特許第6097127号(P6097127)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097127
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/38 20060101AFI20170306BHJP
   F04D 29/32 20060101ALI20170306BHJP
   F24F 1/38 20110101ALI20170306BHJP
【FI】
   F04D29/38 A
   F04D29/32 C
   F04D29/32 F
   F04D29/38 C
   F24F1/38
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-82446(P2013-82446)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-206054(P2014-206054A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2015年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】515294031
【氏名又は名称】ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸谷 哲志
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 拓
(72)【発明者】
【氏名】深澤 篤彦
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−136797(JP,A)
【文献】 特開平9−137797(JP,A)
【文献】 特開2011−074817(JP,A)
【文献】 特開平10−252692(JP,A)
【文献】 特開2001−115995(JP,A)
【文献】 特開平05−215098(JP,A)
【文献】 米国特許第05066196(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0013526(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/38
F04D 29/32
F24F 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心として回転するボスと、前記ボスの外周面に一体成形された複数の羽根とを備えるプロペラファンにおいて、
各羽根は、羽根本体と、肉厚増加部とを有し、前記ボスに対する付根である付根縁及び前記プロペラファンの回転方向の前側に位置する前縁により外縁の一部が構成され、
前記羽根本体は、前記回転方向に回転したときに風の上流側の面となる負圧面を有し、
前記肉厚増加部は、前記羽根本体の前記負圧面側に設けられ、前記付根縁と前記前縁との接続部の近傍から徐々に厚さが薄くなるように前記前縁の略半分の位置まで前記前縁に沿って延び、幅が略一定である第1のリブを有する
プロペラファン。
【請求項2】
前記羽根本体は、前記プロペラファンの回転方向の後側に位置する後縁を有し、
前記肉厚増加部は、前記第1のリブに対して前記後縁側に位置し、前記付根縁から徐々に厚さが薄くなるように前記第1のリブに沿って延び、前記第1のリブの半分の長さより短い長さの第2のリブを有する
請求項1に記載のプロペラファン。
【請求項3】
前記肉厚増加部の第2のリブ及び第2のリブの後縁側に肉盗みを形成した
請求項2に記載のプロペラファン。
【請求項4】
前記肉盗みの断面形状は略円形であり、その直径は7.5〜15mmである
請求項3に記載のプロペラファン。
【請求項5】
請求項1〜4のプロペラファンを備えた空気調和機の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラファン及びそれを備えた空気調和機の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気調和機の室外機に用いられるプロペラファンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。当該プロペラファンは、樹脂製の軸流ファンであり、羽根のハブに対する付根の前縁側にリブを有し、回転強度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4483148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年空気調和機の室外機は省エネが求められており、その手段として、ファンモータの入力を小さくすることができるプロペラファンの大径化が挙げられている。しかし、ファンの大径化により羽根の自重が増加する。そのため、台風等の強風によりファンが煽られて逆回転し、その回転数が上がっていった場合、羽根の自重による力が羽根とボスの付根にかかりやがて破壊に至る恐れがある。その破壊に至る回転数は大径化する前より低い回転数となる。
【0005】
