(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る多入力積分回路の構成を示すブロック図である。特許文献1に開示された多入力積分回路が2入力であるのに対して、本実施の形態では、m(mは2以上の自然数で、本実施の形態ではm=2)入力とn×m(nは2以上の自然数で、本実施の形態ではn=2)入力の両方に対応できる例を示す。
【0017】
本実施の形態の多入力積分回路は、演算増幅器Aと、m個のグループに分かれるn×m個(nは1グループあたりの入力信号数)の信号入力端子1−1,1−2,1−3,1−4に対して各グループのn個の信号入力端子中の隣接する信号入力端子間に1個ずつ設けられたモード切替用スイッチSM11,SM12と、第1の端子が信号入力端子1−1〜1−4に接続された信号切替用スイッチSS11,SS12,SS13,SS14と、グループ毎に設けられ、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−4のうち同一のグループに属するn個の信号切替用スイッチの第2の端子に接続されたm個の入力コンデンサC1,C2と、m個の入力コンデンサC1,C2のうち隣接するグループに属する入力コンデンサの第1の端子間に1個ずつ設けられた(m−1)個のモード切替用スイッチSM21と、m個の入力コンデンサC1,C2のうち隣接するグループに属する入力コンデンサの第2の端子間に1個ずつ設けられた(m−1)個のモード切替用スイッチSM31と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第2の端子に接続され、第2の端子が接地されたm個の充電用スイッチSC1,SC2と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第1の端子に接続され、第2の端子が接地されたm個の放電用スイッチSD11,SD12と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続されたm個の放電用スイッチSD21,SD22と、第1の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続されたn×m個の積分コンデンサCf1,Cf2,Cf3,Cf4と、第1の端子が積分コンデンサCf1〜Cf4の第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの出力端子に接続されたn×m個の信号切替用スイッチSS21,SS22,SS23,SS24と、各スイッチを制御する制御回路3とから構成される。
【0018】
モード切替用スイッチSM11,SM12,SM21,SM31は、2入力と4入力の設定を切り替えるスイッチである。モード切替用スイッチSM11,SM12,SM21,SM31がオン(閉状態)したとき、多入力積分回路は従来と同様の2入力の積分回路として動作し、モード切替用スイッチSM11,SM12,SM21,SM31がオフ(開状態)したとき、多入力積分回路は4入力の積分回路として動作する。
【0019】
図2(A)〜
図2(K)、
図3(A)〜
図3(K)はスイッチSC1,SC2,SD11,SD12,SD21,SD22,SM11,SM12,SM21,SM31,SS11〜SS14,SS21〜SS24の動作を示すタイミングチャート図である。
図2(A)〜
図2(K)は多入力積分回路が2入力の積分回路として動作する場合の各スイッチの動作を示し、
図3(A)〜
図3(K)は多入力積分回路が4入力の積分回路として動作する場合の各スイッチの動作を示している。
【0020】
本実施の形態では、信号入力端子1−1〜1−4と入力コンデンサC1,C2と積分コンデンサCf1〜Cf4とスイッチSC1,SC2,SD11,SD12,SD21,SD22,SS11〜SS14,SS21〜SS24とは、m(本実施の形態ではm=2)個のグループに分かれる。具体的には、信号入力端子1−1,1−3と入力コンデンサC1と積分コンデンサCf1,Cf3とスイッチSC1,SD11,SD21,SS11,SS13,SS21,SS23とは第1のグループに属し、信号入力端子1−2,1−4と入力コンデンサC2と積分コンデンサCf2,Cf4とスイッチSC2,SD12,SD22,SS12,SS14,SS22,SS24とは第2のグループに属する。
【0021】
制御回路3は、多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合、
図2(A)に示すようにモード切替用スイッチSM11,SM12,SM21,SM31をオンさせる。これにより、同一のグループに属する信号入力端子同士が接続され、異なるグループに属する入力コンデンサの第1の端子同士が接続され、また異なるグループに属する入力コンデンサの第2の端子同士が接続される。
図1の例では、モード切替用スイッチSM11により信号入力端子1−1と1−3とが接続され、モード切替用スイッチSM12により信号入力端子1−2と1−4とが接続される。また、モード切替用スイッチSM21により入力コンデンサC1とC2の第1の端子同士が接続され、モード切替用スイッチSM31により入力コンデンサC1とC2の第2の端子同士が接続される。すなわち、異なるグループに属する入力コンデンサC1とC2が並列に接続される。
【0022】
多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合、同一周期のフェーズがφ1,φ2,φ1,φ2,・・・・というように繰り返される。フェーズφ1は入力電圧IN1を選択する期間、フェーズφ2は入力電圧IN2を選択する期間である。フェーズφ1では入力電圧IN1を積分すると同時に入力電圧IN2の積分結果を保持し、フェーズφ2では入力電圧IN2を積分すると同時に入力電圧IN1の積分結果を保持する。
【0023】
制御回路3は、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1では、
図2(H)、
図2(J)に示すように、入力電圧IN1に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS21,SS23をオンさせる。これにより、入力電圧IN1に対応するグループに属する積分コンデンサCf1とCf3が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf1,Cf3が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0024】
また、制御回路3は、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の初期のタイミングにおいて、
図2(D)、
図2(F)に示すように、入力電圧IN1に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS11,SS13をオンさせると同時に、
図2(B)に示すように充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS11,SS13がオンする期間は、信号切替用スイッチSS21,SS23がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS11,SS13と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1,C2は入力電圧IN1に応じて充電される。
【0025】
続いて、制御回路3は、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、
図2(C)に示すように放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS21,SS23がオンしているため、入力電圧IN1が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS21,SS23がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN1の積分結果は積分コンデンサCf1,Cf3に保持される。
【0026】
一方、制御回路3は、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2では、
図2(I)、
図2(K)に示すように、入力電圧IN2に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS22,SS24をオンさせる。これにより、入力電圧IN2に対応するグループに属する積分コンデンサCf2とCf4が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf2,Cf4が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0027】
また、制御回路3は、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の初期のタイミングにおいて、
図2(E)、
図2(G)に示すように、入力電圧IN2に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS12,SS14をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS12,SS14がオンする期間は、信号切替用スイッチSS22,SS24がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS12,SS14と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1,C2は入力電圧IN2に応じて充電される。
【0028】
続いて、制御回路3は、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS22,SS24がオンしているため、入力電圧IN2が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS22,SS24がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN2の積分結果は積分コンデンサCf2,Cf4に保持される。
