(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記統計情報の表示は一連のグラフを含み、それぞれのグラフは相異なるサブグループに対応しており、前記可視指示は左側に位置調整する方法で前記対照群に対応するグラフを表示することを含む、請求項1に記載の方法。
前記コンピュータシステムのユーザインタフェース(UI)画面の第1の領域の前記複数の第1のフィールドのリストを、前記UI画面のドロップダウンボックスの選択に応答して表示することを更に含み、
前記比較フィールドの選択は、前記複数の第1のフィールドのリストからであることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
研究者や他のユーザは、さまざまな分析物の濃度を測定するための血液サンプルを用いた実験などの、生体サンプルを用いた種々の実験を実行する。そのようなユーザは、さまざまな実験から集められたデータの分析が必要となるだろう。分析は、実験から得られたデータをデータベースにインポートするとともに、さまざまなツールを使用してインポートしたデータを分析することによって行うことができる。いくつかの場合においては、ユーザは、データの集団の特性を見抜くための実験データについての統計分析を実行したいであろう。一例として、分析は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)データ又は他の生化学プロセスからのその他のデータで実行されてもよい。
【0013】
以下は、他のデータの例である。免疫測定データは、例えば、プレートベースの酵素結合免疫吸着検定法(ELISAs)、平面アレイを含むフレーバー複合プラットフォーム、ビーズアッセイ法、流動細胞計測法(フローサイトメトリー)、及び、その他の測定技術、といったどのようなプラットフォームからでも出力されるが、未加工の蛍光(raw fluorescence)、または、較正曲線から導出計算された換算濃度のいずれかを使用することができる。リアルタイムPCRデータは、正規化された量、又は、発現倍率(fold expression)としても知られている相対的な量、又は、較正曲線から導出計算された値、のいずれかを使用できる。マイクロアレイデータは、典型的には、(いくつかのバックグラウンド除去によって修正されてもよい)未加工の蛍光値を使用する。質量分光データ(Mass spectroscopy data)は、通常、ピーク値より下の範囲の値を用いる。他のデータとして、通常、排気量で計る肺機能などの肺機能データ、血液化学(例えば、HDL、コレステロール、肝酵素、その他の検査)、及び、物理的測定のデータ(例えば、骨密度、骨の長さ及び足首の周りの長さ(腫脹及び実験動物の測定など)など)を含むことができる。
【0014】
研究データをデータベースにインポートした後、データセットの統計を計算して計算値に関してユーザに情報を提供するための様々なユーザパラメータを取り込んだアプリケーションによって分析することができる。したがって、実施形態において、ユーザ定義にパラメータ化したデータを提供することができるが、このデータは、データセットを統計分析のためのデータのサブセットに分割するために使用され得るものである。サブセットは、データの各サブグループによって、データ提示及び統計情報、又はそのいずれか一方についての更新されたユーザビューを提供するために分析される。
【0015】
ユーザは、統計分析のために一定のパラメータを与えることができる。例えば、ユーザは、比較フィールド、対照群、統計的検定の種類、フィルタリングパラメータ及びフィルタリング基準等の選択を与えることができる。比較フィールドは、統計分析のためのデータセットに細分した、研究者にとって関心のあるフィールドを表すことができる。データセットが、各サンプルの癌の種類についての情報を含む複数の生体サンプルを用いた実験から得られるのだから、研究者は特定の癌の種類ごとの部分集団の特性(例えば、特定の分析物の濃度)を研究することに関心をもつであろう。このような場合、ユーザは、最適な比較フィールドとして「病状」フィールドを選択することができる。
【0016】
対照群は、対照実験のサブグループ又は部分集団のデータを意味し得る。例えば、上述したように、「病状」が比較フィールドとして選択された場合、「正常」又は「健常者」のデータ値は、対照群として選択することができる。そのようなグループは、他の全ての部分集団のデータセットと比較することにより、ベースラインを規定することができる。
【0017】
さらに、研究者は、データセットのさまざまな特性を見抜くため、データセットの更なるフィルタリングに関心を持つだろう。例えば、上記の「病状」部分集団の例で続けると、研究者は、男性被験者だけのさまざまな種類の癌の被分析物濃度を研究したいと希望する。そのような場合では、ユーザは、「病状」の比較フィールドの選択を与えるが、群として分析されて表示された特定の「病状」の全てのサンプルについてのデータと、群として同様に分析されて表示されたその他の「病状」のサンプルについてのデータという結果を得る。ユーザは、「正常」(すなわち、疾患なし)の対照群を選択し、性別(「男性だけ」と相等するような)などのフィルタリング情報をさらに提供することができる。他のパラメータは、生化学分析の自動化のため、ユーザが指定した、又は、システムが提供したものであってもよい。上記のパラメータは、あくまでも例示として提供されたものであり、請求された実施形態の範囲を限定するものではない。
【0018】
I.システムの概要
図1Aは、生化学分析アプリケーションのインスタンスを実行する生化学分析システム1を示すブロック図である。さまざまな実施形態において、生化学分析システムは、実験データセットについてのユーザのインポート、統計計算のための様々なパラメータについてのユーザの選択、及び、統計情報の表示についての自動化された計算および更新、をサポートできる。一実施形態では、クライアントコンピュータ上でデータベースコンポーネント10及び生化学分析アプリケーション20が実行される。他の実施形態では、データベースコンポーネント10及び生化学分析アプリケーション20は、クライアントサーバアーキテクチャ等の、複数のコンピュータに分散されている。
【0019】
データベースコンポーネント10は、実験のデータセット、ユーザ設定及びユーザ入力、並びに、算出値又は分析値を格納及び管理するために用いられ得る。データベースコンポーネント10は、リレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、又は、生物学的データ分析システムのロジックをサポートすることができる任意の他の適切なデータベースとすることができる。例えば、実施形態では、ORACLE、SQLServer、IBM社のDB2、及び、特許請求される実施形態の範囲から逸脱しないようなデータベースアーキテクチャーを用いて実施され得る。
【0020】
アプリケーション20は、データベース10に存在するデータの分析のためのユーザインタフェイスを提供することができる。一実施形態では、データベースは、アプリケーション20の外部にあってもよい。別の実施形態では、データベースは、アプリケーション20に組み込むことができる。さらに別の実施形態では、アプリケーションは、選択されたデータを処理するための組み込まれたデータ構造(データベースであってもよい)、及び、多くのユーザ、サンプル、及び、実験間でデータを保持することができる外部データベースを有することができる。アプリケーション20は、生化学分析システムを実行するために必要な機能を達成することができる任意の言語で書かれてもよい。例えば、JAVA(登録商標)、.NET、C、C++、C#、又は、特許請求される実施形態の範囲から逸脱しないような他の適切な言語を使用して開発することができる。
【0021】
