特許第6097072号(P6097072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097072
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/703 20060101AFI20170306BHJP
   H01R 24/60 20110101ALI20170306BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01R13/703
   H01R24/60
   H01R12/71
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-284563(P2012-284563)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-127397(P2014-127397A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】内藤 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】新田 正義
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/021629(US,A1)
【文献】 特開2004−139212(JP,A)
【文献】 特開2009−076428(JP,A)
【文献】 米国特許第07207819(US,B1)
【文献】 特開2012−138383(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3172188(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/703
H01R 12/71
H01R 24/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向における前側に嵌合端を有すると共に前記嵌合端から後方に向けて挿入された相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記コネクタは、複数のコンタクトと、前記コンタクトを保持する保持部材と、前記相手側コネクタを受容する受容部を構成するシェルと、前記シェルとは別体の検知端子とを備えており、
前記シェルには、前端を固定端とし且つ後方に延びるバネ部が形成されており、
前記バネ部は、前記相手側コネクタの前記コネクタへの挿入の際に前記相手側コネクタに押圧される被押圧部と、前記前後方向と直交する所定方向に変位可能な接点部とを有しており、
前記検知端子は、前記バネ部と共に検知スイッチを構成するものであり、
前記被押圧部が前記相手側コネクタに押圧された際に前記接点部の前記所定方向における前記変位によって前記検知スイッチの状態を変更して前記相手側コネクタの前記挿入を検知し、
前記コネクタの作業者が前記検知端子を触れないように保護する保護部を更に備えており、
前記シェルは、前端から後方に折り返されて前記検知端子の少なくとも斜め前方を保護する折り返し部を有しており、
前記折り返し部は、前記シェルの前記所定方向の側面の前端から後方に折り返されており、
前記保持部材は、前記所定方向において前記検知端子の外側に位置することにより前記検知端子を少なくとも部分的に保護する壁部を有しており、
前記折り返し部と前記壁部は、前記保護部を構成する
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記相手側コネクタが挿入される前において、前記接点部は前記検知端子と接触しておらず、
前記被押圧部が前記相手側コネクタに押圧された際に前記接点部が前記所定方向に変位して前記検知端子に接触する
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタであって、
前記コンタクトは、前記前後方向と直交するピッチ方向に並べられており、
前記所定方向は、前記ピッチ方向である
コネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコネクタであって、
前記接点部は、前記被押圧部が前記相手側コネクタに押圧された際に、前記所定方向の外側に向かって変位する
コネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコネクタであって、
前記嵌合端と前記被押圧部との間の距離は、前記嵌合端と前記接点部との間の距離よりも短い
コネクタ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコネクタであって、
前記バネ部の後端は山状の部位を構成するように折り曲げられており、前記山状の部位が前記接点部として機能する
コネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコネクタであって、
前記検知端子は、前記保持部材に圧入されている
コネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコネクタであって、
前記検知端子は、インサート成型により前記保持部材に組み込まれている
