特許第6096919号(P6096919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャオミ・インコーポレイテッドの特許一覧

特許6096919信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体
<>
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000002
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000003
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000004
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000005
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000006
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000007
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000008
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000009
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000010
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000011
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000012
  • 特許6096919-信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096919
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】信号復調方法、装置、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20170306BHJP
   H04L 27/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H04B1/16 R
   H04L27/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-543307(P2015-543307)
(86)(22)【出願日】2014年4月29日
(65)【公表番号】特表2016-504818(P2016-504818A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】CN2014076514
(87)【国際公開番号】WO2014187231
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2015年5月25日
(31)【優先権主張番号】201310195569.3
(32)【優先日】2013年5月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513309030
【氏名又は名称】シャオミ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャンドン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジェンハイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ フェン
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−022183(JP,A)
【文献】 特開2007−221310(JP,A)
【文献】 特開2008−206023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル端末内の電源管理ユニットPMUから提供され且つ取得時点が現在時点と最も近い基準クロック信号である、基準クロック信号を取得するステップと、
前記モバイル端末の移動速度を特定し、前記移動速度に基づいて、前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するステップと、
前記基準クロック信号および前記ドップラーシフト値に基づいて、受信した、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するステップと、含むことを特徴とする信号復調方法。
【請求項2】
前記モバイル端末の移動速度を特定し、前記移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するステップは、
前記モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するステップと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
ドップラーシフト値計算公式Fd=|ΔV|×cosα/λ(λは、無線電波波長である)に基づいて、前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値Fdを特定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
モバイル端末の移動速度を特定し、前記移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するステップは、
前記モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するステップと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
予め設定された|ΔV|およびαの取値範囲とドップラーシフト値とのマッピング関係から、特定した|ΔV|およびαに対応するドップラーシフト値を検索するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基準クロック信号および前記ドップラーシフト値に基づいて、受信した、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するステップは、
復調クロック信号を特定するように、前記基準クロック信号と前記ドップラーシフト値とを重ね合わせるステップと、
前記復調クロック信号に基づいて、受信した、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
モバイル端末内の電源管理ユニットPMUから提供され且つ取得時点が現在時点と最も近い基準クロック信号である、基準クロック信号を取得するための取得ユニットと、
前記モバイル端末の移動速度を特定し、前記移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するための特定ユニットと、
前記基準クロック信号および前記ドップラーシフト値に基づいて、受信した、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するための復調ユニットと、を備えることを特徴とする信号復調装置。
