特許第6096786号(P6096786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6096786補強された蝶番式蓋付きのタバコ箱及び対応する包装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096786
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】補強された蝶番式蓋付きのタバコ箱及び対応する包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20170306BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   B65D85/10
   B65D5/66 321B
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-535207(P2014-535207)
(86)(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公表番号】特表2014-528390(P2014-528390A)
(43)【公表日】2014年10月27日
(86)【国際出願番号】IB2012055479
(87)【国際公開番号】WO2013054269
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年9月24日
(31)【優先権主張番号】BO2011A000580
(32)【優先日】2011年10月10日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ポローニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ペトルッチ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ビオンディ
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭42−000153(JP,Y1)
【文献】 米国特許第03933299(US,A)
【文献】 特開平08−253279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1群のタバコを取り囲む内側パッケージ(3)と、
開放上端(4)と、前記開放上端(4)に対向する底面壁(7)と、前面壁(8)と、前記前面壁(8)に平行でかつ前記前面壁(8)に対向する後面壁(9)と、2つの対向し平行な側面壁(10)と、を有する容器(2)と、
蝶番(6)に沿って前記容器(2)に蝶番式に接続され、前記開放上端(4)に対向する上面壁(13)と、後面壁(15)と、2つの対向し平行な側面壁(16)と、を有する蓋(5)と、
を備える、蝶番式蓋付きタバコ箱(1)であって、
前記容器(2)の前記後面壁(9)が、外側の第1のパネル(9’)が対応する内側の第1のパネル(9”)に重ねられることによって形成され、前記蓋(5)の前記上面壁(13)が、外側の第2のパネル(13’)が対応する内側の第2のパネル(13”)に重ねられることによって形成され、前記蓋(5)の前記後面壁(15)が、外側の第3のパネル(15’)が対応する内側の第3のパネル(15”)に重ねられることによって形成され、
前記タバコ箱(1)が、前記外側の第1のパネル(9’)が機械的な保持体(21)を有し、前記保持体が、前記内側の第1のパネル(9”)の下部の自由端部に係合して、前記2つの第1のパネル(9’、9”)を機械的に接続して両者の間の相対的な動きを制限することを特徴とする、
タバコ箱(1)。
【請求項2】
前記容器(2)の前記後面壁(9)が、外側の第1のパネル(9’)が対応する内側の第1のパネル(9”)に重ねられ、更に前記内側の第1のパネルに糊付けされることによって形成され、前記蓋(5)の前記上面壁(13)が、外側の第2のパネル(13’)が対応する内側の第2のパネル(13”)に重ねられ、更に前記内側の第2のパネルに糊付けされることによって形成され、前記蓋(5)の前記後面壁(15)が、外側の第3のパネル(15’)が対応する内側の第3のパネル(15”)に重ねられ、更に前記内側の第3のパネルに糊付けされることによって形成されることを特徴とする、
請求項1に記載のタバコ箱(1)。
【請求項3】
前記保持体(21)が、折り線(23)に沿って前記外側の第1のパネル(9’)に蝶番式に接続された少なくとも1つの保持タブ(22)を備え、前記タブが前記外側の第1のパネル(9’)に対して持ち上げられて前記内側の第1のパネル(9”)の端部に係合する、請求項1又は2に記載のタバコ箱(1)。