コネクタ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のコネクタであって、
前記検知端子と前記バネ部とは二組あり、
一組の前記検知端子及び前記バネ部で構成される前記検知スイッチと他の組の前記検知端子及び前記バネ部で構成される前記検知スイッチとの少なくともいずれか一方が状態を変更したことにより前記相手側コネクタの前記挿入を検知させる
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手側コネクタとの嵌合を検知する機能を有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のコネクタは、図19に示されるように、金属製のシェルと、そのシェルとは別個の検知端子を備えている。シェルには、コネクタに対して相手側コネクタ(図示せず)が挿入された際に相手側コネクタ(図示せず)の相手側シェル(図示せず)と接続されるバネ部が形成されている。検知端子は、コネクタの後方において固定されると共にそこから前方に向かって延びている。コネクタに対して相手側コネクタ(図示せず)が挿入されると、相手側シェル(図示せず)が検知端子に対して接続すると共にシェルのバネ部にも接続する。このようにして、検知端子とシェルとが相手側シェルを介して電気的に接続されることにより、相手側コネクタの挿入が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3172188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のコネクタでは、相手側コネクタの挿入検知の信頼性が低かった。
【0005】
そこで、本発明は、相手側コネクタの挿入検知の信頼性が高いコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のコネクタとして、
前後方向における前側に嵌合端を有すると共に前記嵌合端から後方に向けて挿入された相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記コネクタは、複数のコンタクトと、前記コンタクトを保持する保持部材と、前記相手側コネクタを受容する受容部を構成するシェルと、前記シェルとは別体の検知端子とを備えており、
前記シェルには、前端を固定端とし且つ後方に延びるバネ部が形成されており、
前記バネ部は、前記相手側コネクタの前記コネクタへの挿入の際に前記相手側コネクタに押圧される被押圧部と、前記前後方向と直交する所定方向に変位可能な接点部とを有しており、
前記検知端子は、前記バネ部と共に検知スイッチを構成するものであり、
前記被押圧部が前記相手側コネクタに押圧された際に前記接点部の前記所定方向における前記変位によって前記検知スイッチの状態を変更して前記相手側コネクタの前記挿入を検知する
コネクタを提供する。
【0007】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記相手側コネクタが挿入される前において、前記接点部は前記検知端子と接触しておらず、
前記被押圧部が前記相手側コネクタに押圧された際に前記接点部が前記所定方向に変位して前記検知端子に接触する
コネクタを提供する。
【0008】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記コンタクトは、前記前後方向と直交するピッチ方向に並べられており、
前記所定方向は、前記ピッチ方向である
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1乃至第3のいずれかのコネクタであって、
前記接点部は、前記被押圧部が前記相手側コネクタに押圧された際に、前記所定方向の外側に向かって変位する
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第1乃至第4のいずれかのコネクタであって、
前記嵌合端と前記被押圧部との間の距離は、前記嵌合端と前記接点部との間の距離よりも短い
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第1乃至第5のいずれかのコネクタであって、
前記バネ部の後端は山状の部位を構成するように折り曲げられており、前記山状の部位が前記接点部として機能する
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第1乃至第6のいずれかのコネクタであって、
前記検知端子は、前記保持部材に圧入されている
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第1乃至第6のいずれかのコネクタであって、
前記検知端子は、インサート成型により前記保持部材に組み込まれている
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第1乃至第8のいずれかのコネクタであって、
前記検知端子と前記バネ部とは二組あり、
一組の前記検知端子及び前記バネ部で構成される前記検知スイッチと他の組の前記検知端子及び前記バネ部で構成される前記検知スイッチとの少なくともいずれか一方が状態を変更したことにより前記相手側コネクタの前記挿入を検知させる
