(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097260
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】使用者と外科用または歯科用器具との間のインターフェース・デバイス
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
A61C19/00 Z
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-187326(P2014-187326)
(22)【出願日】2014年9月16日
(62)【分割の表示】特願2013-509536(P2013-509536)の分割
【原出願日】2011年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-231018(P2014-231018A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2014年9月16日
(31)【優先権主張番号】10162731.3
(32)【優先日】2010年5月12日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508078606
【氏名又は名称】ビエン−エアー ホールディング エスアー
【氏名又は名称原語表記】Bien−Air Holding SA
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】フロショー,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ガリナ,マルコ
【審査官】
宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−223216(JP,A)
【文献】
特表2009−516555(JP,A)
【文献】
特表2006−521139(JP,A)
【文献】
特開平1−119254(JP,A)
【文献】
特表2007−519449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
A61B 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型の人間−機械インターフェース・デバイス(1)と少なくとも一つの外科用または歯科用器具(4)の制御装置(2)とを備えたシステムであって、それぞれ異なる使用者に属する複数の携帯型の人間−機械インターフェース・デバイス(1)は複数の使用者によって共用される前記制御装置(2)と必要なときに取外し可能に接続でき、前記制御装置(2)は電源および制御ユニット(6)または卓上機器(8)内に設置され、前記インターフェース・デバイス(1)は、使用者が前記インターフェース・デバイス(1)内へ命令またはデータを入力して前記制御装置(2)を介して前記外科用または歯科用器具(4)の動作を制御できるハードウェアおよびソフトウェア手段を備え、
前記インターフェース・デバイス(1)内で実施される前記ソフトウェア手段は、使用者が慣れた作業環境を再現するために、前記インターフェース・デバイス(1)と前記制御装置(2)との間の通信プロトコルに加えて、前記電源および制御ユニット(6)または前記卓上機器(8)に接続された前記外科用または歯科用器具(4)を、そのインターフェース・デバイス(1)の使用者が使用するために必要なすべてのプログラムを含み、
それぞれ異なる器具(4)に対応するいくつかのユーザ・プログラムは、前記インターフェース・デバイス(1)内で実施され、さらに、
前記インターフェース・デバイス(1)と前記制御装置(2)はマスタ/スレーブ・アセンブリを形成し、前記インターフェース・デバイス(1)を前記マスタとし、前記制御装置(2)を前記スレーブとすることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記インターフェース・デバイス(1)は、前記外科用または歯科用器具(4)の前記制御装置(2)からの情報を処理し、対応する命令を前記制御装置(2)へ送り返すハードウェアおよびソフトウェア手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インターフェース・デバイス(1)は、前記外科用または歯科用器具(4)の前記制御装置(2)からの情報および前記使用者によって入力された前記命令またはデータを表示するハードウェアおよびソフトウェア手段を含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記インターフェース・デバイス(1)は、前記外科用または歯科用器具(4)の前記制御装置(2)からの情報を処理および記憶し、前記制御装置(2)からの情報を常駐または遠隔データベースへ移出するハードウェアおよびソフトウェア手段を含むことを特徴とする、請求項2から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ソフトウェア手段は、いくつかの器具(4)に対する前記ユーザ・プログラムを