【請求項6】
前記特定ユニットは、
前記モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するための第1の特定モジュールと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するための第2の特定モジュールと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するための第3の特定モジュールと、
ドップラーシフト値計算公式Fd=|ΔV|×cosα/λ(λは、無線電波波長である)に基づいて、前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値Fdを特定するための第4の特定モジュールと、を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記特定ユニットは、
前記モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するための第1の特定モジュールと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するための第2の特定モジュールと、
前記設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するための第3の特定モジュールと、
予め設定された|ΔV|およびαの取値範囲とドップラーシフト値とのマッピング関係から、特定した|ΔV|およびαに対応するドップラーシフト値を検索するための検索モジュールと、を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記復調ユニットは、
復調クロック信号を特定するように、前記基準クロック信号と前記ドップラーシフト値とを重ね合わせるための重ね合わせモジュールと、
前記復調クロック信号に基づいて、受信した、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するための復調モジュールと、を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
取得時点が現在時点と最も近い基準クロック信号である、基準クロック信号を提供するための電源管理ユニットPMUと、
モバイル端末の移動速度を特定し、前記移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、前記ドップラーシフト値とPMUから提供される基準クロック信号に基づいて、復調クロック信号を特定するための前記PMUと接続されているCAモジュールと、
基地局から送信された無線周波数信号および前記CAモジュールで特定された復調クロック信号を取得し、前記復調クロック信号に基づいて、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するための前記CAモジュールと接続されている受信器と、を備えることを特徴とする信号復調装置。
【請求項10】
前記CAモジュールは、前記基準クロック信号および前記ドップラーシフト値を重ね合わせるためのダイレクトデジタルシンセサイザーDDSを備え、
前記CAモジュールは、前記ドップラーシフト値および基準クロック信号に基づいて、復調クロック信号を特定する場合、DDSにより前記基準クロック信号と前記ドップラーシフト値とを重ね合わせて復調クロック信号を特定することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
PSで取得された、移動速度を表現する無線周波数信号を、前記CAモジュールとカップリングするためのカップリングモジュールであって、前記CAモジュールと接続されているカップリングモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
取得時点が現在時点と最も近い基準クロック信号である、基準クロック信号を提供するための電源管理ユニットPMUと、
受信器で特定された移動速度に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するための処理ユニットと、
モバイル端末の移動速度を特定し、前記基地局から送信された無線周波数信号、PMUで提供された基準クロック信号および前記処理ユニットで特定されたドップラーシフト値を取得し、前記基準クロック信号、および前記ドップラーシフト値に基づいて、前記基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するための前記PMUおよび前記処理ユニットと接続されている受信器と、を備えることを特徴とする信号復調装置。
【請求項13】
前記処理ユニットは、アプリプロセッサAP、または中央処理装置CPUであることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
プロセッサに実行されることにより、請求項1〜4のいずれかに記載の信号復調方法を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル端末の開発技術に関し、特に、信号復調方法装置、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通信速度は、ずっと、ユーザーからよく注目されたものであるが、ユーザーが移動状態にある場合、ドップラー効果が存在するため、ドップラーシフトが発生することになっている。ユーザーの移動速度が速い場合、モバイル端末は、基地局から送信された信号を受信する時に、相対的に大きいドップラーシフトが存在し、即ち、受信した信号の周波数と基地局から実際に送信された信号の周波数との間の差値であるドップラーシフト値が大きいので、通信システム無線周波数復調の精度に影響し、基地局との通信データのスループット率に影響し、その結果、通信速度が遅くなってしまう。
【0003】
広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access:WCDMA(登録商標))のモバイル通信システムを例にして、モバイル端末の全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)およびWCDMAの復調装置回路図は、図1に示すものであり、GPSおよびWCDMAの信号処理モジュールは、いずれも送受信器(transiver)により無線周波数復調の機能を提供し、且つベースバンド(baseband)信号をベースバンドプロセッサへ送信して処理を行い、その後ベースバンドプロセッサにより、データをアプリ(application process、AP)/中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)に知らせる。図1におけるtransiverは、復調の時に1つの基準クロック信号で復調を行う必要があり、基準クロック信号は、電源管理ユニット(Power Management Unit、PMU)から提供され、transiverは、基準クロック信号に基づいてWCDMAまたはその他の無線周波数信号に対して復調を行う。したがって、基準クロック信号の値は、transiverの復調精度を決定する。復調精度が比較的高くなる場合、モバイル端末と基地局通信とのスループット率も比較的高く、通信システムの通信速度も比較的大きくなる。しかしながら、PMUから提供される基準クロック信号に基づいて無線周波数信号を復調することは、ドップラーシフトによる無線周波数復調への影響を考慮していない。移動速度が速い場合、無線周波数復調の精度が低くなり、通信速度が遅くなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例は、ドップラーシフトが存在する場合、通信速度が遅いという問題を解决するための、信号復調方法装置、プログラム及び記録媒体を提供する。