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第1乃至第9のいずれかのコネクタであって、
前記コネクタの作業者が前記検知端子を触れないように保護する保護部を更に備えているコネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第11のコネクタとして、第10のコネクタであって、
前記シェルは、前端から後方に折り返されて前記検知端子の少なくとも斜め前方を保護する折り返し部を有しており、
前記保持部材は、前記所定方向において前記検知端子の外側に位置することにより前記検知端子を少なくとも部分的に保護する壁部を有しており、
前記折り返し部と前記壁部は、前記保護部を構成する
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるコネクタのスイッチは、シェルのバネ部と検知端子とで構成されており、コネクタと相手側コネクタとの嵌合の際に相手側コネクタに押圧されたバネ部が変位してスイッチの状態が変更されると、相手側コネクタの挿入を検知することができる。従って、シェルと検知端子との間に相手側シェルを介在させる必要がないことから、相手側コネクタの相手側シェルの品質や材料等にかかわらず、相手側コネクタの挿入の検知を適切に行うことができる。
【0018】
また、本発明によれば、シェルのバネ部と検知端子との接触・非接触の状態変化のみによって挿入検知を行うことができる。従って、特許文献1のように、シェルのバネ部と相手側シェルとの接続と検知端子と相手側シェルとの接続との2つの状態が両立しなければ挿入を検知できない場合と比較して、検知不良が起こりにくい。
【0019】
更に、本発明において、挿入される相手側コネクタにより直接押圧されるシェルのバネ部は前端を固定端とし且つ後方に延びるものであるので、そのバネ部が相手側コネクタの挿入により座屈してしまうといったおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。
図2図1のコネクタを示す上面図である。
図3図1のコネクタを示す正面図である。
図4図1のコネクタを示す側面図である。
図5図2のコネクタをV--V線に沿って示す一部切り欠き断面図である。
図6図3のコネクタをVI--VI線に沿って示す断面図である。
図7図1のコネクタに含まれるシェルを示す斜視図である。
図8図1のコネクタに含まれるシェル以外の構造体を示す斜視図である。
図9図8の構造体を示す斜視図である。検知端子は保持部材に組み込まれていない。
図10図8の構造体を示す上面図である。
図11図8の構造体を示す側面図である。
図12図8の構造体を示す底面図である。
図13図9の一方の検知端子を示す斜視図である。
図14図6のコネクタと相手側コネクタとを示す断面図である。コネクタと相手側コネクタは未だ嵌合していない。相手側コネクタは模式的に示されている。
図15図14のコネクタと相手側コネクタとを示す断面図である。コネクタと相手側コネクタは嵌合途中の状態にある。
図16図14のコネクタと相手側コネクタとを示す断面図である。コネクタと相手側コネクタは嵌合している。
図17図1のコネクタを含む検知システムを模式的に示す図である。
図18】特許文献1のコネクタを用いて構成された検知システムを模式的に示す図である。
図19】特許文献1のコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態によるコネクタは、USB(Universal Serial Bus)規格に従ったUSB3.0レセプタクルであり、USB3.0プラグ(相手側コネクタ:図示せず)と嵌合可能なものである。図1乃至図6を参照すると、本実施の形態によるコネクタ10は、前後方向(X方向)において前側(−X側)に嵌合端12を有しており、嵌合端12から後方(+X方向)に向けて挿入された相手側コネクタ700と嵌合することができる(図14乃至図16参照)。このコネクタ10は、図1図3図5及び図6に示されるように、コンタクト(後述)を含む構造体100と、構造体100を部分的に覆う金属製のシェル200とを備えている。
【0022】
図1及び図7から理解されるように、シェル200は、相手側コネクタ(図示せず)を受容する受容部202を構成している。詳しくは、図7に示されるように、シェル200は、1枚の金属板を打ち抜き且つ折り曲げ加工して得られるものである。受容部202は、シェル200の上面(+Z側面)210、底面(−Z側面)215及び側面220にて構成されている。この受容部202は、底面215においてカシメ部217を構成するようにカシメられ、略平角筒状の形状を有している。上面210は、比較的大きな平面が設けられており、自動搬送システムのバキュームにて吸着可能となっている。上面210の後端(+X側端部)には、ピッチ方向(Y方向:所定方向)の内側且つ下側(−Z側)に折り込まれるカシメ部212が形成されている。なお、図7には、折り込まれた後の状態が示されているが、構造体100に対してシェル200を取り付ける前の状態では、実際には、ピッチ方向(Y方向)と平行に延びている。
【0023】
更に、上面210の後端近傍には、下側(−Z側)に向かって延びる後側壁部230が形成されている。後側壁部230には、後縁から前方(−X方向)に向かって凹んだ係合凹部232と、コネクタ10を基板(図示せず)に搭載する際に基板(図示せず)のスルーホール(図示せず)に挿入固定される固定部234が形成されている。
