14のいずれかに記載のユーザ機器(120)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここでの実施形態は、ユーザ機器及びその方法に関する。具体的には、無線アクセスネットワークノードへのアップリンク送信を行うべきか否かを判定することに関する。
【背景技術】
【0002】
[移動体通信システム]
典型的なセルラー無線システムにおいて、移動局及び/又はユーザ機器(UE)としても知られる無線端末は、1つ以上のコアネットワークへ無線アクセスネットワーク(RAN)を介して通信する。無線アクセスネットワークは、複数のセルエリアへ分割される地理的エリアをカバーする。各セルエリアは、基地局、例えば、無線基地局(RBS)によってサービスを提供される。基地局は、いくつかのネットワークでは、例えばUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)では“NodeB”、LTE(Long Term Evolution)では“eNodeB”とも呼ばれ得る。セルは、基地局サイトにおける無線基地局機器によって無線カバレッジが提供される地理的エリアである。基地局は、無線周波数上で動作するエアインタフェースを通じて当該基地局のレンジ内のユーザ機器と通信する。
【0003】
無線アクセスネットワークのいくつかのバージョンにおいて、複数の基地局が、典型的に、例えば地上回線又はマイクロ波によって無線ネットワークコントローラ(RNC)又は基地局コントローラ(BSC)といった制御ノードに接続される。制御ノードは、当該制御ノードへ接続される複数の基地局の多様なアクティビティを監督し及び協調させる。無線ネットワークコントローラは、典型的には、1つ以上のコアネットワークに接続される。
【0004】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)は、第3世代移動体通信システムであり、当該システムは、第2世代(2G)のGSM(Global System for Mobile Communications)から進化した。UTRAN(UMTS terrestrial radio access network)は、本質的に、ユーザ機器について広帯域符号分割多重アクセスを用いる無線アクセスネットワークである。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)として知られるフォーラムにおいて、通信サプライヤは、第3世代ネットワーク及び具体的にはUTRANについて標準を提案し及び合意し、並びに、強化されたデータレート及び無線キャパシティを探求している。EPS(Evolved Packet System)についての仕様は、3つ目の3GPP内で完成されており、来たるべき3GPPリリースにおいて継続されることになる。EPSは、LTE(Long Term Evolution)無線アクセスとしても知られるE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)と、SAE(System Architecture Evolution)コアネットワークとしても知られるEPC(Evolved Packet Core)とを含む。E−UTRAN/LTEは、無線基地局ノードがRNCノードではなくEPCコアネットワークに直接的に接続されるという、3GPP無線アクセス技術の一変種である。一般に、E−UTRAN/LTEにおいて、RNCノードの機能は、例えばLTEにおけるeNodeBといった無線基地局ノードと、コアネットワークとの間で分散される。そのため、EPSシステムのRANは、本質的には、RNCノードにより制御されない複数の無線基地局ノードを含む、“フラットな”アーキテクチャを有する。
【0005】
[不連続受信DRX]
LTE(Long Term Evolution)は、ユーザ機器が当該ユーザ機器の無線回路のいくつか又は全てをターンオフすることで電力を節約することを可能とするために不連続受信(DRX:Discontinuous Reception)をサポートし、それによりユーザ機器のバッテリー寿命を増加させる。DRX機能は、無線アクセスネットワークにより構成され及び制御される。DRXに関するユーザ機器の振る舞いは、ユーザ機器がスケジューリング許可及び割当てのためにPDCCH(Physical Downlink Control Channel)をいつモニタリングすべきか、及びユーザ機器がアップリンク制御シグナリング及びアップリンクサウンディングリファレンス信号をいつ送信すべき又は送信すべきでないかを定義するルールの集合に基づく。DRX機能は、DRXサイクルと、ユーザ機器がアクティブ時間(active time)内か否かを決定する複数のタイマとにより特徴付けられる。それらタイマは、持続期間タイマ(on-duration timer)、非アクティビティタイマ(inactivity timer)及び再送タイマ(retransmission timer)を含む。ユーザ機器は、各DRXサイクルの開始時に、持続期間ピリオド全体にわたってPDCCHをモニタリングし、DRXタイマ群に従って追加的に稼動状態を維持する(stay awake)。ユーザ機器は、無線アクセスネットワークからの新たな送信を示す割当て又は許可を受信する都度、非アクティビティタイマを開始し又は再開し、当該タイマが満了するまでPDCCHのモニタリングを継続する。さらに、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)の動作を保証するために、ユーザ機器は、再送が想定可能となり次第、ULにおけるあり得る再送のための許可、及びDLにおけるあり得る再送を待ち受ける。スケジューリング要求の送信後、及びランダムアクセス手続の一部の間にも、ユーザ機器がアクティブ時間内となるピリオドはある。
【0006】
LTE MAC(Medium Access Control)36.213リリース8によれば、DRXが構成される場合、ユーザ機器は、各サブフレームについて、以下を行うものとされる:
−アクティブ時間の間、PDCCHサブフレームについて、半二重FDDのUEの動作についてのアップリンク送信のために当該サブフレームが必要とされない場合、及び当該サブフレームが構成されるメジャメントギャップの一部でない場合、−当該PDCCHをモニタリングする。半二重FDDとは、ユーザ機器が送信と受信との間でスイッチングを行うようにサブフレームが使用される場合をいう。即ち、DL及びULの双方のために同じ回路が使用される。
【0007】
