(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乾燥粉末化の方法が、液体原料から連続的に直接、球形状顆粒を製造する噴霧乾燥式流動層造粒装置を用いる、流動層レイヤリング造粒法であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の粉末酸味料組成物。
液体原料から連続的に直接、球形状顆粒を製造する噴霧乾燥式流動層造粒装置を用いる、流動層レイヤリング造粒法により得られる粉末酸味料組成物の製造方法であって、前記液体原料が、クエン酸及びリンゴ酸からなる群より選ばれた1種又は2種の有機酸と、フマル酸一ナトリウムからなるか、あるいはフマル酸一ナトリウム及びコハク酸二ナトリウムからなる有機酸塩と、水とを含有する液体原料であり、加熱した空気によって流動化させた酸味料組成物核粒子の流動層中へ前記液体原料を噴霧し、流動層の温度を80〜140℃に保持することを特徴とする粉末酸味料組成物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
〔 I 〕粉末酸味料組成物の構成成分
(1)有機酸
本発明で用いる有機酸は、飲食品に使用できる可食性の有機酸であれば、特に限定されるものではないが、好ましくはソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、イタコン酸、α−ケトグルタル酸、フィチン酸が例示される。
上記の有機酸の中でも、好ましくはクエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸が用いられ、より好ましくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸が用いられ、最も好ましくはリンゴ酸が用いられる。
なお、上記の有機酸は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】
有機酸の使用量は、当該粉末酸味料組成物の使用目的にもよるが、通常は粉末酸味料組成物の1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは10〜25質量%で用いられる。
使用量が1質量%未満の場合は酸味料としての効果が弱く、40質量%を超えた場合は粉末化が困難になる場合がある。
【0018】
(2)有機酸塩
本発明においては、フマル酸一ナトリウム、コハク酸ナトリウムから選ばれるジカルボン酸ナトリウム塩を前記の有機酸と組み合わせて用いる。酸味料として用いられる酸類およびその塩の中で、有機酸と、有機酸塩との組合せにより、持続性のある好ましい酸味を得ることができる。
フマル酸一ナトリウム(分子式C
4H
3NaO
4)は、白色の結晶性粉末(融点290℃)であり臭いは無いが酸味を有する。酸味料として粉末ジュース、ジャム、ゼリー等に使用される食品添加物であり、フマル酸の10倍の溶解度を有する。
【0019】
コハク酸ナトリウムとして、コハク酸一ナトリウムとコハク酸二ナトリウムが食品添加物として使用されているが、本発明では市場における供給性の面からからコハク酸二ナトリウムが好ましい。
コハク酸一ナトリウム(分子式C
4H
5NaO
4)は、臭いのない無〜白色の結晶又は白色の粉末である。貝類の旨味成分を構成している物質であり、魚肉練り製品、佃煮、貝の缶詰やソースなどの味の改善に使用されている。
コハク酸二ナトリウム(分子式C
4H
4Na
2O
4・6H
2O)は、無色から白色の結晶粉末であり水に易溶である。臭いは無いがコハク酸の味と塩味を合わせた特有の味を有する
。貝の旨味成分として知られ、調味料、酸味料、pH調整剤として、しょうゆ、肉製品、水産練製品、漬物、カレー等に使用される食品添加物である。
【0020】
フマル酸一ナトリウムおよびコハク酸ナトリウムは、それぞれ単独で有機酸と組み合わせても良いが、2種併せて有機酸と組み合わせることにより更に高い効果を得ることができる。有機酸と、フマル酸一ナトリウム又はコハク酸ナトリウムを組み合わせて使用する場合、フマル酸一ナトリウムの使用量は、有機酸に対して通常は0.25〜300質量%、好ましくは0.5〜100質量%、最も好ましくは1.0〜80質量%で用いられる。使用量が0.25質量%未満の場合は十分な効果が得られない場合があり、使用量が300質量%を超えた場合は異味として感じられる場合がある。
【0021】
また、コハク酸ナトリウムの使用量は、有機酸に対して通常は0.25〜300質量%、好ましくは0.5〜100質量%、最も好ましくは1.0〜80質量%で用いられる。使用量が0.25質量%未満の場合は十分な効果が得られない場合があり、使用量が300質量%を超えた場合は異味として感じられる場合がある。
【0022】
(3)賦形剤
