特許第6096937号(P6096937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096937
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】発光装置及び関連する投影システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170306BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20170306BHJP
   F21V 9/16 20060101ALI20170306BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170306BHJP
【FI】
   F21S2/00 311
   G03B21/14 A
   F21V9/16 100
   F21S2/00 340
   F21Y115:10
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-559416(P2015-559416)
(86)(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公表番号】特表2016-510160(P2016-510160A)
(43)【公表日】2016年4月4日
(86)【国際出願番号】CN2014072779
(87)【国際公開番号】WO2014135040
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2015年8月28日
(31)【優先権主張番号】201310071414.9
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515237430
【氏名又は名称】アポトロニクス チャイナ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】フー フェイ
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−110109(JP,A)
【文献】 特開2012−014972(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/092841(WO,A1)
【文献】 特開2012−234161(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/042563(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0242495(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0182712(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00 −19/00
F21V 1/00 −15/04
G03B21/00 −21/10
G03B21/12 −21/13
G03B21/134−21/30
G03B33/00 −33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を生成する励起光源と、
第1光を生成する第1補充レーザ光源と、
前記励起光を吸収することで被励起光を生成し、且つ、前記第1光を吸収しない波長変換層を含む波長変換装置と、
第1領域及び第2領域を含む導光装置とを含み、
前記波長変換層における1つの側は、前記励起光及び第1光を受け取り、当該1つの側において、少なくとも一部の前記第1光、及び少なくとも一部の前記被励起光又は前記被励起光と吸収されなかった前記励起光との少なくとも一部の混合光を出射し、
前記第2領域は、前記第1領域を取り囲んでおり、
前記第1領域は前記第2領域よりも小さく、前記第1補充レーザ光源からの前記第1光及び前記励起光源からの前記励起光は第1光通路からそれぞれ前記導光装置の前記第1領域及び少なくとも前記第2領域まで入射し、それぞれ前記第1領域及び少なくとも前記第2領域により前記波長変換装置まで導光され、前記導光装置の前記第2領域はさらに前記波長変換装置からの前記被励起光及び反射された前記第1光を第2光通路まで導光し、出射させることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記導光装置は第1フィルター及び第1反射素子を含み、前記第1フィルターは第1位置及び第2位置を含み、前記第1反射素子は、前記第1フィルターの前記第1位置に積層固定されており、
前記第1光通路から入射した前記第1光を前記波長変換装置まで反射するため、前記第1フィルターの前記第1位置及び前記第1反射素子は前記導光装置の前記第1領域を構成し、
前記第1光通路から入射した前記励起光を前記波長変換装置まで反射し、前記波長変換装置からの前記被励起光及び第1光を前記第2光通路まで透過し、出射させるため、前記第1フィルターの前記第2位置は前記導光装置の前記第2領域を構成することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記導光装置は第1フィルターを含み、当該第1フィルターは第1位置及び第2位置を含み、ここで、前記第1位置には、貫通孔が設けられており、
