(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁性層(44)の内部で、前記磁性材料は、この長手方向の軸と直角であって頂点が前記長手方向に位置し厳密には180°又は220°よりも大きい角セグメントにわたって前記長手方向の軸の周りに連続的に延在し、
前記弾性材料は、前記長手方向の軸と直角な方向における厚さが1mmより大きい弾性層(46)を形成するよう、前記磁性層と前記リングの前記内面との間に分布する
請求項1に記載のリング。
前記リングは、2つの端部(134、136)を有し、前記リングが開くように前記リングの内径の前記第1の値よりも大きい距離だけ前記2つの端部が互いに離れる開位置と、前記リングを閉じるよう前記2つの端部が機械的に互いに結合する閉位置との間で、人により可逆的に前記リングは変形可能である
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリング。
【背景技術】
【0002】
発明者は、筆記媒体上のペンシル又は消し具の軌跡をプロットするためのシステムであって、ペンシル又は消し具に取り外し可能に固定されるのに適した磁性リングと、筆記媒体を形成し又は筆記媒体を支持する支持面であるタブレットの支持面に自由度無しで固定された、磁性リングにより生成された磁界を計測するのに適した磁力計のネットワークと、磁力計のネットワークの測定からペンシル又は消し具の先端又は突端の支持面に対する位置を推定するために、磁性リングの位置及び向きを決定するのに適したコンピュータと、を有するシステムに精通している。
【0003】
そのようなシステムは、2012年3月29日に出願されたフランス特許出願1252881号及びフランス特許出願1252880号に記載されている。
【0004】
このシステムは、機能するために、ペンシル又は消し具がマグネットの装着のみを必要とするいう、他の既知のシステムと比較して顕著な利点を提供する。
【0005】
用語「ペンシル」は、例えばペンやブラシなどのように、物理的な筆記媒体上に軌跡を描くために人間の手によって直接操作されうる任意の道具を説明するために、ここでは使用される。一般的に、軌跡は、物理的な媒体上又は表示画面上に肉眼で直接見える。媒体上に直接目に見える軌跡を残すために、ペンシルは、人間が直接見ることができる軌跡を形成するよう、着色した液体又は固体を筆記媒体上に付着させる。着色された液体は、典型的には、インク又は塗料である。着色された固体は、例えば、グラファイトである。
【0006】
用語「消し具」は、ペンシルによって残された軌跡に遭遇した場合にこのペンシルにより残された軌跡を消す、物理的な筆記媒体上に軌跡を描くために人間の手によって直接操作されうる任意の道具を説明するために、ここでは使用される。消去は、媒体上の軌跡の物理的な消去であってもよいし、ペンシルを用いて記録された軌跡のデータのデジタル消去であってもよい。例えば、媒体上の軌跡の物理的な消去は、摩耗などの機械的な影響及び/又は科学反応によって引き起こされうる。ペンシルと違って、消し具で描かれた軌跡は、一般的に肉眼では見えない。
【0007】
用語「描く」は、書くため又は消すために、筆記媒体上で点を走らせる行為を含むために、ここでは使用される。
【0008】
筆記媒体は、用紙、キャンバス、又は描画することが可能である任意の他の媒体である。
【0009】
ペンシル又は消し具の軌跡のプロットにおいて良好な精度を得るためには、強力な磁場を呈する磁性リングが装着されなければならない。これは、一般に、非常に高い硬度を呈する特定の磁性材料の使用を要求する。したがって、このような磁性材料で製造された磁性リングは、異なる外径を有する異なるペンシルや消し具に適用できない予め定められた内径を有する。従って、これは、磁性リングの内径に対応する外径を有する特定のペンシル又は消し具の生産を要求する。
【0010】
しかし、ユーザが、ユーザのいつものペンシル又は消し具で軌跡プロットシステムを使用することを可能にすることが望ましい。これらいつものペンシル又は消し具は、ペンシル又は消し具の形状、特に、本体の外形の幅広い多様性を示す。外形のこの多様性は、プロットシステムにおいて使用されるべき磁性マグネットの硬さとは、両立しない。したがって、現在のプロットシステムは、異なる外形のペンシル又は消し具を使用することが可能ではない。
【0011】