さまざまな実施形態においては、データベース10及びアプリケーション20、又はそのいずれか一方は、複数のマシン上で実行することができる。システムはまた、インターネットなどの任意のネットワークを介して動作し得る。インターネットの一実施形態については、データベース10は、インターネットに接続されたネットワーク上に存在してもよいし、アプリケーション20は、インターネットに接続された別のネットワーク上に存在してもよい。コンポーネント10及び20は、特許請求される実施形態の範囲から逸脱しないようなネットワークシステム上の適切な任意の方法で配置され得る。一実施形態では、データベースコンポーネント10は、1以上の別個のデータベースマシン上で実行することができ、そのデータベースマシンは、アプリケーション20の1以上のインスタンスと接続することができる。このような分散型クライアントサーバアプリケーションのユーザは、データベースに接続することができるが、そのデータベースへの接続は、例えば、専用のTCP/IPポートと割り当てられたデータベースログインを使用するものがある。別の態様においては、インターネットのユーザは、HTTP接続及びHTTPS接続、又はそのいずれか一方を用いてデータベース10に接続することができる。
【0022】
図1Bは、生化学分析アプリケーション20の実施形態における種々のグラフィカルユーザインタフェイス(GUI)コンポーネントを示すブロック図である。図示のように、アプリケーション20は、分析物データテーブル50、グラフに関する出力及び統計情報のディスプレイ60、比較フィールドの選択71、対照群の選択72、統計タイプ73、フィルタリングパラメータの選択74及びフィルタリング基準75を含む。一態様では分析物データテーブル50は、さまざまな分析物及びそれらの平均濃度及びその他の計算について、表形式の画像を表示するために用いられ得る。テーブル50は、分析物テーブルの行の強調表示などによって、統計分析のために関心のある分析物を選択するために用いられ得る。
【0023】
統計情報のディスプレイ60は、コンポーネント50から選択された分析物のテーブルと、選択された分析物のデータセットについて表形式のさまざまな統計情報とを表示し得る。コンポーネント60はまた、例えば、散布図、棒グラフ及び箱ひげ図といった、選択された分析物についてのグラフに関する情報を表示するために使用し得るが、これらグラフに関する情報は、順次、表示される。統計情報のディスプレイ60は、実施形態の範囲から逸脱せずに望ましい任意の種類の計算された情報を表示するために使用され得る。
【0024】
さらに、アプリケーション20について、ユーザが統計分析用の部分集団を作成するための比較フィールドを提供し得るGUIコンポーネントを表す比較フィールドの選択71、ユーザが対照実験の対照群を提供し得るGUIコンポーネントを表す対照群の選択72、ユーザが関心を持っている統計計算のタイプについての情報を提供し得るGUIコンポーネントを表す統計タイプ73のコンポーネント、及び、ユーザがデータセットのフィルタリング情報を提供し得るメカニズムを表すフィルタパラメータ74及びフィルタリング基準75のGUIコンポーネントを含むことが示されている。
【0025】
種々のGUIコンポーネント71〜75は、ユーザが関心のある特定のパラメータを選択することが可能なドロップダウンリストボックスとして実装されてもよい。他のGUIコンポーネント71〜75は、入力フィールド、又はラジオボタン、又はチェックボックス、又はパラメータの選択情報を供給し得る他の適切な選択メカニズムとして実装されてもよい。GUIコンポーネントは、特許請求される実施形態の範囲から逸脱することなく、例えば、1画面または複数画面上といった任意の順序で配置することができる。
図1Bは、GUIの一実施形態を示しているが、他のGUIレイアウトを用いることができる。
【0026】
II.生化学データ分析
図2は、本発明の実施形態に係る生化学データ分析方法200を示す。図示のように、方法200は、データセットを受け取るステップ210と、分析物を選択するステップ220と、比較フィールドを選択するステップ230と、対照群を選択するステップ240と、フィルタパラメータ/フィルタ基準を選択するステップ250と、サブグループを作成するステップ260と、統計情報を表示するステップ270と、を含む。これらのステップは、さまざまな順序で実施すること、及び、並行して実施することができ、1以上のステップは、必要に応じて実行されなくてもよい。
【0027】
ステップ210において、例えば
図1Aに説明されているようなシステムは、複数の生体サンプルの実験結果のデータセットを受け取る。例えば、サンプルは被験者から得られた血漿又は血清であってもよい。生体サンプルは、任意の数の生体物、及び、特許請求される実施形態の範囲から逸脱しないような任意の数の生体組織から得ることができる。サンプルのタイプ例としては、血清、血漿、細胞培養及び異なる暴露群が挙げられる。
【0028】
データセットは、データ行ごとにさまざまな属性(フィールド)を含む複数のデータ行を構成してもよい。属性の一部は、生体サンプルを得た生体物の特性についての情報を提供し得る。一実施形態では、データ行は生体サンプルを表す。例えば、あるデータ行は、性別、年齢、病状、その他の属性を持つことができ、対応するサンプルのそれぞれの行のそれぞれの(例えば、列に配置された)フィールドの値を持っている。他のデータフィールド(属性)は、生体サンプルの実験から得られた値を含んでもよい。例えば、データ行は、各生体サンプルに対して実行される1以上の実験から、さまざまな被分析物濃度(例えば、濃度フィールドあたりの濃度)を含むことができる。したがって、各データ行は、サンプルを特徴付けるとともに実験結果の値を提供する複数のフィールドで、一つの生体サンプルを表すことができ、複数のフィールドとして、被分析物濃度、蛍光強度(FI)、又は1以上の実験に起因する他の数値測定などがある。
【0029】
その他のデータ行は、他の生体サンプルに対応し得る。データ行は、例えば、すべての値が「性別」のデータフィールドの値を持ち得るといったように、同種のデータフィールドの値を有することができる。データフィールドは、列として配列されてもよく、列は、特定のデータフィールドに相当する。一実施形態では、複数のデータ列が、同じ実験を繰り返し行って得た結果を示すことなどのように、ある特定の生体サンプルでの実験結果によって表すことができる。
【0030】
インポートされたデータセットは、プロジェクトに関連するものでもよい。例えば、あるデータセットは、「癌研究1」のプロジェクトにインポートされ得るが、それと同時に、別のデータセットは、「女性間における民族性の変動の研究100」のためにインポートすることができる。プロジェクトの相関関係のデータセットは、研究者が行っている 研究のタイプに基づいたデータセットの可変特性を提供するのに役立つ。
【0031】
ステップ220において、システムは、データ分析のための分析物の選択を受け付ける。例えば、ユーザは、データ分析のために分析物の選択を与え得る。例えば、ユーザは、複数の分析物データを含む分析物データテーブル50(
図1B)中の特定の分析物の平均値を表すデータ列を選択することができる。関心ある分析物を提供するための何らかの適切な手段、例えば、名称の入力、ドロップダウンボックスからの選択等の手段を用いることができる。
【0032】
ステップ230では、システムは、比較フィールドの選択を受け付ける。例えば、ユーザは、比較フィールドの選択を与え得る。比較フィールドは、生体サンプルを特徴付けるデータセットのための複数のフィールドのうちの1つから選択することができる。一実施形態では、データ行が、性別(gender)、民族、性別(sex)及び病状の属性を持つ場合、