こうして、多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させることができる。
【0029】
次に、制御回路3は、多入力積分回路を4入力の積分回路として動作させる場合、
図3(A)に示すようにモード切替用スイッチSM11,SM12,SM21,SM31をオフにする。これにより、同一のグループに属するn個の信号入力端子が別々の信号入力端子として機能するように分離され、異なるグループに属する入力コンデンサC1,C2も別々の入力コンデンサとして機能するように分離される。
【0030】
多入力積分回路を4入力の積分回路として動作させる場合、同一周期のフェーズがφ1,φ2,φ3,φ4,φ1,φ2,φ3,φ4,・・・・というように繰り返される。フェーズφ1は入力電圧IN1を選択する期間、フェーズφ2は入力電圧IN2を選択する期間、フェーズφ3は入力電圧IN3を選択する期間、フェーズφ4は入力電圧IN4を選択する期間である。フェーズφ1では入力電圧IN1を積分すると同時に入力電圧IN2,IN3,IN4の積分結果を保持し、フェーズφ2では入力電圧IN2を積分すると同時に入力電圧IN1,IN3,IN4の積分結果を保持し、フェーズφ3では入力電圧IN3を積分すると同時に入力電圧IN1,IN2,IN4の積分結果を保持し、フェーズφ4では入力電圧IN4を積分すると同時に入力電圧IN1,IN2,IN3の積分結果を保持する。
【0031】
制御回路3は、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1では、
図3(H)に示すように、入力電圧IN1に対応する信号切替用スイッチSS21をオンさせる。これにより、入力電圧IN1に対応する積分コンデンサCf1が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0032】
また、制御回路3は、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の初期のタイミングにおいて、
図3(D)に示すように、入力電圧IN1に対応する信号切替用スイッチSS11をオンさせると同時に、
図3(B)に示すように充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS11がオンする期間は、信号切替用スイッチSS21がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS11と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1は入力電圧IN1に応じて充電される。
【0033】
続いて、制御回路3は、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、
図3(C)に示すように放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS21がオンしているため、入力電圧IN1が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS21がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN1の積分結果は積分コンデンサCf1に保持される。
【0034】
次に、制御回路3は、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2では、
図3(I)に示すように、入力電圧IN2に対応する信号切替用スイッチSS22をオンさせる。これにより、入力電圧IN2に対応する積分コンデンサCf2が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0035】
また、制御回路3は、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の初期のタイミングにおいて、
図3(E)に示すように、入力電圧IN2に対応する信号切替用スイッチSS12をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS12がオンする期間は、信号切替用スイッチSS22がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS12と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC2は入力電圧IN2に応じて充電される。
【0036】
続いて、制御回路3は、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS22がオンしているため、入力電圧IN2が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS22がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN2の積分結果は積分コンデンサCf2に保持される。
【0037】
次に、制御回路3は、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3では、
図3(J)に示すように、入力電圧IN3に対応する信号切替用スイッチSS23をオンさせる。これにより、入力電圧IN3に対応する積分コンデンサCf3が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0038】
また、制御回路3は、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3の初期のタイミングにおいて、
図3(F)に示すように、入力電圧IN3に対応する信号切替用スイッチSS13をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS13がオンする期間は、信号切替用スイッチSS23がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS13と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1は入力電圧IN3に応じて充電される。
【0039】
続いて、制御回路3は、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS23がオンしているため、入力電圧IN3が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS23がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN3の積分結果は積分コンデンサCf3に保持される。
【0040】
次に、制御回路3は、入力電圧IN4に対応するフェーズφ4では、
図3(K)に示すように、入力電圧IN4に対応する信号切替用スイッチSS24をオンさせる。これにより、入力電圧IN4に対応する積分コンデンサCf4が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0041】
また、制御回路3は、入力電圧IN4に対応するフェーズφ4の初期のタイミングにおいて、
図3(G)に示すように、入力電圧IN4に対応する信号切替用スイッチSS14をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS14がオンする期間は、信号切替用スイッチSS24がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS14と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC2は入力電圧IN4に応じて充電される。
【0042】
続いて、制御回路3は、入力電圧IN4に対応するフェーズφ4の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS24がオンしているため、入力電圧IN4が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS24がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN4の積分結果は積分コンデンサCf4に保持される。
こうして、多入力積分回路を4入力の積分回路として動作させることができる。
【0043】
本実施の形態では、C100=C1+C2、Cfa=Cfb=Cf1+Cf3=Cf2+Cf4(C1=C2、Cf1=Cf2=Cf3=Cf4)とすることにより、
図13に示した従来の2入力の積分回路と比較して、入力コンデンサおよび積分コンデンサの容量を増やすことなく入力信号数を増やすことが可能である。入力信号数を4、すなわち従来の2入力の積分回路の入力信号数の2倍にするときは、入力コンデンサの容量を従来の入力コンデンサC100の容量の1/m(本実施の形態では1/2)にして、入力コンデンサC1とC2を交互に使用する。同時に、積分コンデンサの容量も従来の積分コンデンサCfa,Cfbの容量の1/n(本実施の形態では1/2)にして、積分コンデンサCf1,Cf2,Cf3,Cf4を順番に使用する。
【0044】
先述したように集積回路でのコンデンサの面積は容量によって決まるため、入力コンデンサC100と積分コンデンサCfa,Cfbを使用する従来の多入力積分回路と入力コンデンサC1,C2と積分コンデンサCf1,Cf2,Cf3,Cf4を使用する本実施の形態の多入力積分回路では、コンデンサの面積に変化はない。本実施の形態では、
図13に示した従来の多入力積分回路と比較してスイッチの個数が増えるが、集積回路の場合、スイッチを構成するトランジスタのサイズはコンデンサに比べると極めて小さいため、スイッチの増加による回路面積増加の影響は極めて小さく、問題にならない。
【0045】
