特許第6096924号(P6096924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096924
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】洗面所用酸素容器アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A62B 7/14 20060101AFI20170306BHJP
   A62B 25/00 20060101ALI20170306BHJP
   F17C 13/08 20060101ALI20170306BHJP
   B64D 11/02 20060101ALI20170306BHJP
   B64D 25/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A62B7/14
   A62B25/00
   F17C13/08 301A
   B64D11/02
   B64D25/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-546534(P2015-546534)
(86)(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-508040(P2016-508040A)
(43)【公表日】2016年3月17日
(86)【国際出願番号】US2013072627
(87)【国際公開番号】WO2014088952
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年7月14日
(31)【優先権主張番号】61/732,793
(32)【優先日】2012年12月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/090,734
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】シュレイダー、アダム リー
(72)【発明者】
【氏名】マータ、ケニス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マクルランド、マーク ウェスリー
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−138932(JP,A)
【文献】 特表2000−510073(JP,A)
【文献】 特表2009−538771(JP,A)
【文献】 特表2010−518302(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/183370(US,A1)
【文献】 特表平5−501904(JP,A)
【文献】 実開平5−3800(JP,U)
【文献】 米国特許第4606521(US,A)
【文献】 特開平7−12298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/14,25/00
B64D 11/02,25/00
F17C 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換する航空機化学的酸素発生器を含んで構成された航空機洗面所用酸素容器内に航空機酸素モジュールを取り付けるための航空機洗面所用酸素容器アダプタであって、その航空機酸素モジュールが航空機化学的酸素発生器の外径よりも小さい外径を有する、前記航空機洗面所用酸素容器アダプタにおいて、
前記航空機洗面所用酸素容器に接続された取付部材と、
前記航空機酸素モジュールを含むように構成されたキャニスタであって、交換する航空機化学的酸素発生器の外径と実質的に整合するように構成された外径を有するとともに、前記航空機酸素モジュールの外径と整合する内径を有する少なくとも一つの内部クレードルを含む前記キャニスタと、
前記取付部材に接続された第1および第2のストラップであって、前記キャニスタの周囲に延びて前記キャニスタおよび前記航空機酸素モジュールを前記取付部材に固定するように構成される前記第1および第2のストラップと、
前記第1および第2のストラップのそれぞれと前記キャニスタとの間にそれぞれ配置された第1および第2の圧縮自在スペーサと、
を備える航空機洗面所用酸素容器アダプタ。
【請求項2】
請求項に記載の航空機洗面所用酸素容器アダプタにおいて、
前記キャニスタと前記取付部材との間に配置された第1および第2の固定クレードルをさらに備える航空機洗面所用酸素容器アダプタ。
【請求項3】
請求項に記載の航空機洗面所用酸素容器アダプタにおいて、
前記キャニスタは、前記航空機酸素モジュールの底を受け入れる基部をさらに含み、
前記キャニスタの基部と前記航空機酸素モジュールの底との間に配置されるように構成される間隔材をさらに備える航空機洗面所用酸素容器アダプタ。
【請求項4】
請求項1に記載の航空機洗面所用酸素容器アダプタにおいて、
前記取付部材は、支持溝を含み
前記第1および第2のストラップは、前記支持溝に接続され、前記支持溝は、前記支持溝の全長に沿って形成されるとともに前記第1および第2のストラップを通過させるように構成された複数の開口部を含む航空機洗面所用酸素容器アダプタ。
【請求項5】
請求項1に記載の航空機洗面所用酸素容器アダプタにおいて、
前記第1および第2のストラップをそれぞれ固定させるよう構成されるとともに前記キャニスタおよび前記航空機酸素モジュールを前記第1および第2のストラップ内に確実に保持するよう構成された第1および第2の留め具をさらに備える航空機洗面所用酸素容器アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月3日付の米国出願第61/732,793号および2013年11月26日付の米国出願第14/090,734号からの優先権を主張し、これらの出願の内容は、その全体がここでの言及によって完全に援用される。
【0002】
本発明は、一般に、航空機洗面所用酸素モジュールに関し、特に、化学的酸素発生器を収容するように構成されている既存の酸素容器内で使用するための、新たに義務付けられた交換用酸素モジュールの適応に関する。
