(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置300を示す断面図である。また、
図2は、
図1に示す半導体装置300を示す平面図であって、
図1のA−A'平面に対応している。なお、
図1は、
図2のB−B'断面に対応している。
本実施形態に係る半導体装置300は、配線102と、配線202と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜22と、半導体層24と、を備えている。
【0011】
配線102は、配線層100に設けられている。配線202は、配線層100上に積層された配線層200に設けられている。ゲート電極20は、配線層100と配線層200の積層方向において配線102と配線202との間に位置している。また、ゲート電極20は、配線102および配線202と接続していない。ゲート絶縁膜22は、ゲート電極20の側面上に設けられている。半導体層24は、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極20の側面上に設けられている。また、半導体層24は、配線102および配線202と接続する。
以下、半導体装置300の構成について、詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、配線層100は、配線層間に設けられる拡散防止膜122と、拡散防止膜122上に設けられた層間絶縁膜120を備えている。
層間絶縁膜120は、例えばシリコン酸化膜、もしくはシリコン酸化膜よりも誘電率が低い(例えば比誘電率が2.7以下)低誘電率絶縁層、またはそれらの組み合わせにより構成される。低誘電率層は、例えばSiOC、SiOCH、またはSiLK(登録商標)等の炭素含有膜、HSQ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)膜、MHSQ(メチル化ハイドロジェンシルセスキオキサン)膜、MSQ(メチルシルセスキオキサン)膜、またはこれらの多孔質膜である。
拡散防止膜122は、例えばSiN、またはSiCN等により構成される。拡散防止膜122の膜厚は、例えば10〜50nmである。
【0013】
図1に示すように、配線層100中には、配線102、配線104、配線106、ビア112、ビア114、ビア116が設けられている。
ビア112は、配線102下に設けられており、配線102と接続している。ビア114は、配線104下に設けられており、配線104と接続している。ビア116は、配線106下に設けられており、配線106と接続している。
【0014】
配線102、配線104、および配線106は、層間絶縁膜120内に埋め込まれている。また、配線102、配線104、および配線106は、同一工程で形成されている。このため、配線102、配線104、および配線106は、例えば同一の材料により構成される。配線102、配線104、および配線106は、例えば銅を主成分(95%以上)とする金属材料により形成されている。
なお、配線102およびビア112、配線104およびビア114、ならびに配線106およびビア116は、それぞれシングルダマシン法により形成されてもよく、またデュアルダマシン法により形成されてもよい。
また、配線102、配線104、および配線106は、例えばAl配線であってもよい。この場合、配線102、配線104、および配線106は、例えば金属膜をドライエッチングにより選択的に除去した構造を有する。
【0015】
図1に示すように、配線層200は、ゲート電極20、ゲート絶縁膜22、半導体層24、絶縁膜30、および絶縁膜40を含んでいる。
絶縁膜30は、層間絶縁膜120上に設けられている。また、絶縁膜30は、配線102の一部および配線104の一部を覆うように設けられている。絶縁膜30は、配線104上に開口部32を有している。これにより、配線104は、絶縁膜30上に露出することとなる。絶縁膜30は、後述する拡散防止膜222と同様の材料により構成することができ、例えばSiN、またはSiCN等により構成することができる。絶縁膜30の膜厚は、例えば10〜50nmである。
【0016】
ゲート電極20は、絶縁膜30上に設けられている。すなわち、配線102とゲート電極20との間には絶縁膜30が位置する。これにより、ゲート電極20は、配線102と接続しないこととなる。
また、ゲート電極20は、絶縁膜30に設けられた開口部32を介して、配線104と接続している。これにより、配線104を介してゲート電極20にゲート電圧が印加されることとなる。
ゲート電極20は、例えばTi、Ta、W、Al、TiN、TaNまたはWN、CoまたはWを含む化合物、もしくはこれらのいずれかにCおよびOの少なくとも1つを導入した材料により構成される。ゲート電極20は、これらの材料により構成された単層であってもよく、二つ以上の層が積層したものであってもよい。ゲート電極20の膜厚は、例えば5〜200nmである。