入力信号数を増やす場合、積分電圧を保持する積分コンデンサの容量だけを1/2にしてもよさそうに見えるが、入力コンデンサの容量をそのままにしたときは、積分コンデンサに転送される電荷が変わらないのにも拘わらず、容量だけが半分になることになり、その結果、積分回路の出力電圧OUTが2倍になってしまう。すなわち、積分回路のゲインが変わってしまうため、後段の信号処理に影響が出てしまう。よって、積分コンデンサの容量を1/2にすると同時に、入力コンデンサの容量も1/2にする。これにより、積分回路のゲインは入力信号数の増加によらず一定になるため、後段の信号処理への影響はなくなる。
【0046】
こうして、本実施の形態では、回路面積の増加を抑制しつつ、入力信号数を増やすことができる。
また、本実施の形態では、入力信号数として2または4のいずれかを選択することができ、入力信号数を可変にすることができる。コントローラなどAD変換が必要な機器では、その入力端子数は製品ごと、アプリケーションごとに異なるのが普通である。これらの多様な要求に対して、設定だけで入力信号数を切り替えることができると、産業上経済メリットが大きくなる。すなわち、多品種の製品を、ひとつの設計で対応することが可能になる。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は本発明の第2の実施の形態に係る多入力積分回路の構成を示すブロック図であり、
図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態においても、入力信号数として2または4のいずれかを選択することができる多入力積分回路について説明する。つまり、本実施の形態においても、m=n=2である。
【0048】
本実施の形態の多入力積分回路は、演算増幅器Aと、モード切替用スイッチSM11,SM12と、信号切替用スイッチSS11〜SS14と、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−4の第2の端子に接続された入力コンデンサC11と、入力コンデンサC11と同容量の(m−1)個の入力コンデンサC12と、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−4の第2の端子に接続され、第2の端子が(m−1)個の入力コンデンサC12の第1の端子に接続されたモード切替用スイッチSM41と、第1の端子が(m−1)個の入力コンデンサC12の第2の端子に接続され、第2の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続されたモード切替用スイッチSM51と、第1の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続され、第2の端子が接地された充電用スイッチSCと、第1の端子が入力コンデンサC11の第1の端子に接続され、第2の端子が接地された放電用スイッチSD1と、第1の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続された放電用スイッチSD2と、n×m個の積分コンデンサCf1〜Cf4と、n×m個の信号切替用スイッチSS21〜SS24と、各スイッチを制御する制御回路3aとから構成される。
【0049】
第1の実施の形態と同様に、モード切替用スイッチSM11,SM12,SM41,SM51がオンしたとき、多入力積分回路は2入力の積分回路として動作し、モード切替用スイッチSM11,SM12,SM41,SM51がオフしたとき、多入力積分回路は4入力の積分回路として動作する。
【0050】
本実施の形態では、信号入力端子1−1〜1−4と積分コンデンサCf1〜Cf4とスイッチSS11〜SS14,SS21〜SS24とは、m個のグループに分かれる。具体的には、信号入力端子1−1,1−3と積分コンデンサCf1,Cf3とスイッチSS11,SS13,SS21,SS23とは第1のグループに属し、信号入力端子1−2,1−4と積分コンデンサCf2,Cf4とスイッチSS12,SS14,SS22,SS24とは第2のグループに属する。なお、入力コンデンサC11,C12と充電用スイッチSCと放電用スイッチSD1,SD2とは各グループに共通のものとして使用される。
【0051】
本実施の形態の多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合の制御回路3aおよび各スイッチの動作は
図2(A)〜
図2(K)とほぼ同様であり、多入力積分回路を4入力の積分回路として動作させる場合の制御回路3aおよび各スイッチの動作は
図3(A)〜
図3(K)とほぼ同様である。
【0052】
すなわち、第1の実施の形態のモード切替用スイッチSM11,SM12,SM21,SM31と同じ動作を、本実施の形態のモード切替用スイッチSM11,SM12,SM41,SM51にさせて、第1の実施の形態の充電用スイッチSC1,SC2と同じ動作を、本実施の形態の充電用スイッチSCにさせて、第1の実施の形態の放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22と同じ動作を、本実施の形態の放電用スイッチSD1,SD2にさせるようにすればよい。その他のスイッチの動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
【0053】
こうして、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の多入力積分回路を実現することができる。第1の実施の形態では、入力コンデンサを、C1とC2の2つに分けて交互に使用していたが、入力コンデンサは各入力との接続の中で電荷が放電されるため、本実施の形態のように各入力で共用しても良い。つまり、多入力積分回路を4入力の積分回路として動作させる場合には、入力コンデンサC11のみを使用する。また、多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合には、入力コンデンサC11に同容量の入力コンデンサC12を並列に接続して、これら入力コンデンサC11,C12を使用する。第1の実施の形態と同様に、各コンデンサの容量は、C100=C11+C12、Cfa=Cfb=Cf1+Cf3=Cf2+Cf4として設定すればよい。
【0054】
[第3の実施の形態]
第1、第2の実施の形態では、入力信号数として2または4のいずれかを選択することができる多入力積分回路について説明したが、入力信号数として3または6のいずれかを選択することができる多入力積分回路を実現することも可能である。
図5は本発明の第3の実施の形態に係る多入力積分回路の構成を示すブロック図であり、
図1、
図4と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、m=3、n=2の例である。
【0055】
本実施の形態の多入力積分回路は、演算増幅器Aと、m個のグループに分かれるn×m個の信号入力端子1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6に対して各グループのn個の信号入力端子中の隣接する信号入力端子間に1個ずつ設けられたモード切替用スイッチSM11,SM12,SM13と、第1の端子が信号入力端子1−1〜1−6に接続された信号切替用スイッチSS11,SS12,SS13,SS14,SS15,SS16と、グループ毎に設けられ、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−6のうち同一のグループに属するn個の信号切替用スイッチの第2の端子に接続されたm個の入力コンデンサC1,C2,C3と、m個の入力コンデンサC1〜C3のうち隣接するグループに属する入力コンデンサの第1の端子間に1個ずつ設けられた(m−1)個のモード切替用スイッチSM21,SM22と、m個の入力コンデンサC1〜C3のうち隣接するグループに属する入力コンデンサの第2の端子間に1個ずつ設けられた(m−1)個のモード切替用スイッチSM31,SM32と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第2の端子に接続され、第2の端子が接地されたm個の充電用スイッチSC1,SC2,SC3と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第1の端子に接続され、第2の端子が接地されたm個の放電用スイッチSD11,SD12,SD13と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続されたm個の放電用スイッチSD21,SD22,SD23と、第1の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続されたn×m個の積分コンデンサCf1,Cf2,Cf3,Cf4,Cf5,Cf6と、第1の端子が積分コンデンサCf1〜Cf6の第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの出力端子に接続されたn×m個の信号切替用スイッチSS21,SS22,SS23,SS24,SS25,SS26と、各スイッチを制御する制御回路3bとから構成される。
【0056】
モード切替用スイッチSM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32は、3入力と6入力の設定を切り替えるスイッチである。モード切替用スイッチSM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32がオンしたとき、多入力積分回路は3入力の積分回路として動作し、モード切替用スイッチSM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32がオフしたとき、多入力積分回路は6入力の積分回路として動作する。
【0057】
図6(A)〜
図6(K)、
図7(A)〜
図7(K)はスイッチSC1〜SC3,SD11〜SD13,SD21〜SD23,SM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32,SS11〜SS16,SS21〜SS26の動作を示すタイミングチャート図である。
