(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態にかかる分散システムを図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態にかかる分散システム1は、複数のパワーコンディショナ2を備える。各パワーコンディショナ2は、1つまたは複数の太陽電池モジュール3に接続されている。なお、簡略化のために、各パワーコンディショナ2には1つの太陽電池モジュール3のみが接続された構成を図示する。
【0016】
分散システム1は複数のパワーコンディショナ群20からなり、各パワーコンディショナ群20は複数のパワーコンディショナ2を含む。パワーコンディショナ群20に含まれるパワーコンディショナ2は電力線11によって直列に接続されて、複数のパワーコンディショナ2の電力についての直列接続を構成する。これらパワーコンディショナ群20は、並列に集電箱12に接続される。そのため、集電箱12は、全てのパワーコンディショナ群20を構成する全てのパワーコンディショナ2が出力する交流電力を集電する。集電箱12は、遮断器13を介して電力系統14に接続される。
【0017】
分散システム1の全てのパワーコンディショナ2は、渡り配線の形態で通信接続されている。すなわち、ある一のパワーコンディショナ2は、他の一のパワーコンディショナ2に伝送線(通信ケーブル)16
iによって接続されるとともに、さらに他の一のパワーコンディショナ2に別個の伝送線16
i+1によって接続されている。なお、終端のパワーコンディショナ2
1,2
nは、1つのパワーコンディショナ2のみに伝送線16
1,16
n-1によって接続されている。
【0018】
これら全てのパワーコンディショナ2のうち、1つのパワーコンディショナ2が親機として機能し、その他のパワーコンディショナ2が子機として機能する。いずれのパワーコンディショナ2が親機として機能するかは、いかなる基準によって定められてもよい。例えば、両終端のパワーコンディショナ2
1,2
nのうちの一方が親機として機能してもよい。本実施形態においては、一方の終端のパワーコンディショナ2
1であって、一のパワーコンディショナ群20のパワーコンディショナ2のうち、最も集電箱12に近いパワーコンディショナ2
1が親機として機能する。なお、いずれのパワーコンディショナ2が親機になるかは絶対的なものではなく分散システム1の稼働中に変更されてもよい。
【0019】
これら伝送線16によって、各パワーコンディショナ2が正常に動作している間、系統電圧の正弦波と同一の周期を有する方形波からなる同期信号が、親機として機能するパワーコンディショナ2
1で生成されて伝達される。そのため、例えばパワーコンディショナ2
iとパワーコンディショナ2
i+1との間の伝送線16
iが断線すると、その伝送線16
iよりも親機のパワーコンディショナ2
1に対して遠位のパワーコンディショナ2
i+1〜2
nは同期信号を受信しなくなる。同期信号を受信しなくなったパワーコンディショナ2
i+1〜2
nは、後述するように電力出力を停止する。
【0020】
このように伝送線16は同期信号を伝送するためのものであるため、各パワーコンディショナ2のログなどを取得してそれぞれの状態を監視する管理ユニット(図示せず)と各パワーコンディショナ2との間のデータ通信には、伝送線16とは別個の通信ケーブルが用いられる。
【0021】
図2に、親機として機能するパワーコンディショナ2
1を示す。
パワーコンディショナ2
1は、太陽電池モジュール3が出力する直流電力を昇圧するDC/DCコンバータ(図示せず)、およびこの昇圧された直流電力を交流電力に変換するインバータ21を備える。これにより、パワーコンディショナ2は、交流電力を出力する。ただし、DC/DCコンバータ(図示せず)は省略されてもよい。パワーコンディショナ2には、また、インバータ21の出力を電力線11に供給する部分に、電磁接触器のような開閉手段22が設けられている。
【0022】
親機として機能するパワーコンディショナ2
1は、マイコンからなる親機制御手段23Aを有する。親機制御手段23Aは、異常判定部23a、同期信号生成部23bおよび停止部23cを含む。
【0023】
