(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば工場内において、工作機械などの産業用機械が設置された区域の出入り口には、扉の開閉状態に応じてオン、オフする安全スイッチが設けられている。このような安全スイッチにおいて、例えば扉を勢いよく閉めた際には、アクチュエータがスイッチ本体に挿入されてスイッチ本体内部の接点が切り換わった後に扉の慣性で扉がさらに壁に向かって移動しようとするため、アクチュエータやスイッチ本体内部の接点に衝撃荷重が作用し、その結果、アクチュエータやスイッチ本体内部の機構が破損する恐れがあった。
【0003】
そこで、特開2012−221880号公報に記載の安全スイッチ装置においては、カバー(12)に取り付けられたスイッチ本体(16)と、スライドドア(13)に設けられ、スイッチ本体(16)に係合可能な操作キー(18)とを設け(同公報の段落[0013]および
図1参照)、操作キー(18)をコ字状のブラケット(25)の前端部(25a)に取り付け、ブラケット(25)の前端部(25a)および後端部(25b)をシャフト(27)で連結するとともに、シャフト(27)を、スライドドア(13)に固定されたブロック(31)にスライド自在に支持し、ブラケット前端部(25a)およびブロック前端面間においてシャフト(25)の周囲にコイルばね(34)を装着している(同公報の段落[0017]、[0019]、[0020]〜[0023]ならびに
図2、
図3、
図7〜
図9参照)。
【0004】
上記公報に記載のものでは、スライドドア(13)を勢いよく閉めたとき、ます操作キー(18)がスイッチ本体(16)の内部に挿入されてロックされるとともに、ブラケット(25)の前端部(25a)の移動がスイッチ本体(16)の側のブラケット先端部(24b)で一旦受け止められる。そして、この状態からスライドドア(13)の慣性でスライドドア(13)がさらに閉まろうとすると、コイルばね(34)がブラケット前端部(25a)およびブロック前端面間で弾性圧縮変形し、これにより、ブラケット前端部(25a)がスイッチ本体側のブラケット先端部(24b)に衝突する際の衝撃を吸収している(同公報の段落[0026]〜[0032]ならびに
図7〜
図9参照)。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例によるアクチュエータ機構の全体斜視図である。
【
図2】前記アクチュエータ機構(
図1)の正面図である。
【
図3】前記アクチュエータ機構(
図1)の平面図である。
【
図4】前記アクチュエータ機構(
図1)の底面図である。
【
図5】前記アクチュエータ機構(
図1)の側面図である。
【
図6】前記アクチュエータ機構(
図1)においてカバー部を取り去った状態を示す平面図である。
【
図7】扉閉塞時のアクチュエータ機構(
図1)の作動を説明するための図であって、アクチュエータがスイッチ本体内部に挿入されるとともに、スイッチ本体内部のロック機構をロックするロック位置に配置されて、扉閉接点がオンになったときの状態を示している。
【
図8】扉閉塞時のアクチュエータ機構(
図1)の作動を説明するための図であって、扉が正常に閉まった状態を示している。
【
図9】扉閉塞時のアクチュエータ機構(
図1)の作動を説明するための図であって、扉が過度に押込まれた状態を示している。
【
図10】扉閉塞時のアクチュエータ機構(
図1)の作動を説明するための図であって、扉を閉めた直後に反動で扉が開方向に移動してストッパにより停止した状態を示している。
【
図11】扉閉塞時のアクチュエータ機構(
図1)の作動を説明するための図であって、扉が反動でさらに開方向に移動して扉閉接点がオフになった状態を示している。
【
図12】本発明の第1の変形例によるアクチュエータ機構の平面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図13】本発明の第3の変形例によるアクチュエータ機構におけるアクチュエータを示す平面図である。
【
図14】本発明の第4の変形例によるアクチュエータ機構におけるアクチュエータを示す平面図である。
【
