(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願にかかるオークション装置、オークション方法およびオークションプログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかるオークション装置、オークション方法およびオークションプログラムが限定されるものではない。
【0010】
〔1.オークション処理〕
図1を用いて、実施形態にかかるオークション処理について説明する。
図1は、実施形態にかかるオークション処理の説明図であり、本実施形態においては、オークション装置1によってオークション処理が実行される。
【0011】
図1に示す例では、ユーザU
1が出品者として端末装置2
1からオークション装置1へ出品情報を送信する(ステップS1)。出品情報には、例えば、出品物の説明、出品物の画像、開始価格、即決価格などの情報が含まれる。
図1に示す例では、出品物が商品Dであり、出品物の画像が商品Dの画像であり、即決価格が12,000円である。
【0012】
また、ユーザU
1は、落札可能価格の情報をオークション装置1へ送信し、出品物に対する落札可能価格を設定する(ステップS2)。オークション装置1は、出品物に対する落札可能価格の設定を受け付ける。落札可能価格は、かかる価格以上であれば出品物の落札を受諾することができるとしてユーザU
1が設定する価格であり、非公開な価格である。
図1に示す例では、落札可能価格は、10,000円である。なお、即決価格が設定される場合、落札可能価格は、即決価格よりも低い金額に設定される。
【0013】
オークション装置1は、端末装置2
1から落札可能価格を含む出品情報を取得すると、かかる出品情報に基づいて、オークション処理を開始する(ステップS3)。かかるオークション処理において、オークション装置1は、出品情報を公開し、ユーザU
1の出品物に対する入札の受け付けを開始する。例えば、
図1に示す例では、オークション処理を開始後、オークション装置1は、ユーザU
2の端末装置2
2から、3,000円の入札価格が設定された入札を受け付けている。
【0014】
また、オークション装置1は、入札の受け付けと併行して、落札希望価格の情報を含む購入要求の受け付けを行う。落札希望価格は、出品物を早く入手したいユーザが設定する価格であり、オークション装置1は、購入要求に含まれる落札希望価格が、出品物のオークションにおける現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上であるか否かを判定し、判定結果に基づいて購入要求に対する処理を行う。例えば、オークション装置1は、落札希望価格が現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上である場合に、出品物の落札処理を行うことができる。
【0015】
例えば、
図1に示すように、現在価格が2,000円であり、ユーザU
3が端末装置2
3を用いてオークション装置1に対し、8,000円の落札希望価格を設定した購入要求を行ったとする(ステップS4)。この場合、オークション装置1は、落札希望価格が現在価格よりも高いが、落札可能価格よりも低いことから、落札ができない旨の通知を行う(ステップS5)。
【0016】
一方、現在価格が2,000円であり、ユーザU
3が端末装置2
3を用いてオークション装置1に対し、11,000円の落札希望価格を設定した購入要求を行ったとする(ステップS6)。この場合、オークション装置1は、落札希望価格が現在価格よりも高く、かつ落札可能価格以上であることから、落札処理を行い、落札される旨の通知を出品者の端末装置2
1と落札者の端末装置2
3へ通知する(ステップS7、S8)。
【0017】
このように、実施形態にかかるオークション処理では、非公開の落札可能価格を設定可能であることから、例えば、出品者側が即決価格よりも少し低い価格で落札してもよいような場合に落札の機会を得ることが可能となり、入札者側は、即決価格よりも少し低い価格ですぐに出品物を手に入れることができることから、オークションの利便性を高めることができる。
【0018】
また、例えば、即決価格を設定せずに落札可能価格を設定したような場合、即決価格を設定した場合に比べて、出品者側は、高い価格で落札の機会を得ることができる可能性があり、オークションの利便性を高めることができる。
【0019】
なお、「現在価格」は、例えば、複数の入札がある場合、入札価格の最も高い価格である。例えば、現在価格が「300円」である状態で、ある入札者が「500円」を入札価格として入札を行い、他の入札者が「700円」を入札価格として入札を行った場合、次の現在価格は、「700円」である。また、例えば、10円刻みの自動入札において、現在価格が「300円」であり、且つ、ある入札者が「500円」を最高入札額に設定した入札と、他の入札者が「700円」を最高入札額に設定した入札とがある場合、次の現在価格は「510円」になる。
【0020】
〔2.オークションシステム〕
図2は、実施形態にかかるオークションシステムの構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態にかかるオークションシステム100は、オークション装置1と、複数の端末装置2
1〜2
n(nは、2以上の整数)とを備える。
【0021】
これらオークション装置1および複数の端末装置2
1〜2
n(以下、端末装置2と総称する場合がある)は、ネットワーク3を介して有線または無線により互いに通信可能に接続される。ネットワーク3は、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0022】
端末装置2は、例えば、ブラウザを有しており、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0023】
オークション装置1は、
図3に示すように、通信部10、記憶部20および制御部30(コントローラ)を備え、端末装置2
1〜2
nのユーザU
1〜U
n(以下、ユーザUと総称する場合がある)にオークションサービスを提供する。
図3は、実施形態にかかるオークション装置1の構成例を示す図である。以下、通信部10、記憶部20および制御部30の順に具体的に説明する。
【0024】
〔2.1.通信部10〕
通信部10は、ネットワーク3との間で情報の送受信を行う通信インターフェイスであり、ネットワーク3との接続を有線または無線で行う。制御部30は、通信部10およびネットワーク3を介して、端末装置2
1〜2
nとの間で各種の情報を送受信することができる。
【0025】
〔2.2.記憶部20〕