MACプロトコルは、例えばスケジューリング情報及びHARQをハンドリングするプロトコルである。よって、DRXは、主に、ユーザ機器のダウンリンクのモニタリングを規制する。しかしながら、さらなるバッテリーの節約のために、周期的なチャネル状態情報(CSI)レポーティング及び周期的なサウンディングリファレンス信号(SRS)といった周期的なアップリンク制御シグナリングもまた、DRXによって制限される。サウンディングリファレンス信号(SRS)は、チャネル推定を改善することを可能とするために送信される。
【0008】
LTE MACによれば、DRXが構成される場合、ユーザ機器は、各サブフレームについて、以下を行うものとされる:
−アクティブ時間外であれば、タイプ0トリガ型のSRS(type-0-triggered SRS)はレポートされないものとする。タイプ0トリガ型のSRS=周期的なサウンディングリファレンス信号。
−CQIマスク(cqi-Mask)ともいうチャネル品質標識(CQI)マスキングは、この場合はRRCである上位レイヤによりセットアップされる。
−持続期間タイマが稼動中でなければ、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)上のプリコーディング行列インジケータ(PMI)、ランクインジケータ(RI)及び/又はプリコーダタイプ標識(PTI)はレポートされないものとする。持続期間タイマは、DRXサイクルの開始と共に、持続期間ピリオドを決定する。即ち、例えばonDurationTimer=4であれば、持続期間ピリオドは、DRXサイクルの開始から前方へ4サブフレームとなる。
−それ以外の場合、アクティブ時間外であれば、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIはレポートされないものとする。
【0009】
[アクティブ時間]
ユーザ機器についてのアクティブ時間は、複数のタイマと条件とによって定義される:
MAC LTEによれば、DRXサイクルが構成される場合、アクティブ時間は次の最中の時間を含む:
−LTE MAC仕様における5.1.5節に記述されている通り、持続期間タイマ、DRX非アクティビティタイマ、DRX再送タイマ又はMAC競合解決タイマが稼動中;
−LTE MAC仕様における5.4.4節に記述されている通り、スケジューリング要求がPUCCH上で送信され保留中;
−保留中のHARQ再送についてアップリンク許可が生じる可能性があり、且つ対応するHARQバッファ内にデータあり;又は
−LTE MAC仕様における5.1.4節に記述されている通り、ユーザ機器により選択されていないプリアンブルについてのランダムアクセス応答の成功裏の受信後に当該ユーザ機器のC−RNTI(Cell Radio Network Temporary ID)宛ての新たな送信を示すPDCCHが受信されていない。当該プリアンブルは、ランダムアクセスプリアンブルとして言及され得る。
【0010】
タイマの開始及び停止は、上で引用したLTE MAC仕様において特定されている:
MAC LTEプロトコルによれば、DRXが構成される場合、ユーザ機器は、各サブフレームについて、以下を行うものとされる:
−当該サブフレーム内でHARQ RTTタイマが満了し且つ対応するHARQプロセスのソフトバッファ内のデータが成功裏に復号されなかったならば、対応するHARQプロセスについてDRX再送タイマを開始。
−DRX Command MAC制御エレメントが受信されると、持続期間タイマを停止し、及びDRX非アクティビティタイマを停止。
−DRX非アクティビティタイマが満了し又は当該サブフレーム内でDRX Command MAC制御エレメントが受信されると、
−ショートDRXサイクルが構成される場合、DRXショートサイクルタイマを開始し又は再開し、ショートDRXサイクルを使用。
−そうでない場合、ロングDRXサイクルを使用。
−当該サブフレーム内でDRXショートサイクルタイマが満了すると、ロングDRXサイクルを使用。
−ショートDRXサイクルが使用され、且つ次式が成り立つ場合、
[(SFN*10)+サブフレーム番号]modulo(shortDRX-Cycle)
=(drxStartOffset)modulo(shortDRX-Cycle)、又は
−ロングDRXサイクルが使用され、且つ次式が成り立つ場合、
[(SFN*10)+サブフレーム番号]modulo(longDRX-Cycle)=drxStartOffset
持続期間タイマを開始。
−PDCCHサブフレームについてアクティブ期間の間、当該サブフレームが半二重FDD UE動作のためのアップリンク送信について必要とされず且つ当該サブフレームが構成されるメジャメントギャップの一部でなければ、PDCCHをモニタリングして、ダウンリンク送信をPDCCHが指示せず又はダウンリンク割当てが当該サブフレームのために構成されていなければ、
−対応するHARQプロセスのためのHARQラウンドトリップ時間(RTT)タイマを開始し、当該対応するHARQプロセスのためのDRX再送タイマを停止。
−PDCCHが新たな送信、ダウンリンク又はアップリンク、を指示していれば、DRX非アクティビティタイマを開始し又は再開。
−アクティブ時間外であれば、タイプ0トリガ型のSRSはレポートされないものとする。
【0011】
これは、PDCCH許可若しくは割当ての受信、又はダウンリンク(DL)共有チャネル(SCH)送信といったイベントにより上述したタイマが停止され又は開始されることを意味する。ユーザ機器を直接的にアクティブ時間外にし得るDRX Command MAC制御エレメントもある。これらイベントのいくつかは、ユーザ機器にとって事前には知らされず、よって、ユーザ機器は、t=nにおいてアクティブ時間内であって、例えばネットワークからの送信に起因してt=n+1においてアクティブ時間内ではもはやなくなることを知らないかもしれない。
【0012】
ユーザ機器がPDCCHをモニタリングしているか否かに関わらず、ユーザ機器は、HARQフィードバックを送受信し、及びタイプ1トリガ型のSRSをそれが想定される時に送信する。
【0013】
[周期的SRS及びPUCCH A/Nのレイヤ1の詳細]
リリース8のLTEアップリンクのシングルキャリアの性質に起因して、例えば次のように2つのアップリンク送信が同時発生しそうなタイミングとなる場合には特殊なルールが適用される、
1)HARQのダウンリンク送信についてのA/N、確認応答(“ack”あるいは“A”)/否定応答(“nack”あるいは“N”)、が周期的なCSIレポートと同時、又は
2)PUSCHの送信がSRSの送信と同時。
【0014】
上述した点をより詳細に考慮すると:
ダウンリンク送信についてのPUCCH上のHARQ A/Nは、PUCCHフォーマット1a/1bを用いてレイヤ1上で送信される。1a/1bは、それぞれ1ビット及び2ビットのA/N情報を送信するためのフォーマットである。周期的なCSIと時間において衝突する場合、HARQ A/Nと周期的なCSIレポートとは、多重化され、PUCCHフォーマット2a/2bを用いて送信される。2a/2bは、周期的なCSIレポートとオプションとして多重化されるA/N情報とを送信するためのフォーマットである。
【0015】
PUSCH送信は、通常、サブフレームの全てのシンボルを使用する。サブフレームの最終シンボルを使用する周期的なSRS送信と時間において衝突する場合、PUSCH送信は、最終シンボルを除く全てのシンボルがPUSCHのために使用されるように間引かれ、最終シンボル内で、PUSCHの代わりにSRSが送信される。PUSCHの間引きは、ユーザ機器がそれ自体SRSを送信しているかに関わらず、PUSCHがセルのSRS帯域幅と周波数において衝突する都度発生し、及び、PUSCH送信の周波数位置に関わらず、ユーザ機器がそれ自体SRSを送信する都度発生する。
【0016】
しかしながら、サブフレームnにおいて送信のアクティブ時間が終了し、又はサブフレームnにおいてアクティブ時間が開始される場合、ユーザ機器において未知であるサブフレームnにおけるDRXステータスに基づいて何を送信すべきかをユーザ機器が決定するという既存のルールは、当該ユーザ機器にとって処理時間の猶予を与えず、上述した解決策の実装を困難とする。
US2011/038277A1は、チャネル品質インジケータの送信リソースを決定するための方法及び機器を説明している。それらは、不連続受信DRX動作が採用される場合に、時間分割複信TDDシステム及び半二重周波数分割複信HD−FDDシステムにおいて適用される。当該方法は、DRXサイクルにおけるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)をモニタリングする開始点が特定される場所であるダウンリンクサブフレームのロケーションを判定するステップと、チャネル品質インジケータCQIを送信するために使用される送信リソースが当該判定されたロケーションの前のアップリンクサブフレーム又は当該判定されたロケーションの後の1つ以上のアップリンクサブフレームであるかを判定するステップと、を含む。ダウンリンクスケジュールを実行する際のCQI情報の利用可能性が保証され、CQIを送信するために使用される送信リソースが節約される。
US2011/134774A1は、無線送受信ユニット(WTRU)の振る舞いを、
構成、構成パラメータ及びアクセスの論点に応じて解決するための方法及び装置を説明しており、WTRUが複数サービングセル又はキャリアアグリゲーションと共に構成され得る場合のアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、ここでの実施形態の目的は、DRXと共に構成されるユーザ機器におけるアップリンク送信をハンドリングする改善された手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
ここでの実施形態の第1の観点によれば、上記目的は、ユーザ機器において無線アクセスネットワークノードへアップリンク送信を行うべきか否かを決定するための方法により達成される。当該ユーザ機器及び無線アクセスネットワークノードは、通信ネットワークに含まれる。当該ユーザ機器は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるように不連続受信(DRX)と共に構成される。当該ユーザ機器は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、アップリンク送信を送信時間tにおいて行うべきか否かを決定する。
【0019】
ここでの実施形態の第2の観点によれば、上記目的は、無線アクセスネットワークノードへアップリンク送信を行うべきか否かを決定するためのユーザ機器により達成される。当該ユーザ機器及び無線アクセスネットワークノードは、通信ネットワークに含まれことを意図される。当該ユーザ機器は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるように不連続受信(DRX)と共に構成される。当該ユーザ機器は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、アップリンク送信を送信時間tにおいて行うべきか否かを決定するように構成される第2レイヤエンティティ、を備える。
【発明の効果】
【0020】
送信時間tにおいてアップリンク送信を行うべきか否かの決定が、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器がアクティブ時間内であったか否かに基づくため、ユーザ機器は時間tまでに十分な時間を獲得し、必要とされる処理時間の猶予がユーザ機器に与えられる。
【0021】
これは、DRXと共に構成されるユーザ機器におけるアップリンク送信をハンドリングする改善された手法をもたらす。
【0022】
これら実施形態と共に、ユーザ機器は、ある良好に定義された時間においてアップリンク送信を行うように要請され、それら送信時間は無線アクセスネットワークノードにとっても既知であり、それは予期可能な手法でユーザ機器から無線アクセスネットワークノードへシグナリング情報を伝達することが可能であることを意味する。それにより、ユーザ機器からのシグナリング情報が必要とされる際にユーザ機器がアップリンク送信を実行しない余地を残すような何らかの随意的な振る舞いが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
上述した及び他の本発明の目的、特徴及び利点は、添付図面に描かれるような好適な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかとなるであろう。図面において、多様な図を通じて参照符号は同じ部分に言及する。ここでの実施形態の例は、添付された次の図面を参照しながらより詳細に説明される。
【0024】
図1】通信ネットワークを例示する概略ブロック図である。
図2】ユーザ機器における方法の実施形態を描くフローチャートである。
図3】ユーザ機器の実施形態を例示する概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態は、以下の非限定的な説明において例示されるであろう。
【0026】