本発明の酸味料組成物においては、賦形剤を用いることができる。本発明に用いられる賦形剤としては特に限定されるものではなく、例えばデキストリン、タマリンドガム、キサンタンガム、プルラン、水溶性大豆多糖類、アラビアガム、ペクチン、ゼラチン、ビール酵母壁などが例示され、水溶性大豆多糖類を用いることが好ましい。
本発明で用いられる水溶性大豆多糖類とは、大豆から豆腐を製造した際に副生するオカラや脱脂大豆を原料とし、それらを加水分解して得られる水溶性大豆多糖類であり、例えば市販品として(不二製油株式会社製の「ソヤファイブ」(商品名))入手することができる。
【0023】
水溶性大豆多糖類の製造の具体例を示すと以下の通りである。
豆腐や豆乳、分離大豆蛋白質の製造時に副産物として得られオカラや、脱脂大豆粕(ミール)を原料として、これに加水を行い、抽出前のpHが3〜7となる条件下、即ち大豆蛋白質の等電点付近である弱酸性域で、好ましくは100〜130℃の温度域で抽出を行なう。抽出後、固液分離により、水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは低分子物質を除去し、乾燥することによって、水溶性大豆多糖類を得ることができる。この水溶性大豆多糖類は、構成糖としてガラクツロン酸を含み、その他にガラクトース、アラビノース、キシロース、フコース、ラムノースを含む多糖類である。
本発明における水溶性大豆多糖類は、その分子量がどの様なものでも使用可能であるが、高分子であることが好ましく、平均分子量が数千〜数百万、具体的には5,000〜1,000,000であるのが好ましい。分子量が大き過ぎると粘度が上がり過ぎて作業性が悪くなる。
【0024】
水溶性大豆多糖類の使用量は、通常は固形分として0.1〜70質量%、好ましくは1〜20質量%で用いられる。使用量が0.1質量%未満の場合は十分な添加効果が得られず、70質量%を超えた場合は経済的では無い場合がある。
【0025】
(4)香料
本発明の粉末酸味料組成物には、更に香料を添加することもできる。このような香料としては、例えば、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−
メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、
【0026】
酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、
【0027】
フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、
【0028】
アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、
【0029】
ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、
【0030】
アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、
【0031】
オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、キバナオウギ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、
【0032】
キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、
【0033】
コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、
【0034】
スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、
【0035】
テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、シンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、
【0036】
バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、
【0037】
ペパーミント、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、
【0038】
メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料、カレー、シチュー、デミグラスソースなど調理食品からの抽出フレーバー等天然香料が例示され、適宜選択して使用される。
【0039】
(5)その他の成分
本発明の酸味料組成物においては、乳化剤を用いることができる。本発明に用いられる乳化剤としては特に限定されるものではなく、例えばアラビアガム、加工デンプン、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、キラヤサポニンなどが例示され、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、その他上記の構成成分のほかに必要に応じて飲食品用として通常用いられている他の成分を添加することができる。付加的に用いられる任意の成分としては例えば甘味料、保存料、製造溶剤、コーティング剤などが挙げられる。
