【実施例】
【0017】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1または
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤21を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤21の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤21を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、上球皿14は、前枠13と別体に形成してもよい。また、球皿については、上下2枚の球皿14,15を備えるものに限らず、1枚の球皿のみを設ける構成であってもよい。実施例では、図柄表示装置18として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。なお、図柄表示装置は、演出用の図柄(所謂飾図)のみを変動表示するものではなく、キャラクタ図柄、背景図柄、予告図柄等、その他の各種図柄も変動表示可能に構成されている。
【0018】
前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置16を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置16が作動されて、上球皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤21に向けて発射されるようになっている。
【0019】
(外枠)
前記外枠11は、上下左右の4つの枠部材を相互に組み付けることで縦長の矩形枠体として構成されるものであって、4つの枠部材で画成される開口領域に対し、中枠12が開閉および着脱自在に支持されて、外枠11に対して中枠12を閉成することで、該外枠11の内側に該中枠12が収容されるよう構成される。
【0020】
(中枠)
図2に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材12aと、下縁をなし、打球発射装置16を設置する設置部として機能する下枠部材12bと、左縁(一方の側縁)をなす左枠部材12cと、右縁(他方の側縁)をなす右枠部材12dとから構成されて、これら上下左右の枠部材12a,12b,12c,12dを組み付けた際に、全体が外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。そして、外枠11に対して中枠12の左枠部材12c側が、ヒンジ機構19を介して回動自在に支持されて、右枠部材12dが施錠装置(図示せず)により施錠されるようになっている。また、中枠12には、上下左右の枠部材12a,12b,12c,12dを組み付けることで前後に開口する遊技盤保持部20が画成され、該遊技盤保持部20に遊技盤21が着脱自在にセット保持される。
図1、
図2において、遊技盤21の前面に配設されている各種の遊技部品は、後述する案内レール22を除いて図示省略してある。また、
図2においては、前枠13に配設されている透視保護板13bも図示省略している。
【0021】
(遊技盤)
前記遊技盤21は、
図3および
図5に示すように、中枠12の遊技盤保持部20に整合する略正方形に形成された所定板厚の木材板の表面に、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板部材であって、該遊技盤21の表面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール22により、パチンコ球が流下可能な遊技領域21aが画成されている。また、遊技盤21の裏側に、図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられる設置部材23が配設されており、該設置部材23に形成された前後に開口する開口部23aを介して図柄表示装置18の表示部18aを前側から視認し得るよう構成される。遊技盤21には、案内レール22で囲まれた遊技領域21aの略中央の大部分が開口する装着口(図示せず)に、前後に開口する開口部24aが形成された枠状装飾部材24が取り付けられ、該枠状装飾部材24の開口部24aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤21の前面側に臨むよう構成されている。なお、実施例では、遊技盤21に配設された枠状装飾部材24の開口部24aが、図柄表示装置18の表示部18aを前側から視認可能とする可視部となる。また、枠状装飾部材24の開口部24aの上方には、左右に延在すると共に下方へ延出した前面装飾板24bが配設されている。
【0022】
前記遊技盤21には、
図3に示す如く、枠状装飾部材24の下方に、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口25aを備えた第1始動入賞装置25および特別入賞装置27が配設される。実施例のパチンコ機10では、枠状装飾部材24における特別入賞装置27の上方に、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口26aを備えた第2始動入賞装置(始動入賞手段)26が配設されている。
【0023】
(始動入賞装置)
前記第1始動入賞装置25は、第1始動入賞口25aを遊技領域21a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。これに対し、第2始動入賞装置26は、第2始動入賞口26aを開閉可能に構成された開閉部材31が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(
図27参照)の駆動に伴って開閉部材31が第2始動入賞口26aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例において第1始動入賞口25aは、遊技領域21aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口26aは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、開閉部材31が閉鎖位置に変位した状態では、第2始動入賞口26aへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口25aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口26aへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材31が開放位置に変位した状態では、開閉部材31で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口26aに案内されて、第1始動入賞口25aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。
【0024】
前記第1始動入賞装置25に、第1始動入賞口25aに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサ25b(
図27参照)が設けられると共に、第2始動入賞装置26に、第2始動入賞口26aに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサ26b(
図27参照)が設けられている。両始動入賞検出センサ25b,26bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板200に電気的に接続されており、該始動入賞検出センサ25b,26bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口25a,26aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(例えば3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ25b,26bによるパチンコ球の検出に伴って各種情報(各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて大当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、大当り抽選の結果に基づいて図柄表示装置18において図柄変動演出が実行され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な大当り遊技(当り遊技)が付与され、大当り遊技の発生に伴って特別入賞装置27を所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
【0025】
(特別入賞装置)
前記特別入賞装置27は、
図3に示すように、遊技領域21aに開口する特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉27aを備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド34(
図27参照)の駆動に伴って開閉扉27aが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、開閉扉27aが前後方向へ進退移動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉27aにより特別入賞口が閉鎖された状態を
図3に示す。また、特別入賞装置27には、特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ27b(
図27参照)が設けられている。特別入賞検出センサ27bは、メイン制御基板200に電気的に接続されており、該特別入賞検出センサ27bからメイン制御基板200への球検出信号の入力に伴って所定数(例えば15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、特別入賞ソレノイド34は、前記始動入賞口25a,26aへのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置27を開放する大当り遊技が付与される場合に、当りの種類(図柄の種類)に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板123によって駆動制御される。
【0026】
(球通過ゲート)
図3に示すように、前記枠状装飾部材24の右側には、遊技領域21aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート35が設けられている。前記球通過ゲート35には通過球検出センサ35a(
図16参照)が配設されており、該球通過ゲート35を通過するパチンコ球を通過球検出センサ35aで検出するよう構成されている。通過球検出センサ35aは、メイン制御基板200に配線接続されており、該通過球検出センサ35aからメイン制御基板200への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて第2始動入賞装置26の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材31が開閉動作するようになっている。
【0027】
(設置部材)
前記設置部材23は、
図4〜
図6に示す如く、遊技盤21の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の設置壁部29と、該設置壁部29の外周縁部から前方に突出する外周壁部30とから前方に開口した箱状に形成されて、該外周壁部30の開口前端部を遊技盤21の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤21と設置部材23とがネジ止め固定される。そして、設置部材23において遊技盤21との間に画成される空間に、複数(実施例では3基)の演出装置M1,M2,M3が設置されて、設置部材23を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。設置部材23の設置壁部29の裏側には、図柄表示装置18の設置領域Sが矩形状に画成されると共に、該設置領域S内における枠状装飾部材24の開口部24aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部23aが前後に開口するよう開設される。そして、設置領域Sに臨む設置壁部29の裏面に、図柄表示装置18における表示部18aの外周前面を当接した状態で、該図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、前記開口部23a,24aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤21の前側に臨むようになっている。なお、以下の説明では、設置部材23の設置壁部29について、開口部23aに対する上下左右の各部位を、上板部29a,下板部29b,左板部29c,右板部29dと指称して区別する場合もある。
【0028】
(第1演出装置)
次に、前記設置部材23の設置壁部29における開口部23aの上側前面(上板部29aの前面)に配設された実施例の第1演出装置M1について説明する。第1演出装置M1は、
図7〜
図16に示すように、左右で対をなす複数(実施例では2基)の可動体ユニット(可動部)U1,U2を備えている。各可動体ユニットU1,U2は、各構成部材の形状および配置等が多少異なるが基本的な構成は同じであり、各々のユニットU1,U2には、複数(実施例では2つ)の可動体が移動自在に配設されている。各可動体ユニットU1,U2の可動体は、前後にずらして配設されて、後述する作動機構により、設置壁部29の上板部29aの前面に沿って上下方向に異なる移動量で移動するよう構成されている。ここで、実施例では、左側の可動体ユニットU1を第1可動体ユニットU1と指称し、右側の可動体ユニットU2を第2可動体ユニットU2と指称するものとする。また、第1可動体ユニットU1の各可動体を第1可動体(可動体、移動量が最大の可動体)40および第2可動体(可動体)41と指称し、第2可動体ユニットU2の各可動体を第3可動体(可動体、移動量が最大の可動体)140および第4可動体(可動体)141と指称する。
【0029】
(第1可動体ユニットについて)
前記第1可動体ユニットU1は、
図7〜
図26に示すように、設置部材23の設置壁部29における上板部29aの前側に固定される第1ベース体42と、第1ベース体42から前方へ離間した位置に配設された第2ベース体43とを備えている。第1ベース体42の前面には、第1可動体40が第1初期位置(
図8、
図9参照)および第1移動位置(
図13〜
図17参照)の間で移動可能に配設されると共に、第2ベース体43には、第2可動体41が第2初期位置(
図7〜
図9参照)および第2移動位置(
図10〜
図12参照)の間で移動可能に配設されている。また、第1ベース体42には、第1可動体40を第1初期位置および第1移動位置の間で移動可能に支持する第1スライド手段44が配設されると共に、該第1スライド手段44を作動させる第1作動機構(作動機構)45が配設されている。なお、第1可動体ユニットU1の第1ベース体42は、前記第2可動体ユニットU2の後述する第3ベース体142と左右に連結されると共に、該第1可動体ユニットU1の第2ベース体43は、第2可動体ユニットU2の後述する第4ベース体143と左右に連結されている。
【0030】
(第1ベース体)
前記第1ベース体42は、
図13、
図15、
図17、
図18、
図22および
図23に示すように、第1スライド手段44が配設されるスライド手段配設部48と、スライド手段配設部48の左前方に位置し、第1作動機構45が配設される作動機構配設部49とを備えている。スライド手段配設部48の前側には、上下方向へ延在する複数(実施例では2本)の第1ガイドバー50,50が、左右に離間すると共に該スライド手段配設部48の前面から前方に離間した位置で支持されている。各第1ガイドバー50,50は、スライド手段配設部48の後側に固定された第1支持部材51において、スライド手段配設部48の上縁から前方へ延出した上支持部51aに上端が固定されると共に、該スライド手段配設部48の下縁から前方へ延出した下支持部51bに下端が固定された状態で支持されている。また、スライド手段配設部48の前面右側には、ギア部が左向きに設けられた第1ラックギア52が、上下方向に延在した状態で配設されている。