ここでの実施形態の評価の一部として、まずは問題が識別され議論される。ユーザ機器は、新たな送信若しくは新たな送信についての許可又はアクティブ時間を停止するコマンドといった受信される情報について動作可能となる前に、当該ユーザ機器にサービスしている無線アクセスネットワークノードから受信するコマンド、シグナリング又はビットを処理するための時間を常に必要とする。それ故、サブフレームnにおいて送信のアクティブ時間が終了し、又はサブフレームnにおいてアクティブ時間が開始されるとしても、ユーザ機器は、xを何らかの正の値としてサブフレームn+xまで、自身が実際にアクティブ時間内であることを知らないであろう。受信される情報についての処理遅延に加えて、ユーザ機器は、自身のアップリンク送信、即ち無線アクセスネットワークノードへの送信を準備するための処理時間をも必要とする。よって、サブフレームnにおいてアップリンク送信を行うことが予定されている場合、ユーザ機器は、yを何らかの正の値としてサブフレームn−yまでに前もって、当該ユーザ機器が何を送信することを想定されているかを知っておかなければならないであろう。ユーザ機器において未知であるサブフレームnにおけるDRXステータスに基づいて何を送信すべきかをユーザ機器が決定するという既存のルールは、当該ユーザ機器にとっての送信の準備をするための処理時間の猶予を与えない。
【0027】
ユーザ機器において未知の無線アクセスネットワークノードからのイベントに起因して、アクティブ時間の変更を生じさせた当該イベントがユーザ機器に知られるまで、アクティブ時間が終了し若しくは開始し又は延長した後にユーザ機器が送信することを期待されるものに関して、いくらかの自由度(degree of freedom)が必要とされる。LTE MACプロトコルでは、PUCCHのCSIレポーティングについての例外があり、そうした例外について以下に述べる:
【0028】
ユーザ機器は、新たなアップリンク又はダウンリンク送信を示すPDCCHのアクティブ時間の最終サブフレーム内での受信に続く最大4つのサブフレームにわたって、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIレポート及び/又はタイプ0トリガ型のSRS送信を行わないことを、オプションとして選択し得る。PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIレポート及び/又はタイプ0トリガ型のSRS送信を行わないという選択は、持続期間タイマが稼動中の場合には適用不可である。
【0029】
無線アクセスネットワークノードは、標準に従ってユーザ機器からの送信を期待する。例えば、CSI又はSRSが予定されている(due)場合に、ユーザ機器がサブフレームnにおいてアクティブ時間内であれば、新たなダウンリンク割当て又はアップリンク許可の受信からアクティブ時間が直近で延長されたことに起因してユーザ機器がアクティブ時間内であるとしても、PUCCH上で周期的なCSIを送信することが期待され、サウンディングリファレンス信号(SRS)を送信することが期待される。また、CSI又はSRSが予定されている場合に、ユーザ機器がサブフレームnにおいてアクティブ時間外であれば、ユーザ機器がちょうど直近で非アクティブ時間に入ったとしても、PUCCH上で周期的なCSIを送信しないことが期待され、SRSを送信しないことが期待される。加えて、ユーザ機器がダウンリンク送信又はPUSCH送信についてのHARQ A/Nを送信することが期待される場合、PUSCHを伴うHARQ A/Nのためのフォーマットの選択は、ユーザ機器がアクティブ時間内であるか否かに依存する。PUSCHを伴うHARQ A/Nは、アクティブ時間に依存しては変化しないであろう。PUCCHを別にすれば、アクティブ時間に依存して、CSIが送信されるか否かで、HARQ A/Nを伴う場合のフォーマットは異なる。フォーマット2a/2bはHARQ A/N及びCSIの双方が送信される場合に使用され、フォーマット1a/1bはHARQ A/Nのみが送信される場合に使用され得る。
【0030】
よって、eNBにおける復号は、アップリンク送信があるフォーマットを有することに依拠する。問題は、想定されるフォーマットが正確でない場合にデコードが失敗することである
【0031】
ここでの実施形態は、通信に関し、具体的にはユーザ機器からの無線又はエアインタフェース上でのアップリンク(UL)送信に関する。
【0032】
ここで開示される実施形態の技術のある観点によれば、実際のアップリンク送信時にアクティブ時間内かアクティブ時間外かというDRXステータスに従って動作する代わりに、アップリンク送信について、ユーザ機器は、より早い、送信時間に対する固定的な既知のオフセットで予め定義される時間インスタンスのDRXステータスに基づいて、フォーマットを決定し、並びにSRS、PUCCH CSI及びPUCCH A/Nといったアップリンク送信を行うか行わないかを決定し得る。この時間リファレンスのシフトは、アップリンク送信を準備している時のユーザ機器について、実際の送信が行われる将来の状態への依存を除去する。
【0033】
必ずしも限定ではなくあり得る例示的な特徴として、時間リファレンスのシフトは、生じるはずのアップリンク送信が同じユーザ機器からの他のアップリンク送信と時間において衝突する場合にのみ、及び/又はネットワークからの、即ち無線アクセスネットワークノードからのシグナリングに起因してDRXステータスに変更があった場合にのみ、適用されてもよい。上の2つの例示的な特徴は、一方は他方を必要としないことから別個に適用されてもよく、又は双方が同時に適用されてもよい。
【0034】
図1は、ここでの実施形態が実装され得る通信ネットワーク100を示している。通信ネットワーク100は、LTEネットワーク若しくは任意の3GPPセルラーネットワーク、WiMax、Wi−Fi又は任意のセルラー若しくはワイヤレスネットワーク若しくはシステムといった無線通信ネットワークである。
【0035】
通信ネットワーク100は、無線アクセスネットワークノード110といった1つ以上の無線ネットワークノードを含む。無線アクセスネットワークノード110は、セル115にサービスを提供する。無線アクセスネットワークノード110は、アクセスポイントであり、無線基地局であってもよい。当該無線基地局により提供される論理的な機能は、例えば、eNB、eNodeB、若しくはホームNodeB、ホームeNodeB、又は無線ネットワーク内のユーザ機器若しくはマシンタイプ通信デバイスへサービスを提供可能な他の任意のネットワークノード、の機能であってよい。
【0036】