【0017】
絶縁膜40は、ゲート電極20上に設けられている。絶縁膜40は、ゲート電極20をエッチングによりパターニングする際のハードマスクとして機能する。絶縁膜40は、例えばSiN、SiO
2により構成される。また、絶縁膜40の膜厚は、例えば10〜150nmである。絶縁膜40の膜厚を10〜150nmとすることにより、層間絶縁膜220内に配線202およびビア212を埋め込む開口を形成する際に(
図12(b)参照)、絶縁膜40が除去されてゲート電極20が露出してしまうことを抑制することができる。
絶縁膜30の膜厚は、と絶縁膜40の膜厚は、いずれか一方が他方より大きくてもよく、互いに等しくてもよい。いずれか一方の膜厚が他方より大きい場合、配線102と配線202のうち膜厚の大きい絶縁膜と接する側の配線を、ドレイン電極として機能させることができる。なお、本実施形態においては、例えば絶縁膜30の膜厚は、絶縁膜40の膜厚よりも大きい。
【0018】
図2に示すように、ゲート電極20の平面形状は、例えば矩形である。なお、ゲート電極20の平面形状はこれに限られず、矩形以外の多角形等であってもよい。
絶縁膜30および絶縁膜40の平面形状は、ゲート電極20と同様である(図示せず)。
【0019】
図1に示すように、ゲート絶縁膜22は、ゲート電極20、絶縁膜30、および絶縁膜40の側面上に設けられている。ゲート絶縁膜22は、平面視で枠形状である。また、ゲート絶縁膜22は、平面形状が矩形であるゲート電極20の四辺に沿って設けられている。
ゲート絶縁膜22は、例えばシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜、Hf、Zr、Al、TiおよびTaの少なくとも一つの酸化膜、これらのいずれかの金属シリケート物、もしくはこれらのいずれかに窒素および炭素の少なくとも一つを添加した膜等により構成される。
基板(
図3参照)平面と水平な平面方向におけるゲート絶縁膜22の膜厚は、例えば0.5〜30nmである。
【0020】
半導体層24は、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極20、絶縁膜30、および絶縁膜40の側面上に設けられている。半導体層24は、平面視で枠形状である。また、半導体層24は、平面形状が矩形であるゲート電極20の四辺に沿って設けられている。さらに、半導体層24は、配線102と接続している。
半導体層24は、例えば酸化物半導体により構成される。酸化物半導体としては、例えばInGaZnO、InZnO、ZnO、ZnAlO、ZnCuO、NiO、SnO、SnO
2、CuO、Cu
2O、Ta
2O
5、もしくはTiO
2等、またはこれらに窒素等の不純物を添加したものを用いることができる。
基板60(
図3参照)平面と水平な平面方向における半導体層24の膜厚は、例えば10〜100nmである。また、配線層100と配線層200の積層方向における半導体層24の厚さは、例えば30〜300nmである。
【0021】
図1に示すように、配線層200は、配線層100上に設けられた拡散防止膜222と、拡散防止膜222上に設けられた層間絶縁膜220を備えている。拡散防止膜222は、ゲート電極20、ゲート絶縁膜22、半導体層24、絶縁膜30、および絶縁膜40を覆うように設けられる。
層間絶縁膜220は、例えば層間絶縁膜120と同様の材料により構成される。拡散防止膜222は、例えば拡散防止膜122と同様の材料により構成され、かつ拡散防止膜122と同様の膜厚を有する。
【0022】
図1に示すように、配線層200中には、配線202、配線206、ビア212、およびビア216が設けられている。
ビア212は、配線202下に設けられており、配線202と接続している。また、ビア212は、半導体層24と接続している。このため、半導体層24は、配線202と接続されることとなる。また、ビア216は、配線206下に設けられており、配線206と接続している。
【0023】
図2に示すビア212は、ビア212の底面を示している。また、
図2に示す配線102は、配線102の上面を示している。
図2に示すように、配線102の上面とビア212の底面は、平面視で重なっている。また、半導体層24の一部は、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に位置する。
本実施形態において、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の一辺を含んでいる。すなわち、平面形状が矩形であるゲート電極20の一辺、および当該一辺に隣接する二辺の一部が、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に含まれる。この場合、ゲート電極20の側面上に設けられた半導体層24の一辺、および当該一辺に隣接する二辺の一部も、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に含まれる。