【0031】
(第1スライド手段)
前記第1スライド手段44は、
図16、
図19、
図20、
図24および
図25に示すように、第1支持部材51に支持された前記第1ガイドバー50,50に対して昇降移動可能に配設された第1スライド体55と、該第1スライド体55に対して昇降移動可能に配設された第2スライド体56とを備える。第1スライド体55は、上下方向が長手となる第1本体部57と、該第1本体部57の左側上部および右側上部の夫々に側方へ延出して設けられ、前記各第1ガイドバー50,50が各々上下に挿通する左右一対の第1摺動部58,58を備えている。そして第1スライド体55は、各第1摺動部58,58が対応の第1ガイドバー50,50に沿って摺動することで、第1ベース体42に対して昇降移動するよう構成されている。なお、各第1摺動部58,58が対応の第1ガイドバー50,50と接触していることで、第1スライド体55は、下端側の前後方向の変位および左右方向の変位が規制された状態で安定的に支持される。
【0032】
図17、
図19、
図24および
図25に示すように、前記第1スライド体55には、上下方向へ垂直に延在する複数(実施例では2本)の第2ガイドバー59,59が、左右に離間すると共に該第1スライド体55の前面から前方に離間した位置で支持されている。各第2ガイドバー59,59は、第1スライド体55の後側に固定された第2支持部材60において、第1スライド体55の上縁から前方へ延出した上支持部60aに上端が固定されると共に、該第1スライド体55の下縁から前方へ延出した下支持部60bに下端が固定された状態で支持されている。そして、第1スライド体55の前面上部に、前方へ突出する第1連結ピン61が配設されて、該第1連結ピン61の前部には、第1ローラ62が回転自在に配設されている(
図17、
図19、
図24参照)。この第1ローラ62は、後述する第1作動機構45におけるレバー体75の揺動端に設けられた第1連結孔81に係合されるようになっている(
図10、
図11、
図23参照)。
【0033】
図20および
図25に示すように、前記第2スライド体56は、板状の第2本体63と、該第2本体63の後側上部に配設された第1スライド部材64と、該第1スライド部材64に設けられ、前記各第2ガイドバー59,59が上下に挿通する左右一対の第2摺動部65,65とを備えている。これにより、第2スライド体56は、各第2摺動部65,65が対応の第2ガイドバー59,59に沿って摺動することで、第1スライド体55に対して上下方向に昇降移動するようになっている。なお、各第2摺動部65,65が対応の第2ガイドバー59,59と接触していることで、第2スライド体56は、下端側の前後方向の変位および左右方向の変位が規制されている。また、第2スライド体56の後面には、ギア部が右向きに設けられた第2ラックギア66が、上下に延在した状態で配設されている。
【0034】
(倍速機構)
図14、
図16、
図17、
図19および
図24に示すように、前記第1スライド体55の後面には、該後面から後方へ延出する支軸に回転自在に支持され、前記第1ラックギア52に常時噛合する第1ギア67と、該第1スライド体55に設けられた支持孔72に前後方向へ挿通される支軸69の後側延出部分に固定され、該第1ギア67に常時噛合する第2ギア68が配設されている。また、第1スライド体55の前面には、前記支軸69の前側延出部分に固定された第3ギア70と、該第1スライド体55の前面から前方へ延出する支軸に回転自在に支持され、第3ギア70および前記第2ラックギア66の各々に常時噛合する第4ギア71とを備えている。ここで、第1ギア67と第4ギア71とは同径であり、第2ギア68と第3ギア70とが同径となっている。
【0035】
これにより、第1ベース体42に対する第1スライド体55の昇降移動時には、第1ラックギア52に噛合した第1ギア67が回転すると共に第2ギア68が回転し、支軸69の回転に伴って第3ギア70が回転すると共に第4ギア71が回転することで、該第4ギア71が噛合する第2ラックギア66が配設された第2スライド体56が、第1スライド体55に対して昇降移動するようになる。従って、第1スライド体55の下降移動時には、第1ベース体42に対して下降移動する第1スライド体55に対して第2スライド体56が下降移動するようになり、第1ベース体42を基準として見た場合に、第1スライド体55の下降速度および下降移動量に対し、第2スライド体56の下降速度および下降移動量が2倍となるよう構成されている。同様に、第1スライド体55の上昇移動時には、第1ベース体42に対して上昇移動する第1スライド体55に対して第2スライド体56が上昇移動するようになり、第1ベース体42を基準として見た場合に、第1スライド体55の上昇速度および上昇移動量に対し、第2スライド体56の上昇速度および上昇移動量が2倍となるよう構成されている。
【0036】
(第1作動機構)
前記第1作動機構45は、
図10、
図11、
図13、
図17、
図18および
図23に示すように、可動体制御基板(作動制御手段)204(
図27参照)により制御される駆動手段としての第1駆動モータ73と、左端が作動機構配設部49に設けられた支点軸74に枢支されると共に、第1スライド体55の前方まで右方へ延在するレバー体75と、作動機構配設部49の前側に設けられて、レバー体75の長手方向の中間の後方に位置し、第1駆動モータ73の駆動により前後に延在する軸を中心に回転する回転連係部材76とを備えている。第1駆動モータ73は、第1ベース体42の作動機構配設部49の前側に、駆動軸73aを該第1ベース体42の後側へ延出させた状態で固定されている。第1ベース体42の後側へ延出した駆動軸73aには駆動ギア77が配設され、前記回転連係部材76の後側には従動ギア78が設けられると共に、第1ベース体42の後面には、駆動ギア77と従動ギア78とに夫々噛合する中間ギア79が回転自在に配設されている(
図11、
図23参照)。これにより、第1駆動モータ73の駆動により、駆動ギア77、中間ギア79および従動ギア78が従動回転して、回転連係部材76が回転するようになっている。
【0037】
図11、
図17および
図18に示すように、前記回転連係部材76の前面には、該回転連係部材76の回転中心から半径方向へ離間した位置に、前方へ延出した第2連結ピン80が配設され、該第2連結ピン80には、第2ローラ83が回転自在に配設されている。この第2ローラ83は、回転連係部材76の回転に伴って第2連結ピン80が円弧状に移動することで、上下方向へ変位するようになっている。
【0038】
(レバー体)
図11、
図13、
図17、
図18、
図22および
図23に示すように、前記レバー体75における揺動端である右端近傍に、前後に貫通する第1連結孔81が設けられ、該第1連結孔81に、前記第1ローラ62が移動可能に係合している。これにより、第1ローラ62が配設された第1スライド体55は、レバー体75の揺動変位に連動して昇降変位する。また、第1連結孔81は、上下幅が第1ローラ62の直径より僅かに大きく、左右幅が該第1ローラ62の直径の2〜3倍に形成されている。また、前記レバー体75における長手方向の中間に、前後に貫通する第2連結孔82が設けられ、前記第2ローラ83が該第2連結孔82に移動可能に係合している。第2連結孔82は、上下幅が第2ローラ83の直径より僅かに大きく、左右幅が該第2ローラ83の直径の2〜3倍に形成されている。
【0039】
従って、実施例の作動機構45は、第1駆動モータ73の駆動による回転連係部材76の回転に伴い、円弧状に移動する第2連結ピン80が上下方向へ移動することで、支点軸74を中心としたレバー体75の揺動変位が生起される。これにより、レバー体75は、右上がりに傾斜した第1姿勢(
図7参照)と、右下がりに傾斜した第2姿勢(
図13参照)とに揺動する。そして、レバー体75は、前記第1姿勢において、該レバー体75に連係された第1スライド体55を、第1ベース体42の前側に位置する第1上昇位置(
図7、
図9参照)に保持し、前記第2姿勢において、該第1ベース体42の前面に沿って下方へ延出した第1下降位置(
図13、
図14、
図16参照)に保持するようになっている。また、第1スライド体55に支持された前記第2スライド体56は、第1スライド体55の第1上昇位置において、該第1スライド体55に前後に重なった第2上昇位置(
図7、
図9参照)に保持され、該第1スライド体55の第1下降位置において、該第1スライド体55から下方へ延出した第2下降位置(
図13、
図14、
図16参照)に保持されるようになっている。
【0040】
(トーションバネ)
図17、
図18、
図22および
図23に示すように、前記レバー体75の左端に、付勢手段としてのトーションバネ84が配設されている。このトーションバネ84は、一方のアーム部が第1ベース体42に掛止されると共に他方のアーム部がレバー体75に掛止されて、レバー体75を、該レバー体75の右端(揺動端)が上方へ移動する方向へ付勢するようになっている。実施例の構成では、レバー体75の右端に、第1スライド手段44の第1スライド体55が連結されていることで、該レバー体75の右端に、第1スライド体55および第2スライド体56の重量と、第1可動体40および第2可動体41の重量が加わるようになっている。従って、第1駆動モータ73の駆動によりレバー体75を第2姿勢から第1姿勢へ揺動させる際に、該第1駆動モータ73にかかる負荷を軽減するよう構成されている。
【0041】
(位置検知センサ)
前記作動機構配設部49に位置検知センサ85が配設され、レバー体75の第1姿勢を該位置検知センサ85で検知し得るよう構成されている。すなわち、レバー体75の左端には、該レバー体75が第1姿勢以外の姿勢となった場合に該位置検知センサ85で検知される被検知片86が設けられている。これにより、第1駆動モータ73の駆動によりレバー体75が第2姿勢から第1姿勢に揺動変位させる際に、該レバー体75が第1姿勢となったタイミングで該第1駆動モータ73を停止制御することが可能となっている。
【0042】
(第1可動体)
前記第1可動体40は、
図17、
図20および
図25に示すように、第2スライド体56における第2本体63の前面に固定されている。第1可動体40は、第2本体63にネジ固定される第1ベース部材90と、該第1ベース部材90の前側に配設される第1装飾部材91と、第1ベース部材90と第1装飾部材91との間に収容された第1発光基板92と、第1装飾部材91と第1発光基板92との間に配設されたレンズ部材99とを備えている。第1ベース部材90は、外縁に前方へ延出した第1庇部90aを備え、第1発光基板92を保護し得るようになっている。
【0043】
第1装飾部材91は、所要の意匠形状に形成されて正面視において視認可能部位である第1前板部94と、該第1前板部94の右側縁、下側縁および左側縁の一部から後方へ延出する第1外枠部95とを備えている。そして、第1前板部94の右側縁は、第1可動体40の移動方向である上下方向に沿う直線状に形成されている。実施例の第1装飾部材91は、透光性を有する合成樹脂から一体に形成され、第1前板部94には、発光部として機能する透光部分と、メッキ処理または塗装処理が施された非透光部分とが設けられている。すなわち、第1前板部94には、右側縁に沿って該第1前板部94の上縁から下縁に亘って延在する透光部分と、該第1前板部94の中央下方に略円形の透光部分とが設けられ、前者の透光部分が第1ライン発光部(発光部)96となると共に、後者の透光部分が第1演出発光部97となっている。第1ライン発光部96は、前方へ突出すると共に上下方向に延在しており、該第1ライン発光部96の前面には、左右方向に延在する微細な突状部98が、上下方向に並んで多数設けられている。これにより、後方から第1ライン発光部96に対して光が照射された際に、透過した該光により該第1ライン発光部96が直線状に明輝し、第1装飾部材91の右縁に、上下方向へ延在するライン状の発光部分を形成されるようになっている。なお、第1ライン発光部96の背面およびレンズ部材99は複雑な凹凸模様に形成され、後方から入射する光を拡散させ得るようになっている。
【0044】
(第1発光基板)
第1発光基板92は、
図20に示すように、第1ライン発光部96を背面から照明する複数(実施例では3個)の第1ライン用LED(発光体)100と、第1演出発光部97を背面から照明する複数(実施例では5個)の第1演出用LED101とが、前側となる表面92aに実装されている。ここで、第1ライン発光部96を背面から照明する第1ライン用LED100は、第1発光基板92の前面右側において、第1可動体40の移動方向である上下方向へ所要間隔毎に直列に配置されており、該第1ライン発光部96の後側において、上下方向に直列に位置する(
図15参照)。これにより、第1ライン用LED100が全て発光した場合には、第1ライン発光部96が上下に延在するライン状に照明されるようになっている。また、第1演出発光部97を背面から照明する第1演出用LED101は、該第1演出発光部97の後方において点在して配置されている。これにより、各第1演出用LED101が全て発光した場合には、第1演出発光部97の全体が略均等に照明されるようになっている。
【0045】
第1発光基板92は、作動機構配設部49に配設された中継基板87を介して発光制御基板203(
図27参照)に接続されている。そして、発光制御基板203の制御により、各第1ライン用LED100の各々が同時発光または個別発光するよう制御されると共に、各第1演出用LED101の各々が同時発光または個別発光するよう制御される。
【0046】
(第2ベース体)
前記第2ベース体43は、
図13、
図17、
図21および
図22に示すように、板状に形成された部材で、右端上部および下部に右方へ延出した突部43a,43aが一体に設けられている。そして第2ベース体43には、第1ベース体42に前方へ延出するよう設けられた取付ボス103(
図17、
図22参照)と、該第1ベース体42に固定される中継基板ケース88とにネジ固定される。これにより第2ベース体43は、第1ベース体42との間に、前記第1スライド手段44および第1可動体40が収容可能なスペースを確保した状態で、該第1ベース体42と前後に重なって配設される(
図7、
図9、
図10、
図12、
図13、
図16参照)。そして、第2ベース体43は、該第2ベース体43の上の突部43aに固定されて左右に延在する第1連結部材104と、該第2ベース体43の下の突部43aに固定されて左右に延在する第2連結部材105とにより、第2可動体ユニットU2における第4ベース体143と左右に連結されている。
【0047】
図13、
図14、
図17、
図21、
図22および
図26に示すように、前記第2ベース体43には、前後に貫通すると共に上下方向へ延在するガイド溝106が、所要の長さで形成されている。ガイド溝106には、第2可動体41の背面に配設された第3ローラ114(
図9、
図22、
図26)が移動自在に係合している。また、ガイド溝106の右方に離間した位置には、第3ガイドバー108が、上端が第1連結部材104に固定されると共に下端が第2連結部材105に固定された状態で配設されている。この第3ガイドバー108は、第2可動体41の背面に配設された第3摺動部116(
図21、
図26参照)に挿通されるようになっている。
【0048】
(第2可動体)
前記第2可動体41は、
図17、
図21、
図22および
図26に示すように、第2ベース体43の前側に、上下方向への移動が自在に配設されている。第2可動体41は、第2ベース体43に上下移動自在に配設される第2ベース部材110と、該第2ベース部材110の前側に配設される第2装飾部材111と、第2ベース部材110と第2装飾部材111との間に収容された第2発光基板112とを備えている。第2ベース部材110は、第2発光基板112より大きく形成され、第2発光基板112を後側から保護するようになっている。
【0049】
(ローラおよびスライド部材)
図21〜
図23および
図26に示すように、第2ベース部材110の後面左上に、後方へ延出する支持軸113が配設され、該支持軸113に前記第3ローラ114が回転自在に配設されている。この第3ローラ114は、第2ベース体43に設けられた前記ガイド溝106に係合して、該ガイド溝106に沿って回転しながら移動可能となっている。また、第3ローラ114の前端には、ガイド溝106の開口幅より大径に形成されたフランジ114aが設けられると共に、該第3ローラ114の後側に該フランジ114aと同径のワッシャ114bが設けられ(
図9、
図16、
図21、