図1Bの比較フィールドの選択71は、比較フィールドの選択可能な項目として説明に役立つ4種類の属性が取り込まれてもよい。そして、ユーザは、最適な比較フィールドとして4つのフィールドのいずれか一つを選択することができる。ユーザは、複数の比較フィールド(病状及び性別や、病気及び性別から更に得られたデータセットの部分集団の区分など)の選択を許可される。ユーザが選択をしていない場合は、デフォルトの比較フィールド値が存在する。
【0033】
一実施形態では、分析のためのデータセットのユーザの選択で、比較フィールド選択用のドロップダウンリストボックスに、データセットの属性に対応する値が自動的に取り込まれてもよい。別の実施形態では、代わりに、比較フィールドのリストボックスに、ユーザが選択するための静的値を含んでいてもよい。選択のためにユーザへ提示される使用可能な比較フィールドは、データセットの使用可能な属性によって制限されてもよい。したがって、病気や性別(gender)といった2つの属性を含むデータセットを持つプロジェクトに対応するシステムは、比較フィールドとして選択するために2つのフィールドを利用できるようにし得る。
【0034】
ステップ240において、システムは、ユーザによって与えられる対照群の選択を受け付ける。対照群リストは、選択された比較フィールドの使用可能なデータ値を含み得る。例えば、病状が、比較フィールドとして選択された場合、
図1Bの対照群の選択72は、データセットの病状フィールド内にそれぞれ異なる使用可能な値が取り込まれてもよい。例えば、これは「肺癌」、「乳癌」、「正常」、及び「結腸癌」を含む対照群リストになる。そして、ユーザは、「通常」のサブグループなどの対照群として任意の値を選択することができる。
【0035】
一実施形態では、ステップ230における比較フィールドの選択で、対照群の選択のための使用可能なデータ値を自動的に更新する。対照群リストボックスの値の自動更新は、ユーザが選択するための異なる値を含む対照群リストボックスを取り込んで分析されるデータセットから選択された比較フィールドのために、それぞれ異なる使用可能なデータ値を選択することなどによって自動的に達成される。一実施形態では、ユーザは、複数の対照群を選択することができる。
【0036】
ステップ240における対照群の選択は、データ結果表示ウィンドウの可視指示をもたらし得る。例えば、棒グラフや散布図などの分析された結果表示は、一連のグラフの最も左側か、又は、分析した統計のテーブルの一番上にある対照群のデータを有していてもよい。集団が対照群であることを表す可視指示は、研究において他の集団と対照群との比較を容易にするための有利な点を提供する。計算されたデータをファイルにエクスポートする場合には、対照群は、エクスポートファイル内の文字列かそれとも他のテキストの標識として示される。
【0037】
ステップ250において、システムは、ユーザによって提供され得るフィルタリング情報(フィルタリングパラメータのための基準値など)を受け取る。さまざまな実施形態において、ユーザは、分析目的の更なるデータセットの改良のために、フィルタリングパラメータ及びフィルタリング基準を提供することができる。フィルタリングパラメータは、データセット内の各データ行を分析するための1以上の属性又はフィールド(年齢、性別、民族、病状、サンプルタイプなど)であってもよい。一実施形態では、
図1Bのフィルタパラメータの選択74などのフィルタリングパラメータコンポーネントは、分析のためのデータセットのユーザ選択で、データセットのフィールドにおける使用可能な値が自動的に取り込まれてもよい。別の実施形態では、フィルタパラメータコントロールは、ユーザが選択するための静的値を含むことができる。フィルタリング基準は、選択されたフィルタリングパラメータ(例えば、選択されたフィルタリングパラメータが性別である場合は、男性又は女性)の使用可能なデータ値を表すことができる。一実施形態では、ユーザは、データセットのフィルタリングのために複数のフィルタリング基準の選択を許可され得る。
【0038】
一実施形態では、ユーザがフィルタリングパラメータを選択すると、それがフィルタリング基準を選択するための使用可能な値の自動更新のきっかけになる。例えば、ユーザが、フィルタリングパラメータとしてサンプルタイプを選択したならば、
図1Bに記載されているようなフィルタリング基準75によって、隣にチェックボックスが付いたリストが、「血漿」又は「血清」の使用可能なデータ値で更新され得る。そして、一実施形態では、ユーザは、統計分析のためのサンプルタイプの値の一方又は両方を選択することができる。例えば、ユーザが、分析のために血漿のサンプルの値をみることのみに関心がある場合、「血漿」の隣のチェックボックスのみをチェックすることができる。
【0039】
ステップ260において、ユーザ供給のパラメータ及び基準は、統計分析用のサブグループのデータを生成するために用いられる。一実施形態では、サブグループは、比較フィールドの選択に基づいている。例えば、合計900行のデータを有する分析用のデータセットが与えられるが、「肺癌」の病状の列の値を有する300行と、「結腸癌」の病状の値を有する300行と、「正常」の病状の値を有する300行の3種類の異なるサブグループが決定され得る。サブグループの実数及びサブグループ当たりのデータ点の数は、フィルタリングのパラメータ及び基準によって決まる。上記の例では、その900行は、上述したそれぞれの分類における半分のサンプルについて「女性」の値を持ち、性別の列における残り半分のデータ行については「男性」の値を持つが、「男性」のフィルタは、それぞれの病状ごとに150のデータ点を与えるだろう。一実施形態では、サブグループの生成は自動的に実行されても、上述した複数の選択するステップのいずれかに応答して実行されてもよい。
【0040】
ステップ270において、データ分析情報は、サブグループ単位で表示され得る。一実施形態では、データ分析情報は、新しいフィルタ、比較フィールド、対照、又は、他の関連する値の何れかが変更されるたびに計算される。一実施形態では、必要メモリを低減し利用者にすぐに結果を提供するために、オンザフライで計算が行われる。例えば、表示されるデータは、蛍光シグナル(以下でより詳細に説明する)から観測濃度へ変化し、その後、蛍光シグナルに戻るが、蛍光シグナルの計算は、再度行われるであろう。このように、多くのオプションが、分析対象のデータ、データに対して実行される計算値、データや任意の計算値(例えば、統計値)の表示方法のために存在する。
【0041】
比較する列として「病状」、対照群として「正常」、フィルタパラメータとして性別、そして、フィルタリング基準として「男性」を選択する仮想ユーザを例に挙げられるが、データセットに対する第1のフィルタリングするステップの後に、データをサブグループ化するステップが実行される。そして、分析のためのサブグループ、すなわち、「肺癌」、「大腸癌」そして「通常」がもたらされ、対照群としてフラグを「通常」の分類にマークする。そして、この例では、男性の被験者のみをフィルタリングした結果、健康な個人のサブグループが対照群として示される癌の種類毎に、150行のデータを分析することになるであろう。
【0042】
一実施形態では、ユーザは、関心のある統計分析の種類(例えば、パラメトリック検定、t検定、一元配置分散分析、ノンパラメトリック検定、マン・ホイットニー検定、クラスカル・ウォリス検定など)の選択をさらに与えることができる。このコントロールは、
図1Bの統計タイプ73に備えられていてもよい。次に、システムは、ステップ260で作成したサブグループのデータによる統計分析を実行し、計算に関する情報を表示することができる。提示された統計値のタイプは、対照群と比較された各グループのp値、対照群と他の生物学的反復グループ(比較範囲を設定するために、複数の個体群統計学情報タイプを用いることなど)と間の測定値の変化倍率、並びに、それぞれの反復グループの平均測定値、及び、可変性を説明し且つ統計的に有意な差の特性を知らせる統計出力、が含まれる。
【0043】
例えば、