異常判定部23aは、重大な異常の発生を判定する。重大な異常としては、単独運転検出および地絡過電圧がある。単独運転は、例えば、制御手段23A内の単独運転検出手段(図示せず)によって検出される。単独運転の検出には既知のいかなる方法が用いられてもよい。地絡過電圧は、例えば、各パワーコンディショナ2とは別個に設けられた地絡過電圧検出装置(図示せず)によって検出される。地絡過電圧の検出には既知のいかなる方法が用いられてもよい。そして、単独運転や地絡過電圧が検出されると、異常判定部23aに単独運転や地絡過電圧が検出された旨が通知される。異常判定部23aがこの通知を受けて重大な異常が発生したと判定すると、同期信号生成部23bと停止部23cにその旨を通知する。
【0024】
親機として機能するパワーコンディショナ2
1は、また、通信インタフェース24、およびこれらに接続された絶縁回路25を備える。通信インタフェース24は、本実施形態においてはRS485プロトコルを実装したトランシーバからなる。トランシーバ24は、1つの伝送線16
1に接続され、トランスミッタ24aおよびレシーバ24bを含む。伝送線16は例えばツイストペアケーブルまたは同軸ケーブルからなる。トランスミッタ24aは、伝送線16に所定の大きさの電圧波形を送出する。レシーバ24bは、伝送線16から電圧波形を受信する。絶縁回路25は、例えばフォトカプラからなり、接続されたトランシーバ24をパワーコンディショナ2
1内の他の構成要から電気的に絶縁する。なお、絶縁回路25はトランシーバ24に内蔵されてもよい。
【0025】
同期信号生成部23bは、異常判定部23aから重大な異常が発生したとの通知を受けない限りは、
図4(a)に示す系統電圧の正弦波と同一の周期を有する
図4(b)の方形波を生成して、通信インタフェース24に送出する。通信インタフェース24のトランスミッタ24aは、受信した方形波の周期に対応した電圧波形を伝送線16
1に印加することで、伝送線16
1を介して隣接するパワーコンディショナ2
2に同期信号を送信する。同期信号生成部23bが、異常判定部23aから重大な異常が発生したとの通知を受けると、同期信号オフの指令を通信インタフェース24に通知する。通信インタフェース24のトランスミッタ24aは、この通知に応えて、
図4(c)に示すように、伝送線16
1に電圧波形を印加しない。すなわち、伝送線16
1を介して隣接するパワーコンディショナ2
2に送信する同期信号を停止する。
【0026】
停止部23cは、異常判定部23aから重大な異常が発生したとの通知を受けると、インバータ21を停止させるとともに、開閉手段22を開成して、パワーコンディショナ2から電力線11への電力出力を停止させる。
【0027】
なお、本実施形態においてこの親機として機能する
図1のパワーコンディショナ2
1は、隣接するパワーコンディショナ2
2が1つであり、このパワーコンディショナ2
2に同期信号を送信するが、他のパワーコンディショナ2から同期信号を受信するものではない。そのため、通信インタフェース24と絶縁回路25からなる組は1組のみでもよいが、複数組が設けられてもよい。
【0028】
図3に、子機として機能するパワーコンディショナ2
iの1つを示す。なお、
図2に示した親機として機能するパワーコンディショナ2
1と同一の構成要素については、
図3において同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
子機として機能するパワーコンディショナ2
iは、第1および第2の通信インタフェース24A,24B、ならびにこれらにそれぞれ接続された2つの絶縁回路25,25を備える。これら第1および第2の通信インタフェース24A,24Bは、いずれも
図2に示した通信インタフェース24と同一の構成を有する。したがって、この子機として機能するパワーコンディショナ2
iには、親機として機能するパワーコンディショナ2
1に設けられた通信インタフェース24と絶縁回路25からなる組が2組設けられていることになる。
【0030】
子機として機能するパワーコンディショナ2
iは、マイコンからなる子機制御手段23Bを有する。子機制御手段23Bは、停止部23cおよび同期信号監視部23dを含む。同期信号監視部23dは、第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが受ける伝送線16
i-1の電圧波形を、絶縁回路25を介して受信して監視する。そして、周期的な方形波からなる同期信号を受信している場合は、外部で何ら異常が発生していないと判定するのに対して、第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが何も信号を受信しなくなると、当該パワーコンディショナ2
iの外部において何らかの異常が発生したと判定する。