【請求項4】
前記内側の第1のパネル(9”)の前記端部が前記保持タブ(22)の下方に挿入される、請求項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項5】
前記内側の第1のパネル(9”)の前記自由端部が、前記保持タブ(22)の端部に対面し、前記保持タブ(22)の前記端部と同平面上にあり、前記保持タブ(22)の前記端部に当接する、請求項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項6】
前記保持タブ(22)が前記外側の第1のパネル(9’)の中央部によって形成され、前記中央部が、第1のU字形スルーカットによって及び前記第1のU字形スルーカットの両端を接合する前記折り線(23)によって前記外側の第1のパネル(9’)の残り部分から分離される、請求項3〜5のいずれか1項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項7】
前記機械的な保持体(21)が前記保持タブに並んで配置され、折り線(23)によって前記保持タブから分離された回転タブ(30)を備える、請求項3〜6のいずれか1項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項8】
前記回転タブ(30)が前記外側の第1のパネル(9’)の中央部によって形成され、前記中央部が第2のU字形スルーカットによって及び前記第2のU字形スルーカットの両端を接合する前記折り線(23)によって前記外側の第1のパネル(9’)の残り部分から分離される、請求項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項9】
前記蓋(5)の前記蝶番(6)が、前記蓋(5)の前記外側の第3のパネル(15’)を前記容器(2)の前記外側の第1のパネル(9’)に接続する外側の折り線(6’)によって及び前記蓋(5)の前記内側の第3のパネル(15”)を前記容器(2)の前記内側の第1のパネル(9”)に接続する内側の折り線(6”)によって形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項10】
前記容器(2)及び前記蓋(5)が、2本の長手方向の折り線(25)と多数の横断方向の折り線(26)とを備えるブランク(24)を折り畳むことによって形成され、前記横断方向の折り線が、前記2本の長手方向の折り線(25)の間に、前記容器(2)の前記前面壁(8)を形成する第4のパネル(8’)と、前記容器(2)の前記底面壁(7)を形成する第5のパネル(7’)と、前記容器(2)の前記後面壁(9)の外側部分を形成する前記外側の第1のパネル(9’)と、前記蓋(5)の前記後面壁(15)の外側部分を形成する前記外側の第3のパネル(15’)と、前記蓋(5)の前記上面壁(13)の外側部分を形成する前記外側の第2のパネル(13’)と、前記蓋(5)の前記上面壁(13)の内側部分を形成する前記内側の第2のパネル(13“)と、前記蓋(5)の前記後面壁(15)の内側部分を形成する前記内側の第3のパネル(15”)と、前記容器の前記後面壁(9)の内側部分を形成する前記内側の第1のパネル(9”)と、を形成する、請求項1〜のいずれか1項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項11】
前記外側の第3のパネル(15’)が2つのウィング(16”)を有し、前記ウィングが前記外側の第3のパネル(15’)の両側に配置され、前記長手方向の折り線(25)によって前記外側の第3のパネルから分離されて、前記蓋(5)の前記2つの側面壁(16)を形成し、
前記外側の第3のパネル(15’)の各ウィング(16”)がタブ(28)を有し、前記タブが、前記内側の第2のパネル(13”)を重ねる前に前記外側の第2のパネル(13’)の内面に重ねられる
請求項10に記載のタバコ箱(1)。
【請求項12】
前記タブが、前記内側の第2のパネル(13”)を重ねる前に前記外側の第2のパネル(13’)の内面に重ねられ、更に前記内面に糊付けされる、
請求項10に記載のタバコ箱(1)。
【請求項13】
前記蓋(5)が、前記蓋の前記後面壁(15)に平行でかつ前記後面壁(15)に対向する前面壁(14)を備え、前記前面壁が、外側の第7のパネル(14’)が対応する内側の第7のパネル(14”)に重ねられることによって形成される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項14】