図16】本発明の第6の変形例によるアクチュエータ機構の平面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図17】本発明の第7の変形例によるアクチュエータ機構の平面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図18】本発明の第9の変形例によるアクチュエータ機構の平面図であって、前記実施例の
図6に相当する図である。
【
図19】本発明の第10の変形例によるアクチュエータ機構の平面図であって、前記実施例の
図3に相当する図である。
【
図20】前記アクチュエータ機構(
図19)における衝撃吸収用クッション部材の一例を示す図である。
【
図21】前記アクチュエータ機構(
図19)における衝撃吸収用クッション部材の他の例を示す図である。
【
図22】本発明の第11の変形例によるアクチュエータ機構の平面図であって、前記実施例の
図3に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし
図6は、本発明の一実施例による安全スイッチ用アクチュエータ機構を示している。このアクチュエータ機構1は、開閉扉の側に設けられており、壁側(または固定扉側)に配置されるスイッチ本体とともに扉の開閉検知用の安全スイッチを構成している。
【0015】
これらの図に示すように、アクチュエータ機構1は、アクチュエータ2と、アクチュエータ2をスライド自在に支持するアクチュエータ支持部3とを備えている。
【0016】
アクチュエータ2は、後述するスイッチ本体(
図7ないし
図10中の符号100参照)に対して抜き差し自在な部材であって、スイッチ本体100のアクチュエータ挿入孔(図示せず)に挿入される先端部20と、先端部20よりも幅広の基端部21とを有している。先端部20は、先端に形成された切欠き20aと、その後方に形成された開孔20bとを有しており、これらはスイッチ本体100の内部機構に係合するようになっている。基端部21は、アクチュエータ支持部3に出没自在に挿入されている。
【0017】
アクチュエータ支持部3は、ベース部4と、ベース部4との間でアクチュエータ2を収容する内部空間S(
図5)を形成するカバー部5とを有しており、ベース部4とカバー部5は例えばスポット溶接等で固定されている。
図5に示すように、ベース部4は側面視が扁平なハット状の部材であって、左右両端に配置された一対の張出部4aと、各張出部4aの間に配置された凸状の中央部4bとを有している。同様に、カバー部5も側面視ハット状の部材であって、両端に配置された一対の張出部5aと、各張出部5aの間に配置された凸状の中央部5bとを有している。各張出部4a、5aには、ベース部4およびカバー部5を扉に固定するための取付ネジ挿入用の取付孔40、50が形成されており(
図1参照)、当該各張出部4a、5aを重ね合わせた状態で各取付孔40、50は上下に整列している。各中央部4b、5bにより内部空間Sが画成されている。
【0018】
ベース部4の中央部4bには、内部空間Sの側に突出する複数の突起41が形成されており、同様に、カバー部5の中央部5bには、内部空間Sの側に突出する複数の突起51が形成されている。各突起41、51は、アクチュエータ2のスライド方向(
図5紙面垂直方向)に延びている。アクチュエータ2は、これらの突起41、51によりスライド自在に支持されている。各突起41、51は、ベース部4、カバー部5のそれぞれの外面側では凹部となって現れている(
図1、
図3、図4参照)。
【0019】
アクチュエータ2の基端部21には、
図6に示すように、幅方向中央に貫通形成され、スプリング6を収容するための長孔状のスプリング孔21aと、その左右両側に貫通形成され、後述するストッパが係合する長孔状のストッパ孔21bとが形成されている。スプリング孔21aの開口端21a’には、スプリング6の一端を係止するための突起23が設けられている。開口端21a’は幅広に形成されているが、これは、スプリング孔21aのプレス打抜き成形時と同時に突起23を形成するための金型の製作上の理由による。
【0020】
カバー部5の中央部5bの左右の肩部は、
図1、