前記第1光通路から入射した前記第1光を前記波長変換装置まで透過出射するため、前記第1フィルターの前記第1位置は前記導光装置の前記第1領域を構成し、
前記第1光通路から入射した前記励起光を前記波長変換装置まで透過出射し、前記波長変換装置からの前記被励起光及び第1光を前記第2光通路まで反射し、出射させるため、前記第1フィルターの前記第2位置は前記導光装置の前記第2領域を構成することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記波長変換層は黄色被励起光を生成し、前記第1光は赤色レーザ光であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光装置は第2光を生成する第2補充レーザ光源及び散乱装置をさらに含み、当該散乱装置は前記第2補充レーザ光源からの前記第2光を散乱し、
前記導光装置における、前記被励起光の入射に背向する1つの側は、前記散乱装置により散乱された前記第2光を受け取り、それを前記第2光通路まで導光し、出射させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
前記散乱装置は対向する第1表面と第2表面とを含み、
前記第2補充レーザ光源からの前記第2光は、前記第1補充レーザ光源からの前記第1光とともに、前記第1光通路から前記導光装置の前記第1領域まで入射し、当該導光装置の第1領域はさらに前記第2光を前記散乱装置の前記第1表面まで導光し、当該第2光は当該散乱装置により散乱された後、当該散乱装置の前記第1表面から前記導光装置における、前記被励起光の入射に背向する1つの側まで出射することを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記散乱装置及び前記波長変換装置は互いに固定されており、前記第1光及び第2光によりそれぞれ当該波長変換装置及び前記散乱装置に形成された光スポットが所定経路に従って動くように、前記発光装置は当該波長変換装置及び前記散乱装置を駆動する駆動装置をさらに含み、
前記導光装置は、散乱反射された少なくとも一部の前記第2光を前記導光装置における、前記被励起光の入射に背向する1つの側まで導光するための第2反射装置をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第2反射装置はさらに前記第2補充レーザ光源からの前記第2光を前記散乱装置まで導光することを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第2補充レーザ光源からの前記第2光は前記第1光通路から前記導光装置まで入射し、当該導光装置により前記第2反射装置まで導光されることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記波長変換装置は前記波長変換層と積層設置された散乱反射層をさらに含み、ここで、当該波長変換層における、当該散乱反射層に背向する1つの側は前記励起光及び第1光を受け取ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の前記発光装置を含むことを特徴とする投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明及び表示技術分野に関し、特に、発光装置及び関連する投影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
青色光を用いて黄色光蛍光体を励起することで黄色光を生成し、当該黄色光を緑色光及び赤色光に分光し、又は、当該黄色光を青色光と混合することで白色光を生成することは、従来技術の投影表示などの分野におけてよく用いられている光源案である。しかしながら、現在使用されている黄色光蛍光体は、基本的にYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)蛍光体であり、YAG蛍光体が励起されて生成した黄色光における赤色光のバンドの成分比率が低い。よって、投影表示などの分野に応用される場合、分光された赤色光又は光合成された白色光の表示効果は、劣っている。
【0003】
従来技術における一つの解決方法としては、蛍光体が出射した黄色光に赤色光を加えることである。例えば、図1は、従来技術における一種の発光装置の構造模式図であり、図1に示すように、発光装置は、青色光レーザ光源110と、赤色光レーザ光源120と、青色光を反射して他の光を透過させるためのフィルター130と、黄色光を透過させて赤色光を反射するフィルター140と、反射式のカラーホイール装置150と、レンズ160と、角棒170とを備える。青色光レーザ光源110が出射した励起光は、フィルター130により波長変換装置150に反射される。波長変換装置150は、励起光の光路と区別するように、励起光を吸収し、黄色被励起光をフィルター130に出射して透過させるための黄色光蛍光体を備える。フィルター130は、黄色被励起光を出射する出射光路に位置することによって、フィルター140は、それぞれ当該フィルター140の両側から入射された黄色被励起光と赤色レーザ光を1つの合成光に合成する。当該合成光は、レンズ160により角棒170内に収集されて均一に発光される。
【0004】
しかしながら、当該方案においては、蛍光体が出射した被励起光は、ランバーシアン分布であり、レーザ光は、ガウス分布であり、当該2つの光の合成光は、均一ではないため、角棒170により均一に発光されても、均一性は、依然として悪い。
