(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096799
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】カメラモジュールの位置決めのための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20170306BHJP
G02B 7/02 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
H04N5/225 D
G02B7/02 Z
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-545951(P2014-545951)
(86)(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公表番号】特表2015-513340(P2015-513340A)
(43)【公表日】2015年5月7日
(86)【国際出願番号】US2012067099
(87)【国際公開番号】WO2013085798
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2015年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/567,044
(32)【優先日】2011年12月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/436,516
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508096965
【氏名又は名称】フレックストロニクス エーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】ウォレン, ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ルーン, ダレン
(72)【発明者】
【氏名】スティーン, スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】グリルズ, レジナルド シー.
【審査官】
吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−291135(JP,A)
【文献】
特開2009−265393(JP,A)
【文献】
特開平08−315935(JP,A)
【文献】
特開平05−236306(JP,A)
【文献】
特開2002−093498(JP,A)
【文献】
特開2009−113735(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/091347(WO,A1)
【文献】
特表2008−504739(JP,A)
【文献】
特開2004−063358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有した複数の端子脚を含み、これら端子脚が回路基板に接続されるとともに複数の位置決めリブを更に含む端子ブロックと、
複数の位置決めポケットを備えたエンドキャップと
を具備し、
前記位置決めポケット内への前記位置決めリブの配置は外部コネクタとの接続を許容すべく、可撓性を有した端子脚を曲げて、回路基板の面内にて前記端子ブロックを移動させる、カメラモジュール。
【請求項2】
前記端子ブロックは、安定化のために前記回路基板に対する最小の接触面を有した複数の足部を更に含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記回路基板は撮像センサを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記端子ブロックは、外部コネクタとの接続のために複数の端子ピンを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記エンドキャップはコネクタシュラウドを含み、該コネクタシュラウドは前記端子ピンに対する前記外部コネクタの接続を許容する、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記端子ピンは、前記コネクタシュラウドに対して位置決めされている、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記回路基板にはレンズホルダモジュールが張付けられ、該レンズホルダモジュールは前記回路基板上の画像取込みデバイスに対して位置決めされたレンズを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
回路基板に移動可能に接続された端子ブロックを含み、該端子ブロックが複数の位置決めリブを有する第1モジュールと、
複数の位置決めポケット及び1つのコネクタポートを含む第2モジュールと
を具備し、
前記位置決めポケット内への位置決めリブの配置は、前記コネクタポートに対して前記端子ブロックを位置決めすべく、前記回路基板の面上にて前記端子ブロックを移動させる、装置。