当該破壊を防止するために、羽根とボスの付根の肉厚を増加させたり、特許文献1の軸流ファンのリブを太く長くして対応することが考えられる。しかし、当該強度を上げる方法は、大径ファンの自重を増加させることにつながり、目標の回転破壊強度を満たすためには、羽根とボスの肉厚を大幅に増加させる必要がある。更に特許文献1のように軸流ファンにリブを設けてもそれは回避できない。また、特許文献1の軸流ファンの場合、羽根の自重が増加すると、回転中の応力最大位置がリブと羽根のつなぎ部に移動する恐れがあり、そうなった場合、回転破壊強度は低下し、その低下を補うために更に肉厚を増加させる必要がある。
【0006】
しかし、ファンは樹脂製であり、射出成形で製造しているため、羽根とボスの付根の肉厚を増加させると射出成形過程の冷却時間が増大するためコスト増加につながる。この成形時間増大は、その工場の生産能力にもよるが、一日の必要とする成形個数を満足させないことにもありえる。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、大径化したとしても、回転破壊強度を確保し、製造コストの増加を抑制することができるプロペラファン及びそれを備えた空気調和機の室外機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様であるプロペラファンは、回転軸を中心として回転するボスと、前記ボスの外周面に一体成形された複数の羽根とを備えるプロペラファンにおいて、各羽根は、羽根本体と、肉厚増加部とを有し、前記ボスに対する付根である付根縁及び前記プロペラファンの回転方向の前側に位置する前縁により外縁の一部が構成され、前記羽根本体は、前記回転方向に回転したときに風の上流側の面となる負圧面を有し、前記肉厚増加部は、前記羽根本体の前記負圧面側に設けられ、前記付根縁と前記前縁との接続部の近傍から徐々に厚さが薄くなるように前記前縁の略半分の位置まで前記前縁に沿って延び、幅が一定である第1のリブを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大径化したとしても、回転破壊強度を確保し、製造コストの増加を抑制することができるプロペラファン及びそれを備えた空気調和機の室外機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態によるプロペラファンを搭載した空気調和機の室外機の正面図である。
図2図1に示した室外機の上カバーを外した状態の上面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態によるプロペラファンを負圧面側から見た図である。
図4図3に示したプロペラファンの一つの羽根のみを示す図である。
図5図3に示した羽根のボスに対する付根付近の斜視図である。
図6図4のVI−VI線に沿った断面図である。
図7】本発明の第2の実施の形態によるプロペラファンを負圧面側から見た図である。
図8図7に示した羽根のボスに対する付根付近の斜視図である。
図9図7のIX−IX線に沿った断面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態によるプロペラファンを負圧面側から見た図である。
図11図10に示した羽根のボスに対する付根付近の斜視図である。
図12図10のXII−XII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施の形態によるプロペラファン30を搭載した空気調和機の室外機1の正面図であり、図2は、図1に示した室外機1の上カバー11を外した状態の上面図である。本実施の形態の室外機は、ビルの屋上に設置して使用される場合がある。
【0012】
図1に示すように、空気調和機の室外機1は、底ベース10、上カバー11、機械室カバー12、及び正面カバー13からなる外枠14を備える。図2に示すように外枠14内は、仕切り板15により、送風機室16と機械室17とに仕切られている。正面カバー13には、吹出しグリル18が取り付けられている。
【0013】
送風機室16には、熱交換器19と、モータクランプ20と、ファンモータ21と、プロペラファン30と、ベルマウス22とが配置されている。熱交換器19は、外枠14の裏面側及び側面側に配置されている。モータクランプ20はファンモータ21を支持し、プロペラファン30はファンモータ21の出力軸に取り付けられている。ベルマウス22は、プロペラファン30の周りを囲むように配置されている。
【0014】
機械室17には、圧縮機23及び電気箱24が配置されている。室外機1は、空気調和機の運転時に、ファンモータ21の回転駆動力によりプロペラファン30が図1の反時計回り方向に回転し、外気を熱交換器19側から吸込み、熱交換器19で冷媒と外気との間で熱交換を行い、吹出しグリル18から外気を吹出すよう動作する。また、圧縮機23は、室内機又は熱交換器19へガス冷媒を吐出するように動作する。
【0015】
次に、第1の実施の形態におけるプロペラファン30の構造について、図3図6に基づき説明する。図3は、プロペラファン30を負圧面側から見た図であり、図4は、図3に示したプロペラファン30の一つの羽根のみを示す図であり、図5は、羽根のボスに対する付根付近の斜視図であり、図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図である。
【0016】