【0005】
それとともに、発光装置の輝度に対するニーズが高まるにつれて、青色光レーザ光源110に必要な出力が高くなり、青色光の光源は、レーザダイオードをより多く含むことが求められるので、青色光の光源の発光面積は、非常に大きくなってしまう。それに対して、補充光源としての赤色光レーザ光源120は、少ない必要な量で要求を満たせるため、赤色光レーザ光源120が出射した光束の断面積は、とても小さい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、構造が簡潔な発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、励起光を生成するための励起光源と、第1光を生成するための第1補充レーザ光源と、前記励起光を吸収することで被励起光を生成し、且つ、第1光を吸収しない波長変換層を含む波長変換装置と、第1領域及び第2領域を含む導光装置とを備える発光装置を提供する。
【0008】
前記波長変換層における1つの側は、前記励起光及び第1光を受け取り、当該1つの側において、少なくとも一部の前記第1光、及び少なくとも一部の前記被励起光又は前記被励起光と吸収されなかった前記励起光との少なくとも一部の混合光を出射する。
【0009】
前記第1領域は、前記第2領域より小さく、前記レーザ光源からの前記第1光及び前記励起光源からの前記励起光が第1光通路からそれぞれ前記導光装置の前記第1領域及び少なくとも前記第2領域に入射され、それぞれ前記第1領域及び少なくとも前記第2領域により前記波長変換装置に導光され、前記導光装置の第2領域は、さらに前記波長変換装置からの前記被励起光及び反射された前記第1光を第2光通路に導光して出射させる。
【0010】
好ましくは、前記導光装置は、第1フィルターと、第1反射素子とを含み、前記第1フィルターは、第1位置と、第2位置とを含み、前記第1反射素子は、前記第1フィルターの前記第1位置に積層固定されている。
【0011】
前記第1光通路から入射された前記第1光を前記波長変換装置に反射させるように、前記第1フィルターの前記第1位置及び前記第1反射素子は、前記導光装置の前記第1領域を構成する。
【0012】
前記第1光通路から入射された前記励起光を前記波長変換装置に反射させ、前記波長変換装置からの前記被励起光及び前記第1光を前記第2光通路に透過させるように、前記第1フィルターの前記第2位置は、前記導光装置の前記第2領域を構成する。
【0013】
好ましくは、前記導光装置は、第1フィルターを含み、当該第1フィルターは、前記第1位置及び前記第2位置を含み、ここで、前記第1位置には、貫通孔が設けられている。
【0014】
前記第1光通路から入射された前記第1光を前記波長変換装置に透過させるように、前記第1フィルターの前記第1位置は、前記導光装置の前記第1領域を構成する。
【0015】
前記第1光通路から入射した前記励起光を前記波長変換装置に透過させ、前記波長変換装置からの前記被励起光及び第1光を前記第2光通路に反射して出射させるように、前記第1フィルターの前記第2位置は前記導光装置の前記第2領域を構成する。
【0016】
好ましくは、前記波長変換層は、黄色被励起光を生成し、前記第1光は、赤色レーザ光である。
【0017】
好ましくは、前記発光装置は、前記第2光を生成する前記第2補充レーザ光源と、散乱装置とをさらに含み、当該散乱装置は、前記第2補充レーザ光源からの前記第2光を散乱する。
【0018】
前記導光装置における、前記被励起光の入射に背向する1つの側は、前記散乱装置により散乱された前記第2光を受け取り、且つ当該第2光を前記第2光通路に導光して出射させる。
【0019】
好ましくは、前記散乱装置は、対向する第1表面と第2表面を含み、前記第2補充レーザ光源からの前記第2光は、前記第1補充レーザ光源からの前記第1光とともに前記第1光通路から前記導光装置の前記第1領域に入射され、当該導光装置の前記第1領域は、さらに前記第2光を前記散乱装置の前記第1表面に導光し、当該第2光は、当該散乱装置により散乱された後、当該散乱装置の前記第1表面から前記導光装置における、前記被励起光の入射に背向する1つの側に出射させる。
【0020】
好ましくは、前記散乱装置及び前記波長変換装置は、互いに固定されており、前記発光装置は、前記第1光及び第2光によりそれぞれ前記波長変換装置及び前記散乱装置に形成された光スポットが所定経路に従って動くように、前記波長変換装置及び前記散乱装置を駆動する駆動装置をさらに含む。
【0021】
前記導光装置は、散乱して反射された少なくとも一部の前記第2光を前記導光装置における、前記被励起光の入射に背向する1つの側に導光するための第2反射装置をさらに含む。
【0022】
好ましくは、前記第2反射装置は、さらに前記第2補充レーザ光源からの前記第2光を前記散乱装置に導光する。
【0023】
好ましくは、前記第2補充レーザ光源からの前記第2光は、前記第1光通路から前記導光装置に入射され、当該導光装置により前記第2反射装置に導光される。
【0024】
好ましくは、前記波長変換装置は、前記波長変換層と積層設置された散乱反射層をさらに含み、ここで、当該波長変換層における、当該散乱反射層に背向する1つの側は、前記励起光及び第1光を受け取る。
【0025】
本発明における実施例は、上述した発光装置を含む投影装置をさらに提供する。
【0026】