図6(A)〜
図6(K)は多入力積分回路が3入力の積分回路として動作する場合の各スイッチの動作を示し、
図7(A)〜
図7(K)は多入力積分回路が6入力の積分回路として動作する場合の各スイッチの動作を示している。
【0058】
本実施の形態では、信号入力端子1−1〜1−6と入力コンデンサC1〜C3と積分コンデンサCf1〜Cf6とスイッチSC1〜SC3,SD11〜SD13,SD21〜SD23,SS11〜SS16,SS21〜SS26とは、m(mは2以上の自然数で、本実施の形態ではm=3)個のグループに分かれる。具体的には、信号入力端子1−1,1−4と入力コンデンサC1と積分コンデンサCf1,Cf4とスイッチSC1,SD11,SD21,SS11,SS14,SS21,SS24とは第1のグループに属し、信号入力端子1−2,1−5と入力コンデンサC2と積分コンデンサCf2,Cf5とスイッチSC2,SD12,SD22,SS12,SS15,SS22,SS25とは第2のグループに属し、信号入力端子1−3,1−6と入力コンデンサC3と積分コンデンサCf3,Cf6とスイッチSC3,SD13,SD23,SS13,SS16,SS23,SS26とは第3のグループに属している。
【0059】
制御回路3bは、多入力積分回路を3入力の積分回路として動作させる場合、
図6(A)に示すようにモード切替用スイッチSM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32をオンさせる。これにより、同一のグループに属する信号入力端子同士が接続され、異なるグループに属する入力コンデンサの第1の端子同士が接続され、また異なるグループに属する入力コンデンサの第2の端子同士が接続される。
【0060】
図5の例では、モード切替用スイッチSM11により信号入力端子1−1と1−4とが接続され、モード切替用スイッチSM12により信号入力端子1−2と1−5とが接続され、モード切替用スイッチSM13により信号入力端子1−3と1−6とが接続される。また、モード切替用スイッチSM21,SM22により入力コンデンサC1〜C3の第1の端子同士が接続され、モード切替用スイッチSM31,SM32により入力コンデンサC1〜C3の第2の端子同士が接続される。すなわち、異なるグループに属する入力コンデンサC1〜C3が並列に接続される。
【0061】
多入力積分回路を3入力の積分回路として動作させる場合、同一周期のフェーズがφ1,φ2,φ3,φ1,φ2,φ3,・・・・というように繰り返される。フェーズφ1は入力電圧IN1を選択する期間、フェーズφ2は入力電圧IN2を選択する期間、フェーズφ3は入力電圧IN3を選択する期間である。フェーズφ1では入力電圧IN1を積分すると同時に入力電圧IN2,IN3の積分結果を保持し、フェーズφ2では入力電圧IN2を積分すると同時に入力電圧IN1,IN3の積分結果を保持し、フェーズφ3では入力電圧IN3を積分すると同時に入力電圧IN1,IN2の積分結果を保持する。
【0062】
制御回路3bは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1では、
図6(J)、
図6(M)に示すように、入力電圧IN1に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS21,SS24をオンさせる。これにより、入力電圧IN1に対応するグループに属する積分コンデンサCf1とCf4が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf1,Cf4が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0063】
また、制御回路3bは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の初期のタイミングにおいて、
図6(D)、
図6(G)に示すように、入力電圧IN1に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS11,SS14をオンさせると同時に、
図6(B)に示すように充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS11,SS14がオンする期間は、信号切替用スイッチSS21,SS24がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS11,SS14と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC1〜C3は入力電圧IN1に応じて充電される。
【0064】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、
図6(C)に示すように放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS21,SS24がオンしているため、入力電圧IN1が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS21,SS24がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN1の積分結果は積分コンデンサCf1,Cf4に保持される。
【0065】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2では、
図6(K)、
図6(N)に示すように、入力電圧IN2に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS22,SS25をオンさせる。これにより、入力電圧IN2に対応するグループに属する積分コンデンサCf2とCf5が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf2,Cf5が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0066】
また、制御回路3bは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の初期のタイミングにおいて、
図6(E)、
図6(H)に示すように、入力電圧IN2に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS12,SS15をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS12,SS15がオンする期間は、信号切替用スイッチSS22,SS25がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS12,SS15と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC1〜C3は入力電圧IN2に応じて充電される。
【0067】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS22,SS25がオンしているため、入力電圧IN2が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS22,SS25がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN2の積分結果は積分コンデンサCf2,Cf5に保持される。
【0068】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3では、
図6(L)、
図6(O)に示すように、入力電圧IN3に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS23,SS26をオンさせる。これにより、入力電圧IN3に対応するグループに属する積分コンデンサCf3とCf6が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf3,Cf6が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0069】
また、制御回路3bは、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3の初期のタイミングにおいて、
図6(F)、
図6(I)に示すように、入力電圧IN3に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS13,SS16をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS13,SS16がオンする期間は、信号切替用スイッチSS23,SS26がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS13,SS16と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC1〜C3は入力電圧IN3に応じて充電される。
【0070】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN3に対応するフェーズφ2の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS23,SS26がオンしているため、入力電圧IN3が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS23,SS26がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN3の積分結果は積分コンデンサCf3,Cf6に保持される。
こうして、多入力積分回路を3入力の積分回路として動作させることができる。
【0071】
次に、制御回路3bは、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合、