図3に示すように、一対の切欠き52によって切り欠かれており、各切欠き52内には、下方つまり内部空間Sの側に屈曲しつつ延びる帯状のストッパ53が設けられている(
図5参照)。各ストッパ53は、アクチュエータ2の基端部21の対応する各ストッパ孔21bを挿通して下方に延びるとともに、ベース部4に形成された各貫通孔42をさらに挿通して下方に延びている(
図4、
図5、
図6参照)。これらのストッパ53によって、アクチュエータ2のスライド移動量が規制されている。
【0021】
ベース部4の中央部4bにおいて各突起41の間の領域部分は、
図4に示すように、切欠き43によって切り欠かれており、切欠き43内には、上方つまり内部空間Sの側に屈曲しつつ延びる帯状のばね受け部44が設けられている。ばね受け部44は、アクチュエータ2の基端部21のスプリング孔21aを挿通して上方に延びるとともに、カバー部5に形成された貫通孔54に挿入されている(
図3、
図6参照)。
【0022】
スプリング6は、アクチュエータ2の基端部21のスプリング孔21aと、ベース部4の中央部4bのばね受け部44と、ベース部4の中央部4bおよびカバー部5の中央部5bとによって、つまり、アクチュエータ2およびアクチュエータ支持部3によって規定される収容スペースに収容されており、アクチュエータ2をアクチュエータ支持部3に対して弾性的に支持するための部材である。ここでは、単一のコイルスプリングが図示されているが、たとえば大小2種類のコイルばねからなる組合せばねを用いるようにしてもよい。スプリング6の一端は、アクチュエータ2の基端部21のスプリング孔21a内においてベース部4のばね受け部44に圧接しており、他端は、当該スプリング孔21aの開口端21a’に圧接している(
図6参照)。これにより、アクチュエータ2は、アクチュエータ支持部3から突出する方向に常時付勢されている。
【0023】
次に、本実施例によるアクチュエータ機構の作動について、
図7ないし
図11を用いて説明する。これらの図において、アクチュエータ機構1は扉Dに設けられており、スイッチ本体100は壁(または固定扉)Wに設けられている。壁Wの端面(扉Dの端面でも可)には、クッション材101、102が装着されている。
図7〜
図11は、扉を閉める際(扉閉塞時)の動作を時系列的に示している。
【0024】
図7は、アクチュエータ2の先端部20がスイッチ本体100に挿入されるとともに、スイッチ本体100内部のロック機構をロックするロック位置に配置されて、扉閉接点がオンになったときの状態を示している。このとき、扉Dの端面とクッション材101、102との間には、隙間d
1が形成されている。
【0025】
図7に示す状態から扉Dが閉塞方向にさらに移動すると、
図8に示すように、アクチュエータ2の基端部21がアクチュエータ支持部3内にほぼ没入して、扉Dが正常に閉まった状態になる。このとき、扉Dの端面とクッション材101、102との間の隙間d
2は、d
2=0になる。
【0026】
次に、扉Dが過度に押し込まれた場合には、
図9に示すように、アクチュエータ2の基端部21がアクチュエータ支持部3内に完全に没入した状態になり、またクッション材101、102が圧縮変形して潰された状態になっており、このとき、扉Dの端面と変形前のクッション材101、102との間の隙間d
3は、d
3<0になる。このd
3は、扉Dの正常な閉塞状態に対する過剰な押込み量を示しており、言い換えれば、扉Dの正常な閉塞状態からの押込み許容量を示している。なお、各図において、アクチュエータ2がアクチュエータ支持部3に対して最大伸長した状態からアクチュエータ支持部3内に縮退する際には、スプリング6(
図6)の圧縮変形にともなう弾性反発力がアクチュエータ2の基端部21に作用している。
【0027】
次に、扉Dを閉めた直後に反動で扉Dが開方向に移動(つまりバウンド)した場合には、
図10に示すように、アクチュエータ支持部3内に没入していたアクチュエータ2の基端部21がアクチュエータ支持部3から突出するが、この突出移動の際には、カバー部5の各ストッパ53がアクチュエータ2の基端部21の各ストッパ孔21bの端面に当接することにより、アクチュエータ2の基端部21の移動が停止される。このとき、扉Dの端面とクッション材101、102との間の隙間d
4は、d
4>d
