特許第6097138号(P6097138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097138
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/66 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   F16H3/66 A
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-96379(P2013-96379)
(22)【出願日】2013年5月1日
(65)【公開番号】特開2014-92270(P2014-92270A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0124117
(32)【優先日】2012年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 昌 郁
(72)【発明者】
【氏名】徐 カン 壽
(72)【発明者】
【氏名】盧 明 勳
(72)【発明者】
【氏名】鞠 再 昌
(72)【発明者】
【氏名】李 赫 浚
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾 述
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−23987(JP,A)
【文献】 特開2009−63138(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0082167(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0042568(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/00−3/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン動力の伝達を受ける入力軸と、
前記入力軸と一定の間隔をおいて平行に配置され、変速された回転動力を出力する出力軸と、
前記入力軸上に配置され、入力軸と選択的に連結される第1回転要素、出力要素として作動する第2回転要素、及び前記入力軸と選択的に連結される第3回転要素を保有する第1遊星ギヤセットと、
前記出力軸上に配置され、前記入力軸と互いに異なるギヤ比を有する2つの経路を通じて選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素、前記入力軸と選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転要素、及び前記第2回転要素と連結されると同時に出力軸と直接連結される第6回転要素を保有する第2遊星ギヤセットと、
前記第4、第5、第6回転要素を前記入力軸または前記第2、3回転要素と外接でギヤ連結する4つのトランスファギヤと、
前記第1、第3、第4回転要素を入力軸に選択的に連結する複数のクラッチ及び前記第4、第5回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結する複数のブレーキからなる複数の摩擦要素と、
を含むことを特徴とする車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項2】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1遊星キャリア、第3回転要素である第1リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなり、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項3】
前記4つのトランスファギヤは、
第2回転要素に連結される第1トランスファドライブギヤ、及び第6回転要素に連結される第1トランスファドリブンギヤからなる第1トランスファギヤと、
第3回転要素に連結される第2トランスファドライブギヤ及び第5回転要素に連結される第2トランスファドリブンギヤからなる第2トランスファギヤと、
入力軸に連結される第3トランスファドライブギヤ及び第4回転要素に連結される第3トランスファドリブンギヤからなる第3トランスファギヤと、
入力軸に連結される第4トランスファドライブギヤ及び第4回転要素に連結される第4トランスファドリブンギヤからなる第4トランスファギヤと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項4】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項5】
前進1速変速段は、前記第1クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現され、
前進2速変速段は、前記第1クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、
前進3速変速段は、前記第1クラッチと第2クラッチが同時に作動して実現され、
前進4速変速段は、前記第1クラッチと第3クラッチが同時に作動して実現され、
前進5速変速段は、前記第1クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、
前進6速変速段は、前記第3クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、
前進7速変速段は、前記第2クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、
前進8速変速段は、前記第4クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、そして
後進変速段は、前記第3クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現されることを特徴とする請求項4に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項6】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
第3トランスファギヤ及び第4回転要素の間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤ及び第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸及び第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素及び変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素及び変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項7】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第3回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項8】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1リングギヤ、及び第3回転要素である第1遊星キャリアを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットからなり、そして、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、及び第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項9】