【0031】
子機制御手段23Bは、その内部に単独運転検出手段(図示せず)やその他内部における重大な異常を検出するための手段を設けてもよい。この場合、子機制御手段23Bはメモリ(図示せず)上に正常フラグを構成し、この正常フラグの既定値はオンとし、パワーコンディショナ2
i自体で重大な異常を検出した場合にオフに切り替える。
【0032】
停止部23cは、同期信号監視部23dが、監視中の同期信号がなくなったことによって当該パワーコンディショナ2
iの外部において何らかの異常が発生していると判定した場合、またはパワーコンディショナ2
i自体で重大な異常を検出した場合に、インバータ21を停止させるとともに、開閉手段22を開成して、パワーコンディショナ2から電力線11への電力出力を停止させる。
【0033】
子機として機能するパワーコンディショナ2
iは、また、第1および第2の通信インタフェース24A,24B、ならびにこれらにそれぞれ接続された2つの絶縁回路25,25に加えて、AND論理ゲート26を有する。
【0034】
第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが伝送線16
i-1から受ける電圧波形は、子機制御手段23Bに入力されるとともに、AND論理ゲート26に入力される。AND論理ゲート26には、また、子機制御手段23Bから正常フラグの値が入力される。したがって、正常フラグがオン、つまり異常がこのパワーコンディショナ2
iの内部または外部で検出されていない場合には、AND論理ゲート26の出力に、第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが伝送線16
i-1から受けた電圧波形が表われる。
【0035】
第2の通信インタフェース24Bのトランスミッタ24aには、絶縁回路25を介してこのAND論理ゲート26の出力が入力される。そして、トランスミッタ24aは、その入力に対応した電圧波形を伝送線16
iに印加する。この電圧波形の電圧値は、予め定められた大きさであり、全てのパワーコンディショナ2で同一の大きさである。このため、第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが系統電圧の正弦波と同一の周期を有する
図4(b)の方形波を受信し、かつ、当該パワーコンディショナ2自体で重大な異常を検出していなければ、第2の通信インタフェース24Bのトランスミッタ24aは、系統電圧の正弦波と同一の周期を有して所定の電圧値からなる方形波を伝送線16
iに印加する。これに対して、第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが伝送線16
i-1から信号を受信しない場合には、第2の通信インタフェース24Bのトランスミッタ24aは、伝送線16
iに対して信号を送信しない(
図4(c)に図示)。また、第1の通信インタフェース24Aのレシーバ24bが系統電圧の正弦波と同一の周期を有する
図4(b)の方形波を受信しても、正常フラグがオフであれば、第2の通信インタフェース24Bのトランスミッタ24aは、伝送線16
iに対して信号を送信しない(
図4(c)に図示)。
【0036】
このように、子機として機能するパワーコンディショナ2
iにおいて、第1の通信インタフェース24Aが伝送線16
i-1から信号を受信してから第2の通信インタフェース24Bが伝送線16
iを介して信号を送信するまでには、絶縁回路25、AND論理ゲート26および絶縁回路25を経由するだけであるため、伝送線16
i-1から受信した信号を制御手段23Bで処理して伝送線16
iに送出する場合に比べて、このパワーコンディショナ2
iにおける処理時間は極めて小さい。
【0037】
なお、
図2の親機として機能するパワーコンディショナ2
1と
図3の子機として機能するパワーコンディショナ2
iは異なる構成として示したが、各パワーコンディショナ2は、両方の構成要素を含み、親機としても子機としても機能できるのが好ましい。
【0038】
本分散システム1の動作について
図1を参照して説明する。
異常が発生していない正常時には、親機として機能するパワーコンディショナ2
1は、同期信号生成部23b(
図2)が同期信号を生成し、伝送線16
1を介して同期信号を隣接するパワーコンディショナ2
2に送出する。この同期信号を受信したパワーコンディショナ2
2では、そのパワーコンディショナ2自体で重大な異常の発生を検出していなければ、同期信号を、親機として機能するパワーコンディショナ2