先行技術は、また、欧州特許出願公開0159498号明細書、国際公開第2008/070147、米国特許出願公開第2011/086335号明細書、国際公開第2005/024620、フランス特許公開公報2586302、フランス特許公開公報2952450から知られている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これらの図において、同じ参照番号は同じ要素を示すために使用される。
【0024】
以下、本明細書では、当業者によく知られている特徴や機能を詳細に説明しない。
【0025】
図1は、筆記媒体6上でのペンシル4の先端又は突端の軌跡をプロットするためのシステム2を表す。
【0026】
ペンシル4は、システム2に自由度無しで固定されたXYZ参照フレームの範囲内で、人間の手によって直接、自由に、移動させられる。ここで、この参照フレームの方向X及びYは水平であり、方向Zは垂直である。この後、用語“上に”、“下に”、“上の方の”、“下の方の”は、垂直方向Zに関する。
【0027】
ペンシル4は典型的には1kgよりも、好ましくは、200g又は100gよりも重くない。このペンシルの寸法はまた十分に小さく、人により片手を用いて保持される。ペンシル4は、横長の形状を有している。それは長手方向の軸7に沿って伸びる。
【0028】
例えば、このペンシル4は、非磁性物質、すなわち、システム2により計測できる何かしらの磁気特性を示さない物質で完全にできている。
【0029】
ペンシル4は自由に市場で購入することができる従来のペンシルである。ペンシル4の本体の外径は、したがって一般的に1.5mmから3cmの間である。ここでは、ペンシル4は、ボールペン、インクペン、万年筆、フェルトペン、木製鉛筆、マーカー、蛍光ペン、羽ペン、羽、毛筆で構成されるグループから選ばれる。実施の形態では、図示のために、ペンシル4はボールペンである。
【0030】
ペンシル4は、筆記媒体6の上面10上に、着色された液体又は固体を置く先端又は突端8を有する。この目的のために、例えば、ペンシル4はカートリッジのような着色された液体のタンクが備えられる。着色された液体はインクであってもよい。先端8は、ペンシル4の下端部で軸7に位置される。この実施の形態では、先端8は軸7に関して回転対称を示す。このように、軸7に関して先端8の角度位置は、媒体6上にこの先端8により残される軌跡の幅又は形を変更しない。
【0031】
例えば、媒体6は、方向Zにおいて0以外の厚さeを有する従来の筆記媒体である。ここでは、厚さeは面10の全体に渡って一定であると仮定される。厚さeは任意の厚さであって良い。特に、この厚さeは、用紙又はキャンバスの場合に、とても小さくても、すなわち、1mmよりも、又は0.5mmよりも小さくても良い。厚さeは、また、本又はメモ帳の場合に、とても大きくても、すなわち、5mmよりも大きくても良い。
【0032】
媒体6は、曲がらなくても、又は、曲がりやすくても良い。例えば、曲がらない媒体は、磁気的に感受性のないガラスシート又は金属シートである。曲がりやすい媒体は、用紙である。
【0033】
面10の表面は十分に大きく、書くこと又は描くことを可能にする。この目的のために、それは典型的には6又は20よりも、又は100cm
2よりも大きい。
【0034】
媒体6はまた、面10の反対側に下面12を有する。
【0035】
システム2は、磁性リング14と、リング14の計測された位置及び計測された向きから、XYZ参照フレームにおける先端8の位置を特定するための装置16とを有する。
図1では、垂直な波線は、装置16の一部が示されなかったことを示す。
【0036】
リング14は、ペンシル4の本体の外周に固定されている。典型的には、ペンシル4の非磁性材料からなる剛性の本体を取り巻いている。リング14は、
図3を参照してより詳細に説明される。
【0037】
先端8をリング14の重心の正投影から隔てる最短距離は、ここでは“a”で示される。
【0038】
装置16は支持前面22及び後面24を備えるタブレット20を有する。このタブレットは典型的には、電気の、又は、電子の回路を有さない。それは例えば物質の単一の塊から製造される。
【0039】
面22は水平方向に広がる。媒体6の下面12は面22上に直接置かれる。面22の表面は十分に大きく、書くこと又は描くことを可能にする。典型的には、それは20又は100cm
2よりも大きい。
【0040】
