特許第6097249号(P6097249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オプティムの特許一覧

特許6097249会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム
<>
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000002
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000003
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000004
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000005
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000006
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000007
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000008
  • 特許6097249-会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097249
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20170306BHJP
【FI】
   G06Q40/00 400
   G06Q40/00ZIT
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-96409(P2014-96409)
(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公開番号】特開2015-215648(P2015-215648A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−063753(JP,A)
【文献】 特開2008−225958(JP,A)
【文献】 特開2002−259653(JP,A)
【文献】 特開2004−246772(JP,A)
【文献】 特開平11−053650(JP,A)
【文献】 特開平10−177684(JP,A)
【文献】 特開2005−122262(JP,A)
【文献】 特開2002−366627(JP,A)
【文献】 特表2004−507842(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0274792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバであって、
前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された前記商品の商品情報を含む購入情報が記載された商品購入メールを受信する商品購入メール受信手段と、
前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出する購入情報抽出手段と、
前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定する勘定科目特定手段と、
前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録する会計情報登録手段と、
前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録する資産登録手段と、
前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得する詳細商品情報取得手段と、
前記取得した情報を前記資産データベースに登録する詳細商品情報登録手段と、
を備えることを特徴とする会計登録サーバ。
【請求項2】
前記商品購入メールから、前記商品の購入時に利用した支払い情報を抽出する支払い情報抽出手段と、を備え、
前記支払い情報から、前記商品の貸方勘定科目を特定することを特徴とする請求項1に記載の会計登録サーバ。
【請求項3】
前記勘定科目毎に、予め対応した受信メールアドレスを設定し、
前記商品の商品識別子に替えて、前記商品購入メールを受信したアドレスに応じて、前記商品の勘定科目を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の会計登録サーバ。
【請求項4】
会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバが実行する会計登録方法であって、
前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された前記商品の商品情報を含む購入情報が記載された商品購入メールを受信するステップと、
前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出するステップと、
前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定するステップと、
前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録するステップと、
前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得するステップと、
前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップと、
前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得するステップと、
前記取得した情報を前記資産データベースに登録するステップと、
を備えることを特徴とする会計登録方法。
【請求項5】
会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバに、