【0024】
図5乃至図7に示されるように、側面220には、前端(−X側端部)を固定端とし且つ後方(+X方向)に延びるバネ部250が形成されている。図示されたバネ部250は、ピッチ方向(Y方向)の内側に山状に突出した被押圧部252と、ピッチ方向(Y方向)の外側に山状に突出した接点部254とを有している。図6に最もよく示されるように、被押圧部252は、接点部254よりも前側(−X側)に位置している。換言すると、本実施の形態によるコネクタ10において、嵌合端12と被押圧部252との間の距離は、嵌合端12と接点部254との間の距離よりも短い。
【0025】
本実施の形態によるバネ部250は、いわゆるEMI(ElectroMagnetic Interference)防止用バネであり、相手側コネクタとの嵌合時に相手側シェルと接続してシールド効果を高めるためのものである(図14乃至図16参照)。換言すると、本実施の形態においては、EMI防止用バネをバネ部250として利用している。但し、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、相手側コネクタが導電体からなる相手側シェルを有しない場合には、コネクタ10もEMI防止用バネを有していない。その場合であっても、バネ部250は、前端を固定端とし且つ後方に延びているという条件を満たすようにシェル200の一部に形成される。
【0026】
図3及び図5から理解されるように、本実施の形態による被押圧部252は、受容部202内に突出している。この被押圧部252は、図14乃至図16に示されるように、相手側コネクタ700とコネクタ10とが嵌合する際に相手側シェル710に押圧される。この押圧により、接点部254は、ピッチ方向の外側に変位する。なお、本実施の形態によるバネ部250は上述したように前端を固定端とし且つ後方に延びるものであるので、本実施の形態においては、バネ部250が相手側コネクタ700の挿入により座屈してしまうといったおそれがない。
【0027】
図6に最もよく示されるように、シェル200の側面220には、コネクタ10の嵌合端12側(シェル200の前端側)において後方(+X方向)に折り返された折り返し部270が設けられている。図7に示されるように、折り返し部270には、コネクタ10を基板(図示せず)に搭載する際に基板(図示せず)のスルーホール(図示せず)に挿入固定される固定部272が形成されている。
【0028】
図8乃至図12に示されるように、本実施の形態による構造体100は、導電体からなるUSB2.0コンタクト(コンタクト)110及びUSB3.0コンタクト(コンタクト)120と、絶縁体からなる保持部材130と、導電体からなる検知端子300R,300Lとを備えている。
【0029】
USB2.0コンタクト110は、USB2.0規格に準拠した信号伝送を行うためのコンタクトであり、4本ある。各USB2.0コンタクト110は、接触部112を有している。USB3.0コンタクト120は、USB3.0規格に準拠した信号伝送を行うためのコンタクトであり、5本ある。各USB3.0コンタクト120は、接触部122を有している。USB2.0コンタクト110は、保持部材130に圧入され保持されている。USB3.0コンタクト120は、インサート成型により、保持部材130に組み込まれている。USB2.0コンタクト110及びUSB3.0コンタクト120は、それぞれ、ピッチ方向(Y方向)に並べられている。詳しくは、図3及び図6に示されるように、USB2.0コンタクト110の接触部112はピッチ方向に一列に並んでおり、USB3.0コンタクト120の接触部122もピッチ方向に一列に並んでいる。
【0030】
保持部材130は、ブロック部140と、ブロック部140から前方(−X方向)に突出した板状部150と、ブロック部140のピッチ方向(Y方向)の両端から前方(−X方向)に延びる壁部160とを有している。保持部材130に保持されたUSB2.0コンタクト110の接触部112及びUSB3.0コンタクト120の接触部122は、いずれも板状部150の上面152側に露出しており、接触可能となっている。
【0031】
図8乃至図10に示されるように、ブロック部140の上方後端部分(+Z側且つ+X側端部)には、下側(−Z方向)に凹んだ凹部144が形成されている。また、壁部160の後端側(+X側)には、ピッチ方向の外側に突出した係合凸部142が形成されている。図1及び図2から理解されるように、構造体100をシェル200の後側(+X側)から前側(−X側)に向けて挿入し、凹部144内にシェル200のカシメ部212を折り込むことによって、構造体100に対してシェル200が取り付けられる。この取り付けの際、保持部材130の係合凸部142がシェル200の係合凹部232に係合される。この係合により、シェル200の保持部材130に対する上下方向(Z方向)の動きが規制される。
【0032】
図8乃至図10に示されるように、ブロック部140と壁部160との境界付近には保持部材130を上下方向において貫通するスリット146が設けられている。このスリット146は、検知端子300R,300Lを圧入するための部位である。なお、検知端子300R,300Lを圧入できるのであれば、スリット146は、保持部材130を貫通していなくてもよい。
