特許第6097243号(P6097243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オプティムの特許一覧

特許6097243アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム
<>
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000002
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000003
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000004
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000005
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000006
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000007
  • 特許6097243-アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097243
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】アプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G06F9/06 610L
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-63466(P2014-63466)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-185099(P2015-185099A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2015年6月17日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】 坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0205196(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0042036(US,A1)
【文献】 特開2013−178681(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0021774(US,A1)
【文献】 特開2011−258086(JP,A)
【文献】 特表2009−512239(JP,A)
【文献】 特開2008−310499(JP,A)
【文献】 特開2008−131594(JP,A)
【文献】 特開2006−313486(JP,A)
【文献】 特開2005−092469(JP,A)
【文献】 特開2013−219530(JP,A)
【文献】 高槻 芳,“レポート:位置情報でBYODをコントロール 富士通とNTTデータなどが製品化へ”,日経コンピュータ,日本,日経BP社,2012年 9月27日,第818号,p.12,ISSN 0285-4619
【文献】 新世代iPhone&iOS7 パーフェクトガイド,Mac Fan,日本,株式会社マイナビ,2013年11月 1日,第21巻,第11号(通巻368号),p.55
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストールシステムであって、
前記携帯端末の現在の位置を特定する位置情報特定手段と、
前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出するアプリ抽出手段と、
前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択するアプリ選択手段と、
を備えることを特徴とするアプリインストールシステム。
【請求項2】
ユーザから、所定のポータルアプリケーションの起動を受け付け、当該ポータルアプリケーションの起動に応じて、前記携帯端末の位置情報を特定するポータルアプリ受付手段と、
前記選択したアプリケーションに関するデータに応じて、当該選択したアプリケーションが、前記携帯端末にインストールされているか否かを判断するインストール有無判断手段と、
前記携帯端末に当該アプリケーションがインストールされていないと判断した場合は、前記アプリケーションをインストールするインストール手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のアプリインストールシステム。
【請求項3】
前記携帯端末の現在の位置を特定する際に、前記携帯端末が接続した無線アクセスポイントのIPアドレス又はSSIDを用いて特定することを特徴とする請求項1に記載のアプリインストールシステム。
【請求項4】
アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストール方法であって、
前記携帯端末の現在の位置を特定するステップと、
前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出するステップと、
前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択するステップと、
を備えることを特徴とするアプリインストール方法。
【請求項5】
アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストールシステムに、
前記携帯端末の現在の位置を特定するステップ、
前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出するステップ、
前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択するステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報に基づいたアプリケーションをインストールさせるアプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットと呼ばれる高機能携帯端末の普及によって、ユーザが外出先や、移動しながらコンテンツを利用する機会が爆発的に増えている。更に、従来のウェブサイトと比較して、豊富な表現や機種固有の機能を利用できるいわゆるネイティブアプリが利用されることも多い。
【0003】
特に、現在では様々な主体が顧客や従業員向けに、利便性やプロモーションの目的で様々なアプリケーションを提供している。一方で、そのように多様なアプリケーションが提示されることで、かえってユーザが本当に必要な情報を選別することが難しくなってしまっている。
【0004】
