特許第6097059号(P6097059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6097059-皮膚外用組成物 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097059
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20170306BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20170306BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A61K8/37
   A61K8/19
   A61K8/49
   A61K8/891
   A61K8/87
   A61K8/81
   A61K8/06
   A61Q17/04
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-254671(P2012-254671)
(22)【出願日】2012年11月3日
(65)【公開番号】特開2014-91741(P2014-91741A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸子
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−520356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/37
A61K 8/06
A61K 8/19
A61K 8/49
A61K 8/81
A61K 8/87
A61K 8/891
A61Q 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トリメリット酸トリエステルと、(b)メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス−{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンから選ばれる1種以上の紫外線吸収剤、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を含有する皮膚外用組成物。
【請求項2】
前記(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体が、ポリメチルシルセスキオキサン、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、及びポリアクリル酸アルキルから選ばれる1種類以上である、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(a)トリメリット酸トリエステルを0.1〜30重量%含有する、請求項1又は2のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(c)のポリメチルシルセスキオキサン、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、及びポリアクリル酸アルキルから選ばれる1種以上の直径1〜20μmの疎水性球状粉体を0.1〜30重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項5】
前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(a)トリメリット酸トリエステルを0.1〜30重量%、前記(b)メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス−{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンから選ばれる1種以上の紫外線吸収剤を0.1〜50重量%、並びに前記(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を0.1〜30重量%含有する(ただし、前記(a)〜(c)成分の合計は100重量%以下である)、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項6】
前記(a)トリメリット酸トリエステル1重量部に対し、前記(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を0.05〜20重量部含有する、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項7】
前記(a)トリメリット酸トリエステルが、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルまたはトリメリット酸トリデシルある、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項8】
日焼け止め化粧料である、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項9】
水中油型又は油中水型のエマルジョンである、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚外用組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリメリット酸トリエステルと、紫外線吸収剤と、及び直径1〜20μmの疎水性球状粉体とを含有する、使用感がよく、紫外線吸収能が増強された皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線防御用の皮膚外用組成物は、紫外線吸収剤を組成物に均一に溶解させ、皮膚上に均一な塗膜を作ることで十分な紫外線防御効果が得られるため、紫外線吸収剤の溶解性を高めるエステル油などを利用した方法が用いられてきた。エステル油の中でも、トリメリット酸トリエステルは、難溶性のトリアジン系紫外線吸収剤の溶解性を上げることが知られている。(特許文献1)。
一方で、粉体は外用剤の塗布時の滑らかさや、塗布後の使用感、見た目などを改善するために使用されることが知られている。(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−520356号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】新 化粧品ハンドブック(関根茂、平成18年10月30日発行、294〜357頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、紫外線防御効果を増強するためには、紫外線吸収剤や、それを溶解するためのトリメリット酸トリエステルを増やす必要があり、さらには紫外線散乱剤等の添加が必要であるが、紫外線吸収剤やトリメリット酸トリエステルの持つベタツキやテカリが皮膚外用組成物の特徴として出てしまうことや、紫外線散乱剤の白残りやきしみが出るため、それらの配合量には制限があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らはかかる実情に鑑み、トリメリット酸トリエステルと紫外線吸収剤を含む外用組成物において、直径1〜20μmの疎水性球状粉体を加えることで、ベタツキやテカリなどが起こらずに使用感がよく、さらには紫外線吸収能が増強されることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、(a)トリメリット酸トリエステル、(b)紫外線吸収剤、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を含有する皮膚外用組成物に関する。