図26参照)、該フランジ114aおよびワッシャ114bにより、第3ローラ114がガイド溝106から前方および後方へ脱抜することが規制されている。また、第2ベース部材110の後面右上に、上下方向へ貫通する第3摺動部116が形成された第2スライド部材115が配設されている。第3摺動部116には、前記第3ガイドバー108が上下に挿通され、第2ベース部材110に配設された第2スライド部材115は、第3ガイドバー108に沿って上下方向へ摺動自在に配設される。
【0050】
第2装飾部材111は、所要の意匠形状に形成されて正面視において視認可能部位である第2前板部118と、該第2前板部118の右側縁、上側縁および左側縁の一部から後方へ延出する第2外枠部119とを備えている。実施例では、第2装飾部材111の第2前板部118に、右方を向いた虎の頭部がデザインされている。そして、第2前板部118の右側縁は、第2可動体41の移動方向である上下方向に沿う直線状に形成されている。実施例の第2装飾部材111は、透光性を有する合成樹脂から一体に形成され、第2前板部118には、発光部として機能する透光部分と、メッキ処理または塗装処理が施された非透光部分とが設けられている。すなわち、第2前板部118には、右側縁に沿って該第2前板部118の上縁から下縁に亘って延在する透光部分と、虎の目、口および顎となる部分に位置する透光部分とが設けられ、前者の透光部分が第2ライン発光部(発光部)120となると共に、後者の透光部分が第2演出発光部121となっている。第2ライン発光部120は、前方へ突出すると共に上下方向に延在しており、該第2ライン発光部120の前面には、左右方向に延在する微細な突状部122が、上下方向に並んで多数設けられている。これにより、後方から第2ライン発光部120に対して光が照射された際に、透過した該光により該第2ライン発光部120が直線状に明輝し、第2装飾部材111の右縁に、上下方向に延在するライン状の発光部分を形成するようになっている。なお、第2ライン発光部120および第2演出発光部121の背面は複雑な凹凸模様に形成され、後方から照射した光を拡散させ得るようになっている。
【0051】
(第2発光基板)
第2発光基板112は、
図21に示すように、第2ライン発光部120を背面から照明する複数(実施例では3個)の第2ライン用LED(発光体)124と、第2演出発光部121を背面から照明する複数(実施例では4個)の第2演出用LED125とが、前側となる表面112aに実装されている。ここで、第2ライン発光部120を背面から照明する第2ライン用LED124は、第2発光基板112の前面右側において、第2可動体41の移動方向である上下方向へ所要間隔毎に直列に配置されており、該第2ライン発光部120の後側において、上下方向に直列に位置する(
図15参照)。これにより、第2ライン用LED124が全て発光した場合には、第2ライン発光部120が上下に延在するライン状に照明されるようになっている。また、第2演出発光部121を背面から照明する第2演出用LED125は、該第2演出発光部121の後方において点在して配置されている。これにより、各第2演出用LED125が全て発光した場合には、第2演出発光部121の全体が略均等に照明されるようになっている。
【0052】
第2発光基板112は、前記中継基板87を介して発光制御基板203(
図27参照)に接続されている。そして、発光制御基板203の制御により、各第2ライン用LED124の各々が同時発光または個別発光するよう制御されると共に、各第2演出用LED125の各々が同時発光または個別発光するよう制御される。
【0053】
(第1係合部)
図26に示すように、前記第2ベース部材110の後面(実施例では、第2スライド部材115)に、後方へ延出したボス部117が形成されている。また、第3ローラ114を回転自在に支持する前記支持軸113は、該第3ローラ114から後方へ突出する長さに設けられている(
図9参照)。そして、第2ベース部材110から後方へ延出したボス部117および支持軸113は、
図9に示すように、第1可動体40の第1装飾部材91の上端部に設けられた当接部91b,91bに、上下方向において重なる位置に設けられている(
図9は、支持軸113のみが表示されている)。すなわち、支持軸113およびボス部117は、第1可動体40が上下方向に移動する際に、該第1可動体40の各当接部91b,91bに上方から係脱可能に当接するよう構成されている。具体的には、第1可動体40が第1初期位置と中途位置(
図11、
図12)との間にある場合に、ボス部117および支持軸113が当接部91b,91bに当接可能な状態となる。また、第2可動体41が前記第2移動位置に停止すると共に、第1可動体40が中途位置より下方へ移動する場合に、支持軸113およびボス部117から当接部91b,91bが下方へ離間して、該支持軸113およびボス部117と当接部91b,91bとの当接が解除されるよう構成されている。すなわち、支持軸113およびボス部117は、第1可動体40に係脱可能に当接する係合部として機能するようになっている。
【0054】
(第1可動体と第2可動体との関係について)
実施例では、
図9および
図16に示すように、前記第1スライド手段44における第2スライド体56の前記第2上昇位置および第2下降位置の間のスライド移動距離L1が、前記ガイド溝106および第3ガイドバー108の上下長L2より大きく設定されている。従って、第2スライド体56に固定された第1可動体40の第1初期位置および第1移動位置の間の上下移動量は、該第2スライド体56のスライド移動距離L1と同じである。また、ガイド溝106および第3ガイドバー108を介して第2ベース体43に配設された第2可動体41における第2初期位置および第2移動位置の間の上下移動量は、ガイド溝106および第3ガイドバー108の上下長L2以下となっている。従って、第1可動体40の上下移動量が、第2可動体41の上下移動量より大きく設定されている。
【0055】
第1可動体40は、
図7〜
図9に示すように、前記レバー体75の第1姿勢(第1スライド体55の第1上昇位置および第2スライド体56の第2上昇位置)において、第1ベース体42および第2ベース体43の間に画成されたスペースに収容され、この位置が当該第1可動体40の第1初期位置となる。また、第2可動体41は、前記ボス部117および支持軸113が、第1可動体40の第1装飾部材91に設けられた当接部91b,91bに上方から当接することで、自重による下方への移動が規制されて該第1可動体40に掛止された状態に保持される。すなわち、第1初期位置にある第1可動体40に掛止された位置が、第2可動体41の第2初期位置となる。第1初期位置の第1可動体40は、第2初期位置の第2可動体41の後方において該第2可動体41と前後に重なった状態となり、正面視で該第2可動体41の後方に隠れた状態となるよう構成されている(
図7、
図8参照)。そして、第1可動体40の第1ライン発光部96および第1演出発光部97は、第2可動体41の後に位置して正面視において視認されないようになっている。
【0056】
そして、第1可動体40は、第1駆動モータ73の駆動により第1レバー体75が第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変位し、第1スライド手段44の第1スライド体55および第2スライド体56が下方へ移動することで、第1初期位置から下方へ移動するようになっている。また、第2可動体41は、前記ボス部117および支持軸113が第1可動体40の当接部91b,91bに当接した状態で、第1可動体40が下方へ移動することに伴い、自重により下方へ移動するようになっている。そして、第2可動体41は、
図12に示すように、第1可動体40の下方への移動に伴い、第3ローラ114がガイド溝106の下端106aに上方から当接すると共に、第2スライド部材115が第2連結部材105に上方から当接すると、下方への移動が規制されて停止する。この下方移動が規制された位置(
図11、
図12参照)が、第2可動体41の第2移動位置となる。また、第2可動体41が第2移動位置となった時点での第1可動体40の位置(
図11および
図12参照)が、該第1可動体40の中途位置に設定されている。中途位置の第1可動体40は、第2移動位置に停止した第2可動体41と前後に重なって正面視で該第2可動体41の後方に隠れた状態となり、第1ライン発光部96および第1演出発光部97は正面視において視認されない。なお、前記第1駆動モータ73は、可動体制御基板204(
図27参照)により、第1可動体40が中途位置において停止し得るようになっている。
【0057】
更に、第1可動体40は、第2可動体41が第2移動位置に停止し、上下に当接した支持軸113およびボス部117と各当接部91b,91bとが離間することで、前記レバー体75が第2姿勢(第1スライド体55の第1下降位置および第2スライド体56の第2下降位置)になるまで下方へ移動するようになっている(
図13〜
図16)。そして、レバー体75が第2姿勢となった位置(第2スライド体56が第2下降位置となった位置)が、第1可動体40の第1移動位置となる。ここで、第1移動位置の第1可動体40は、第1ベース体42および第2ベース体43より下方に位置し、第2移動位置の第2可動体41に対して移動方向である上下方向において下方に位置し、かつ後方にずれて位置している。従って、第1可動体40の第1移動位置では、該第1可動体40に設けられた第1ライン発光部96および第1演出発光部97が正面視において視認可能となっている。なお、
図9、
図12および
図16は、第1可動体ユニットU1と基本構成が同じ第2可動体ユニットU2を破断した断面図である。
【0058】
すなわち、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1は、第2可動体41より移動量が大きい第1可動体40が、第1駆動モータ73の駆動により第1初期位置および第1移動位置の間を移動するよう構成されている。第1可動体40より移動量が小さい第2可動体41は、該第2可動体41に設けられた支持軸113およびボス部117が第1可動体40に設けられた当接部91b,91bに上方から当接することで、第1可動体40が第1初期位置にある場合に第2初期位置に保持される。また、第2可動体41は、第1可動体40が第1初期位置と中途位置との間を移動する際に、該第1可動体40と前後に重なった状態で第2初期位置と第2移動位置との間を移動するようになっている。更に、第2可動体41は、第1可動体40が中途位置と第1移動位置との間を移動する際に、第2移動位置に保持されるよう構成されている。
【0059】
(第1ライン発光部と第2ライン発光部との関係について)
第1可動体40の第1装飾部材91に設けられた第1ライン発光部96と、第2可動体41の第2装飾部材111に設けられた第2ライン発光部120とは、
図13、
図15、
図31、
図34、
図35および
図36に示すように、第1可動体40および第2可動体41の移動方向である上下方向に延在している。そして、第1ライン発光部96および第2ライン発光部120は、第1可動体40の第1移動位置および第2可動体41の第2移動位置において、当該パチンコ機10の正面から視認可能な部位に設けられている。また、実施例では、第2可動体41が第2移動位置に停止した状態で第1可動体40が第1移動位置までの間を昇降移動する(第1可動体40と第2可動体41とが移動方向である上下方向へ相対移動する)際に、第1ライン発光部96と第2ライン発光部120とが、前後方向で重なる位置に設けられている。これにより、実施例の第1可動体ユニットU1は、第2可動体41が第2移動位置に停止した状態で第1可動体40が第1移動位置までの間を昇降移動する際に、第2ライン発光部120により形成されるライン状の発光部分と第1ライン発光部96により形成されるライン状の発光部分とが、パチンコ機10の正面からあたかも連なった状態で視認されるようになり、両発光部120,96で形成される発光部分の正面視での長さが長短変化するよう構成されている。
【0060】
(第2可動体ユニットについて)
前記第2可動体ユニットU2は、
図7〜
図26に示すように、設置部材23の設置壁部29における上板部29aの前側に固定される第3ベース体142と、第3ベース体142から前方へ離間した位置に配設された第4ベース体143とを備えている。第3ベース体142の前面には、第3可動体140が第3初期位置(
図8、
図9参照)および第3移動位置(
図13〜
図17参照)の間で移動可能に配設されると共に、第4ベース体143には、第4可動体141が第4初期位置(
図7〜
図9参照)および第4移動位置(
図10〜
図12参照)の間で移動可能に配設されている。また、第3ベース体142には、第3可動体140を第3初期位置および第3移動位置の間で移動可能に支持する第2スライド手段144が配設されると共に、該第2スライド手段144を作動させる第2作動機構(作動機構)145が配設されている。
【0061】
ここで、第2可動体ユニットU2は、前記第1可動体ユニットU1と左右対称の関係で基本的に構成されて、構成部材や部品は形状や配設位置が左右対称となっており、第2作動機構145の一部構成と、第3可動体140および第4可動体141の意匠形状が異なっている。従って、第2可動体ユニットU2については、第1可動体ユニットU1の構成部材と同一の部材や部位、同一機能を有する部材は同一の符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0062】
(第2作動機構)
第2作動機構145は、
図10、
図11、
図13、
図14、
図17、
図18、
図22および
図23に示すように、可動体制御基板(作動制御手段)204(
図27参照)により制御される駆動手段としての第2駆動モータ148が、第3ベース体142の作動機構配設部49の後側に、駆動軸73aを該第3ベース体142の前側へ延出させた状態で固定されている。第3ベース体142の前側へ延出した駆動軸148aには駆動ギア77が配設されると共に、第3ベース体142の前側に配設された回転連係部材76の後側には従動ギア78が設けられると共に、第3ベース体142の前面に、駆動ギア77と従動ギア78とに夫々噛合する中間ギア79が回転自在に配設されている。これにより、第2駆動モータ148の駆動により、駆動ギア77、中間ギア79および従動ギア78が従動回転して、回転連係部材76が回転するようになっている。
【0063】
(第3可動体)
前記第3可動体140は、
図17、
図21および
図26に示すように、第2スライド手段144の第2スライド体56における第2本体63の前面に固定されている。第3可動体140は、第2本体63にネジ固定される第3ベース部材150と、該第3ベース部材150の前側に配設される第3装飾部材151と、第3ベース部材150と第3装飾部材151との間に収容された第3発光基板152と、第3装飾部材151と第3発光基板152との間に配設されたレンズ部材153とを備えている。第3ベース部材150は、外縁に前方へ延出した第1庇部150aを備え、第3発光基板152を保護し得るようになっている。
【0064】
第3装飾部材151は、所要の意匠形状に形成されて正面視において視認可能部位である第3前板部154と、該第3前板部154の左側縁、下側縁および左側縁の一部から後方へ延出する第3外枠部155とを備えている。そして、第3前板部154の左側縁は、第3可動体140の移動方向である上下方向に沿う直線状に形成されている。実施例の第3装飾部材151は、透光性を有する合成樹脂から一体に形成され、第3前板部154には、発光部として機能する透光部分と、メッキ処理または塗装処理が施された非透光部分とが設けられている。すなわち、第3前板部154には、左側縁に沿って該第3前板部154の上縁から下縁に亘って延在する透光部分と、該第3前板部154の中央下方に略円形の透光部分とが設けられ、前者の透光部分が第3ライン発光部(発光部)156となると共に、後者の透光部分が第3演出発光部157となっている。第3ライン発光部156は、前方へ突出すると共に上下方向に延在しており、該第3ライン発光部156の前面には、左右方向に延在する微細な突状部158が、上下方向に並んで多数設けられている。これにより、後方から第3ライン発光部156に対して光が照射された際に、透過した該光により該第3ライン発光部156が直線状に明輝し、第3装飾部材151の左縁に、上下方向へ延在するライン状の発光部分が形成されるようになっている。なお、第3ライン発光部156の背面およびレンズ部材153は複雑な凹凸模様に形成され、後方から照射した光を拡散させ得るようになっている。
【0065】
(第3発光基板)