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記インターフェース・デバイス(1)は、前記使用者が命令またはデータを入力できる少なくとも1つのキーボード(10)と、情報を表示する少なくとも1つの手段(12)とを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記インターフェース・デバイス(1)は、有線接続または無線接続を介して前記制御装置(2)に接続されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記インターフェース・デバイス(1)と前記制御装置(2)との間が有線接続である場合、前記接続は、前記電源および制御ユニット(6)もしくは前記卓上機器(8)上に配置され、または前記電源および制御ユニット(6)もしくは前記卓上機器(8)内にしっかりと組み込まれたベース(14)を介して行われることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記インターフェース・デバイス(1)と前記外科用または歯科用器具(4)の前記制御装置(2)は、RS−232シリアル通信バスによって互いに接続されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記インターフェース・デバイス(1)は、前記制御装置(2)を介して電力供給され、前記制御装置(2)は、前記制御装置が組み込まれた前記電源および制御ユニット(6)または前記卓上機器(8)によって電力供給されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記インターフェース・デバイス(1)は、一般的な電池または充電式の電池によって動作し、前記充電式の電池は、前記電源および制御ユニット(6)もしくは前記卓上機器(8)内に組み込まれた前記制御装置(2)によって充電され、または別個の充電器によって充電されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記器具(4)を使用するための前記ソフトウェアは、内蔵コネクタによってパーソナル・コンピュータから、無線接続を介して、またはUSBスティックを介して、前記インターフェース・デバイス(1)内に読み込まれることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記インターフェース・デバイス(1)はスマートフォンであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
携帯型の人間−機械インターフェース・デバイス(1)と少なくとも一つの外科用または歯科用器具(4)の制御装置(2)とを備えたシステムであって、それぞれ異なる使用者に属する複数の携帯型の人間−機械インターフェース・デバイス(1)は、複数の使用者によって共用される前記制御装置(2)と必要なときに取外し可能に接続でき、前記制御装置(2)は電源および制御ユニット(6)または卓上機器(8)内に設置され、前記インターフェース・デバイス(1)は、使用者が前記インターフェース・デバイス(1)内へ命令またはデータを入力して前記制御装置(2)を介して前記外科用または歯科用器具(4)の動作を制御できるハードウェアおよびソフトウェア手段を備え、
前記インターフェース・デバイス(1)内で実施される前記ソフトウェア手段は、使用者が慣れた作業環境を再現するために、前記インターフェース・デバイス(1)と前記制御装置(2)との間の通信プロトコルに加えて、前記電源および制御ユニット(6)または前記卓上機器(8)に接続された前記外科用または歯科用器具(4)を、そのインターフェース・デバイス(1)の使用者が使用するために必要なすべてのプログラムを含み、
それぞれ異なる器具(4)に対応するいくつかのユーザ・プログラムは、前記インターフェース・デバイス(1)内で実施され、
前記インターフェース・デバイス(1)と前記制御装置(2)はマスタ/スレーブ・アセンブリを形成し、前記インターフェース・デバイス(1)を前記マスタとし、前記制御装置(2)を前記スレーブとし、
前記インターフェース・デバイス(1)は、2つの継続する外科又は歯科処置間においてユーザに共用される前記制御装置(2)に有線接続を介して接続される、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者と外科用または歯科用器具との間のインターフェース・デバイスに関する。より詳細には、本発明は、取外し可能で多機能なインターフェース・デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科手術の環境は、この数年でかなり変化してきた。安らぎを与える最新の環境でいっそう完全なサービスを患者に提供するために、開業医は、ますます高性能の機器に投資している。さらに、開業医によって提供される臨床治療(義歯、歯内療法、歯垢除去、歯列矯正、インプラントなど)の多様性が際限なく増大したことに直面して、必要な器具の数はかなり増大してきた。
【0003】