【0005】
本発明に係る実施例の第1態様は、
モバイル端末内のPMUから提供される基準クロック信号を取得するステップと、
前記モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するステップと、
基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するステップと、
を含む、信号復調方法を提供する。
【0006】
本発明に係る実施例の第2態様は、
モバイル端末内のPMUから提供される基準クロック信号を取得するための取得ユニットと、
モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するための特定ユニットと、
基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するための復調ユニットと、
を備える、信号復調装置を提供する。
【0007】
本発明に係る実施例の第3態様は、
基準クロック信号を提供するためのPMUと、
モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいて前記モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、ドップラーシフト値とPMUから提供される基準クロック信号に基づいて、復調クロック信号を特定するためのPMUと接続されているCAモジュールと、
基地局から送信された無線周波数信号およびCAモジュールで特定された復調クロック信号を取得し、復調クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するためのCAモジュールと接続されている受信器と、
を備える、信号復調装置を提供する。
【0008】
本発明に係る実施例の第4態様は、
基準クロック信号を提供するためのPMUと、
受信器で特定された移動速度に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するための処理ユニットと、
モバイル端末の移動速度を特定し、基地局から送信された無線周波数信号、PMUで提供された基準クロック信号および処理ユニットで特定されたドップラーシフト値を取得し、基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するためのPMUおよび処理ユニットと接続されている受信器と、
を備える、信号復調装置を提供する。
本発明に係る実施例の第5態様は、
プロセッサに実行されることにより、前記の信号復調方法を実現することを特徴とするプログラムを提供する。
本発明に係る実施例の第6態様は、
前記のプログラムが記録された記録媒体を提供する。
【0009】
本発明に係る実施例に提供された技術案は、以下の有益な効果を有する。
【0010】
本発明の実施例は、ドップラーシフトによる通信速度への影響を減少させるために、信号復調方法および装置を提供する。基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する場合、PMUから提供される基準クロック信号を取得した後、さらに、モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から発射され無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定する必要があり、再び、基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する。基地局から送信された無線周波数信号に対して復調する場合、ドップラーシフトの影響を考慮したため、復調精度が高くなる。これにより、ドップラーシフトが存在する場合、変調精度が低下し、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0011】
上記の一般的な説明および後述の詳細な説明は、例示的かつ解釈的なものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ここで、図面は明細書に組み込んで本明細書の一部とし、本発明に合致する実施例を示すとともに、明細書とともに本発明の原理を説明する。
図1図1は、一例示的な実施例に係るGPSおよびWCDMA復調装置の構成を示す模式図である。
図2図2は、一例示的な実施例に係る信号復調方法を示すフローチャートである。
図3図3は、一例示的な実施例に係るドップラーシフトの特定方法を示すフローチャートである(その一)。
図4図4は、一例示的な実施例に係るドップラーシフトの特定方法を示すフローチャートである(その二)。
図5図5は、一例示的な実施例に係る基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて復調する方法を示すフローチャートである。
図6図6は、一例示的な実施例に係る好ましい復調方法を示すフローチャートである。
図7図7は、一例示的な実施例に係る信号復調装置の構成を示す模式図である(その一)。
図8a図8aは、一例示的な実施例に係る特定ユニットの構成を示す模式図である(その一)。
図8b図8bは、一例示的な実施例に係る特定ユニットの構成を示す模式図である(その二)。
図9図9は、一例示的な実施例に係る復調ユニットの構成を示す模式図である。
図10図10は、一例示的な実施例に係る信号復調装置の構成を示す模式図である(その二)。
図11図11は、一例示的な実施例に係る信号復調装置の構成を示す模式図である(その三)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例は、ドップラーシフトによる通信速度への影響を減少させるために、信号復調方法および装置を提供する。基地局から送信され、受信した無線周波数信号の復調において、PMUから提供される基準クロック信号を取得した後、さらに、モバイル端末の移動速度を特定し、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を移動速度に基づいて特定する必要があり、再び、基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号は復調される。ドップラーシフトの影響を考慮して、基地局から送信された無線周波数信号を復調するので、復調精度が相対的に高くなり、これにより、ドップラーシフトが存在する場合に、変調精度が低下し、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0014】
図2に示すように、本発明の実施例は、
S201:モバイル端末内のPMUから提供される基準クロック信号を取得するステップと、
S202:モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するステップと、