記憶部20は、ユーザ情報記憶部21と、オークション情報記憶部22とを有する。ユーザ情報記憶部21およびオークション情報記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク等の記憶装置である。
【0026】
ユーザ情報記憶部21は、ユーザUの識別情報であるユーザID、ユーザUの属性(例えば、年齢、性別)およびユーザUのオークションにおける評価(他社からの評価)などを記憶する。オークション情報記憶部22は、制御部30がオークション処理を行うために必要な情報(以下、オークション情報と記載する)を記憶する。
【0027】
〔2.3.制御部30〕
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
【0028】
制御部30は、受付処理部31と、判定部32と、処理部33と、変更部34を備える。かかる受付処理部31、判定部32、処理部33および変更部34の機能は、例えば、上記CPUが上記ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0029】
なお、受付処理部31、判定部32、処理部33および変更部34は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。以下、これらの受付処理部31、判定部32、処理部33および変更部34について具体的に説明する。
【0030】
〔2.3.1.受付処理部31〕
受付処理部31は、出品者からの要求を受け付ける出品受付処理部41(第1受付部の一例)と、入札者からの要求を受け付ける入札受付処理部42(第2受付部の一例)とを備える。
【0031】
出品受付処理部41は、例えば、出品者の端末装置2から出品情報を含む出品要求を受け付ける。出品情報は、オークションの出品物に対する情報であり、例えば、出品者のユーザID、商品名、商品説明、開始価格、落札可能価格、即決価格、終了日時の情報を含む。
【0032】
端末装置2のユーザUは、例えば、出品受付処理部41から提供される出品物登録画面に出品情報を入力し、入力した出品情報を含む出品要求を端末装置2からオークション装置1へ送信することができる。
図4は、出品物登録画面50の一例を示す図である。
【0033】
図4に示す出品物登録画面50には、商品名入力枠51、商品説明入力枠52、終了日時入力枠53、開始価格入力枠54、即決価格入力枠55および落札可能価格入力枠56が含まれており、端末装置2のユーザUは、各入力枠51〜56への出品物に応じた情報を入力することができる。
【0034】
商品名入力枠51は、出品物の名称である商品名を入力する枠であり、商品説明入力枠52は、出品物の説明文を入力する枠であり、終了日時入力枠53は、出品物に対するオークションを終了する日時を入力する枠である。また、開始価格入力枠54は、出品物に対する入札価格の初期値を入力する枠であり、即決価格入力枠55は、出品物に対する即決価格を入力する枠であり、落札可能価格入力枠56は、出品物に対する落札可能価格を入力する枠である。
【0035】
また、出品物登録画面50には、相場確認ボタン58が配置されており、端末装置2のユーザUが相場確認ボタン58を選択(クリック)すると、商品名入力枠51に入力された商品名の情報が端末装置2からオークション装置1へ送信される。
【0036】
出品受付処理部41は、相場確認ボタン58の選択により端末装置2から送信される商品名の情報に基づいて、オークション情報記憶部22から出品物の落札相場の情報を取得し、出品物の落札相場の情報57を含む出品物登録画面50の情報を端末装置2へ送信する。これにより、出品物登録画面50に出品物の落札相場の情報57が表示される。
【0037】
端末装置2のユーザUは、出品物登録画面50に表示された落札相場の情報57を参照して落札可能価格を設定することができる。なお、端末装置2のユーザUは、端末装置2の撮像部(図示せず)によって撮像した出品物の画像を選択することにより、かかる出品物の画像59が出品物登録画面50に表示される。
【0038】
端末装置2のユーザUは、出品物登録画面50の入力枠51〜56に、商品名、商品説明、終了日時、開始価格、即決価格、落札可能価格の情報を入力した後、出品ボタン60を選択(クリック)することによって、出品情報を含む出品要求が端末装置2からオークション装置1へ送信される。
【0039】
出品受付処理部41は、出品者の端末装置2から出品情報を含む出品要求を受け付けた場合、出品要求に含まれる出品情報をオークション情報記憶部22へ記憶する。
図5は、オークション情報記憶部22に記憶されるオークション情報の一例を示す図である。
【0040】
図5に示すオークション情報は、「出品ID」に対し、「出品者」、「商品名」、「商品説明」、「開始価格」、「現在価格」、「最高額入札者」、「落札可能価格」、「即決価格」、「終了日時」および「購入要求履歴」が関連付けられた情報である。
【0041】
「出品ID」は、出品要求毎に割り当てられる識別情報であり、「出品者」は、出品要求に含まれる出品情報に含まれる出品者のユーザIDである。なお、ユーザU
1〜U
nは、オークション装置1が提供するオークションのユーザであり、ユーザU
1〜U
nのユーザIDは、U1〜Un(nは2以上の整数)であるものとする。
【0042】
また、「商品名」、「商品説明」、「開始価格」、「落札可能価格」、「即決価格」、「終了日時」は、出品要求に含まれる出品情報に含まれる商品名、商品説明、開始価格、落札可能価格、即決価格、終了日時のそれぞれの情報が割り当てられる。「現在価格」は、出品物のオークションにおける現在価格であり、「最高額入札者」は、現在価格に対応する入札価格で入札を行ったユーザUの識別情報である。
【0043】
例えば、出品ID「C1」に対し、出品者のユーザID「U1」、商品名「商品A」、商品説明「新品同様・・・」、開始価格「100円」、落札可能価格「500円」、即決価格「600円」、終了日時「3/10 18:00」がそれぞれ関連付けられてオークション情報としてオークション情報記憶部22に記憶される。
【0044】
また、出品ID「C2」に対し、出品者のユーザID「U2」、商品名「商品B」、商品説明「少し汚れ・・・」、開始価格「100円」、落札可能価格「800円」、終了日時「3/11 12:00」がそれぞれ関連付けられてオークション情報としてオークション情報記憶部22に記憶される。なお、
図5に示す例では、出品ID「C2」に対し、即決価格は設定されていない。
【0045】
出品受付処理部41は、出品要求に対応する出品物のオークション処理が開始された後に、端末装置2から落札可能価格を含む価格設定要求や価格変更要求を受け付けることができる。出品受付処理部41は、価格設定要求や価格変更要求を受け付けると、かかる価格設定要求や価格変更要求に含まれる落札可能価格の情報をオークション情報の「落札可能価格」に設定する。
【0046】
