特許第6096900号(P6096900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096900
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】情報表示端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20130101AFI20170306BHJP
   G06F 3/0483 20130101ALI20170306BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20170306BHJP
【FI】
   G06F3/0485
   G06F3/0483
   G06F3/0488 130
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-522380(P2015-522380)
(86)(22)【出願日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】JP2013066542
(87)【国際公開番号】WO2014203301
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】益岡 信夫
(72)【発明者】
【氏名】平林 正幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基之
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−077231(JP,A)
【文献】 特開平03−189724(JP,A)
【文献】 特開平11−085452(JP,A)
【文献】 特開2001−282414(JP,A)
【文献】 特開2011−203774(JP,A)
【文献】 「見る」「印刷する」「作る」が自由自在 PDF丸ごと理解,日経PCビギナーズ,日経BP社,2009年 6月13日,第14巻, 第12号,pp.42-43
【文献】 日経BPソフトプレス,ひと目でわかる Microsoft Windows Vista & 2007 Office system トラブル解決術,日経BPソフトプレス,2008年 9月22日,第1版,pp.156-157
【文献】 Windowsユーザーのための PDF&Acrobat7.0入門,株式会社オーム社,2005年 4月25日,第1版,pp.20-23
【文献】 外間 かおり,Acrobat XI スーパーリファレンス for Windows & Macintosh,株式会社ソーテック社,2012年12月31日,第1版,p.162-165
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子書籍を表示可能な情報表示端末であって、
前記電子書籍のページ画像を表示する表示部と、
前記情報表示端末に対する操作指示を入力する操作部と、
前記電子書籍のページ画像の周辺余白領域を削除する周辺余白削除部と、
前記操作部に入力された操作指示に応じて、スクロール処理を実行する前に前記表示部に表示されていた前記電子書籍の第一のページ画像とは異なる第二のページ画像の一部を、前記スクロール処理を実行した後に前記表示部に表示するようにスクロール処理の制御をおこなうページ間スクロール処理部と、
を備え
前記周辺余白削除部は、
前記ページ間スクロール処理部におけるスクロール処理の制御に基づいて前記第一のページ画像と前記第二のページ画像とを前記表示部に同時に表示する場合に、ページを跨る行間の行間距離がページを跨ない行間の行間距離と略同等となるように周辺余白領域の削除を行う
ことを特徴とする情報表示端末。
【請求項2】
前記操作部は、
前記表示部に重ねて配置されたタッチパネルであって、
前記ページ間スクロール処理部は、前記タッチパネルに対するスワイプ操作によって前記スクロール処理の制御を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示端末。
【請求項3】
前記情報表示端末は、
前記表示部に表示された電子書籍の文章表示書式が縦書きと、横書きと、の何れであるかを確認する表示書式確認部
を備え、
前記ページ間スクロール処理部は、前記表示書式確認部の確認結果に応じて、スクロール方向を変える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報表示端末。
【請求項4】
複数のページで構成される電子コンテンツを表示可能な情報表示端末であって、
前記電子コンテンツのページ画像を表示する表示部と、
前記情報表示端末に対する操作指示を入力する操作部と、
前記電子コンテンツのページ画像の周辺余白領域を削除する周辺余白削除部と、
前記操作部に入力された操作指示に応じて、前記表示部に表示されているページ画像に対して、所定時間ごとに所定移動量をスクロール処理する自動スクロール処理部と、
を備え
前記周辺余白削除部は、
前記自動スクロール処理部におけるスクロール処理の制御に基づいて前記電子コンテンツの第一のページ画像と前記電子コンテンツの第一のページ画像とは異なる第二のページ画像とを前記表示部に同時に表示する場合に、ページを跨る行間の行間距離がページを跨ない行間の行間距離と略同等となるように周辺余白領域の削除を行う
ことを特徴とする情報表示端末。
【請求項5】
前記情報表示端末は、
前記表示部に表示された電子コンテンツの文章表示書式が縦書きと、横書きと、の何れであるかを確認する表示書式確認部を備え、
前記自動スクロール処理部は、
前記表示書式確認部の確認結果に応じて、スクロール方向を変える
ことを特徴とする請求項に記載の情報表示端末。
【請求項6】
前記情報表示端末は、
前記情報表示端末の使用者の顔画像を入力する画像入力部と、
前記画像入力部が入力した前記情報表示端末の使用者の顔画像を解析することにより前記使用者の視線の動きを検知する視線検知部と、
を備え、
前記自動スクロール処理部は、
前記視線検知部で検知した前記情報表示端末の使用者の視線の動きに応じて、前記スクロール処理を行う際の前記所定時間及び/または前記所定移動量を制御する
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の情報表示端末。