エンジンの動力の伝達を受ける入力軸と、
前記入力軸と一定の間隔をおいて平行に配置されており、変速された回転動力を出力する出力軸と、
前記入力軸上に配置されており、入力軸と選択的に連結される第1回転要素、第2回転要素、及び前記入力軸と選択的に連結される第3回転要素を保有する第1遊星ギヤセットと、
前記出力軸上に配置されており、前記入力軸と互いに異なるギヤ比を有する2つの経路を通じて選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素、前記入力軸と選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転要素、及び前記第2回転要素と連結されると同時に出力軸と直接連結される第6回転要素を保有する第2遊星ギヤセットと、
前記第2回転要素と第6回転要素を連結する第1トランスファギヤと、
前記第3回転要素と第5回転要素を連結する第2トランスファギヤと、
前記入力軸と第4回転要素を連結する第3トランスファギヤと、
前記入力軸と第4回転要素を連結する第4トランスファギヤと、
前記第1、第3、第4回転要素を入力軸に選択的に連結する複数のクラッチ、及び前記第4、第5回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結する複数のブレーキからなる複数の摩擦要素と、
を含むことを特徴とする車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項10】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1遊星キャリア、及び第3回転要素である第1リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなり、そして、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、及び第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする請求項9に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項11】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1リングギヤ、及び第3回転要素である第1遊星キャリアを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットからなり、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、及び第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする請求項9に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項12】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項13】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項14】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第3回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用自動変速機に係り、より詳しくは搭載性と動力伝達性能を向上させ燃費を低減することができる車両用自動変速機の遊星ギヤトレインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に自動変速機の多段変速メカニズムは複数の遊星ギヤセットと摩擦要素の組み合わせによって実現され、実現可能な変速段が多いほどより適切な変速比の設計が可能であるだけでなく動力性能および燃費面で優れた車両を実現することができるため、より多い変速段が実現できる自動変速機用遊星ギヤトレインの絶え間ない研究が行われている。
前記のような遊星ギヤトレインは同一変速段を実現しても回転要素(サンギヤ、遊星キャリア、リングギヤ)の連結構成によって耐久性、動力伝達効率、大きさなどが変わるためにより堅固で、動力損失がなく、コンパクトに製作するための研究開発が続けられている。
しかし変速段が増えるほど自動変速機内の部品数も増加し搭載性、原価、重量および動力伝達効率が悪化することがある。
特に、部品数の多い遊星ギヤトレインは前輪駆動用車両に搭載するのが難しいこともあるので、部品数を最少化することが自動変速機競争力の必須要件の一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−113970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、互いに平行に配置される入力軸と出力軸上にそれぞれ一つずつの遊星ギヤセットを配置し、複数の遊星ギヤセットの複数の回転要素を複数の外接ギヤで連結して前進8速と後進1速の変速段を実現することによって、部品数と全長を最少化し搭載性が向上できる車両用自動変速機の遊星ギヤトレインの提供を目的とする。
また、複数の外接ギヤを適用して自由なギヤ歯数の変更で最適のギヤ比を設定し、これによる動力伝達性能および燃費が向上できる車両用自動変速機の遊星ギヤトレインの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、エンジン動力の伝達を受ける入力軸と、
前記入力軸と一定の間隔をおいて平行に配置され、変速された回転動力を出力する出力軸と、
前記入力軸上に配置され、入力軸と選択的に連結される第1回転要素、出力要素として作動する第2回転要素、及び前記入力軸と選択的に連結される第3回転要素を保有する第1遊星ギヤセットと、
前記出力軸上に配置され、前記入力軸と互いに異なるギヤ比を有する2つの経路を通じて選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素、前記入力軸と選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転要素、及び前記第2回転要素と連結されると同時に出力軸と直接連結される第6回転要素を保有する第2遊星ギヤセットと、
前記第4、第5、第6回転要素を前記入力軸または前記第2、3回転要素と外接でギヤ連結する4つのトランスファギヤと、
前記第1、第3、第4回転要素を入力軸に選択的に連結する複数のクラッチ及び前記第4、第5回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結する複数のブレーキからなる複数の摩擦要素と、
を含むことを特徴とする。
【0006】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1遊星キャリア、第3回転要素である第1リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなり、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする。
【0007】
前記4つのトランスファギヤは、
第2回転要素に連結される第1トランスファドライブギヤ、及び第6回転要素に連結される第1トランスファドリブンギヤからなる第1トランスファギヤと、