【0008】
すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
項1.(a)トリメリット酸トリエステルと、(b)紫外線吸収剤、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を含有する皮膚外用組成物。
項2.前記(c)の径1〜20μmの疎水性球状粉体が、真球状である、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3.前記(c)の直径1〜20μmの疎水性球状粉体が、ポリメチルシルセスキオキサン、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、及びポリアクリル酸アルキルから選ばれる1種類以上である、項1又は2のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項4.前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(a)トリメリット酸トリエステルを0.1〜30重量%含有する、項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項5.前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(c)のポリメチルシルセスキオキサン、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、及びポリアクリル酸アルキルから選ばれる1種以上の直径1〜20μmの疎水性球状粉体を0.1〜30重量%含有する、項1〜4のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項6.前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(b)紫外線吸収剤が、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス−{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノンから選ばれる1種以上である、項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項7.前記皮膚外用組成物100重量%中、前記(a)トリメリット酸トリエステルを0.1〜30重量%、前記(b)紫外線吸収剤を0.1〜50重量%、並びに前記(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を0.1〜30重量%含有する(ただし、前記(a)〜(c)成分の合計は100重量%以下である)、項1〜6のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項8.前記(a)トリメリット酸トリエステル1重量部に対し、前記(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を0.05〜20重量部含有する、項1〜7のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項9.前記(a)トリメリット酸トリエステルが、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルまたはトリメリット酸トリデシルある、項1〜8のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項10.さらに(d)水を含有する、項1〜9のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項11.日焼け止め化粧料である、項1〜10のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項12.水中油型又は油中水型のエマルジョンである、項1〜11のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明の皮膚外用組成物は、使用感がよく、高い紫外線吸収能を持ち、優れた日焼け止め効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】 トリメリット酸トリエステル、紫外線吸収剤、及び直径1〜20μmの疎水性球状粉体を含有する皮膚外用組成物の紫外線吸収スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の皮膚外用組成物は、(a)トリメリット酸トリエステル、(b)紫外線吸収剤、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を含有する。
【0012】
(a)トリメリット酸トリエステル
トリメリット酸トリエステルは、トリメリット酸と高級アルコールのトリエステルを示し、トリメリット酸と、炭素数8〜15の飽和あるいは不飽和の直鎖状または分岐状を有する高級アルコールを脱水縮合させたものを示す。
【0013】
本発明に使用されるトリメリット酸トリエステルとしては、(b)紫外線吸収剤を溶解する効果や使用感の点から、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリデシルが好ましく、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルが特に好ましい。
【0014】
トリメリット酸トリエステルは、具体的には、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル「商品名 クロダモルSR TOTM:クローダ社」、トリメリット酸トリデシル「商品名 LIPONATE TDTM:LIPONATE社」等が挙げられる。
【0015】
トリメリット酸トリエステルの本発明の皮膚外用組成物における含有量は、その効果の点から、皮膚外用組成物100重量%中、通常0.1〜30重量%であり、好ましくは0.5〜20重量%であり、より好ましくは1〜15重量%である。この範囲であれば、十分に紫外線吸収剤を溶解させることができ、ベタツキが抑えられ、保湿感が得られる。
【0016】
また、本発明の皮膚外用組成物において、トリメリット酸トリエステル1重量部に対して、(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体は、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部配合される。この範囲であれば、紫外線吸収剤やトリメリット酸トリエステルのベタツキやテカリが改善され、また十分に紫外線吸収能を増強することができる。
【0017】
(b)紫外線吸収剤