通信ネットワーク100は、ユーザ機器120をさらに含む。ユーザ機器120は、ユーザ機器120がセル115内に位置する場合に、無線アクセスネットワークノード110によりサービスされる。ユーザ機器120ユーザ機器は、無線リンク130上で無線アクセスネットワークノードと通信するように適合される、(図3に示した)通信インタフェース125を備える。
【0037】
ここで使用される通り、ユーザ機器120は、端末又は無線端末としても言及され、携帯電話、セルラー電話、ラップトップ、又は例えば移動終端などの無線ケイパビリティを伴うサーフプレート(surf plate)であってよく、よって、例えば、無線アクセスネットワークを介して音声及び/又はデータを通信する、ポータブルな、ポケット型の、手持ち型の、コンピュータ内蔵型の、又は車載型の移動デバイスであってよい。さらに、ユーザ機器120は、無線アクセスネットワークを介して音声及び/又はデータを通信する固定的な端末であってもよい。
【0038】
そうした方法及び装置の例としての実施形態において、ユーザ機器120は、無線若しくはエアインタフェース130上での無線アクセスネットワークノード110へのアップリンク制御シグナリング及び/又はサウンディングリファレンス信号について決定と送信とを行う。
【0039】
ユーザ機器120は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるようにDRXと共に構成される。例えば、持続期間タイマが稼動中であれば、ユーザ機器はアクティブ時間内である。持続期間タイマが稼動中でなければ、ユーザ機器は、他のタイマ及び他の条件に依存して、アクティブ時間内又はアクティブ時間外であり得る。
【0040】
UE120は、選択的に又は断続的にアクティブ時間に入って無線アクセスノード110と通信し、さもなければスリープモード又は非アクティブ時間に留まる。
【0041】
例示的な実施形態及び態様において、無線アクセスネットワークのシグナリングは、DRXタイマの開始又は終了の影響を受け、アクティブ時間を開始し又は終了させ、あるいは無線アクセスネットワークのシグナリングは、アクティブ時間を終了させるDRXコマンドMAC制御エレメントであり得る。
【0042】
図2に示したフローチャートを参照しながら、無線アクセスネットワークノード110へのアップリンク送信を行うべきか否かを決定するためのユーザ機器120における方法の実施形態が、以下に説明される。上で言及したように、ユーザ機器120及び無線アクセスネットワークノード110は、通信ネットワーク100に含まれる。ユーザ機器120は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるようにDRXと共に構成される。本方法は、任意の適した順序でとられてよい次のようなアクションを含む。図4におけるいくつかのボックスの破線は、当該アクションが必須ではないことを示す。
【0043】
[アクション201]
ユーザ機器120は、送信時間tにおいてアップリンク送信を行うべきか否か、を決定する。当該決定は、ここでの実施形態によれば、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づく。tは、その送信が実行されるものとされている時点を表現する。いくつかの実施形態によれば、これは、より早い、送信時間に対する固定的で既知のオフセットで予め定義される時間インスタンスのDRXステータスに、当該決定が基づくことを意味する。即ち、送信時間tよりも早く、例えば送信時間tよりも0.1〜10ms、典型的には1〜4ms早く、である。時間tよりも早いDRXステータスに基づくこの決定は、ユーザ機器120がアップリンク送信を準備する際に、将来の状態、即ち時間tにおける実際の送信時の状態への依存を除去する。その代わりに、決定はその時点の状態(current state)に依拠する。
【0044】
いくつかの実施形態において、アップリンク送信は、周期的なアップリンク制御シグナリング及び/又はサウンディングリファレンス信号の送信を含む。周期的なアップリンク制御シグナリングは、周期的なCSIであってよく、サウンディングリファレンス信号は、ユーザ機器のチャネルを測定するために使用される予め定義される信号であってよい。
【0045】
周期的なアップリンク制御シグナリングは、CQI、PMI、RI及びPTIのうちの全て又は任意のサブセット、を含むCSIを含み得る。
【0046】
[アクション202]
送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、ユーザ機器120は、周期的なアップリンク制御シグナリングと共に他のアップリンク制御シグナリングを送信するために使用すべきフォーマットを決定し得る。これは、未知の又は誤ったフォーマットによって基地局110において復号に問題が生じるという問題を克服する。そのフォーマットは、例えば、フォーマット1a、フォーマット1b、フォーマット2a、フォーマット2bなどであってよい。いくつかの実施形態において、他のアップリンク制御シグナリングは、HARQ及び/又はA/Nフィードバックを含む。
【0047】
[アクション203]
いくつかの実施形態において、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、ユーザ機器120は、サウンディングリファレンス信号の送信を可能とするためにアップリンクデータ送信を間引くべきか否かを決定する。
【0048】
当該アップリンクデータ送信は、PUSCH上で送信され得る。
【0049】
これら実施形態のいくつかにおいて、PUSCH上で送信されるべきアップリンクデータ送信の最終シンボルが、当該最終シンボルにおいてサウンディングリファレンス信号の送信を可能とするために間引かれる。
【0050】
いくつかの実施形態において、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づく上のアクションステップ201、202又は203の任意のステップは、ユーザ機器120から無線アクセスネットワークノード110への他のアップリンク送信が同時に起こる時間インスタンスに適用される。いくつかの実施形態において、上記アクション201、202、203は、それら時間インスタンスにおいてのみ実行される。
【0051】