第3回転要素に連結される第2トランスファドライブギヤ及び第5回転要素に連結される第2トランスファドリブンギヤからなる第2トランスファギヤと、
入力軸に連結される第3トランスファドライブギヤ及び第4回転要素に連結される第3トランスファドリブンギヤからなる第3トランスファギヤと、
入力軸に連結される第4トランスファドライブギヤ及び第4回転要素に連結される第4トランスファドリブンギヤからなる第4トランスファギヤと、
を含むことを特徴とする。
【0008】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする。
【0009】
前進1速変速段は、前記第1クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現され、前進2速変速段は、前記第1クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、前進3速変速段は、前記第1クラッチと第2クラッチが同時に作動して実現され、前進4速変速段は、前記第1クラッチと第3クラッチが同時に作動して実現され、前進5速変速段は、前記第1クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、前進6速変速段は、前記第3クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、前進7速変速段は、前記第2クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、前進8速変速段は、前記第4クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、そして、後進変速段は、前記第3クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現されることを特徴とする。
【0010】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
第3トランスファギヤ及び第4回転要素の間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤ及び第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸及び第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素及び変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素及び変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする。
【0011】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第3回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする。
【0012】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1リングギヤ、及び第3回転要素である第1遊星キャリアを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットからなり、そして、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、及び第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、エンジンの動力の伝達を受ける入力軸と、
前記入力軸と一定の間隔をおいて平行に配置されており、変速された回転動力を出力する出力軸と、
前記入力軸上に配置されており、入力軸と選択的に連結される第1回転要素、第2回転要素、及び前記入力軸と選択的に連結される第3回転要素を保有する第1遊星ギヤセットと、
前記出力軸上に配置されており、前記入力軸と互いに異なるギヤ比を有する2つの経路を通じて選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素、前記入力軸と選択的に連結されると同時に変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転要素、及び前記第2回転要素と連結されると同時に出力軸と直接連結される第6回転要素を保有する第2遊星ギヤセットと、
前記第2回転要素と第6回転要素を連結する第1トランスファギヤと、
前記第3回転要素と第5回転要素を連結する第2トランスファギヤと、
前記入力軸と第4回転要素を連結する第3トランスファギヤと、
前記入力軸と第4回転要素を連結する第4トランスファギヤと、
前記第1、第3、第4回転要素を入力軸に選択的に連結する複数のクラッチ、及び前記第4、第5回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結する複数のブレーキからなる複数の摩擦要素と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1遊星キャリア、及び第3回転要素である第1リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなり、そして、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、及び第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする。
【0015】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤ、第2回転要素である第1リングギヤ、及び第3回転要素である第1遊星キャリアを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットからなり、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤ、第5回転要素である第2遊星キャリア、及び第6回転要素である第2リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなることを特徴とする。
【0016】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする。
【0017】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第5回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする。
【0018】
前記複数の摩擦要素は、
入力軸と第1回転要素の間に配置される第1クラッチと、
入力軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチと、
第4トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第3クラッチと、
入力軸と第3回転要素の間に配置される第4クラッチと、
第3回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキと、
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキと、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単純遊星ギヤセットからなる2つの遊星ギヤセットと4つのトランスファギヤ、そして6つの摩擦要素の組み合わせで前進8速および後進1速の変速段が実現できる。