しかし、開業医の作業空間は制限されている。治療に必要な器具はすべて、椅子に座っている患者の周りに集めなければならないが、それでもなお開業医の手の届く範囲内に置いておかなければならない。さらに、これらの器具は、治療中に、また2人の継続する患者間で、迅速に交換できなければならない。同様に、これらの器具は、取扱いの誤りまたは汚染のあらゆるリスクを可能な限り低減させるために、完ぺきに衛生的な状態で簡単に使用できなければならない。
【0004】
これらの新しい要件を満たすために、各医療機器製造業者は、独自の対応を提供して競合他社との差別化を図っている。これを実現するために、製造業者らは、ハードウェアとソフトウェアの両方に関して競合他社のものとは異なる作業環境を作り出している。製造業者らは、たとえば、新しい図形表現、タッチ・スクリーン、または使用する言語を選択する可能性を有するユーザ・インターフェースを提供する。
【0005】
そのような豊富な供給に直面して、開業医は、利用可能な多数の機器を直感的に使用できるほどには、各製造業者に特有の作業環境に十分精通できないことが多く、開業医にとってもその患者にとってもリスクを招くことがある。
【0006】
これらの問題を克服するために、ここ数年見られる傾向は、同じ電源および制御ユニット(一般に「ユニット」と呼ばれる)内に可能な限り多数の器具を集め、したがってこのユニットのユーザ・インターフェースを使用してすべての器具を制御できるようにすることである。しかし、ユニットの制御手段は、これらの器具のすべての機能を使用するために必要な柔軟性を常に有するわけではない。さらに、開業医は、ときにはユニットを購入したずっと後に、自身のユニットにさらなる器具を装着したいと考えることが多い。この場合も、使用する設備およびユニットに装着されるユーザ・インターフェースの多機能性は、リスクを伴わずにユニット内に新しい器具をうまく組み込む上で鍵となる要因である。
【0007】
しかし、場合によっては、ユニットを最新式にすることは可能ではなく、開業医は、歯科用ユニット内に組み込む器具に加えて、卓上機器を購入しなければならない。したがって、開業医が操作しなければならないユーザ・インターフェースの数は増大する傾向にあり、開業医もしくは患者にとってリスクになり、または少なくとも効率性の欠如になることがある。
【0008】
さらに現在、数人の開業医がチームを組んで働き、それぞれの臨床的な専門領域を組み合わせて完全なサービスを患者に提供する歯科医院がますます設立されている。またこれらの歯科医院では、開業医は、営業費(個人秘書、賃貸料など)と投資コストの両方を共用することができる。
【0009】
しかし、機器は共用されても、各開業医は同じ作業慣行を続けたいと考える。したがって、複数の人間によって極めて柔軟に使用できる多機能な作業用具には要件がある。したがって、機器、特に歯科用ユニットおよび卓上機器は、各使用者の要件に適合できなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、とりわけ、数人の使用者間で機器が共用される状況で、使用者が慣れた作業環境を再現できるようにする、使用者と外科用または歯科用器具との間のインターフェース・デバイスを提供することによって、この要件を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって本発明は、少なくとも1つの外科用または歯科用器具の制御装置に取外し可能に接続するための携帯型の人間−機械インターフェース・デバイスに関し、前記インターフェース・デバイスは、使用者がインターフェース・デバイス内へ命令またはデータを入力して制御装置を介して外科用または歯科用器具の動作を制御できるハードウェアおよびソフトウェア手段を含む。
【0012】
これらの特徴のため、本発明は、取外し可能な人間−機械インターフェース・デバイスを提供し、このインターフェース・デバイスを介して、使用者は、使用者が利用したいと考える外科用または歯科用器具の制御装置にインターフェース・デバイスを接続することによって、慣れた作業環境を簡単に再現することができる。したがって、本発明によるインターフェース・デバイスの携帯型の取外し可能な性質によって、使用者は、どこにいても常に、それぞれの異なる器具に対してユーザ・プログラムを自由に有することができる。さらに、インターフェース・デバイスの取外し可能な性質によって、数人の使用者が同じ機器を共用することができ、各使用者には独自のインターフェース・デバイスが提供され、通常通り作業することができる。
【0013】
本発明の相補的な特徴によれば、インターフェース・デバイスと制御装置はマスタ/スレーブ・アセンブリを形成し、インターフェース・デバイスをマスタとし、制御装置をスレーブとする。
【0014】
本発明の別の特徴によれば、インターフェース・デバイスは、外科用または歯科用器具の制御装置からくるデータを処理し、対応する命令を制御装置へ送り返すハードウェアおよびソフトウェア手段を含む。
【0015】
本発明のさらに別の特徴によれば、インターフェース・デバイスは、外科用または歯科用器具の制御装置からのデータを処理および記憶し、この情報を常駐または遠隔データベースへ移出するハードウェアおよびソフトウェア手段を含む。
【0016】