タブレット20は非磁性の物質から生産される。例えば、タブレット20のヤング率は25℃で2又は10又は50GPaよりも大きい。その上、その厚さは、媒体6上でペンシル4を用いて書くときに、ユーザの手により掛かる圧力で曲がらないために、十分である。例えば、タブレット20は厚さが1mm又は4mmよりも大きいガラス板である。
【0041】
装置16はN個の3軸磁力計M
ijのネットワークを有する。このネットワークはXYZ参照フレームにおいてリング14の位置を特定することを可能にする。位置を特定することは、XYZ参照フレームでのリング14のx,y,z位置を決定すること、及び、またXYZ参照フレームの方向X,Y及びZに関してリング14の向きを決定すること、を意味するとここでは理解されるべきである。例えば、リング14の向きは、参照フレームの軸X,Y及びZに関してそれぞれリング14の磁気モーメントの角度θ
x,θ
y及びθ
zにより表される。
【0042】
典型的には、Nは5よりも大きく、好ましくは、16又は32よりも大きい。ここでは、Nは64以上である。
【0043】
この実施の形態では、磁力計M
ijは行及び列に整列されてマトリックスを形成する。ここでは、このマトリックスは8行8列を有する。指数i及びjは、磁力計M
ijが位置する、このマトリックスの行及び列をそれぞれ特定する。
図1では、行iの磁力計M
i1、M
i2、M
i3、M
i4及びM
i8だけが見られ得る。磁力計M
ijの相互に関する位置は、
図2を参照してより詳細に記述される。
【0044】
各磁力計M
ijは、他の磁力計に対して自由度無しで固定される。この目的のために、磁力計M
ijは、タブレット20の後面22に自由度無しで固定される。
【0045】
各磁力計M
ijはリング14により生成された磁界の向き及び強度を計測する。したがって、各磁力計M
ijは、この磁力計の3つの計測軸上のこの磁力計M
ijの水準でリング14により生成される磁界の正投影のノルムを計測する。ここでは、これらの3つの計測軸は相互に直交する。例えば、磁力計M
ijのそれぞれの計測軸は、参照フレームの方向X,Y及びZとそれぞれ平行である。磁力計M
ijの感度は、例えば、10
−6T又は10
−7Tよりも小さい。
【0046】
各磁力計M
ijは、情報伝達バス28を介して処理装置30に接続されている。
【0047】
処理装置30は、磁力計M
ijにより計測されるXYZ参照フレームにおけるリング14の位置及び向きから、媒体6上の先端8の位置を決定することができる。この目的のため、装置30は、情報記録媒体に記録された指令の実行に適したプログラム可能な電子コンピュータ32を有する。装置30は、それゆえまた、
図5の方法のコンピュータ32による実行のために必要な指令を含むメモリ34を有する。特に、装置30は、磁力計M
ijの各測定値と、XYZ参照フレームにおけるリング14の位置及び向きとを関連付ける数学的モデルを実装する。このモデルは、拡張カルマンフィルタの形式で実装される。このモデルは典型的には電磁気学の物理的な方程式に基づいて作成される。このモデルを作成するために、リング14は磁気双極子により近似される。この近似は、もしもリング14と磁力計M
ijとの間の距離が2Lよりも大きい、好ましくは3Lよりも大きいならば、ほとんど誤りを導かない。ここで、Lはリング14の最大寸法である。典型的には、Lは7cmよりも小さく、好ましくは、4又は2cmよりも小さい。
【0048】
装置30はまた、先端に対して定まるさまざまな位置に基づいて、媒体6上に先端8により残される軌跡を取得し、記憶することができる。
【0049】
図2は、装置16の磁力計M
ijの一部を示す。これらの磁力計M
ijは方向Xに平行な行iに整列される。これらの磁力計はまた、方向Yに平行な列jに整列され、マトリックスを形成する。行i及び列jは、昇順のインデックス順に配置される。
【0050】
磁力計M
ijの中心は、行iと列jとの交点に位置される。磁力計の中心は、この磁力計により磁界が計測される箇所に対応する。ここでは、指数i及びjは区間[1;8]に属する。
【0051】
行iに沿って直に連続する2つの磁力計M
ij及びM
i,j+1の中心は、距離d
i,j,j+1だけ離れている。同様に、まったく同一の列jに沿って直に連続する2つの磁力計M
ij及びM
i+1,jの中心は、距離d
j,i,i+1だけ離れている。
【0052】
ここでは、行iがどれであっても、距離d
i,j,j+1は同じである。この距離はそのためにd