【0040】
〔II〕粉末酸味料組成物の製造方法
(1)粉末混合
本発明の粉末酸味料組成物は、最も簡便な方法として、粉末状の前記各成分をミキサーによって均一に混合することに得られる。
【0041】
(2)乾燥粉末化
しかしながら、酸味の持続時間の向上の観点から、粉末化方法として、上記の酸味料組成物を水等の溶媒に均一に溶解又は分散させて液体原料とし、これを粉末状に乾燥させる方法が例好ましい。
【0042】
(3)噴霧乾燥
より好ましい粉末化方法として、酸味料組成物の溶解液を噴霧乾燥する方法が挙げられる。噴霧乾燥する条件としては特に限定されるものではなく、一般的な方法、例えば、水、賦形剤からなる混合物を加熱することにより溶解殺菌を行い、冷却後、それに有機酸と有機酸塩との混合溶液を加え、撹拌混合を行って液体原料を得る。
次いで、スプレードライヤーを用いて、送風温度120〜160℃、排風温度70〜100℃の条件にて、液体原料の噴霧乾燥を行って、本発明の粉末酸味料組成物を得ることができる。
【0043】
(4)流動層レイヤリング造粒法
しかしながら、噴霧乾燥法は、液状食品を乾燥して粉末化する製造プロセスに用いられる非常に優れた方法ではあるが、得られる粉末が極めて微粒子であるため、流動性が劣り、吸湿してしまうことがあり、取り扱い上の問題点を有する。
そこで、本発明においては、粉末化方法を流動層レイヤリング造粒法により行うことが最も好ましい。
流動層レイヤリング造粒法は、加熱した空気によって流動化させた酸味料組成物核粒子の層の中へ酸味料組成物となる液体原料を噴霧し、流動層の温度を80〜140℃に保持することにより、目的の粉末酸味料組成物を製造する方法である。流動層の温度が80℃未満であると水分の乾燥が遅く製造時間が長くなり、また、140℃を越えると酸味成分の揮散、熱劣化が起こるため品質の優れた粉末酸味料を得ることが難しくなる傾向がある。
なお、本発明において酸味料核粒子は、酸味料組成物となる液体原料を流動層中に噴霧することにより、流動層中に直接生成させることもできる。
【0044】
本発明で用いられる造粒装置としては、流動層レイヤリング造粒法として確立された噴霧乾燥式流動層造粒装置であれば、その構造については特に限定されるものではないが、例えば、ホソカワミクロン株式会社製「アグロマスタAGM−SD型」(商品名)が挙げられる。
この噴霧乾燥式流動層造粒装置では、従来における乾燥(噴霧乾燥又は真空乾燥)、液添(造粒用水分調整)、造粒(流動層又は押出造粒機)、球形化(転動球形化機)、仕上げ乾燥(流動乾燥機)を一つの装置、即ち1プロセスで実現できるので、効率的、かつ、経済的な造粒乾燥システムで粉末酸味料組成物が得られることとなる。
【0045】
以下、流動層レイヤリング造粒法について、図を用いて詳細に説明する。
図2(I)における噴霧乾燥式流動層造粒装置20において、高温空気流の流入する空塔内(スプレーゾーン)21にスプレーノズル(図示せず)により供給された酸味料組成物からなる液体原料は、その上昇過程で微粒化され瞬時に乾燥されて微細粒子(数〜数十μm)22となって上部のバクフィルタ部23に捕捉される。このバクフィルタ部23ではその内部への定期的な圧縮空気の吹き込み(パルスジェット逆洗方式)によって粒子の払い落としがなされる。微細な粒子群は、その慣性力により下部のスプレーゾーン21に落下し、ここで酸味料組成物核粒子となって液体原料にレイヤリングされる。酸味料組成物核粒子はレイヤリングされた溶出固形分のみの粒子成長を伴いながら上部のバクフィルタ部23に再捕捉される。
【0046】
すなわち、酸味料組成物からなる液体原料は、噴霧乾燥による微細な酸味料組成物核粒子(
図1における図示符号11)の生成と共に、いったん生成された酸味料組成物核粒子のレイヤリング(層形成)に消費される。これらの現象の継続によって粒子は成長を遂げ、やがてその粒子径が高温空気流の上昇速度に対して相対的に終末速度以下に成長すると、粒子は装置下部で流動層を形成するようになる〔
図2(II)〕。次いで、スプレーノズルより高圧で噴霧供給されている酸味料組成物からなる液体原料は成長した流動層粒子をレイヤリングする一方、その一部はこれらの粒子層を吹き抜けて微細な酸味料組成物核粒子として生成する〔
図2(III)〕。
このように噴霧乾燥原理と流動層レイヤリング原理が複合された造粒機構に基づいて成長した粉末酸味料組成物(顆粒製品)10は、
図1に示すような構造となるものである。
なお、顆粒製品の排出は、バッチ運転の場合には通気板中央部の排出口24により一括して行われる。また、連続運転では流動層が所定の顆粒ホールド量に到達した時点〔