従来技術に比べ、本発明は、下記のような有益な効果を有する。
【0027】
補充レーザ光源が発した補充光の光束の断面積は、比較的小さいため、導光装置における比較的小さい第1領域は、補充光を波長変換装置に導光することができるが、レーザ光源が生成した励起光束、波長変換装置が出射した被励起光の光束及び波長変換層により反射して散乱された少なくとも一部の補充光の断面積は、比較的大きいため、励起光の光路と区別するように、比較的大きい第2領域は、励起光を波長変換装置に導光すると同時に、被励起光及び反射して散乱された少なくとも一部の補充光を第2光通路に導光することができる。このように、分光と光合成は、導光装置のみで完成することができ、発光装置の構造を簡潔にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、従来技術における一種の発光装置の構造模式図である。
図2図2は、本発明における発光装置の一つの実施例にかかる構造模式図である。
図3図3は、本発明における発光装置のもう一つの実施例にかかる構造模式図である。
図4図4は、本発明における発光装置のさらにもう一つの実施例にかかる構造模式図である。
図5図5は、本発明における発光装置のさらにもう一つの実施例にかかる構造模式図である。
図6図6は本発明における発光装置のさらにもう一つの実施例にかかる構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面と実施形態を参照しながら、本発明における実施例を詳しく説明する。
【0030】
実施例1
図2は、本発明における発光装置の一つの実施例にかかる構造模式図である。発光装置は、励起光源1と、第1補充レーザ光源2と、波長変換装置3と、導光装置4とを含む。
【0031】
励起光源1は、励起光を生成する。第1補充レーザ光源2は、第1光を生成する。高輝度を有する発光装置を提供するために、励起光源1には、数の多い発光デバイスのアレイが含まれているが、補充光として、色を改善するための第1光の必要な量は、励起光よりも比較的少ないため、第1補充レーザ光源2におけるレーザダイオードの数は、励起光源1における発光デバイスのアレイの数より遥かに少ない。本実施例においては、励起光源1は、青色光レーザ光源であり、第1補充レーザ光源2は、赤色光レーザ光源であり、当該二つの光源は、同一の平面上に位置し、一つのアレイに配列しており、ここで、励起光源1は、第1補充レーザ光源2を取り囲んでいる。当然ながら、実際の応用にいては、レーザ光源1及び第1補充レーザ光源2により生成された色は、他の色であってもよく、上述した実施例に限定されるものではないが、前者は、励起効率の高い445nmの青色光レーザ光源であることが好ましい。励起光源1は、発光ダイオード又は他の固体発光デバイスのアレイを含んでもよく、レーザダイオードに限定されない。
【0032】
第1光は、励起光とともに第1光通路から導光装置4に入射される。導光装置4は、第1フィルター41と、第1反射素子42とを含み、ここで、第1フィルター41は、励起光を反射し、被励起光及び第1光を透過させ、第1フィルター41は、第1位置と、第2位置とを含み、第1反射素子42は、第1位置に固定されており、第1光を反射する。本実施例において、第1反射素子42は、具体的に小さい反射鏡である。導光装置4は、第1領域と、第2領域とを含み、ここで、第1フィルター41の第1位置と第1反射素子42は、第1領域を構成し、第1フィルター41の第2位置は、第2領域を構成する。
【0033】
第1フィルター41の第1位置には、一つの貫通孔が設けられており、第1反射素子42が当該貫通孔内に固定されている。加工を便利にするため、第1反射素子42を直接に第1フィルター41の第1位置に積層固定することが好ましい。第1反射素子42は、第1フィルター41における第1補充レーザ光源2と背向する1つの側又は対向する1つの側に固定することができるが、後者は好ましい。これにより、第1光が第1反射素子42により反射される前後において、第1フィルター41を通ることによる光の損失を避けることができる。
【0034】
導光装置4の二つの領域をそれぞれ第1補充レーザ光源2及び励起光源1の配列位置と一対一で対応させるため、第2領域は、第1領域を取り囲んでおり、第1補充レーザ光源2により出射された第1光は、第1光通路から導光装置4の第1領域に入射され、第1反射素子42により波長変換装置3に反射され、励起光源1により出射された励起光は、第1光通路から導光装置4の第2領域に入射され、第1フィルター41により波長変換装置3に反射される。レーザ光源1における発光デバイスは、第1補充レーザ光源2における発光デバイスより多いため、導光装置4の第1領域は、第2領域より小さい。
【0035】
波長変換装置3は、積層して設置された波長変換層31と、散乱反射基板32とを含む。波長変換層31は、対向する第1表面31aと第2表面31bを含み、ここで、第1表面31aは、散乱反射基板32に背向し、励起光及び第1光を受け取る。波長変換層31には、励起光を吸収し、被励起光又は被励起光と吸収されなかった励起光との混合光を出射するための波長変換材料が設けられており、さらに、当該波長変換材料は、第1光を吸収しないため、導光装置4からの第1光は、波長変換層31を直接に通し、散乱反射基板32に到達する。
【0036】