【請求項7】
前記自動スクロール処理部は、
前記視線検知部で検知した前記情報表示端末の使用者の視線の動きに応じて前記スクロール処理を行う際に、前記視線検知部で検知した前記情報表示端末の使用者の視線の上下動若しくは左右動の一往復分に要する時間と前記表示部に表示されている電子コンテンツにおける一行分の移動量のスクロールに要する時間とが略同等になるように、前記所定時間及び/または前記所定移動量を制御する
ことを特徴とする請求項に記載の情報表示端末。
【請求項8】
前記自動スクロール処理部は、
前記視線検知部で検知した前記情報表示端末の使用者の視線の動きに応じて前記自動スクロール処理を実行中に、前記視線検知部が、前記情報表示端末の使用者の視線が前記表示部上から外れたと判断した場合には、前記自動スクロール処理を停止する
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の情報表示端末。
【請求項9】
前記自動スクロール処理部は、
前記視線検知部における検知結果に応じて、前記情報表示端末の使用者が注視していると推測される部分の文字を強調表示する
ことを特徴とする請求項乃至請求項の何れか一項に記載の情報表示端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子書籍等の電子コンテンツ類の表示が可能な情報表示端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所謂電子書籍の流通が増加傾向であり、伴い電子書籍を表示可能な専用/汎用の情報表示端末が多数市販されるようになった。前記情報表示端末で電子書籍を表示する際には、予め定められたページ単位での文章表示を行い、印刷された書籍におけるページを捲る所作の代替として、所定の操作キーやタッチパネルへの操作指示によりページ送り/戻しを行う機能を用いることが一般的である。更には、前記ページ送りを自動的に行い、ページ送りが行われるタイミングを報知する、下記特許文献1に示すような技術も提案されている。
【0003】
下記特許文献1の技術は、『標準ページ送り時間を取得する標準ページ送り時間取得手段と、時間をカウントするカウンタと、ページ送りのタイミングを遅らせるための入力を行う入力手段と、ページ送りの制御を行うページ送り手段と、を備え、前記ページ送り手段は、前記標準ページ送り時間取得手段の出力と、前記カウンタの出力と、前記入力手段の出力に応じてページ送りのタイミングを制御する』ものであり、更に、『標準ページ送り時間を取得する標準ページ送り時間取得手段と、時間をカウントするカウンタと、ページ送りの制御を行うページ送り手段と、前記ページ送り手段でページ送りが開始されるまでの時間の進捗状況を報知する進捗状況報知手段と、を備える』ものである。前記技術を適用することにより、『自動ページ送り機能やスライドショー機能を搭載した電子書籍表示装置において、進捗状況が表示されるのでページ送りのタイミングが分かりやすくなり、操作部の出力に応答してページ送りのタイミングを容易に延長することができる』と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−20674公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように電子書籍をページ単位で表示する情報表示端末においては、印刷された書籍と同様の表示レイアウトを視認可能であり、各ページを手で捲って読み進めていく雰囲気を享受可能である、等の利点がある。一方、前記情報表示端末では、ページの変わり目付近において、注視する文章の前後を一括して視認することが難しい、等の課題も存在する。なお、前記課題は、前記特許文献1に記載の技術によっても解決され得ない。
【0006】
本発明の目的は、前記利点及び課題を考慮し、電子書籍を含む電子コンテンツ類の、より好適な表示を実現する情報表示端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲に記載の技術を用いる。
【0008】
一例を挙げるならば、電子書籍を表示可能な情報表示端末であって、前記電子書籍のページ画像を表示する表示部と、前記情報端末に対する操作指示を入力する操作部と、前記操作部に入力された操作指示に応じて、スクロール処理を実行する前に前記表示部に表示されていた前記電子書籍のページ画像とは異なるページのページ画像の一部を、前記スクロール処理を実行した後に前記表示部に表示するようにスクロール処理の制御をおこなうページ間スクロール処理部と、を備えることを特徴とする情報表示端末である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術を用いることにより、電子書籍を含む電子コンテンツ類の、より好適な表示を実現する情報表示端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1(A)】実施例に係る情報表示端末のブロック図である。
図1(B)】実施例に係る情報表示端末のソフトウェア構成図である。
図2】実施例に係る情報表示端末を含む通信システムの構成図である。
図3】実施例に係る情報表示端末の外観図である。
図4(A)】実施例に係る情報表示端末の動作を説明するフローチャートである。
図4(B)】実施例に係る情報表示端末の動作を説明するフローチャートである。
図4(C)】実施例に係る情報表示端末の動作を説明するフローチャートである。
図5】実施例に係る表示書式確認処理を説明する概念図である。
図6】実施例に係るスワイプ操作によるページ間スクロール処理を説明する概念図である。
図7】実施例に係る余白削除処理を説明する概念図である。
図8】実施例に係る余白削除処理の効果を説明する画面表示図である。
図9】実施例に係る自動スクロール処理のスクロール方向を説明する概念図である。
図10】実施例に係る自動スクロール処理の際の移動量を説明する概念図である。
図11】実施例に係る使用者の視線の動きに応じた自動スクロール処理を説明する概念図である。
図12】実施例に係る書籍を読む際の読者の視線の動きを説明する概念図である。
図13】実施例に係る読者の視線の動きに応じた自動スクロール処理の際の読者の視線の動きを説明する概念図である。