図3に示すように、プロペラファン30は、軸流ファンであり、ボス31と、複数枚の羽根32(本実施の形態では3枚)とを有している。プロペラファン30には、仕様回転数及び破壊回転数が設定されている。仕様回転数は、室外機1の通常の使用時に回転方向R1に回転(正回転)される場合に想定される最大の回転数である。破壊回転数は、室外機1の停止時において、台風等により強風が吹出しグリル18から入り、その強風がプロペラファン30を回転方向R1の反対方向R2に高回転で回転(逆回転)させる場合に想定される最大の回転数である。そして、プロペラファン30は、仕様回転数及び破壊回転数で回転したとしても、耐えられるように設計されている。
【0017】
一例として、本実施の形態におけるプロペラファン30の直径は約540mmであり、ボス31の直径は約160mmである。また、プロペラファン30は、樹脂製であり、射出成型により製造される。空気調和機の運転時には、プロペラファン30は、図3における時計回り方向(回転方向R1)に回転する。羽根32は、プロペラファン30の回転軸に対して傾斜してボス31に設けられている。
【0018】
図4図6に示すように、各羽根32は、羽根本体33と、肉厚増加部34とを有し、付根縁32Aと、前縁32Bと、後縁32Cと、外周縁32Dとにより外縁が構成される。
【0019】
付根縁32Aにおいて、羽根32は、ボス31に対して接続されている。前縁32Bは、湾曲状をなし、ボス31から回転方向R1の下流側へ行くにつれてボス31から離間するように延びている。前縁32Bは、プロペラファン30の回転方向R1の前側に位置し、後縁32Cはプロペラファン30の回転方向R1の後側に位置する。外周縁32Dは、羽根32の翼端(最大径部)を構成する。
【0020】
羽根本体33は、負圧面33A及び圧力面33B(図6)を有し、付根縁32付近の肉厚Tは約5mmであり、外周縁32Dに向かって徐々に肉厚が減少し、外周縁32D付近の肉厚は約2mmである。負圧面33Aは、プロペラファン30が回転方向R1に回転したときの風の上流側の面であり、圧力面33Bは、プロペラファン30が回転方向R1に回転したときの風の下流側の面である。
【0021】
肉厚増加部34は、羽根本体33の負圧面33A側に設けられ、基本肉厚部35と、付根肉厚部36と、第一のリブ37と、肉付け部38とを有している。なお、図6では、理解を容易にするため、羽根本体33と、基本肉厚部35と、第一のリブ37と、肉付け部38との間に境界線を示し、それぞれハッチングを変えているが、実際は同一の樹脂で一体に構成されている。
【0022】
基本肉厚部35は、羽根本体33上において、付根縁32Aから前縁32Bの略半分の位置P1まで設けられ、付根縁32A及び前縁32B近傍の肉厚を最大肉厚(例えば、約7mm)とし、羽根32の内側及び位置P1に向かうにつれて徐々にその厚さが減少するように構成されている。なお、基本肉厚部35の前縁32Bから羽根32の内側の端部までの回転方向R1に沿う最大長さは、例えば約50mmである。また、基本肉厚部35は、室外機1の仕様回転数に対する強度を確保するために設けられている。
【0023】
付根肉厚部36は、基本肉厚部35上において、前縁32Bから約8〜9mm内側の位置に付根縁32Aから前縁32Bに沿って延びるように設けられ、その幅は例えば約5mmであり、例えば約5mmの一定厚さの肉厚を有する。従って、付根縁32A近傍における羽根32の最大肉厚は、約17mm(羽根本体33(約5mm)、基本肉厚部35(約7mm)、及び、付根肉厚部36(約5mm))である。また、付根肉厚部36は、室外機1の破壊回転数に対する強度を確保するために設けられている。
【0024】
第1のリブ37は、付根肉厚部36の先端(付根縁32Aと前縁32Bとの接続部の近傍)から前縁32Bに沿って延びるように設けられ、位置P1に向かうにつれて徐々にその厚さが減少するように構成されている。即ち、第1のリブ37は、付根肉厚部36との接続部では約5mmの肉厚を有し、接続部から位置P1に向かうにつれて徐々にその厚さが減少するよう構成される。そして、第1のリブ37と基本肉厚部35とにより段差39が形成される。また、第1のリブ37の幅W1は約5mmで略一定であり、略一定の幅で接続部から位置P1まで延びている。また、付根肉厚部36は、室外機1の破壊回転数に対する強度を確保するためにもうけられている。
【0025】
肉付け部38は、基本肉厚部35と、付根肉厚部36及び第1のリブ37とにより形成される段差を埋めるように前縁32Bに沿って設けられている。
【0026】
上記のプロペラファン30によれば、基本肉厚部35により仕様回転数に対する強度を確保し、付根肉厚部36及び外周縁32Dに向かって徐々に肉厚を減少させた第1のリブ37により羽根32の付根付近における応力集中を回避し破壊回転数に対する強度を確保している。従って、本実施の形態のプロペラファン30によれば、羽根本体33の肉厚増加部34に対し、第1のリブ37を設けることにより、必要最小限の肉厚増加のみで、破壊回転数に対する強度を確保することができる。
【0027】
また、基本肉厚部35と第1のリブ37との間に段差39が形成されるので、プロペラファン30と金型との接触面積(冷却面積)が増加し、成形時の冷却時間の増加を抑えることができ、製造コストの増加を抑制することができ。また、室外機1は、上記のプロペラファン30を有しているので、仕様回転数及び破壊回転数に対する強度を確保したプロペラファン30を有する室外機1を提供することができる。更に、室外機1の製造コストの増加を抑制することができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態におけるプロペラファン130の構造について、図7図9に基づいて説明する。図7は、プロペラファン130を負圧面側から見たときの羽根32のボス31に対する付根付近の拡大図であり、図8は、羽根32のボス31に対する付根付近の斜視図であり、図9は、図7のIX−IX線に沿った断面図である。第1の実施の形態におけるプロペラファン30と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