このような課題に対して、取得したユーザ顔画像を用いることにより、ユーザに事前登録作業を行わせることなく、ユーザの属性を利用したレコメンドを行うレコメンドシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−73420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、携帯端末が、ユーザの顔画像を取得し、取得したユーザの顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量をレコメンドサーバに送信し、レコメンドサーバは、携帯端末から特徴量を受信し、少なくとも複数の特徴量を格納し、受信した特徴量と格納された特徴量とのマッチング処理を行い、マッチング結果に基づいて、アプリケーション等のレコメンドを行って、レコメンド結果を携帯端末に送信する。そして、携帯端末が、レコメンドサーバからレコメンド結果を受信し、受信したレコメンド結果を表示する構成が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、顔という属人的な情報に基づいた推薦しか行えないため、場所や時簡帯などの環境の情報に基づくレコメンドを行うことができないという問題が残っていた。
【0008】
本発明は、これらの要請を鑑み、GPSや公衆無線LANの利用情報からユーザの現在位置を特定した後、その位置に関連したアプリケーションをサーバが選択しインストールさせることで、ユーザが簡単に必要なアプリケーションを入手できるアプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストールシステムであって、
前記携帯端末の現在の位置を特定する位置情報特定手段と、
前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出するアプリ抽出手段と、
前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択するアプリ選択手段と、
を備えることを特徴とするアプリインストールシステムを提供する。
第1の特徴に係る発明によれば、アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストールシステムは、前記携帯端末の現在の位置を特定し、前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出し、前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択する。
ここで、第1の特徴に係る発明は、アプリインストールシステムのカテゴリであるが、方法又はプログラム等の他のカテゴリにおいても、同様の作用・効果を発揮する。
の特徴に係る発明は、ーザから、所定のポータルアプリケーションの起動を受け付け、当該ポータルアプリケーションの起動に応じて、前記携帯端末の位置情報を特定するポータルアプリ受付手段と、
記選択たアプリケーションに関するデータに応じて、当該選択たアプリケーションが、前記携帯端末にインストールされているか否かを判断するインストール有無判断手段と、
記携帯端末に当該アプリケーションがインストールされていないと判断した場合は、前記アプリケーションをインストールするインストール手段と、
を備えることを特徴とする第1の特徴に係る発明であるアプリインストールシステムを提供する。
【0011】
の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明であるアプリインストールシステムは、ユーザから、所定のポータルアプリケーションの起動を受け付け、当該ポータルアプリケーションの起動に応じて、前記携帯端末の位置情報を特定し記選択たアプリケーションに関するデータに応じて、当該選択たアプリケーションが、前記携帯端末にインストールされているか否かを判断し、記携帯端末に当該アプリケーションがインストールされていないと判断した場合は、前記アプリケーションをインストールする。
【0013】
の特徴に係る発明は、前記携帯端末の現在の位置を特定する際に、前記携帯端末が接続した無線アクセスポイントのIPアドレス又はSSIDを用いて特定することを特徴とする第1の特徴に係る発明であるアプリインストールシステムを提供する。
【0014】
の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明であるアプリインストールシステムは、前記携帯端末の現在の位置を特定する際に、前記携帯端末が接続した無線アクセスポイントのIPアドレス又はSSIDを用いて特定を行う。
【0019】
の特徴に係る発明は、アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストール方法であって、
前記携帯端末の現在の位置を特定するステップと、
前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出するステップと、
前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択するステップと、
を備えることを特徴とするアプリインストール方法を提供する。
【0020】
の特徴に係る発明は、アプリケーションに関するデータと、位置情報と、当該アプリケーションの重みとが関連付けられて予め記憶されたアプリ関連位置データベースを有し、携帯端末と通信可能に接続されたアプリインストールシステムに、
前記携帯端末の現在の位置を特定するステップ、
前記特定した位置情報を基準に、前記アプリ関連位置データベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたアプリケーションに関するデータを全て抽出するステップ、
前記抽出したアプリケーションに関するデータのうち、最も重みが大きいアプリケーションに関するデータを選択するステップ、
を実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、GPSや公衆無線LANの利用情報からユーザの現在位置を特定した後、その位置に関連したアプリケーションをサーバが選択しインストールさせることで、ユーザが簡単に必要なアプリケーションを入手できるアプリインストールシステム、アプリインストール方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、アプリインストールシステム1の概要を表した図である。
図2図2は、アプリインストールシステム1の全体構成図である。
図3図3は、携帯端末10、アプリ選択サーバ200、アプリケーションサーバ300の機能ブロック図である。
図4図4は、携帯端末10、アプリ選択サーバ200、アプリケーションサーバ300が実行する、アプリインストール処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、アプリ選択サーバ200が実行する、アプリ選択処理の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、受信したアプリに関するデータを表示する携帯端末10の表示部の一例である。
図7図7は、アプリ関連位置データベース250内のアプリ関連位置テーブルの一例を表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