これにより、例えば、出品要求時に落札可能価格を設定されていない状態であっても、オークション開始後に落札可能価格を設定することができる。また、出品要求時に落札可能価格を設定している場合であっても、オークション開始後に落札可能価格を変更(再設定)することができる。
【0047】
入札受付処理部42は、例えば、入札者の端末装置2から入札価格を含む入札情報を受け付ける。入札情報には、入札者のユーザID、入札価格などの情報が含まれる。端末装置2のユーザUは、例えば、入札受付処理部42から提供される入札画面を介して入札価格などを入力し、入力した入札価格の情報を含む入札要求を端末装置2からオークション装置1へ送信することができる。
図6は、入札画面61の一例を示す図である。
【0048】
図6に示す入札画面61には、出品情報62と、落札ボタン63と、入札価格入力枠64と、入札ボタン65と、落札希望価格入力枠66と、オファーボタン67とが含まれる。出品情報62は、商品名、商品画像、商品説明、現在価格、残り時間、入札数、即決価格などの情報が含まれる。入札受付処理部42は、オークション情報記憶部22に記憶されたオークション情報から出品情報62を取得し、かかる出品情報62を入札画面61に設定することができる。
【0049】
落札ボタン63は、端末装置2のユーザUが即決価格での出品物の購入を希望する場合に、かかる落札ボタン63を選択(クリック)すると、ユーザIDおよび出品IDを含む落札要求が端末装置2からオークション装置1へ送信される。入札受付処理部42は、端末装置2から送信される落札要求を受け付ける。
【0050】
入札価格入力枠64は、入札価格の情報を入力するための入力枠である。端末装置2のユーザUが入札価格の情報を入力した後、入札ボタン65を選択(クリック)すると、ユーザID、出品IDおよび入札価格の情報を含む入札要求が端末装置2からオークション装置1へ送信される。入札受付処理部42は、端末装置2から送信される入札要求を受け付ける。
【0051】
落札希望価格入力枠66は、落札希望価格の情報を入力するための入力枠である。端末装置2のユーザUが落札希望価格の情報を入力した後、オファーボタン67を選択(クリック)すると、ユーザID、出品IDおよび落札希望価格の情報を含む購入要求が端末装置2からオークション装置1へ送信される。
【0052】
入札受付処理部42は、端末装置2から送信される購入要求を受け付ける。かかる入札受付処理部42は、同一のユーザUからの同一の出品物に対する購入要求には回数制限を行う。例えば、入札受付処理部42は、出品ID「C1」の出品物に対して、ユーザID「U2」のユーザU
2の購入要求が制限回数(例えば、3回)を超えた購入要求を行った場合に、かかる購入要求の受け付けを拒否することができる。
【0053】
この場合、入札受付処理部42は、例えば、
図7の(a)に示すオファー結果画面71の情報をユーザID「U2」のユーザU
2の端末装置2
2へ送信することができる。
図7は、オファー結果画面71〜73の例を示す図である。
【0054】
このように、購入要求に回数制限を行うことで、例えば、購入要求に設定される落札希望価格を小刻みに変更するなどにより落札希望価格を落札可能価格と同じ価格にする行為を防止することができる。そのため、落札可能価格よりも高い金額での落札の可能性を高めることができる。
【0055】
また、入札受付処理部42は、同一の出品物に対する購入要求の総回数に対して回数制限を行うことができる。これにより、複数のユーザUが共同して落札希望価格を小刻みに設定した購入要求を防止することができる。なお、入札受付処理部42は、同一の出品物に対する購入要求の総回数が多くなるほど、同一のユーザUからの同一の出品物に対する購入要求の回数制限値を低くしていくこともできる。
【0056】
〔2.3.2.判定部32〕
判定部32は、出品受付処理部41によって受け付けた購入要求に含まれる落札希望価格が、現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上であるか否かを判定する。
【0057】
例えば、出品ID「C1」のオークション情報が
図5に示す状態であるとする。この場合、判定部32は、購入要求に含まれる落札希望価格が、現在価格「200円」よりも高く且つ落札可能価格「500円」以上であるかを判定する。
【0058】
また、判定部32は、出品受付処理部41によって受け付けた購入要求に含まれる落札希望価格が現在価格よりも高いが落札可能価格未満である場合において、落札希望価格が所定範囲RA内にあるか否かを判定する。所定範囲RAは例えば落札可能価格よりも低く且つ落札可能価格の所定割合(例えば、90%)の価格(以下、誤差下限値と記載する)以上の範囲である。
【0059】
例えば、所定範囲RAが落札可能価格よりも低く且つ落札可能価格の90%の価格以上の範囲であるとし、出品ID「C1」のオークション情報が
図5に示す状態であるとする。この場合、判定部32は、購入要求に含まれる落札希望価格が、現在価格「200円」よりも高く且つ落札可能価格「500円」未満であっても、誤差下限値である「450円」以上である場合に、落札希望価格が所定範囲RA内にあると判定する。
【0060】
また、判定部32は、落札可能価格が変更された場合、上述の判定処理が済んでいる購入要求(以下、処理済の購入要求と記載する)に対し、再度上記判定を行うことができる。例えば、判定部32は、落札希望価格が「500円」から「400円」へ変更された場合、処理済の購入要求に含まれる落札希望価格が、現在価格「200円」よりも高く且つ落札可能価格「400円」以上であるかを判定することができる。
【0061】
同様に、判定部32は、処理済の購入要求に含まれる落札希望価格が、現在価格「200円」よりも高く且つ落札可能価格「400円」未満であっても、誤差下限値である「360円」以上である場合に、落札希望価格が所定範囲RA内にあると判定することができる。
【0062】
〔2.3.3.処理部33〕
処理部33は、判定部32の判定結果に基づいて、購入要求に対する処理を行う。例えば、処理部33は、購入要求に含まれる落札希望価格が、出品物の現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上である場合に、購入要求を行ったユーザUを落札者として出品物の落札処理を行い、購入要求に対応する出品物のオークションを終了することができる。
【0063】
例えば、オークション情報が
図5に示す状態であり、出品ID「C1」の出品物に対して落札希望価格が「550円」に設定された購入要求がユーザID「U2」のユーザU
2の端末装置2
2からあるとする。この場合、落札希望価格が現在価格「200円」よりも高く且つ落札可能価格「500円」以上であると判定部32が判定するため、処理部33は、購入要求を行ったユーザU