前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された前記商品の商品情報を含む購入情報が記載された商品購入メールを受信するステップ、
前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出するステップ、
前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定するステップ、
前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録するステップ、
前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得するステップ、
前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップ、
前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得するステップ、
前記取得した情報を前記資産データベースに登録するステップ、
を実行させることを特徴とする会計登録サーバ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引に関するユーザの会計登録をメールの送受信で行う会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、インターネットを介した電子商取引は市場規模の拡大を続けており、利用者数は増加の一途を辿るとともに、電化製品や食品といった日用品までもがその取引の対象になっている。さらには、企業の運営する電子商取引サイトにおける商品の購入のみならず、インターネットオークション等を利用した個人同士の売買も、盛んに行われている。
【0003】
ところで、電子商取引においては、売買の情報は電子的なデータとして取り扱えるため、検索や統計処理といった管理が容易である。そのため、電子商取引サイトの多くは、顧客の取引履歴に基づいた推薦アルゴリズムを利用することで、顧客の購入意欲を刺激し、売上の向上を図っている。
【0004】
例えば、購入履歴を参照することで、商品の検索を行った時点で有効な推薦を行うことができ、商品の販売を促進するためのネットショッピング管理方法が明らかにされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公開2010−272015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、顧客の取引履歴の蓄積が電子商取引サイトの推薦精度の向上に寄与し、競争優位性として機能するという性質から、取引履歴は多くの場合において電子商取引サイトのみに蓄積され、ユーザ自身が自らの資産管理を有効に行えていないという課題があった。
【0007】
そこで本発明の発明者は、ユーザが商品を電子商取引サイトから購入した際の購入通知メールを解析することで、資産登録から会計処理に至るまでを自動的に一括で処理することによって、帳簿処理の観点からユーザの利便性を高められることに着目した。
【0008】
本発明は、電子商取引サイトから購入メールを受信した際、購入メールを自動的に解析し、ユーザの入力を必要とせずに随時、購入情報の会計登録処理を行う会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバであって、
前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された商品購入メールを受信する商品購入メール受信手段と、
前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出する購入情報抽出手段と、
前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定する勘定科目特定手段と、
前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録する会計情報登録手段と、
前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録する資産登録手段と、
前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得する詳細商品情報取得手段と、
前記取得した情報を前記資産データベースに登録する詳細商品情報登録手段と、
を備えることを特徴とする会計登録サーバを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバは、前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された商品購入メールを受信し、前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出し、前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定し、前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録し、前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得し、前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録し、前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得し、前記取得した情報を前記資産データベースに登録する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、会計登録サーバのカテゴリであるが、会計登録方法、及び会計登録サーバ用プログラムのカテゴリにおいても、カテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、前記商品購入メールから、前記商品の購入時に利用した支払い情報を抽出する支払い情報抽出手段と、を備え、