1になる。このd
4は、扉閉接点がオン状態を維持できるバウンド許容量を示しており、言い換えれば、扉Dの隙間許容量を示している。なお、各ストッパ53は、矩形状断面(
図4参照)の短辺側(長辺側ではなく)がストッパ孔21bの端面に当接するように設けられているので、曲げ強度が高く、ストッパとしての耐久性が高い。
【0028】
また、扉Dが反動でさらに開方向に移動した場合には、
図11に示すように、スイッチ本体100の内部に没入していたアクチュエータ2の先端部20がスイッチ本体100から若干量突出して扉閉接点がオフとなる。このとき、扉Dの端面とクッション材101、102との間の隙間d
5は、d
5>d
4になる。
【0029】
このような本実施例によれば、
図7に示すようにアクチュエータ2の先端部20がスイッチ本体100内部のロック機構をロックするロック位置に配置されて扉閉接点がオンになった状態から、
図8および
図9に示すように扉Dがさらに閉塞方向に移動するとき、アクチュエータ2の基端部21がアクチュエータ支持部3内に縮退し、それにともなってアクチュエータ支持部3内部のスプリング6の圧縮変形による弾性反発力が作用するので、扉Dの閉塞方向への移動に対して制動力を作用させつつ閉塞方向への移動を吸収できるとともに、スイッチ本体100内部のロック機構に過大な力が作用してロック機構が破損するのを防止できる。その一方、扉Dが反動で開方向に移動する場合には、アクチュエータ支持部3内に縮退していたアクチュエータ2が伸長するので、扉閉接点のオン状態を維持しつつ、扉Dの開方向への移動を許容できる。
【0030】
さらに、本実施例によれば、スプリング6が、アクチュエータ2およびアクチュエータ支持部3で規定される収容スペースに収容されるので、スプリング6を支持するために支軸等の別個の部材を必要とせず、アクチュエータ2をスライド自在に支持するのに多数の部品を必要としないので、部品点数を削減でき、構造を簡略化できる。
【0031】
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。なお、これらの変形例を示す各図において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0032】
〔第1の変形例〕
図12は本発明の第1の変形例を示しており、前記実施例の
図6に相当する図である。前記実施例では、ベース部4のばね受け部44がアクチュエータ2の基端部21のスプリング孔21a内の後側開口端に配置された例を示したが、この第1の変形例では、ベース部4のばね受け部44がアクチュエータ2のスプリング孔21a内の前側開口端に配置されている。
【0033】
このような構成の違いによって、前記実施例では、スプリング6のばね力によりアクチュエータ2がベース部4から突出する側に付勢されているのに対し、当該第1の変形例では、スプリング6のばね力によりアクチュエータ2がベース部4内に縮退する側に付勢されており、アクチュエータ2に対するスプリング6のばね力の付勢方向が逆になっている。このため、前記実施例においては、扉Dが閉まる際の扉Dの移動を弾性的に吸収できるのに対して、当該第1の変形例に示すものでは、扉Dを閉めた直後に扉Dが反動で開方向にバウンドする際の扉Dの移動を弾性的に吸収できる。
【0034】
〔第2の変形例〕
第2の変形例は、図示していないが、前記実施例および前記第1の変形例を折衷した形態を有しており、ベース部4のばね受け部44をアクチュエータ2のスプリング孔21aの中央に配置し、スプリング孔21aの前側開口端とばね受け部44の間に第1のスプリングを配設するとともに、スプリング孔21aの後側開口端とばね受け部44の間に第2のスプリングを配設している。この場合には、扉Dが閉まる際の扉Dの移動を弾性的に吸収できるばかりでなく、扉Dを閉めた直後に扉Dが反動で開方向にバウンドする際の扉Dの移動をも弾性的に吸収できる。
【0035】
〔第3の変形例〕
図13は本発明の第3の変形例を示しており、前記実施例の
図6に相当しているが、