前記前面壁が、外側の第7のパネル(14’)が対応する内側の第7のパネル(14”)に重ねられかつ前記内側の第7のパネルに糊付けされることによって形成される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のタバコ箱(1)。
【請求項15】
1群のタバコを取り囲む内側パッケージ(3)と、
開放上端(4)と、前記開放上端(4)に対向する底面壁(7)と、前面壁(8)と、前記前面壁(8)に平行でかつ前記前面壁(8)に対向する後面壁(9)と、2つの対向し平行な側面壁(10)と、を有する容器(2)と、
蝶番(6)に沿って前記容器(2)に蝶番式に接続され、前記開放上端(4)に対向する上面壁(13)と、後面壁(15)と、2つの対向し平行な側面壁(16)と、を有する蓋(5)と、
を備える蝶番式蓋付きタバコ箱(1)を製造する包装方法であって、
前記包装方法が、
前記容器(2)の前記後面壁(9)を形成するために、外側の第1のパネル(9’)と対応する内側の第1のパネル(9”)を重ねるステップと、
前記蓋(5)の前記上面壁(13)を形成するために、外側の第2のパネル(13’)と内側の第2のパネル(13”)を重ねるステップと、
前記蓋(5)の前記後面壁(15)を形成するために、外側の第3のパネル(15’)と対応する内側の第3のパネル(15”)を重ねるステップと、
を含み、
前記包装方法が、
さらに、前記2つの第1のパネル(9’、9”)を機械的に接続して前記2つの第1のパネルの間の相対的な動きを制限するように、前記外側の第1のパネル(9’)上の機械的な保持体(21)によって前記内側の第1のパネル(9”)の下部の自由端部を係合するステップを含むことを特徴とする、
包装方法。
【請求項16】
前記容器(2)及び前記蓋(5)が、内側のパネル(9”、15”、13”)と外側のパネル(9’、13’、15’)とを備えるブランク(24)を折り畳むことによって形成され、
前記内側のパネル(9”、15”、13”)が、前記内側パッケージ(3)の周りで前記ブランク(24)を折り畳む前に、前記対応する外側のパネル(9’、15’、13’)に重ねられ、更に前記外側のパネルに糊付けされる、
請求項15に記載の包装方法。
【請求項17】
さらに、
前記内側の第1のパネル(9”)を前記外側の第1のパネル(9’)に重ねる前に、前記外側の第1のパネル(9’)に対して保持タブ(22)を持ち上げるステップと、
前記内側の第1のパネル(9”)を前記外側の第1のパネル(9’)に重ねるステップと、
前記内側の第1のパネル(9”)を前記外側の第1のパネル(9’)に重ねた後に、前記外側の第1のパネル(9’)に対してかつ前記内側の第1のパネル(9”)の前記エッジに被せて前記保持タブ(22)を折り畳むステップと、
を含む、請求項15又は16に記載の包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蝶番式蓋付きのタバコ箱及び関連する包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
剛性の蝶番式蓋付きタバコ箱は、一群のタバコを取り囲む内側パッケージと、内側パッケージを収容する剛性外側パッケージと、を備える。外側パッケージは、開放上端を持つカップ形容器と、開放上端を開放及び閉鎖する開放位置と閉鎖位置との間で回転するように容器に蝶番式に接続された蓋と、を備える。
【0003】
ほとんどの市販のタバコ箱の蓋は、前面壁と、前面壁に直角を成す上面壁と、前面壁に対向しかつ前面壁に平行の後面壁と、他の壁に直角を成す2つの対向し平行な側面壁と、を有する。通常、蓋の上面壁及び後面壁は1層であり、蓋の前面壁の限定された部分のみが、補強フラップを折り曲げて内面に糊付けすることによって二重層になっている。但し、場合によっては、蓋全体を強化して、蓋を繰り返し開閉することによって生じる変形を減少するために、上面壁及び後面壁も補強しなければならない。
【0004】
蓋の上面壁及び後面壁を補強するために、壁は、各々重ねられ、好ましくは糊付けされた2つの層で作られる。従って、蓋の前面壁、上面壁及び後面壁のために、外側パッケージ製造の元となるブランク(blank:半加工品)は、内側のパネル及び外側のパネルを有し、パネルは重ねられ、好ましくは相互に糊付けされる。好ましい実施形態において、ブランクを内側パッケージに付ける前に、即ち、ブランクが内側パッケージの周りに折り畳まれる包装ユニットの上流において、蓋の前面壁、上面壁及び後面壁の内側のパネルと外側のパネルは、重ねられ、好ましくは糊付けされる。但し、ブランクにおける不可避の跳ね返り力は、蓋の前面壁、上面壁、及び後面壁の、重ねられ糊付けされた内側のパネルと外側のパネルとの間に相対的な動きを生じることが分かっており、その結果、実際の容器において、内側のパネルと外側のパネルが適切に一致しない(内側のパネルと外側のパネルとの間の糊が硬化して十分な把握力を発揮するには、ある程度の時間が掛かることに留意しなければならない)。