【0033】
図8図9及び図12に示されるように、壁部160は、上壁部162と、側壁部164とを有している。図8図9及び図12から理解されるように、前後方向(X方向)と直交する平面内において、壁部160は、L字状の形状を有しており、後に詳述するように、検知端子300R,300Lを保護するように設けられている。特に、図12に示されるように、本実施の形態による側壁部164は、前側(−X側)に向かうに連れて先細る形状を有している。側壁部164の内壁面は、前側(−X側)に向かうに連れてピッチ方向(Y方向)の外側に向かって開いている。
【0034】
図1図8及び図9から理解されるように、本実施の形態による検知端子300R,300Lは、シェル200とは別体である。また、図8及び図9から理解されるように、本実施の形態による検知端子300R,300Lは、保持部材130のスリット146に対して下側(−Z側)から圧入されている。図9に示されるように、検知端子300R,300Lは、互いに対称的な形状を有している。
【0035】
図13に示される検知端子300Lを例にとって説明すると、検知端子300Lは、スリット146に圧入される板状の圧入部310と、圧入部310の下側(−Z側)に延びる固定部314と、圧入部310の前側(−X側)に延びる検知バネ部320とを有している。圧入部310には、ダボ312が形成されており、スリット146に圧入部310が圧入されると、ダボ312により圧入部310がスリット146内の一面に押し付けられる。図12及び図13に示されるように、検知バネ部320は、ピッチ方向(Y方向)の内側に少し曲がっている。従って、図12に示されるように、圧入部310をスリット146に圧入した際に、壁部160の側壁部164の内面との間に検知バネ部320の変形用の十分なスペースを確保することができる。固定部314は、コネクタ10を基板(図示せず)に搭載する際に基板(図示せず)のスルーホール(図示せず)に挿入固定される部位である。
【0036】
これらの検知端子300R,300Lは、対応するバネ部250と共に検知スイッチ400を構成している。詳しくは、図6並びに図14乃至図16を参照すると、検知スイッチ400は、バネ部250の被押圧部252が相手側コネクタ700に押圧された際に接点部254のピッチ方向(所定方向:Y方向)に変位して、スイッチ状態を変更するものである。本実施の形態においては、この検知スイッチ400の状態の変更に基づいて、相手側コネクタ700の挿入を検知することができる。
【0037】
より具体的には、図6に示されるように、本実施の形態による検知スイッチ400は、ノーマルオープンのもの、即ち、無負荷状態(コネクタ10と相手側コネクタ700との未嵌合状態)においてスイッチがオフ状態にあるものである。詳しくは、図6に示されるように、コネクタ10と相手側コネクタとの未嵌合状態においてはバネ部250の接点部254と検知端子300R,300Lとが接触しないように、バネ部250と検知端子300R,300Lとが配置されている一方、図14乃至図16から理解されるように、相手側コネクタ700の挿入によって被押圧部252が押圧され、それによって接点部254がピッチ方向(所定方向:Y方向)に変位すると、接点部254が検知端子300R,300Lの検知バネ部320に接触するように、バネ部250と検知端子300R,300Lとが配置されている。
【0038】
図2及び図6に示されるように、本実施の形態において、バネ部250と検知端子300R,300Lからなる検知スイッチ400は、2個設けられている。即ち、バネ部250と検知端子300R,300Lとは、二組設けられている。これらの検知スイッチ400は、図17に示されるような検知システムにおいて、互いに並列に配置されて、コネクタ10の外部に設けられる検知回路に接続される。従って、本実施の形態によれば、2個の検知スイッチ400の少なくともいずれか一方が状態を変更したことにより相手側コネクタ700の挿入を検知することができる。
【0039】
また、例えば、図18に示されるように、特許文献1によるコネクタを用いた検知システムの場合、検知システムを構成するループ内に相手側シェルが含まれてしまう。即ち、特許文献1のコネクタを用いた検知システムの場合、検知精度が相手側シェルの品質や材料等によって影響を受けてしまうといった問題がある。また、相手側シェルの導電性を利用しているので、非導電体からなる相手側シェルを有するような相手側コネクタの挿入は検知できない。
【0040】
これに対して、図17に示されるように、本実施の形態による検知スイッチ400は、シェル200のバネ部250と検知端子300R,300Lとで構成されており、コネクタ10と相手側コネクタ700との嵌合の際に相手側コネクタ700に押圧されたバネ部250が変位して検知スイッチ400の状態が変更されると、相手側コネクタ700の挿入を検知することができるものであり、本実施の形態による検知システムを構成するループには相手側コネクタ700(相手側シェル710)は含まれていない。このように、シェル200と検知端子300R,300Lとの間に相手側シェル710を介在させる必要がないことから、相手側シェル710の品質や材料等にかかわらず、相手側コネクタ700の挿入の検知を適切に行うことができる。また、相手側コネクタ700が非導電体からなる相手側シェルを有しているような場合でも、相手側コネクタ700の挿入を検知することができる。