第3発光基板152は、
図20に示すように、第3ライン発光部156を背面から照明する複数(実施例では3個)の第3ライン用LED(発光体)160と、第3演出発光部157を背面から照明する複数(実施例では5個)の第3演出用LED161とが、前側となる表面152aに実装されている。ここで、第3ライン発光部156を背面から照明する第3ライン用LED160は、第3発光基板152の前面左側において、第3可動体140の移動方向である上下方向へ所要間隔毎に直列に配置されており、該第3ライン発光部156の後側において、上下方向に直列に位置する(
図15参照)。これにより、第3ライン用LED160が全て発光した場合には、第3ライン発光部156が上下に延在するライン状に照明されるようになっている。また、第3演出発光部157を背面から照明する第3演出用LED161は、該第3演出発光部157の後方において点在して配置されている。これにより、各第3演出用LED161が全て発光した場合には、第3演出発光部157の全体が略均等に照明されるようになっている。
【0066】
第3発光基板152は、第3ベース体142に配設された中継基板147を介して発光制御基板203(
図27参照)に接続されている。そして、発光制御基板203の制御により、各第3ライン用LED160の各々が同時発光または個別発光するよう制御されると共に、各第3演出用LED161の各々が同時発光または個別発光するよう制御される。
【0067】
(第4可動体)
前記第4可動体141は、
図17、
図21、
図20および
図25に示すように、第4ベース部材170の前側に、上下方向への移動が自在に配設されている。第4可動体141は、第4ベース体143に上下移動自在に配設される第4ベース部材170と、該第4ベース部材170の前側に配設される第4装飾部材171と、第4ベース部材170と第4装飾部材171との間に収容された第4発光基板172とを備えている。第4ベース部材170は、第4発光基板172より大きく形成され、第4発光基板172を後側から保護し得るようになっている。
【0068】
第4装飾部材171は、所要の意匠形状に形成されて正面視において視認可能部位である第4前板部174と、該第4前板部174の左側縁、上側縁および左側縁の一部から後方へ延出する第4外枠部175とを備えている。実施例では、第4装飾部材171の第4前板部174に、左方を向いた龍の頭部がデザインされている。そして、第4前板部174の左側縁は、第4可動体141の移動方向である上下方向に沿う直線状に形成されている。実施例の第4装飾部材171は、透光性を有する合成樹脂から一体に形成され、第4前板部174には、発光部として機能する透光部分と、メッキ処理または塗装処理が施された非透光部分とが設けられている。すなわち、第4前板部174には、右側縁に沿って該第4前板部174の上縁から下縁に亘って延在する透光部分と、龍の目、口および顎となる部分に位置する透光部分とが設けられ、前者の透光部分が第4ライン発光部(発光部)176の前面には、左右方向に延在する微細な突状部178が、上下方向に並んで多数設けられている。これにより、後方から第4ライン発光部176に対して光が照射された際に、透過した該光により該第4ライン発光部176が直線状に明輝し、第4装飾部材171の右縁に、上下方向へ延在するライン状の発光部分を形成されるようになっている。なお、第4ライン発光部176および第4演出発光部177の背面は複雑な凹凸模様に形成されて、後方から照射した光を拡散させ得るようになっている。
【0069】
(第4発光基板)
第4発光基板172は、
図21に示すように、第4ライン発光部176を背面から照明する複数(実施例では3個)の第4ライン用LED(発光体)180と、第4演出発光部177を背面から照明する複数(実施例では5個)の第4演出用LED181とが、前側となる表面172aに実装されている。ここで、第4ライン発光部176を背面から照明する第4ライン用LED180は、第4発光基板172の前面左側において、第4可動体141の移動方向である上下方向へ所要間隔毎に直列に位置しており、第4ライン発光部176の後側において、上下方向に直列に位置する(
図15参照)。これにより、第4ライン用LED180が全て発光した場合には、第4ライン発光部176が上下に延在するライン状に照明されるようになっている。また、第4演出発光部177を背面から照明する第4演出用LED181は、該第4演出発光部177の後方となるエリアに点在して配置されている。これにより、各第4演出用LED181が全て発光した場合には、第4演出発光部177の全体が略均等に照明されるようになっている。
【0070】
第4発光基板172は、前記中継基板147を介して発光制御基板203(
図27参照)に接続されている。そして、発光制御基板203の制御により、各第4ライン用LED180の各々が同時発光または個別発光するよう制御されると共に、各第4演出用LED181の各々が同時発光または個別発光するよう制御される。
【0071】
(第3可動体と第4可動体との関係について)
実施例では、
図9および
図16に示すように、前記第2スライド手段144における第2スライド体56の第2上昇位置および第2下降位置の間のスライド移動距離L1が、ガイド溝106および第3ガイドバー108の上下長L2より大きく設定されている。従って、第2スライド手段144の第2スライド体56に固定された第3可動体140の第3初期位置および第3移動位置の間の上下移動量は、該第2スライド体56のスライド移動距離L1と同じである。また、ガイド溝106および第3ガイドバー108を介して第4ベース体143に配設された第4可動体141における第4初期位置および第4移動位置の間の上下移動量は、ガイド溝106および第3ガイドバー108の上下長L2以下となっている。従って、第3可動体140の上下移動量が、第4可動体141の上下移動量より大きく設定されている。
【0072】
第3可動体140は、
図7〜
図9に示すように、第2作動機構145におけるレバー体75の第1姿勢(第1スライド体55の第1上昇位置および第2スライド体56の第2上昇位置)において、第3ベース体142および第4ベース体143の間に画成されたスペースに収容され、この位置が当該第3可動体140の第3初期位置となる。また、第4可動体141は、ボス部117および支持軸113が、第3可動体140の第3装飾部材151に設けられた当接部151b,151bに上方から当接することで、自重による下方への移動が規制されて該第3可動体140に掛止された状態に保持される。すなわち、第3初期位置にある第3可動体140に掛止された位置が、第4可動体141の第4初期位置となる。第3初期位置の第3可動体140は、第4初期位置の第4可動体141の後方において該第4可動体141と前後に重なった状態となり、正面視で該第4可動体141の後方に隠れた状態となるよう構成されている(
図7、
図8参照)。そして、第3可動体140の第3ライン発光部156および第3演出発光部157は、第4可動体141の後に位置して正面視において視認されないようになっている。
【0073】
そして、第3可動体140は、第2駆動モータ148の駆動により第1レバー体75が第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変位し、第2スライド手段144の第1スライド体55および第2スライド体56が下方へ移動することで、第3初期位置から下方へ移動するようになっている。また、第4可動体141は、ボス部117および支持軸113が第3可動体140の当接部151b,151bに当接した状態で、第3可動体140が下方へ移動することに伴い、自重により下方へ移動するようになっている。そして、第4可動体141は、
図12に示すように、第3可動体140の下方への移動に伴い、第3ローラ114がガイド溝106の下端106aに上方から当接すると共に、第2スライド部材115が第2連結部材105に上方から当接すると、下方への移動が規制されて停止する。この下方移動が規制された位置(
図11、
図12参照)が、第4可動体141の第4移動位置となる。また、第4可動体141が第4移動位置となった時点での第3可動体140の位置(
図11および
図12参照)が、該第3可動体140の中途位置に設定されている。中途位置の第3可動体140は、第4移動位置に停止した第4可動体141と前後に重なって正面視で該第4可動体141の後方に隠れた状態となり、第3ライン発光部156および第3演出発光部157は正面視において視認されない。なお、前記第2駆動モータ148は、可動体制御基板204(
図27参照)により、第3可動体140が中途位置において停止し得るようになっている。
【0074】
更に、第3可動体140は、第4可動体141が第4移動位置に停止し、上下に当接した支持軸113およびボス部117と各当接部91b,91bとが離間することで、前記レバー体75が第2姿勢(第1スライド体55の第1下降位置および第2スライド体56の第2下降位置)になるまで下方へ移動するようになっている(
図13〜
図16)。そして、レバー体75が第2姿勢となった位置(第2スライド体56が第2下降位置となった位置)が、第3可動体140の第3移動位置となる。ここで、第3移動位置の第3可動体140は、第3ベース体142および第4ベース体143より下方に位置し、第4移動位置の第4可動体41に対して、移動方向である上下方向において下方に位置し、かつ後方にずれて位置している。従って、第3可動体140の第3移動位置では、該第3可動体140に設けられた第3ライン発光部156および第3演出発光部157が正面視において視認可能となっている。
【0075】
すなわち、第1演出装置M1の第2可動体ユニットU2は、第4可動体141より移動量が大きい第3可動体140が、第2駆動モータ148の駆動により第3初期位置および第3移動位置の間を移動するよう構成されている。第3可動体140より移動量が小さい第4可動体141は、該第4可動体141に設けられた支持軸113およびボス部117が第3可動体140に設けられた当接部151b,151bに上方から当接することで、第3可動体140が第3初期位置にある場合に第4初期位置に保持される。また、第4可動体141は、第3可動体140が第3初期位置と中途位置との間を移動する際に、該第3可動体140と前後に重なった状態で第4初期位置と第4移動位置との間を移動するようになっている。更に、第4可動体141は、第3可動体140が中途位置と第3移動位置との間を移動する際に、第4移動位置に保持されるよう構成されている。
【0076】
(第3ライン発光部と第4ライン発光部との関係について)
第3可動体140の第3装飾部材151に設けられた第3ライン発光部156と、第4可動体141の第4装飾部材171に設けられた第4ライン発光部176とは、
図13、
図15、
図31、
図34、
図35および
図36に示すように、第3可動体140および第4可動体141の移動方向である上下方向に延在している。そして、第3ライン発光部156および第4ライン発光部176は、第3可動体140第3移動位置および第4可動体141の第4移動位置において、当該パチンコ機10の正面から視認可能な部位に設けられている。そして、第4可動体141が第4移動位置に停止した状態で第3可動体140が第3移動位置までの間を昇降移動する(第3可動体140と第4可動体141とが移動方向である上下方向へ相対移動する)際に、第3ライン発光部156と第4ライン発光部176とが、前後方向で重なる位置に設けられている。これにより、実施例の第2可動体ユニットU2は、第4可動体141が第4移動位置に停止した状態で第3可動体140が第3移動位置までの間を昇降移動する際に、第3ライン発光部156により形成されるライン状の発光部分と第4ライン発光部176で形成されるライン状の発光部分とが、パチンコ機10の前側からはあたかも連なった状態で視認されるようになり、両発光部156,176で形成される発光部分の正面視での長さが長短変化するよう構成されている。
【0077】
(第1可動体と第3可動体との関係、第2可動体と第4可動体との関係)
第1可動体ユニットU1の第1可動体40と第2可動体ユニットU2の第3可動体140とは、
図8および
図9に示すように、各々の第1初期位置および第3初期位置において、左右に並んで位置する(
図8では、第1可動体40および第3可動体140が、第2可動体41および第4可動体141の後に重なっているため、正面視において見えない)。また、第1可動体40と第3可動体140とは、
図13および
図15に示すように、各々の第1移動位置および第3移動位置において左右に並んで位置し、第1可動体40の右縁に設けられた第1ライン発光部96と第3可動体140の左縁に設けられた第3ライン発光部156とは、左右方向および前後方向で整列するようになっている。一方、第1可動体ユニットU1の第2可動体41と第2可動体ユニットU2の第4可動体141とは、
図7および
図8に示すように、各々の第2初期位置および第4初期位置において、左右に並んで位置し、第2可動体41の右縁に設けられた第2ライン発光部120と第4可動体141の左縁に設けられた第4ライン発光部176とは、左右方向および前後方向で整列するようになっている。また、第2可動体41と第4可動体141とは、
図10、
図11、
図13および
図15に示すように、各々の第2移動位置および第4移動位置において左右に並んで位置し、第2可動体41の右縁に設けられた第2ライン発光部120と第4可動体141の左縁に設けられた第4ライン発光部176とは、左右方向および前後方向で整列するようになっている。
【0078】
前述のように構成された第1演出装置M1は、第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2の各レバー体75,75が第1姿勢に保持された状態では、
図7〜
図9に示すように、第1可動体40が第1初期位置に停止保持されると共に、支持軸113およびボス部117と当接部91b,91bとが係合することで第2可動体41が第2初期位置に停止保持され、第3可動体140が第3初期位置に停止保持されると共に、支持軸113およびボス部117と当接部151b,151bとが係合することで第4可動体141が第4初期位置に停止保持される。第1可動体40が第1初期位置に保持されると共に第2可動体41が第2初期位置に保持された状態では、第1可動体40と第2可動体41とが前後方向に重なっており、第3可動体140が第3初期位置に保持されると共に第4可動体141が第4初期位置に保持された状態では、第3可動体140と第4可動体141とが前後方向に重なっている。そして、実施例では、
図3および
図5に示すように、第1〜第4可動体40,41,140,141が夫々第1〜第4初期位置にある場合は、各可動体40,41,140,141が枠状装飾部材24の開口部24aの上方に配設された前記前面装飾板24bの後方に位置して、正面視において該前面装飾部材24bにより殆ど視認不能な状態となる。従って、第1〜第4ライン発光部96,120,156,176および第1〜第4演出発光部97,121,157,177は、正面視において視認されないようになっている。
【0079】
そして、第1演出装置M1は、第1駆動モータ73および第2駆動モータ148の駆動により、各レバー体75,75が第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変位することで、第1可動体40が第1初期位置から中途位置に向けて下方へ移動すると共に第2可動体41が第2初期位置から第2移動位置に向けて下方へ移動し、第3可動体140が第3初期位置から中途位置に向けて下方へ移動すると共に第4可動体141が第4初期位置から第4移動位置に向けて下方へ移動する。すなわち、第1可動体40が第1初期位置から中途位置に移動するまでは、第1可動体40と第2可動体41とが前後に重なった状態で移動して第2可動体41だけが視認されるので、パチンコ機10の前側からは第2可動体41だけが視認され得る。また、第3可動体140が第3初期位置から中途位置に移動するまでは、第3可動体140と第4可動体141とが前後に重なった状態で移動して第4可動体141だけが視認されるので、パチンコ機10の前側からは第2可動体41および第4可動体141が視認され得る。従って、第2可動体41および第4可動体141が前面装飾板24bの下方へ移動するように視認され、第2ライン発光部120および第2演出発光部121と、第4ライン発光部176および第4演出発光部177が、徐々に視認されるようになる。
【0080】
そして、第1可動体40が中途位置に移動して、第3ローラ114が第1ガイド溝106の下端106aに当接すると共に第2スライド部材115が第2連結部材105に当接すると(