図7(A)に示すようにモード切替用スイッチSM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32をオフにする。これにより、同一のグループに属するn個の信号入力端子が別々の信号入力端子として機能するように分離され、異なるグループに属する入力コンデンサC1〜C3も別々の入力コンデンサとして機能するように分離される。
【0072】
多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合、同一周期のフェーズがφ1,φ2,φ3,φ4,φ5,φ6,φ1,φ2,φ3,φ4,φ5,φ6,・・・・というように繰り返される。フェーズφ1は入力電圧IN1を選択する期間、フェーズφ2は入力電圧IN2を選択する期間、フェーズφ3は入力電圧IN3を選択する期間、フェーズφ4は入力電圧IN4を選択する期間、フェーズφ5は入力電圧IN5を選択する期間、フェーズφ6は入力電圧IN6を選択する期間である。
【0073】
フェーズφ1では入力電圧IN1を積分すると同時に入力電圧IN2〜IN6の積分結果を保持し、フェーズφ2では入力電圧IN2を積分すると同時に入力電圧IN1,IN3〜IN6の積分結果を保持し、フェーズφ3では入力電圧IN3を積分すると同時に入力電圧IN1,IN2,IN4〜IN6の積分結果を保持し、フェーズφ4では入力電圧IN4を積分すると同時に入力電圧IN1〜IN3,IN5,IN6の積分結果を保持し、フェーズφ5では入力電圧IN5を積分すると同時に入力電圧IN1〜IN4,IN6の積分結果を保持し、フェーズφ6では入力電圧IN6を積分すると同時に入力電圧IN1〜IN5の積分結果を保持する。
【0074】
制御回路3bは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1では、
図7(J)に示すように、入力電圧IN1に対応する信号切替用スイッチSS21をオンさせる。これにより、入力電圧IN1に対応する積分コンデンサCf1が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0075】
また、制御回路3bは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の初期のタイミングにおいて、
図7(D)に示すように、入力電圧IN1に対応する信号切替用スイッチSS11をオンさせると同時に、
図7(B)に示すように充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS11がオンする期間は、信号切替用スイッチSS21がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS11と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC1は入力電圧IN1に応じて充電される。
【0076】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、
図7(C)に示すように放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS21がオンしているため、入力電圧IN1が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS21がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN1の積分結果は積分コンデンサCf1に保持される。
【0077】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2では、
図7(K)に示すように、入力電圧IN2に対応する信号切替用スイッチSS22をオンさせる。これにより、入力電圧IN2に対応する積分コンデンサCf2が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0078】
また、制御回路3bは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の初期のタイミングにおいて、
図7(E)に示すように、入力電圧IN2に対応する信号切替用スイッチSS12をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS12がオンする期間は、信号切替用スイッチSS22がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS12と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC2は入力電圧IN2に応じて充電される。
【0079】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS22がオンしているため、入力電圧IN2が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS22がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN2の積分結果は積分コンデンサCf2に保持される。
【0080】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3では、
図7(L)に示すように、入力電圧IN3に対応する信号切替用スイッチSS23をオンさせる。これにより、入力電圧IN3に対応する積分コンデンサCf3が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0081】
また、制御回路3bは、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3の初期のタイミングにおいて、
図7(F)に示すように、入力電圧IN3に対応する信号切替用スイッチSS13をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS13がオンする期間は、信号切替用スイッチSS23がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS13と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC3は入力電圧IN3に応じて充電される。
【0082】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS23がオンしているため、入力電圧IN3が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS23がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN3の積分結果は積分コンデンサCf3に保持される。
【0083】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN4に対応するフェーズφ4では、
図7(M)に示すように、入力電圧IN4に対応する信号切替用スイッチSS24をオンさせる。これにより、入力電圧IN4に対応する積分コンデンサCf4が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0084】
また、制御回路3bは、入力電圧IN4に対応するフェーズφ4の初期のタイミングにおいて、
図7(G)に示すように、入力電圧IN4に対応する信号切替用スイッチSS14をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS14がオンする期間は、信号切替用スイッチSS24がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS14と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC1は入力電圧IN4に応じて充電される。
【0085】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN4に対応するフェーズφ4の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS24がオンしているため、入力電圧IN4が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS24がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN4の積分結果は積分コンデンサCf4に保持される。
【0086】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN5に対応するフェーズφ5では、
図7(N)に示すように、入力電圧IN5に対応する信号切替用スイッチSS25をオンさせる。これにより、入力電圧IN5に対応する積分コンデンサCf5が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0087】
また、制御回路3bは、入力電圧IN5に対応するフェーズφ5の初期のタイミングにおいて、
図7(H)に示すように、入力電圧IN5に対応する信号切替用スイッチSS15をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS15がオンする期間は、信号切替用スイッチSS25がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS15と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC2は入力電圧IN5に応じて充電される。
【0088】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN5に対応するフェーズφ5の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS25がオンしているため、入力電圧IN5が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS25がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN5の積分結果は積分コンデンサCf5に保持される。