jと表される。同様に、列jがどれであっても、2つの磁力計の間の距離d
j,i,i+1は同じである。この距離はそのためd
iと表される。
【0053】
この特別な実施の形態では、距離d
i及びd
jはどちらもdに等しい。
【0054】
−永久磁石の強さが0.5A.m
2である、
−磁力計の感度が4×10
−7Tである、そして、
−磁力計M
ijの数が64である
ときに、典型的には、距離dは1及び4cmの間にある。
【0055】
図3は、より詳細にリング14を表す。リング14は、軸7に平行な全体の磁気モーメントを示す。この実施形態では、リング14の磁気モーメントは、軸7に併合され、または同軸である。このリング14は、円形断面の円筒外面38を有している。この円筒外面の母線は軸7と併合される。リング14の端は、それぞれ軸7に対して直角に端面40、41において終わる。従って、リング14の長さLは、本実施形態では、面40と41との間の最短距離である。この長さLは、リング14の内径Φ
intより大きく、好ましくは、Φ
intより2倍大きい。好ましくは、このリングの長さLは、15cmよりも小さく、又は10cmよりも小さく、7cm又は5cmより小さくてもよい。
【0056】
図4は、リング14の断面を表している。このリング14は、磁性材料の外側層44と弾性材料の内側層46を備えている。層44及び46は、リング14の全長Lにわたって延在している。
【0057】
層44は、軸7について一様に分布する磁性材料により、単独で生成される。この磁性材料は、磁気モーメントの方向が軸7と併合された環状永久磁石を形成する。層44の外面は、外面38に対応している。この層44は、また、軸7側に向いた内面48を構成する。層44の厚さe
44は、面38と48との間の最短距離として定義される。例えば、厚さe
44は、0.5又は1mmより大きく、一般的に、1cm又は5mm未満である。ここで、厚みe
44は一定である。
【0058】
この層44を構成する磁性材料は、強磁性又はフェリ磁性の材料である。この材料はさらに、外部磁界が存在しない場合でさえ、非ゼロの磁気モーメントを示す。例えば、この材料は、100A.m
-1 又は500A.m
-1よりも大きい保磁力を示す。この永久磁石の力は、典型的には、0.01A.m
2又は0.1A.m
2よりも大きい。
【0059】
この目的のために、層44は硬質の磁性材料から形成されている。ここで、「硬質」は、25℃でのヤング率が15又は30又は50GPaより大きい材料を意味すると理解される。これらの条件では、層44は、種々のペンシルの直径に適合させることができない。
【0060】
この実施形態では、この欠点を改善するために、層46は、内面48を覆っている。この層46は、母線が軸7と併合される円筒内面50を有している。この面50は、ペンシル4の本体に直接位置するに至ることが意図される。面50の断面は円形である。この層46は、
図4に実線で示す休止位置と
図4に破線で示される変形位置との間で、ペンシル4のリング14への挿入の際に弾性的に変形可能である。休止位置は、1.5mm及び3cmの間の、好ましくは、5mm及び1.5cmの間の内径Φ
intの値に対応する。変形位置は、ペンシル4の本体の外径に等しく、内径Φ
intよりも大きな値に対応している。これら2つの値の差は、ΔΦで示され、典型的には1mm又は2mmより大きい。
【0061】
このため、層46は、25℃でのヤング率が1GPa以下、好ましくは、0.1又は0.01GPa以下の弾性材料で一様に製造される。例えば、弾性材料は、エラストマー材料又はラテックス又は形状記憶を有する材料である。
【0062】
半径方向の層46の厚さは、厳密にいえばΔΦより大きい。例えば、この厚さは、2又は4mmより大きい。
【0063】
システム2の動作について、
図4の方法を参照して説明する。
【0064】
ステップ60では、装置16は、前面22に自由度無しで結合されたXYZ参照フレームにおけるリング14の位置及び向きを永久に計測する。単純化するために、この参照フレームの方向X及びYは前面22の平面に含まれると仮定する。この後、面22に関するリング14の、h
0で示される、高さは、XYZ参照フレームにおけるリング14のz座標の値と等しい。
【0065】