【背景技術】
【0003】
FAA(連邦航空局)耐空指令整理番号FAA−2012−0102;総局識別子2012−NM−004−AD;改正39−17072;AD2012−11−09は、洗面所用酸素容器において現在使用中の化学的酸素発生器を取り替えて新規の交換用酸素モジュールを使用することを要求する。その酸素モジュールは、現在の酸素容器が構成されている化学的酸素発生器と同じ全体的なインターフェース寸法、幾何学的形状、重心または重量を持っていない。既存の酸素容器の認証のための基準を変更することなく、あるいは最小限の変更のみで、既存の酸素容器での使用に交換用モジュールを適合させられるのが最も望ましい。
【0004】
このように、航空機に現在設置されている既存の酸素容器を変更不要とする(または変更を最小限とする)、交換用酸素モジュールを適合させる方法が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
簡単に大まかに言えば、本発明は、以前使用された化学的酸素発生器を収容するように構成された航空機洗面所容器内への交換用酸素モジュールの適応を提供する。本発明の適応方式は、全体的なインターフェース寸法、形状、重心、および重量の差を補填し、現在の航空機に設置されている既存の酸素容器の変更を必要とせず、または最小限の変更のみを必要とする。この結果、容器の認証基準は変更されない。
【0006】
本発明は、交換する航空機化学的酸素発生器を含んで構成された航空機洗面所用酸素容器内に航空機酸素モジュールを取り付けるための航空機洗面所用酸素容器アダプタであって、その航空機酸素モジュールが航空機化学的酸素発生器の外径よりも小さい外径を有する航空機洗面所用酸素容器アダプタを提供する。航空機洗面所用酸素容器アダプタは、好ましくは、航空機洗面所用酸素容器に接続された取付部材と、取付部材に接続された1以上のストラップであって、航空機酸素モジュールの周囲に延びて航空機酸素モジュールを航空機洗面所用酸素容器に固定するように構成されている1以上のストラップと、を備える。
【0007】
1つの現在好ましい態様において、1以上のストラップは、取付部材に付着された第1および第2のストラップを含み、航空機洗面所用酸素容器アダプタは、航空機酸素モジュールを含むように構成されたキャニスタであって、交換する航空機化学的酸素発生器の外径と実質的に整合するように構成された外径を有するキャニスタと、第1および第2のストラップはキャニスタの周囲に延びてキャニスタを取付部材に固定するように構成された第1および第2のストラップと、を含む。他の現在好ましい態様において、キャニスタは、航空機酸素モジュールの外径と整合する内径を有する1以上の内部クレードルを含む。他の現在好ましい態様において、第1および第2の圧縮自在スペーサがストラップのそれぞれとキャニスタとの間にそれぞれ配置される。他の現在好ましい態様において、第1および第2の固定クレードルが、キャニスタと取付部材との間に配置される。他の現在好ましい態様において、キャニスタは、航空機酸素モジュールの底を受け入れる基部を含み、間隔材がキャニスタの基部と航空機酸素モジュールの底との間に配置されるように構成される間隔材をさらに備える。
【0008】
他の現在好ましい態様において、1以上のストラップは、取付部材に付着された第1および第2のストラップを含み、ストラップと航空機酸素モジュールとの間に配置されるように構成される第1および第2の圧縮自在径スペーサであって、径スペーサの内径は交換用酸素モジュールの外径と整合し、第1および第2の圧縮自在径スペーサの外径は交換する酸素発生器の外径と整合する。他の現在好ましい態様において、第1および第2の固定クレードルが航空機酸素モジュールと取付部材との間に配置される。
【0009】
他の現在好ましい態様において、1以上のストラップは、取付部材に付着された第1および第2のストラップを含み、第1および第2の取付ブラケットは、取付部材に固定されて航空機酸素モジュールを抱えるように構成される。第1および第2のストラップは、第1および第2の取付ブラケットにそれぞれ接続され、航空機酸素モジュールの周囲に延びて航空機酸素モジュールを取付部材に固定するように第1および第2のストラップが構成されている。他の現在好ましい態様において、第1および第2の留め具は、第1および第2のストラップをそれぞれ固定するとともに航空機酸素モジュールを第1および第2のストラップ内に確実に保持するように構成される。
【0010】
他の現在好ましい態様において、1以上のストラップは、航空機酸素モジュールの全長に沿って延びて航空機酸素モジュールを包むように構成されたストラップを含み、そのストラップは、取付部材に固定されるように構成された複数の取付孔、および、航空機酸素モジュールに巻き付けて取付部材に航空機酸素モジュールを固定させるストラップの直径の調整を可能とするよう構成されるストラップに形成された複数の開口部を有する。
【0011】
他の現在好ましい態様において、取付部材は、支持溝を含み、1以上のストラップは、取付部材に付着された第1および第2のストラップを含み、第1および第2のストラップは、支持溝に接続され、支持溝は、支持溝の全長に沿って形成されるとともに第1および第2のストラップを通過させるように構成された複数の開口部を含む。他の現在好ましい態様において、第1および第2の留め具は、第1および第2のストラップをそれぞれ固定させるよう構成されるとともに航空機酸素モジュールを第1および第2のストラップ内に確実に保持するよう構成される。
【0012】
本発明のこれらの特徴および他の特徴および利点は、本発明の動作を例として示している以下の好適な態様の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】酸素容器内の適所にある化学的酸素発生器の斜視図である。
図1B】酸素容器内の適所にある本発明に従って適合された交換用酸素モジュールの斜視図である。
図2】従来技術の酸素発生器取付けの斜視図である。
図3A】酸素容器内に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明の好適な実施形態の図である。