図1Bのコンポーネント60といったGUIの表示領域などにおいて、サマリーテーブルは、細分されたデータセットごとの統計的数字が与えられてもよい。一実施形態では、選択された対照群は、データ行又はデータセットが対照群を表す視覚表示上のいくつかの視覚的なマークをもたらす。統計分析に基づいて生成される各種のプロットは、データの各部分集団に対して表示することができる。一実施形態では、対照群は、もっとも左側に表示されている。
【0044】
表示されたグラフは、散布図、棒グラフ、箱ひげ図又はその他の適切な統計データのグラフ表現でもよい。一実施形態では、散布図のドットの上にカーソルを乗せたユーザに、ドットによって示されたサンプルについての追加情報がツールチップによって提供される。データ分析情報は、ユーザにその他の適切な形態でユーザに、表示及び提供、又はそのいずれか一方がなされる。一例として、パラメータの選択により、選択に基づいた統計情報を含むエクスポートデータファイルの生成がなされる。
【0045】
III.データのインポート/エクスポート
実施形態はまた、データのインポート、修正及び改良を提供し得る。一実施形態では、ユーザは、カンマで区切りのデータファイルか、又は、
図1Aのデータベース10がサポートできるその他の適切なファイル形式かをインポートすることにより、実験の実施から得られたデータをインポートすることができる。別の実施形態では、ユーザは、自動化された生化学データ分析システムのデータベースコンポーネント10を更新するために、表計算プログラムからデータをカットアンドペーストしてもよい。
【0046】
一実施形態では、データベース10は、任意の所与のデータセットの行についてのフィールドのベースセットを与えることができる。フィールドの任意のベースセットに加えて、又は、フィールドの任意のベースセットの代わりに、ユーザは、レジデントデータセット(例えば、インポートによってか、カットアンドペーストかのいずれか一方)の新しい属性を定義できる。例えば、属性は、データセットに適用可能な追加の特性を与えるよう付け加えられる。このようなデータの改良は、プロジェクトに基づいたカスタムデータの特性評価を参酌して、プロジェクト単位で行うことができる。例えば、ある研究では、それぞれの実験操作のための性別や民族性についての情報が必要な場合があり、一方、このような特性は、別の研究のために関係がないかもしれない。
【0047】
データの修正を実行することもできる。インポートによってか、カットアンドペーストかのいずれか一方で格納するシステム内のデータが、さらに修正するために表形式に持ち出してもよい。さまざまな実施形態においては、新しい列をデータに追加することができ、テーブル内のセルを選択して値を変更することでデータが変更され、データ値がセルから選択され、追加のセルにコピーするために任意の方向にドラッグすることができ、複数のセルが、データ値を取り除くために選択されて削除されてもよい。
【0048】
生化学分析データをエクスポートすることもできる。データのエクスポートは、データのさらなる評価のための他の統計パッケージに生化学分析データをインポートするために特に有利である。一実施形態では、例えば、分析物データテーブル50内の1以上の行を強調表示することにより、ユーザは複数の分析物を選択することができる。一つの態様においては、分析物のユーザ選択時に、統計情報ディスプレイ60は、選択された分析物の根底にあるデータを含むテーブルで更新される。一実施形態では、このようなデータは、他のシステム又は他のもので使用するためにエクスポートされ得る。
【0049】
IV.ユーザインタフェイス
さまざまな実施形態においては、新しいプロジェクトのために行うことができるように、データは、手動で、既存のプロジェクト用などの外部データベース、実験の一環として実験室の装置よって出力されたファイルなどからインポートすることができる。一態様では、外部からのデータは、保存された前回のセッションからのものであってもよい。前回のセッションを選択すると、データは、外部データベースから取得され、アプリケーションに入力することができ、アプリケーションは、組み込みデータベース又はデータを構造化する他の装置を有することができる。一実施形態では、オープン(管理)プロジェクトダイアログボックスにより、ユーザは、プロジェクト属性を編集し、プロジェクトを開き、及び/又は、アクティブプロジェクトリストからプロジェクトを削除することができる(アクティブプロジェクトリストは、プロジェクトを、新しいタブによってアクセス可能な非アクティブプロジェクトに移動させることができる。)。従って、一実施形態では、これらの非アクティブプロジェクトは依然として開かれている。次に述べるスクリーンショットは、本発明の実施形態に係る実施例となる。
【0050】
図3は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面300のスクリーンショットを示している。画面300は、比較フィールドが選択されておらず且つ対照群が選択されていない画面を示している。画面を4区分した右上の部分は、分析物の行の選択により分析物「Hu FGF Basic」が選択されている分析物データテーブル304を示している。4区分した右下の部分は、選択された分析物の全データサンプルの散布図の分析物詳細ビュー305(統計表示など)を示している。比較フィールドは、ユーザによって選択されていないので、このスクリーンショットは、部分集団によって何の情報も提供しないことに注意すべきである。
【0051】
ビューナビゲーションボタン301により、ユーザに提示された表示を変更することができる。データセット管理ボタン301aにより、プロジェクトを構成する全データセットが関連した詳細情報とともにリスト化されたビューにアクセスすることができる。このデータセットビューの一実施形態では、ユーザは、データセットの属性(例えば、名称、ユーザ名、取得時間、説明、インポートされたデータ及びインポート元)の編集や、データセットの削除(フィルタリングするのではなく恒久的に分析から削除する)や、テーブルのクリップボードへのコピーなどといった、いくつかのデータセット保守機能を実行することができる。サンプル編集/列追加ボタン301bによって、利用者が、そのデータに注釈を付ける(例えば、サンプルの詳細を追加する)ための適切なコントロールへのアクセスのための表示に接続できる。新しい列は、データセットにカスタムフィールドとして追加することができる。結果表示/ヒートマップ表示ボタン301Cにより、全ての実験値(観測濃度(Obs Conc)や範囲内など)が、プロジェクト内の各サンプルについて表形式での表示を有効にすることができる。また、ヒートマップのグラフ表示も提供することができる。分析実行/グラフ作成ボタン301dは、ユーザに同様の属性ごとにグループ化されたサンプルの分析を表示できるようにする。この表示の詳細情報は、他の所に表示される。
【0052】
メインツールバー302により、他の機能とともにナビゲーション機能を提供する。ボタン311〜314により、分析に用いられるデータを規定する。すべて、機器を実行するソフトウェアで作成したデータファイルとともにインポートされ得る値である。例えば、蛍光強度(FI)ボタン311がアクティブになると、蛍光値(一例として、機器が読んだままの未加工の濃度)、又は、作動している表示に応じて蛍光値から導出計算された値の何れかを表示する。したがって、FIボタン311が選択されると、次いで分析物データテーブル304に示されるデータは、蛍光値を反映する。観測濃度(Obs Conc)ボタン312は、機器のソフトウェアで生成された較正曲線に基づいて算出される計算値に関係する。このボタンをアクティブにすると、観測濃度値または作動している表示に応じたこれらの値から導出計算された値を表示する。
【0053】