【請求項9】
前記端子ブロックは、前記回路基板に移動可能に接続された複数の端子脚を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記端子ブロックは前記回路基板に最小にして接触する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記回路基板は撮像センサを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記撮像センサは前記第1モジュール内のレンズに対して位置決めされている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記端子ブロックは外部コネクタに接続する複数の端子ピンを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記コネクタポートは前記端子ブロックに支持された複数の端子ピンへの外部コネクタの接続を許容する、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記端子ブロックは前記コネクタポートに対して位置決めされた複数の端子ピンを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
前記第1モジュールは複数のスナップアームを含み、前記第2モジュールは複数の突起を含み、これらスナップアーム及び突起は前記位置決めポケット内への前記端子ブロックの前記位置決めリブの配置に依って前記第1モジュール及び前記第2モジュールを位置決めされた状態で相互に結合する、請求項8に記載の装置。
【請求項17】
前記端子ブロックは前記回路基板の面に最小にして接触する複数の足部を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項18】
一緒に結合された前記第1モジュール及び前記第2モジュールを環境下にて径方向にシールする1つのOリングを更に具備する、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2012年3月30日付け提出の米国特許出願No.13/436,516及び2011年12月5日付けの提出の米国仮出願No.61/567,044の優先権を主張し、これら出願の内容が本発明に参照して組み込まれることを明らかにする。
本願はカメラモジュールのパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラモジュールの製造は、画像取込みデバイスに対してのレンズを含む幾つかのパーツの位置決めや、外部コネクタに対しての端子ピンの位置決めを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
幾つかのパーツや関連するインタフェースに起因して重要な公差が蓄積し、この蓄積は適切な位置決めに抵抗となるか、又は、適切な位置決めを妨げる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここでは、カメラモジュールの位置決めのためのシステム及び方法が記載される。カメラモジュールは、端子ブロック及びコネクタシュラウド付きのエンドキャップを備える。端子ブロックは、回路基板に接続された可撓性を有する複数の端子脚と、コネクタシュラウドを通じて外部コネクタに接続する複数の端子ピンとを含む。
【0005】
端子ブロックは複数の位置決めリブを含み、エンドキャップは複数の位置決めポケットを含む。位置決めポケット内への位置決めリブの配置は可撓性の端子ピンを曲げることで、回路基板の面内にて端子ブロックを移動させ、コネクタシュラウドを通じて外部コネクタに接続する端子ピンの位置決めをなす。
より詳細な理解は、添付図面とともに一例として挙げられた後述の記載から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】組立済みのレンズホルダを示す一連の図である。
【
図2】組立済みのレンズホルダ及びエンドキャップの一実施形態を示す図である。
【
図3A】コネクタヘッダーの一実施形態を示す図である。
【
図3B】ハウジングを備えたコネクタヘッダーを示す図である。
【
図4A】端子ブロックの一実施形態を示す図である。
【
図4B】対応の幾何学的コネクタインタフェースを備えたハウジング、即ち、組込まれたコネクタシュラウドの一実施形態を示す図である。
【
図5A】一実施形態の端子ブロックの正面図である。
【
図5B】一実施形態の端子ブロックの背面図である。
【
図5C】可撓性を有した複数の端子脚を備えた端子ブロックの背面図である。
【
図6A】一実施形態のエンドキャップの内側底を示す図である。
【
図6B】一実施形態の端子ブロックの底を示す図である。
【
図6C】張付けられた端子ブロックを備える一実施形態のエンドキャップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