【0005】
従って、蓋の前面壁、上面壁、及び後面壁の、内側のパネルと外側のパネルが重ねられた後、これらを正確な位置に維持するために、パネルに圧力を加えるための機械的手段が必要とされる。但し、この種の手段は、製造が複雑であり、包装機械のコストを大幅に増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の欠点を取り除くように設計され、同時に実現が安価で容易な、蝶番式蓋付きタバコ箱及び関連する包装方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、特許請求の範囲において主張される蝶番式蓋付きタバコ箱及び関連する包装方法が提供される。
【0008】
本発明の多数の非限定的実施形態について、添付図面を参照しながら例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】閉鎖状態における本発明に係るタバコ箱の前面斜視図である。
図2】開放状態における図1のタバコ箱の前面斜視図である。
図3】閉鎖状態における図1のタバコ箱の後面斜視図である。
図4】明確化のために一部を取り除いた、図1のタバコ箱の蓋部分の概略断面図である。
図5図1のタバコ箱を形成するためのブランクの展開図である。
図6図1のタバコ箱を製造する際の図5のブランクの一部の概略斜視図である。
図7図5のブランクの変形の平面図である。
図8】明確化のために一部を取り除いた、本発明に係るタバコ箱の別の実施形態の蓋部分の概略断面図である。
図9図8のタバコ箱を形成するためのブランクの展開図である。
図10図8のタバコ箱を製造する際の図9のブランクの一部の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1、2及び3において、符号1は、全体として剛性タバコ箱を示す。タバコ箱1は、剛性ボール紙で作られたカップ形容器2と、内側容器2に収容され一群のタバコを取り囲む内側パッケージ3とを備える。
【0011】
容器2は、開放上端4を有し、カップ形蓋5は、開放上端4を開放及び閉鎖する、開放位置(図2)と閉鎖位置(図1及び3)との間で回転するように、蝶番6に沿って容器2に蝶番式に接続される。
【0012】
容器2は、直方体であり、開放上端4に対向する底面壁7と、前面壁8と、前面壁に対向しかつ前面壁に平行の後面壁9と、2つの対向し平行な側面壁10と、を備える。4つの長手縁11は、側面壁10と前面壁8及び後面壁9との間に形成され、4つの横断縁12は、底面壁7と前面壁8、後面壁9及び側面壁10との間に形成される。
【0013】
蓋5は、直方体であり、開放上端4に対向する上面壁13と、前面壁14と、前面壁14に対向しかつ前面壁14に平行の後面壁15と、2つの対向し平行な側面壁16と、を備える。4つの長手縁11は、側面壁16と前面壁14及び後面壁15との間に形成され、4つの横断縁12は、上面壁13と前面壁14、後面壁15及び側面壁16との間に形成される。
【0014】
図1〜3の実施形態において、縁11及び12は、全て直角を成す。別の実施形態(図示せず)において、縁11及び12のいくつかは斜角又は丸みを持つことができる。
【0015】
また、箱1は、剛性の(すなわち、剛性ボール紙の)カラー17を備え、カラーは、U字形に折り曲げられ、容器2の内面に固定され(糊付けされ)、部分的に開放上端4の外向きに突き出して、閉鎖された蓋5の対応する内面に係合する。好ましい実施形態において、カラー17は、2つの突き出し部18を有し、突き出し部は、側方に突き出して、蓋5の側面壁16に締り嵌めして、蓋5を閉鎖位置に保持する。カラー17は、容器2の前面壁8と当接するように位置付けられた前面壁19と、前面壁19の両側に配置され容器2の側面壁10に当接するように位置付けられた2つの側面壁20と、を備える。
【0016】
図4に示すように、容器2の前面壁8は1層であり、1枚のパネル8’によって形成されるのに対して、容器2の後面壁は、部分的に二重層であり、外側のパネル9’が対応する内側のパネル9”(外側のパネル9’より小さい)に重ねられ、好ましくは糊付けされることによって形成される。
【0017】