S203:基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するステップと、
を含む、信号復調方法を提供する。
【0015】
基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する前に、PMUから提供される基準クロック信号を取得し、モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調する場合、PMUから提供される基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、信号復調の精度が低下し、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0016】
ここで、S202において、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定する実現方法は、たくさんあるが、本発明の実施例は、移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定する2種の方法を提供する。
【0017】
図3に示すように、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定する第1種の方法は、
S301:モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、GPSにより特定するステップと、
S302:設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
S303:設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
S304:ドップラーシフト値計算公式Fd=|ΔV|×cosα/λ(λは、無線電波波長である)に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値Fdを特定するステップと、を含む。
【0018】
|ΔV|およびαは、いずれも、GPSにより特定することができる。ここで、設定した2つの時点は、当業者により設定され、例えば、PMUから提供される基準クロック信号の取得時点に基づいて設定してもよく、例えば、2つの時点を、2つの設定した基準クロック信号の取得時点として設定してもよく、その中でも、2つの設定した基準クロック信号は、取得時点が現在時点と最も近い2つの基準クロック信号であってもよい。
【0019】
このような方法で特定されたドップラーシフト値の精度が高く、ドップラーシフト値および基準クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号をデコードする精度を高く確保することができる。したがって高い通信速度を得ることができる。
【0020】
図4に示すように、移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定する第2種の方法は、
S401:モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するステップと、
S402:設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
S403:設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
S404:予め設定された|ΔV|およびαの取値範囲とドップラーシフト値とのマッピング関係から、特定した|ΔV|およびαに対応するドップラーシフト値を検索するステップと、を含む。
【0021】
例えば、Fd=|ΔV|×cosα/λに基づいて、GPSで取得されたモバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトル方向の夾角の取値範囲のマッピング関係を特定することができ、当該マッピング関係の精度は、当業者により必要に応じて設定されることができる。
【0022】
GPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角の取値範囲のマッピング関係を予め設定し、ドップラーシフト値を特定する必要がある場合、マッピング関係におけるGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角と対応するドップラーシフト値だけを特定さればよく、モバイル端末の処理量が低い。
【0023】
もちろん、当業者にとっては、他の実行可能な形態を用い、移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現することができ、ここで2種の実現形態のみを例として示し、その他の実現形態の説明を省略する。
【0024】
本発明の実施例は、基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する具体的な方法を提供し、図5に示すように、当該方法は、
S501:復調クロック信号を特定するように、基準クロック信号とドップラーシフト値とを重ね合わせるステップと、
S502:復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するステップと、を含む。
【0025】
実際の適用において、ドップラーシフト値を特定した後、ドップラーシフト値と基準クロック信号とを重ね合わせて復調クロック信号を特定し、さらに復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、通信システム無線周波数の変調精度が低く、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0026】
本発明の実施例は、復調方法を提供し、図6に示すように、当該方法は、
S601:モバイル端末内のPMUから提供される基準クロック信号を取得するステップと、
S602:モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、GPSにより特定するステップと、
S603:設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
S604:設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
S605:ドップラーシフト値計算公式Fd=|ΔV|×cosα/λ(λは、無線電波波長である)に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値Fdを特定するステップと、
S606:復調クロック信号を特定するように、基準クロック信号とドップラーシフト値とを重ね合わせるステップと、
S607:復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するステップと、を含む。
【0027】
図7に示すように、本発明の実施例は、
モバイル端末内のPMUから提供される基準クロック信号を取得するための取得ユニット701と、
モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するための特定ユニット702と、