図12参照)、支持軸113と当接部91bとの係合が解除されると共にボス部117と当接部91bとの当接が解除され、第1可動体40が第1移動位置に向けて更に下方へ移動するようになる。これにより、第2移動位置に停止した第2可動体41の後下方方に第1可動体40が移動して、第1ライン発光部96および第1演出発光部97が視認されるようになる(
図15参照)。また、第3可動体140が中途位置に移動して、第3ローラ114が第1ガイド溝106の下端106aに当接すると共に第2スライド部材115が第2連結部材105に当接すると(
図12参照)、支持軸113と当接部151bとの係合が解除されると共にボス部117と当接部151bとの当接が解除され、第3可動体140が第3移動位置に向けて更に下方へ移動するようになる。これにより、第4移動位置に停止した第4可動体41の後下方に第3可動体140が移動して、第3ライン発光部156および第3演出発光部157が視認されるようになる。
【0081】
(第2演出装置および第3演出装置)
第2演出装置M2は、
図4および
図35に示す如く、設置部材23の設置壁部29における上板部29aの左隅部から下板部29cの左隅部にかけて配設される。第2演出部材M2は、設置部材23の開口部23aの開口高さと略同じ長さで上下に延在する第5可動体(第2の可動体)185と、該第5可動体185を左右にスライド移動させる第3駆動モータ186(
図27参照)とを備えている。そして、可動体制御基板(作動制御手段)204(
図27参照)により第3駆動モータ186の駆動を制御することで、第5可動体185が開口部23aの左方に退避した退避位置(
図4参照)と、該開口部23aの前側へ移動した延出位置(
図35、
図36参照)との間を移動可能に構成されている。また、第5可動体185は、第5装飾部材187と、該第5装飾部材187の上下略中央において横方向に延在する横長の第5ライン発光部(第3の発光部)188と、該第5装飾部材187の背面側に配設されて前記発光制御基板203により制御され、第5ライン発光部188を背面側から照明するよう直線状に配設された複数の第5ライン用LED(
図27参照)189とを備えている。従って、第5ライン発光部188は、第5ライン用LED189により背面から照射されることで、左右方向へ延在するライン状に明輝されるようになっている。
【0082】
第3演出装置M3は、
図4、
図6および
図36に示す如く、設置部材23の設置壁部29における上板部29aの右隅部から下板部29cの右隅部にかけて配設される。第3演出部材M3は、設置部材23の開口部23aの開口高さと略同じ長さで上下に延在する第6可動体(第2の可動体)190と、該第6可動体190を左右にスライド移動させる第4駆動モータ191(
図27参照)とを備えている。そして、可動体制御基板204(
図27参照)により第4駆動モータ191の駆動を制御することで、第6可動体190が開口部23aの右方に退避した退避位置(
図4参照)と、該開口部23aの前側へ移動した延出位置(
図36参照)との間を移動可能に構成されている。また、第6可動体190は、第6装飾部材192と、該第6装飾部材192の上下略中央において横方向に延在する横長の第6ライン発光部(第3の発光部)193と、該第6装飾部材192の背面側に配設されて前記発光制御基板203により制御され、第6ライン発光部193を背面側から照明するよう直線状に配設された複数の第6ライン用LED(
図27参照)194とを備えている。従って、第6ライン発光部193は、第6ライン用LED194により背面から照射されることで、左右方向へ延在するライン状に明輝されるようになっている。
【0083】
(照明装置)
実施例では、
図3、
図31〜
図36に示すように、前記第1始動入賞装置25に、照明装置196が配設されている。この照明装置196は、所要形状に形成された第7装飾部材197と、該第7装飾部材197に設けられた第7ライン発光部(第2の発光部)198と、該第7装飾部材197の背面に配設されて前記発光制御基板203により制御され、第7ライン発光部198を背面側から照明するよう直列状に配設された複数(実施例では6個)の第7ライン用LED199とを備えている。従って、第7ライン発光部198は、第7ライン用LED199により背面から照射されることで、上下方向へジグザグに延在するライン状に明輝されるようになっている(
図36参照)。
【0084】
(パチンコ機10の主要な制御構成について)
前記パチンコ機10の主要な制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板200と、該メイン制御基板200からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板201,202,203,204とが設けられている。すなわち、メイン制御基板200では、パチンコ機10に備えられた前記各種検出センサ25b,26b,35aからの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板201,202,203,204に出力されるようになっている。
【0085】
実施例のパチンコ機10には、前記サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板201と、図柄表示装置18での表示内容を制御する表示制御基板202と、パチンコ機10が備える前記第1〜第7ライン用LED100,124,160,180,および第1〜第4演出用LED101,125,161,181の発光制御を行なう発光制御基板203と、パチンコ機10が備える前記第1〜第3演出装置M1,M2,M3の可動体制御を行なう可動体制御基板204とを備えている(
図27参照)。すなわち、メイン制御基板200が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板201が表示制御基板202、発光制御基板203および可動体制御基板204を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出、発光演出、可動体演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板202は、統括制御基板201から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置18に表示される図柄や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、発光制御基板203は、統括制御基板201から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える第1〜第7ライン用LED100,124,160,180,および第1〜第4演出用LED101,125,161,181の発光のタイミング等を制御し、可動体制御基板204は、統括制御基板201から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える第1演出装置M1の第1〜第4可動体40,41,140,141、第2演出装置M2の第5可動体185、第3演出装置M3の第6可動体190の動作態様等を制御するよう構成される。
【0086】
(メイン制御基板200について)
前記メイン制御基板200は、制御動作を所定の手順で実行することができるメイン制御CPU(メイン制御手段、制御手段)200a、メイン制御CPU200aの制御プログラムを格納するメイン制御ROM200bおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができるメイン制御RAM200cを備えている。
【0087】
前記メイン制御基板200は、大当り判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をメイン制御RAM200cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、メイン制御基板200では、前記第1および第2始動入賞検出センサ25b,26bから検出信号が入力されると、メイン制御CPU200aがメイン制御ROM200bから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数とメイン制御ROM200bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り判定(当り抽選)を行なう。またメイン制御基板200では、前記大当り判定の結果が肯定の場合には、大当りの結果を導出するリーチ演出等の大当り導出演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り導出演出用の変動パターンを決定する。これに対して、前記大当り判定の結果が否定の場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り導出演出用およびはずれ演出用の変動パターンの決定は、前記大当り判定と同様に、メイン制御CPU200aがメイン制御ROM200bから取得した乱数により行なう。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り導出演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも大当り判定の時間(図柄変動時間)および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、メイン制御基板200の大当り判定の結果に応じて出力された統括制御基板201の制御信号に基づいて、表示制御基板202が図柄表示装置18に所定の演出表示を行なわせると共に、メイン制御基板200の制御により出力された球払出しに係る制御信号に基づいて、図示しない球払出し装置によって所定数の賞球が払い出される。また、パチンコ機10では、統括制御基板201の制御信号に基づいて、第1演出装置M1の第1〜第4可動体40,41,140,141、第2演出装置M2の第5可動体185および第3演出装置M3の第6可動体190を作動させたり、第1〜第7ライン用LED100,124,160,180,および第1〜第4演出用LED101,125,161,181を発光させるよう構成される。
【0088】
また、メイン制御基板200では、前記通過球検出センサ35aから検出信号が入力されると、メイン制御CPU200aがメイン制御ROM200bから普図当り判定用乱数を取得し、この普図当り判定用乱数とメイン制御ROM200bに記憶されている普図当り判定値とを比較し、普図当りとするか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行なう。そして、普図当り判定が肯定の場合は、前記開閉部材31を所定の開閉パターンで開閉するように前記始動入賞ソレノイド32を制御する。なお、開閉部材31の開閉パターンについては、普図当り判定を行なう時点での遊技状態、すなわち変短状態(後述)が付与されているか否かによって異なるようになっている。
【0089】
ここで、大当り判定が肯定で実行される大当り遊技は、前記特別入賞装置27を所定の開放条件で開放することで遊技者に多くの賞球を獲得し得る機会が与えられるものであって、この大当り遊技は遊技者にとって特典となるものである。すなわち、実施例では、始動入賞手段への入賞を契機として遊技者に特典を付与するか否かを判定する特典判定手段としての機能をメイン制御CPU200aが備える。
【0090】
(統括制御基板201について)
前記統括制御基板201には、統括制御CPU201aが備えられている。該統括制御CPU201aには、統括制御ROM200bおよび統括制御RAM200cが接続されている。また、統括制御CPU201aは、実行可否判定用乱数や動作演出パターン判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM200cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、統括制御ROM200bには、表示制御基板202、発光制御基板203および可動体制御基板204を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU201aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。例えば、統括制御基板201では、前記メイン制御CPU200aから変動パターン指定コマンドが入力されると、統括制御CPU201aが統括制御ROM200bから実行可否判定用乱数を取得し、この実行可否判定用乱数と統括制御ROM200bに記憶されている実行可否判定値とを比較し、可動体演出を実行するか否かの実行可否判定を行なう。また、統括制御基板201では、前記実行可否判定の結果が肯定の場合には、後述するように第1〜第3演出装置M1〜M3で実行する1つの動作演出パターンを決定し、該動作演出パターンに対応する表示演出パターンの表示演出コマンドを表示制御基板202に出力すると共に、該動作演出パターンに対応する発光演出パターンの発光演出コマンドを発光制御基板203に出力する。
【0091】
(表示制御基板202について)
前記表示制御基板202には、表示制御CPU(表示制御手段)202aが備えられている。該表示制御CPU202aには、表示制御ROM202bおよび表示制御RAM202cが接続されている。また、表示制御基板202(表示制御CPU202a)には、図柄表示装置18が接続されている。表示制御ROM202bには、図柄表示装置18の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM202bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM202cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0092】
(発光制御基板203および可動体制御基板204について)
前記発光制御基板(ランプ制御手段)203には、前記第1〜第7ライン用LED100,124,160,180,189,194,199および第1〜第4演出用LED101,125,161,181が、前記中継基板87,147等を介して接続されている。また、可動体制御基板(可動体制御手段)204には、前記第1〜第4駆動モータ73,148,186,191が接続されている。
【0093】
(特典遊技状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(特典)として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、大当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0094】
本実施例の確変機能は、前記図柄表示装置18に確定停止表示された大当り図柄の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率から高確率に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞口25a,26aへのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0095】
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(特典)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口26aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)前記球通過ゲート35をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ35aがパチンコ球を検出したこと)により実行される普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口26aを開放する開閉部材31の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口26aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口26aを開放する開閉部材31の開放時間を増やすに際しては、開閉部材31の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材31の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。