【0024】
図1に示すように、配線202、および配線206は、例えば層間絶縁膜220内に埋め込まれている。また、配線202、および配線206は、同一工程で形成されている。このため、配線202、および配線206は、例えば同一の材料により構成される。配線202、および配線206は、例えば配線102と同様の材料により構成される。
図1に示す例において、配線202およびビア212、ならびに配線206およびビア216は、それぞれシングルダマシン法により形成されてもよく、またデュアルダマシン法により形成されてもよい。
また、配線202、および配線206は、例えばAl配線であってもよい。この場合、配線202、および配線206は、例えば金属膜をドライエッチングにより選択的に除去した構造を有する。
【0025】
図1に示すように、配線202、およびビア212を埋め込むための溝または孔の側壁には、バリアメタル膜232が形成されている。また、配線206、およびビア216を埋め込むための溝または孔の側壁には、バリアメタル膜236が形成されている。
バリアメタル膜232、およびバリアメタル膜236は、例えばTi、Ta、Ru、またはW、もしくはこれらの窒化物または酸化物により構成される。なお、バリアメタル膜232、およびバリアメタル膜236は、これらの材料により構成された単層であってもよく、二つ以上の層が積層したものであってもよい。積層構造の例としては、例えばTiN(上層)/Ti(下層)、またはTa(上層)/TaN(下層)等の積層構造がある。
【0026】
また、配線層100においても、各配線およびビアを埋め込むための溝または孔の側壁にバリアメタル膜が形成されていてもよい。このバリアメタル膜は、例えばバリアメタル膜232と同様の材料および構造である。
【0027】
本実施形態において、配線102、配線202、ゲート電極20、ゲート絶縁膜22、および半導体層24は、トランジスタ10を構成する。
半導体層24のうち、ビア212の底面と配線102の上面が重なる領域に位置する部分において、チャネル領域50が形成される。また、ビア212を介して半導体層24と接続する配線202、および半導体層24と接続する配線102が、ソース・ドレイン電極として機能する。絶縁膜30および絶縁膜40は、ゲート電極20とソース・ドレイン電極との間の距離を規定するサイドウォールとしての機能を有する。
本実施形態において、ドレイン電極は、例えば配線102により構成される。また、配線102とゲート電極20との間に設けられる絶縁膜30の膜厚を、ビア212とゲート電極20との間に設けられる絶縁膜40の膜厚よりも大きくすることができる。このように、配線102がドレイン電極として使用される場合において、ゲート電極20とドレイン電極との間に設けられる絶縁膜30の膜厚を大きくすることで、トランジスタ10のドレイン耐圧を向上させることが可能となる。
本実施形態において、ドレイン電極は、配線202により構成されてもよい。また、ビア212とゲート電極20との間に設けられる絶縁膜40の膜厚を、配線102とゲート電極20との間に設けられる絶縁膜30の膜厚よりも大きくすることができる。このように、配線202がドレイン電極として使用される場合において、ゲート電極20とドレイン電極との間に設けられる絶縁膜40の膜厚を大きくすることで、トランジスタ10のドレイン耐圧を向上させることが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態におけるチャネル領域50のチャネル長は、配線層100と配線層200の積層方向における半導体層24の厚さにより規定される。また、チャネル領域50のチャネル幅は、基板60(
図3参照)平面と水平な平面方向における、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に位置する半導体層24の長さにより規定される。
【0029】
図3は、本実施形態に係る半導体装置300の多層配線構造を示す断面図である。
図4は、本実施形態に係る半導体装置300の多層配線構造を示す断面図であり、
図3とは異なる例を示している。
図3に示すように、半導体装置300は、基板60と、基板60上に設けられた多層配線層を備えている。
図1に示す配線層100および配線層200は、当該多層配線層の一部を構成している。多層配線層は、回路を形成するための配線層であるローカル配線層80と、ローカル配線層80上に設けられ、電源配線および接地配線を引き回すためのグローバル配線層82を含む。