2を落札者として出品ID「C1」の出品物の落札処理を行う。
【0064】
この場合、処理部33は、出品ID「C1」の出品物を出品したユーザU
1の端末装置2
1に対して、落札価格が「550円」で出品ID「C1」の出品物が落札された旨の情報を通知することができる。例えば、処理部33は、
図7の(b)に示すオファー結果画面72の情報を端末装置2
1へ送信し、かかる端末装置2
1の表示部にオファー結果画面72を表示させることができる。また、処理部33は、ユーザID「U2」のユーザU
2の端末装置2
2に対して、例えば、落札希望価格「550円」での落札がされた旨の通知を行う。
【0065】
一方、処理部33は、出品ID「C1」の出品物に対して落札希望価格が「400円」に設定された購入要求がユーザID「U2」のユーザU
2の端末装置2
2からあるとする。この場合、落札希望価格が現在価格「200円」よりも高く且つ落札可能価格「500円」未満であると判定部32が判定するため、処理部33は、購入要求を行ったユーザU
2の端末装置2
2に対して、購入要求が成立しない旨の通知を行うことができる。例えば、処理部33は、
図7の(c)に示すオファー結果画面73の情報を端末装置2
2へ送信し、かかる端末装置2
2の表示部にオファー結果画面73を表示させることができる。
【0066】
また、処理部33は、落札処理を行うか否かの判断を自動的に行うのではなく、落札処理を行うか否かの判断を出品者に行わせることもできる。この場合、処理部33は、落札希望価格の情報を出品者へ通知した後、出品者から落札希望価格での落札受諾応答があった場合に、購入要求を行ったユーザUを落札者として出品物の落札処理を行うことができる。
【0067】
例えば、オークション情報が
図5に示す状態であり、出品ID「C1」の出品物に対して落札希望価格が「550円」に設定された購入要求がユーザID「U2」のユーザU
2の端末装置2
2からあるとする。この場合、落札希望価格が現在価格よりも高く且つ落札希望価格が落札可能価格以上であると判定部32が判定するため、処理部33は、出品ID「C1」の出品物を出品したユーザU
1の端末装置2
1に対して、落札希望価格「550円」での購入要求がある旨を通知することができる。
【0068】
例えば、処理部33は、
図8の(a)に示すオファー通知画面81の情報を出品者であるユーザU
1の端末装置2
1へ送信し、かかる端末装置2
1の表示部にオファー通知画面81を表示させることができる。
図8は、オファー通知画面81、82の例を示す図である。
【0069】
ユーザU
1は、落札希望価格「550円」での購入要求を受け入れる場合、オファー通知画面81に設けられたYesボタン84を選択(クリック)する。これにより、ユーザU
1がYesボタン84を選択した旨の情報を含む落札受諾応答が端末装置2
1からオークション装置1へ送信され、かかる落札受諾応答に基づいてオークション装置1は出品物の落札処理を行う。
【0070】
また、オークション情報が
図5に示す状態であり、出品ID「C1」の出品物に対して落札希望価格が「450円」に設定された購入要求がユーザID「U2」のユーザU
2の端末装置2
2からあるとする。この場合、落札希望価格が所定範囲RA内にあると判定部32が判定した場合、処理部33は、出品ID「C1」の出品物を出品したユーザU
1の端末装置2
1に対して、落札希望価格「450円」での購入要求がある旨を通知することができる。
【0071】
例えば、処理部33は、
図8の(b)に示すオファー通知画面82の情報を出品者であるユーザU
1の端末装置2
1へ送信し、かかる端末装置2
1の表示部にオファー通知画面82を表示させることができる。ユーザU
1は、落札希望価格「450円」での購入要求を受け入れる場合、オファー通知画面82に設けられたYesボタン86を選択(クリック)する。これにより、ユーザU
1がYesボタン86を選択した旨の情報を含む落札受諾応答が端末装置2
1からオークション装置1へ送信され、かかる落札受諾応答に基づいてオークション装置1は出品物の落札処理を行う。
【0072】
一方、ユーザU
1がオファー通知画面81に設けられたNoボタン85やオファー通知画面82に設けられたNoボタン87を選択(クリック)した場合、端末装置2
1からオークション装置1へNoボタン85、87が選択された旨の情報を含む落札拒否応答として通知される。かかる落札拒否応答に基づいて、処理部33は、例えば、
図7の(c)の場合と同様に、購入要求を行ったユーザUの端末装置2に対して、購入要求が受け入れられない旨の通知を行うことができる。
【0073】
また、処理部33は、購入要求を受け付ける毎に、購入要求に対する処理を行うことができるが、例えば、一定期間TA毎に、一定期間TAの間に受け付けた購入要求に対する処理を行うこともできる。例えば、処理部33は、一定期間TAの間に受け付けた購入要求が複数ある場合、これらの複数の購入要求のうち上述した条件(落札可能価格および/または所定範囲RA)を満たす購入要求の情報を出品者の端末装置2へ通知することができる。
【0074】
図9は、通知すべき購入要求が複数ある場合のオファー通知画面の一例を示す図である。
図9に示すオファー通知画面83には、ユーザU
4の落札希望価格「500円」の情報と、ユーザU
2の落札希望価格「550円」の情報と、Yesボタン88、89と、Noボタン90とが含まれる。
【0075】
出品者であるユーザU
1は、Yesボタン88、89のいずれかを選択(クリック)することで、かかる選択の情報を含む落札受諾応答が端末装置2
1からオークション装置1へ通知される。処理部33は、端末装置2
1からの落札受諾応答に基づき、ユーザU
1が選択したYesボタンに対応する購入要求に対して落札処理を行う。例えば、出品者であるユーザU
1がYesボタン89を選択した場合、処理部33は、ユーザU
2を落札者として落札処理を行う。
【0076】
一方、出品者であるユーザU
1がNoボタン90を選択した場合、端末装置2
1からオークション装置1へNoボタン90が選択された旨の情報を含む落札拒否応答が通知される。かかる落札拒否応答に基づいて、処理部33は、例えば、
図7の(c)の場合と同様に、購入要求を行ったユーザU
2、U
4の端末装置2
2、2
4に対して、購入要求が受け入れられない旨の通知をそれぞれ行うことができる。
【0077】
また、処理部33は、落札可能価格よりも低い入札価格(オークション終了時の現在価格)で出品物が落札されると予測される場合に、当該予想結果を通知することができる。処理部33は、例えば、公知の統計的分析などの演算手法によって、出品物に対する入札状況に基づき、落札可能価格よりも低い入札価格で出品物が落札されると予測されるか否かを判定することができる。
【0078】