図13ではベース部4を省略して示している。前記実施例では、スプリング6がアクチュエータ2のスプリング孔21aに収容された例を示したが、この第3の変形例では、アクチュエータ2に切欠き21cが形成されており、当該切欠き21cにスプリング6が収容されている。この場合には、アクチュエータ2をアクチュエータ支持部3に組み込んだ後に、切欠き21cの開口端側から切欠き21c内にスプリング6を収容するように構成することも可能である。
【0036】
〔第4の変形例〕
図14、
図15は本発明の第4の変形例を示している。
図14はアクチュエータ単体を示すとともに、
図15は
図14のXV-XV断面をベース部4とともに示している。これらの図に示すように、アクチュエータ2の基端部21は、長手方向に延びる凸状部22を有しており、凸状部22はその裏面側に凹部22aを有している。スプリング6は凹部22a内に収容されている。この場合には、カバー部5を省略した構成にすることが可能である。
【0037】
〔第5の変形例〕
第5の変形例は、図示していないが、前記実施例のスプリング収容孔21a、前記第3の変形例の切欠き21c、第4の変形例の凹部22aにそれぞれ対応する長孔、切欠きまたは凹部がアクチュエータ支持部3に設けられている。
【0038】
〔第6の変形例〕
図16は本発明の第6の変形例を示しており、前記実施例の
図6に相当している。前記実施例では、アクチュエータ2の基端部21に形成されたスプリング収容孔21aにスプリング6が収容された例を示したが、この第6の変形例は、ベース部4の後端に形成された立壁面45とアクチュエータ2の基端部21の後端面21Aとで規定される収容スペースに、V字状に折り曲げられた板ばね7が収容されている。板ばね7の一端はアクチュエータ2の基端部21の後端面21Aに圧接し、他端を含む直線状部分はベース部4の立壁面45に圧接している。
【0039】
〔第7の変形例〕
図17は本発明の第7の変形例を示しており、前記実施例の
図6に相当している。この第7の変形例では、前記第6の変形例のスプリング7の代わりに一対のトーションばね8A、8Bが設けられている。トーションばね8Aは、ベース部4の中央部4bに立設された軸部46に挿入されるとともに、その一端がアクチュエータ2の基端部21の後端面21Aに圧接し、他端がベース部4の中央部4bに形成された孔47に係合している。同様に、トーションばね8Bは、ベース部4の中央部4bの軸部46に挿入されるとともに、その一端がアクチュエータ2の基端部21の後端面21Aに圧接し、他端がベース部4の中央部4bに形成された孔48に係合している。なお、これらのトーションばね8A、8Bはいずれか一方を省略してもよい。
【0040】
〔第8の変形例〕
前記実施例では、ストッパ53がカバー部5に設けられた例を示したが、第8の変形例では、ストッパがベース部4またはアクチュエータ2の基端部21に設けられている(図示せず)。
【0041】
〔第9の変形例〕
図18は本発明の第9の変形例を示しており、前記実施例の
図6に相当している。この第9の変形例では、ベース部4に一対の切欠き4cが形成されるとともに、当該各切欠き4c内にそれぞればね9が配設されており、各ばね9の先端にはたとえば錐体状の係止部25が取り付けられている。一方、アクチュエータ2の基端部21には、各係止部25がそれぞれ係止し得る一対の係止凹部21dが形成されている。各係止部25は、ばね9のばね力によって、対応する各係止凹部21dに弾性的に係止されている。
【0042】
この場合には、アクチュエータ2に作用する荷重がある一定レベルを超えたときに各係止部25が各係止凹部21dから外れることで、アクチュエータ2がアクチュエータ支持部3内に縮退するようになるので、アクチュエータ2がアクチュエータ支持部3内に縮退する際のアクチュエータ2の動きを、アクチュエータ2に作用する荷重がある一定レベルまでは規制できるようになる。
【0043】
〔第10の変形例〕
図19ないし
図21は本発明の第10の変形例を示している。
図19は前記実施例の
図3に相当しているが、
図19においては、アクチュエータ2の先端部20がスイッチ本体100の内部に挿入された状態が示されている。
図19に示すように、アクチュエータ2において先端部20と基端部21の境界部分には、係合凹部または係合孔21eが形成されており、当該境界部分(つまり基端部21の肩部)には、クッション部材15が装着されている。クッション部材15は、