本実施例において、励起光を受け取り、それを黄色被励起光に変換して出射するために、波長変換材料は、具体的に黄色光波長変換材料であり、ここで、当該被励起光は、ランバーシアン分布をなしている。実際の応用の中では、波長変換材料は、蛍光体、量子点又は蛍光染料などの波長変換能力を有する材料であってもよい。波長変換材料は、一般的に接着剤により一体に接着されており、最もよく使用されるのは、シリカゲル接着剤であり、その化学的性質が安定で、比較的高い機械強度を有する。但し、シリカゲル接着剤に耐えられる温度は、比較的低く、一般に300℃〜500℃である。高出力の発光装置に応用するため、好ましくは、無機接着剤により波長変換材料を一体に接着することができ、例えば、水ガラス又はガラス粉により、耐高温の反射式蛍光体ホイールを実現する。例えば、ある程度の不活性ガス雰囲気による保護の元で、蛍光体及びガラス粉 (温度に対する要求が低い場合、低温ガラス粉を使用することができる )を溶解混合して成形を行う。
【0037】
散乱反射基板32は、積層設置された散乱反射層321及び基板322を含む。散乱反射層321は、基板322と波長変換層31との間に位置し、波長変換層31に近い表面は、第3表面321aである。
【0038】
波長変換層31を通した第1光及び波長変換層31が第2表面31bから出射した被励起光を全て散乱し、散乱された光を全て第3表面321aから出射するため、散乱反射層321は、散乱材料又は散乱構造を含み、第3表面321aから出射した第1光の分布は、ランバーシアン分布に近似するようにする。そのため、散乱材料による光に対する若干の吸收が生じる損失を考慮しない場合、波長変換層31の第2表面31bから出射した光は、散乱反射層321の散乱反射により再び全て波長変換層31に戻り、最終的に、波長変換層31の第1表面31aから出射するように、本実施例における散乱反射層321の厚みは、十分に大きくすることが必要である。最終的に、波長変換層31の第1表面31aから出射した第1光と被励起光との合成光は、当該二つの光の角度分布がマッチングすることにより、合成光が均一になる。
【0039】
散乱反射層321を固定するために、散乱反射基板32には、散乱反射層321を支持するように、基板322が設けられている。但し、散乱反射層自身の剛性が十分である場合(例えば、散乱材料を透明ガラスに混合して形成する)、基板322を省略することもできる。本実施例において、基板322において、反射膜をメッキ加工することもでき、散乱反射層321により散乱された光は、全て第2表面321aから出射することを確保する。
【0040】
説明しなければならないのは、上述した積層設置された波長変換層31及び散乱反射基板32は、波長変換層31と散乱反射基板32との間の結合力を補強するように、密着されている。また、両者が密着することにより、光出射面と散乱反射基板32との間の距離を短縮することができ、光の波長変換層31における拡散度を軽減することができる。類似的に、散乱反射基板32における散乱反射層321と基板322との関係も同様である。
【0041】
当然ながら、波長変換層31が十分に厚く、自身の剛性も十分な場合、散乱反射基板32を省略することもできる。このように、少なくとも一部の第1光は、波長変換層31より散乱反射された後、第1表面31aから出射され、第1表面31aから出射された少なくとも一部の被励起光又は被励起光と吸収されなかった励起光との少なくとも一部の混合光と1つの光に光合成されて出射される。これにより、一部の光は、損失されるが、光の損失を考慮しない場合でも採用することができる。
【0042】
波長変換装置3から出射された光は、ランバーシアン分布をなしているため、波長変換装置3の出射光を導光装置4に収集し、光利用率を向上させるように、波長変換装置3の出射光路に一つの収集レンズ33が設けられていることが好ましい。
【0043】
波長変換装置3が出射した被励起光と第1光との合成光は、収集された後、導光装置4に入射され、ここで、第2領域に入射された合成光は、第1フィルター41を透過して第2光通路から出射されるが、第1領域に入射された合成光は、第1反射素子42の反射により、全て損失される。第1領域の面積は、第2領域より遥かに小さいため、この損失は、無視してもよい。波長変換装置3が出射した光には、吸収されなかった励起光が含まれていると、第1フィルター41は、励起光を反射するため、これらの励起光は、反射されて損失される。従って、励起光を全て吸収し、これらの光の損失を避けるように、波長変換装置3は、十分に多い波長変換材料を含むことが好ましい。
【0044】
第1補充レーザ光源2は、レーザ光を出射し、レーザ光は、ガウス分布をなしているが、被励起光は、ランバーシアン分布をなしているため、背景技術における被励起光と補充光としての第1光とを直接的に光合成することで生成された合成光は、均一ではない。本実施例において、波長変換層31を通した第1光は、散乱反射層により散乱反射された後、ランバーシアン分布に近似する。これにより、角度分布がマッチングしているため、波長変換層31の第1表面31aから出射された被励起光及び第1光は、均一に混合される。さらに、導光装置4は、光学拡張量の違いにより、波長変換装置3に入射された第1光と波長変換装置3から出射された第1光の光路を区別するとともに、当該導光装置4は、波長範囲の違いにより、励起光と被励起光の光路を区別し、発光装置の構造を簡潔にする。
【0045】