基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するための復調ユニット703と、
を備える、信号復調装置を提供する。
【0028】
基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する前に、取得ユニット501により、PMUから提供される基準クロック信号を取得し、特定ユニット502により、モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調する場合、復調ユニット503により、PMUから提供される基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調ことにより、ドップラーシフトが存在するため、信号復調の精度が低下し、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0029】
ここで、特定ユニット702は、移動速度に基づいて、ドップラーシフト値を特定する実現形態は、たくさんあるが、本発明の実施例において、移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現する2種の形態を提供する。
【0030】
移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現する第1種の方法は、下記の通りである。
【0031】
図8aに示すように、特定ユニット702は、
モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、GPSにより特定するための第1の特定モジュール801と、
設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するための第2の特定モジュール802と、
設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するための第3の特定モジュール803と、
ドップラーシフト値計算公式Fd=|ΔV|×cosα/λ(λは、無線電波波長である)に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値Fdを特定するための第4の特定モジュール804と、を備える。
【0032】
|ΔV|およびαは、いずれも、GPSにより特定することができる。ここで、設定した2つの時点は、当業者により設定され、例えば、PMUから提供される基準クロック信号の取得時点に基づいて設定してもよく、例えば、2つの時点を、2つの設定した基準クロック信号の取得時点として設定してもよく、その中でも、2つの設定した基準クロック信号は、取得時点が現在時点と最も近い2つの基準クロック信号であってもよい。
【0033】
このような方法で特定されたドップラーシフト値の精度が高く、ドップラーシフト値および基準クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号をデコードする精度を高く確保することができる。したがって高い通信速度を得ることができる。
【0034】
移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現する第2種の方法は、下記の通りである。
【0035】
図8bに示すように、特定ユニット702は、
モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、GPSにより特定するための第1の特定モジュール801と、
設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するための第2の特定モジュール802と、
設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するための第3の特定モジュール803と、
予め設定された|ΔV|およびαの取値範囲とドップラーシフト値とのマッピング関係から、特定した|ΔV|およびαに対応するドップラーシフト値を検索するための検索モジュール805と、を備える。
【0036】
例えば、Fd=|ΔV|×cosα/λに基づいて、GPSで取得されたモバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトル方向の夾角の取値範囲のマッピング関係を特定することができ、当該マッピング関係の精度は、当業者により必要に応じて設定されることができる。
【0037】
GPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角の取値範囲のマッピング関係を予め設定し、ドップラーシフト値を特定する必要がある場合、マッピング関係におけるGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角と対応するドップラーシフト値だけを特定すればよく、モバイル端末の処理量が低い。
【0038】
本発明の実施例は、復調ユニット703を具体的に実現する形態を提供し、図9に示すように、復調ユニット703は、
復調クロック信号を特定するように、基準クロック信号とドップラーシフト値とを重ね合わせるための重ね合わせモジュール901と、
復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調するための復調モジュール902と、を備える。
【0039】
実際の適用において、ドップラーシフト値を特定した後、ドップラーシフト値と基準クロック信号とを重ね合わせて復調クロック信号を特定し、さらに復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、通信システム無線周波数の変調精度が低く、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0040】
図10に示すように、本発明の実施例は、
基準クロック信号を提供するためのPMU1001と、
モバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、ドップラーシフト値とPMUから提供される基準クロック信号に基づいて、復調クロック信号を特定するためのPMU1001と接続されているCAモジュール1002と、
基地局から送信された無線周波数信号およびCAモジュール1002で特定された復調クロック信号を取得し、復調クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するためのCAモジュールと接続されている受信器1003と、
を備える、信号復調装置を提供する。
【0041】
基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する前に、受信器1003によりPMU1001から提供された基準クロック信号を取得し、CAモジュール1002によりモバイル端末の移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、ドップラーシフト値およびPMU1001から提供された基準クロック信号に基づいて、復調クロック信号を特定し、さらに、受信器1003により、復調クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、信号復調の精度が低下し、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0042】