図3B図3Aに示す好適な実施形態の断面図である。
図4】酸素容器内に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明の代替の好適な実施形態の斜視図である。
図5】酸素容器内に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明の他の代替の好適な実施形態の斜視図である。
図6】酸素容器内に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明のさらに代替の好適な実施形態の斜視図である。
図6A】酸素容器内に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明のさらに代替の好適な実施形態の斜視図である。
図6B】酸素容器内に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明のさらに代替の好適な実施形態の斜視図である。
図7】酸素容器に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明のさらなる代替の好適な実施形態の斜視図である。
図7A】酸素容器に交換用酸素モジュールを取り付けるための本発明のさらなる代替の好適な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aは、洗面所用酸素容器12内に設置された、これまで許されていた化学的酸素発生器などの化学的酸素源10を示す一方、図1Bは、同じ洗面所用酸素容器12内に設置される新しく義務付けられた交換用酸素モジュール14を示す。酸素容器はそれらのドアまたはカバー16とともにその中の構成要素の配置を明らかにするために開いた位置にて示される。化学的酸素発生器と交換用酸素モジュールは、直径、長さ、固定点、および重心を含む幾何学形態の点で異なる。
【0015】
図2は、洗面所用酸素容器12内のこれまで許可されていた化学的酸素発生器の取付構成のより詳細な図を示す。発生器10は、その直径の周りに延びるとともに取付部材20に付着されている2つの固定ストラップ18によって適所に保持される。圧縮自在スペーサ22がストラップと酸素発生器との間に配置される一方、固定クレードル24は酸素発生器と取付部材との間に配置される。
【0016】
図3Aおよび図3Bは、交換対象の酸素発生器よりもかなり小さい交換用酸素モジュール26の取り付けを提供する本発明の好ましい実施形態を示す。図2に示される同じストラップ18、スペーサ22、およびクレードル24は、モジュール26を含むキャニスタ28を取付部材20に取り付けるために使用される。キャニスタは、酸素発生器と交換用酸素モジュールとの間の大きさの違いを補填することを任され、内部クレードル30の内径は交換用酸素モジュールの外径に整合し、その外径は、交換されようとしている酸素発生器の外径と整合する。モジュールの基部における追加の間隔材32は、その長さの差を補填する。
【0017】
図4は、交換対象の酸素発生器よりもかなり小さい交換用酸素モジュール34の取り付けを提供する本発明の代替的な好ましい実施形態を示す。図2に示される同じストラップ18、スペーサ22、およびクレードル24は、取付部材20にモジュール34を取り付けるために使用される。直径スペーサ36は、酸素発生器と交換用酸素モジュールとの直径の大きさの違いを補填することを任され、直径スペーサの内径は交換用酸素モジュールの外径に整合し、その直径スペーサの外径は、交換されようとしている酸素発生器の外径と整合する。
【0018】
図5は、交換対象の酸素発生器よりもかなり小さい交換用酸素モジュール38の取り付けを提供する本発明の他の好ましい実施形態を示す。交換用スペーサブラケット40は、容器取付要素20内の既存の締結位置42を介して取り付けるとともに交換用酸素モジュールをクレードルするよう構成されるために使用される。クレードルブラケットはさらに、ストラップ46を通してモジュールの周りに延びて収容するように構成される。種々の締結手段48のいずれも、ストラップを固定して酸素モジュールを適所に保持するために使用されてもよい。
【0019】
図6は、交換対象の酸素発生器の寸法とは異なる寸法を有する交換用酸素モジュール52の取り付けを提供する本発明のさらに好ましい実施形態を示す。ストラップ54は、モジュール全体を包むような大きさであるとともに容器取付要素20内に形成された既存の締結位置42に整合する取付孔を有する。ストラップ内に形成された開口部56は、ストラップの径をモジュールに巻き付けて様々な径のモジュールを適所に固定させる調整を可能とする。図6Aは、容器取付要素20に取り付けられた小径の交換用酸素モジュール58を示す一方、図6Bは、同じ容器取付要素20に取り付けられた大径の交換用酸素モジュール60を示す。
【0020】
図7は、広範なサイズの交換用酸素モジュールの酸素容器12への取り付けを提供する本発明の他の好ましい実施形態を示す。この実施形態は、酸素容器に直接取り付けられた支持溝62に依存する。ストラップを通せるように構成された一連の開口部64は、その長さに沿って形成される。図7Aは、酸素容器内においてアダプタ溝上の適所にある酸素モジュール66を示す。ストラップ68は、溝内とモジュール周囲の適切な開口部を通る一方、締結手段70はストラップを固定し、その結果、モジュールが適所に固定される。
【0021】
さらなる代替として、交換用酸素モジュールが取り付けられるようにモジュールから突出部を提供することをラグマウント上のストラップに依存してもよい。その取り付けラグは、モジュール上に結び付けられてもよいし、あるいは、溶接または接着二次加工によりモジュールに固定されてもよい。
【0022】
本発明の特定の形態を図示し説明してきたが、様々な変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による以外に限定されることを意図しない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図6A
図6B
図7
図7A