範囲内ボタン313と比率ボタン314は、同じくそれぞれの表示において、計算するために提示又は使用されるデータを変更するよう用いられる。範囲内ボタン313(すなわち、範囲内の濃度)は、較正曲線の信頼性のある範囲内にある濃度に関係するものである。例えば、範囲内ボタン313により、観測濃度(Obs Conc)として同種の値を報告できる。ただし、範囲外の値を、実際の値の提供の代わりにOOR(範囲外(Out of Range))として報告できる。比率ボタン314により、例えばハウスキーピング分析物のその他の測定値によって正規化された因子などによって正規化した測定値(FI値など)の比率データを表示し得る。どのような測定値でも正規化することができ、そして、統計値は、正規化された値から計算され得る。
【0054】
分析コントロール303により、分析物データテーブル304内のデータの種々の分析を可能にする。比較フィールド307は、比較フィールドとして使用するパラメータを選択するためにピックリスト(または他の入力機構)を提供する。対照フィールド308は、対照(control)を選択するための同様の機構が用意されている。統計オプション309は、比較フィールドと対照を分析するための様々な統計的検定を提供する。フィルタオプション310により、ピックリストなどから得たフィルタパラメータを選択してから、選択されたフィルタパラメータの一定のフィルタ基準(例えば、血漿または血清)を入力する機構を提供する。いくつかの実施形態では、複数のフィルタパラメータが選択されてもよい。
【0055】
分析物データテーブル304において、列は観測濃度ボタン312に関連するデータを示している。別のボタン(例えば、311,313,又は314)が選択された場合、他のデータは、分析物データテーブル304に表示させることができる。列315は、指定された検定のp値を表示することができる。列316は、選択された分析物の中の最高値と最低値とともに、サンプルの変化を表示することができる。この値は、2又は他の数値を底とした対数で表現される。この例では、比較フィールドが選択されていないので、データはこれらの列に表示されていない。列317は、分析ごとのプロジェクト内の全サンプル用のボタン311〜314を使用して判明した出力値の平均値を示す。列318は、分析物ごとのプロジェクト内の全サンプル用のボタン311〜314を使用して判明した標準偏差を示す。
【0056】
図示の例では、分析物表示305は、選択された分析物(Hu FGF basic)に対する観察濃度を示す。特定の観測濃度においていくつのデータポイントがあるかを見るためのより良い可視化のために、データポイントは、「no value」のラベルが付与されたX軸に沿って広がっている。ライン355は、平均濃度を示している。比較フィールドが選択されない時は、プロットは、フィルタを目的として選択された血漿又は血清から得られたこの分析物に対する全てのデータポイントである。分析物詳細ツールバー306により、ユーザは、分析物詳細ビュー305の表示を変更することができる。
【0057】
図4は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面400のスクリーンショットであり、比較フィールドを選択するためのドロップダウンリストを説明するものである。比較フィールドは、ドロップダウンリストボックス410を提供するが、ドロップダウンリストボックス410は、「サンプルID」、「データセット」、「サンプルタイプ」、「説明」、「健康な位置」、「サンプルラベル」、「行列」、「病気」及び「性別」という利用可能な値を持つ。「病気」の値は比較フィールドで選択されることが示されている。ディスプレイを4区分した右下の部分は、散布図を示し、比較フィールドとして選択した病気の比較フィールド「乳癌」、「結腸癌」、「肺癌」及び「正常」の部分集団のデータに分割される。このように、本実施形態は、選択された分析物のデータにおいて、これらの4種類の病状を特定している。また、4区分した右上の部分と4区分した右下の部分との間の分析物詳細ツールバーが表示及び統計情報のさまざまなタイプを示し、そのタイプは、ユーザが4区分した右下の部分の表示のために選択することができる。この例では、ユーザはグラフ選択として散布図アイコンを選んでいる。
【0058】
強調表示された行420は、方法200のステップ220の一実施形態を示すものである。ユーザが、分析用の分析物「Hu FGF Basic」を選択したことを示している。その選択は、「Hu FGF Basic」分析物のデータセットが、さらなる分析のために使用されることを示す。ドロップダウンリストボックス410は、ステップ230の一実施形態を示すものである。ユーザが、比較のためのフィールドとして、「病状」を選択したことを示している。ステップ260におけるサブグループの作成は、GUIアプリケーションのバックグラウンドで、又は、他のアプリケーションプロセスによって、実行される。4区分した部分405は、ステップ270の一実施形態を示している。ステップ260の時に作成されたサブグループを示すが、これは、統計的に分析(例えば、バックグラウンドプロセスによって)されたものであり、その結果、4つのサブグループが生成される。その結果として生成されたグループは「乳癌」、「結腸癌」、「肺癌」及び「通常」である。サブグループ下のキャプションには、ユーザによって比較フィールドを選択したことを表す「病状」と書いてある。そして、ユーザは、関心のあるグラフとして選択されたタイプとして「散布図」アイコンを持っているので、一連のグラフは、部分集団の散布プロットである。一実施形態では、ユーザは、棒グラフ、散布図、箱ひげグラフ、情報のテーブルなどのツールバー上で利用可能なさまざまな異なる情報タイプを切り替えてもよい。
【0059】
図5は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面500のスクリーンショットであり、
図2のステップ240で説明した、対照群を選択するためのドロップダウンリスト510を説明するものである。対照群選択リストボックス510は、「なし」、「乳癌」、「結腸癌」、「肺癌」及び「通常」のうち考え得る値を示している。その値は、
図4の「病状」から選択された比較フィールドの利用可能なデータセットの値と一致することに注意すべきである。「正常」値が、対照群として選択されることを示している。
【0060】
対照群として「正常」群の選択の効果を更に示す点を除いて、
図5の4区分した部分505は、本質的に
図4で説明したように同じである。対照群として「正常」を選択した結果として、部分集団が「正常」と関連付けられ、その散布図が全ての部分集団の散布図の中でもっとも左側にシフトされる。これにより、ユーザは、他の集団と「正常」の集団との視覚的な比較を容易にする。
図5はまた、それぞれの散布図における各部分集団の対照とのペアワイズ比較のためのp値(統計学上の数)を示す。
【0061】
図6は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面600のスクリーンショットであり、方法200のステップ250で説明した、フィルタパラメータを選択するためのドロップダウンリスト610を説明するものである。フィルタリングパラメータとして「性別」が選択される最中のフィルタパラメータ選択リストボックス610を示している。この例では、
図4で説明したことと同じように、フィルタパラメータ選択ボックス610の利用可能な値は、比較フィールド選択リストのそれらと同じである。比較フィールドとフィルタパラメータの両方は、利用可能なフィールド又は分析されているデータセットの属性のリストとして導出され得る。然るが故に、それらは、各パラメータに関連付けられたドロップダウンリストボックスで同じ値を持ち得る。
【0062】