並行して、ステップ62で、ユーザは、ペンシル4にリング14を固定する。例えば、このために、彼または彼女は、先端8をリング14の中心に挿入し、そして、ペンシル4をリング14の内側にスライドする。この行動の結果により、ペンシル4は、弾性層46を押し込み、そして、その変形位置に押し戻す。これは、磁性材料を変形させることなく、リング14の内径を増大させる。リング14がペンシル4の先端8に近い本体の端に位置すると、弾性層は、ペンシル4が使用されている間、リング14を保持するペンシル4の本体上で復帰力を発揮する。
【0066】
リング14がペンシル4に位置した後、ユーザは、校正段階64を開始する。
【0067】
この段階の最初に、ステップ66で、ユーザは、ペンシル4の先端8を面10と接触させておき、つぎに、ペンシル4の反対端を移動させて、媒体6上の先端8の位置を変更することなく、媒体6に関してペンシルの傾きを変更する。
図12は、ステップ66で得られたペン4の2つの位置を示す。この図では、軸7はペンシル4の第1の傾きに対応し、軸7aは第2の傾きに対応する。
図12を簡単にするために、第2の傾きに関して、軸7aだけが示されている。
【0068】
並行して、ステップ68で、コンピュータ32は、磁力計のネットワークにより計測されたリング14の位置及び向きをプロットする。このように、コンピュータ14は、先端8と媒体6の面10との接触点全てを指し示す、一連の向きをプロットする。
図12では、この接触点は参照記号I
tと記載する。
【0069】
以下、この明細書では、接触の閾値S
cp及び距離“a”の計算は、
図12で示された第1及び第2の傾きの場合で示される。しかしながら、以下で記述されるものは、必要に応じて、ペンシル4の2よりも多い傾きの場合に一般化され得る。
【0070】
閾値S
cpは、媒体6と先端8の接触を検出することを可能にする。実際に、面22に関する先端8の高さh
pが閾値S
cp以下であるならば、先端8と媒体6との接触点が存在するとみなされる。この閾値S
cpは媒体6の厚さに依存する。
【0071】
ステップ70では、装置30は軸7及び7aの交点I
tを計算する。好ましくは、このため、装置30は軸7と7aとの間の差を最小にするXYZ参照フレームの点の座標を計算する。面22に関する交点I
tの高さは、媒体6の厚さeの推定値を得ることを可能にする。
【0072】
その後、ステップ72で、閾値S
cpが厚さeのこの推定値に基づいて計算される。例えば、閾値Scpは、この推定値に許容誤差εを加えたものと等しくなるように選択される。許容誤差εは、実験的に決定される。例えば、εは1mm又は0.5mm又は0.1mm又は0.05mm又は0.0025mm以下にここでは選択される。
【0073】
最後に、ステップ74で距離“a”が計算される。例えば、装置30は距離“a”をステップ68でプロットされた位置及び向きに応じて計算する。実際に、先端8は面10と接触しているので、距離“a”は磁気モーメントの向きにおいてリング14を面10と隔てる距離に対応する。例えば、距離“a”は次の関係式を用いて計算される。
h
0 = a×cos θ + e
ここで、
−h
0は面22に関するリング14の高さであり、
−θはリング14の磁気モーメントと垂直方向Zとの角度であり、
−“e”はステップ70で得られた媒体6の厚さの推定値である。
【0074】
角度θと高さh
0の値とは、ステップ68で行われたプロットから推測される。ひとたび距離“a”が計算されると、それは“既知”と呼ばれる。それはメモリ34に格納される。
【0075】
ひとたび、閾値S
cp及び距離“a”が設定されると、装置30は媒体6の面10上にペンシル4により残された軌跡をプロットする段階90に進む。
【0076】
このため、ステップ92で、装置30は、ステップ60で計測されたリング14の位置及び向き、及び、既知の距離“a”から、XYZ参照フレームにおける先端8の位置を計算する。さらに、面10と接触しているときの先端の位置は、接触点の位置と等しい。
例えば、先端8の位置は、リング14の磁気モーメントの方向に距離“a”ずれたリング14の位置と等しい。従って、高さh
pは次の関係式を用いて計算される。
h
p = h
0 − a×cos θ
ここで、θは、リング14の磁気モーメントと垂直方向Zとの間の角度である。角度θ及び高さh
0の値はステップ60で計測される。XYZ参照フレームにおける先端8の位置座標は、ここではx
p,y
p及びz
pで表される。ここでは、座標z
pは高さh
pに等しい。
【0077】
ステップ94で、装置30は先端8と面10との接触点を検出する。このため、装置30は高さh
pと閾値S