図14】実施例に係る注視位置の強調表示を説明する画面表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1(A)は、本実施例の情報表示端末のブロック図である。情報表示端末100は、主制御部101、システムバス102、ROM103、RAM104、ストレージ部110、画像処理部120、音声処理部125、操作部130、電子書籍表示部140、視線検知部145、スクロール制御部150、通信処理部160、センサ部170、拡張インタフェース部180、で構成される。
【0013】
図1(B)は、本実施例の情報表示端末100のソフトウェア構成図であり、ROM103、RAM104、及びストレージ部110におけるソフトウェア構成を示す。詳細は後述する。
【0014】
図2は、本実施例の情報表示端末100を含む通信システムの構成図である。前記通信システムは、情報表示端末100と、インターネット等の広域公衆ネットワーク201及びその無線通信用アクセスポイント202、移動体電話通信網の基地局203、アプリケーションサーバ211、電子書籍データサーバ212、移動体電話通信サーバ213、で構成される。
【0015】
情報表示端末100は、電子書籍リーダの他、携帯電話やスマートホン、タブレット端末等であっても良い。また、PDA(Personal Digital Assistants)やノート型PC(Personal Computer)であっても良い。通信機能及び電子書籍表示機能を備えたテレビ装置や携帯型ゲーム機等、またはその他の携帯用デジタル機器であっても良い。
【0016】
主制御部101は、所定のプログラムに従って情報表示端末100全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス102は主制御部101と情報表示端末100内の各部との間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。
【0017】
ROM(Read Only Memory)103は、オペレーティングシステムや所定のアプリケーションソフトウェアなど、情報表示端末100の基本動作プログラムやその他のプログラムが格納されたメモリであり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられる。ROM103に格納されたプログラムを更新することにより、基本動作プログラムのバージョンアップや機能拡張が可能であるものとする。なお、ROM103は、図1に示したような独立構成とはせず、ストレージ部110内の一部記憶領域を使用しても良い。RAM(Random Access Memory)104は基本動作プログラムやその他のプログラム実行時のワークエリアとなる。具体的には、例えばROM103に格納された基本動作プログラム103aはRAM104に展開され、更に主制御部101が前記展開された基本動作プログラムを実行することにより、基本動作実行部104aを構成する。また、RAM104は、各種プログラム実行時に、必要に応じてデータを一時的に保持する一時記憶部を備える。ROM103及びRAM104は主制御部101と一体構成であっても良い。
【0018】
ストレージ部110は、情報表示端末100の各動作設定値や情報表示端末100の使用者の情報等を記憶する。また、情報表示端末100は、アプリケーションサーバ211から、インターネット201及び無線通信用アクセスポイント202若しくは移動体電話通信網の基地局203を介して、新規アプリケーションソフトウェアをダウンロードすることにより、機能拡張が可能であるものとする。この際、ダウンロードした前記新規アプリケーションソフトウェアは、ストレージ部110に記憶される。ストレージ部110に記憶された前記新規アプリケーションソフトウェアがRAM104上に展開されて実行されることにより、情報表示端末100は多種の新規機能を実現可能であるものとする。更に、ストレージ部110は、電子書籍データサーバ212からダウンロードした電子書籍類のデータの記憶も可能であるものとする。
【0019】
ストレージ部110の一部領域を以ってROM103の機能の全部または一部を代替しても良い。また、ストレージ部110は、情報表示端末100に電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。したがって、例えばフラッシュROMやSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)等のデバイスが用いられる。
【0020】
画像処理部120は、表示部121、画像信号処理部122、画像入力部123、で構成される。表示部121は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであり、画像信号処理部122で処理した画像信号を情報表示端末100の使用者に提供する。画像信号処理部122は図示を省略したビデオRAMを備え、前記ビデオRAMに入力された画像データに基づき表示部121を駆動する。また、画像信号処理部122は、必要に応じてフォーマット変換、メニューやその他のOSD(On Screen Display)信号の重畳処理等を行う機能を有するものとする。画像入力部123は、レンズから入力した光を電気信号に変換することにより周囲や対象物の画像データを入力するカメラである。
【0021】
音声処理部125は、音声出力部126、音声信号処理部127、音声入力部128、で構成される。音声出力部126はスピーカであり、音声信号処理部127で処理した音声信号を情報表示端末100の使用者に提供する。音声入力部128はマイクであり、使用者の声などを音声データに変換して入力する。
【0022】
操作部130は、情報表示端末100に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、本実施例では、表示部121に重ねて配置したタッチパネル130t及びボタンスイッチを並べた操作キー130kで構成されるものとする。何れか一方のみであっても良い。後述の拡張インタフェース部180に接続したキーボード等を用いて情報表示端末100の操作を行っても良い。また、前記タッチパネル機能は表示部121が備え持っているものであっても良い。
【0023】