【0029】
図7図9に示すように、本実施の形態のプロペラファン130の肉厚増加部134は、第2のリブ40を有している。第2のリブ40は、基本肉厚部35上であって、付根肉厚部36及び第1のリブ37の内側(後縁32C側)において、付根縁32Aから付根肉厚部36及び第1のリブ37に沿って設けられている。また、第2のリブ40のプロペラファンの径方向の長さは、第1のリブ37のプロペラファンの径方向の長さの半分以下になるように構成されている。換言すれば、第2のリブ40の前縁32Bに沿う長さは、第1のリブ37の前縁32Bに沿う長さの半分以下になるように構成されている。
【0030】
また、第2のリブ40の付根肉厚部36に対する接合部の肉厚は、付根肉厚部36の肉厚と同じ(例えば約5mm)であり、当該接合部から遠ざかるにつれて(後縁32C及び外周縁32Dに向かうにつれて)徐々に薄くなるように構成されている。そして、第2のリブ40の付根縁32A近傍における最も内側の肉厚は例えば約3mmであり、第2のリブ40の最外部であって第1のリブ37に接続する部分の肉厚は例えば約3mmである。よって、第2のリブ40と基本肉厚部35とにより段差41が形成される。また、第2のリブ40の幅W2は、例えば約15〜17mmである。
【0031】
本実施の形態のプロペラファン130は、第1の実施の形態のプロペラファン30に対して、更に第2のリブ40を有するので、更に高い破壊回転数に対する強度を確保することができる。また、付根肉厚部36の肉厚は増加させておらず、基本肉厚部35と第1のリブ37及び第2のリブ40との間の段差39、41により、プロペラファン130と金型との接触面積(冷却面積)を増加させているので、成形時の冷却時間の増加を抑えることができ、製造コストの増加を抑制することができ。また、室外機1は、上記のプロペラファン130を有しているので、更に高い破壊回転数に対する強度を確保したプロペラファン130を有する室外機1を提供することができる。更に、室外機1の製造コストの増加を抑制することができる。
【0032】
次に、本発明の第3の実施の形態におけるプロペラファン230の構造について、図10図12に基づいて説明する。図10は、プロペラファン230を負圧面側から見たときの羽根32のボス31に対する付根付近の拡大図であり、図11は、羽根32のボス31に対する付根付近の斜視図であり、図12は、図10のXII−XII線に沿った断面図である。第2の実施の形態におけるプロペラファン130と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
【0033】
図10図12に示すように、プロペラファン230の肉厚増加部234には、6箇所に円筒形の肉盗み42が形成されている。肉盗み42は、例えば直径7.5〜15mmであり、第一のリブ37には形成せず、基本肉厚部35と、付根肉厚部36と、第2のリブ40とに形成している。図12に示すように、肉盗み42は、基本肉厚部35及び第2のリブ40、又は、基本肉厚部35に凹部を形成するようにして設けられている。
【0034】
本実施の形態のプロペラファン230によれば、肉盗み42により、プロペラファン230と金型との接触面積(冷却面積)を増加せることができるので、成形時の冷却時間の増加を抑えることができ、製造コストの増加を抑制することができる。また、第一のリブ37には肉盗み42を形成していないので、高い破壊回転数に対する強度を確保することができる。また、室外機1は、上記のプロペラファン230を有しているので、室外機1の製造コストの増加を抑制することができる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【0036】
例えば、基本肉厚部35、付根肉厚部36、第1のリブ37、及び第2のリブ40の肉厚は、上記の実施の形態において示した肉厚に限られず、羽根32のボス31に対する取り付け角度、仕様回転数、及び破壊回転数に応じて適宜変更しても良い。また、第2のリブ40の肉厚は、第2のリブ40の付根肉厚部36に対する接合部から遠ざかるにつれて(後縁32C及び外周縁32Dに向かうにつれて)徐々に薄くなるように構成したが、付根肉厚部36及び第1のリブ37と同じ肉厚となるような一定肉厚であっても良い。
【0037】
また、肉盗み42は、基本肉厚部35及び第2のリブ40、又は、基本肉厚部35に凹部を形成するようにして設けたが、羽根本体33まで形成されていても良い。また、上記の実施の形態の室外機1は、プロペラファン30を1個のみ備えるタイプであったが、上下に2個のファンを備えるタイプであっても良い。
【符号の説明】
【0038】
1:室外機、30:プロペラファン、31:ボス、32:羽根、33:羽根本体、34:肉厚増加部、32A:付根縁、32B:前縁、32C:後縁、32D:外周縁、33A:負圧面、37:第一のリブ、40:第2のリブ、42:肉盗み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12