本発明に使用される紫外線吸収剤(b)の例としては、トリアジン誘導体、安息香酸エステル誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、オクトクリレン及びジベンゾイルメタン誘導体等が挙げられる。本発明において紫外線吸収剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
(b)紫外線吸収剤としては、紫外線防御効果及び、トリメリット酸トリエステルへの溶解性の点から、トリアジン誘導体、安息香酸エステル誘導体、ケイ皮酸誘導体及びジベンゾイルメタン誘導体が好ましい。
【0019】
本発明に使用されるトリアジン誘導体の例としては、2,4−ビス−{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン「商品名 チノソーブS:BASF社」、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン「商品名 ユビナールT−150:BASF社」、「Heliosun OTZ:O’Laughlin Industries社」等が挙げられる。
【0020】
次に、本発明に使用される安息香酸エステル誘導体の例としては、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル「商品名 ユビナールA plus:BASF社」等が挙げられる。
【0021】
本発明に使用されるサリチル酸誘導体の例としては、サリチル酸2−エチルヘキシル「商品名 Parsol EHS:DSM社」、サリチル酸ホモメンチル「商品名 ParsolHMS:DSM社」等が挙げられる。
【0022】
本発明に使用されるケイ皮酸誘導体の例としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル「商品名 ユビナールMC80:BASF社」、「商品名 Parsol MCX:DSM社」等が挙げられる。
【0023】
本発明に使用されるベンゾフェノン誘導体の例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン「商品名 ユビナールM40:BASF社」、「商品名 エスカロール567:ISP社」、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン「商品名 SEESORB107:シプロ化成社」、ジヒドロキシベンゾフェノン「商品名 SEESORB100:シプロ化成社」、テトラヒドロキシベンゾフェノン「商品名 SEESORB106:シプロ化成社」等が挙げられる。
【0024】
本発明に使用されるオクトクリレンとしては、「商品名 エスカロール597:ISP社」、「商品名 Parsol340:DSM社」等が挙げられる。
【0025】
本発明に使用されるジベンゾイルメタン誘導体の例としては、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン「商品名 Parsol 1789:DSM社」等が挙げられる。
【0026】
本発明に使用される紫外線吸収剤(b)としては、紫外線防御の点から、2,4−ビス−{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
【0027】
以上説明した紫外線吸収剤の含有量は、その紫外線防御効果、使用感の点から、本発明の皮膚外用組成物100重量%中、通常0.1〜50重量%であり、好ましくは0.3〜30重量%であり、より好ましくは0.3〜15重量%である。
【0028】
(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体
本発明に使用される直径1〜20μmの疎水性球状粉体は、化粧品に一般的に使用できるものであれば特に特定されるものではなく、その形状(性質)が球状であり、さらには真球状であることが好ましく、粒子径が1〜20μmであり、粒子表面が疎水性であり、ポリメチルシルセスキオキサン、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、及びポリアクリル酸アルキルから選ばれる1種以上が好ましい。
【0029】
このよう直径1〜20μmの疎水性球状粉体の本発明の外用組成物における含有量は、紫外線吸収剤やトリメリット酸トリエステルのベタツキやテカリを抑えるという効果の点から、皮膚外用組成物100重量%中、通常0.1〜30重量%であり、好ましくは0.5〜20重量%であり、さらに好ましくは0.5〜15重量%である。
【0030】
本発明に使用される直径1〜20μmの疎水性球状粉体の具体的なものとしては、ポリメチルシルセスキオキサン、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、及びポリアクリル酸アルキル等が挙げられる。
【0031】
ポリメチルシルセスキオキサンとは、シリコーン樹脂のマイクロパウダーであり、具体的には「商品名 KMP590、KMP591:信越化学工業社」、「商品名 トスパール シリーズ:MOMENTIVE社」等が挙げられる。
【0032】
(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーとは、ウレタンを主成分とする球状のパウダーであり、具体的には「商品名 Plastic powderシリーズ:東色ピグメント社」、「商品名 ダイミックビーズシリーズ:大日精化社」等が挙げられる。
【0033】
ポリアクリル酸アルキルとは、メタアクリル酸のアルキルエステルを重合または架橋した球状粉体であり、具体的には「商品名 ガンツパール GMX−0810、GMX−0610、GMP−0820:ガンツ化成社」、「商品名 マツモトマイクロスフェアー Mシリーズ:松本油脂製薬社」等が挙げられる。
これら直径1〜20μmの疎水性球状粉体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
また、同様の点から、本発明の外用組成物において、(a)トリメリット酸トリエステル1重量部に対して、直径1〜20μmの疎水性球状粉体は、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部配合される。
また、ベタツキの改善の効果の観点から、本発明の皮膚外用組成物において、(b)紫外線吸収剤1重量部に対して、直径1〜20μmの疎水性球状粉体は、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部配合される。
【0035】
本願発明の水は、具体的には医薬部外品、化粧品に使用される精製水でよく、植物の蒸留水および温泉水等であってもよい。使用感または水溶性成分の溶解性の観点から、1〜90重量%が好ましく、20〜90重量%がより好ましい。
【0036】
本発明の皮膚外用組成物は、以上説明した(a)トリメリット酸トリエステルと、(b)紫外線吸収剤に、(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体を加えることで、ベタツキやテカリが起こらず、使用感がよく、紫外線吸収能が増強されたものである。
【0037】
ベタツキやテカリなどの使用感の効果の点からは、本発明の外用組成物100重量%中、(a)トリメリット酸トリエステルが0.1〜30重量%、(b)紫外線吸収剤が0.1〜50重量%、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体が0.1〜30重量%配合されていることが好ましい。なお、(a)〜(c)成分の合計は100重量%以下である。