1とは反対側の隣接するパワーコンディショナ2
3に伝送線16
2を介して送信する。同様に、同期信号がパワーコンディショナ2の間で順次伝達されて、終端のパワーコンディショナ2
nが同期信号を受信する。
【0039】
なお、この終端のパワーコンディショナ2
nでは、
図3の第1の通信インタフェース24Aが同期信号を受信し、同期信号監視部23dが外部で何らかの異常が発生していると判定する点は、他の子機として機能するパワーコンディショナ2
2〜2
n-1(
図1)と同一である。しかし、他の子機として機能するパワーコンディショナ2
2〜2
n-1(
図1)とは、第2の通信インタフェース24Bから伝送線16に同期信号を送出しない点で異なる。
【0040】
パワーコンディショナ2間で伝達される同期信号は、伝送線16上で減衰する。しかし、各パワーコンディショナ2の第2の通信インタフェース24Bのトランスミッタ24aは、所定の電圧値を伝送線16に印加するため、伝送線16上で減衰した同期信号は、各パワーコンディショナ2で所定値に回復する。このように、渡り配線によって互いに接続されるパワーコンディショナ2の数は、同期信号の減衰の観点からは制限を受けない。
【0041】
また、各パワーコンディショナ2では、伝送線16から同期信号を受信してから伝送線16に同期信号を送出するまでに所定の時間を要する。しかし、パワーコンディショナ2の第1の通信インタフェース24Aが伝送線16から信号を受信してから第2の通信インタフェース24Bから信号を送信するまでには、絶縁回路25、AND論理ゲート26および絶縁回路25を経由するだけであるため、伝送線16から受信した信号を制御手段23Bで処理して伝送線16に送出する場合に比べて、このパワーコンディショナ2
iにおける処理時間は極めて小さい。このため、複数のパワーコンディショナ2が順次同期信号を処理することによって、分散システム1におけるパワーコンディショナ2の数だけ同期信号の伝達に時間を要するが、それでも分散システム1全体としても許容範囲内の伝搬時間である。例えば、分散システム1にパワーコンディショナ2がたとえ1000台設置されていたとしても、各パワーコンディショナ2における処理時間が例えば3μ秒程度であれば、分散システム1の全体の伝搬時間は3秒である。
【0042】
図1に戻って、親機として機能するパワーコンディショナ2
1が単独運転または地絡過電圧のような重大な異常を検出すると、このパワーコンディショナ2
1は、伝送線16を介して隣接するパワーコンディショナ2
2への同期信号の送信を停止する。同期信号を受信しなくなったパワーコンディショナ2
2では、隣接するパワーコンディショナ2
3への同期信号の送信を停止する。同様に、同期信号の停止がパワーコンディショナ2の間で順次伝達されて、終端のパワーコンディショナ2
nが同期信号を受信しなくなる。なお、この終端のパワーコンディショナ2
nでは、同期信号を受信しなくなることで、
図3の子機制御手段23Bの同期信号監視部23dが外部で何らかの異常が発生していると判定し、判定部23cがその出力を停止するが、第2の通信インタフェース24Bに伝送線が接続されていないため、このパワーコンディショナ2
nには停止すべき送信中の同期信号がない。
【0043】
このように、
図1の分散システム1において単独運転や地絡過電圧などの重大な異常が発生すると、系統連系された全てのパワーコンディショナ2からの電力出力が停止される。
【0044】
上述のとおり各パワーコンディショナ2における処理時間が極めて小さいため、分散システム1全体としてもその同期信号の伝搬に要する時間は通常許容範囲である。例えば、各パワーコンディショナ2における処理時間が3μ秒程度であれば、分散システム1にパワーコンディショナ2が1000台の場合に分散システム1の全体の伝搬時間は3秒であるため、パワーコンディショナ2の停止処理に0.1秒程度要するとすると、親機として機能するパワーコンディショナ2
1が単独運転や地絡過電圧などを検出してから全てのパワーコンディショナ2が停止処理を完了するまでに4秒も要しない。
【0045】
異常が解消されると、親機として機能するパワーコンディショナ2
1の
図2の同期信号生成手段23bが再度同期信号を生成し、伝送線16
1を介して全てのパワーコンディショナ2に伝達する。同期信号を生成した親機のパワーコンディショナ2