図2(III)〕から、固形分供給速度に等しい排出口よりシール付排出機(ロータリバルブ等)を介して連続・定量的に抜き出される。
【0047】
液体原料から連続的に直接、球形状顆粒を製造する噴霧乾燥式流動層造粒装置を用いて、流動層レイヤリング造粒法により得られる本発明の粉末酸味料組成物10は、
図1に示すように、酸味料組成物の核粒子11を有し、該核粒子11は流動層レイヤリング造粒により酸味粉末粒子を有する酸味粉末粒子層12、12……が多層コーティングされた単一粒子構造となっている。
【0048】
本発明の粉末酸味料組成物は、口中において酸味成分の溶出を遅らせ、長時間口中にあっても強い酸味を発現させる、持続性に優れたものであり、食品用に好適に用いることができ、例えば、チューインガム、チューイングキャンディー、グミ等の口中で長時間咀嚼をうけるものが挙げられる。これらの食品中に添加する場合は、添加率として通常は0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%の範囲で用いられる。添加率が0.01質量%未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加率が20質量%を超えた場合は経済的でない場合がある。
【実施例】
【0049】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0050】
実施例及び比較例に使用した原材料の入手先は以下の通りである。
(1)基材成分
デキストリン:松谷化学工業株式会社製「H-PDX」
ゼラチン:ヴァイスハルト・インターナショナル製「GELATINE 250 BLOOM 6/20 MESH-PIG SKIN」
アラビアガム:ネキシラ株式会社製「INSTANTGUM AA」
水溶性大豆多糖類:不二製油株式会社製「ソヤファイブ−S」
プルラン:株式会社林原製「プルラン」
キサンタンガム:DSP五協フード&ケミカル株式会社製「エコーガム」
タマリンド:DSP五協フード&ケミカル株式会社製「グリエイト」
水:水道水を精製して使用した。
【0051】
(2)酸味料成分
クエン酸:磐田化学工業株式会社製「クエン酸(無水)」
リンゴ酸:扶桑化学工業株式会社製「リンゴ酸フソウ」
フマル酸一ナトリウム:扶桑化学工業株式会社製「フマル酸一ナトリウム」
コハク酸二ナトリウム:キリン協和フーズ株式会社製「コハク酸二ソーダKK 80M」
フマル酸:扶桑化学工業株式会社製「フマル酸」
コハク酸:キリン協和フーズ株式会社製「琥珀酸」
リン酸:和光純薬工業株式会社製「リン酸」
【0052】
〔実施例1〕
クエン酸99部(質量部、以下同じ)、フマル酸一ナトリウム1部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物を調製した。
【0053】
〔実施例2〕
クエン酸99部、コハク酸二ナトリウム1部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物を調製した。
【0054】
〔実施例3〕
クエン酸98部、フマル酸一ナトリウム1部、コハク酸二ナトリウム1部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物を調製した。
【0055】
〔比較例1〕
クエン酸99部、フマル酸1部を混合し、粉末酸味料組成物を調製した。
【0056】
〔比較例2〕
クエン酸99部、コハク酸1部を混合し、粉末酸味料組成物を調製した。
【0057】
〔比較例3〕
クエン酸99部、リン酸1部を混合し、粉末酸味料組成物を調製した。
【0058】
〔試験例1〕
ガムベース26g、キシリトール42.5g、マルチトール16.6g、還元パラチノース16.3gを混合し、これに実施例1〜3、比較例1〜3の粉末酸味料組成物を1%加え、常法に従って高剪断型ミキサーを用いて約50℃で混和し、冷却後ローラーにより圧展成形し、1個約0.85gの粒ガムを調製した。コントロールとして、クエン酸のみを1%加えた粒ガムを調製した。
これらの粒ガムに関して、専門パネラー9名にて酸味の官能評価を行った。評価は、かみ始めから酸味の持続する時間(秒)を計測した。その結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果から、本発明の酸味料組成物は、コントロールの酸味料に対してわずかの添加量で有意の持続効果を示した。また、フマル酸一ナトリウムおよびコハク酸二ナトリウムはそれぞれ単品で有機酸と組み合わせても良いが、2種合わせて組み合わせることによりさらに高い酸味持続効果が得られることが示された。
【0061】
〔比較例4〕
水(精製水)250g、賦形剤としてデキストリン80gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。