本実施例において、散乱反射層321は、白色多孔質セラミックス又は白色散乱材料を含むことが好ましく、ここで、当該白色散乱材料は、塩類又は酸化物類であり、例えば、硫酸バリウム粉末、アルミナ粉末又は酸化シリコン粉末など、これらの材料は、基本的に光を吸收しなく、且つ、白色散乱材料の性質は安定で、高温で酸化しない。
【0046】
本実施例において、第1反射素子42は、第1光を反射し、被励起光を透過出射するフィルターであってもよい。このように、波長変換装置3が出射した合成光は、導光装置4の第1領域に入射されるときに、当該合成光の中の第1光のみは、反射されて損失されるが、合成光の中の被励起光は、当該第1反射素子42を透過して第2光通路から出射される。したがって、当該第1反射素子42及び第1フィルター41を同一のフィルターにすることもでき、ここで、当該フィルターについては、領域を分けて膜メッキ加工する。
【0047】
本実施例において、励起光源1が発する光及び第1補充レーザ光源2が発する光は、図2に示した幾何合成光ではなくてもよく、第2フィルター(図示せず)又は偏光板により光合成された後、導光装置4に入射される。ここで、注意しなければならないのは、第2フィルターまたは偏光板により透過され、又は反射された第1光が導光装置4まで入射したときに、全て第1領域に入射できるように、第1光が入射する第2フィルターにおける領域又は偏光板における領域は、導光装置4における第1領域と対応する必要がある。当該実施例において、励起光及び第1光は、波長合成光又は偏光合成光であるため、第2フィルター又は偏光板が出射した合成光の中、励起光が導光装置4の第1領域に入射する場合、第1反射素子42は、同時に励起光を反射する必要がある。これにより、波長変換装置3に入射する励起光の光出力密度を高めることができる。
【0048】
本実施例において、導光装置4の第1領域と第2領域の関係は、後者が前者を取り囲むことではなくてもよく、その他の位置関係としてもよく、第1補充レーザ光源2の配列位置を導光装置4における第1領域の配列位置と対応させ、第1光を第1領域に入射させることができればよい。当然ながら、第1領域は、導光装置4の中心に位置することが好ましく、これにより、導光装置4から出射した第1光は、収集レンズ33の中心を通り、波長変換装置3に到達することができ、効率はより高くなる。
【0049】
本実施例において、波長変換装置3は、励起光により当該波長変換層31に形成された光スポットが所定の経路に沿って当該波長変換層31に作用し、励起光が波長変換層31の同じ位置に長時間作用することによる当該波長変換層31の温度上昇を避けるように、波長変換層31を動かせるに駆動する駆動装置34をさらに含むことができる。具体的に、本実施例において、駆動装置34は、励起光により当該波長変換層31に形成された光スポットが所定の円形の経路に沿って当該波長変換層31に作用するように、波長変換層31を回転するように駆動する。好ましくは、波長変換装置230は、円盤状をなし、波長変換層231は、当該円盤と同心の環状をなし、駆動装置34は、円筒状をなすモータであり、且つ、駆動装置34は、波長変換層31と同軸に固定される。本発明の他の実施形態においては、波長変換層31が他の形式で動くように、駆動装置34は、波長変換層31を駆動することもでき、例えば、水平往復移動などである。波長変換層31における波長変換材料が比較的高い温度を耐えられる場合、波長変換装置3には、駆動装置を設けなくてもよい。
【0050】
図3は、本発明における発光装置のもう一つの実施例にかかる構造模式図である。発光装置は、励起光源1と、第1補充レーザ光源2と、波長変換装置3と、導光装置4とを含む。
【0051】
本実施例と図2に示した実施例の違いは、以下の通りである。
【0052】
導光装置4は、第1フィルター41を含み、当該第1フィルター41は、第1位置及び第2位置を含み、ここで、第1位置には、貫通孔41aが設けられている。第1フィルター41は、励起光を透過させ、被励起光及び第1光を反射する。本実施例において、第1フィルターの第1位置は、導光装置4の第1領域を構成し、第1フィルターの第2位置は、導光装置4の第2領域を構成する。励起光源1が発した励起光及び第1補充レーザ光源2が発した第1光は、第1光通路から導光装置4まで入射され、ここで、第1光は、全て第1領域(すなわち、貫通孔41a)に入射され、波長変換装置3まで透過出射されるが、励起光は、第1フィルター41を通り、波長変換装置3まで透過される。
【0053】
波長変換装置3が出射した被励起光及び第1光は、導光装置4まで入射され、ここで、第2領域に入射された光は、第2光通路まで反射され、出射されるが、第1領域(すなわち、貫通孔41a)に入射された光は、透過し、損失される。
【0054】
実施例2
図4は本発明における発光装置のもう一つの実施例にかかる構造模式図である。発光装置は励起光源1、第1補充レーザ光源2、波長変換装置3及び導光装置4を含む。
【0055】
本実施例が図2に示した実施例との違いは以下のとおりである。
【0056】
発光装置は第2補充レーザ光源5及び散乱装置6をさらに含み、当該散乱装置6は第2補充レーザ光源5が生成する第2光を散乱する散乱層61を含む。導光装置4における第1フィルター41はさらに第2光を反射する。散乱された第2光は、導光装置4における第1フィルター41の被励起光の入射に背向する1つの側に入射し、第2光通路まで反射され、導光装置4により透過出射された被励起光及び第1光ととともに、1束の光に光合成し、出射する。
【0057】