図3に本実施例の情報表示端末100の外観図を示す。なお、本実施例の情報表示端末100は専ら電子書籍類の表示に用いられる電子書籍リーダであるものとし、操作キー130kとして、電源キー130k1及びスクロールキー130k2、加速キー130k3、減速キー130k4、ページ送りキー130k5、ページ戻しキー130k6、を備えるものとする。
【0024】
電源キー130k1は、長押しすることにより情報表示端末100の主電源のオン/オフを、短押しすることにより情報表示端末100のスリープモードの設定/解除を制御する。スクロールキー130k2は、長押しすることによりメインメニューの表示を行い、短押しすることにより表示部121に表示されている画像の自動スクロール処理の開始/停止を制御する。加速キー130k3及び減速キー130k4は、自動スクロール処理実行中に押下することによりスクロール速度の調整を行う。ページ送りキー130k5及びページ戻しキー130k6は、自動スクロール処理停止中に押下することにより、表示部121に表示されている電子書籍類の画像のページ単位の制御を行う。
【0025】
なお、前記『長押し』とは、本実施例においては、目的の操作キーを押下して保持し、所定期間以上経過後に前記操作キーを解放する所作を示す。一方、前記『短押し』とは、目的の操作キーを押下した後すぐに前記操作キーを解放する所作を示す。また、『長押し』と『短押し』を区別しない場合には『押下』と記載する。
【0026】
また、前記各操作キー130k2〜130k6の機能をタッチパネル130tの所定の領域へのタップ操作で実現しても良い。例えば、電子書籍類の表示中、図3のタッチ領域130t1へのタップ操作によりメインメニューの表示を行う。タッチ領域130t2へのタップ操作により表示部121に表示されている画像の自動スクロール処理の開始/停止を制御する。自動スクロール処理実行中にタッチ領域130t3若しくはタッチ領域130t4へタップ操作を行うことにより、スクロール速度の調整を行う。自動スクロール処理停止中にタッチ領域130t5若しくはタッチ領域130t6へタップ操作を行うことにより、表示部121に表示されている電子書籍類の画像のページ単位の制御を行う。
【0027】
なお、情報表示端末100がスマートホンやタブレット端末等の汎用機器である場合、前記各操作キー130k2〜130k6を備えず、電子書籍類表示中の操作をタッチパネル130tへのタッチ操作のみで行うようにしても良い。また、電子書籍類の表示を行っていない場合には、操作部130の各操作キー及びタッチ領域に異なる機能が割り当てられても良い。
【0028】
図1に示したブロック図において、電子書籍表示部140は、情報表示端末100で電子書籍等の電子コンテンツ類の表示を行う際に、他の構成と連携して前記電子コンテンツ類の表示制御を行う。なお、電子書籍表示部140による制御に代替して、ROM103若しくはストレージ部110に格納された電子書籍表示プログラム103b若しくは110bをRAM104に展開し、前記展開された電子書籍表示プログラムを主制御部101が実行することにより構成された電子書籍表示実行部104bが制御を行っても良い。
【0029】
視線検知部145は、画像入力部123が入力した情報表示端末100の使用者の顔画像を解析することにより、前記使用者の視線の動きを検知する。なお、前記視線の動きを検知する方法は公知の技術を用いれば良く、本実施例では詳細な説明を省略する。また、視線検知部145による制御に代替して、ROM103若しくはストレージ部110に格納された視線検知プログラム103c若しくは110cをRAM104に展開し、前記展開された視線検知プログラムを主制御部101が実行することにより構成された視線検知実行部104cが制御を行っても良い。
【0030】
スクロール制御部150は、操作部130に入力された操作指示若しくは視線検知部145が検知した情報表示端末100の使用者の視線の動き等に応じて、表示部121に表示される電子書籍類の画像の、特にスクロール処理時の動作の制御を行う。なお、スクロール制御部150による制御に代替して、ROM103若しくはストレージ部110に格納されたスクロール制御プログラム103d若しくは110dをRAM104に展開し、前記展開されたスクロール制御プログラムを主制御部101が実行することにより構成されたスクロール制御実行部104dが制御を行っても良い。なお、後述の図6で説明するページ間スクロール処理に関しては、スクロール制御実行部104dが内包するページ間スクロール処理部、若しくは、スクロール制御部150が内包するページ間スクロール制御部(図示省略)が、特に制御を行うものとする。
【0031】
通信処理部160は、LAN通信部161、移動体電話網通信部162、近接無線通信部163、で構成される。LAN通信部161はインターネット201の無線通信用アクセスポイント202と無線通信により接続してデータの送受を行う。移動体電話網通信部162は移動体電話通信網の基地局203との無線通信により、電話通信(通話)及びデータの送受信を行う。近接無線通信部163は対応するリーダ/ライタとの近接時に無線通信を行う。LAN通信部161、移動体電話網通信部162、近接無線通信部163は、それぞれ符号回路や復号回路、アンテナ等を備えるものとする。
【0032】
センサ部170は、情報表示端末100の状態を検出するためのセンサ群であり、本実施例では、GPS(Global Positioning System)受信部171、加速度センサ172、ジャイロセンサ173、地磁気センサ174、照度センサ175、近接センサ176、で構成される。これらのセンサ群により、情報表示端末100の位置、動き、傾き、方角、及び周囲の明るさ、周囲物の近接状況、等を検出することが可能となる。その他のセンサを更に備えていても良い。
【0033】
拡張インタフェース部180は、情報表示端末100の機能を拡張するためのインタフェース群であり、本実施例では、映像/音声インタフェース、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、メモリインタフェース等で構成されるものとする。映像/音声インタフェースは、外部映像/音声出力機器からの映像信号/音声信号の入力、外部映像/音声入力機器への映像信号/音声信号の出力を行う。USBインタフェースはキーボードやその他のUSB機器の接続等を行う。メモリインタフェースはメモリカードを接続してデータの送受信を行う。
【0034】