これに水(精製水)50g、リンゴ酸20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、スプレードライヤー(大川原化工機社製)を用いて、送風温度135℃、排風温度90℃にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粉末酸味料製剤88gを得た。
【0062】
〔実施例4〕
リンゴ酸18部、フマル酸一ナトリウム1部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物Aを調製した。次に水(精製水)250g、賦形剤としてデキストリン80gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。
これに水(精製水)50g、上記粉末酸味料組成物A20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、比較例4と同条件にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粉末酸味料製剤90gを得た。
【0063】
〔実施例5〕
リンゴ酸18部、コハク酸二ナトリウム1部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物Bを調製した。次に水(精製水)250g、賦形剤としてデキストリン80gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。
これに水(精製水)50g、上記粉末酸味料組成物B20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、比較例4と同条件にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粉末酸味料製剤86gを得た。
【0064】
〔実施例6〕
リンゴ酸18部、フマル酸一ナトリウム1部、コハク酸二ナトリウム1部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物Cを調製した。次に水(精製水)250g、賦形剤としてデキストリン80gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。
これに水(精製水)50g、上記粉末酸味料組成物C20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、比較例4と同条件にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粉末酸味料製剤85gを得た。
【0065】
〔実施例7〕
リンゴ酸18部、フマル酸一ナトリウム10部、コハク酸二ナトリウム10部を混合し、本発明の粉末酸味料組成物Dを調製した。次に水(精製水)250g、賦形剤としてデキストリン80gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。
これに水(精製水)100g、上記粉末酸味料組成物D20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、比較例4と同条件にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粉末酸味料製剤88gを得た。
【0066】
〔試験例2〕
ガムベース26g、キシリトール42.5g、マルチトール16.6g、還元パラチノース16.3gを混合し、これにクエン酸0.7%、グレープ香料(小川香料社製)1%、比較例4及び実施例4〜7の粉末酸味料製剤1%を添加し、常法に従って高剪断型ミキサーを用いて約50℃で混和し、冷却後ローラーにより圧展成形し、1個約0.85gの粒ガムを調製した。
これらの粒ガムに関して、専門パネラー9名にて香味、酸味の官能評価を行った。評価項目は、かみ始めから酸味の持続する時間(秒)、異味の有無、香味とした。フマル酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウムのそれぞれの、リンゴ酸に対する比率とともに、その結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
表2の結果から、本発明の粉末酸味料組成物は、異味を感じず違和感なく使用でき、且つ、唾液感や香味の広がり付与などの、優れた相乗効果を有することが示された。また、噴霧乾燥による製剤化を行った場合においても、フマル酸一ナトリウム及びコハク酸二ナトリウムはそれぞれ単品で有機酸と組み合わせても良いが、2種合わせて組み合わせることによりさらに高い酸味持続効果が得られることが示された。
【0069】
〔実施例8〜13〕