具体的に例を挙げて説明する。第2補充レーザ光源5は青色光を生成することができ、波長変換装置3が出射した黄色光とともに、1束の白色光に光合成し、出射するようにする。したがって、本実施例は、図2に示した実施例において、励起光は被励起光とともに第2光通路から光合成し、出射することができない欠陥を解決することができる。好ましくは、第2光は波長が460nm〜480nm範囲内の青色光であり、投影表示時に表示する青色をREC709の基準により準拠させるようにする。
【0058】
散乱装置6により散乱された第2光の光学拡張量が大きくなるため、散乱装置6の出射光路には、散乱装置6が出射した第2光を導光装置4の第1フィルター41まで収集する一つの収集レンズ7が設けられていることが好ましい。
【0059】
本実施例において、散乱装置6は、第2光により当該散乱装置6に形成された光スポットが所定経路に沿って当該散乱装置6に作用し、熱が同じ領域に集中することを避けるように、散乱層61を動かせるように駆動する駆動装置62をさらに含むことができる。また、本実施例において、駆動装置62が存在することで、散乱層61が回転するため、レーザ光の散乱層61に入射した光スポットの位置は時間とともに変化し、発光装置が投影した領域における輝点の位置は持続的に変化し、この変化の速度が十分に速い場合、人間の目は輝点の存在を知覚することができなくなり、静止する散乱装置に対して、よりよいスペックルを消滅する効果がある。
【0060】
容易に理解できるのは、図3に示した発光装置には、第2補充レーザ光源及び散乱装置を加えることもできる。それに対応し、図3に示した発光装置における貫通孔を有するフィルターは第2光を透過出射する。散乱装置により散乱された第2光は、当該フィルターにおける被励起光の入射に背向する1つの側まで入射し、貫通孔を通り、第2光通路まで透過し、当該フィルターにより反射された被励起光及び第1光とともに、1束の光に光合成し、出射する。
【0061】
図5は本発明における発光装置のもう一つの実施例にかかる構造模式図である。発光装置は励起光源1、第1補充レーザ光源2、波長変換装置3、導光装置4、第2補充レーザ光源5及び散乱装置6を含む。
【0062】
本実施例が図4に示した実施例との違いは以下のとおりである。
【0063】
導光装置4における第1反射素子42は第1光を反射し、第2光を透過するフィルターである。第2補充レーザ光源5が生成した第2光は、第1補充レーザ光源2が生成する第1光とともに、第1光通路から第1反射素子42まで入射し、ここで、第1光は第1反射素子42により波長変換装置3まで反射され、第2光は第1反射素子42により散乱装置6まで透過される。
【0064】
散乱装置6は反射基板63及び当該反射基板63に設けられた散乱層61を含む。散乱層61は対向する第1表面61aと第2表面61bを含み、ここで、第2表面61bは反射基板63と接し、第1表面61aは導光装置4により透過された第2光を受け取る。第2光は散乱層61により散乱され、ここで、散乱層61の第2表面61bから出射した第2光は、反射基板63により反射された後、再び散乱層61に入り、第1表面61aから直接に出射した第2光とともに出射し、導光装置4における被励起光の入射に背向する1つの側まで出射し、ここで、導光装置4の第2領域に入射した第2光は第2光通路に反射され出射するが、第1領域に入射した第2光は透過し、損失される。当該損失された第2光は比較的少ないため、無視することができる。当然ながら、散乱層61が十分に厚い場合、反射基板63を省略することもできる。
【0065】
図4に示した発光装置に採用された透過式の散乱装置において、出射光は入射光の方向に沿って伝播するが、散乱装置において、必ず散乱が非常に小さい局所領域が存在し、ひいては、ピンホール(pin hole)が存在することにより、入射したレーザ光は、非常に少なく散乱され、ひいては、散乱されずに(ピンホールを直接に通す)出射光を形成することができるため、これらの光は依然として強い方向性を有し、ランバーシアン分布に従わない。但し、散乱装置の厚み又は密度を大きくすることで完全にピンホールが生じることを回避しようとすると、入射光の透過率を大幅に低下させ、散乱装置の効率を低下させる。
【0066】
本実施例において、採用された反射式の散乱装置の出射光は入射光の方向と逆方向であり、入射光は必ず散乱反射された後、方向を変えることで出射光を形成することができ、且つ、反射装置の密度又は厚みを大きくすることは効率を低下させないため、レーザ光の光束を散乱する効果はより優れ、ランバーシアン分布により近似する。
【0067】
本実施例において、第2反射素子42は第1光を透過し、第2光を反射することもでき、光路及び導光装置におけるフィルタ曲線を相応に調整すればよい。当業者は上述した実施例における光路に対する説明にしたがって、いかに調整するかを明確に理解できるため、ここで繰り返し述べない。
【0068】
本実施例において、第2反射素子42は偏光板であってもよく、且つ、第1光通路から当該偏光板に入射した第1光は第2光と偏光状態が異なり、当該偏光板は当該2束の光の光路を区別できるようにする。
【0069】
本実施例において、在第1補充光レーザ光源2と第2補充光レーザ光源5のいずれも必要な量が少ない場合、同一平面上において、当該二つの光源を直接にアレイに配列し、導光装置4の第1領域に対応させることができる。当該二つの補充光レーザ光源に必要な量が多い場合、まず、波長合成光又は偏光合成光により第1光及び第2光を光合成した後、励起光源1とともに幾何合成したり、波長合成したり、偏光合成したりすることができる。