【0089】
次に、制御回路3bは、入力電圧IN6に対応するフェーズφ6では、
図7(O)に示すように、入力電圧IN6に対応する信号切替用スイッチSS26をオンさせる。これにより、入力電圧IN6に対応する積分コンデンサCf6が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0090】
また、制御回路3bは、入力電圧IN6に対応するフェーズφ6の初期のタイミングにおいて、
図7(I)に示すように、入力電圧IN6に対応する信号切替用スイッチSS16をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1〜SC3をオンさせる。信号切替用スイッチSS16がオンする期間は、信号切替用スイッチSS26がオンする期間と充電用スイッチSC1〜SC3がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS16と充電用スイッチSC1〜SC3とがオンしたことにより、入力コンデンサC3は入力電圧IN6に応じて充電される。
【0091】
続いて、制御回路3bは、入力電圧IN6に対応するフェーズφ6の期間中において充電用スイッチSC1〜SC3がオフした後に、放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23をオンさせる。信号切替用スイッチSS26がオンしているため、入力電圧IN6が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS26がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN6の積分結果は積分コンデンサCf6に保持される。
こうして、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させることができる。
【0092】
本実施の形態では、C100=C1+C2+3、Cfa=Cfb=Cf1+Cf4=Cf2+Cf5=Cf3+Cf6(C1=C2=C3、Cf1=Cf2=Cf3=Cf4=Cf5=Cf6)とすることにより、従来の3入力の積分回路と比較して、入力コンデンサおよび積分コンデンサの容量を増やすことなく入力信号数を増やすことが可能である。入力信号数を6、すなわち従来の3入力の積分回路の入力信号数の2倍にするときは、入力コンデンサの容量を従来の入力コンデンサC100の容量の1/m(本実施の形態では1/3)にして、入力コンデンサC1,C2,C3を順番に使用する。同時に、積分コンデンサの容量を従来の積分コンデンサCfa,Cfbの容量の1/n(本実施の形態では1/2)にして、積分コンデンサCf1,Cf2,Cf3,Cf4,Cf5,Cf6を順番に使用する。
【0093】
ただし、本実施の形態では、入力信号数を6にする場合、入力コンデンサの容量を1/3にし、積分コンデンサの容量を1/2にするのであるから、入力信号数が3の場合と比較して積分回路のゲインが変化する。積分回路のゲインを一定するためには、m=nであることが望ましい。
【0094】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図8は本発明の第4の実施の形態に係る多入力積分回路の構成を示すブロック図であり、
図1、
図4、
図5と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態においても、入力信号数として3または6のいずれかを選択することができる多入力積分回路について説明する。つまり、本実施の形態においても、m=3、n=2である。
【0095】
本実施の形態の多入力積分回路は、演算増幅器Aと、モード切替用スイッチSM11〜SM13と、信号切替用スイッチSS11〜SS16と、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−6の第2の端子に接続された入力コンデンサC11と、入力コンデンサC11と同容量の(m−1)個の入力コンデンサC12,C13と、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−6の第2の端子に接続され、第2の端子が(m−1)個の入力コンデンサC12,C13の第1の端子に接続されたモード切替用スイッチSM41と、第1の端子が(m−1)個の入力コンデンサC12,C13の第2の端子に接続され、第2の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続されたモード切替用スイッチSM51と、第1の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続され、第2の端子が接地された充電用スイッチSCと、第1の端子が入力コンデンサC11の第1の端子に接続され、第2の端子が接地された放電用スイッチSD1と、第1の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続された放電用スイッチSD2と、n×m個の積分コンデンサCf1〜Cf6と、n×m個の信号切替用スイッチSS21〜SS26と、各スイッチを制御する制御回路3cとから構成される。
【0096】
第3の実施の形態と同様に、モード切替用スイッチSM11〜SM13,SM41,SM51がオンしたとき、多入力積分回路は3入力の積分回路として動作し、モード切替用スイッチSM11〜SM13,SM41,SM51がオフしたとき、多入力積分回路は6入力の積分回路として動作する。
【0097】
本実施の形態では、信号入力端子1−1〜1−6と積分コンデンサCf1〜Cf6とスイッチSS11〜SS16,SS21〜SS26とは、m個のグループに分かれる。具体的には、信号入力端子1−1,1−4と積分コンデンサCf1,Cf4とスイッチSS11,SS14,SS21,SS24とは第1のグループに属し、信号入力端子1−2,1−5と積分コンデンサCf2,Cf5とスイッチSS12,SS15,SS22,SS25とは第2のグループに属し、信号入力端子1−3,1−6と積分コンデンサCf3,Cf6とスイッチSS13,SS16,SS23,SS26とは第3のグループに属する。なお、入力コンデンサC11〜C13と充電用スイッチSCと放電用スイッチSD1,SD2とは各グループに共通のものとして使用される。
【0098】
本実施の形態の多入力積分回路を3入力の積分回路として動作させる場合の制御回路3cおよび各スイッチの動作は
図6(A)〜
図6(O)とほぼ同様であり、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合の制御回路3cおよび各スイッチの動作は
図7(A)〜
図7(O)とほぼ同様である。
【0099】
すなわち、第3の実施の形態のモード切替用スイッチSM11〜SM13,SM21,SM22,SM31,SM32と同じ動作を、本実施の形態のモード切替用スイッチSM11〜SM13,SM41,SM51にさせて、第3の実施の形態の充電用スイッチSC1〜SC3と同じ動作を、本実施の形態の充電用スイッチSCにさせて、第3の実施の形態の放電用スイッチSD11〜SD13,SD21〜SD23と同じ動作を、本実施の形態の放電用スイッチSD1,SD2にさせるようにすればよい。その他のスイッチの動作は第3の実施の形態で説明したとおりである。
【0100】
こうして、本実施の形態では、第3の実施の形態と同様の多入力積分回路を実現することができる。第3の実施の形態では、入力コンデンサをC1とC2とC3の3つに分けて順番に使用していたが、本実施の形態のように各入力で共用しても良い。つまり、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合には、入力コンデンサC11のみを使用する。また、多入力積分回路を3入力の積分回路として動作させる場合には、入力コンデンサC11に同容量の入力コンデンサC12とC13を並列に接続して、これら入力コンデンサC11〜C13を使用する。第3の実施の形態と同様に、各コンデンサの容量は、C100=C11+C12+13、Cfa=Cfb=Cf1+Cf4=Cf2+Cf5=Cf3+Cf6として設定すればよい。
【0101】
[第5の実施の形態]
第1、第2の実施の形態では、入力信号数として2または4のいずれかを選択することができる多入力積分回路、第3の実施の形態では、入力信号数として3または6のいずれかを選択することができる多入力積分回路について説明したが、入力信号数として2または6のいずれかを選択することができる多入力積分回路を実現することも可能である。
図9は本発明の第5の実施の形態に係る多入力積分回路の構成を示すブロック図であり、
図1、
図4、
図5、
図8と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、m=2、n=3の例を示す。
【0102】