性別の基準がまだ追加されていない場合は、分析物詳細ビュー605は、今までどおり、行列のフィルタパラメータだけのデータが表示さる。血清のフィルタ基準だけがチェックされ、フィルタ基準として血漿はオフになっている。この実施形態では、行列は、反応が行われている流体又は物質に関係するものであり、サンプルの種類(例えば、血清、血漿、細胞培養上清)を説明することができる。性別のフィルタがまだ実行されていないため、分析物詳細ビューは、性別(女性のみ)と散布図行列(血清)の両方の適用結果を示している。
【0063】
図7は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面700のスクリーンショットであり、サンプルIDのフィルタパラメータを追加するためのドロップダウンリスト710を説明するものである。ここでは、サンプルIDに変更されているプロセスのパラメータとともに、フィルタリングパラメータとして選択された「性別」と「行列」の両方を含むフィルタパラメータ選択リストボックス710を示している。
図7に見られるように使用されているフィルタパラメータが、マークされている。分析物詳細ビュー705では、散布図内の性別(女性のみ)と行列(血清)両方のフィルタのデータが表示される。
【0064】
図8は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面800のスクリーンショットであり、方法200のステップ250と同様に、フィルタリング基準を選択するためのチェックボックスを説明するものである。利用可能なフィルタリング基準のチェックボックスが「血漿」及び「血清」、又はそのいずれか一方であることを示している。これは、フィルタリングパラメータとして「マトリックス」をユーザが選択したことに基づいていることに注意すべきである。データセットの分析のために、「血清」サンプルだけが選択されていることをさらに示している。一実施形態では、ピックリスト810に示されるフィルタは、どんなフィルタ基準が表示されるかを制御するものである。使用されているすべてのフィルタ基準を決定することにより、使用されているパラメータ(例えば、ピックリスト810が有効になっている場合にフィルタアイコンによってマークされたようなもの)を識別でき、基準が選択されているかを確認するためをそれぞれ案内できる。特定のパラメータとして示された基準は、デフォルトで設定されたか、データセットに実際に存在するどれかの値によるものである。
【0065】
フィルタリング基準の選択による影響は、例えば、ステップ250によって選択されたフィルタパラメータのチェックされた値を持つデータセットの行のみを選択することである。4区分した部分805は、データセット内の「行列」属性のデータ値としての「血清」に対するサンプルのみのデータセットのフィルタリングの結果を示している。フィルタリング基準がユーザによって選択されなかった
図5と比較して、対応点について、散布図のドットの数が減少することを示している。ユーザは、その代わりに、関心のあるサンプルとして「血漿」を選択することができる。一態様では、ユーザは、「血漿」及び「血清」の両方を選択できるが、全ての利用可能な値をユーザが選択する正味の影響は、全てのサンプルが選択されてからはフィルタリングしないことであろう。
【0066】
図9は、生化学分析システムの一実施形態の統計一覧表を示すユーザインタフェイス(UI)画面900のスクリーンショットであり、比較フィールドには「病状」として選択され、対照群には「正常」として選択され、そして、これ以上のデータのフィルタリングが提供されない(なぜなら、全ての病状の基準が病状のフィルタパラメータのために選択されており、他のフィルタが適用されないからである。)という表示を説明している。ディスプレイの4区分した部分905は、比較フィールドとして「病状」の選択に基づいた、部分集団ごとの統計的な数字を含むテーブルが示されている。さらに、対照群としてユーザが「正常」を選択したことに基づいて、一番上には、「正常」の部分集団が現れれる。このサマリーテーブルは、比較とプルダウンコントロールとで生成された選択の結果の計算値を明確に示す。
【0067】
図示のように、計算値は、メインツールバーで指定された値である。この例では、選択された値は、観察濃度912である。列の値は次のとおりである。
サンプル − グループごとの総サンプル数。
#有効サンプル − 計算を行うための有効なデータを有するサンプル数。
p値 − p値法に定められている検定用。
変化倍率 − 対照の平均と各グループの平均との間において、2を底とした対数で表現される(分析物テーブルに含まれる変化倍率とは異なる)。
平均 − グループ内の全サンプルの算術平均。
標準偏差 − グループ内の全ての有効サンプルの標準偏差。
%CV − グループ内の全ての有効サンプルについての変動係数。
MinとMaxは、グループの最小値と最大値。
Q1とQ3は、グループの第一四分位と第三四分位。
中央値は、グループの中央値。
【0068】
図10は、本発明の実施形態に係るユーザインタフェイス(UI)画面の散布
図1000である。ここでの散布図は、ユーザインタフェイス(UI)画面の中に表示された4区分した部分を拡大した表示である。一実施形態では、ドットの上にカーソルを置くと、適切なサンプル情報がユーザに提示されることができるよう、ドットはX軸に沿って広がっている。組み合わせ又は個別に用いることで、他の実施形態において、他の分析物を通じて追跡するために、特定のサンプルをマークし、他のグループを通じて属性を追跡するために、サンプルの特定の属性をマークし(このプロットを通じて視覚化するために、グラフを使って特定の患者を呼び出すことなど)、全ての個体群統計学情報を含むテーブルをリコールするためにドットをダブルクリックすることができる。他の実施形態では、他のグラフは、「箱ひげ」タイプのグラフと「棒グラフ」タイプのグラフなどによって、表示され得る。
【0069】
図11は、生化学分析システムの一実施形態のユーザインタフェイス(UI)画面1100のスクリーンショットであり、システムのデータの修正の一例を説明するものである。例えば、表形式で示されたデータは、システムにインポートされるか又はExcelシートからカットアンドペーストされるかのどちらかがなされる。カスタムフィールドとして新たに追加された「性別」の列又は既存の「性別」の列のいずれかに対して、最初のセルに「男性」という値を入力するなどのように、ユーザが列にデータを入力することで、更なる修正がどのように可能であるのかを示す表示である。
【0070】
この例では、この表示には、ユーザインタフェイス(UI)画面300内のビューナビゲーションボタン301のサンプル編集/列編集ボタン301bを選択することによってアクセスすることができる。一態様では、この表示は、プロジェクトにインポートされた全てのデータセットに全てのサンプル(繰り返し表示なし)を示すことができる。一実施形態では、列の追加ボタン1101により、サンプルのリストにカスタム列(属性)を追加することができる。追加することができる列の数が、無制限又は上限付きで構成される。列1102は、情報が追加されている、新たに追加された列を示す。一実施形態では、病状の列1103及び行列1104は、測定を行う実験室の装置からインポートされたオリジナルデータには存在しないと、他の方法で追跡される。例えば、病状及び行列は、サンプルを管理していて且つ他のチャネル(アンケートは、サンプルを取った医療専門家によってマークされたか、又は、患者にとられたアンケートなど)から病状と行列について知っている技術者によって追加され得る。
【0071】
データをエクスポートするための一実施形態では、ユーザは、複数の分析物を選択することができる。エクスポートするためのデータは、画面300の分析物詳細ビュー305に目立たせることができる。分析物詳細ビュー305は、選択された分析物の根本的なデータセットを表示し得る。そして、そのようなデータは、他のシステム又はその他の目的で使用するためにエクスポートすることができる。一態様では、比較フィールドを選択すること及びフィルタを適用することは、これらのテーブルを作成するために特に適したアプリケーションになる。未加工のデータや計算結果のデータをエクスポートすることができる。