図20および
図21に示すように、たとえば矩形板状の枠状部材であって、アクチュエータ2の先端部20が挿通し得る大きさの矩形状の貫通孔15aと、貫通孔15a内に突出する係合突起15bおよび(または)15cとを有している。各係合突起15b、15cは、アクチュエータ2の係合凹部または係合孔21eに係合し得るようになっている。クッション材15を構成する材料は、金属、樹脂、ゴム等のいずれでもよいが、金属から構成される場合には、クッション材15は板厚方向に湾曲または屈曲しているのが好ましい。これは、板厚方向のばね性を得るためである。
【0044】
この場合には、アクチュエータ2の基端部21の肩部にクッション部材15を設けることにより、アクチュエータ2の基端部21の肩部がスイッチ本体100に直接衝突するのを回避できるとともに、アクチュエータ2の基端部21の肩部がスイッチ本体100に及ぼす衝撃を吸収緩和できる。
【0045】
〔第11の変形例〕
図22ないし
図24は本発明の第11の変形例を示している。
図22、
図23は、前記実施例の
図3、
図5にそれぞれ対応しており、
図24は
図22のXXIV-XXIV線断面図である。この第11の変形例では、
図23に示すように、カバー部5の各張出部5aが、前記実施例のように両外側に張り出すのではなく、内側に折り曲げられており、前記実施例のベース部4に相当する部材は設けられていない。すなわち、この場合には、アクチュエータ支持部3がカバー部5のみから構成されている。
【0046】
カバー部5の中央部5bには、長孔55aが形成されており、長孔55a内には帯状部55が配設されている。帯状部55は、下方つまり内部空間Sの側に屈曲しつつ延びるばね受け部55bを先端に有している。ばね受け部55bは、アクチュエータ2の基端部21のスプリング孔21aを挿通して下方に延びている。スプリング6の一端は、アクチュエータ2の基端部21のスプリング孔21a内においてベース部4のばね受け部55bに圧接しており、他端は、当該スプリング孔21aの開口端21a’に圧接している。これにより、アクチュエータ2は、アクチュエータ支持部3から突出する方向に常時付勢されている。
【0047】
カバー部5の中央部5bにおいて長孔55aの両側には、一対の長孔56a、57aが形成されている。長孔56a、57a内には帯状部56、57がそれぞれ配設されている。帯状部56は、下方つまり内部空間Sの側に屈曲しつつ延びるストッパ56bを有しており、ストッパ56bは、アクチュエータ2の基端部21の対応するストッパ孔(図示せず)を挿通して下方に延びている。同様に、帯状部57は、下方つまり内部空間Sの側に屈曲しつつ延びるストッパ57bを有しており、ストッパ57bは、アクチュエータ2の基端部21の対応するストッパ孔(図示せず)を挿通して下方に延びている。これらのストッパ56b、57bにより、アクチュエータ2のスライド移動量が規制されている。
【0048】
〔第12の変形例〕
前記実施例におけるスプリング6、前記第6の変形例における板ばね7、前記第7の変形例におけるトーションばね8A、8Bの代わりに、反発係数の大きな素材(ラバー、エラストマー、発泡材等)からなる弾性ブロックを用いるようにしてもよく、あるいは、小型のショックアブソーバー(油圧式、空圧式等)を採用するようにしてもよい。
【0049】
〔第13の変形例〕
前記実施例では、扉Dがスライド式の場合を例にとって説明したが、扉Dは回動式であってもよい。この場合、アクチュエータは、扉の回動方向に対して接線方向に抜き差し自在に設けるようにすればよい。
【0050】
〔第14の変形例〕
前記実施例では、スイッチ本体を設けた壁(または固定扉)Wに対して、アクチュエータ機構を設けた扉Dをスライドさせる場合を例にとって説明したが、アクチュエータ機構を壁(または固定扉)Wに設け、スイッチ本体を扉Dに設けるようにしてもよい。また、双方の扉がスライドし得る場合には、アクチュエータ側の扉Dおよびスイッチ本体側の扉Wの双方を同時に接近方向にスライドさせたり、あるいは、アクチュエータ側の扉Dを停止させた状態でスイッチ本体側の扉Wを扉Dの側にスライドさせる(もしくは扉Wを停止させた状態で扉Dを扉Wの側にスライドさせる)ようにしてもよい。