カメラモジュールパッケージにおける実施形態の図及び記載において、明確な理解のために関連する要素を図示すべく簡略され、一方、明瞭さを目的として一般的な電子パッケージに見られる多くの他の要素が省略されていることを理解すべきである。当業者は、カメラモジュールパッケージを具体化するうえで、他の要素及び/又は工程が所望され及び/又は要求されることを認識している。しかしながら、このような他の要素及び工程は公知であり、また、カメラモジュールパッケージの理解をより容易にするものでもないから、ここでは他の要素及び工程の説明を提示していない。
【0008】
ここに記載の非限定の実施形態はカメラモジュールに関する。ここに記載及び/又は図示された実施形態及び変形の形態は単に一例として提示され、発明の範囲及び趣旨を限定するものではない。カメラモジュールは、自動車分野や他の環境露出分野を含む多数の適用分野にて使用可能である。
【0009】
ここにはカメラモジュールの組立及び位置決めのプロセスが記載される。カメラモジュールの組立及び製造は多数のパーツの位置決めを要求する。その一例は、画像取込みデバイス又はチップに対するレンズの位置決めである。
図1は、画像取込みデバイスを備えたレンズアセンブリホルダの一実施形態を組立てるにあたり、その一連の流れの一例を示す。最初、カメラレンズアセンブリ100は、レンズアセンブリホルダ105(190)にねじ込まれ、部分的に組立済みとなった統一カメラ構成部110が形成される。
【0010】
また、ねじ込み動作はカメラレンズアセンブリ100の焦点を制御する。この後、画像検出/取込みデバイス又はマイクロチップ120を備えた印刷回路基板(PCB)115又はその等価物が部分的に組立済みの統一カメラ構成部110(192)に取付けられる。PCB115の片面には端子ブロック125が取付けられる。
【0011】
特に、画像検出マイクロチップ120及び端子ブロック125を備えたPCB115は、限定されるものではないが、例えば熱活性化糊(194)を使用して部分的に組立済みの統一カメラ構成部110の糊付け面130に取付けられ、組立済みの統一カメラ構成部135を形成する。カメラレンズアセンブリ110との画像検出/取込みデバイス120の位置決めは、立前的にはコンピュータ数値制御型(CNC)機械を使用して実施される。この位置決めを維持するため、糊は硬化される。
【0012】
図2に示されるように、カメラモジュールアセンブリは統一カメラ構成部200を交換可能な取付け/コネクタ構成部、即ち、エンドキャップ205に張付けることによって完成する。上述したように統一カメラ構成部200は、撮像センサ(図示しない)を備えたPCBボード210と、複数の端子ピン220を有する端子ブロック215とを含む。エンドキャップ205はコネクタシュラウド225を含んでいてもよい。エンドキャップ205は対応のコネクタとの幾何学的なインタフェース、即ち、コネクタシュラウド225を有し、コネクタシュラウド225への外部コネクタ230の接続を許容する。
【0013】
また、限定されるものではないが、統一カメラ構成部200及びエンドキャップ205は複数ずつのスナップアーム202及び突起207をそれぞれ含み、これらスナップアーム202及び突起207は統一カメラ構成部200及びエンドキャップ205を一緒に結合し且つ締結する。
【0014】
交換可能な取付け/コネクタ構成部、即ち、エンドキャップ205への統一カメラ構成部200の張合わせは多数の課題を提示する。特に、関係する多数のパーツ及びインタフェースに起因して重要な公差が蓄積し、このような公差の蓄積は適切な位置決めに抵抗となるか、又は、適切な位置決めを妨げる。
【0015】
課題の一例において、組立て済みのカメラモジュール、即ち、交換可能な取付け/コネクタ構成部であるエンドキャップ205に張合わされた統一カメラ構成部200は外部の環境に対してシールされる必要がある。このことは次に、外部コネクタ230がシールされたコネクタであることを要求する。外部コネクタ230は、エンドキャップ205の一部であるコネクタシュラウド225に差し込んで位置決めされるので、コネクタシュラウド22に対するシールが必要となる。
【0016】
課題の他の例において、(複数の端子ピンを保持する)標準の端子ブロックは、PCBに張付けられ、次にレンズに対する位置決めがなされた後、レンズホルダに堅固に張付けられる。端子ピン220は対応する外部コネクタの端子ソケットに対して正確な位置決めを要求する。このことは大きな公差の蓄積を作り出し、この蓄積は対応の外部コネクタのソケットに対する端子ピンの位置決めに潜在的な抵抗となる。
【0017】
図3Aは標準のコネクタヘッダー300を示し、このコネクタヘッダー300はPCB305に直接半田付けされている。対応の幾何学的コネクタインタフェース(即ち、コネクタシュラウド)は標準のコネクタヘッダー300に合わせて設計されている。このコネクタヘッダー300は典型的な「常時入手可能な」構成要素である。PCB305に対する接続は堅固であり、不動である。
【0018】
図3Bに示されるように、このタイプの接続は、アクセスを目的としてPCBのハウジング315に切込まれた孔310を典型的に要求する。この孔310は水の浸入に対するシールを困難にする。この標準のコネクタヘッダー300は少なくとも位置決め性及びシール性にとって抵抗となる。