なお、オークション情報記憶部22には、出品物に対する入札状況としてオークション情報が記憶されており、処理部33は、かかるオークション情報に基づいて、落札可能価格よりも低い入札価格で出品物が落札されると予測されるか否かを判定することができる。
【0079】
図10は、入札状況通知画面の一例を示す図である。処理部33は、落札可能価格よりも低い入札価格で出品物が落札される可能性を示す通知を行うために、
図10に示す入札状況通知画面91の情報を出品者の端末装置2へ送信することができる。
【0080】
出品者のユーザU
1は、落札可能価格を変更する場合、入札状況通知画面91に設けられた変更価格入力枠92に変更後の落札可能価格を入力し、Yesボタン93を選択(クリック)する。これにより、変更後の落札可能価格の情報が端末装置2
1からオークション装置1へ送信され、かかる情報に基づいて処理部33は落札可能価格の変更を行う。
【0081】
一方、出品者のユーザU
1は、落札可能価格を変更しない場合、入札状況通知画面91に設けられたNoボタン94を選択(クリック)する。これにより、ユーザU
1がNoボタン94を選択した旨の情報が端末装置2
1からオークション装置1へ送信される。
【0082】
なお、処理部33は、入札者からの入札要求を入札受付処理部42が受け付けた場合、入札要求に含まれる入札価格の情報に基づいて、オークション情報記憶部22に記憶された現在価格や最高額入札者の情報などを更新する。また、処理部33は、入札者からの落札要求を入札受付処理部42が受け付けた場合、落札処理を行う。なお、落札処理において、処理部33は、例えば、落札要求を行ったユーザUを落札者として決定し、落札要求の対象となる出品物のオークションを終了する。
【0083】
また、処理部33は、入札者や出品者の端末装置2からの要求に応じて、オークション情報記憶部22からオークション情報を取得し、要求に応じた出品物に対するオークション状況を入札者や出品者の端末装置2へ通知することができる。
【0084】
〔2.3.4.変更部34〕
変更部34は、出品物に対するオークションの状況に応じて、落札可能価格を変更することができる。
【0085】
例えば、変更部34は、終了日時の所定期間TB(例えば、1時間)前までに、現在価格が落札可能価格未満であって所定範囲RA内にない場合、落札可能価格を下げることができる。また、変更部34は、終了日時の所定期間TB前までに、入札数が所定数以下である場合、落札可能価格を下げることができる。
【0086】
変更部34は、現在価格に応じて落札可能価格の下げ幅を変更することができ、また、入札数に応じて落札可能価格の下げ幅を変更することができる。また、変更部34は、例えば、落札可能価格を誤差下限値と同じ値に下げることができ、また、落札可能価格を落札相場価格と同じ値または落札相場価格よりも所定割合(例えば、10%)だけ高い値にすることができる。
【0087】
また、変更部34は、購入要求の数、購入要求の時間的分布、購入要求に含まれる落札希望価格、落札希望価格の分布および平均値の少なくともいずれか一つに基づいて、落札可能価格を下げることができる。
【0088】
例えば、変更部34は、終了日時の所定期間TB前までに、購入要求の数が所定数以上である場合、落札可能価格を下げることができる。また、変更部34は、終了日時の所定期間TB前までに、落札希望価格の最高値が所定範囲RAにある場合、現在の落札可能価格よりも低く落札希望価格の最高値よりも高い値に落札可能価格を下げることができる。
【0089】
処理部33は、変更部34によって落札可能価格が変更された場合、落札可能価格が変更された出品物に対して過去に購入要求を行ったユーザUの端末装置2に対して落札可能価格が変更された旨の通知を行うことができる。
【0090】
〔3.オークション装置1の処理フロー〕
次に、
図11を用いて、オークション装置1における情報処理の手順について説明する。
図11は、実施形態にかかるオークション装置1における情報処理の流れを示すフローチャートであり、かかる処理は繰り返し実行される。
【0091】
図11に示すように、オークション装置1の制御部30は、出品者からの出品要求があるか否かを判定する(ステップS10)。出品者からの出品要求があると判定した場合(ステップS10;Yes)、制御部30は、出品処理を行う(ステップS11)。かかる出品処理において、制御部30は、出品要求に含まれる出品情報をオークション情報記憶部22に記憶し、出品要求に対応する出品物のオークションを開始する。なお、以下においては、ステップS10において一つの出品要求が受け付けられたものとし、かかる出品要求に対する処理について説明する。
【0092】
ステップS11の処理が終了した場合、または、他の出品要求がないと判定した場合(ステップS10;No)、制御部30は、入札者からの入札要求があるか否かを判定する(ステップS12)。入札者からの入札要求があると判定した場合(ステップS12;Yes)、制御部30は、入札処理を行う(ステップS13)。かかる入札処理において、制御部30は、例えば、入札要求の含まれる入札価格を現在価格に設定する。
【0093】
ステップS13の処理が終了した場合、または、入札者からの入札要求がないと判定した場合(ステップS12;No)、制御部30は、入札者からの購入要求があるか否かを判定する(ステップS14)。入札者からの購入要求があると判定した場合(ステップS14;Yes)、制御部30は、購入要求処理を行う(ステップS15)。かかる購入要求処理は、
図12に示すステップS20〜S30の処理であり、後で後述する。
【0094】
ステップS15の処理が終了した場合、または、入札者からの購入要求がないと判定した場合(ステップS14;No)、制御部30は、入札者からの落札要求があるか否かを判定する(ステップS16)。入札者からの落札要求があると判定した場合(ステップS16;Yes)、制御部30は、落札処理を行い、出品物に対するオークションを終了する(ステップS17)。
【0095】
ステップS17の処理が終了した場合、または、入札者からの落札要求がないと判定した場合(ステップS16;No)、その他の処理を行い(ステップS18)、
図11に示す処理を終了する。なお、ステップS18に示す処理は、
図14に示すステップS40〜S47の処理であり、後で後述する。
【0096】
次に、
図11に示すステップS15における購入要求処理について
図12を参照して具体的に説明する。
図12は、ステップS15における購入要求処理の流れを示すフローチャートである。
【0097】
図12に示すように、制御部30は、要求回数が制限回数以下であるか否かを判定する(ステップS20)。すなわち、制御部30は、購入要求に対応する出品物に対し、ユーザUが購入要求を行った回数が制限回数以下であるか否かを判定する。
【0098】