なお、図1に示した情報表示端末100の構成例は、音声処理部125やセンサ部170等、本実施例に必須ではない構成も多数含んでいるが、これらが備えられていない構成であっても本実施例の効果を損なうことはない。また、デジタルテレビ放送受信機能や電子マネー決済機能等、図示していない構成が更に加えられていても良い。
【0035】
以下では、本実施例の情報表示端末100における電子書籍類の表示の際の動作に関して、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
情報表示端末100を用いて電子書籍類の閲覧を行う場合、情報表示端末100の使用者は、電源キー130k1を押下することにより、情報表示端末100を起動させる。本実施例においては、電源キー130k1は、長押しにより主電源のオン/オフを、短押しによりスリープモードの設定/解除を行う機能を有している。このため、主制御部101(若しくは、基本動作実行部104a、以下、同様)は、先ず、前記電源キー130k1の押下処理が、長押しによるものか或いは短押しによるものかの確認を行う(S101)。
【0037】
S101において、前記電源キー130k1の押下処理が長押しによるものである事が確認された場合、主制御部101は情報表示端末100全体の設定の初期化を行う(S102)。次に、電子書籍表示部140(若しくは、電子書籍表示実行部104b、以下、同様)が電子書籍選択メニューを表示部121に表示するように画像信号処理部122を制御する(S103)。
【0038】
前記電子書籍選択メニューは情報表示端末100で表示する電子書籍類の選択を行うためのメニュー表示である。情報表示端末100の使用者は、前記電子書籍選択メニューを用いて、ストレージ部110に記憶されている電子書籍類及び/または電子書籍データサーバ212に記憶されている電子書籍類の一覧から所望の電子書籍類を選択することが可能となる。
【0039】
情報表示端末100の使用者が、前記電子書籍選択メニューを用いて所望の電子書籍類を選択すると、次に、スクロール制御部150(若しくは、スクロール制御実行部104d、以下、同様)が、前記選択された電子書籍類のデータを参照し、前記電子書籍類の表示書式確認処理を行う(S104)。更に、電子書籍表示部140が、画像信号処理部122を制御することにより、前記選択された電子書籍類の先頭ページのページ画像を表示部121に表示させる(S105)。
【0040】
一方、S101において、前記電源キー130k1の押下処理が短押しによるものである事が確認された場合、主制御部101は情報表示端末100のスリープモードの解除を行う。更に、電子書籍表示部140が、ストレージ部110等に退避させておいた前回動作時の設定(選択中の電子書籍類の名称、表示中のページ、等)の呼び戻しも行う(S106)。前記前回動作時の設定がRAM104上の一時記憶部にそのまま残っている場合には、S106の処理は省略しても良い。更に、電子書籍表示部140が、画像信号処理部122を制御することにより、前記呼び戻した設定に記憶されていた電子書籍類の所定のページ(前回動作時に選択されていたページ)のページ画像を表示部121に表示させる(S107)。
【0041】
S104で行う表示書式確認処理は、電子書籍類のページレイアウトにおける文章表示書式が縦書きと横書きの何れであるかを確認する処理である。本実施例の情報表示端末100においては、図5に例を示すように、まず、電子書籍類のページ単位の画像データを読み込み、次に、前記読み込んだ画像データから文字領域を検出し、更に、前記検出した文字領域が縦格子状であるか或いは横格子状であるかを確認することにより、前記電子書籍類の文章表示書式が縦書きか横書きかを判別する。文字領域を検出する替わりに、行間を含む余白領域を検出し、前記検出した余白領域が縦格子状であるか或いは横格子状であるかを確認するようにしても良い。
【0042】
なお、表紙や挿絵のみがレイアウトされたページ等、一部のページにおいては、前記表示書式確認処理を正しく行うことができない可能性がある。このため、前記表示書式確認処理を行う際には、先頭ページと最終ページを除く複数のページの画像データを読み込み、前記読み込んだ複数の画像データに対して前記表示書式確認処理を行うようにすると良い。例えば、総ページ数100ページの電子書籍類の場合、10ページ目、30ページ目、50ページ目、70ページ目、90ページ目の各画像データに対して前記表示書式確認処理を行う。縦書きか横書きかの判別結果が各ページで異なる場合には多数決を取れば良い。
【0043】
また、例えば、情報表示端末100が縦書きの文章表示書式を行わない言語の電子書籍類のみを表示するように設定されている場合等では、S104の表示書式確認処理を行わなくとも良い。
【0044】
図4に示したフローチャートにおいて、S105若しくはS107の処理で電子書籍類の所定のページのページ画像を表示した状態で、電子書籍表示部140は操作部130への操作指示の入力を待ち受ける。以下、前記状態を『操作待ち受け状態』と称する。前記操作待ち受け状態においては、電子書籍表示部140は、主として、スクロールキー130k2への押下の有無の確認(S111)、及びページ送りキー130k5とページ戻しキー130k6への押下の有無の確認(S121)を行う。操作部130の他の構成(タッチパネル130t等)への操作指示の入力の確認も行って良いが、ここでは説明を省略する。
【0045】
S111において、スクロールキー130k2への長押しが確認された場合、電子書籍表示部140はメインメニューを表示部121に表示するように画像信号処理部122を制御する(S112)。更に、電子書籍表示部140は、前記メインメニュー表示において何れの項目が選択されるかを確認する(S113)。前記メインメニュー表示において『電子書籍選択メニュー』項目が選択された場合、電子書籍表示部140は前記メインメニュー表示を消去して、(S103に遷移して)電子書籍選択メニューを表示する。また、前記メインメニュー表示において『戻る』項目が選択された場合、電子書籍表示部140は前記メインメニュー表示を消去して、操作待ち受け状態に移行する。なお、前記メインメニュー表示において、その他の項目が選択された場合には、選択された項目の機能を実施した後に、前記メインメニュー表示若しくは操作待ち受け状態に移行するようにする。
【0046】