図3に示すように、配線層200は、例えばグローバル配線層82の最下層に設けられる。また、配線層100は、例えばローカル配線層80の最上層に設けられる。
【0030】
図3に示すように、基板60には、素子分離膜62、トランジスタ70、およびトランジスタ72が設けられている。また、素子分離膜62上には、受動素子74(例えば抵抗素子)が設けられている。受動素子74は、トランジスタ70およびトランジスタ72のゲート電極と同一工程で形成されている。
【0031】
配線層200上には、層間絶縁膜90を介して配線94が形成されている。配線94は、Al配線であり、ビア92を介して配線層200中に設けられた配線(例えば配線206)と接続している。配線94は、下面及び上面に、バリアメタル膜が形成されている。このバリアメタル膜は、Tiを主成分とする金属膜、この金属の窒化膜、またはこれら金属膜および窒化膜の積層膜である。なお、配線94と同一層には、電極パッド(図示せず)が形成されている。
【0032】
なお、ローカル配線層80を構成する各配線層は、グローバル配線層82を構成する配線層よりも薄い。そしてローカル配線層80の各配線も、グローバル配線層82の各配線よりも薄い。また、グローバル配線層82では、ローカル配線層80よりも配線幅や、配線間距離が大きい。
【0033】
図4は、
図3の変形例を示す図である。この図において、配線層100および配線層200は、いずれもグローバル配線層82に形成されている。そして、配線202および配線206は、Al配線により形成されている。電源パッド、接地パッド、およびI/Oパッドは、配線202、配線206と同一層に形成されている。
【0034】
次に、本実施形態に係る半導体装置300の製造方法を説明する。
図5〜12は、
図1に示す半導体装置300の製造方法を示す断面図である。
まず、
図5(a)に示すように、配線層100を形成する。配線層100は、基板60上に設けられた多層配線層の一部を構成する。
配線層100は次のように形成される。まず、配線層100の下層に位置する配線層上に拡散防止膜122および層間絶縁膜120を積層する。次いで、拡散防止膜122および層間絶縁膜120中に、配線102およびビア112、配線104およびビア114、ならびに配線106およびビア116を形成する。配線102およびビア112、配線104およびビア114、ならびに配線106およびビア116は、例えばデュアルダマシン法またはシングルダマシン法を用いて形成される。また、配線102、配線104、および配線106は、例えば層間絶縁膜120上に設けられた金属膜をドライエッチング等によりパターニングすることで形成されてもよい。
次いで、
図5(b)に示すように、配線層100上に絶縁膜30を形成する。
【0035】
次に、
図6(a)に示すように、絶縁膜30上に、レジスト膜250を形成する。次いで、レジスト膜250を露光および現像し、平面視で配線104上に位置する開口部252をレジスト膜250に形成する。なお、開口部252は、平面視で配線104の内側に位置するように設けられる。
次に、
図6(b)に示すように、レジスト膜250をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜30のうち開口部252下に位置する部分を選択的に除去する。これにより、絶縁膜30に開口部32が形成される。このとき、開口部32を介して絶縁膜30上に配線104が露出することとなる。
【0036】
次に、
図7(a)に示すように、レジスト膜250を除去する。レジスト膜250の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。
次に、
図7(b)に示すように、絶縁膜30上、および開口部32中に、ゲート電極20を形成する。次いで、ゲート電極20上に、絶縁膜40を形成する。
【0037】
次に、
図8(a)に示すように、レジスト膜254を形成する。レジスト膜254は、絶縁膜40上に設けられたレジスト膜を露光および現像することにより形成される。
次に、
図8(b)に示すように、レジスト膜254をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40を選択的に除去する。当該エッチングは、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40が、配線102の一部および配線104の一部を覆うように行われる。これにより、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40が所定の形状に加工される。なお、このエッチング処理工程において、絶縁膜40は、ハードマスクとして機能することとなる。
【0038】
次に、
図9(a)に示すように、レジスト膜254を除去する。レジスト膜254の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。