【0096】
ここで、実施例では、大当りに当選した際に決定される大当り図柄の種類に応じて、変短状態が付与される期間(変短回数)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄の種類が予め定めた確変図柄である場合には、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄の種類が予め定めた非確変図柄である場合には、所定回数の図柄変動演出が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。本実施例では、前記変短状態が、入賞率向上状態となる。
【0097】
前記確変状態および変短状態は、前記始動入賞口25a,26aへの入賞を契機としてメイン制御CPU200aで実行される大当り判定において肯定された際に抽選される大当り図柄の種類によって決まるものである。すなわち、前記メイン制御CPU200aは、大当りが発生する確率(大当り判定の判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与する手段として機能すると共に、該確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能する。また、メイン制御CPU200aは、大当りが発生する場合(大当り判定の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口26aへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与する手段として機能すると共に、該変短状態を付与するか否かを判定する変短状態判定手段(入賞率向上状態判定手段)として機能する。なお、確変状態および変短状態は、何れも大当り遊技と同様に、始動入賞手段への入賞を契機として遊技者に付与される可能性のある特典である。
【0098】
(可動体演出について)
本実施例のパチンコ機10は、前記演出装置M1,M2,M3によって、図柄変動演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与される可能性のあることを示唆する可動体演出を実行可能に構成されている。すなわち、前記始動入賞口25a,26aへの入賞を契機としてメイン制御CPU200aで決定された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが前記統括制御CPU201aに入力された場合に、該統括制御CPU201aが演出装置M1,M2,M3による可動体演出を実行するか否かを決定する可動体演出の実行可否判定を行ない、該実行可否判定において可動体演出を実行することが決定された場合に、複数種類の動作演出パターンP1〜P11の中から1つの動作演出パターンを決定し、決定された動作演出パターンを当該の図柄変動演出中に実行するよう構成される。すなわち本実施例では、図柄変動演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与されることを示唆する可動体演出を実行するか否かを決定する可動体演出実行可否決定手段、該可動体演出実行可否決定手段が可動体演出を実行することを決定した場合に、複数種類の動作演出パターンP1〜P11の中から1つの動作演出パターンを決定可能な演出パターン決定手段および決定した動作演出パターンP1〜P11に基づく演出を演出装置M1,M2,M3で実行させる可動体演出実行制御手段としての機能を統括制御CPU201aが備えている。
【0099】
(動作演出パターンについて)
前記統括制御ROM200bには、前記演出装置M1,M2,M3で実行可能な複数の動作演出パターン(演出パターン)が設定されている。この動作演出パターンは、
図28に示す如く、11種類が設定されている。
【0100】
第1動作演出パターンP1は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1のみを動作させて、第1可動体40を中途位置まで下降移動させると共に、第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させるパターンである。この第1動作演出パターンP1では、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121が正面から視認可能となり、該第2ライン発光部120の発光により、正面視において細くて短いライン状の発光部分が形成可能となる(
図31参照)。
【0101】
第2動作演出パターンP2は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第2可動体ユニットU2のみを動作させて、第3可動体140を中途位置まで下降移動させると共に、第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させるパターンである。この第2動作演出パターンP2では、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181が正面から視認可能となり、該第4ライン発光部180の発光により、正面視において細くて短いライン状の発光部分が形成可能となる。
【0102】
第3動作演出パターンP3は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1のみを動作させて、第1可動体40を第1移動位置まで下降移動させると共に、第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させるパターンである。この第3動作演出パターンP3では、第1可動体40の第1ライン発光部100および第1演出発光部101と、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121が正面から視認可能となり、該第1ライン発光部100および第2ライン発光部120の発光により、正面視において細くて長いライン状の発光部分が形成可能となる(
図32参照)。
【0103】
第4動作演出パターンP4は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第2可動体ユニットU2のみを動作させて、第3可動体140を第3移動位置まで下降移動させると共に、第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させるパターンである。この第4動作演出パターンP4では、第3可動体140の第3ライン発光部160および第3演出発光部161と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181が正面から視認可能となり、該第3ライン発光部160および第4ライン発光部180の発光により、正面視において細くて長いライン状の発光部分が形成可能となる。
【0104】
第5動作演出パターンP5は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2を動作させて、第1可動体40を中途位置まで下降移動させると共に第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させ、かつ第3可動体140を中途位置まで下降移動させると共に第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させるパターンである。この第5動作演出パターンP5では、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181が正面から視認可能となり、第2ライン発光部120および第4ライン発光部180の発光により、正面視において太くて短いライン状の発光部分を形成可能となる(
図33参照)。
【0105】
第6動作演出パターンP6は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2を動作させて、第1可動体40を第1移動位置まで下降移動させると共に第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させ、かつ第3可動体140を中途位置まで下降移動させると共に第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させるパターンである。この第6動作演出パターンP6では、第1可動体40の第1ライン発光部100および第1演出発光部101と、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181が正面から視認可能となり、第1ライン発光部100、第2ライン発光部120および第4ライン発光部180の発光により、正面視において、上半分が太くて下半分が上半分より細く、長いライン状の発光部分を形成可能となる。
【0106】
第7動作演出パターンP7は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2を動作させて、第1可動体40を中途位置まで下降移動させると共に第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させ、かつ第3可動体140を第3移動位置まで下降移動させると共に第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させるパターンである。この第7動作演出パターンP7では、第1可動体40の第1ライン発光部100および第1演出発光部101と、第3可動体140の第3ライン発光部160および第3演出発光部161と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181が正面から視認可能となり、第1ライン発光部100、第3ライン発光部160および第4ライン発光部180の発光により、正面視において、上半分が太くて下半分が上半分より細く、長いライン状の発光部分を形成可能となる。
【0107】
第8動作演出パターンP8は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2を動作させて、第1可動体40を第1移動位置まで下降移動させると共に第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させ、かつ第3可動体140を第3移動位置まで下降移動させると共に第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させるパターンである。この第8動作演出パターンP8では、第1可動体40の第1ライン発光部100および第1演出発光部101と、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121と、第3可動体140の第3ライン発光部160および第3演出発光部161と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181が正面から視認可能となり、第1ライン発光部100、第2ライン発光部120、第3ライン発光部160および第4ライン発光部180の発光により、正面視において太く長いライン状の発光部分を形成可能となる(
図34参照)。
【0108】
第9動作演出パターンP9は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1および第2演出装置M2を各々作動させて、第1可動体40を第1移動位置まで下降移動させると共に、第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させ、かつ第5可動体185を延出位置まで移動させるパターンである。この第9動作演出パターンP9では、第1可動体40の第1ライン発光部100および第1演出発光部101と、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121と、第5可動体185の第5ライン発光部188とが正面から視認可能となり、該第1ライン発光部100および第2ライン発光部120の発光により、正面視において細くて縦長の長いライン状の発光部分が形成されると共に、第5ライン発光部188の発光により横長のライン状の発光部分が形成可能となる(
図35参照)。
【0109】
第10動作演出パターンP10は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第2可動体ユニットU2および第3演出装置M3を各々作動させて、第3可動体140を第3移動位置まで下降移動させると共に、第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させ、かつ第6可動体190を延出位置まで移動させるパターンである。この第10動作演出パターンP10では、第3可動体140の第3ライン発光部160および第3演出発光部161と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181と、第6可動体190の第6ライン発光部193とが正面から視認可能となり、該第3ライン発光部160および第4ライン発光部180の発光により、正面視において細くて縦長の長いライン状の発光部分が形成されると共に、第6ライン発光部193の発光により横長のライン状の発光部分が形成可能となる。
【0110】
第11動作演出パターンP11は、
図28に示すように、第1演出装置M1の第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2を動作させると共に、第2演出装置M2および第3演出装置M3も動作させて、第1可動体40を第1移動位置まで下降移動させると共に第2可動体41を第2移動位置まで下降移動させ、第3可動体140を第3移動位置まで下降移動させると共に第4可動体141を第4移動位置まで下降移動させ、第5可動体185および第6可動体190を各々延出位置まで移動させるパターンである。この第11動作演出パターンP8では、第1可動体40の第1ライン発光部100および第1演出発光部101と、第2可動体41の第2ライン発光部120および第2演出発光部121と、第3可動体140の第3ライン発光部160および第3演出発光部161と、第4可動体141の第4ライン発光部180および第4演出光部181と、第5ライン発光部188および第6ライン発光部193が正面から視認可能となり、第1ライン発光部100、第2ライン発光部120、第3ライン発光部160および第4ライン発光部180の発光により、正面視において太く長い縦長のライン状の発光部分を形成すると共に、第3ライン発光部160および第3演出発光部161により横長のライン状の発光部分が形成可能となる(
図36参照)。
【0111】
前記パチンコ機10では、前記演出装置M1,M2,M3により実行される動作演出パターン1〜P11によって、図柄変動演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与される信頼度が異なるように、動作演出パターンP1〜P11の出現率が設定される。実施例では、
図29に示すように、図柄変動演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与される信頼度が異なる6つのグループG1〜G6に、動作パターングループが分けられている。すなわち、第1動作演出パターンP1および第2動作演出パターンP2からなるパターングループG1と、第3〜第5動作演出パターンP3,P4,P5からなる第2パターングループG2と、第6動作演出パターンP6および第7動作演出パターンP7からなる第3パターングループG3と、第8動作演出パターンP6からなる第4パターングループG4と、第9動作演出パターンP9および第10動作演出パターンP10からなる第5パターングループG5と、第11動作演出パターンP11からなる第6パターングループG6とが設定されている。ここで、実施例では、第1〜第6可動体40,41,140,141,185,190の動作数に応じて、グループ分けされている。そして、実施例では、第6パターングループG6の大当りが付与される信頼度が最も高く、該第6パターングループG6、第5パターングループG5、第4パターングループG4、第3パターングループG3、第2パターングループG2、第1パターングループG1の順で、大当り遊技が付与される信頼度が低くなるよう設定される。すなわち、実施例では、