本実施の形態の多入力積分回路は、演算増幅器Aと、m個のグループに分かれるn×m個の信号入力端子1−1〜1−6に対して各グループのn個の信号入力端子中の隣接する信号入力端子間に1個ずつ設けられたモード切替用スイッチSM11〜SM14と、第1の端子が信号入力端子1−1〜1−6に接続された信号切替用スイッチSS11〜SS16と、グループ毎に設けられ、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−6のうち同一のグループに属するn個の信号切替用スイッチの第2の端子に接続されたm個の入力コンデンサC1,C2と、m個の入力コンデンサC1,C2のうち隣接するグループに属する入力コンデンサの第1の端子間に1個ずつ設けられた(m−1)個のモード切替用スイッチSM21と、m個の入力コンデンサC1,C2のうち隣接するグループに属する入力コンデンサの第2の端子間に1個ずつ設けられた(m−1)個のモード切替用スイッチSM31と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第2の端子に接続され、第2の端子が接地されたm個の充電用スイッチSC1,SC2と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第1の端子に接続され、第2の端子が接地されたm個の放電用スイッチSD11,SD12と、入力コンデンサ毎に設けられ、第1の端子が対応する入力コンデンサの第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続されたm個の放電用スイッチSD21,SD22と、第1の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続されたn×m個の積分コンデンサCf1〜Cf6と、第1の端子が積分コンデンサCf1〜Cf6の第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの出力端子に接続されたn×m個の信号切替用スイッチSS21〜SS26と、各スイッチを制御する制御回路3dとから構成される。
【0103】
モード切替用スイッチSM11〜SM14,SM21,SM31は、2入力と6入力の設定を切り替えるスイッチである。モード切替用スイッチSM11〜SM14,SM21,SM31がオンしたとき、多入力積分回路は従来と同様の2入力の積分回路として動作し、モード切替用スイッチSM11〜SM14,SM21,SM31がオフしたとき、多入力積分回路は6入力の積分回路として動作する。
【0104】
図10(A)〜
図10(O)、
図11(A)〜
図11(O)はスイッチSC1,SC2,SD11,SD12,SD21,SD22,SM11〜SM14,SM21,SM31,SS11〜SS16,SS21〜SS26の動作を示すタイミングチャート図である。
図10(A)〜
図10(O)は多入力積分回路が2入力の積分回路として動作する場合の各スイッチの動作を示し、
図11(A)〜
図11(O)は多入力積分回路が6入力の積分回路として動作する場合の各スイッチの動作を示している。
【0105】
本実施の形態では、信号入力端子1−1〜1−6と入力コンデンサC1,C2と積分コンデンサCf1〜Cf6とスイッチSC1,SC2,SD11,SD12,SD21,SD22,SS11〜SS16,SS21〜SS26とは、m(本実施の形態ではm=2)個のグループに分かれる。具体的には、信号入力端子1−1,1−3,1−5と入力コンデンサC1と積分コンデンサCf1,Cf3,Cf5とスイッチSC1,SD11,SD21,SS11,SS13,SS15,SS21,SS23,SS25とは第1のグループに属し、信号入力端子1−2,1−4,1−6と入力コンデンサC2と積分コンデンサCf2,Cf4,Cf6とスイッチSC2,SD12,SD22,SS12,SS14,SS16,SS22,SS24,SS26とは第2のグループに属する。
【0106】
制御回路3dは、多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合、
図10(A)に示すようにモード切替用スイッチSM11〜SM14,SM21,SM31をオンさせる。これにより、同一のグループに属する信号入力端子同士が接続され、異なるグループに属する入力コンデンサの第1の端子同士が接続され、また異なるグループに属する入力コンデンサの第2の端子同士が接続される。
図9の例では、モード切替用スイッチSM11により信号入力端子1−1と1−3とが接続され、モード切替用スイッチSM12により信号入力端子1−3と1−5とが接続され、モード切替用スイッチSM13により信号入力端子1−2と1−4とが接続され、モード切替用スイッチSM14により信号入力端子1−4と1−6とが接続される。また、モード切替用スイッチSM21により入力コンデンサC1とC2の第1の端子同士が接続され、モード切替用スイッチSM31により入力コンデンサC1とC2の第2の端子同士が接続される。
【0107】
多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合、同一周期のフェーズがφ1,φ2,φ1,φ2,・・・・というように繰り返される。制御回路3dは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1では、
図10(J)、
図10(L)、
図10(N)に示すように、入力電圧IN1に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS21,SS23,SS25をオンさせる。これにより、入力電圧IN1に対応するグループに属する積分コンデンサCf1とCf3とCf5が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf1,Cf3,Cf5が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0108】
また、制御回路3dは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の初期のタイミングにおいて、
図10(D)、
図10(F)、
図10(H)に示すように、入力電圧IN1に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS11,SS13,SS15をオンさせると同時に、
図10(B)に示すように充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS11,SS13,SS15がオンする期間は、信号切替用スイッチSS21,SS23,SS25がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS11,SS13,SS15と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1,C2は入力電圧IN1に応じて充電される。
【0109】
続いて、制御回路3dは、入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、
図10(C)に示すように放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS21,SS23,SS25がオンしているため、入力電圧IN1が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS21,SS23,SS25がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN1の積分結果は積分コンデンサCf1,Cf3,Cf5に保持される。
【0110】
一方、制御回路3dは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2では、
図10(K)、
図10(M)、
図10(O)に示すように、入力電圧IN2に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS22,SS24,SS26をオンさせる。これにより、入力電圧IN2に対応するグループに属する積分コンデンサCf2とCf4とCf6が並列に接続されると共に、これらの積分コンデンサCf2,Cf4,Cf6が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0111】
また、制御回路3dは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の初期のタイミングにおいて、
図10(E)、
図10(G)、
図10(I)に示すように、入力電圧IN2に対応するグループに属する信号切替用スイッチSS12,SS14,SS16をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS12,SS14,SS16がオンする期間は、信号切替用スイッチSS22,SS24,SS26がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS12,SS14,SS16と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1,C2は入力電圧IN2に応じて充電される。
【0112】
続いて、制御回路3dは、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS22,SS24,SS26がオンしているため、入力電圧IN2が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS22,SS24,SS26がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN2の積分結果は積分コンデンサCf2,Cf4,Cf6に保持される。
こうして、多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させることができる。
【0113】
次に、制御回路3dは、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合、
図11(A)に示すようにモード切替用スイッチSM11〜SM14,SM21,SM31をオフにする。これにより、同一のグループに属するn個の信号入力端子が別々の信号入力端子として機能するように分離され、異なるグループに属する入力コンデンサC1,C2も別々の入力コンデンサとして機能するように分離される。
【0114】
多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合、同一周期のフェーズがφ1,φ2,φ3,φ4,φ5,φ6,φ1,φ2,φ3,φ4,φ5,φ6,・・・・というように繰り返される。入力電圧IN1に対応するフェーズφ1の動作、入力電圧IN2に対応するフェーズφ2の動作、入力電圧IN3に対応するフェーズφ3の動作、および入力電圧IN4に対応するフェーズφ4の動作は、第1の実施の形態の
図3で説明した動作と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0115】