要求回数が制限回数以下であると判定した場合(ステップS20;Yes)、制御部30は、購入要求に含まれる落札希望価格が現在価格よりも高いか否かを判定する(ステップS21)。かかる処理において、落札希望価格が現在価格よりも高いと判定した場合(ステップS21;Yes)、制御部30は、落札希望価格が落札可能価格以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0099】
落札希望価格が落札可能価格以上であると判定した場合(ステップS22;Yes)、制御部30は、出品物が自動返信モードに設定されているか否かを判定する(ステップS23)。かかる自動返信モードは、例えば、出品者が出品物登録画面の自動返信モード設定ボタン(図示せず)を選択(クリック)することによって設定される。なお、自動返信モードは、例えば、落札可能価格が所定価格以上である場合に、制御部30が設定することもできる。
【0100】
出品物が自動返信モードに設定されていると判定した場合(ステップS23;Yes)、制御部30は、出品者の端末装置2や購入要求を行ったユーザUの端末装置2へ購入要求が成立した旨の通知を行う(ステップS24)。例えば、制御部30は、購入要求を行ったユーザUの端末装置2へ、オファー結果画面72(例えば、
図7の(b)参照)の情報を送信する。また、制御部30は、入札要求を行ったユーザUを落札者として出品物の落札処理を行う(ステップS25)。
【0101】
ステップS20において、要求回数が制限回数以下ではないと判定した場合(ステップS20;No)、制御部30は、購入要求を行ったユーザUの端末装置2に対し、購入要求の受け付けを拒否する通知を行う(ステップS26)。例えば、制御部30は、購入要求を行ったユーザUの端末装置2へ、オファー結果画面71(例えば、
図7の(a)参照)の情報を送信する。
【0102】
ステップS22において、落札希望価格が落札可能価格以上でないと判定した場合(ステップS22;No)、制御部30は、落札希望価格が所定範囲RA内であるか否かを判定する(ステップS27)。
【0103】
ステップS23において、自動返信モードに設定されていないと判定した場合(ステップS23;No)、または、ステップS27において、落札希望価格が所定範囲RA内であると判定した場合(ステップS27;Yes)、制御部30は、購入要求があった旨の情報(落札希望価格の情報を含む)を、出品者の端末装置2へ送信する(ステップS28)。
【0104】
ステップS28の後、制御部30は、出品者の端末装置2から落札受諾応答を受信したか否かを判定する(ステップS29)。落札受諾応答を受信したと判定した場合(ステップS29;Yes)、制御部30は、処理をステップS24の処理へ移行する。
【0105】
落札希望価格が現在価格よりも高くないと判定した場合(ステップS21;No)、落札希望価格が所定範囲RA内でないと判定した場合(ステップS27;No)、および、落札受諾応答を受信していないと判定した場合(ステップS29;No)、制御部30は、購入要求を行ったユーザUの端末装置2へ、購入要求が成立しない旨の通知を行う(ステップS30)。ステップS25、S26、S30の処理が終了すると、制御部30は
図12に示す処理を終了する。
【0106】
次に、
図11に示すステップS18におけるその他の処理について
図13を参照して具体的に説明する。
図13は、ステップS18におけるその他の処理の流れを示すフローチャートである。
【0107】
図13に示すように、制御部30は、現日時が終了日時に近いか否かを判定する(ステップS40)。かかる処理において、制御部30は、例えば、現日時が終了日時の所定時間(例えば、1時間または1日)以内である場合に、現日時が終了日時に近いと判定する。
【0108】
現日時が終了日時に近いと判定した場合(ステップS40;Yes)、制御部30は、落札可能価格未満で落札されると予測されるか否かを判定する(ステップS41)。落札可能価格未満で落札されると予測されると判定した場合(ステップS41;Yes)、制御部30は、落札可能価格未満で落札される可能性がある旨の通知を行う(ステップS42)。
【0109】
現日時が終了日時に近くないと判定した場合(ステップS40;No)、落札可能価格未満で落札されると予測されない場合(ステップS41;No)、または、ステップS42の処理が終了した場合、制御部30は、落札可能価格の変更要求(例えば、価格変更要求)があるか否かを判定する(ステップS43)。
【0110】
落札可能価格の変更要求があると判定した場合(ステップS43;Yes)、オークション情報記憶部22に記憶された落札可能価格を変更要求に含まれる落札可能価格へ変更する(ステップS44)。そして、制御部30は、処理済の購入要求があるか否かを判定する(ステップS45)。
【0111】
処理済の購入要求があると判定した場合(ステップS45;Yes)、制御部30は、処理済の購入要求に含まれる落札希望価格が現在価格よりも高いか否かを判定する(ステップS46)。落札希望価格が現在価格よりも高いと判定した場合(ステップS46;Yes)、制御部30は、現在価格よりも高い落札希望価格を含む処理済の購入要求を行ったユーザUの端末装置2へ落札可能価格の変更があった旨を通知する(ステップS47)。なお、制御部30は、現在価格よりも高い落札希望価格を含む処理済の購入要求を行ったユーザUではなく、処理済の購入要求を行ったユーザUの端末装置2へ落札可能価格の変更があった旨を通知することもできる。また、制御部30は、入札要求を行ったユーザUの端末装置2へ落札可能価格の変更があった旨を通知することもできる。
【0112】
かかるステップS47の処理が終了した場合、落札可能価格の変更要求がないと判定した場合(ステップS43;No)、処理済の購入要求がないと判定した場合(ステップS45;No)、落札希望価格が現在価格よりも高くないと判定した場合(ステップS46;No)、制御部30は、
図13に示す処理を終了する。
【0113】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、出品物毎に購入要求を行う例を説明したが、購入要求は複数の出品物に対して行うこともできる。
【0114】
例えば、出品受付処理部41は、複数の出品物に対して一つの落札希望価格が設定された購入要求(以下、複数購入要求と記載する)を受け付ける。判定部32は、複数の出品物の落札可能価格の合計価格(以下、落札可能合計値と記載する)が複数の出品物に対する一つの落札希望価格以上であるか否かを判定する。
【0115】
処理部33は、落札可能合計値が上記一つの落札希望価格以上である場合に、この複数購入要求に対して複数の出品物の落札処理を同時に行ったり、落札処理を行うか否かの判断を出品者に行わせたりすることができる。
【0116】