図29に示す如く、第6パターングループG6の信頼度が「最高」、第5パターングループG5の信頼度が「高」、第4パターングループG4の信頼度が「中高」、第3パターングループG3の信頼度が「中」、第2パターングループG2の信頼度が「低」、第1パターングループG1の信頼度が「最低」に設定されている。なお、大当り遊技が付与される信頼度とは、大当り遊技(当り遊技)が付与される場合の出現率と大当り遊技が付与されない(はずれになる)場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当り遊技が付与される場合の出現率の割合を示すものである。すなわち、大当り遊技が付与される信頼度は、全体出現率に対して大当り遊技が付与される場合の出現率の割合が高いほど高くなる。そして、大当り遊技が付与される信頼度を設定するための出現率は、各動作演出パターンに対して振分けられている動作演出パターン抽選用判定値の振分け態様(振分け個数)によって規定することができる。
【0112】
ここで、前記統括制御CPU201aでは、動作演出パターンの抽選に用いられる動作演出パターン判定用乱数として、実施例では「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、統括制御ROM200bには、動作演出パターンの抽選に用いられる動作演出パターン抽選用判定値が記憶されており、動作演出パターン抽選用判定値は、動作演出パターン判定用乱数の取り得る「0」〜「100」までの全101通りの整数の中から所定数の判定値が夫々の動作演出パターンに定められている。動作演出パターン抽選用判定値の振分けは、大当り判定の結果が肯定の場合(大当り)と否定の場合(はずれ)とで異なるように設定される。
図29は、大当り判定の結果が肯定の場合(大当り)の動作演出パターン振分け抽選テーブルT1と、大当り判定の結果が否定の場合(はずれ)の動作演出パターン振分け抽選テーブルT2と示すものであって、各振分け抽選テーブルT1,T2の夫々において、101通りの動作演出パターン抽選用判定値が各動作演出パターンに振分けられることで、各動作演出パターンの大当り遊技が付与される信頼度が前述したように規定されるようになっている。
【0113】
すなわち、動作演出パターン振分け抽選テーブルT1では、第1パターングループG6に「0」〜「1」の2通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第2パターングループG2に「2」〜「7」の6通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第3パターングループG3に「8」〜「17」の10通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第4パターングループG4に「18」〜「29」の12通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第5パターングループG5に「30」〜「49」の20通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第6パターングループG6に「50」〜「100」の51通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられている。
【0114】
これに対し、動作演出パターン振分け抽選テーブルT2では、第1パターングループG1に「0」〜「49」の50通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第2パターングループG2に「50」〜「70」の21通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第3パターングループG3に「71」〜「82」の12通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第4パターングループG4に「83」〜「92」の10通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第5パターングループG5に「93」〜「180」の6通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、第6パターングループG6に「99」〜「100」の2通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられている。
【0115】
これにより、各動作演出パターンP1〜P11が演出装置M1,M2,M3で実行された場合の大当り遊技が付与される信頼度を、第6パターングループG6、第5パターングループG5、第4パターングループG4、第3パターングループG3、第2パターングループG2、第1パターングループG1の順で高くなるようにしている。具体的に、例えば、大当り判定の結果が肯定の場合(大当り)に、第6パターングループG6に属する第11動作演出パターンP11は最も選択され易く、大当り判定の結果が否定の場合(はずれ)に、第11動作演出パターンP11は最も選択され難く構成されているので、第11動作演出パターンP11が演出装置M1,M2,M3で実行された場合は大当り遊技が付与される信頼度が高くなる。一方、大当り判定の結果が肯定の場合(大当り)に、第1パターングループG1に属する第1動作演出パターンP1および第2動作演出パターンP2は最も選択され難く、大当り判定の結果が否定の場合(はずれ)に、第1動作演出パターンP1および第2動作演出パターンP2は最も選択され易く構成されているので、第1動作演出パターンP1および第2動作演出パターンP2が演出装置M1で実行された場合は大当り遊技が付与される信頼度が低くなる。
【0116】
前記各パターングループに振分けられる動作演出パターン抽選用判定値は、各動作演出パターン毎に更に振分けられている。例えば、第2パターングループG2について説明すると、動作演出パターン振分け抽選テーブルT1の場合は、該第2パターングルーブG2には6通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられているから、第3〜第5動作演出パターンP3,P4,P5に、各々2通りずつの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられ、動作演出パターン振分け抽選テーブルT2の場合は、該第2パターングルーブG2には21通りの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられているから、第3〜第5動作演出パターンP3,P4,P5に、各々7通りずつの動作演出パターン抽選用判定値が振分けられている。すなわち、実施例では、複数の動作演出パターンを備えるパターングループにおいて、各動作演出パターンが選択される割合は同じに設定してある。
【0117】
(表示演出パターンについて)
実施例のパチンコ機10では、前記統括制御ROM200bに、前記演出装置M1,M2,M3による複数の前記動作演出パターンP1〜P11に対応して、前記図柄表示装置18で行なわれる表示演出の表示内容を特定する表示演出パターンA1〜A11(
図30参照)が記憶されている。そして、統括制御CPU201aは、前記動作演出パターンの抽選で1つの動作演出パターンを決定すると、該動作演出パターンに対応する表示演出パターン指定コマンドを前記表示制御CPU202aに出力し、該表示制御CPU202aは、表示演出パターン指定コマンドを入力すると、その表示演出パターンに対応する表示データに基づく演出内容の画像を図柄表示装置18の表示部18aに表示するよう制御する。
【0118】
第1動作演出パターンP1に対応する第1表示演出パターンA1は、
図31に示すように、ジグザグのラインをなす第1表示画像L1を表示する演出パターンである。この第1表示画像L1は、稲妻を模したものである。第1表示画像L1は、上端が第2移動位置における第2可動体41の第2ライン発光部120の下端に対応する位置であり、下端が開口部24aの下縁に到達しない長さとなっている。また、第2動作演出パターンP2に対応する第2表示演出パターンA2は、
図31に示す前記第1表示画像L1を、その上端が第4移動位置における第4可動体141の第4ライン発光部176の下端に対応する位置となるよう表示する表示演出パターンである。
【0119】
第3動作演出パターンP3に対応する第3表示演出パターンA3は、
図32に示すように、ジグザグのラインをなす第2表示画像L2を表示する演出パターンである。この第2表示画像L2は、稲妻を模したものである。第2表示画像L2は、上端が第1移動位置における第1可動体40の第1ライン発光部96の下端に対応する位置であり、下端が開口部24aの下縁に到達する長さとなっている。また、第4動作演出パターンP4に対応する第4表示演出パターンA4は、
図32に示す前記第2表示画像L2を、その上端が第3移動位置における第3可動体140の第3ライン発光部156の下端に対応する位置となるよう表示する表示演出パターンである。
【0120】
第5動作演出パターンP5に対応する第5表示演出パターンA5は、
図33に示すように、ジグザグのラインをなす前記第1表示画像L1を、2本並べて表示する演出パターンである。第5表示演出パターンA5では、一方の第1表示画像L1を、その上端が第2移動位置における第2可動体41の第2ライン発光部120の下端に対応する位置に表示し、他方の第1表示画像L1を、その上端が第4移動位置における第4可動体141の第4ライン発光部176の下端に対応する位置に表示するようになっている。なお、2本の第1表示画像L1,L1の表示間隔を狭く設定すれば、1本の太いラインに見せることも可能である。
【0121】
第6動作演出パターンP6に対応する第6表示演出パターンA6は、ジグザグのラインをなす前記第2表示画像L2を表示する演出パターンである。第6表示演出パターンA6では、第2表示画像L2を、上端が第1移動位置における第1可動体40の第1ライン発光部96の下端に対応する位置に表示するようになっている。また、第7動作演出パターンP7に対応する第7表示演出パターンA7は、ジグザグのラインをなす前記第2表示画像L2を表示する演出パターンである。第6表示演出パターンA6では、第2表示画像L2を、上端が第3移動位置における第3可動体140の第3ライン発光部156の下端に対応する位置に表示するようになっている。
【0122】
第8動作演出パターンP8に対応する第8表示演出パターンA8は、
図34に示すように、ジグザグのラインをなす前記第2表示画像L2を2本並べて表示する演出パターンである。この第8表示演出パターンA8では、一方の第2表示画像L2を、その上端が第1移動位置における第1可動体40の第1ライン発光部96の下端に対応する位置に表示し、他方の第2表示画像L2を、その上端が第3移動位置における第3可動体140の第3ライン発光部156の下端に対応する位置に表示するようになっている。なお、2本の第2表示画像L2,L2の表示間隔を狭く設定すれば、1本の太いラインに見せることも可能である。
【0123】
第9動作演出パターンP9に対応する第9表示演出パターンA9は、
図35に示すように、ジグザグのラインをなす第2表示画像L2と、斜めのジグザグのラインをなす第3表示画像L3とを表示する演出パターンである。ここで、第3表示画像L3は、上端が演出位置にある第5可動体185の第5ライン発光部188の右端に対応する位置であり、下端が開口部24aの下縁における左右略中央に到達する長さとなっている。また、第10動作演出パターンP10に対応する第10表示演出パターンA10は、ジグザグのラインをなす第2表示画像L2と、斜めのジグザグのラインをなす第4表示画像L4(
図36参照)とを表示する演出パターンである。ここで、第4表示画像L4は、その上端が、演出位置にある第6可動体190の第6ライン発光部193の左端に対応する位置であり、下端が開口部24aの下縁における左右略中央に到達する長さとなっている。
【0124】
第11動作演出パターンP11に対応する第11表示演出パターンA11は、
図36に示すように、ジグザグのラインをなす2本の第2表示画像L2と、斜めのジグザグのラインをなす第3表示画像L3および第4表示画像L4とを表示すると共に、更に第7ライン表示部199において2本の第5表示画像L5を表示する表示演出パターンである。この第11表示演出パターンA11では、第1〜第6可動体40,41,140,141,185,190の全てが動作して、第1〜第6ライン発光部96,120,156,176,188,193の全てが照明される一方、表示部18aに第1〜第4の4本の表示画像L1〜L4が表示されると共に第7ライン発光部198に第5表示画像L5も表示されるから、迫力ある演出が実行され得るようになっている。
【0125】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
【0126】
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル17の操作レバー17aを遊技者が回転操作すると、打球発射装置16から発射されたパチンコ球が遊技盤21の遊技領域21a内に打ち出される。この遊技領域21aに打ち出されたパチンコ球は、枠状装飾部材24の外周囲を流下し、該パチンコ球が第1始動入賞装置25(第1始動入賞口25a)に入賞すると、第1始動入賞検出センサ25bからの検出信号がメイン制御CPU200aに入力され、該メイン制御CPU200aは、大当り判定用乱数の値をメイン制御ROM200bから読み出し、メイン制御RAM200cの所定の記憶領域に記憶する。そして、メイン制御CPU200aは、図柄変動ゲームの開始前に、メイン制御RAM200cに記憶されている大当り判定用乱数の値とメイン制御ROM200bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り判定)を行なう。
【0127】
前記メイン制御CPU200aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメイン制御CPU200aは、図柄決定用乱数をメイン制御RAM200cから読み出し、該値に予め対応付けられた図柄を大当り図柄として決定し、決定した図柄の種類を示す情報をメイン制御RAM200cに記憶する。そして、メイン制御CPU200aは、図柄の種類に応じた大当り導出演出用の変動パターンを決定し、決定した大当り導出演出用の変動パターンに対応する制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板201(統括制御CPU201a)に出力する。また、メイン制御CPU200aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定すると共に、選択されたはずれ演出用の変動パターンを決定し、決定したはずれ演出用の変動パターンに対応する制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板201(統括制御CPU201a)に出力する。
【0128】
前記統括制御CPU201aは、大当り導出演出用の変動パターンまたははずれ演出用の変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを入力すると、前記第1〜第3演出装置M1,M2,M3による可動体演出を実行するか否かを決定する可動体演出の実行可否判定を行なう。すなわち、統括制御CPU201aは、変動パターン指定コマンドが入力されたときに実行可否判定用乱数を取得すると共に、この取得した実行可否判定用乱数の値を、可動体演出の実行可否判定に用いられる抽選テーブルに設定されている実行可否判定値と比較して、可動体演出を実行するか否かを決定する。
【0129】
前記統括制御CPU201aは、実行可否判定において可動体演出を実行することが決定された場合に、複数種類の動作演出パターンP1〜P11の中から1つの動作演出パターンを決定し、決定された動作演出パターンを当該の図柄変動演出中に実行する。具体的には、メイン制御CPU200aでの大当り判定が肯定(大当り)で、実行可否判定が肯定の場合には、統括制御CPU201aは、大当り導出演出用の変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドが入力されたときに動作演出パターン判定用乱数を取得すると共に、この取得した動作演出パターン判定用乱数の値を、動作演出パターン振分け抽選テーブルT1(