cpとを比較する。接触点は、高さh
pが閾値S
cpよりも小さいときに限り検出される。
【0078】
その後、接触点が検出される度に、ステップ96で、装置30はこの接触点が現れたときの座標x
p及びy
pをプロットする。
【0079】
ステップ98で、装置30は、媒体6と接触しているときの先端8に関する計算された位置を、例えばメモリ34に記録する。
【0080】
ステップ92から98はループで繰り返される。
【0081】
面10における先端8の位置の連続的な記録は、媒体6上に先端8により残された軌跡のプロットを構成する。例えば、ここでは、媒体6と接触しているときの先端8の各位置は発生順に記憶される。逆に、媒体6と接触していないときの先端8の位置は、媒体6上に残された軌跡の一部を形成しないように記録される。
【0082】
図6及び7は、リング14の代わりにシステム2において用いることができるリング110を表す。このリング110は、層44が磁性層112により置き換えられることを除いて、リング14と同一である。この層112は、磁性材料が連続的に軸7の周りに分布されていないことを除いて、層44と同一である。ここでは、層112は、弾性材料のセグメント116により互いに分離された、機械的に硬質の磁性材料であるN個のブロック114を含む。ここで、Nは、厳密にいえば、2より大きい整数である。
図6及び7を簡単にするために、Nは、2に等しいとする。この実施の形態では、ブロック114は、互いに全て同一であり、層46の周囲に一様に分布している。
【0083】
例えば、ブロック114の磁性材料は、層44を製造するために使用されるものと同じである。セグメント116を生成するために使用される弾性材料は、例えば、層46のために用いたものと同じである。
【0084】
また、この実施の形態では、層112は、弾性材料の層120で覆われている。層120の材料は、例えば、層46の材料と同じである。
【0085】
図6は、休止位置における、セグメント116の弾性材料と、層46及び120の弾性材料とを表し、
図7は、変形位置における、セグメント116の弾性材料と、層46及び120の弾性材料とを表す。
【0086】
リング110がペンシル4に挿入されると、セグメント116は、異なるブロック114が互いに離間されることを可能にするよう伸びる。これにより、磁性材料のブロック114を変形させることなく、種々の直径のペンシルにリング110を固定することができる。
【0087】
図8及び9は、システム2で使用することができるリング130を表す。具体的には、リング130は、層44及び120が省略され、
図8に示される開位置と
図9に示される閉位置との間で、リング130がユーザの手によって直接、可逆的に動かされうる点を除いて、リング110と同じである。
図8及び9において、ブロック114の数Nは7に等しいとする。
【0088】
開位置において、リング130は、実質的に平面X’Y’において広がるバンド132を形成する。ここで、X’及びY’は直交する方向であり、方向Y’は軸7に平行である。閉位置において、バンド132は、閉じた磁性リングを形成するため、ペンシル4の本体の周囲に巻かれている。
【0089】
バンド132は、方向X’に、2つの対向する端部134及び136を有する。開位置では、これらの端部は、ペンシル4の本体の外径よりも厳密には大きい距離だけ互いに離間している。閉位置では、これらの端部134、136は、一方が他方の上に重ねられる。
【0090】
ここでは、端部134及び136は、閉位置においてリング130をロックするのに適した、あるいはリング130が開位置に変位することを可能にするのに適したロック機構が装備されている。例えば、このロック機構は、端部134及び136にそれぞれ固定された自己把持ストリップのそれぞれの部分からなる。この自己把持ストリップはまた、「ベルクロ(登録商標)」又は「ベルクロストリップ(登録商標)」という名前により良く知られている。
【0091】
ペンシル4の直径に応じて、セグメント116は伸び、閉位置において端部134及び136が合うようにバンド132がペンシル4の本体の周りに巻かれたときにバンド132を伸長することを可能にする。
【0092】
図10は、ペンシル4に対する付属品150を表す。この付属品150は、磁性リング152と、2つの硬質の外殻154及び156とを含む。外殻154及び156は、リング152の磁気モーメントの向きを軸7に対して平行に維持することを意図している。