前記支払い情報から、前記商品の貸方勘定科目を特定することを特徴とする第1の特徴に係る発明である会計登録サーバを提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である会計登録サーバは、前記商品購入メールから、前記商品の購入時に利用した支払い情報を抽出し、前記支払い情報から、前記商品の貸方勘定科目を特定する。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、前記勘定科目毎に、予め対応した受信メールアドレスを設定し、前記商品の商品識別子に替えて、前記商品購入メールを受信したアドレスに応じて、前記商品の勘定科目を特定することを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明である会計登録サーバを提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明である会計登録サーバは、前記勘定科目毎に、予め対応した受信メールアドレスを設定し、前記商品の商品識別子に替えて、前記商品購入メールを受信したアドレスに応じて、前記商品の勘定科目を特定する。
【0019】
の特徴に係る発明は、会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバが実行する会計登録方法であって、
前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された商品購入メールを受信するステップと、
前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出するステップと、
前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定するステップと、
前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録するステップと、
前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得するステップと、
前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップと、
前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得するステップと、
前記取得した情報を前記資産データベースに登録するステップと、
を備えることを特徴とする会計登録方法を提供する。
【0020】
の特徴に係る発明は、会計情報データベース及び資産データベースを記憶部に備え、ユーザが購入した商品の会計登録を行う会計登録サーバに、
前記ユーザ、又は前記ユーザが電子商取引を行ったシステムから送信された商品購入メールを受信するステップ、
前記商品購入メールから、前記商品の名称、型番を初めとする商品識別子、価額、及び、購入点数を抽出するステップ、
前記取得した商品識別子に基づいて、当該商品の勘定科目を特定するステップ、
前記取得した購入情報と、前記特定した勘定科目を関連付けて会計情報として前記会計情報データベースに登録するステップ、
前記購入情報に含まれる商品識別子を用いて商品情報を取得するステップ、
前記受信した購入情報と、前記取得した商品情報とに基づいて、当該商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップ、
前記資産の商品情報を取得するに際し、前記商品の製品説明書、保証書、保証期間に関する情報を取得するステップ、
前記取得した情報を前記資産データベースに登録するステップ、
を実行させることを特徴とする会計登録サーバ用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電子商取引サイトから購入メールを受信した際、購入メールを自動的に解析し、ユーザの入力を必要とせずに随時、購入情報の会計登録処理を行う会計登録サーバ、会計登録方法、及び、会計登録サーバ用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、会計登録システム1の概要を説明するための概念図である。
図2図2は、会計登録システム1の全体構成図である
図3図3は、ユーザ利用端末10、会計登録サーバ200、ECサーバ300の機能ブロック図である。
図4図4は、ユーザ利用端末10、会計登録サーバ200、ECサーバ300が実行する、購入商品登録処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、会計登録サーバ200が受信商品購入メールの一例である。
図6図6は、会計登録後にユーザ利用端末10に自動送信される通知メールの一例である。
図7図7は、資産データベース250内の資産テーブルの一例である。
図8図8は、会計情報データベース251内の会計情報テーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
[会計登録システム1の概要]
図1に基づいて、本発明の好適な実施形態である会計登録システム1の概要について説明する。会計登録システム1は、ユーザ利用端末10、会計登録サーバ200、ECサーバ300から構成される。
【0025】
初めに、ユーザは、ユーザ利用端末10を用いて、ECサーバ300と通信を行い、ECサーバ300に商品の購入要求を送信する(ステップS01)。ここで、ECサーバ300は、電子商取引、いわゆるEC(Electric Commerce)サービスを提供するサーバである。
【0026】
次に、ECサーバ300は、ユーザ利用端末10から受信した購入要求に基づいて商品の購入処理を行い、決済処理や商品発送処理等を行ったうえで、購入手続きが完了した旨と、商品情報や決済処理の結果等を含む詳細な購入情報をユーザ利用端末10に送信する(ステップS02)。この通知は取引完了画面としてユーザ利用端末10に表示されるほか、エビデンスとして購入完了通知のメールを別途送信する方法が広く用いられている。この購入完了通知のメールを、以降は商品購入メールと呼ぶ。
【0027】