いくつかの実施形態において、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づくアクションステップ201、202、203の任意のステップは、ユーザ機器120への無線アクセスネットワークノードのシグナリング又は無線アクセスネットワークノードのデータ送信に起因する、例えばアクティブ時間の延長又はアクティブ時間の終了といった、アクティブ時間の変更があった時間インスタンスに適用される。いくつかの実施形態において、上記アクション201、202、203は、それら時間インスタンスにおいてのみ実行される。
【0052】
上の2つの例示的な特徴は、一方は他方を必要としないことから別個に適用されてもよく、又は双方が同時に適用されてもよい。
【0053】
上記アクション201、202、203が上述した時間インスタンスにおいてのみ実行されるという実施形態において、上で言及した時間インスタンスとは異なる時間インスタンスにおけるアップリンク制御シグナリング及び/又はサウンディングリファレンス信号についての決定及び送信は、送信時間tにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であるか否かに基づいてもよい。
【0054】
上で言及したように、実際のアップリンク送信時にアクティブ時間内かアクティブ時間外かというDRXステータスに従って動作する代わりにここで開示される実施形態に従うアップリンク送信のために、ユーザ機器は、より早い、送信時間に対する固定的な既知のオフセットで予め定義される時間インスタンスのDRXステータスに基づいて、フォーマットを決定し、及びSRS、PUCCH CSI及びPUCCH A/Nといったアップリンク送信を行うか行わないかを決定し得る。この時間リファレンスのシフトは、アップリンク送信を準備している時のユーザ機器について、将来の状態への依存を除去する。このようにして、アップリンク送信をハンドリングする実践的に実現可能な手法が提供され、それは無線ネットワークにおけるスペクトラムを使用するより効率的な手法を示唆する。このようにして、DRXと共に構成されるユーザ機器におけるアップリンク送信のハンドリングは改善される。
【0055】
図2に関連して上で説明したような、無線アクセスネットワークノード110へのアップリンク送信を行うべきか否かを決定するための方法アクションを実行するために、ユーザ機器120は、図3に描かれた以下の構成を備える。図3は、二重の点を伴う破線によって、アクション201、202及び/又は203といったアクションを実行するための手段を描いている。上で言及したように、ユーザ機器120及び無線アクセスネットワークノード110は、通信ネットワーク100に含まれことを意図される。ユーザ機器120は、アクティブ時間内又はアクティブ時間外となるようにDRXと共に構成される。
【0056】
ユーザ機器120は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、アップリンク送信を送信時間tにおいて行うべきか否かを決定するように構成される第2レイヤエンティティ310を、備える。アップリンク送信は、周期的なアップリンク制御シグナリング及び/又はサウンディングリファレンス信号の送信を含む。第2レイヤエンティティは、MACレイヤエンティティであってよい。
【0057】
周期的なアップリンク制御シグナリングは、CQI、PMI、RI及びPTIのうちの全て又は任意のサブセット、を含むCSIを含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、第2レイヤエンティティ310は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、サウンディングリファレンス信号の送信を可能とするためにアップリンクデータ送信を間引くべきか否かを決定する、ようにさらに構成される。アップリンクデータ送信は、PUSCH上で行われることを意図され得る。これら実施形態のいくつかにおいて、PUSCH上で送信されることを意図されるアップリンクデータ送信の最終シンボルが、当該最終シンボルにおけるサウンディングリファレンス信号の送信を可能とするために間引かれ得る。
【0059】
ユーザ機器120は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づいて、周期的なアップリンク制御シグナリングと共に他のアップリンク制御シグナリングを送信するために使用すべきフォーマットを決定するように構成される第1レイヤエンティティ320、をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態において、上記他のアップリンク制御シグナリングは、HARQ、及び/又はA/Nフィードバックを含む。第1レイヤエンティティ320は、物理レイヤエンティティであってよい。
【0060】
第2レイヤエンティティ310及び/又は第1レイヤエンティティ320は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づく上記決定を、ユーザ機器120から無線アクセスネットワークノード110への同時に起こる他のアップリンク送信が存在する時間インスタンスにおいて実行する、ようにさらに構成されてもよい。
【0061】
第2レイヤエンティティ310及び/又は第1レイヤエンティティ320は、送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおいてユーザ機器120がアクティブ時間内であったか否かに基づく上記決定を、ユーザ機器120への無線アクセスネットワークノード110のシグナリング又は無線アクセスネットワークノードのデータ送信に起因するアクティブ時間の変更があった時間インスタンスにおいて実行する、ようにさらに構成されてもよい。
【0062】
上の2つの例示的な特徴は、一方は他方を必要としないことから別個に適用されてもよく、又は双方が同時に適用されてもよい。
【0063】