【0072】
V.ワークフローの例
ユーザのデータを分析する際に、ユーザが使用する可能性のあるイベントについての多くの利用可能なシーケンスがある。一例では、ユーザは、2つのデータファイル(例えば、新規プロジェクトの一部として)をインポートすることができ、そして、
図11で説明したようにして、新しい列に情報を追加できる。その後、ユーザは、
図4に見られるように、「病状」の比較フィールドを選択し、
図5に示すように、「正常」の対照を選択することができる。その後、
図8のように、血清から得られたサンプルのみが使用されている場合は、ユーザは、データが、より解釈可能であると決めることができる。分析物詳細ビューの表示は、これらの選択に基づいて更新することができる。例えば、最初に、女性だけのデータを表示するために女性のフィルタを用い、そして、男性だけのデータを表示するためにそのフィルタを用いることによって、ユーザはまた、女性が男性と比較して異なる分析物レベルであるか否かの立証について研究することを欲するかもしれない。一実施形態では、アプリケーションがプロジェクトを閉じると、最後の比較、対照、及びフィルタ選択は、そのプロジェクトに留まり得る。
【0073】
別の例では、ユーザは、異なる機器の結果ファイルをインポートすることができ、そして、
図11の進捗のように、情報を追加できる。ナンバーA1の「健康」の読み込みに問題があると決定し、そして、「健康な位置」のパラメータについてフィルタツールを使ってこの「健康」を分析物から除外する。マウスのワンクリックで、全てのデータファイルから、それを除外することによって行われる。他の例のように、ユーザは、「血清」からのサンプルを分析するだけのために選ぶことができる。「病状」の比較フィールドと「正常」の対照フィールドの選択が行い得る。そして、ユーザは、分析物ごとに別々に結果を再考察でき、結論を引き出すことができる。ところで、ユーザは、測定器が正しく動作しなかった機器の作動を特定した後の2週間後、データに戻るなら、ユーザは、データセット管理表示を用いるなどして、分析物からデータファイル#13を削除し、結論を引き出すために分析物による結果を再考察もできる。ユーザはまた、データファイル#13からサンプルを再実行し、プロジェクトにデータファイルをインポートし、新しいサンプルにサンプル情報を追加して、結論を引き出すために分析物による結果を再考察もできる。
【0074】
別の例では、ユーザは、1以上の「分析方法」を保存してもよい。上記のように、ユーザは、15種類の機器の結果ファイルをインポートし、情報を追加し、「健康」を排除し、「血清」を選択し、「病状」の比較フィールドと「正常」の対照フィールドを選択し、それから、分析物ごとに別々に結果を再考察し、結論を引き出す。ユーザは、「血清だけ」というこの分析状態を保存することができる。ユーザは「血漿」にフィルタを変更し、「血漿だけ」というこの分析状態を保存することができる。ユーザは、分析から男性を削除し、「血漿だけ、女性」としてこれを保存する。一実施形態では、実験システムについての結論を引き出すために必要に応じて、ユーザは、後日戻って、比較の選択、対照の選択、フィルタの状態を読みだすことができる。
【0075】
VI.フローサイトメトリー
一実施形態では、フローサイトメトリーは、濃度を測定するために使用できる。したがって、濃度を測定するための上記の実験は、フローサイトメトリーを含むことができる。その濃度が測定される分析物は、例えば、細胞型又は特定の分子であり得る。一実施形態では、フローサイトメトリーは、特定のタイプ(例えば、赤血球または白血球、及び、関心のある他の細胞型、並びに、細菌及びウイルスなどの病原体)の細胞の数をカウントするために使用することができる。このカウントは、濃度として直接使用され得るか、若しくは、サンプルの量(例えば、重量又は容量)又は別の細胞型の数に基づいて正規化して使用され得る。フローサイトメトリーにより、ユーザは非常に急速に細胞集団を特徴づけることを可能にすることができる。別の実施形態では、蛍光などの信号強度は、グルコースのような特定の分子を検出するために使用することができる。
【0076】
フローサイトメトリーは、入射光に対して直接真向い、及び、垂直の両方に置いた検出器と発光素子(通常は、レーザ)とを利用した検出機構を通り超えて、サンプルシングルファイルから、細胞を通過する。一般的に、集団を特徴づけるために、独立して又は互いに結合して使用できる2種類のパラメータがあり、その2種類のパラメータは、物理的な細胞の特性及び特定の蛍光標識の蛍光強度である。従って、処理されるとともに表示されるデータは、計数と蛍光を含むことができる。計数のために、研究者はサンプルあたりの各細胞型(例えば、ゲートされた集団)の細胞の数を追跡することができる。蛍光に関して、研究者は、特定の生体分子の存在及び量を見極めるために、多くの波長での蛍光レベルを追跡することができる。
【0077】
物理的な細胞の特性を決定するために、分析は、細胞を特徴付けるために、側方散乱データ及び蛍光散乱データを利用することができる。蛍光散乱は、サイズの相関関係(より散乱するほど、光との相互作用がある細胞の容積がより大きい)があり、側方散乱は、さらに細胞を特徴付けするために使用することができる。側方散乱の量の違いは、複雑さ、オルガネラ密度及びサイズ等についての異なるレベルを意味し得る。読み出された2つの散乱は、サンプル中の細胞の異なる集団のプロファイルを作成するために使用することができる。読み出された散乱がプロファイルに一致するなら、一致する集団のカウンタを増加させることができる。従って、着目するサンプル中の異なる集団に属している細胞の数をカウントすることができる。
【0078】
従って、セル特性のために、データを処理する機器及びソフトウェアは、研究者に、細胞の集団を見極めるために散乱情報を使用することを可能させる。データはグラフ上にプロットすることができ、それにより、検出器を通過するセルごとに側方散乱対蛍光散乱のレベルを示す。ユーザは、離散的な集団の周りに円を本質的に描くこと(ゲーティング(gating)と呼ばれている)によって集団を定義することがでる。それぞれの円を、ゲートと見なすことができる。同一のゲートが、サンプルごとに使用され、所与のゲート内に入る全ての細胞が着目する集団の一部とみなされる。
【0079】
特定の蛍光標識の蛍光強度は、細胞上の分子の存在及び密度を評価するための細胞上の自然発生的な分子を標識するために使用することができる(蛍光標識の他の技術を使用することもできる)。典型的には、抗体が、細胞上の(または通常含まれない)着目する特定の生体分子の存在及び量を見極めるために使用される。この抗体は、機器及びその関連ソフトウェアによって検出することができる規定する波長で蛍光を生成するために種々の方法で標識化することができる。ほとんどの機器は、着目する複数の生体分子を検出するために三つ以上の異なる波長を検出することができる。細胞は、その上に着目する生体分子を有する場合、蛍光が特定の波長で検出される。その蛍光の強度は、生体分子の存在量に正比例する。
【0080】
例として、研究者は、以下のことに関心をもつだろう。
4つの特定のゲートに入る4種類の異なる細胞型、及び
研究者の実験システムの点で異なる濃度での細胞膜に存在する3つの生体分子。
それゆえ、各サンプルについて、研究者は、集団ごとの3つの蛍光マーカそれぞれの蛍光強度の平均(平均値又は中央値又は最頻値)はもちろん、ゲート1〜4のそれぞれのカウントも必要とするだろう。例えば、次のテーブルにおけるデータを得ることができた。
サンプル ゲート カウント 蛍光1 蛍光2 蛍光3
1 1 1.2×10
6 2344 98 2090
サンプルごとの、実際の散乱データ及びそれに関連するグラフは、データベースに格納することができる。その後、研究者は、ゲートのリストを見て、ゲートされたデータが抽出された光散布図の画像へクリックスルーすることができる。