そして2つの遊星ギヤセットを相互一定の間隔をおいて平行に配置される入力軸と出力軸に分けて配置することによって、全長が縮小されて搭載性が向上する。
また、遊星ギヤセット以外に4つの外接ギヤを適用することによって、自由なギヤ歯数の変更で車両別最適のギヤ比を設定することができ、要求性能条件に合うようにギヤ歯数の変更が可能で発進性能、動力伝達性能および燃費が向上できる。したがって、既存のトルクコンバータを削除し発進クラッチの適用が可能である。
そして各変速段で2つの摩擦要素が作動しながら変速が行われ、隣り合う変速段に順次変速時、一つの摩擦要素の作動が解除され他の一つの摩擦要素が作動する。したがって、変速作動制御条件を十分に充足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図2】本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインに適用される複数の摩擦要素の各変速段別作動表である。
図3】(a)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進1速変速段および前進2速変速段の変速線図である。(b)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進3速変速段の変速線図である。
図4】(a)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進4速変速段の変速線図である。(b)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進5速変速段の変速線図である。
図5】(a)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進6速変速段の変速線図である。(b)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進7速変速段の変速線図である。
図6】(a)本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの前進8速変速段の変速線図である。(b)は、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの後進変速段の変速線図である。
図7】本発明の第2実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図8】本発明の第3実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図9】本発明の第4実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を添付した図面により詳細に説明する。
但し、本発明の実施形態を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な図面符号を適用して説明する。
また、下記の説明で構成の名称を第1、第2などに区分したことはその構成の名称が同一でこれを区分するためであり、必ずしもその順序に限定されるのではない。
図1は本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図1に示す通り、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインは、入力軸IS上に配置される第1遊星ギヤセットPG1と、前記入力軸ISと平行に配置される出力軸OS上に配置される第2遊星ギヤセットPG2と、4つのクラッチC1、C2、C3、C4と2つブレーキB1、B2からなる摩擦要素を含んでなる。
【0022】
これにより、入力軸ISから入力される回転動力は、前記第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2の相互補完作動によって前進8速および後進1速に変速されて出力軸OSを通じて出力される。
入力軸ISは入力部材であって、エンジンのクランクシャフトの回転動力がトルクコンバータを通じてトルク変換が行われ前記入力軸ISに入力される。
出力軸OSは出力部材であって、差動装置(図示せず)を通じて駆動輪に駆動力を伝達する。
第1遊星ギヤセットPG1はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第1サンギヤS1からなる第1回転要素N1と、第1サンギヤS1と外接でかみ合う第1ピニオンP1を支持する第1遊星キャリアPC1からなる第2回転要素N2と、第1ピニオンP1と内接でかみ合う第1リングギヤR1からなる第3回転要素N3を含んでなる。
【0023】
第2遊星ギヤセットPG2はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第2サンギヤS2からなる第4回転要素N4と、第2サンギヤS2と外接でかみ合う第2ピニオンP2を支持する第2遊星キャリアPC2からなる第5回転要素N5と、第2ピニオンP2と内接でかみ合う第2リングギヤR2からなる第6回転要素N6を含んでなる。
第1遊星ギヤセットPG1の2つの回転要素が入力軸ISと選択的に連結され、第2遊星ギヤセットPG2の3つの回転要素は入力軸ISと第1遊星ギヤセットPG1の2つの回転要素に第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4を通じて連結され、第2遊星ギヤセットPG2のいずれか一つの回転要素は出力軸OSと直接連結される。
【0024】
第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4はそれぞれ互いに外接する第1、第2、第3、第4トランスファドライブギヤTF1a、TF2a、TF3a、TF4aと第1、第2、第3、第4トランスファドリブンギヤTF1b、TF2b、TF3b、TF4bを含んでなる。
第1トランスファギヤTF1は、第2回転要素N2と第6回転要素N6を連結する。
第2トランスファギヤTF2は、第3回転要素N3と第5回転要素N5を連結する。
第3トランスファギヤTF3は、入力軸ISと第4回転要素N4を連結する。
第4トランスファギヤTF4は、入力軸ISと第4回転要素N4を連結する。
【0025】
これにより、第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4によって連結される回転要素は(入力軸ISを含む)それらのギヤ比によって相互反対方向に回転する。
そして入力軸ISと選択された回転要素を選択的に連結するか、選択された回転要素を変速機ハウジングHと選択的に連結する4つのクラッチC1、C2、C3、C4と2つのブレーキB1、B2は次のように配置される。
第1クラッチC1は、入力軸ISと第1回転要素N1の間に配置される。
第2クラッチC2は、入力軸ISと第3トランスファギヤTF3の間に配置される。
第3クラッチC3は、第4回転要素N4と第4トランスファギヤTF4の間に配置される。
【0026】
第4クラッチC4は、入力軸ISと第3回転要素N3の間に配置される。
第1ブレーキB1は、第5回転要素N5と変速機ハウジングHの間に配置される。
第2ブレーキB2は、第4回転要素N4と変速機ハウジングHの間に配置される。