図3の例としての実施形態において、二重の点を伴う破線は、MACレイヤエンティティなどの第2レイヤエンティティ310及び物理レイヤエンティティなどの第1レイヤエンティティ320が、電子回路、具体的には二重の点を伴う破線によって囲まれたプラットフォームを含み、それによって実現され、及び/又はそれに包含されてもよい、という事実を描いてもいる。“プラットフォーム”という用語は、そこで囲まれている機能ユニット又はエンティティが電子回路を含むマシンによっていかに実装され又は実現され得るかを説明する手法である。1つの例としてのプラットフォームは、コンピュータ実装であり、囲まれているエレメントの1つ以上がプロセッサ340といった1つ以上のプロセッサによって実現され、それらは、コード化された命令を実行し、及びここで説明された多様な動作を実行するために非一時的な信号を使用する。そうしたコンピュータ実装において、ユーザ機器120は、プロセッサに加えて、メモリ350といったメモリ部を備えてもよく、メモリ部は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、アプリケーションメモリ、及び例えばキャッシュメモリといった他の任意のメモリを含み得る。メモリ部、例えばアプリケーションメモリは、例えば、ここで説明された動作を行うためにプロセッサにより実行され得るコード化された命令を記憶し得る。当該プラットフォームは、キーパッドなどの他の入出力ユニット若しくは機能、例えばマイクロフォンなどの音声入力デバイス、例えばカメラなどの視覚入力デバイス、視覚出力デバイス、及び例えばスピーカなどの音声出力デバイスをも備えてもよい。他のタイプの入出力デバイスもまた、ユーザ機器120に接続され又は含まれ得る。ユーザ機器120に適した他の例としてのプラットフォームは、例えばASIC(application specific integrated circuit)などのハードウェア回路のそれであり、その中で、ここで説明された多様な動作を行うために回路素子群が構造化され運用される。
【0064】
以下は、上の実施形態のいずれにも当てはまる。
【0065】
[LTE MACに従うここでの実施形態の実装]
ここで開示された実施形態をDRXについてのLTE MAC仕様36.321セクション5.7において実装するためのあり得る手法が以下に示されており、下線は既存の仕様に対するここでの実施形態に係る修正を示す。
【0066】
DRXが構成される場合、これ以降UE120と言及されるユーザ機器120は、各サブフレームについて、以下を行うものとされる:
kを集合K内の最も近い(most recent)時点とし、サブフレームn−kにおいてアクティブ時間外であれば、タイプ0トリガ型のSRSはレポートされないものとする。Kは、下記の通り、MAC仕様(2011−03)からの3GPP TS36.213V10.1.0内のテーブル10.1.3.101において定義されている。集合Kは、PDSCH送信についてPDCCHが生じたはずのサブフレームを定義し、ここでの生じたとは、PDCCHがUL又はDLの送信を示すことを意味する。
−CQIマスク(cqi-Masn k)が上位レイヤによりセットアップされと、
−持続期間タイマが稼動中でなければ、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIはレポートされないものとする。−それ以外の場合:
kを集合K内の最も近い時点とし、サブフレームn−kにおいてアクティブ時間外であれば、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIはレポートされないものとする。
【0067】
UEがPDCCHをモニタリングしているか否かに関わらず、UE120は、HARQフィードバックを送受信し、及びタイプ1トリガ型のSRSをそれが想定される時に送信する。
【0068】
【表1】
【0069】
注:UE120は、nをアクティブ時間の最終サブフレームとしiを1から3までの整数値として、サブフレームn−i内での新たなアップリンク(UL)又はダウンリンク(DL)送信が受信されることを示すPDCCHに続く最大4つのサブフレームにわたって、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIレポート及び/又はタイプ0トリガ型のSRS送信を行わないことを、オプションとして選択し得る。PDCCH又はMAC制御エレメントの受信に起因してアクティブ時間が停止された後、UE120は、最大で4つのサブフレームまで、PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIレポート及び/又はSRS送信を続行することをオプションとして選択し得る。PUCCH上のCQI/PMI/RI/PTIレポート及び/又はタイプ0トリガ型のSRS送信を行わないという選択は、持続期間タイマが稼動中のサブフレームには適用不可、サブフレームn−iからnまでには適用不可、UE120がUL−SCH(Shared Channel)上で送信を行い又はPUCCH上でHARQフィードバクを送信しているサブフレームには適用不可である。
【0070】
実際のアップリンク送信時にアクティブ時間内かアクティブ時間外かというDRXステータスに従って動作する代わりに、ここで開示される実施形態の技術のある観点によれば、アップリンク送信について、ユーザ機器は、より早い、送信時間に対する固定的な既知のオフセットで予め定義される時間インスタンスのDRXステータスに基づいて、フォーマットを決定し、及びSRS、PUCCH CSI及びPUCCH A/Nといったアップリンク送信を行うか行わないかを決定し得る。この時間リファレンスのシフトは、アップリンク送信を準備している時のユーザ機器について、将来の状態への依存を除去する。このようにして、アップリンク送信をハンドリングする実践的に実現可能な手法が提供され、それは無線ネットワークにおけるスペクトラムを使用するより効率的な手法を示唆する。このようにして、DRXと共に構成されるユーザ機器におけるアップリンク送信のハンドリングは改善される。
【0071】
[ここでの実施形態の代替的な実装]
ここで開示された技術は、多くの実施形態とバリエーション及び例示的な実装とを含む。送信時間tに対する予め定義されるより早い時間インスタンスにおけるサブフレームは、n−kとして言及され得る。例えば、“n−k”における“k”は、必要とする処理時間の猶予をユーザ機器120に与えるために十分に大きい、任意の固定的な、予め定義されるゼロよりも大きい値として定義されてよい。
【0072】
さらに、PUCCH上のCSI又はSRSを送信し又は送信しないことに関する条件は、どのタイマが稼動中であり若しくは稼動中ではないか、又は他の条件を基準として記述されてよく、但しそれは「ユーザ機器120がアクティブ時間内である」又は「ユーザ機器はアクティブ時間外である」と要約されることができる。PUSCH送信について許可が受信された時点又はHARQ A/NをもたらすPDSCH送信が受信された時点にn−kが等しくなるように設定されるkについて、条件は、PUSCH送信について許可が受信された際又はHARQ A/NをもたらすPDSCH送信が受信された際にユーザ機器120がアクティブ時間内であった、というように表記されてもよい。
【0073】