制御回路3dは、入力電圧IN5に対応するフェーズφ5では、
図11(N)に示すように、入力電圧IN5に対応する信号切替用スイッチSS25をオンさせる。これにより、入力電圧IN5に対応する積分コンデンサCf5が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0116】
また、制御回路3dは、入力電圧IN5に対応するフェーズφ5の初期のタイミングにおいて、
図11(H)に示すように、入力電圧IN5に対応する信号切替用スイッチSS15をオンさせると同時に、
図11(B)に示すように充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS15がオンする期間は、信号切替用スイッチSS25がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS15と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC1は入力電圧IN5に応じて充電される。
【0117】
続いて、制御回路3dは、入力電圧IN5に対応するフェーズφ5の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、
図11(C)に示すように放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS25がオンしているため、入力電圧IN5が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS25がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN5の積分結果は積分コンデンサCf5に保持される。
【0118】
次に、制御回路3dは、入力電圧IN6に対応するフェーズφ6では、
図11(O)に示すように、入力電圧IN6に対応する信号切替用スイッチSS26をオンさせる。これにより、入力電圧IN6に対応する積分コンデンサCf6が演算増幅器Aの非反転入力端子と出力端子間に接続される。
【0119】
また、制御回路3dは、入力電圧IN6に対応するフェーズφ6の初期のタイミングにおいて、
図11(I)に示すように、入力電圧IN6に対応する信号切替用スイッチSS16をオンさせると同時に、充電用スイッチSC1,SC2をオンさせる。信号切替用スイッチSS16がオンする期間は、信号切替用スイッチSS26がオンする期間と充電用スイッチSC1,SC2がオンする期間との論理積で決まる期間である。信号切替用スイッチSS16と充電用スイッチSC1,SC2とがオンしたことにより、入力コンデンサC2は入力電圧IN6に応じて充電される。
【0120】
続いて、制御回路3dは、入力電圧IN6に対応するフェーズφ6の期間中において充電用スイッチSC1,SC2がオフした後に、放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22をオンさせる。信号切替用スイッチSS26がオンしているため、入力電圧IN6が積分され、その積分結果が出力電圧OUTとして信号出力端子2から出力される。信号切替用スイッチSS26がオフになってから次にオンするまでの間、入力電圧IN6の積分結果は積分コンデンサCf6に保持される。
こうして、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させることができる。
【0121】
本実施の形態では、C100=C1+C2、Cfa=Cfb=Cf1+Cf3+Cf5=Cf2+Cf4+Cf6(C1=C2、Cf1=Cf2=Cf3=Cf4=Cf5=Cf6)とすることにより、従来の2入力の積分回路と比較して、入力コンデンサおよび積分コンデンサの容量を増やすことなく入力信号数を増やすことが可能である。入力信号数を6、すなわち従来の2入力の積分回路の入力信号数の3倍にするときは、入力コンデンサの容量を従来の入力コンデンサC100の容量の1/m(本実施の形態では1/2)にして、入力コンデンサC1,C2を順番に使用する。同時に、積分コンデンサの容量を従来の積分コンデンサCfa,Cfbの容量の1/n(本実施の形態では1/3)にして、積分コンデンサCf1,Cf2,Cf3,Cf4,Cf5,Cf6を順番に使用する。
【0122】
ただし、本実施の形態では、入力信号数を6にする場合、入力コンデンサの容量を1/2にし、積分コンデンサの容量を1/3にするのであるから、入力信号数が2の場合と比較して積分回路のゲインが変化する。積分回路のゲインを一定するためには、m=nであることが望ましい。
【0123】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
図12は本発明の第6の実施の形態に係る多入力積分回路の構成を示すブロック図であり、
図1、
図4、
図5、
図8、
図9と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態においても、入力信号数として2または6のいずれかを選択することができる多入力積分回路について説明する。つまり、本実施の形態においても、m=2、n=3である。
【0124】
本実施の形態の多入力積分回路は、演算増幅器Aと、モード切替用スイッチSM11〜SM14と、信号切替用スイッチSS11〜SS16と、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−6の第2の端子に接続された入力コンデンサC11と、入力コンデンサC11と同容量の(m−1)個の入力コンデンサC12と、第1の端子がn×m個の信号切替用スイッチ1−1〜1−6の第2の端子に接続され、第2の端子が(m−1)個の入力コンデンサC12の第1の端子に接続されたモード切替用スイッチSM41と、第1の端子が(m−1)個の入力コンデンサC12の第2の端子に接続され、第2の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続されたモード切替用スイッチSM51と、第1の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続され、第2の端子が接地された充電用スイッチSCと、第1の端子が入力コンデンサC11の第1の端子に接続され、第2の端子が接地された放電用スイッチSD1と、第1の端子が入力コンデンサC11の第2の端子に接続され、第2の端子が演算増幅器Aの非反転入力端子に接続された放電用スイッチSD2と、n×m個の積分コンデンサCf1〜Cf6と、n×m個の信号切替用スイッチSS21〜SS26と、各スイッチを制御する制御回路3eとから構成される。
【0125】
第5の実施の形態と同様に、モード切替用スイッチSM11〜SM14,SM41,SM51がオンしたとき、多入力積分回路は2入力の積分回路として動作し、モード切替用スイッチSM11〜SM14,SM41,SM51がオフしたとき、多入力積分回路は6入力の積分回路として動作する。
【0126】
本実施の形態では、信号入力端子1−1〜1−6と積分コンデンサCf1〜Cf6とスイッチSS11〜SS16,SS21〜SS26とは、m個のグループに分かれる。具体的には、信号入力端子1−1,1−3,1−5と積分コンデンサCf1,Cf3,Cf5とスイッチSS11,SS13,SS15,SS21,SS23,SS25とは第1のグループに属し、信号入力端子1−2,1−4,1−6と積分コンデンサCf2,Cf4,Cf6とスイッチSS12,SS14,SS16,SS22,SS24,SS26とは第2のグループに属する。なお、入力コンデンサC11,C12と充電用スイッチSCと放電用スイッチSD1,SD2とは各グループに共通のものとして使用される。
【0127】
本実施の形態の多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合の制御回路3eおよび各スイッチの動作は
図10(A)〜
図10(O)とほぼ同様であり、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合の制御回路3eおよび各スイッチの動作は
図11(A)〜
図11(O)とほぼ同様である。
【0128】
すなわち、第5の実施の形態のモード切替用スイッチSM11〜SM14,SM21,SM31と同じ動作を、本実施の形態のモード切替用スイッチSM11〜SM14,SM41,SM51にさせて、第5の実施の形態の充電用スイッチSC1,SC2と同じ動作を、本実施の形態の充電用スイッチSCにさせて、第5の実施の形態の放電用スイッチSD11,SD12,SD21,SD22と同じ動作を、本実施の形態の放電用スイッチSD1,SD2にさせるようにすればよい。その他のスイッチの動作は第5の実施の形態で説明したとおりである。
【0129】
こうして、本実施の形態では、第5の実施の形態と同様の多入力積分回路を実現することができる。第5の実施の形態では、入力コンデンサを、C1とC2の2つに分けて交互に使用していたが、本実施の形態のように各入力で共用しても良い。つまり、多入力積分回路を6入力の積分回路として動作させる場合には、入力コンデンサC11のみを使用する。また、多入力積分回路を2入力の積分回路として動作させる場合には、入力コンデンサC11に同容量の入力コンデンサC12を並列に接続して、これら入力コンデンサC11,C12を使用する。第5の実施の形態と同様に、各コンデンサの容量は、C100=C11+C12、Cfa=Cfb=Cf1+Cf3+Cf5=Cf2+Cf4+Cf6として設定すればよい。
【0130】
第1〜第6の実施の形態から明らかなように、本発明では、m入力の積分回路を拡張することで、m入力とn×m入力の両方に対応することができる。
なお、第1〜第6の実施の形態では、スイッチSS21〜SS26を演算増幅器Aの非反転入力端子と積分コンデンサCf1〜Cf6との間に設けていたが、これに限るものではなく、積分コンデンサCf1〜Cf6の第1の端子を演算増幅器Aの非反転入力端子に接続し、スイッチSS21〜SS26を積分コンデンサCf1〜Cf6の第2の端子と演算増幅器Aの出力端子との間に設けるようにしてもよい。