ECサーバ300は、ユーザが予め登録しておいた受信アドレス宛に、商品購入メールを送信する。ここでは、会計登録サーバ200が受信可能なアドレスを登録することで、会計登録サーバ200に商品購入メールが送信される。(ステップS03)。なお、ECサーバ300に代わりユーザが商品購入メールを転送してもよい。
【0028】
会計登録サーバ200は商品購入メールを受信すると、そこから商品情報や価格、数量、購入日等を抽出し、商品情報から商品の勘定科目を特定し、会計情報データベース251に商品の購入に関する会計情報を登録する(ステップS04)。
【0029】
会計登録サーバ200は、購入した商品を資産データベース250にユーザの資産として登録してもよい。なお、ここでいう資産は、いわゆる会計上の資産とは異なり、広くユーザの所有物や権利対象を指す。
【0030】
以上が、本発明の好適な実施形態である会計登録システム1の概要である。
【0031】
[会計登録システム1のシステム構成]
図2は、会計登録システム1のシステム構成を示す。会計登録システム1は、インターネット網などの公衆回線網3と、ユーザ利用端末10、会計登録サーバ200、資産データベース250、及び会計情報データベース251、及びECサーバ300から構成される。ユーザ利用端末10は、公衆回線網3を介して、会計登録サーバ200、ECサーバ300と通信可能に接続されている。会計登録サーバ200は、資産データベース250、及び会計情報データベース251を記憶部に備える。
【0032】
ここで、ユーザ利用端末10は、公衆回線網を介して取得した情報を表示し、ユーザから入力を受け付ける一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。例えば、ユーザ利用端末10は、パソコンのみならず、携帯電話、スマートフォン、スレート端末、ネットブック端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0033】
会計登録サーバ200は、後述の会計登録機能を備える一般的なサーバである。なお、一般的な構成の一つとして、資産データベース250、及び会計情報データベース251は通信可能なハードウェア上別のサーバの記憶部に記憶されていてもよい。
【0034】
ECサーバ300は電子商取引機能を備える、一般的なサーバであってよい。
【0035】
[各機能の説明]
図3に基づいて、各装置の構成について説明する。ユーザ利用端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。
【0036】
ユーザ利用端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、商品購入モジュール13、商品購入メール受信モジュール14を実現する。
【0037】
会計登録サーバ200は、ユーザ利用端末10と同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。加えて、会計登録サーバ100は、データやファイルを記憶する記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。記憶部203は、資産データベース250と、会計情報データベース251を備える。
【0038】
会計登録サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、商品購入メール受信モジュール204、購入情報抽出モジュール205、商品情報取得モジュール206、勘定科目特定モジュール207、支払い情報抽出モジュール208を実現する。また、会計登録サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、資産登録モジュール209、会計情報登録モジュール210、詳細商品情報登録モジュール211を実現する。
【0039】
また、ECサーバ300は、ユーザ利用端末10と同様に、制御部301として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部302として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。
【0040】
ECサーバ300において、制御部301が所定のプログラムを読み込むことで、通信部302と協働して、購入処理モジュール303、商品購入メール送信モジュール304を実現する。
【0041】
[購入商品登録処理]
図4は、会計登録システム1において、ユーザ利用端末10、会計登録サーバ200、ECサーバ300が実行する、購入商品登録処理の手順を表したフローチャートである。この購入商品の資産登録処理について説明する。
【0042】
初めに、ユーザ利用端末10の商品購入モジュール13は、ECサーバ300と通信し、購入したい商品について、商品の購入要求を送信する(ステップS11)。通常、購入要求には、商品情報と、数量と、決済情報等が含まれる。
【0043】
ECサーバ300の購入処理モジュール303は、商品購入要求を受信し(ステップS12)、商品の購入処理を実行する(ステップS13)。
【0044】
これら一連の商品購入手続きは、より具体的には、HTML(HyperText Markup Language)等で記述された商品情報をユーザ利用端末10が備えるブラウジング機能等で表示し、ユーザが商品情報を閲覧するとともに、購入の意思決定をした際には、商品の購入要求を送信する。ECサーバ300による購入処理には、具体的に決済の実行に加え、物については発送手続き、ソフトウェア等についてはライセンスの発行処理等が含まれる。
【0045】
商品の購入処理が完了すると、ECサーバ300の商品購入メール送信モジュール304は、ユーザ利用端末10、及び会計登録サーバ200に対して、購入手続きが完了した旨と、商品情報や決済処理の結果等を含む商品購入メールを送信する(ステップS14)。
【0046】
このように、情報をやり取りする手段としてメールを採用することで、ECサーバ300がAPIとして、会計登録サーバ200を初めとする他のサーバとの連携機能を備えていない場合であっても、情報の連携を行うことができる。なお、ECサーバ300が直接会計登録サーバ200に対してメールを送信しない場合、ユーザ利用端末10が受信した商品購入メールを、会計登録サーバ200に転送してもよい(ステップS15)。