蓋5の前面壁14は、全体的に二重層であり、外側のパネル14’が対応する内側のパネル14”(外側のパネル14’と同じサイズ)に重ねられ、好ましくは内側のパネル14”に糊付けされることによって、蓋5の前面壁14が形成される。蓋5の上面壁13は、全体的に二重層であり、外側のパネル13’が対応する内側のパネル13”(外側のパネル13’と同じサイズ)に重ねられ、好ましくは内側のパネル13に糊付けされることによって、蓋5の上面壁13が形成される。蓋5の後面壁は全体的に二重層であり、外側のパネル15’が対応する内側のパネル15”(外側のパネル15’と同じサイズ)に重ねられ、好ましくは内側のパネル15”に糊付けされることによって形成される。
【0018】
蓋5の蝶番6は、蓋5の外側のパネル15’を容器2の外側のパネル9’に接続する外側の折り線6’によって、及び蓋5の内側のパネル15”を容器2の内側のパネル9”に接続する内側の折り線6”によって形成される。
【0019】
容器2の外側のパネル9’は機械的な保持体21を有し、保持体は、内側のパネル9”の下部の自由端部に係合して、パネル9’とパネル9”を機械的に接続して、その間の相対的な動きを制限する。より具体的には、保持体21は、折り線23に沿って外側のパネル9’に蝶番式に接続された保持タブ22を備え、保持タブは、外側のパネル9’に対して持ち上げられて、内側のパネル9”の端部に係合する。図4の実施形態において、内側のパネル9”の端部は保持タブ22の下方に折り線23まで(又は、その直前まで)挿入される。言い換えると、保持タブ22は、保持タブ22の下方に内側のパネル9”の端部を挿入するように外側のパネル9’に対して持ち上げられる。
【0020】
図5に示すように、容器2及び蓋5は、平らな実質的に細長い長方形のブランク24から形成され、ブランクは、2本の長手方向の折り線25と、多数の横断方向の折り線26とを有する。横断方向の折り線は、2本の長手方向の折り線25の間に、容器2の前面壁8を形成するパネル8’、容器2の底面壁7を形成するパネル7’、容器2の後面壁9の外側部分を形成する外側のパネル9’、蓋5の後面壁15の外側部分を形成する外側のパネル15’、蓋5の上面壁13の外側部分を形成する外側のパネル13’、蓋5の前面壁14の外側部分を形成する外側のパネル14’、蓋5の前面壁14の内側部分を形成する内側のパネル14”、蓋5の上面壁13の内側部分を形成する内側のパネル13”、蓋5の後面壁15の内側部分を形成する内側のパネル15”及び容器2の後面壁9の内側部分を形成する内側のパネル9”を形成する。
【0021】
パネル8’は、2つのウィング10’を有し、ウィングは、パネル8’の両側に配置され、長手方向の折り線25によってパネル8’から分離されて、容器2の2つの側面壁10の外側部分を形成する。外側のパネル9’は、2つのウィング10”を有し、ウィングは、外側のパネル9’の両側に配置され、長手方向の折り線25によって外側のパネル9’から分離されて、容器2の2つの側面壁の内側部分を形成する。各ウィング10”はタブ27を有し、タブは、パネル7’の内面に重ねられ、好ましくはパネル7’の内面に糊付けされる。
【0022】
外側のパネル15’は、2つのウィング16”を有する。ウィングは、外側のパネル15’の両側に配置され、長手方向の折り線25によって外側のパネル15’から分離されて、蓋5の2つの側面壁16の内側部分を形成する。外側のパネル14’は2つのウィング16’を有する。ウィングは、外側のパネル14’の両側に配置され、長手方向の折り線25によって外側のパネル14’から分離されて、蓋5の2つの側面壁16の外側部分を形成する。各ウィング16”はタブ28を有し、タブは、内側のパネル13”を重ねる前に、外側のパネル13’の内面に重ねられ、好ましくは外側のパネル13’の内面に糊付けされる。言い換えれば、2つのタブ28は、視線から隠されるように外側のパネル13’と内側のパネル13”との間に挿入される。
【0023】
内側のパネル9”は、2つのウィング29を有する。ウィングは、内側のパネル9”の両側に配置され、長手方向の折り線25によって内側のパネル9”から分離されて、外側のパネル9’の対応するウィング10”の内面に重ねられ、好ましくはウィング10”の内面に糊付けされる。
【0024】
外側のパネル9’は保持タブ22を有する。保持タブは、U字形スルーカット(through cut:切り開き)によって及びU字形スルーカットの両端を接続する折り線23によって外側のパネル9’の残り部分から分離された外側のパネル9’の中央部によって形成される。
【0025】
図6に示すように、ブランク24を内側パッケージ3の周りで折り畳む前に、内側のパネル9”、15”、13”及び14”は、対応する外側のパネル9’、15’、13’及び14’に重ねられ、好ましくは外側のパネル9’、15’、13’及び14’に糊付けされる。内側のパネル9”を外側のパネル9’に重ねる前に、保持タブ22は外側のパネル9’に対して持ち上げられ(例えば外側のパネルと直角を成すように位置付けて)、内側のパネル9”が外側のパネル9’に重ねられた後、保持タブ22は内側のパネル9”の端部に被せて外側のパネル9’に折り戻されて、2つのパネル9’及び9”を機械的に接続する。