【0038】
同様な観点から、本発明の外用組成物100重量%中、(a)トリメリット酸トリエステルが1〜15重量%、(b)紫外線吸収剤が0.3〜15重量%、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体が0.5〜15重量%配合されていることが特に好ましい。なお、(a)〜(c)成分の合計は100重量%以下である。
【0039】
<その他の成分>
本発明の外用組成物は、以上説明した(a)トリメリット酸トリエステル、(b)紫外線吸収剤、及び(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体とを含有し、その他、種々の目的に応じて、保湿成分、多価アルコール、スクラブ剤、紫外線散乱成分、抗炎症剤、収斂成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、洗浄成分、抗菌成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進作用成分、美白成分等のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。なお、これらのその他の成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0040】
前記保湿成分としては、例えば、ジグリセリントレハロース;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンなどの高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンなどのアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどの天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質などの脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスなどの植物抽出エキスなどが挙げられる。
【0041】
前記多価アルコールとしては、炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
【0042】
これらの中でも、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールが好ましく、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールがより好ましい。
【0043】
前記スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0044】
前記紫外線散乱成分としては、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
【0045】
前記抗炎症剤としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アズレン、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分、酸化亜鉛、酢酸トコフェロール、アラントイン、アミノカプロン酸及びヒドロコルチゾン等が挙げられる。
【0046】
前記収斂成分としては、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛及びタンニン酸等が挙げられる。
【0047】
前記ビタミン類としては、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
【0048】
前記ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
【0049】
前記アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
【0050】
前記洗浄成分としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩などから選ばれる石けん類;ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルタウリンNaなどのアミノ酸系界面活性剤;ラウレス硫酸Naなどのエーテル硫酸エステル塩;ラウリルエーテル酢酸Naなどのエーテルカルボン酸塩;アルキルスルホコハク酸エステルNaなどのスルホコハク酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド;ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のモノアルキルリン酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等のベタイン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0051】
前記抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾール等が挙げられる。
【0052】
前記角質柔軟成分としては、乳酸、サリチル酸、サリチル酸グリコール酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウなどが挙げられる。
【0053】
前記細胞賦活化成分としては、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸などのアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類;グリコール酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、感光素301号などが挙げられる。
【0054】
前記老化防止成分としては、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。
【0055】
前記血行促進作用成分としては、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウガ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、リョクチャ、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;アセチルコリン、イクタモール、カンタリスチンキ、ガンマ−オリザノール、セファランチン、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
【0056】
前記美白成分としては、トコフェロールなどが挙げられる。
【0057】
<皮膚外用組成物の製造方法>
本発明の皮膚外用組成物の製造方法は特に制限されず、必須成分である(a)トリメリット酸トリエステル、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)直径1〜20μmの疎水性球状粉体のほか、通常の、皮膚外用組成物を製造するのに必要な各種成分(上記その他の成分、水等)を適宜選択、配合して、常法により製造することができる。