S111においてスクロールキー130k2への押下が確認されず、S121においてページ送りキー130k5若しくはページ戻しキー130k6への押下が確認された場合、電子書籍表示部140は、前記操作待ち受け状態で表示中の電子書籍類のページ画像の次のページのページ画像を表示する処理(S122:ページ送りキー130k5が押下された場合)若しくは前記電子書籍類のページ画像の前のページのページ画像を表示する処理(S123:ページ戻しキー130k6が押下された場合)を行った後に、操作待ち受け状態に移行する。
【0047】
また、本実施例の情報表示端末100では、前記操作待ち受け状態において、スワイプ(ドラッグ)操作の際の指の移動量に応じて、ページ間スクロール処理若しくはページ内スクロール処理が可能であるものとする。前記ページ間スクロール処理は、本実施例においては、S104の処理で行った表示書式確認処理の結果に応じて、スクロール方向を変える。表示部121に表示中の電子書籍類の文章表示書式が縦書きであると判定された場合には、横方向のページ間スクロール処理のみを許容する。一方、S104において、前記電子書籍類の文章表示書式が横書きであると判定された場合には、縦方向のページ間スクロール処理のみを許容する。
【0048】
なお、前記ページ間スクロール処理とは、図6に示すように、表示部121に表示中の電子書籍類のページ画像をスクロールさせる場合に、スクロール処理を実行する前に表示されていたページ画像のページ(ページN)とは異なるページ(ページN+1、等)のページ画像(の少なくとも一部)が、スクロール処理を実行した後に表示部121に表示されるようにスクロールさせる処理を示す。一方、スクロール処理を実行する前に表示されていたページ画像と同一のページのページ画像のみが、スクロール処理を実行した後でも表示部121に表示されるようにスクロールさせる前記ページ内スクロール処理は、S104の処理結果に拠らず、常に全方向に対して許容されていても良い。
【0049】
前記ページ間スクロール処理により、本実施例の情報表示端末100においては、スワイプ操作で表示部121に表示中の電子書籍類のページ画像のスクロールを行った際、連続する複数のページのページ画像を表示部121に同時に表示することが可能となる。即ち、異なるページに記載された文章を、連続的に且つ同時に表示することが可能となるため、本実施例の情報表示端末100を用いれば、ページの変わり目付近の文章であっても、その文章の前後を一括して視認することが可能となる。
【0050】
また、本実施例の情報表示端末100では、電子書籍類の各ページのページ画像を表示部121に表示させる際に、図7に示すように、余白削除処理を行う。
【0051】
前記余白削除処理は、電子書籍類のページレイアウトで存在するページ周辺部の余白を削除する処理である。具体的には、まず、電子書籍表示部140が電子書籍類のページ単位の画像データを読み込み、次に、前記読み込んだ画像データから文字領域以外の余白領域を検出し、更に、前記検出した余白領域のうち、行間に位置する余白を除く周辺余白領域のみ削除を行う。なお、前記余白領域の検出処理は、S104の表示書式確認処理と同時に行っても良い。
【0052】
電子書籍類の各ページのページ画像を表示部121に表示させる際に前記余白削除処理を行うことにより、前述のページ間スクロール処理で連続する複数のページのページ画像を表示部121に同時に表示する際に、図8に電子書籍類の文章表示書式が縦書きである場合の例を示すように、ページの境目で行間に大きな隙間を生じさせることを防ぐことが可能となる。このため、情報表示端末100の使用者は、ページの境目を意識することなく、電子書籍類を読み進めることができるようになる。更に、前記余白削除処理で周辺余白領域の削除を行う際に、ページ境目の行間の行間距離(隙間)がページ内における行間の行間距離と略同等の間隔となるようにすると、より好ましい表示状態となる。
【0053】
また、S104の処理結果に応じて、表示部121に表示中の電子書籍類の文章表示書式が縦書きであると判定された場合には、前記周辺余白領域のうち左辺及び右辺に位置する周辺余白領域のみを削除するようにしても良い。同様に、表示部121に表示中の電子書籍類の文章表示書式が横書きであると判定された場合には、前記周辺余白領域のうち上辺及び下辺に位置する周辺余白領域のみを削除するようにしても良い。
【0054】
なお、挿絵のみでレイアウトされたページ等、一部のページにおいては、前記余白削除処理における周辺余白領域の検出を正しく行うことができない可能性があるが、このような場合には、前後のページで検出した周辺余白領域の情報をそのまま用いるようにすれば良い。
【0055】
図4に示したフローチャートにおいて、S111の処理で、スクロールキー130k2への短押しが確認された場合、スクロール制御部150が、先ず、自動スクロール処理実行時の速度に関する情報を初期化する(S131)。続いて、電子書籍表示部140が、スクロール制御部150の指示に基づいて画像表示処理部122を制御することにより、自動スクロール処理を開始する(S132)。また、前記自動スクロール処理実行中、電子書籍表示部140は、スクロールキー130k2への押下の有無の確認(S133)、及び加速キー130k3と減速キー130k6への押下の有無の確認(S134)を行う。操作部130の他の構成(タッチパネル130t等)への操作指示の入力の確認も行って良いが、ここでは説明を省略する。
【0056】
S133において、スクロールキー130k2への押下が確認された場合、電子書籍表示部140はスクロール制御部150の指示に基づいて画像表示処理部122を制御することにより、自動スクロール処理を停止し(S135)、操作待ち受け状態に戻る。S133においてスクロールキー130k2への押下が確認されず、S134において加速キー130k3或いは減速キー130k4への押下が確認された場合、スクロール制御部150は、自動スクロール処理実行時の速度に関する情報を更新する。具体的には、S134において、加速キー130k3への押下が確認された場合には、自動スクロール実行時の速度を加速し(S136)、減速キー130k4への押下が確認された場合には、自動スクロール実行時の速度を減速する(S137)。
【0057】
