特許第6096945号(P6096945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6096945少なくとも2つの容器の間でガスおよび/または液体を均一に分配するための制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096945
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】少なくとも2つの容器の間でガスおよび/または液体を均一に分配するための制御装置
(51)【国際特許分類】
   F01M 13/02 20060101AFI20170306BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20170306BHJP
   F02M 25/08 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   F01M13/02
   F02M21/02 301B
   F02M25/08 301B
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-12968(P2016-12968)
(22)【出願日】2016年1月27日
(65)【公開番号】特開2016-148326(P2016-148326A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年1月28日
(31)【優先権主張番号】10 2015 101 886.1
(32)【優先日】2015年2月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】マティアス モラス
【審査官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−026318(JP,A)
【文献】 特開2007−132200(JP,A)
【文献】 特開2001−303960(JP,A)
【文献】 特開2007−205198(JP,A)
【文献】 特開2008−169789(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0011541(US,A1)
【文献】 米国特許第06006732(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 13/02
F02M 21/02−21/06
F02M 25/08
F02M 26/00−26/74
F02M 35/10−35/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のシリンダバンクと、バンクごとの別個の吸入空気フィード部とを有する内燃機関において、異なる内圧を有する少なくとも2つの容器である燃焼ガスインテークシステム(2、3)の間で、ガスおよび/または液体を均一に分配するための制御装置において、
燃料容器および/またはクランクケースから前記シリンダバンクに通じるガスフィードラインアセンブリ(1)がライン(20)とライン(30)とに分岐し、前記ライン(20)、(30)のそれぞれが前記燃焼ガスインテークシステム(2、3)に接続され、更に二重作動式圧力ボックス(4)のチャンバに接続され、
前記二重作動式圧力ボックス(4)は、前記ライン(20)と前記ライン(30)との差圧に基づいて偏向されるダイヤフラム(7)と、前記ダイヤフラム(7)に接続されている摺動要素(8、9)と、前記摺動要素(8、9)を介して起動できるスロットルバルブ(10、11)を含んでおり、前記スロットルバルブ(10、11)は前記ライン20と前記ライン30との内部のガスおよび/または液体のそれぞれを絞ることが可能である、ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記ダイヤフラム(7)が、ばね弾性式に具現化されることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記ダイヤフラム(7)が、片側または両側でばねを付けられた状態(ばね5、6)で懸吊されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に2つ以上のシリンダバンクと、バンクごとの別個の吸入空気フィード部とを有する内燃機関において、異なる内圧を有する少なくとも2つの容器の間で、ガスおよび/または液体を均一に分配するための制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クランクケースガス抜き用装置は従来技術から知られている。例えば(特許文献1)を参照のこと。この文脈において、燃焼室から燃焼せずに現れるガスは、周囲空気に入り込まないように燃焼室に戻される。しかしながら、この状況において、エンジンオイル等が、燃焼室に戻されるガスと混合されないことが保証されなければならない。上記文献は、クランクケースの内側の4つの外側の上部地点にガス抜きラインを配置すること、およびこれらのガス抜きラインをそれぞれ1つの制御弁を介してインテークマニホルドに開口することを提案している。
【0003】
(特許文献2)は、クランクケースガス抜き用の圧力制御ダイヤフラム弁を配置することを提案する。この方法において、燃焼室から流出するガスの結果としてのクランクケース内の圧力の過度の上昇は、防止される。
【0004】
両文献はクランクケースガス抜きに関連しているが、例えば2つのシリンダバンクを備えた内燃機関内のクランクケース内の圧力の均一な分散をどのように実現できるかを、それらから推論することはできない。
【0005】
同じく(特許文献3)は、上記文献と比較して非常に類似した設計の圧力制御装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第1 601 389 A号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2006 051 062 A1号明細書
【特許文献3】米国特許第3 924 588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、例えば、例えば2つのシリンダバンクを備え、かつシリンダバンクの各々に対してそれぞれ別個の吸入空気フィード部を備えた内燃機関において、吸入空気に追加的に導入されるガス、例えば燃料タンクガス抜きおよびクランクケースガス抜きから導入されるガスの不均衡な分配を回避するという目的に基づく。そのような不均衡な分配は、2つのシリンダバンク間にごくわずかの差圧が存在するときにすでに発生する可能性があり、および燃焼プロセスに障害および悪影響をもたらす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のようにしてこの目的を達成する。すなわち、シリンダバンクに通じるガスフィードラインアセンブリをそれぞれ、二重作動式圧力ボックスのチャンバに接続し、および、より大きい圧力下にあるガスフィードラインアセンブリ内のガス流を、摺動要素を介して起動できるスロットルバルブによって、ガスフィードラインアセンブリ内の差圧の結果として偏向されるダイヤフラムを使用して低減することにおいて、この目的を達成する。
【0009】
ダイヤフラムは、ばね弾性式に具現化することができ、または、片側または両側のばねから懸吊することができ、その結果、圧力の均衡が起きるとばねを再び元の位置に戻すようにする。
【0010】
この非常に簡単な技術的解決策によって、例えば2つのシリンダバンクを備えた内燃機関内の吸入空気に追加的に導入されるガスの極めて効果的な均一な分配が達成される。この均一な分配は、内燃機関の絞り運転モードにおいて特に重要である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の主題の例示的実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この例示的実施形態を参照して本発明の主題を以下に記載する。
【0013】
例えば、スロットルバルブの下流のクランクケースガス抜きまたは燃料タンクガス抜きに由来するガスが、ガスフィードライン1を経由して第1シリンダバンクの燃焼ガスインテークシステム2へ、および平行して第2シリンダバンクの燃焼ガスインテークシステム3へ供給される。2つのシリンダバンクの燃焼ガスインテークシステム2および3の差圧が、ガスフィードラインアセンブリに接続された二重作動式圧力ボックス4によって検出され、この際、ばね5および6から懸吊されたダイヤフラム7が偏向される。このダイヤフラム7が、燃焼ガスインテークシステム2および3の間の差圧の発生時に標準位置から偏向されるとき、それは、摺動要素8および9によって、シリンダバンク2および3に通じるガスフィードラインアセンブリ1のスロットルバルブ10および11を起動し、および従って、システムの対応する構造を考慮すると、2つのシリンダバンク間の、吸入空気に追加的に導入されるガスの均一な分配を保証する。
【符号の説明】
【0014】
1 ガスフィードラインアセンブリ
2 第1シリンダバンクの燃焼ガスインテークシステム
3 第2シリンダバンクの燃焼ガスインテークシステム
4 二重作動式圧力ボックス
5、6 ばね
7 ダイヤフラム
8、9 摺動要素
10、11 スロットルバルブ
図1