【0047】
会計登録サーバ200の商品購入メール受信モジュール204は、ECサーバ300又はユーザ利用端末10から商品購入メールを受信する(ステップS16)。ここで、会計登録サーバ200が購入メールを受信するというのは、プログラムによって別のメールサーバにログインして受信メールを確認可能であってもよいし、会計登録サーバ200自体がメールサーバであって、会計登録サーバ200宛に送信されたメールを解析してもよい。
【0048】
次に、会計登録サーバ200の購入情報抽出モジュール205は、受信した商品購入メールから購入情報を抽出する(ステップS17)。購入情報は、商品ID、商品名、型番といった商品の識別子と、購入点数と、価格等で構成される。
【0049】
図5は、会計登録サーバ200が受信商品購入メールの一例である。図5は、メールであることを分かり易くするために編集画面の体をとっているが、編集可能でなくてよい。図5に示すような商品購入メールでは、商品名51、数量52、価格53のほか、支払い方法54が必ず記載されている。また、メッセージ55のような無意味な情報は除外して、必要な情報を抽出する必要がある。ただし、このような自動送信のメールは定型のフォーマットに従って生成されるので、そのフォーマットを生成と逆順処理するようなパターンを予め登録することで、購入情報が抽出可能である。
【0050】
商品情報取得モジュール206は、購入情報に含まれる商品について、商品情報を取得する(ステップS18)。より詳細な商品情報を取得したい場合には、商品情報取得モジュール206は電子商取引サイトのAPIを利用したり、商品名を検索エンジンで検索したり、メーカーサイトを参照したりすることで、ウェブマイニング等によってより詳細な商品情報を取得してもよい。
【0051】
次に、会計登録サーバ200の勘定科目特定モジュール207は、購入された商品について、勘定科目を特定する(ステップS19)。ここでは、商品による借方勘定科目と、支払い方法による貸方勘定科目の両方を特定する。
【0052】
借方勘定科目は商品の品目や種類により一意に定まるので、商品識別子や、そこから商品情報として取得できる商品のカテゴリを参照して決定してよい。また、ユーザから個別に商品の勘定科目を指定された場合には、それを用いてよい。これらの勘定科目は、リスト化又はデータベース化して記憶部に記憶してよく、そのユーザや他のユーザに関する商品の勘定科目の特定において利用してもよい。
【0053】
また、勘定科目については、予め会計登録サーバ200が勘定科目毎に複数のメールアドレスを設定し、送信先を分けることで、それに対応した勘定科目を用いてよい。先述のように、自動生成されたメールに情報付加することは好ましくなく、またユーザに手間がかかり利便性を損なう恐れがあるものの、送信先を分けて設定することで、ユーザに負担なく詳細な情報の指定が可能になる。
【0054】
次に、会計登録サーバ200の会計情報登録モジュール210は、購入商品について購入日、商品名、価格、勘定科目等を会計情報データベース251に登録する(ステップS20)。これにより、会計情報データベース251の内容が、そのまま会計帳簿として利用可能となる。
【0055】
図8は、会計情報データベース251内の会計情報テーブルの一例である。会計情報テーブルには、購入日、商品詳細、金額、借方勘定科目、貸方勘定科目が関連付けられて記憶されている。また、貸方勘定科目は銀行振込の場合は普通預金となるものの、クレジットカード利用の場合は一旦未払金になるなど異なる処理がなされている。また、各会計項目が資産として登録されている時は、関連する資産IDが関連付けられ、参照可能になっていてよい。
【0056】
図6は、会計登録後にユーザ利用端末10に自動送信される通知メールの一例である。メールでは、メッセージ61と、詳細な説明62が含まれる他、特記事項63がある場合にはその旨が記載される。この例では、取得価額が10万円を越える資産について、減価償却処理を行う必要がある旨が警告されている。ユーザは電子商取引を完了した後、商品購入メールと図6のような会計登録完了メールを自動的に受信することで、会計登録が行われたことを知ることができる。
【0057】
次に、会計登録サーバ200の資産登録モジュール209は、購入情報と商品情報に基づき、購入商品を資産として資産データベース250に登録する(ステップS21)。
【0058】
また、ECサーバ300は会計登録サーバ200等の求めに応じて、購入された商品について、商品名や商品コードと関連付けられたマニュアルや保証書を送信する(ステップS21)。会計登録サーバ200は購入情報に基づき、購入商品に関するマニュアルや保証書を受信する(ステップS22)と、資産登録モジュール209が、資産として登録した購入商品に関連付けてマニュアル及び保証書を資産データベース250に登録する(ステップS23)。
【0059】
図7は、資産データベース250内の資産テーブルの一例である。資産テーブルには、商品の購入日、購入店舗、商品名、価格、数量、保証期間、マニュアルの有無が記憶され、過去の購入履歴が一覧で閲覧可能になっている。また、各資産にはユニークな資産IDが割り振られている。ここでは一ユーザの内容を表示しているが、各資産にユーザIDを関連づけることで、複数のユーザの資産が一のテーブルで管理されてよい。マニュアルは、有無だけでなく、URLやファイル名、マニュアルデータそのものが記憶されていても良い。なお、会計情報テーブルに資産IDが記憶される場合、資産テーブル内の資産IDによって参照可能になっている必要があることに注意する。
【0060】
以上が、ユーザ利用端末10、会計登録サーバ200、ECサーバ300が実行する購入商品登録処理の手順である。
【0061】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 会計登録システム、10 ユーザ利用端末、200 会計登録サーバ、250 資産データベース、251 会計情報データベース、300 ECサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8