本実施例における前記自動スクロール処理では、情報表示端末100の使用者によるスワイプ操作等に拠らずに、継続的にページ間スクロール処理を行う。また、図9に示すように、S104で行った表示書式確認処理の結果に応じて、表示部121に表示中の電子書籍類の文章表示書式が縦書きであると判定された場合には、表示部121内を文章等の画像情報が左から右に移動するようにスクロールを行う。一方、S104において、前記電子書籍類の文章表示書式が横書きであると判定された場合には、表示部121内を文章等の画像情報が下から上に移動するようにスクロールを行う。
【0058】
また、前記自動スクロール処理は、詳細には、画像信号処理部122を制御することにより、表示部121上に表示されている画像を、所定時間毎に所定移動量ずつ移動させて表示させる処理を継続的に繰り返すことにより為されるものである。この場合の前記所定移動量は、図10に示すように、表示部121を構成する液晶パネル等の表示デバイスの画素間距離と同等若しくはその整数倍、或いは表示されている電子書籍類の文章の行間距離と同等若しくはその整数倍か整数分の一、とすることが望ましい。
【0059】
また、前記所定時間は、加速キー130k3及び減速キー130k4の押下が確認されない場合には常に一定の値とし、加速キー130k3の押下が確認された場合には前記値を小さくなるように変更し、減速キー130k4の押下が確認された場合には前記値を大きくなるように変更する。或いは、加速キー130k3及び減速キー130k4の押下が確認されない場合であっても、表示部121に表示されている範囲内における電子書籍類の文字の量に応じて、前記値を変化させるように制御しても良い。
【0060】
また、前記単位時間は常に一定とし、加速キー130k3の押下が確認された場合には前記単位時間毎の移動量を増加させ、減速キー130k4の押下が確認された場合には前記単位時間毎の移動量を減少させるようにしても良い。
【0061】
また、本実施例の情報表示端末100においては、図4(A)及び図4(B)に示したフローチャートの処理に拠らず、常に電源キー130k1の監視を行い、電源キー130k1の押下が確認された場合には割込み要求を発生するものとする。前記割込み要求が発生した場合、主制御部101は実行中の処理を中止して、前記割込み要求を発生させた電源キー130k1の押下処理が長押しによるものか或いは短押しによるものかの確認を行う(S141)。S141において、前記電源キー130k1の押下処理が長押しによるものである事が確認された場合、主制御部101は情報表示端末100の終了処理を行い、更に情報表示端末100の主電源をオフさせる(S142)。一方、S141において、前記電源キー130k1の押下処理が短押しによるものである事が確認された場合、RAM104上に記憶されている設定のストレージ部110への退避処理等を行った後に、情報表示端末100をスリープモードに遷移させる(S143)。
【0062】
以上説明したように、図4のフローチャートに示した一連の処理を行うことにより、本実施例の情報表示端末100は、スワイプ等の操作により表示部121に表示中の電子書籍類のページ画像のスクロールを行うことが可能である。また、スワイプ等の操作で表示部121に表示中の電子書籍類のページ画像のスクロールを行った際に、異なるページに記載された文章を、連続的に且つ同時に表示することが可能となるため、ページの変わり目付近の文章であっても、その文章の前後を一括して視認することが可能となる。更には、自動スクロール処理により、スワイプ等の操作を行うことなく、表示部121に表示中の電子書籍類を継続的に読み進めることが可能となる。即ち、本実施例の情報表示端末100は、使用者に対してより好適な電子書籍類の表示を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0063】
以下では、本発明の実施例2に関して説明する。なお、本実施例における構成及び効果等は特に断りのない限り実施例1と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例1との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。
【0064】
前述の実施例1は、スクロール制御部150の指示に基づく自動スクロール処理実行時のスクロール速度の制御を、操作部130に入力された操作指示に応じて行う。即ち、実施例1の情報表示端末100は、図1に示したブロック図の視線検知部145が無い構成であっても良い。一方、本実施例の情報表示端末100は、スクロール制御部150の指示に基づく自動スクロール処理実行時のスクロール速度の制御を、図11に示すように、視線検知部145(若しくは、視線検知実行部104c、以下、同様)で検知した情報表示端末100の使用者の視線の動きに応じて行うものである。なお、前記自動スクロール処理実行時のスクロール速度の制御は、前記所定時間及び/または前記所定移動量の制御により可能となることは言うまでもない。
【0065】
一般的に、文章表示書式が縦書きの書籍類を読む場合、読者の視線は各ページ内を図12に矢印で示すように移動する。この際、前記読者の視線は上下動を繰り返しながら左右に振られる。即ち、前記読者は、前記書籍類の文章を一行分読み進めるために、視線の上下動を一往復分行うことになる。因みに、文章表示書式が横書きの書籍類の場合、前記読者は、前記書籍類の文章を一行分読み進めるために視線の左右動を一往復分行う。
【0066】
本実施例の情報表示端末100では、視線検知部145が、画像入力部123で入力した情報表示端末100の使用者の顔画像を解析することにより、前記使用者の視線の動き、特に、視線の上下動(文章表示書式が縦書きの電子書籍類の場合、以下、同様)の認識を行う。更に、スクロール制御部150が、視線検知部145が認識した前記使用者の視線の上下動の一往復分に要する時間と、表示部121に表示されている電子書籍類の文章の一行分の行間距離のスクロールに要する時間とが、所定期間内の平均値で略同等となるように、自動スクロール処理の際のスクロール速度の制御を行うようにする。
【0067】
前記制御を行うことにより、情報表示端末100の使用者が表示部121に表示されている電子書籍類を読み進める速さと、自動スクロール処理により表示部121に表示されている電子書籍類のページ画像が自動的にスクロールする際の移動速度とが略一致するようになる。したがって、本実施例の情報表示端末100の使用者は、操作部130に対してスクロール速度変更を目的とした操作指示の入力等を行うことなしに、表示部121に表示されている電子書籍類を継続して読み進めることが可能となる。