水(精製水)350g、賦形剤として表3からなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。これに水(精製水)50g、前記粉末酸味料組成物C20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。
得られた液体原料を、実施例3と同条件にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粉末酸味料組成物80〜86gを得た。
【0070】
〔試験例3〕
ガムベース26g、キシリトール42.5g、マルチトール16.6g、還元パラチノース16.3gを混合し、これにクエン酸0.7%、グレープ香料(小川香料社製)1%、実施例8〜13の粉末酸味料製剤1%を添加し、常法に従って高剪断型ミキサーを用いて約50℃で混和し、冷却後ローラーにより圧展成形し、1個約0.85gの粒ガムを調製した。
これらの粒ガムに関して、専門パネラー9名にて酸味の官能評価を行った。なお、評価項目は、かみ始めから酸味の持続する時間(秒)とした。その結果を実施例6の結果とともに、表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
表3の結果から、本発明の酸味料組成物は、賦形剤として水溶性大豆多糖類を使用することで最も優れた効果を発揮することが示された。
【0073】
〔実施例14〕
前記粉末酸味料組成物C20g、粉末状の水溶性大豆多糖類10g、粉末状のアラビアガム70gを混合し、本発明の粉末酸味料組成物を調整した。
【0074】
〔比較例6〕
水(精製水)250g、水溶性大豆多糖類10g、アラビアガム70gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。これに水(精製水)50g、リンゴ酸20gからなる水溶液を加え、撹拌混合を行った。
得られた液体原料を、スプレードライヤー(大川原化工機社製)を用いて、送風温度135℃、排風温度90℃にて噴霧乾燥を行い、篩過後、粒径が10〜50μmの酸味料粉末顆粒85gを得た。
【0075】
〔実施例15〕
水(精製水)250g、水溶性大豆多糖類10g、アラビアガム70gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。これに水(精製水)50g、前記粉末酸味料組成物C20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、比較例6と同条件にて噴霧乾燥を行い、篩過後、酸味料成分を20%含有する粒径が10〜50μmの粉末酸味料組成物87gを得た。
【0076】
〔比較例7〕
水(精製水)250g、水溶性大豆多糖類10g、アラビアガム70gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。これに水(精製水)50g、リンゴ酸20gからなる水溶液を加え、撹拌混合を行った。
得られた液体原料を、アグロマスタAGM−SD(ホソカワミクロン社製)を用いて、送風温度130℃にて流動層レイヤリング造粒を行い、篩過後、粒径が100〜800μmの酸味料粉末顆粒85gを得た。
【0077】
〔実施例16〕
水(精製水)250g、水溶性大豆多糖類10g、アラビアガム70gからなる混合物を85℃まで加熱することにより溶解殺菌を行い、40℃まで冷却した。これに水(精製水)50g、前記粉末酸味料組成物C20gからなる酸味料水溶液を加え、撹拌混合を行った。得られた液体原料を、比較例7と同様に流動層レイヤリング造粒を行い、篩過後、粒径が100〜800μmの酸味料粉末顆粒80gを得た。
【0078】
〔試験例4〕
ガムベース26g、キシリトール42.5g、マルチトール16.6g、還元パラチノース16.3gを混合し、これにクエン酸0.7%、グレープ香料(小川香料社製)1%、実施例14〜16および比較例6、7の粉末酸味料製剤1%を添加し、常法に従って高剪断型ミキサーを用いて約50℃で混和し、冷却後ローラーにより圧展成形し、1個約0.85gの粒ガムを調製した。
これらの粒ガムに関して、専門パネラー9名にて香味、酸味の官能評価を行った。なお、評価項目は、かみ始めから酸味の持続する時間(秒)、香味の持続する時間(秒)および香味の強さ(弱い〜強い の7段階評価)とした。その結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】
表4の結果から、スプレードライ、レイヤリング造粒共に、本発明の粉末酸味料組成物を含有することによって比較例に対して有意の酸味持続効果を示すとともに、香料の香味持続効果を併せて示し、かつ香味の強さについても優れた効果を有することが判明した。(実施例15、16および比較例6、7)
また、粉末化方法をスプレードライまたはレイヤリング造粒とすることでより優れた効果を示すが、粉末化方法をレイヤリング造粒とすることで最もすぐれた効果が示された。(実施例14、15、16)