ここで、CAモジュール1002が移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定する実現形態は、たくさんあり、本発明の実施例は、CAモジュール1002が移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定する1種の方法を提供し、該方法は、
モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するステップと、
設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
ドップラーシフト値計算公式Fd=|ΔV|×cosα/λ(λは、無線電波波長である)に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値Fdを特定するステップと、
を含む。
【0043】
|ΔV|およびαは、いずれも、GPSにより特定することができる。ここで、設定した2つの時点は、当業者により経験に基づいて設定され、例えば、PMUから提供される基準クロック信号の取得時点に基づいて設定してもよく、例えば、2つの時点を、2つの設定した基準クロック信号の取得時点として設定してもよく、2つの設定した基準クロック信号は、取得時点が現在時点と最も近い2つの基準クロック信号であってもよい。
【0044】
このような方法で特定されたドップラーシフト値の精度が高く、ドップラーシフト値および基準クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号をデコードする精度を高く確保することができる。したがって高い通信速度を得ることができる。
【0045】
もちろん、当業者にとっては、他の実行可能な形態を用い、CAモジュール1002が移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現することができ、ここで1種の実現形態のみを提供し、その他の実現形態の説明を省略する。
【0046】
実際の適用において、CAモジュール1002がドップラーシフト値を特定した後、ドップラーシフト値と基準クロック信号とを重ね合わせて、復調クロック信号を特定し、さらに復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、通信システム無線周波数の変調精度が低く、通信速度が遅いとう問題を回避する。すなわち、CAモジュール1002は、基準クロック信号およびドップラーシフト値を重ね合わせるためのダイレクトデジタルシンセサイザーDDSを備え、
CAモジュール1002は、ドップラーシフト値および基準クロック信号に基づいて復調クロック信号を特定する場合、DDSにより基準クロック信号とドップラーシフト値とを重ね合わせて復調クロック信号を特定する。
【0047】
さらに、CAモジュール1002がGPSに基づいて移動速度を特定する場合、モバイル端末における他のGPSで取得された、移動速度を表現する無線周波数信号を用いる必要があるモジュールへの影響を防止するために、GPSで取得された移動速度を表現する無線周波数信号をCAモジュール1002にカップリングすることができることが好ましく、本発明の実施例に係る復調装置は、
GPSで取得された、移動速度を表現する無線周波数信号を、CAモジュール1002とカップリングするためのカップリングモジュールであって、CAモジュール1002と接続されているカップリングモジュールをさらに備える。
【0048】
図11に示すように、本発明の実施例は、さらに、
基準クロック信号を提供するためのPMU1001と、
受信器で特定された移動速度に基づいて、モバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定するための処理ユニット1004と、
モバイル端末の移動速度を特定し、基地局から送信された無線周波数信号、PMU1001で提供された基準クロック信号および処理ユニット1004で特定されたドップラーシフト値を取得し、基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調するためのPMU1001および処理ユニット1004と接続されている受信器1003と、を備える、信号復調装置を提供する。
【0049】
基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する前に、受信器1003がPMU1001から提供された基準クロック信号を取得し、受信器1003により、モバイル端末の移動速度を特定し、処理ユニット1004により、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定し、さらに、受信器1003により、基準クロック信号、およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、信号復調の精度が低下し、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0050】
ここで、処理ユニット1004は、
アプリケーションプロセッサ(application processer、AP)、または
中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であってもよい。
【0051】
もちろん、当業者にとっては、処理ユニット1004として他の使用可能な装置を用いてもよく、ここで、2種の処理ユニット1004として使用可能な装置のみを提供し、そのほかの説明を省略する。
【0052】
基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する前に、受信器1003がPMU1001から提供された基準クロック信号を取得し、GPSにより、モバイル端末の移動速度を特定し、さらに、処理ユニット1004により、GPSで特定された移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定し、受信器1003は、ドップラーシフト値およびPMU1001から提供された基準クロック信号に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対して復調する。GPSにより特定された移動速度の精度は、非常に高くなるので、移動速度に基づいて特定されたドップラーシフト値の精度を高くさせ、さらに基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信された無線周波数信号に対する変調精度をも高くさせる。これにより、ドップラーシフトが存在する場合、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0053】
ここで、処理ユニット1004が移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定する実現形態は、たくさんあるが、本発明の実施例は、処理ユニット1004が移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現する1種の方法を提供し、当該方法は、
モバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルを、全地球測位システムGPSにより特定するステップと、