【0081】
VII.コンピュータシステム
本明細書に記載のあらゆるコンピュータシステムは、任意の適切な数のサブシステムを利用することができる。そのようなサブシステムの例は、コンピュータ装置1200として
図12に示されている。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、単一のコンピュータ装置を含み、サブシステムは、コンピュータ装置の構成要素となり得る。他の実施形態において、コンピュータシステムは、複数のコンピュータ装置を含み、いずれもサブシステムを有し、内部コンポーネントを持つ。
【0082】
図12に示されるサブシステムは、システムバス1275を介して相互に接続されている。プリンタ1274、キーボード1278、固定ディスク1279、ディスプレイアダプタ1282に連結されるモニタ1276、及び、その他のもの、のような追加のサブシステムが示されている。I/Oコントローラ1271に連結する周辺機器及び入出力(I/O)装置は、当技術分野で公知のあらゆる手段(例えば、シリアルポート1277(例:USB)など)によってコンピュータシステムに接続することができる。例えば、シリアルポート1277又は外部インタフェイス1281は、インターネットなどの広域ネットワーク、マウス入力装置、又はスキャナに、コンピュータシステム1200を接続するために使用することができる。システムバス1275経由の相互接続により、中央プロセッサ1273は、各サブシステムと通信すること、及び、サブシステム間の情報交換はもちろんのこと、システムメモリ1272又は固定ディスク1279からの命令の実行も制御することを可能とする。システムメモリ1272及び固定ディスク1279、又はそのいずれか一方は、コンピュータ読み取り可能な媒体を具現化してもよい。本明細書に記載のあらゆる値は、一方のコンポーネントから他方のコンポーネントへ出力でき、そして、ユーザへ出力できる。
【0083】
コンピュータシステムは、例えば外部インタフェイス1281によって又は内部インタフェイスによって互いに接続され、同じコンポーネント又はサブシステムを複数含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム、サブシステム又は装置は、ネットワークを介して通信することができる。この際、それぞれが同じコンピュータシステムの一部である場合には、一つのコンピュータはクライアントと見なし、別のコンピュータをサーバと見なすことができる。クライアント及びサーバはそれぞれ、複数のシステム、複数のサブシステム又は複数のコンポーネントを含むことができる。
【0084】
なお、本発明のあらゆる実施形態は、ハードウエア、及び/又は、モジュラー若しくは統合されたコンピュータソフトウェアを用いて、制御ロジックの一形態を実行することができることを理解されたい。開示および本明細書に提供される教示に基づいて、当業者は、ハードウエアとハードウエア及びソフトウエアの組み合わせとを用いて、本発明の実施形態を実施する他の手段及び方法、又はそのいずれか一方を理解するであろう。
【0085】
本出願に記載されているソフトウェアのコンポーネント又は機能のいずれかは、任意の適切なコンピュータ言語を使用して、プロセッサによって実行されるソフトウェアコードとして実装されてもよい。コンピュータ言語は、例えば、Java(登録商標)、C++又はPerlといった従来技術又はオブジェクト指向技法などがある。ソフトウェアコードは、記憶及び/又は伝送するためのコンピュータ可読媒体に一連の命令又は指令として格納され、適切な媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスクやフロッピーディスク(登録商標)のような磁気記憶媒体、又は、コンパクトディスク(CD)又はDVD(デジタル多用途ディスク)、フラッシュメモリ及び同類のものなどの光学記憶媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、記憶装置又は伝送装置といったものの任意の組み合わせであってもよい。
【0086】
このようなプログラムは、符号化され、そして、インターネットを含む種々のプロトコルに準拠した、有線、光及び/又は無線ネットワーク経由で、伝送に適合したキャリア信号によって送信される。このように、本発明の実施形態に係るコンピュータ可読媒体は、プログラムで符号化されたデータ信号を用いて生成することができる。プログラムコードで符号化されたコンピュータ読み取り可能な媒体は、互換性のある装置とともに実装されても、又は(例えば、インターネットのダウンロードを介して)他の装置とは別に設けてもよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、単一のコンピュータプログラム製品(例えば、ハードディスクドライブ、CD、又はコンピュータシステム全体)上又は製品内に存在してもよく、システム内又はネットワーク内の異なるコンピュータプログラム製品上又は製品内に存在してもよい。コンピュータシステムは、ユーザに本明細書に記載された結果のいずれかを提供するための、モニタ、プリンタ、または他の適切なディスプレイを含むことができる。
【0087】
本明細書に記載の方法は、いずれも、ステップを実行するように構成されたプロセッサを有するコンピュータシステムを用いて一部又は全部を実行することができる。したがって、実施形態は、潜在的には、それぞれのステップ又はそれぞれのステップ群を実行する、異なるコンポーネントとともに、本明細書に記載のいずれかの方法のステップを実行するように構成されたコンピュータシステムを指向することができる。番号付けされたステップとして提示するが、本明細書に記載の方法のステップは、同時に又は異なる順序で実行できる。さらに、これらのステップの一部は、他の方法の他のステップの一部とともに用いることができる。また、ステップの全部または一部は、オプションであってもよい。さらに、あらゆる方法のあらゆるステップが、モジュール、回路、又は、それらのステップを実行するための他の手段で実行され得る。
【0088】
上記実施形態のいずれかは、単独で又は任意の組み合わせで互いに結合して使用され得る。この特許明細書の範囲内に含まれる発明はまた、概要内又は要約内に部分的に記載され又は言及された実施形態を含み、また、概要内又は要約内に少しも記載されていない又は言及されていない実施形態を含む。本発明の様々な実施形態は、本明細書中の1以上の箇所で説明され又は言及された先行技術の種々の不備によって動機付けられてきたが、本発明の実施形態は、必ずしもこれらの不備のいずれかに対処していない。換言すれば、本発明の異なる実施形態は、本明細書で説明された異なる不備に対処することができる。いくつかの実施形態は、明細書で説明された、いくつか又はほんの一つの不備に部分的にのみ対処することができ、いくつかの実施形態では、これらの不備のいずれかには対処しなくてもよい。
【0089】
本発明の例示的な実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的で提示されている。包括的であること又は説明された正確な形態に発明を限定することを目的としておらず、多くの修正及び変形が上記の教示に照らして可能である。実施形態は、他の当業者が、期待する特定の用途に適するような多様な変更とともに、多様な実施形態の発明を最も良く利用できるようにするために、本発明の原理及びその実際の適用を最も良く説明するために選択され説明された。
【0090】
特に反対の指示がない限り、「a」、「an」又は「the」の記述は、「1以上」を意味することが意図される。
【0091】
上述した全ての特許、特許出願、刊行物、及び説明は、あらゆる目的上、そのすべての内容が引用されることにより本明細書に組み込まれる。先行技術であると認めるものは何もない。