【0041】
更に、図18から理解されるように、特許文献1によるコネクタを用いた検知システムの場合、シェルのバネ部と相手側シェルとの間の接続と検知端子と相手側シェルとの間の接続との2つの状態が両立しなければ挿入を検知できない。
【0042】
これに対して、図17に示されるように、本実施の形態によれば、シェル200のバネ部250と検知端子300R又は300Lとの少なくともいずれか一方の接触・非接触の状態変化のみによって相手側コネクタ700の挿入検知を行うことができる。
【0043】
図2を参照すると、上述した保持部材130の壁部160とシェル200の折り返し部270とは、コネクタ10の作業者から検知スイッチ400を保護する保護部500として機能している。例えば、検知端子300R,300Lが露出していると、コネクタ10の作業者が検知スイッチ400の検知端子300R,300Lに触れてしまい、検知バネ部320が変形してしまうおそれがある。しかし、本実施の形態によるコネクタ10においては、図12に示されるように、壁部160の上壁部162が検知端子300R,300Lの上側(+Z側)に位置すると共に側壁部164が検知端子300R,300Lのピッチ方向(Y方向)の外側に位置しており、更に、図2及び図6に示されるように、折り返し部270が検知端子300R,300Lの斜め前方(Y方向の外側且つ−X側)に位置していることから、検知端子300R,300Lの変形等の問題を回避することができる。
【0044】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な変形・応用が可能である。
【0045】
例えば、上述した実施の形態において、バネ部250は、シェル200の側面220に形成されていたが、上面210又は底面215に形成されていてもよい。即ち、所定方向はピッチ方向ではなく上下方向(Z方向)であってもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態においては、被押圧部252が所定方向(ピッチ方向:Y方向)の内側に突出し且つ接点部254が所定方向の外側に突出しており、被押圧部252が相手側コネクタ700に押圧されると、接点部254が所定方向の外側に変位していたが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、被押圧部252が所定方向の外側に突出し且つ接点部254が所定方向の内側に突出し、被押圧部252が相手側コネクタ700に押圧されると、接点部254が所定方向の内側に変位することとしてもよい。
【0047】
また、上述した実施の形態による接点部254は、山状の部位にて構成されていたが、接点部254は、山状に折り曲げられていない単なる端部で構成されていてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態において、被押圧部252と嵌合端12との間の距離は接点部254と嵌合端12との間の距離よりも短かったが、被押圧部252と嵌合端12との間の距離は接点部254と嵌合端12との間の距離より長くてもよい。即ち、接点部254が被押圧部252よりも前側(−X側)に位置していてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態において、検知端子300R,300Lは保持部材130のスリット146に対して圧入されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、検知端子300R,300Lはインサート成型により保持部材130に組み込まれていてもよい。
【0050】
更に、上述した実施の形態による検知スイッチ400は、ノーマルオープンのもの、即ち、無負荷状態(コネクタ10と相手側コネクタ700との未嵌合状態)においてスイッチがオフ状態にあるものであったが、本発明はこれに限定されない。検知スイッチ400は、ノーマルクローズのもの、即ち、無負荷状態(コネクタ10と相手側コネクタ700との未嵌合状態)においてスイッチがオン状態にあるものであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 コネクタ
12 嵌合端
100 構造体
110 USB2.0コンタクト(コンタクト)
112 接触部
120 USB3.0コンタクト(コンタクト)
122 接触部
130 保持部材
140 ブロック部
142 係合凸部
144 凹部
146 スリット
150 板状部
152 上面
160 壁部
162 上壁部
164 側壁部
200 シェル
202 受容部
210 上面
212 カシメ部
215 底面
217 カシメ部
220 側面
230 後側壁部
232 係合凹部
234 固定部
250 バネ部
252 被押圧部
254 接点部
270 折り返し部
272 固定部
300R,300L 検知端子
310 圧入部
312 ダボ
314 固定部
320 検知バネ部
400 検知スイッチ
500 保護部
700 相手側コネクタ
710 相手側シェル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図17
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図19