第2クラッチC2と第3クラッチC3は両方とも入力軸ISを第4回転要素N4と選択的に連結する役割を果たすが、第3トランスファギヤTF3と第4トランスファギヤTF4のギヤ比が互いに異なるために第4回転要素N4に伝達される回転速度は変わる。
第1、第2、第3、第4クラッチC1、C2、C3、C4と第1、第2ブレーキB1、B2からなる各摩擦要素は油圧によって摩擦結合される多板式油圧摩擦結合ユニットからなる。
【0027】
図2は本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインに適用される複数の摩擦要素の各変速段別作動表である。
図2に示す通り、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインは各変速段で2つの摩擦要素が作動しながら変速が行われる。
前進1速変速段1STは、第1クラッチC1と第1ブレーキB1の同時作動によって達成される。
前進2速変速段2NDは、第1クラッチC1と第2ブレーキB2の同時作動によって達成される。
前進3速変速段3RDは、第1クラッチC1と第2クラッチC2の同時作動によって達成される。
前進4速変速段4THは、第1クラッチC1と第3クラッチC3の同時作動によって達成される。
【0028】
前進5速変速段5THは、第1クラッチC1と第4クラッチC4の同時作動によって達成される。
前進6速変速段6THは、第3クラッチC3と第4クラッチC4の同時作動によって達成される。
前進7速変速段7THは、第2クラッチC2と第4クラッチC4の同時作動によって達成される。
前進8速変速段8THは、第4クラッチC4と第2ブレーキB2の同時作動によって達成される。
後進変速段REVは、第3クラッチC3と第1ブレーキB1の同時作動によって達成される。
【0029】
図3乃至図6は本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの各変速段別変速線図であり、本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの変速過程をレバー解釈法で示している。
図3乃至図6に示す通り、第2遊星ギヤセットPG2の3つの縦線は左側から第4、第5、第6回転要素N4、N5、N6に設定され、第1遊星ギヤセットPG1の3つの縦線は左側から第3、第2、第1回転要素N3、N2、N1に設定される。
中央の横線は回転速度“0”を示し、上側の複数の横線は正回転を示し、下側の複数の横線は逆回転を示す。
前記で“−”はエンジンの回転方向と反対方向に回転することを意味する。入力軸ISと第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素がアイドリングギヤ(Idling Gear)なしに第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4を通じて第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素と外接で連結されるためである。
また、前記複数の縦線の間隔は第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2のギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)によって設定される。
【0030】
以下、図2図3乃至図6を参照して本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインの各変速段別変速過程を説明する。
[前進1速]
図2に示す通り、前進1速変速段1STでは第1クラッチC1と第1ブレーキB1が作動する。
図3(a)のように、入力軸ISの回転速度が第1クラッチC1の作動で第1回転要素N1に入力される状態で、第1ブレーキB1の作動で第3回転要素N3が固定要素として作動する。したがって、第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第1速度線T1を形成する。
そして、第1ブレーキB1の作動で第5回転要素N5が固定要素として作動している状態で第2回転要素N2の回転動力が第1トランスファギヤTF1のギヤ比によって変換されて第6回転要素N6に逆回転速度で入力される。したがって、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第1変速線SP1を形成し、出力要素である第6回転要素N6を通じてD1が出力される。
【0031】
[前進2速]
前進2速変速段2NDでは前進1速変速段1STの状態で作動した第1ブレーキB1の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動する。
図3(a)のように、入力軸ISの回転速度が第1クラッチC1の作動で第1回転要素N1に入力され、第2ブレーキB2の作動で第4回転要素N4が固定要素として作動する。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第2速度線T2を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第2変速線SP2を形成する。 したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD2が出力される。
【0032】
[前進3速]
前進3速変速段3RDでは前進2速変速段2NDの状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除され、第2クラッチC2が作動する。
図3(b)のように、入力軸ISの回転速度が前記第1クラッチC1の作動で第1回転要素N1に入力され、同時に第2クラッチC2の作動で第3トランスファギヤTF3のギヤ比によって変換されて第4回転要素N4に入力される。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第3速度線T3を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第3変速線SP3を形成する。 したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD3が出力される。
【0033】
[前進4速]
前進4速変速段4THでは前進3速変速段3RDの状態で作動した第2クラッチC2の作動が解除され、第3クラッチC3が作動する。
図4(a)のように、入力軸ISの回転速度が第1クラッチC1の作動で第1回転要素N1に入力され、同時に第3クラッチC3の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて第4回転要素N4に入力される。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第4速度線T4を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第4変速線SP4を形成する。したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD4が出力される。
【0034】
[前進5速]
前進5速変速段5THでは前進4速変速段4THの状態で作動した第3クラッチC3の作動が解除され、第4クラッチC4が作動する。
図4(b)のように、入力軸ISの回転速度が第1クラッチC1と第4クラッチC4の作動で第1回転要素N1と第3回転要素N3に同時に入力される。したがって、第1遊星ギヤセットPG1は直結の状態になる。