【0070】
図6是本発明における発光装置のもう一つの実施例にかかる構造模式図である。発光装置は励起光源1、第1補充レーザ光源2、波長変換装置3、導光装置4及び第2補充レーザ光源5を含む。
【0071】
本実施例が図5に示した実施例との違い以下のとおりである。
【0072】
本実施例において、波長変換装置3と散乱装置6とも、互いに固定するように、同一円形基板(図示せず)に位置し、且つ、当該円形基板と同心の環状をなし、ここで、当該二つの環状の直径は異なり、波長変換装置3及び散乱装置6は当該円形基板における異なる環状領域に位置するようにする。当該円形基板が回転するように、発光装置は、当該円形基板と同軸に固定され、当該円形基板を駆動する駆動装置9をさらに含む。発光装置は第2反射装置をさらに含み、当該第2反射装置は導光装置4からの第2光を散乱装置6まで反射する第2反射素子8を含む。当該第2反射素子8は反射鏡又は第2光を反射するフィルターであってもよい。
【0073】
本実施例において、散乱装置及び波長変換装置は同一の駆動装置により駆動されるため、図5に示した発光装置と比べ、駆動装置を一つ少なく使用することができるため、コストを削減することができ、構造をより簡潔にすることができる。
【0074】
実際の応用の中では、波長変換装置3及び散乱装置6は他の形状をなしてもよく、当該両者は他の形式で動くように、駆動装置は当該両者を駆動することもでき、第1光及び第2光がそれぞれ当該波長変換装置及び散乱装置に形成した光スポットは所定経路に従って動くようにすればよい。例えば、波長変換装置3及び散乱装置6は隣接する二つの帯状をなしてもよく、当該両者は水平往復移動するように、当該駆動装置は当該両者を駆動する。
【0075】
本実施例において、波長変換装置3は積層設置された波長変換層及び散乱反射層を含んでいるため、当該散乱反射層は隣接する二つの環状領域に区画することができ、波長変換層は当該散乱反射層における一つの環状領域に積層設置されており、もう一つの環状領域は散乱装置となる。さらに、当該散乱反射層は自身の剛性が十分である場合、本実施例における円形基板を省略することもできる。
【0076】
本実施例において、第2反射素子8には、一つの貫通孔(図示せず)を設けることができ、それと対応し、第2補充レーザ光源5が発する光は、導光装置4における第1フィルター41から第2反射素子8まで透過するのではなくてもよく、第2反射素子8における散乱装置6に背向する1つの側から第2反射素子8の貫通孔まで入射し、散乱装置6まで透過する。第2補充レーザ光源5が出射した第2光はガウス分布であり、光学拡張量は比較的小さく、散乱された第2光はランバーシアン分布に近似し、光学拡張量は比較的大きいため、光学拡張量の違いにより、第2補充レーザ光源5が発した光及び散乱装置6により散乱された光の光路を区別することができる。散乱装置6により散乱して反射された第2光の一部は第2反射素子における貫通孔から透過し、損失されるが、当該貫通孔の面積は、第2反射素子8の面積と比べ、比較的小さいため、当該一部の損失を無視することができる。
【0077】
又は、第2反射装置は第2反射素子8と散乱装置6との間の光路に位置する第3反射素子(図示せず)をさらに含むことができる。当該第3反射素子は小反射鏡又は第2光を反射する小フィルターであってもよく、第2補充レーザ光源5が発した光は、第3反射素子における散乱装置6に対向する1つの側から入射し、散乱装置6まで反射される。散乱装置6により散乱された第2光の一部は当該第3反射素子により反射され、第2反射素子8に到達できず、損失されるが、当該小反射鏡の面積は、散乱装置6により散乱された第2光の断面積と比べ、遥かに小さいため、当該一部の損失を無視することができる。
【0078】
又は、散乱装置6は透過式に設けられており、それと対応し、第2補充レーザ光源5が発した光は散乱装置6における第2反射素子8に背向する1つの側から散乱装置6まで入射する。散乱装置6により散乱された少なくとも一部の第2光は当該散乱装置6における、第2反射素子8に対向する1つの側から第2反射素子8まで出射する。
【0079】
本明細書における各実施例を累進の形式で説明し、各実施例については、主に他の実施例との違いを説明したが、各个実施例における同様又は類似の部分について、互いに参照すればよい。
【0080】
本発明の実施例はさらに投影システムを提供し、当該投影システムは発光装置を含み、当該発光装置は上述した各実施例における構造及び機能を有することができる。当該投影システムにおいては、各種投影技術を採用することができ、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,Liquid Crystal Display)投影技術、デジタルライトプロセッサ(DLP,Digital Light Processor)投影技術が挙げられる。なお、上述した発光装置は照明システムに応用することもでき、例えば、舞台灯照明が挙げられる。
【0081】
上述したのは本発明の実施形態であり、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を用いて実現した等価構成又は等価変換フロー、又は他の関連する技術分野における直接又は間接応用は全て同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6