次に、
図9(b)に示すように、配線層100上にゲート絶縁膜22を形成する。このとき、ゲート絶縁膜22は、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40を覆うように形成される。
【0039】
次に、
図10(a)に示すように、ゲート絶縁膜22を全面エッチバックする。これにより、ゲート絶縁膜22を所定の形状、すなわち絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に設けられた形状に加工することができる。
次に、
図10(b)に示すように、配線層100上に半導体層24を形成する。このとき、半導体層24は、絶縁膜30、ゲート電極20、絶縁膜40、およびゲート絶縁膜22を覆うように形成される。
【0040】
次に、
図11(a)に示すように、半導体層24を全面エッチバックする。これにより、半導体層24を所定の形状、すなわちゲート絶縁膜22を介して絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に設けられた形状に加工することができる。
次に、
図11(b)に示すように、配線層100上に拡散防止膜222を形成する。拡散防止膜222は、絶縁膜30、ゲート電極20、絶縁膜40、ゲート絶縁膜22、および半導体層24を覆うように形成される。
【0041】
次に、
図12(a)に示すように、拡散防止膜222上に層間絶縁膜220を形成する。
次に、
図12(b)に示すように、層間絶縁膜220および拡散防止膜222中に、配線202およびビア212、ならびに配線206およびビア216を埋め込むための開口を形成する。次いで、当該開口の側壁上にバリアメタル膜232およびバリアメタル膜236を形成する。次いで、配線層200上および当該開口内に、金属膜を形成する。そして、層間絶縁膜220上の当該金属膜を、例えばCMP等により除去する。これにより、
図1に示す配線層200が得られる。
その後、例えば配線層200上に他の配線層を形成して、本実施形態に係る半導体装置300が得られることとなる。
【0042】
なお、
図12(b)に示すように、本実施形態において、配線202およびビア212、ならびに配線206およびビア216は、デュアルダマシン法により形成された。しかし、これに限られず、配線202およびビア212、ならびに配線206およびビア216は、例えばシングルダマシン法により形成されてもよい。また、配線202および配線206は、例えば層間絶縁膜220上に設けられた金属膜をドライエッチング等によりパターニングすることで形成されてもよい。
【0043】
次に、本実施形態の効果を説明する。
特許文献1に記載の半導体素子では、同一配線層内に設けられた二つの配線をソース・ドレイン電極としている。また、ゲート電極は、ソース・ドレイン電極下に設けられ、かつ平面視でソース・ドレイン電極間に位置する配線により構成される。このため、半導体素子のチャネル長は、ソース・ドレイン電極を構成する二つの配線の間隔によって規定される。この場合、チャネル長微細化限界は、配線形成に用いられるリソグラフィ解像限界により制限されてしまう。
例えば、グローバル配線層等、多層配線層のうちの上部に位置する配線層においては、配線の線幅やピッチ等の設計寸法が他の層と比較して大きい。この場合、リソグラフィの解像限界は、このような大きい設計寸法により制約されてしまう。このため、チャネル長の微細化を図ることが困難となる。
【0044】
本実施形態によれば、配線層100に設けられた配線102、および配線層100上に積層された配線層200に設けられた配線202により、ソース・ドレイン電極を構成している。また、ゲート電極20は、配線102と配線202との間に配置される。このため、配線層内に設けられるトランジスタ10のチャネル長は、ゲート電極20の膜厚により決定される。この場合、トランジスタ10のチャネル長は、配線形成に用いられるリソグラフィの解像限界によって制限されない。従って、多層配線層内に設けられる半導体素子のチャネル長を短くし、半導体素子の性能を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、トランジスタ10のチャネル長は、配線形成に用いられるリソグラフィの解像限界によって制限されない。このため、グローバル配線層等、多層配線層のうちの上部に位置する配線層に半導体素子を設ける場合においても、チャネル長の微細化を図ることができる。
さらに、チャネル長を短くすることで、オン抵抗の低減等、トランジスタの性能を向上させることができる。このため、トランジスタの面内密度を一定に保ちつつ、トランジスタの性能向上を図ることができる。
【0046】