図29)に設定されている動作演出パターン抽選用判定値と比較して、何れかの動作演出パターンP1〜P11を決定する。また、メイン制御CPU200aでの大当り判定が否定(はずれ)で、実行可否判定が肯定の場合には、統括制御CPU201aは、はずれ演出用の変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドが入力されたときに動作演出パターン判定用乱数を取得すると共に、この取得した動作演出パターン判定用乱数の値を、動作演出パターン振分け抽選テーブルT2(
図29)に設定されている動作演出パターン抽選用判定値と比較して、何れかの動作演出パターンP1〜P11を決定する。
【0130】
前記統括制御CPU201aは、動作演出パターンを決定すると、決定した動作演出パターンに対応する演出指定コマンドを可動体制御基板204に出力し、該可動体制御基板204によって前記演出装置M1,M2,M3の駆動モータ73,148,186,191が制御されて、決定された動作演出パターンで可動体40,41,140,141,185,190が移動される。また、統括制御CPU201aは、決定した動作演出パターンに対応する表示演出パターンの表示演出コマンドを表示制御基板202に出力すると共に、該動作演出パターンに対応する発光演出パターンの発光演出コマンドを発光制御基板203に出力する。そして、表示制御CPU202aは、入力された発光演出コマンドに対応する表示データに基づく画像を表示部18aに表示するよう図柄表示装置18を制御する。また、発光制御基板203は、入力された発光演出パターンの発光演出コマンドに基づいて対応する第1〜第7ライン用LED100,125,160,180,189,194,199を発光制御する。
【0131】
例えば、動作演出パターンとして第1動作演出パターンP1が決定された場合は、可動体制御基板204は、第1駆動モータ73を正転方向に駆動するよう制御し、
図31に示す如く、第1可動体40が中途位置に移動すると共に第2可動体41が第2移動位置に移動する。また、発光制御基板203は、第2可動体41の移動開始と同時に第2ライン用LED124を発光させ、これにより図柄表示装置18における表示部18aの上部中央に、第2ライン発光部120により細く短いライン状の発光部分が形成される。更に、表示制御CPU202aは、第1表示演出パターンA1に基づき、表示部18aの左右中央に第1演出画像L1を表示する。これにより、表示部18aには、細くかつ短い稲妻のような発光演出が表示される。なお、発光制御基板203は、第2演出用LED125を適時に発光させ、第2演出発光部121を照明する。
【0132】
また、動作演出パターンとして第3動作演出パターンP3が決定された場合は、可動体制御基板204は、第1駆動モータ73を正転方向に駆動するよう制御し、
図32に示す如く、第1可動体40が第1移動位置に移動すると共に第2可動体41が第2移動位置に移動する。また、発光制御基板203は、第1可動体40の移動開始と同時に第1ライン用LED100および第2可動体41の移動開始と同時に第2ライン用LED124を発光させ、これにより図柄表示装置18における表示部18aの上部中央に、第1ライン発光部96および第2ライン発光部120により、細く長いライン状の発光部分が形成される。更に、表示制御CPU202aは、第3表示演出パターンA3に基づき、表示部18aに第2演出画像L2を表示する。これにより、表示部18aには、細くかつ長い稲妻のような発光演出が表示される。なお、発光制御基板203は、第1演出用LED101および第2演出用LED125を適時に発光させ、第1演出発光部97および第2演出発光部121を照明する。
【0133】
また、動作演出パターンとして第5動作演出パターンP5が決定された場合は、可動体制御基板204は、第1駆動モータ73および第2駆動モータ148を夫々正転方向に駆動するよう制御し、
図33に示す如く、第1可動体40が中途位置に移動すると共に第2可動体41が第2移動位置に移動すると共に、第3可動体140が中途位置に移動すると共に第4可動体141が第4移動位置に移動する。また、発光制御基板203は、第2可動体41の移動開始と同時に第2ライン用LED124および第4可動体141の移動開始と同時に第4ライン用LED181を発光させ、これにより図柄表示装置18における表示部18aの上部中央に、第2ライン発光部120および第4ライン発光部176により、太く短いライン状の発光部分が形成される。更に、表示制御CPU202aは、第5表示演出パターンA5に基づき、表示部18aの左右中央に第2表示画像L2を表示する。これにより、表示部18aには、細い短い稲妻のような発光演出が表示される。なお、発光制御基板203は、第2演出用LED125および第4演出用LED181を適時に発光させ、第2演出発光部121および第4演出発光部177を照明する。
【0134】
また、動作演出パターンとして第8動作演出パターンP8が決定された場合は、可動体制御基板204は、第1駆動モータ73および第2駆動モータ148を夫々正転方向に駆動するよう制御し、
図34に示す如く、第1可動体40が第1移動位置に移動すると共に第2可動体41が第2移動位置に移動すると共に、第3可動体140が第3移動位置に移動すると共に第4可動体141が第4移動位置に移動する。また、発光制御基板203は、第1可動体40の移動開始と同時に第1ライン用LED100および第2可動体41の移動開始と同時に第2ライン用LED124を発光させると共に、第3可動体140の移動開始と同時に第3ライン用LED160および第4可動体141の移動開始と同時に第4ライン用LED180を発光させ、これにより図柄表示装置18における表示部18aの上部中央に、第1〜第4ライン発光部96,120,156,176により、太く長いライン状の発光部分が形成される。更に、表示制御CPU202aは、第8表示演出パターンA8に基づき、表示部18aの左右中央で第2ライン発光部120および第4ライン発光部176に繋がるような2本の第2演出画像L2,L2を表示する。これにより、表示部18aには、該表示部18aの下縁まで到達する太くて長い稲妻のような発光演出が表示される。なお、発光制御基板203は、第1〜第4演出用LED101,125,161,181を適時に発光させ、第1〜第4演出発光部97,121,157,177を照明する。
【0135】
また、動作演出パターンとして第9動作演出パターンP9が決定された場合は、可動体制御基板204は、第1駆動モータ73および第3駆動モータ186を夫々正転回転するよう制御し、
図35に示す如く、第1可動体40が第1移動位置に移動すると共に第2可動体41が第2移動位置に移動し、第5可動体185が演出位置に移動する。また、発光制御基板203は、第1可動体40の移動開始と同時に第1ライン用LED100および第2可動体41の移動開始と同時に第2ライン用LED124を発光させると共に、第5可動体185の移動開始と同時に第5ライン用LED189を発光させ、これにより図柄表示装置18における表示部18aの上部中央に、第1、第2ライン発光部96,120により、細く長いライン状の発光部分が形成されると共に、該表示部18aの左部中央に、第5ライン発光部188により横長のライン状の発光部分が形成される。更に、表示制御CPU202aは、第9表示演出パターンA9に基づき、第2ライン発光部120および第5ライン発光部188に繋がるような第2演出画像L2および第3演出画像L3を表示する。これにより、表示部18aには、該表示部18aの下縁まで到達する2本の稲妻のような発光演出が表示される。なお、発光制御基板203は、第1、第2演出用LED101,125を適時に発光させ、第1、第2演出発光部97,121を照明する。
【0136】
更に、動作演出パターンとして第11動作演出パターンP11が決定された場合は、可動体制御基板204は、第1〜第4駆動モータ73,148,186,191を夫々正転回転するよう制御し、
図36に示す如く、第1可動体40が第1移動位置に移動すると共に第2可動体41が第2移動位置に移動し、第3可動体140が第3移動位置に移動すると共に第4可動体141が第4移動位置に移動し、第5可動体185および第6可動体190が夫々演出位置に移動する。また、発光制御基板203は、第1可動体40の移動開始と同時に第1ライン用LED100を発光させ、第2可動体41の移動開始と同時に第2ライン用LED124を発光させ、第3可動体140の移動開始と同時に第3ライン用LED160を発光させ、第4可動体141の移動開始と同時に第4ライン用LED184を発光させ、第5可動体185の移動開始と同時に第5ライン用LED189を発光させると共に、第6可動体190の移動開始と同時に第6ライン用LED194を発光させる。これにより、図柄表示装置18における表示部18aの上部中央に、第1〜第4ライン発光部96,120,160,180により、太くて長いライン状の発光部分が形成されると共に、該表示部18aの左側に、第5ライン発光部188により横長のライン状の発光部分が形成されると共に、該表示部18aの右側に、第6ライン発光部193により横長のライン状の発光部分が形成される。更に、表示制御CPU202aは、第11表示演出パターンA11に基づき、表示部18aに2本の第2演出画像L2,L2、第3演出画像L3および第4演出画像L4を表示する。更に、発光制御基板203は、第7ライン用LED199を発光させ、第7ライン発光部198を照明する。
【0137】
実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置18での図柄変動演出中において第1〜第3演出装置M1,M2,M3で実施される前記動作演出パターンP1〜P11によって、当該図柄変動演出後に大当り遊技が付与される信頼度が異なるよう構成したので、第1〜第6可動体40,41,140,141,185,190の動作に対して遊技者の関心を惹き付けることができる。また、第1〜第6可動体40,41,140,141,185,190の動作は、統括制御ROM201bに記憶されている複数の動作演出パターンの中から1つを抽選で決定するものであるので、統括制御CPU201aの制御負荷を軽減し得る。
【0138】
また、実施例のパチンコ機10における第1演出装置M1では、第1可動体40と第2可動体41とが前後に重なっている場合と該第1可動体40と第2可動体41とが各々の第1、第2移動位置に移動した場合とで第1ライン発光部96および第2ライン発光部120による形成される発光部分の正面視での長さが長短変化するので、発光演出のバリエーションが増えて興趣の向上を図り得る。また、第3可動体140と第4可動体141においても、両可動体140,141が前後に重なっている場合と各々が第3、第4移動位置に移動した場合とで第3ライン発光部156および第4ライン発光部176による形成される発光部分の正面視での長さが長短変化するので、発光演出のバリエーションが増えて興趣の向上を図り得る。また、第1可動体40および第2可動体41が第1、第2移動位置に移動した状態では、第1ライン発光部96が第2ライン発光部120より後方に位置して前後にずれて発光するので、立体感がある発光演出を行なうことができる。同様に、第3可動体140および第4可動体141が第3、第4移動位置に移動した状態では、第3ライン発光部156が第4ライン発光部176より後方に位置して前後にずれて発光するので、立体感がある発光演出を行なうことができる。
【0139】
更に、実施例のパチンコ機10における第1演出装置M1は、移動量が大きい第1可動体40および第3可動体140を各々の初期位置と移動位置との間を移動させる際に、移動量が小さい第2可動体41および第4可動体141が各々の初期位置と移動位置との間を追従して移動させるよう構成したから、第1可動体40と第2可動体41とを移動方向にずれた状態に変位させることができると共に、第3可動体140と第4可動体141とを移動方向にずれた状態に変位させることができる。更に、第1駆動モータ73により第1可動体40および第2可動体41の2つを移動させることができると共に、第2駆動モータ148により第3可動体140および第4可動体141を移動させることができ、各可動体毎に専用の駆動モータを装備した場合と比べて、コスト削減および軽量化を図り得る。
【0140】
更に、第1演出装置M1は、第1可動体ユニットU1の駆動モータ73と第2可動体ユニットU2の駆動モータ148とを同期して作動させ、第1可動体40と第3可動体140とを移動方向と交差する方向に整列させた場合には、第1ライン発光部96と第3ライン発光部156とが該移動方向と交差する方向へ並ぶようになり、第1ライン発光部96または第3ライン発光部156の何れか一方だけを発光させた場合と比べて幅広の発光部分を形成することができ、幅が異なる発光部分を形成することができる。同様に、第2可動体41と第4可動体141とを移動方向と交差する方向に整列させた場合には、第2ライン発光部120と第4ライン発光部176とが該移動方向と交差する方向へ並ぶようになり、第2ライン発光部120または第4ライン発光部176の何れか一方だけを発光させた場合と比べて幅広の発光部分を形成することができ、幅が異なる発光部分を形成することができる。
【0141】
そして、第1演出装置M1は、第1可動体ユニットU1および第2可動体ユニットU2の各駆動モータ73,148を同期作動させて第1〜第4可動体40,41,140,141を同期するよう移動させたり、各駆動モータ73,148を個別に作動させて第1〜第4可動体40,41,140,141を個別に移動させると共に、第1〜第4ライン発光部96,120,156,176を同期するよう発光させたり個別に発光させることで、正面視での長さおよび太さが異なる多様な発光部分を形成することができ、発光演出のバリエーションが増えて興趣の向上を図り得る。
【0142】
(変更例)
(1)実施例では、図柄表示装置における表示部の上方に第1演出装置を配設したが、該第1演出装置は、表示部の左方、右方または下方に配設するものであってもよい。
(2)実施例では、2基の可動体ユニットから構成された演出装置を例示したが、可動体ユニットの配設数はこれに限らず、1基または3基以上の可動体ユニットから構成したものであってもよい。
(3)可動体ユニットが1基の場合には、各可動体に設けられ発光部は、正面から視認可能な位置であれば、どの部位に設けてもよい。
(4)実施例では、各可動体ユニットにおける可動体の配設数動作演出パターンとして11種類を例示したが、動作演出パターンはこれに限られるものではない。
(5)複数の可動体を備える場合には、各可動体毎に、駆動手段を備えた作動機構を設けるようにしてもよい。この場合には、各作動機構の駆動手段を非同期で駆動させることで、各可動体の初期位置と移動位置との移動態様が多様となり、ライン発光部により形成されるライン状の発光部分の長短変化のタイミングや時間、長さ等を様々に変化させ得る。
(6)実施例では、第1〜第4の可動体を上下方向に往復移動するよう構成したが、可動体を水平方向または斜め方向に移動するよう構成してもよい。また、実施例では、第1〜第4の可動体を直線的に往復移動するよう構成を例示したが、曲線軌跡を描くように往復移動するものであってもよい。
(7)図柄表示装置での図柄変動演出中に実行される可動体演出については、1種類の動作演出パターンを実行するものに限らず、複数を組み合わせて行なうようにしてもよい。この場合に、大当り遊技が付与される信頼度が低い動作演出パターンから高い動作演出パターンに段階的に進行するようにすれば、遊技者の期待感を高めることができる。
(8)実施例では、動作演出パターンによって大当り遊技が付与される信頼度を変えるよう構成したが、確変状態や変短状態が付与される信頼度を、動作演出パターンによって変えるようにしてもよい。
(9)図柄表示装置の表示部に表示される表示演出パターンは、実施例で例示した形態に限らず、様々な形態とすることができる。
(10)実施例では、パチンコ球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞装置と、パチンコ球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞装置とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別にパチンコ球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2始動入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(11)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。