なお、制御部30は、複数購入要求で特定される複数の出品物が同一の出品者の出品物である場合に、複数購入要求に対する上記処理を行うこともできる。また、制御部30は、上記一つの落札希望価格が落札可能合計値から所定額(例えば、10%)だけ割り引いた額以上である場合に出品者に通知または落札とすることもできる。
【0117】
また、入札受付処理部42は、現在価格が落札可能価格以上であると判定部32が判定した場合、落札希望価格入力枠66およびオファーボタン67を入札画面61に設定しないことができる。換言すれば、入札受付処理部42は、落札可能価格が現在価格よりも高いと判定部32が判定した場合に、落札希望価格入力枠66およびオファーボタン67を入札画面61に設定することができる。これにより、現在価格が落札可能価格以上である場合には、入札価格を優先することができ、現在価格が落札可能価格よりも高い価格であるにも関わらず、購入要求が行われることを抑制することができる。
【0118】
また、上述した例では、入札受付処理部42は、同一のユーザUからの同一の出品物に対する購入要求が制限回数(例えば、3回)に達した場合、それ以後の購入要求を受け付けないものとして説明したがかかる例に限定されない。例えば、入札受付処理部42は、同一のユーザUからの同一の出品物に対する購入要求が制限回数に達した場合、落札希望価格入力枠66およびオファーボタン67を入札画面61に設定しないことができる。
【0119】
また、出品者は、非表示の最低落札価格を設定することもできる。最低落札価格は、落札価格の下限値であり、開始価格よりも高く設定される。処理部33は、入札価格がこの最低落札価格に達しない限り、入札による落札処理は行わない。このように最低落札価格が設定されている場合、判定部32は、落札希望価格が最低落札価格以上であるかを判定し、落札希望価格が最低落札価格以上でない場合、例えば、落札希望価格が所定範囲RA内であっても、購入要求が成立しない旨の通知を行うことができる。
【0120】
なお、受付処理部31は、落札可能価格を設定できる期間を、ユーザU毎に変更したり、出品物毎に変更したりすることができる。また、受付処理部31は、落札可能価格を設定できるユーザUも変更することができる。例えば、受付処理部31は、出品回数や落札回数が所定回数以上のユーザUや評価の高いユーザUに対して落札可能価格を設定可能にすることができる。
【0121】
また、上述した実施形態では、制御部30は、オークションの終了日時の所定期間前における現在価格に基づいて、落札可能価格を下げる例を説明したが、かかる例に限定されない。例えば、制御部30の処理部33は、オークションの終了日時の所定期間(例えば、1時間)前までにこのオークションの現在価格がこのオークションにおいて過去に行われた購入要求に含まれる落札希望価格より低い場合に、かかる購入要求を行ったユーザUに対し、オークションが落札希望価格より低い価格で終了しそうなことを通知することができる。
【0122】
また、制御部30の処理部33は、オークションの終了日時の所定期間(例えば、1時間)前までにこのオークションにおいて過去に行われた購入要求に含まれる落札希望価格がこのオークションの現在価格より高くかつ所定範囲RA内である場合に、購入要求を行ったユーザUに対し、オークションが落札希望価格より低い価格で終了しそうなことを通知することもできる。
【0123】
例えば、制御部30の処理部33は、オークションの終了日時の所定期間(例えば、1時間)前までにこのオークションの現在価格が落札可能価格未満であって所定範囲RA内にない場合、現在価格が過去に購入要求したときの落札希望価格より低い場合に、購入要求を行ったユーザUに対し、オークションが落札希望価格より低い価格で終了しそうなことを通知することができる。
【0124】
〔5.ハードウェア構成〕
上述した実施形態におけるオークション装置1は、例えば
図14に示すような構成のコンピュータ200がオークションプログラムを実行することによって実現される。
図14は、オークションプログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ200は、CPU201、RAM202、ROM203、HDD204、通信インターフェイス(I/F)205、入出力インターフェイス(I/F)206、およびメディアインターフェイス(I/F)207を備える。
【0125】
CPU201は、ROM203またはHDD204に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM203は、コンピュータ200の起動時にCPU201によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ200のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0126】
HDD204は、CPU201によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。例えば、HDD204は、
図3に記載したユーザ情報記憶部21およびオークション情報記憶部22と同様のデータを記憶する。通信インターフェイス205は、通信部10に対応し、ネットワーク3を介して他の機器からデータを受信してCPU201へ送り、CPU201が生成したデータを、ネットワーク3を介して他の機器へ送信する。
【0127】
CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU201は、生成したデータを、入出力インターフェイス206を介して出力装置へ出力する。
【0128】
メディアインターフェイス207は、記録媒体208に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM202を介してCPU201に提供する。CPU201は、当該プログラムを、メディアインターフェイス207を介して記録媒体208からRAM202上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体208は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0129】
コンピュータ200が上述した実施形態にかかるオークション装置1として機能する場合、コンピュータ200のCPU201は、RAM202上にロードされたプログラムを実行することにより、
図3に示す受付処理部31、判定部32、処理部33および変更部34の各機能を実現する。
【0130】
コンピュータ200のCPU201は、オークションプログラムを、記録媒体208から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク3を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0131】