【0019】
図4Aは標準のコネクタ端子ブロック400を示し、このコネクタ端子ブロック400は典型的にはPCB405に直接半田付けされている。標準のコネクタ端子ブロック400はこれに合わせて設計された対応の幾何学的コネクタインタフェースを有しておらず、典型的な注文品である。PCBに対する接続は堅固であり、不動である。
【0020】
図4Bに示されるように、このタイプの接続は典型的には、対応の幾何学的コネクタインタフェース410(即ち、コネクタシュラウド)を有し、この幾何学的コネクタインタフェースはPCBハウジングに合わせて設計されている。このタイプの接続は水密シールが可能である。このコネクタ端子ブロックは少なくとも位置決めに抵抗となる。
【0021】
図5A〜
図5Cは位置決め方法及び可変位置付けシステムを示す複数の図である。特に、
図5AはPCB505に張付けられた端子ブロック500の正面図を示す。端子ブロック500は外部コネクタ(図示しない)との接続のための複数の端子ピン510と、複数の足部515とを含み、これら足部515はPCB505に対して最少の接触面を有する。
【0022】
図5Bは端子ブロック500の背面図を示し、端子ブロック500は多数の端子脚520を有する。これら端子脚520はPCB505に接続されている。端子脚520はPCB505に半田付けされるか又は他の同様な方法を経て半田付け可能である。端子脚520は例えば金属又は他の材料からなる。
図5Bに示されるように、端子脚520を囲む縮小サポートが存在し、この縮小サポートは以下に述べるように端子脚52の曲げを可能にする。
図5Cは端子ブロック500の背面図を示し、この端子ブロック500は以下に述べるように曲げ姿勢にある複数の端子脚520を備えている。
【0023】
図5A〜
図5Cに示されているように、端子ブロック500は幾つかの特徴を含み、これら特徴はPCBの表面508内の端子ブロック500の位置にて、端子ブロック500の「浮動」を許容する。即ち、端子ブロック500は位置決めを可能にするため、PCB505の面508に沿い摺動可能である。この「浮動」は端子ブロック500の端子ピン510と外部コネクタ(図示されていないが、
図2を参照)の端子ソケットとの間での公差の蓄積を補償する。
【0024】
端子ブロック500は縮小サポート及び曲げを許容する端子脚520の周囲に余分なスペースを備えて具体化されている。換言すれば、このことは、端子脚520がPCB505に半田付けされた後、端子ブロック500を僅かな量だけ移動可能にする(ここでの量は対応のコネクタの端子ソケットに対する端子ピン510の位置決めには十分である。なおと、端子ソケットはエンドキャップ(図示されていないが、
図2参照)のコネクタシュラウドに対して位置決めされる)。
【0025】
また、可撓性を有した端子脚520の長い形状は移動中、半田結合部に最少のストレスのみを加えるだけである。PCB505に対する端子ブロック本体500の最小の接触はその横移動にとって減少した面摩擦を提供する(即ち、足部515は最小サイズである)。
図6A〜
図6Cは端子ブロックの位置決めに対するエンドキャップを示す。特に、
図6Aはエンドキャップ600の内側底を示し、このエンドキャップ600は少なくとも複数の位置決めポケット605を含んでいる。
図6Bは端子ブロック本体610の底面(PCBを下方からPCBを透してみた底面)を示し、端子ブロック本体610は少なくとも複数の位置決めリブ615を含んでいる。
【0026】
図6Cは上述したように端子ブロック610に対して位置決めされたエンドキャップ600を示す。限定されるものではないが、エンドキャップ600は1つのOリング625を備え、このOリング625はその環境下にて径方向にシールする。
図6A〜
図6Cに示されるように、エンドキャップ600はコネクタシュラウド(図示されていないが、
図2参照)に対して端子ブロック610を位置決めする。
【0027】
位置決めリブ615はエンドキャップ位置決めポケット605内に端子ブロック600を案内する。位置決めリブ615はPCB(図示されていないが、
図5A〜
図5C参照)上にて端子ブロック本体610を
図5A〜
図5Cに関連した上述の特徴に依る僅かな量だけ移動させる。また、位置決めリブ615はエンドキャップ600内の端子ブロック610に加わる外部コネクタの差込みや取外しの力に対して確実な抵抗となる。
【0028】
上述の方法は、特定の機能をなす特定の要素に限定されないし、提示した方法の幾つかの工程は図示の順序にて実施される必要もない。例えば、幾つかの場合、2つ以上の方法の工程は異なる順序又は同時に実施可能である。付け加えて、上述の方法の幾つかの工程は(随意とは明確に記載していないが)随意的なものであり、よって省略可能である。上述の方法及びその変形は、特にカメラモジュールの記載からみて容易に明らかとなり、本発明の範囲内にあると考えられる。
特徴及び要素は特別な組合せにて記載されているが、各特徴又は要素は、他の特徴及び要素の種々の組合せの有無に拘わらず、他の特徴又は要素無しで単独でも使用可能である。