本発明のさらに別の特徴によれば、インターフェース・デバイスは、使用者が命令またはデータを入力できる少なくとも1つのキーボードと、データを表示する少なくとも1つの手段とを含む。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、本発明による人間−機械インターフェース・デバイスの一実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。この例は、非限定的な例示のみを目的とし、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明によるインターフェース・デバイスと電源および制御ユニットまたはそれぞれ卓上機器との間の接続を示す概略図である。
【
図1B】本発明によるインターフェース・デバイスと電源および制御ユニットまたはそれぞれ卓上機器との間の接続を示す概略図である。
【
図2】本発明によるいくつかのインターフェース・デバイスと同じ電源および制御ユニットとの間の接続を示す概略図である。
【
図3】本発明のインターフェース・デバイスを受け取るベースに装着された電源および制御ユニットを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、開業医、歯科医、または外科医が職業上の日常の慣行においてさらに増大する数の外科用または歯科用器具を使用する必要があるという観察から始まった。この状況に対処するために、電源および制御ユニット(一般に「ユニット」と呼ばれる)に可能な限り多数の器具を装着し、したがってこのユニットのユーザ・インターフェースを使用してすべての器具を制御できるようにする傾向がある。しかし、ユニットの制御手段は、これらの器具のすべての機能を使用するために必要な柔軟性を常に有するわけではない。そのため開業医は、一般に「卓上機器」と呼ばれるさらなる器具を購入しなければならないことが多い。しかし、ユニット器具と卓上機器を組み合わせて使用することは、開業医にとって常に問題がないというわけではない。実際、ユニット器具のユーザ環境と卓上機器のユーザ環境が異なることは珍しくない。したがって開業医は絶えず、等しく精通しているわけではない異なるユーザ環境またはインターフェースをうまく両立させなければならない。したがってこれは、開業医にとってさらなる作業負荷を意味し、開業医自身またはその患者にとってリスクになる。さらに、数人の開業医を集めた歯科医院が発展するにつれて、共通の機器を共用で使用することに問題が生じている。実際、各開業医は、同僚の1人から引き継ぐと、自身が慣れているユーザ環境を可能な限り迅速に見つけることが望ましい。現況技術では、これは多数の事前の調整がなければ実現することができず、このような調整は時間の無駄であり、誤りのリスクを伴う。したがって現況技術では、ある機器から別の機器へ輸送できる、同一の環境内で様々な器具とともに使用するための汎用の人間−機械インターフェースを提供するデバイスが必要とされている。
【0020】
したがって、本発明の目的は、少なくとも1つの外科用または歯科用器具の制御装置に取外し可能に接続するための人間−機械インターフェース・デバイスを提供することによって、この要件を満たすことである。
【0021】
全体にわたって概略的な参照番号1(
図1A参照)で示すこのインターフェース・デバイスは、使用者が本発明によるインターフェース・デバイス1内へ命令またはデータを入力して制御装置2を介して複数の器具4...、4i...、4nから選択された外科用または歯科用器具の動作を制御できるハードウェアおよびソフトウェア手段を含む。
【0022】
「制御装置」とは、少なくとも1つの外科用または歯科用器具4へ電流を供給する電子電源回路と、器具4の動作を調整するアルゴリズム・プログラムとを集めたシステムを意味する。設計によって、制御装置2は、電源および制御ユニット(「ユニット」として知られている)6または卓上機器8の枠内に密閉された固定のシステムである。
【0023】
制御装置2は、少なくとも1つの外科用または歯科用器具4の動作を制御する。「器具」とは、非限定的に1つまたは複数のモータ、ハンドピース、コントラ−アングル、タービン、歯石除去器、電動のこぎり、および他のデバイスを意味する。これらの器具は、ユニット6または卓上機器8に接続することができる。
【0024】
本発明によれば、同じインターフェース・デバイス1は、たとえばユニット6内に組み込まれた同じ制御装置2を介して、いくつかの外科用または歯科用器具4、...、4i...、4nを制御する。さらに、同じインターフェース・デバイス1は、たとえばユニット6および卓上機器8内に組み込まれた異なる制御装置2に接続することができる(
図1B参照)。最後に、異なる使用者に属するいくつかのインターフェース・デバイス1、...、1i、...、1nを、同じ制御装置2に接続することができる(
図2参照)。
【0025】
使用者が所与の外科用または歯科用器具4の動作を制御できるように、本発明によるインターフェース・デバイス1は、使用者が命令またはデータを入力できる少なくとも1つのキーボード10と、情報を表示する少なくとも1つの手段12とを含む。第1の実施形態によれば、キーボード10は、ディスプレイ・スクリーン、たとえば液晶ディスプレイと組み合わされた実際のキーパッドである。第2の実施形態によれば、キーボード10と表示デバイス12は、仮想キーボードおよびディスプレイ・スクリーンを含むタッチ・スクリーン内で組み合わされる。