設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値|ΔV|を特定するステップと、
設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角αを特定するステップと、
予め設定された|ΔV|およびαの取値範囲とドップラーシフト値とのマッピング関係から、特定した|ΔV|およびαに対応するドップラーシフト値を検索するステップと、を含む。
【0054】
例えば、Fd=|ΔV|×cosα/λに基づいて、GPSで取得されたモバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端末の設定した2つの時点における速度ベクトル方向の夾角の取値範囲のマッピング関係を特定することができ、当該マッピング関係の精度は、当業者により必要に応じて設定されることができる。
【0055】
GPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角の取値範囲のマッピング関係を予め設定し、ドップラーシフト値を特定する必要がある場合、マッピング関係におけるGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトルの差の絶対値及びGPSで取得されたモバイル端の設定した2つの時点の速度ベクトル方向の夾角と対応するドップラーシフト値だけを特定すればよく、モバイル端末の処理量が低い。
【0056】
もちろん、当業者にとっては、他の実行可能な形態を用い、処理ユニット1004が移動速度に基づいてドップラーシフト値を特定することを実現することができ、ここで1種の実現形態のみを提供し、その他の実現形態の説明を省略する。
【0057】
実際の適用において、受信器1003は、ドップラーシフト値と基準クロック信号とを重ね合わせて復調クロック信号を特定し、さらに復調クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調することにより、ドップラーシフトが存在するため、通信システム無線周波数の変調精度が低く、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0058】
もちろん、当業者にとっては、他の実行可能な形態を用い、受信器1003がドップラーシフト値および基準クロック信号に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調することを実現することができ、ここで、その他の実現形態の説明を省略する。
【0059】
本発明の実施例は、ドップラーシフトによる通信速度への影響を減少するために、信号復調方法および装置を提供する。基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する場合、PMUから提供される基準クロック信号を取得した後、さらに移動速度を特定し、移動速度に基づいてモバイル端末が基地局から送信された無線周波数信号を受信する時に発生するドップラーシフト値を特定する必要があり、再び、基準クロック信号およびドップラーシフト値に基づいて、基地局から送信され、受信した無線周波数信号に対して復調する。基地局から送信された無線周波数信号に対して復調する場合、ドップラーシフトの影響を考慮したため、復調の精度が高くなる。これにより、ドップラーシフトが存在する場合、通信速度が遅いという問題を回避する。
【0060】
当業者にとって、本発明の実施例が方法、システム、或いはコンピュータープログラム製品として提供されることができることを理解するべきである。従って、本発明は、完全なハードウェアによる実施例、完全なソフトウェアによる実施例、或いはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによる実施例の形態を使用することができる。また、本発明は、1つ又は複数のコンピューター使用可能プログラム・コードが記憶されたコンピューターで使用可能な記憶媒体(ディスクメモリや、CD−ROMや、光メモリ等が挙げられるが、これに限定しない)において実施できるコンピュータープログラム製品であってもよい。
【0061】
本発明については、本発明の実施例の方法と、装置(システム)と、コンピュータープログラム製品とに基づくフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明する。コンピュータープログラム指令で、フローチャート及び/又はブロック図における各ステップ及び/又は各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるステップ及び/又はブロックの組合せを実現すると理解すべきである。このようなコンピュータープログラム指令を汎用コンピューター、専用コンピューター、組込みプロセッサ、或いはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供して一つの機器を実現することができ、このようにして、コンピューター或いはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサで実行する指令によって、フローチャートの一つ或いは複数の処理、及び/又は、ブロック図の一つ或いは複数のブロックで指定された機能を実現するための装置を生成することができる。
【0062】
このようなコンピュータープログラム指令は、コンピューター或いはその他のプログラム可能なデータ処理装置が特定の方式で動作するように案内する、コンピューターが読み取り可能なメモリに記憶され、該コンピューターが読み取り可能なメモリに記憶されている指令によって、指令装置を含む製品を生成するようにしてもよい。該指令装置は、フローチャートの一つ或いは複数の処理、及び/又は、ブロック図の一つ或いは複数のブロックで指定された機能を実現する。
【0063】
このようなコンピュータープログラム指令は、コンピューター、或いはその他のプログラム可能なデータ処理装置にローディングされ、コンピューター、或いはその他のプログラム可能なデバイスで一連の操作ステップを実行して、コンピューターによる処理を実現してもよい。これによって、コンピューター、或いはその他のプログラム可能な装置で実行する指令によって、フローチャートの一つ或いは複数のステップ、及び/又は、ブロック図の一つ或いは複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0064】
本発明の好ましい実施例を説明したが、当業者は、基本的な思想を理解すると、上記実施例に対して他の変更や補正をすることができる。そのため、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例及び本発明の範囲内において行う全ての変更及び補正を含むことを解釈すべきである。
【0065】
もちろん、当業者は、本発明の主旨と範囲を逸脱しない範囲で本発明に対してさまざまな補正と変形を行うことができる。このように、本発明のこれらの補正と変形が本発明の特許請求の範囲、及びその均等な技術の範囲に属している場合、本発明はこのような補正と変形も含むことを意図する。
【0066】
本願は、出願番号がCN201310195569.3であって、出願日が2013年5月23日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11