特許文献1において、ゲート電極は、Cu配線により構成される。また、ゲート絶縁膜は、当該ゲート電極を有する配線層上に形成されるCu拡散防止膜により構成される。この場合、ゲート電極やゲート絶縁膜の材料や膜厚を任意に選択することができない。
これに対し、本実施形態によれば、ゲート電極20は、配線層200に設けられる配線とは別個に形成される。また、ゲート絶縁膜22は、配線層100上に設けられる拡散防止膜222とは別個に設けられる。このため、ゲート電極20およびゲート絶縁膜22の材料や膜厚を任意に選択することができる。
【0047】
上記のようにゲート電極およびゲート絶縁膜の材料や膜厚を適切に選択することで、チャネル長を微細化した場合であっても、短チャネル効果を抑制することができる。
また、ゲート電極の材料を選択することで、ゲート電極の仕事関数を任意に選択できる。このため、半導体素子のしきい値電圧を制御することができる。これにより、例えば半導体素子をノーマリオン型またはノーマリオフ型のいずれにも設定することが可能となる。
【0048】
特許文献1では、ゲート絶縁膜をCu拡散バリア膜としても機能させる。この場合、ゲート絶縁膜には、Cu拡散バリア膜としての機能を実現するだけの膜厚が必要とされる。また、この場合、ゲート絶縁膜は、Cu拡散バリア膜としての機能を有する材料により構成される必要がある。
これに対し、本実施形態によれば、ゲート絶縁膜22の膜厚を任意に選択することができる。このため、ゲート絶縁膜を薄膜化して、半導体素子の性能向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ゲート絶縁膜22の材料を任意に選択することができる。このため、例えばゲート絶縁膜中のトラップ密度等を制御して、半導体素子の信頼性を向上させることが可能となる。
【0049】
図13は、第2の実施形態に係る半導体装置302を示す断面図であって、第1の実施形態における
図1に対応している。
本実施形態に係る半導体装置302では、配線204およびビア214が設けられており、配線104およびビア114が設けられていない。これらの点を除いて、本実施形態に係る半導体装置302は、第1の実施形態に係る半導体装置300と同様である。
【0050】
図13に示すように、半導体装置302は、配線層200中に設けられた配線204およびビア214を備えている。
ビア214は、配線204下に設けられており、配線204と接続している。また、ビア214は、拡散防止膜222および絶縁膜40を貫通して設けられており、ゲート電極20と接続している。このため、本実施形態では、配線204を介してゲート電極20にゲート電圧が印加されることとなる。
配線204は、層間絶縁膜220内に埋め込まれている。また、配線204は、配線202と同一工程で形成される。このため、配線204は、配線202と同一の材料により構成される。なお、配線204は、シングルダマシン法により形成されてもよく、またデュアルダマシン法により形成されてもよい。また、配線204は、例えば金属膜をドライエッチングにより選択的に除去した構造を有していてもよい。
【0051】
配線204、およびビア214を埋め込むための溝または孔の側壁には、バリアメタル膜234が形成されている。バリアメタル膜234は、例えばバリアメタル膜232と同様の材料により構成される。
【0052】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
図14は、第3の実施形態に係る半導体装置304を示す断面図であって、第1の実施形態に係る
図1に対応している。
本実施形態に係る半導体装置304は、絶縁膜26を備えている。この点を除いて、本実施形態に係る半導体装置304は、第1の実施形態に係る半導体装置300と同様の構成を有する。
【0054】
図14に示すように、絶縁膜26は、ゲート絶縁膜22および半導体層24を介して絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に設けられている。
絶縁膜26は、例えばSiN、SiO
2により構成される。また、基板60平面と水平な平面方向における絶縁膜26の膜厚は、例えば10〜100nmである。
【0055】
本実施形態に係る半導体装置304の製造方法は、次のようである。
まず、
図5〜10および
図11(a)に示す第1の実施形態の製造工程と同様の工程を経て、
図11(a)に示す構造を得る。次いで、配線層100上に絶縁膜26を形成する。絶縁膜26は、絶縁膜30、ゲート電極20、絶縁膜40、ゲート絶縁膜22、および半導体層24を覆うように形成される。次いで、絶縁膜26を全面エッチバックする。これにより、絶縁膜26を所定の形状、すなわちゲート絶縁膜22および半導体層24を介して絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に設けられた形状に加工することができる。