【0058】
本発明の皮膚外用組成物は、以上説明したとおり、保湿感がありながらもベタツキやテカリが起こらず、きしみがなく、しっとり感や皮膜感があり、使用感が改善され、紫外線吸収能に優れたものである。
【0059】
また、本発明の皮膚外用組成物は、紫外線からの皮膚の保護、日焼けの予防等のための日焼け止め化粧料として好適に使用することができる。本発明の日焼け止め化粧料の外皮への適用量や用法は特に制限されず、通常、一日数回、適量を皮膚等の外皮に適用、例えば塗布するなどして用いることができる。
【0060】
<製剤形態>
本発明の日焼け止め化粧料の製剤形態としては医薬部外品及び化粧品が挙げられるが、この場合、その必須成分及び上記で説明したその他の成分等を、医薬部外品又は化粧品に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて後述する添加剤と共に常法に従い混合して、これらの製剤形態の日焼け止め化粧料とすることができる。
【0061】
前記日焼け止め化粧料は、水中油型又は油中水型のエマルジョンのいずれであってもよく、例えば使用感や、付与すべき性能によって、これらのいずれとするかを選択することが出来る。
【0062】
また、上記医薬部外品又は化粧品製剤の日焼け止め化粧料の形態は特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック、ハンドクリーム、ボディローション、ボディークリームのような基礎化粧料;洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプーのような洗浄用化粧料;ファンデーション、化粧下地、リップクリーム、口紅、チークカラーのようなメークアップ化粧料;入浴剤などが挙げられる。これらの製剤は常法に従い製造することができる。
【0063】
さらに、上記基剤又は担体としては、ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバターなどの油脂;ワセリン、流動パラフィンなどの炭化水素類;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリンなどのロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロールなどの高級アルコール;ジメチコン、環状シリコーン、変性シリコーンなどのシリコーン類;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットなどのエステル類;デキストリン、マルトデキストリンなどの多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーなどのビニル系高分子;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル;水などが挙げられる。
【0064】
以上説明した基剤又は担体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
【0065】
<添加剤>
本発明の日焼け止め化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬部外品又は化粧品に添加される公知の添加剤、例えば、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、パール光沢付与剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0066】
前記界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
【0067】
前記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
【0068】
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
【0069】
前記着色剤としては、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
【0070】
前記パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0071】
前記分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
【0072】
前記キレート剤としては、例えば、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。
【0073】
前記pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
【0074】
前記保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
【0075】
前記増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーなどが挙げられる。
【0076】
前記刺激低減剤としては、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【実施例】
【0077】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
【0078】
<使用感試験>
表1に記載の成分1〜11を70〜80℃で混合溶解し、そこに成分12〜14を混合した液を、ディスパーで攪拌しながら徐々に添加し、十分均一に混合し、目的の組成物を得た。
各組成物を、8名の専門パネラーが使用し、使用感の各項目について以下のように評価点数をつけた。
(しっとり感及び皮膜感)
ある:2点、ややある:1点、どちらともいえない:0点、ない:−1点、全くない:−2点
(ベタツキ、テカリ及びきしみ)
ある:−2点、ややある:−1点、どちらともいえない:0点、ない:1点、全くない:2点
使用感の各項目において、パネラー8名の評価点数を合計し、◎:9点以上、○:1〜8点、×:0点以下として使用感総合評価(点数)として、表1に示した。
また、使用感の各項目をさらに合計して使用感総合評価(点数)とし、その点数が30点以上を○、30点未満を×として使用感総合評価(判定)として、表1に示した。
【0079】
【表1】
実施例1〜3の皮膚外用組成物は、しっとり感や皮膜感ありながらも、ベタツキやテカリがなく、きしみもなかった。また、使用感総合評価も比較例に比べてよいものであった。
【0080】
<紫外線吸収能試験>
使用感試験と同様に、上記の表1に記載の組成にしたがって組成物を調製し、PMMA板に1.3mg/cmになるように均一に塗布し、10分間乾燥させた後に、(紫外可視分光光度計V−650:日本分光製)で、UVスペクトルを測定した(図1に示す)。
実施例1及び3は、比較例3よりも紫外線防御効果が優れていた。
【0081】
次に、本願発明の具体的な処方例を示す。
【0082】
処方例1
各成分を混合し、日焼け止め化粧料とした。
【0083】
処方例2
各成分を混合し、日焼け止め化粧料とした。
【0084】
処方例3
各成分を混合し、日焼け止め化粧料とした。
【0085】
処方例4
各成分を混合し、日焼け止め化粧料とした。
図1