【0068】
なお、前述の制御を行うと、情報表示端末100の使用者は、視線を表示部121上の略同一位置で上下に往復させるだけで、視線を左右方向に大きく振ることなく、表示部121に表示されている電子書籍類を継続して読み進めることができる。更に、図13に示すように、情報表示端末100の使用者の視線の動きが表示部121上の略中央部付近で維持されるように、自動スクロール処理の際のスクロール速度の制御を行うと、常に、注視する文章の前後が表示部121に表示されるようになり、より一層好ましい表示状態とすることができる。
【0069】
また、視線検知部145における視線検知処理により、情報表示端末100の使用者の視線が、表示部121上から外れたと判断された場合や停止した場合等の例外的な動きをした場合には、前記自動スクロール処理を一時的に停止するように制御を行っても良い。なお、この場合、情報表示端末100の使用者の視線が表示部121上に戻った場合には、前記自動スクロール処理を再開するようにしても良い。
【0070】
更には、図14に示すように、情報表示端末100の使用者が注視していると推測される部分、若しくは情報表示端末100の使用者が注視すべき部分を、強調表示するようにしても良い。前記強調表示の方法としては、行単位若しくは語句単位等でのハイライト表示や拡大表示、太字表示等を行えば良い。このようにすれば、情報表示端末100の使用者が表示部121上から視線を一旦はずした後で表示部121上に視線を戻す場合に、情報表示端末100の使用者が視線を外す直前に表示部121に表示されている電子書籍類のどの部分を注視していたかを、すぐに判別することができるようになる。
【0071】
以上説明したように、本実施例の情報表示端末100では、情報表示端末100の使用者の顔画像の解析に基づく視線検知処理により、情報表示端末100の使用者が電子書籍類を読み進める速さと自動スクロール処理の際の電子書籍類のページ画像のスクロール速度を、略一致させることが可能となる。即ち、本実施例の情報表示端末100においても、使用者に対してより好適な電子書籍類の表示を提供することが可能となる。
【0072】
なお、本実施例では、主として、情報表示端末100で表示する電子書籍類として、文章表示書式が縦書きの電子書籍類を表示する場合の例に関して記述したが、文章表示書式が横書きの電子書籍類を表示する場合も、前述の説明と同様の効果が得られることは言うまでもない。また、電子書籍に限らずとも、文字を主として構成される電子コンテンツ類を情報表示端末100に表示する際には、やはり、前述の説明と同様の効果を享受可能である。
【0073】
また、本実施例の構成の情報表示端末100において、スクロール制御部150の指示に基づく自動スクロール処理実行時のスクロール速度の制御を、視線検知部145で検知した情報表示端末100の使用者の視線の動きと操作部130に入力された操作指示の双方に応じて行うようにしても良い。
【0074】
以上、本発明の実施形態の例を、実施例1及び実施例2を用いて説明したが、言うまでもなく、本発明の技術を実現する構成は前記実施例に限られるものではない。例えば、一方の実施例の構成と他方の実施例の構成とを組み合わせても良い。これらは全て本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
【0075】
また、前述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエア(電子書籍表示部140、視線検知部145、スクロール制御部150、等)で実現しても良い。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現するプログラム(電子書籍表示プログラム103b/110b、視線検知プログラム103c/110c、スクロール制御プログラム103d/110d、等)を解釈して実行することによりソフトウェアで実現しても良い。なお、前記プログラムは、予め情報表示端末100のROM103若しくはストレージ部110等に格納された状態であっても良いが、インターネット201上のアプリケーションサーバ211等からLAN通信部161若しくは移動体電話網通信部162を介して取得してストレージ部110に格納するものであっても良い。また、メモリカード等に格納された前記プログラムを、拡張インタフェース部180を介して取得しても良い。また、本発明の機能等を実現するプログラムは、図1(B)に示したように、複数のプログラム(103b〜103d若しくは110b〜110d)の組み合わせにより構成されていても良いし、前記複数のプログラムをパッケージ化した単一構成であっても良い。なお、本発明の機能等をソフトウェアで実現する場合、前記プログラムはROM103とストレージ部110の何れか一方に格納されていれば良い。
【0076】
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。
【符号の説明】
【0077】
100:情報表示端末、101:主制御部、102:システムバス、103:ROM、104:RAM、110:ストレージ部、120:画像処理部、121:表示部、122:画像信号処理部、123:画像入力部、125:音声処理部、126:音声出力部、127:音声信号処理部、128:音声入力部、130:操作部、130t:タッチパネル、130k1:電源キー、130k2:スクロールキー、130k3:加速キー、130k4:減速キー、130k5:ページ送りキー、130k6:ページ戻しキー、140:電子書籍表示部、145:視線検知部、150:スクロール制御部、160:通信処理部、161:LAN通信部、162:移動体電話網通信部、163:近接無線通信部、170:センサ部、171:GPS受信部、172:加速度センサ、173:ジャイロセンサ、174:地磁気センサ、175:照度センサ、176:近接センサ、180:拡張インタフェース部、
201:インターネット、202:アクセスポイント、203:基地局、211:アプリケーションサーバ、212:電子書籍データサーバ、213:移動体電話通信サーバ
図1(A)】
図1(B)】
図2
図3
図4(A)】
図4(B)】
図4(C)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14