[アプリインストールシステム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態であるアプリインストールシステム1の概要を説明するための図である。アプリインストールシステム1は、携帯端末10及び、アプリ選択サーバ200、アプリケーションサーバ300から構成される。
【0025】
アプリインストールシステム1において、はじめに、携帯端末10は、以下の処理を行うための準備としてポータルアプリを立ち上げる。ここでこのポータルアプリは、インターネットブラウザを介してコンテンツが提供されるいわゆるウェブアプリであってもよい。その後携帯端末10は、GPSシステム5によって取得した緯度経度情報や、公衆無線LAN接続ポイント20との接続情報や、基地局との通信情報を用いて、携帯端末10の現在の位置を特定する(ステップS01)。そして、特定した位置を表す位置情報を、アプリ選択サーバ200に送信する(ステップS02)。
【0026】
位置情報を受信したアプリ選択サーバ200は、受信した位置情報から所定の範囲内にある位置情報と関連付けられたアプリを、アプリ関連位置データベース250から抽出する(ステップS03)。ここで、所定の範囲とは一般に距離が一定以下である円形を想定しているが、矩形やその他の図形が表す範囲内であってもよい。
【0027】
次にアプリ選択サーバ200は、抽出したアプリについて予め定められた重み付けを参照して、最も重みの大きいアプリを選択し、そのアプリに関するデータを携帯端末10に送信する(ステップS04)。
【0028】
ここでアプリに関するデータとは、アプリのインストールデータそのものであってもよいが、携帯端末10の制約上、アプリをインストールするための情報に留まることが多い。すなわち、端末の提供側が端末にインストールされるアプリの質を担保するため、一定の審査基準を設け公開を管理しているような場合には、アプリ選択サーバ200が直接インストールデータを提供することは難しく、別途アプリケーションサーバ300からアプリをインストールするためのメタ情報を提供する。
【0029】
選択されたアプリに関するデータを受信した携帯端末10は、受信した選択アプリに関するデータを表示するとともに、当該データで表されるアプリケーションをインストール済みであるかを判断する(ステップS05)。
【0030】
携帯端末10は、選択アプリを未インストールであった場合には、選択アプリをインストールするためにアプリに関するデータ、特にアプリの識別子をアプリケーションサーバ300に送信する(ステップS06)。アプリケーションサーバ300は、求めに応じてアプリケーションのインストールデータを携帯端末10に送信することで、選択アプリをインストールすることが可能となる(ステップS07)。
【0031】
以上が、アプリインストールシステム1の概要である。
【0032】
[アプリインストールシステム1のシステム構成]
図2は、本発明の好適な実施形態であるアプリインストールシステム1のシステム構成図である。アプリインストールシステム1は、携帯端末10、アプリ選択サーバ200、アプリケーションサーバ300、及び、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)から構成される。
【0033】
携帯端末10は、後述の機能を備え、データ通信を行うことが可能であり、携帯して移動しながら利用される家庭用又は業務用の電化製品である。携帯端末10は、例えば、携帯電話、携帯情報端末に加え、スマートフォン、ノートPC、タブレット端末、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ等の情報家電であってよい。
【0034】
アプリ選択サーバ200は、後述の機能を備え、携帯端末10の位置情報に応じたアプリケーションを選択するサーバである。
【0035】
アプリケーションサーバ300は、携帯端末10にアプリケーションをインストールするための一般的なアプリケーション配信サーバであってよい。
【0036】
[各機能の説明]
図3に基づいて、各装置の構成について説明する。
【0037】
携帯端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。
【0038】
また、携帯端末10は、入出力部13として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部と、ユーザからの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウスに加え、GPSといった位置情報を取得可能なデバイスを備える。
【0039】
携帯端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、ポータルアプリ受付モジュール14、位置情報送信モジュール15、アプリデータ受信モジュール16を実現する。また、携帯端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部13と協働して、位置特定モジュール17、インストール有無判断モジュール18、インストールモジュール19を実現する。
【0040】
アプリ選択サーバ200は、携帯端末10と同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。また、アプリ選択サーバ200は、データやファイルを記憶する記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。記憶部203には、アプリ関連位置データベース250が含まれる。なお、無線アクセスポイントは、携帯端末10等がSSIDを利用してWiFi接続される装置であって、この装置から、外部のインターネット等に接続される装置であってよい。
【0041】
アプリ選択サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、位置情報受信モジュール204、選択アプリデータ送信モジュール205を実現する。また、アプリ選択サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、アプリ抽出モジュール206、アプリ選択モジュール207を実現する。
【0042】
アプリケーションサーバ300は、携帯端末10と同様に、制御部301として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部302として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。また、アプリケーションサーバ300は、データやファイルを記憶する記憶部303として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
【0043】
アプリケーションサーバ300において、制御部301が所定のプログラムを読み込むことで、通信部302と協働して、アプリ関連データ受信モジュール304、アプリインストールデータ送信モジュール305を実現する。また、アプリケーションサーバ300において、制御部301が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部303と協働して、アプリインストールデータ読み出しモジュール306を実現する。