1および同期信号を受信した全てのパワーコンディショナ2は、開閉手段22を閉成するとともにインバータ21を起動させて、電力線11に再度電力を出力させる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態にかかる分散システムについて
図5を参照して説明する。ただし、この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点について説明し、同一の構成要素に関しては同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態の分散システム1Aにおいても、第1の実施形態と同様に、複数のパワーコンディショナ群20が並列に集電箱12に接続される。渡り配線の形態の通信接続については、第1の実施形態のように全てのパワーコンディショナ2が直列に接続されるのではなく、パワーコンディショナ群20ごとに渡り配線による直列接続が構成される。具体的には、本分散システム1Aは、親機として機能するパワーコンディショナ2
11を含む複数のパワーコンディショナ2
11〜2
1lからなる第1のパワーコンディショナ群20a、複数のパワーコンディショナ2
21〜2
2mからなる第2のパワーコンディショナ群20b、および複数のパワーコンディショナ2
31〜2
3nからなる第3のパワーコンディショナ群20cを備える。なお、本実施形態におけるパワーコンディショナ群20の数は3であるが、いくつであってもよい。
【0048】
本実施形態において、第2のパワーコンディショナ群20bのうちの1つのパワーコンディショナ2
21は、第1のパワーコンディショナ群20aと第3のパワーコンディショナ群20cとの橋渡しの役割を果たす。すなわち、このパワーコンディショナ2
21は、同一群に属する第2のパワーコンディショナ群20bの隣接するパワーコンディショナ2
22に伝送線16によって接続されるとともに、第1のパワーコンディショナ群20aの親機であるパワーコンディショナ2
11および第3のパワーコンディショナ群20cのあるパワーコンディショナ2
31にもそれぞれ伝送線16によって接続される。この橋渡しとなるパワーコンディショナ2
21には、通信インタフェース24(
図3)が3つ設けられ、第1の通信インタフェース24A(
図3)によって親機であるパワーコンディショナ2
11から受信した同期信号を、2つの第2の通信インタフェース24B(
図3)から、接続されたパワーコンディショナ2
22,2
31に送信する。
【0049】
親機であるパワーコンディショナ2
11は少なくとも1つの第2の通信インタフェース24B(
図3)を備え、2つの隣接したパワーコンディショナ2
12,2
21に同期信号を送信する。
【0050】
このように、本実施形態によれば、電力線による接続に対応させて通信接続を構成しているため、直列に通信接続されるパワーコンディショナ2の数を少なくできる。したがって、子機として機能するパワーコンディショナ2がその内部で異常を検出した場合には、親機として機能するパワーコンディショナ2
11に対して遠位側に直列に通信接続されたパワーコンディショナ2が同期信号を受信しなくなるが、そのパワーコンディショナ2の数は、全てのパワーコンディショナ2が直列に通信接続された場合に比べて少ない。そのため、停止の必要がないパワーコンディショナ2までもが停止することを防止できる。
【0051】
以上、本発明にかかる分散システムによれば、パワーコンディショナを接続する伝送線がそれぞれ別個であるため直列接続されるパワーコンディショナの数に制限がなく、各パワーコンディショナにおいて信号の遅延がほとんどなく、かつ、パワーコンディショナの直列接続の全体として同期信号の減衰が生じないため、膨大な数のパワーコンディショナに対する同期信号の伝達が可能である。
【0052】
なお、上記各実施形態において、伝送線は電気線として説明したが、電気線には限定されず、同期信号を伝送できるものであればいかなるものであってもよい。例えば、伝送線は光ファイバであってもよい。
【0053】
また、通信インタフェースはRS485プロトコルを実装するものとして説明したが、これには限定されず、いかなるプロトコルからなるものであってもよい。ただし、好ましくは、シリアル通信のプロトコルからなる。
【0054】
さらに、重大な異常として単独運転と地絡過電圧を挙げたが、これらに限定されるわけではない。
また、上記実施形態では、
図2の同期信号生成部23bが生成する信号は、
図4(a)および(b)のように交流電力と同一の周波数を有するものとしたが、異なる周波数を有するものであってもよい。