その後、
図11(b)および
図12に示す第1の実施形態の製造工程と同様の工程を経て、半導体装置304を形成する。
【0056】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、拡散防止膜222と半導体層24との間に絶縁膜26が設けられている。このため、拡散防止膜222の厚さが十分でない場合においても、半導体層24により形成されるチャネル領域50を周囲から分離することが可能となる。
また、本半導体装置の製造時において、半導体膜24が露出する時間を短くすることができる。このため、安定した特性を得ることができる。
【0057】
図15は、第4の実施形態に係る半導体装置306を示す断面図であって、第1の実施形態における
図1に対応している。
本実施形態に係る半導体装置306において、絶縁膜30は、下層絶縁膜34および上層絶縁膜36により構成される。この点を除いて、本実施形態に係る半導体装置306は、第1の実施形態と同様の構成を有する。
【0058】
図15に示すように、絶縁膜30は、下層絶縁膜34、および下層絶縁膜34上に設けられた上層絶縁膜36により構成される。
上層絶縁膜36は、下層絶縁膜34とは異なる材料により構成される。下層絶縁膜34の材料としては、後述するように、上層絶縁膜36をエッチングによりパターニングする際のエッチングストッパ膜として機能するものを選択することができる。下層絶縁膜34は、例えばシリコン窒化膜等により構成される。上層絶縁膜36は、例えばシリコン酸化膜等により構成される。
下層絶縁膜34の膜厚は、例えば10〜50nmである。上層絶縁膜36の膜厚は、例えば10〜50nmである。
【0059】
次に、本実施形態に係る半導体装置306の製造方法を説明する。
図16〜21は、
図15に示す半導体装置306の製造方法を示す断面図である。
まず、
図16(a)に示すように、配線層100を形成する。配線層100は、基板60上に設けられた多層配線層の一部を構成する。なお、配線層100は、第1の実施形態と同様に形成することができる。
次に、
図16(b)に示すように、配線層100上に絶縁膜30を形成する。絶縁膜30は、下層絶縁膜34、および下層絶縁膜34上に積層された上層絶縁膜36により構成される。
【0060】
次に、
図17(a)に示すように、絶縁膜30上に、レジスト膜250を形成する。次いで、レジスト膜250を露光および現像し、平面視で配線104上に位置する開口部252をレジスト膜250に形成する。なお、開口部252は、平面視で配線104の内側に位置するように設けられる。
次に、
図17(b)に示すように、レジスト膜250をマスクとしたドライエッチング等により、上層絶縁膜36のうち開口部252下に位置する部分を選択的に除去する。これにより、上層絶縁膜36に開口部38が形成される。当該エッチング工程において、下層絶縁膜34は、エッチングストッパ膜として機能する。従って、開口部38下には、下層絶縁膜34が残ることとなる。
【0061】
次に、
図18(a)に示すように、レジスト膜250を除去する。レジスト膜250の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。このアッシング処理時において、配線104は、下層絶縁膜34により覆われており、露出していない。従って、アッシングを受けて配線104が劣化してしまうことを抑制できる。
次に、
図18(b)に示すように、上層絶縁膜36をマスクとしたドライエッチング等により、開口部38下に位置する下層絶縁膜34を選択的に除去する。これにより、絶縁膜30に開口部32が形成される。このとき、開口部32を介して絶縁膜30上に配線104が露出することとなる。
【0062】
次に、
図19(a)に示すように、絶縁膜30上、および開口部32中に、ゲート電極20を形成する。次いで、ゲート電極20上に、絶縁膜40を形成する。
次に、
図19(b)に示すように、レジスト膜254を形成する。レジスト膜254は、絶縁膜40上に設けられたレジスト膜を露光および現像することにより形成される。
【0063】
次に、
図20(a)に示すように、レジスト膜254をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜40を選択的に除去する。これにより、絶縁膜40は、所定の形状に加工される。
次に、
図20(b)に示すように、レジスト膜254を除去する。レジスト膜254の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。このアッシング処理時において、配線層100に設けられた配線(例えば配線102、配線106)は、ゲート電極20等により覆われており、露出していない。従って、アッシングを受けて配線が劣化してしまうことを抑制できる。