【0026】
ブランク24のパネル15’、13’、14’、15”、13”、14”は、ブランク24を内側パッケージ3の周りで折り畳む前に(図6に示すように)又は後に、重ねて折り畳んで、蓋5を形成できる。
【0027】
図7の変形において、機械的な保持体21は、保持タブ22に並べて配置され、折り線23によって保持タブ22から分離された回転タブ30を備える。回転タブ30は、U字形スルーカットによって及びU字形スルーカットの両端を接続する折り線23によって外側のパネル9’の残り部分から分離された外側のパネル9’の中央部によって形成され、保持タブ22を回転させる役割を果たす。折り線23の周りで回転(押圧)されると、回転タブ30は、折り線23の周りでの保持タブ22の同様の回転を生じる。
【0028】
図4〜7の実施形態において、内側のパネル9”の下部の自由端部は、保持体21の保持タブ22の下方に挿入される。図8〜10の実施形態においては、内側のパネル9”の下部の自由端部は、保持体21の保持タブ22の上部の自由端部と当接するように位置付けられる。即ち、内側のパネル9”及び保持タブ22の2つの自由端部は、同平面上に在り、相互に対面して当接するように位置付けられ、保持タブ22は、内側のパネル9”を外側のパネル9’に重ねる前に又は後に、外側のパネル9’に対して持ち上げることができる。
【0029】
図示する実施形態において、外側のパネル9’の保持体21は、1つの保持タブ22しか持たない。完全に同等の実施形態(図示せず)において、外側のパネル9’の保持体21は、並列する2つ(又は、3つ)の保持タブ22を有する。
【0030】
別の実施形態(図示せず)において、タバコ箱1は、スライドオープン型であり、一方が他方の内部に挿入された2つの部分的に分離可能な容器を備える。容器2は、内側容器を形成し、外側容器の内部に収容されて、外側容器に対して、容器2が外側容器の内部に挿入される閉鎖状態と、容器2が部分的に外側容器から引き出される開放状態との間でスライドする。容器2の蓋5は、一方の端で蓋5に接続され、対向する端で外側容器に接続された、接続タブを有し、容器2が外側容器に対してスライドするとき、「自動的に」(即ち、使用者が蓋5に触れる必要なく)蓋5を回転させることができる。言い換えると、接続タブが蓋5の壁を機械的に外側容器の壁に接続することによって、容器2が外側容器に対してスライドするとき、外側容器は、閉鎖位置から開放位置へ又はその逆に自動的に(すなわち、使用者が蓋に触れる必要なく)蓋5を押すので、使用者は、蓋5に触れる必要なく、外側容器に対して容器2をスライドするために十分な圧力を加えるだけで、蓋は「自動的に」回転する。
【0031】
別の実施形態(図示せず)において、蓋5は前面壁14を持たない(従って、ブランク24は、パネル14’及び14”を持たない)。この実施形態は、上述のスライドオープン型と組み合わせることが好ましい(但し、必ずしも組み合わせる必要はない)。
【0032】
別の変形において、容器2は、同様にタバコ箱1の一部を形成する外箱体に収容できる。
【0033】
上述のタバコ箱1は、多数の利点を有する。
【0034】
第1に、上述のタバコ箱1において、内側のパネル9”は外側のパネル9’の保持体21によって正しい位置に保持されるので、内側のパネル9”、15”、13”及び14”は、対応する外側のパネル9’、15’、13’及び14’に重ねられ、外側のパネル9’、15’、13’及び14’に糊付けされた後、糊が乾燥するとき所定の位置からの跳ね返りが防止される。重要なのは、内側のパネル9”、15”、13”及び14”は接続されており相互に著しく動くことが防止されるので、内側のパネル9”のみを、保持体21によって外側のパネル9’に機械的に接続するだけでよいことである。
【0035】
第2に、上述のタバコ箱1は、保持体21が存在することが同様の既知のタバコ箱1と唯一異なるので、安価で容易に製造できる。保持体は、ブランク24がすでに経ている作業と変わらない簡単な機械的作業によって(すなわち、U字形スルーカット及び折り線23の形成によって)外側のパネル9’に簡単に製造できる。
【0036】
最後に、上述のタバコ箱1は、外側のパネル9’へのいくつかの簡単な作業によってブランク24を折り畳むとき保持タブ22を折り曲げられるので、安価で容易に製造できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10