【0044】
[アプリインストール処理]
図4は、携帯端末10、アプリ選択サーバ200、アプリケーションサーバ300が実行するアプリインストール処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0045】
はじめに、携帯端末10のポータルアプリ受付モジュール14は、以下の処理を行うための準備としてポータルアプリを立ち上げる(ステップS11)。ここで、このポータルアプリは、インターネットブラウザを介してコンテンツが提供されるいわゆるウェブアプリであってもよい。以後のアプリ選択サーバ200との位置情報のやり取りは、基本的にこのポータルを経由して行われる。
【0046】
位置特定モジュール17は、GPS(Global Positioning Sysytem)等の位置情報取得デバイスや、公衆無線LANの接続情報を利用することで、携帯端末10の現在の位置を特定し位置情報を取得する。ここで、公衆無線LANの接続情報としては、無線アクセスポイントのIPアドレス、及びSSID(Service Set Identifier)キーが利用可能である。携帯端末10の位置情報送信モジュール15は、取得した位置情報をアプリ選択サーバ200に送信する(ステップS12)
【0047】
アプリ選択サーバ200の位置情報受信モジュール204がこれを受信する(ステップS13)と、アプリ選択サーバ200は、受信した位置情報から携帯端末10に提供するアプリを選択するため、アプリ選択処理を実行する(ステップS14)。
【0048】
[アプリ選択処理]
図5は、アプリ選択サーバ200が実行するアプリ選択処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。ここで、選択されるアプリケーションは、異なる事業者が各々提供するアプリケーションであってよく、ポータルアプリを提供する事業者と同一の事業者でなくてもよい。
【0049】
はじめに、アプリ選択サーバ200のアプリ抽出モジュール206は、受信した位置情報に基づいて、所定の範囲内を表現するための条件式を生成する(ステップS31)。例えば、受信した位置情報の表現形式がアプリ関連位置データベース250内で利用されているものと異なっている場合はそれを変換した上で、アプリと関連付けられた位置情報を変数として両者の距離を表す関数を生成し、その関数の値が所定の値以下であることを示す条件式をデータベースプログラムが解釈できる式に変換する。
【0050】
次に、アプリ抽出モジュール206は生成した条件式を用いて、条件を満たすアプリをアプリ関連位置データベース250から全て抽出する(ステップS32)。
【0051】
図7は、アプリ関連位置データベース250内のアプリ関連位置テーブルの一例である。アプリ関連位置テーブルは、予め管理者により設定されてよい。アプリ関連位置テーブルにおいて、アプリIDを初めとするアプリに関するデータと、位置情報と、重みとが関連付けられて記憶されている。重みは、定数のみならず距離を引数にとる関数として設定されてもよいし、形式や値はアプリ毎に異なっていてよい。なお、アクセスポイントIP内の「*」は1から255の任意の値を表しており、通常はサブネットマスクにより表現される。
【0052】
次に、アプリ選択サーバ200のアプリ選択モジュール207は、抽出したアプリについて重みを参照する(ステップS33)。そして、重みが定数の場合にはそのままその値を利用するが、重みが定数でなく距離を引数とする関数である場合には、現在の位置情報から求めた関数値と、アプリケーションそのものの重み(定数)との和又は積などを算出してもよい。このようにして、各アプリについて重みを算出する(ステップS34)。
【0053】
最後にアプリ選択モジュール207は、抽出したアプリのうち重みが最大のものを特定し、そのアプリを選択する(ステップS35)。以上が、アプリ選択処理の手順である。
【0054】
アプリインストール処理に戻り、アプリ選択サーバ200の選択アプリデータ送信モジュール205は、選択したアプリに関するデータを携帯端末10に送信する(ステップS15)。携帯端末10のアプリデータ受信モジュール16はこれを受信すると(ステップS16)、インストール有無判断モジュール18が、受信したアプリに関するデータが示すアプリが携帯端末10にインストール済みであるかを判断する(ステップS17)。
【0055】
ここで、アプリが既にインストール済みであった場合(ステップS17:「YES」の場合)には、以下の処理を行わず、そのままアプリインストール処理を終了する。一方で、未インストールであった場合(ステップS17:「NO」の場合)には、アプリをインストールするために続けて以下の処理を行う。なお、アプリのインストール有無は、レジストリといったシステム情報を参照する他、ファイルの名前検索や内容検索によって実現してよい。
【0056】
図6は、受信したアプリに関するデータを表示する携帯端末10の表示部の一例である。画面には、ポータルアプリのアプリ名61と、位置情報62、アプリに関する情報63が表示される。これはアプリが未インストールの時の例であって、OKボタン64を押し下げることでインストールを開始し、キャンセルボタン65を押し下げることでインストールはキャンセルされる。
【0057】
ここで、アプリをインストールするため、携帯端末10のインストールモジュール19は、アプリケーションサーバ300に対して選択アプリのインストールを要求する(ステップS18)。その際に、リクエストのパラメータとして選択アプリに関するデータ、特にアプリIDといった識別子を送信する。
【0058】
アプリケーションサーバ300のアプリ関連データ受信モジュール304はリクエストパラメータとしてアプリ関連データを受信すると(ステップS19)、アプリインストールデータ読み出しモジュール306が当該アプリのインストールデータを記憶部より読み出し(ステップS20)、アプリインストールデータ送信モジュール305が当該インストールデータを携帯端末10に送信する(ステップS21)。
【0059】
携帯端末10のインストールモジュール19はアプリケーションサーバ300からインストールデータを受信すると(ステップS22)、そのまま当該データを解釈しインストール処理を実行することで、携帯端末10にアプリをインストールする(ステップS23)。
【0060】
以上の処理により、携帯端末10は位置情報に基づいたアプリをインストール可能となる。以上が、携帯端末10、アプリ選択サーバ200、アプリケーションサーバ300が実行する、アプリインストール処理の処理手順である。
【0061】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 アプリインストールシステム、10 携帯端末、200 アプリ選択サーバ、250 アプリ関連位置データベース、300 アプリケーションサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7