さらに、動的スケジューリングの場合、ユーザ機器120は、PDCCHをモニタリングして、無線アクセスネットワークノード110などのeNBから専用情報(dedicated information)を受信しなければならない。よって、ユーザ機器120は、通常は、PDCCHを受信する際にはアクティブ時間内である。これは、ユーザ機器120が動的スケジューリングでスケジューリングされる場合、半永続的(semi-persistently)にスケジューリングされる場合とは対照的に、ダウンリンク割当て又はアップリンク許可が受信された時間におけるアクティブ時間に関する条件は、HARQ A/N送信又はPUSCH送信と同時に起こる際に周期的なCSI及び/又はSRSがそれぞれ送信されるべきであると記述することと等価である、ということを意味する。半永続的なスケジューリングについては、条件は、「ユーザ機器が半永続的にスケジューリングされていなければダウンリンク割当て又はアップリンク許可が受信されるはずであった時点で、ユーザ機器120がアクティブ時間内であったか」というように記述されてもよい。SPSは、許可/割当てを有しないが、やはりハンドリングされる必要のある同じUL/DL送信を引き起こす。
【0074】
ここで開示されここに包含される技術の実施形態は、数多くの利点を有する。例としての非限定的な利点は、以下を含む:
・ユーザ機器120にアップリンク送信を準備するための十分な時間を提供する。
・ユーザ機器についての既知の予め定義されるアップリンク送信がもたらされ、それにより、ネットワークには当該アップリンク送信をどのように復号すべきかが分かる。従来技術によれば、誤った前提でのアップリンク送信の復号を試行する無線アクセスネットワークノードは、当該送信の復号に失敗することにつながる可能性が最も高いであろう。HARQ A/Nが受信されなければ、パケットの不必要な再送又は不十分な再送が引き起こされる。PUSCH送信が正確に復号されなければ、不必要な再送が引き起こされ、恐らくは上位レイヤ(RLC)の再送がもたらされる。これは、ここでの実施形態に従って設計される無線アクセスネットワークでは起こらないようになる。
【0075】
例えば、ここでのブロック図は本技術の原理を具現化する例示的な回路又は他の機能ユニットの概念的な図を表現し得ることが、当業者によって理解されるであろう。同様に、どのフローチャート、状態遷移図、疑似コードなども、コンピュータ読取可能な媒体に実質的に表現され、コンピュータ又はプロセッサによって実行され得る様々なプロセスを表現することが、そうしたコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かに関わらず、理解されるであろう。
【0076】
“コンピュータ”、“プロセッサ”又は“コントローラ”としてラベリングされ又は説明されたものを非限定的ではあるものの含む、機能ブロックを含む様々なエレメントの機能は、回路ハードウェア、及び/又はコンピュータ読取可能な媒体に記憶されるコード化された命令の形式のソフトウェアを実行可能なハードウェア、の使用を通じて提供されてもよい。よって、当該機能及び例示された機能ブロックは、ハードウェア実装及び/又はコンピュータ実装され、よってマシン実装されるものとして理解されるであろう。
【0077】
ハードウェア実装の観点において、機能ブロックは、限定ではなく、DSP(digital signal processor)ハードウェア、削減された命令セットのプロセッサ、ハードウェア(例えばデジタル又はアナログ)回路を包含し、ハードウェア回路は、限定ではないが、ASIC(application specific integrated circuit(s))及び(適当であれば)当該機能を実行可能なステートマシンを含む。
【0078】
コンピュータ実装の観点において、コンピュータは、概して、1つ以上のプロセッサ又は1つ以上のコントローラを含むものと理解され、コンピュータ並びにプロセッサ及びコントローラという用語は、ここでは互換可能に採用され得る。コンピュータ又はプロセッサ若しくはコントローラにより提供される際、機能群は、単一の専用コンピュータ、プロセッサ若しくはコントローラにより提供されてもよく、単一の共用コンピュータ、プロセッサ若しくはコントローラにより提供されてもよく、又は、複数の個別のコンピュータ、プロセッサ若しくはコントローラにより提供されてもよく、そのいくつかは共有され又は分散型であってもよい。さらに、“プロセッサ”又は“コントローラ”という用語の使用は、上で述べた例示的なハードウェアなどのそうした機能を実行可能な他のハードウェア及び/又は実行ソフトウェアへの言及でもあると解釈されるべきである。
【0079】
上の説明は多くの特異例を含んでいるが、それらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明の現在のところ好適な実施形態のいくつかの例示を提供しているに過ぎない。本発明の範囲は、当業者には明白となり得る他の実施形態を完全に包含し、従って本発明の範囲は限定されない。単数形のエレメントへの言及は、そのように明示的に記述されない限り、「1つ、ただ1つの」を意味することを意図せず、むしろ「1つ以上の」を意味する。“comprise”又は“comprising”という語が使用される場合、それは非限定的なものとして、即ち「少なくとも1つで構成される」を意味するものとして解釈されるべきである。当業者にとって既知の上で説明した実施形態のエレメントの全ての構造的な及び機能的な均等物は、参照によりここに取り入れられ、ここに包含されることを意図される。さらに、デバイス又は方法にとって、本発明により解決することを模索されたあらゆる問題を解決することは必須ではなく、それはここに包含される。
【0080】
上の説明において、限定ではなく説明の目的で、固有のアーキテクチャ、インタフェース、技法などといった特定の詳細が、ここでの実施形態の完全な理解を提供するために説明されている。しかしながら、それら特定の詳細から離れて本発明は他の実施形態において実践され得ることが当業者には理解されるであろう。即ち、当業者は、ここでは明示的には説明されず示されていないものの、ここでの実施形態の原理を具現化する様々な構成を工夫することができ、それらはその範囲内に含まれる。いくつかの例において、よく知られたデバイス、回路、及び方法の詳細な説明は、不必要な詳細でここでの実施形態の説明が曖昧とならないように、省略されている。ここでの実施形態の原理、側面及び実施例を述べた全ての記載は、その特定の例と共に、構造的な及び機能的なその均等物を包含することを意図される。加えて、当該均等物は、現時点で知られている均等物と共に、将来開発される均等物、即ち、構造に関わらず同じ機能を演じる開発される任意のエレメント、の双方を含むものと意図される。
図1
図2
図3