なお、端末装置2は、例えば、
図14に示すような構成のコンピュータ200がブラウザプログラムを実行することによって実現される。この場合、コンピュータ200のCPU201は、RAM202上にロードされたプログラムを実行することにより、端末装置2の制御部の機能を実現する。端末装置2の制御部は、各種の画面表示やユーザUの操作に応じた要求をオークション装置1へ送信することができる。
【0132】
〔6.効果〕
実施形態にかかるオークション装置1は、出品受付処理部41(第1受付部の一例)と、入札受付処理部42(第2受付部の一例)と、判定部32と、処理部33とを備える。出品受付処理部41は、オークションの出品物に対する非公開の落札可能価格の設定を受け付ける。入札受付処理部42は、オークションのユーザUから出品物に対する入札価格とは別に出品物に対する落札希望価格での購入要求を受け付ける。判定部32は、入札受付処理部42によって受け付けた購入要求に含まれる落札希望価格が、出品物のオークションにおける現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上であるか否かを判定する。処理部33は、判定部32の判定結果に基づいて、購入要求に対する処理を行う。このように、実施形態にかかるオークション装置1によるオークション処理では、非公開の落札可能価格を設定可能であることから、例えば、出品者側が即決価格よりも少し低い価格で落札してもよいような場合において落札の機会を得ることが可能となり、オークションの利便性を高めることができる。
【0133】
また、処理部33は、落札希望価格が、出品物の現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上である場合に、購入要求を行ったユーザUを落札者として出品物の落札処理を行う。このように、出品物の現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上である場合に落札処理を行うため、出品者による落札受諾操作が不要になり、オークションの利便性をより高めることができる。
【0134】
また、処理部33は、落札希望価格が、出品物の現在価格よりも高く落札可能価格以上である場合に、落札希望価格の情報を出品物の出品者へ通知する。出品物の現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上である場合に出品者へ通知するため、出品者が購入要求の状況を把握することができ、オークションの利便性をより高めることができる。
【0135】
また、処理部33は、落札希望価格の情報を出品者へ通知した後、出品者から落札希望価格での落札受諾応答(落札要求の一例)があった場合に、購入要求を行ったユーザUを落札者として出品物の落札処理を行う。このように、出品者による判断によって落札の可否の決定をすることができることから、例えば、出品者は不適切な落札を回避することができる。例えば、購入要求を行ったユーザUが評価の低い入札者である場合、トラブルが発生するおそれが考えられるが、このような場合において出品者の判断によって落札を回避することができる。
【0136】
また、処理部33は、落札希望価格が落札可能価格よりも低い場合であっても、落札希望価格が落札可能価格に対して所定範囲RA内である場合、落札希望価格の情報を出品物の出品者へ通知する。これにより、落札希望価格が落札可能価格よりも低い場合であっても、出品者が購入要求の状況を把握することができ、オークションの利便性をより高めることができる。
【0137】
また、入札受付処理部42は、落札可能価格が現在価格よりも高い場合に、購入要求を行うための操作画面(例えば、
図6に示す入札画面61の情報)をオークションのユーザUへ提供する。これにより、現在価格以下の落札可能価格が設定された購入要求が端末装置2から送信されることを抑制することができる。
【0138】
また、入札受付処理部42は、出品物に対する購入要求の受け付け回数をユーザU毎に制限する。これにより、例えば、購入要求に設定される落札希望価格を小刻みに変更するなどにより落札希望価格を落札可能価格と同じ価格にする行為を防止することができる。そのため、落札可能価格よりも高い金額での落札の可能性を高めることができる。
【0139】
また、処理部33は、オークションの終了日時が所定時間以内で、かつ、オークションにおいて過去に行われた購入要求に含まれる落札希望価格より現在価格が低い場合、かかる購入要求を行ったユーザUへの通知を行う。これにより、過去に希望の値段で購入要求したものの出品物の購入までには至らなかったユーザUに対してオークションに再度参加して入札することを促すことができる。
【0140】
また、オークション装置1は、出品物に対するオークションの状況に応じて、落札可能価格を変更する変更部34を備える。例えば、変更部34は、落札の可能性が高くなるように落札可能価格を設定する。これにより、落札の可能性を高めることができ、オークションの利便性をより高めることができる。
【0141】
また、処理部33は、落札可能価格よりも低い入札価格で出品物が落札されると予測される場合に、当該予想結果を通知する。これにより、出品者は、例えば、落札の可能性が高くなるように落札可能価格を設定することができ、オークションの利便性をより高めることができる。
【0142】
また、出品受付処理部41は、出品物に対する落札可能価格の設定画面に、オークションにおける出品物の落札相場の情報を提供する。これにより、出品者は、落札の可能性が高くなるように落札可能価格を設定することができ、オークションの利便性をより高めることができる。
【0143】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0144】
また、上述したオークション装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0145】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、処理部は、処理手段や処理回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願にかかるオークション装置は、第1受付部と、第2受付部と、判定部と、処理部とを備える。第1受付部は、オークションの出品物に対する非公開の落札可能価格の設定を受け付ける。第2受付部は、オークションのユーザから出品物に対する入札価格とは別に出品物に対する落札希望価格での購入要求を受け付ける。判定部は、第2受付部によって受け付けた購入要求に含まれる落札希望価格が、出品物のオークションにおける現在価格よりも高く且つ落札可能価格以上であるか否かを判定する。処理部は、判定部の判定結果に基づいて、購入要求に対する処理を行う。