また、第3回転要素N3の回転速度が第2トランスファギヤTF2のギヤ比によって変換されて第5回転要素N5に逆回転速度で入力される。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第5速度線T5を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第5変速線SP5を形成する。したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD5が出力される。
【0035】
[前進6速]
前進6速変速段6THでは前進5速変速段5THの状態で作動した第1クラッチC1の作動が解除され、第3クラッチC3が作動する。
図5(a)のように、入力軸ISの回転速度が第4クラッチC4の作動で第3回転要素N3に入力され、同時に第3クラッチC3の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて第4回転要素N4に入力される。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第6速度線T6を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第6変速線SP6を形成する。 したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD6が出力される。
【0036】
[前進7速]
前進7速変速段7THでは前進6速変速段6THの状態で作動した第3クラッチC3の作動が解除され、第2クラッチC2が作動する。
図5(b)のように、入力軸ISの回転速度が第4クラッチC4の作動で第3回転要素N3に入力され、同時に第2クラッチC2の作動で第3トランスファギヤTF3のギヤ比によって変換されて第4回転要素N4に入力される。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第7速度線T7を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第7変速線SP7を形成する。 したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD7が出力される。
【0037】
[前進8速]
前進8速変速段8THでは前進7速変速段7THの状態で作動した第2クラッチC2の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動する。
図6(a)のように、入力軸ISの回転速度が前記第4クラッチC4の作動で第3回転要素N3に入力され、第2ブレーキB2の作動で第4回転要素N4が固定要素として作動する。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は第8速度線T8を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は第8変速線SP8を形成する。 したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてD8が出力される。
【0038】
[後進]
後進変速段REVでは図2のように、第3クラッチC3と第1ブレーキB1が作動する。
図6(b)のように、入力軸ISの回転速度が第3クラッチC3の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて第4回転要素N4に入力され、第1ブレーキB1の作動で第5回転要素N5が固定要素として作動する。
これにより、第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動で第1遊星ギヤセットPG1の複数の回転要素は後進速度線Trを形成し、第2遊星ギヤセットPG2の複数の回転要素は後進変速線RSを形成する。 したがって、出力要素である第6回転要素N6を通じてREVが出力される。
【0039】
前記のように本発明の第1実施形態による遊星ギヤトレインは単純遊星ギヤセットからなる2つの遊星ギヤセットPG1、PG2と外接ギヤである4つのトランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4、そして6つの摩擦要素C1、C2、C3、C4、B1、B2の組み合わせで前進8速および後進1速の変速段を実現する。
また、遊星ギヤセット以外に外接ギヤである4つのトランスファギヤを適用することによって、自由なギヤ歯数の変更で車両別最適のギヤ比を設定することができ、要求性能条件に合うようにギヤ歯数の変更が可能で発進性能、動力伝達性能および燃費を向上させることができる。したがって、既存のトルクコンバータを削除し発進クラッチの適用が可能である。
そして各変速段で2つの摩擦要素が作動しながら変速が行われ、隣り合う変速段に順次変速時、一つの摩擦要素作動が解除され他の一つの摩擦要素が作動する。 したがって、変速作動制御条件を十分に充足させることができる。
【0040】
図7は本発明の第2実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図7に示す通り、第1実施形態では第2クラッチC2を入力軸ISと第3トランスファギヤTF3の間に配置しているが、第2実施形態では第2クラッチC2を第4回転要素N4と第3トランスファギヤTF3の間に配置している。
このような第2実施形態の場合、第1実施形態と比較して第2クラッチC2の配置位置のみ異なるだけでその作動が同一であるので、詳細な説明は省略する。
図8は本発明の第3実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図8に示す通り、第1実施形態では第1ブレーキB1を第5回転要素N5と変速機ハウジングHの間に配置しているが、第3実施形態では第1ブレーキB1を第3回転要素N3と変速機ハウジングHの間に配置している。
このような第3実施形態の場合、第1実施形態と比較して第1ブレーキB1の配置位置のみ異なるだけでその作動が同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
図9は本発明の第4実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
図9に示す通り、第1実施形態では第1遊星ギヤセットPG1をシングルピニオン遊星ギヤセットで適用しているが、第4実施形態では第1遊星ギヤセットPG1をダブルピニオン遊星ギヤセットで適用している。
これにより、第2回転要素N2が第1遊星キャリアPC1から第1リングギヤR1に変更され、第3回転要素N3が第1リングギヤR1から第1遊星キャリアPC1に変更される。
このような第4実施形態は第1実施形態と比較して第2、第3回転要素N2、N3を構成する複数の回転要素が変わるだけでその作動が同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更されて均等であると認められる範囲のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0043】
PG1、PG2:第1、第2遊星ギヤセット
S1、S2:第1、第2サンギヤ
PC1、PC2:第1、第2遊星キャリア
R1、R2:第1、第2リングギヤ
IS:入力軸
OS:出力軸
N1、N2、N3、N4、N5、N6:第1、第2、第3、第4、第5、第6回転要素
C1、C2、C3、C4:第1、第2、第3、第4クラッチ
B1、B2:第1、第2ブレーキ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9