【0093】
ここで、リング152は、例えば、その長さLが休止位置における直径Φ
intの値よりも小さい点を除いてリング14と同じである。
【0094】
外殻154は、リング152の一部を自由度無しで挟むのに適したハウジング160を含む。このハウジングをより見やすくするために、
図10では、このハウジング160とリング152の間にギャップが表されている。実際には、このギャップは存在しないか、又は厳密に言えば100又は10又は5μm未満である。
【0095】
軸7と平行な方向において対向する外殻154の端部はそれぞれ、あご部166、168の第1の部分162、164をそれぞれ備えている。
【0096】
例えば、外殻154及び156は、軸7を含む対称平面に対して互いに対称である。したがって、外殻156は、外殻154の対称性によって推定される。しかし、外殻156において、参照番号162及び164は、参照番号170及び172に置き換えられる。
【0097】
外殻156は、ヒンジ174により機械的に外殻154に接続され、回転軸は軸7に平行である。
【0098】
あご部166及び168は、軸7と平行な方向に、厳密にいえば休止位置における直径Φ
intの値よりも大きく、好ましくは、この値の2又は3倍の値の距離L
Cだけ互いに離間している。距離L
Cは、例えば、リング14の長さLに等しい。
【0099】
あご部166は、実線で
図11に示される開位置と、破線で
図11に示される閉位置との間で移動することができる。
【0100】
閉位置において、あご部166は、ペンシル4の本体をつかむ。開位置において、あご部166は、ペンシル4の本体を解放し、ペンシル4をあご部166及び168から取り外すことができる。あご部166は、ヒンジ174の軸を中心に旋回することにより、可逆的に、閉位置と開位置との間を渡る。
【0101】
例えば、あご部168は、外殻の反対側に位置していることを除いて、あご部166と同じである。
【0102】
外殻はまた、閉位置におけるあご部166及び168をロックするための手段を備えている。
【0103】
外殻154及び156は、したがって、あご部166及び168が閉位置にあるときに磁気モーメントの方向が軸7に併合される位置にリング152を安定させることを可能にする。
【0104】
好ましくは、外殻154及び156の外側面は、リング152を覆い、ユーザーがこのペンシル4で書いている間、ペンシル4を把持するための手段を形成する。
【0105】
多数の他の実施形態が可能である。例えば、磁性材料は、永久磁石ではなく、常磁性、反磁性材料又は軟強磁性材料で生成される。
【0106】
リングの断面は必ずしも円形断面ではない。ここで、「内径」とは、内部の水力直径を表す。実際には、リングの断面は、長手方向の軸に位置する軸7に対して直角な平面に中心を有する任意のものであってもよい。例えば、内面の断面は、正方形、楕円形又は長方形であってもよい。
【0107】
変形例として、リングの全体の磁気モーメントは、軸7に平行であるが、この軸と併合されていない。例えば、磁性材料の量が一様に軸7の周りに分布していない。例えば、軸7を含む平面の一方の側に位置するブロック114は、これと同じ平面の反対側に位置するそれらよりも強い磁気モーメントを示す。別の変形例では、層44における磁性材料の分布は、軸7と平行であるがこの軸と併合されない磁気モーメントを有するリングを得るように変更される。
【0108】
層46の厚さは、面48の表面に沿って必ずしも一定ではない。例えば、内面50は、ペンシル4とリング14との間の摩擦係数を増加させるために、休止位置において0.5mm以上の高さのくぼみや突起を有する。
【0109】
リング130をロックするための機構の他の実施形態が可能である。例えば、自己把持ストリップは、「ポストイット」という用語で良く知られた粘着性の紙片を生成するために用いられるような弱い粘着性を示す接着剤で置き換えることができる。
【0110】
リングは必ずしも閉じていない。例えば、リング14は、軸7に平行なリング14の側面の1箇所だけが切り取られている。
【0111】
先に述べたペンシルの特定の場合における全ての事項が、消し具の場合にも適用される。
【0112】
付属品150は、リングの内径の第1の値に対応する休止位置とリングの内径の第2の値に対応する変形位置との間で弾性的に変形可能な材料なしに、磁性リングとともに用いられうる。内径の第1及び第2の値の差は、1mm以上である。