【0026】
所与のインターフェース・デバイス1は、有線接続または無線接続を介して、たとえばユニット6の制御装置2に接続される。インターフェース・デバイス1と制御装置2との間が有線接続である場合、この接続は、そのような目的のために構成された位置でユニット6上に配置され、またはユニット6内にしっかりと組み込まれたベースステーションまたはドッケット(docket)・ステーション14を介して実現することができる。インターフェース・デバイス1がそのベース14上に配置されることで、インターフェース・デバイス1の機械的な安定性が確保され、インターフェース・デバイス1とユニット6の制御装置2との間の電気的接続を自動的に設定する。電気的接続は、特有の電気コネクタ16を介して実現することができる(
図3参照)。
【0027】
インターフェース・デバイス1のタイプおよび利用される場合に応じて、インターフェース・デバイス1を受け取るために設けられるベース14は変動することがあり、たとえばインターフェース・デバイス1を収容する場所の幾何形状、コネクタの位置、またはさらには設計(色、形状)が異なることがあることに留意されたい。したがって、インターフェース・デバイス1を不適切に使用するあらゆるリスクが回避される。
【0028】
本発明によるインターフェース・デバイス1は、たとえばi−Phone(登録商標)などのスマートフォンまたは上述したようなキーボードおよびスクリーンを備える任意の他の装置などの消費者市場で利用可能な、有線または無線接続を介して外部環境と通信できるデバイスとすることができる。
【0029】
本発明によるインターフェース・デバイス1は、デジタル通信プロトコルを介して外科用または歯科用器具4の制御装置2と通信することができる。本発明の場合、主に実装の簡単さおよび使用の安全性の理由から、RS−232シリアル通信バスを選択した。しかし言うまでもなく、Ethernet(登録商標)、USB、CAN、RS−485、任意のタイプのローカルバス、またはBluetooth(登録商標)などの無線通信プロトコルなどの他の通信プロトコルを想定することもできる。
【0030】
本発明によるインターフェース・デバイス1には、制御装置2を介して電力供給することができ、制御装置2は、制御装置2が実装されるユニット6または卓上機器8によって電力供給される。変形形態によれば、インターフェース・デバイス1は、一般的な電池または充電式の電池によって動作することができ、充電式の電池は、ユニット6内に組み込まれた制御装置2によって充電することができ、またはさらには別個の充電器によって充電することができる。最後に、インターフェース・デバイス1を送電網に直接接続することを想定することが可能である。
【0031】
本発明によれば、インターフェース・デバイス1は、使用者および制御装置2によって供給される情報を処理し、制御装置2および表示デバイス12へ命令を送るハードウェアおよびソフトウェア手段を含む。したがってインターフェース・デバイス1と制御装置2はマスタ/スレーブ・アセンブリを形成し、インターフェース・デバイス1をマスタとし、制御装置2をスレーブとする。
【0032】
したがって、インターフェース・デバイス1内で実施されるソフトウェアは、具体的には、ユニット6または卓上機器8に接続された外科用または歯科用器具4を使用するために必要なすべてのプログラムと、インターフェース・デバイス1と制御装置2との間の通信プロトコルとを含む。それぞれ異なる器具に対応するいくつかのユーザ・プログラムを、インターフェース・デバイス1内にインストールすることができる。別法として、同じソフトウェアが、いくつかの器具に対するユーザ・プログラムを含む。
【0033】
様々な器具4に対するデータ処理ユーザ・プログラムは、内蔵コネクタによってパーソナル・コンピュータから、無線接続を介して、またはインターフェース・デバイス1に直接接続されたUSBスティックによって、本発明によるインターフェース・デバイス1内に読み込むことができる。インターネット・サイトからプログラムをダウンロードすることを想定することも可能である。インターフェース・デバイス1内には、たとえば外科手術中に集められたデータを記憶および処理して患者のデータベースを形成し、または日誌を管理する他のコンピュータ・アプリケーションをインストールすることもできる。
【0034】
上述したものと同じ伝送チャネルを使用して、インターフェース・デバイス1内に含まれるデータをセントラル・サーバへ移出することもでき、または2つのそのようなインターフェース・デバイスからのデータを同期させることができる。
【0035】
言うまでもなく、本発明は、ここに記載した実施形態に限定されるものではなく、また特許請求の範囲によって確定される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な簡単な変更形態および変形形態を当業者であれば実施することができる。安全上の理由のため、治療に必要な器具を使用するために必要なもの以外のアプリケーションを開くことは推奨されないことに留意されたい。