【0064】
次に、
図21(a)に示すように、絶縁膜40をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜30およびゲート電極20を選択的に除去する。これにより、絶縁膜30およびゲート電極20が所定の形状に加工される。
次に、
図21(b)に示すように、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に、ゲート絶縁膜22および半導体層24を形成する。なお、ゲート絶縁膜22および半導体層24の形成は、第1の実施形態と同様に行うことができる。
その後、第1の実施形態と同様に、配線層200を形成する。そして、例えば配線層200上に他の配線層を形成し、本実施形態に係る半導体装置306が得られる。
【0065】
次に、本実施形態の効果を説明する。
半導体装置の製造工程では、レジスト膜を除去するためのアッシング処理により、配線が劣化してしまうことがある。
本実施形態では、絶縁膜30を、下層絶縁膜34と、下層絶縁膜34上に設けられ、かつ下層絶縁膜34とは異なる材料により構成される上層絶縁膜36と、により構成している。これにより、
図18(a)に示すように、レジスト膜250をアッシングにより除去する工程において、配線104を下層絶縁膜34により保護することができる。従って、レジスト膜を除去するためのアッシング処理において、配線が劣化してしまうことを抑制できる。
【0066】
また、本実施形態では、
図20(a)に示すように、レジスト膜254をマスクとして、絶縁膜40を選択的に除去する。そして、レジスト膜254をアッシング処理により除去した後、絶縁膜40をマスクとして、絶縁膜30およびゲート電極20をパターニングする。このため、レジスト膜254を除去する工程において、配線層100に設けられた配線を、絶縁膜30およびゲート電極20により保護することができる。従って、レジスト膜を除去するためのアッシング処理において、配線が劣化してしまうことを抑制できる。
【0067】
図22は、第5の実施形態に係る半導体装置308を示す断面図であって、第4の実施形態における
図15に対応している。
本実施形態に係る半導体装置308は、絶縁膜40が、下層絶縁膜44および上層絶縁膜46により構成されている。この点を除いて、本実施形態に係る半導体装置308は、第4の実施形態に係る半導体装置306と同様の構成を有する。
【0068】
図22に示すように、絶縁膜40は、下層絶縁膜44、および下層絶縁膜44上に設けられた上層絶縁膜46により構成される。
上層絶縁膜46は、下層絶縁膜44とは異なる材料により構成される。下層絶縁膜44は、例えばSiN、またはSiO
2等により構成される。上層絶縁膜46は、例えばSiN、またはSiO
2等により構成される。
下層絶縁膜44の膜厚は、例えば5〜50nmである。上層絶縁膜46の膜厚は、例えば5〜50nmである。
【0069】
次に、本実施形態に係る半導体装置308の製造方法を説明する。
図23〜25および63は、
図22に示す半導体装置308の製造方法を示す断面図である。
まず、
図16〜18に示す第4の実施形態の製造工程と同様の工程を経て、
図18(b)に示す構造を得る。
次に、
図23(a)に示すように、絶縁膜30上、および開口部32中に、ゲート電極20を形成する。次いで、ゲート電極20上に、絶縁膜40を形成する。絶縁膜40は、下層絶縁膜44、および下層絶縁膜44上に積層された上層絶縁膜46からなる。
次に、
図23(b)に示すように、レジスト膜254を形成する。レジスト膜254は、絶縁膜40上に設けられたレジスト膜を露光および現像することにより形成される。
【0070】
次に、
図24(a)に示すように、レジスト膜254をマスクとしたドライエッチング等により、下層絶縁膜44および上層絶縁膜46を選択的に除去する。これにより、絶縁膜40は、所定の形状に加工される。
次に、
図24(b)に示すように、レジスト膜254を除去する。レジスト膜254の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。
【0071】
なお、絶縁膜40の加工は、例えば次のように行われてもよい。
図23(b)に示す工程の後、
図63(a)に示すように、レジスト膜254をマスクとしたドライエッチング等により、上層絶縁膜46を選択的に除去する。これにより、上層絶縁膜46は、所定の形状に加工される。次いで、
図63(b)に示すように、レジスト膜254を除去する。レジスト膜254の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。次いで、上層絶縁膜44をマスクとしたドライエッチング等により、下層絶縁膜46を選択的に除去する。これにより、
図24(b)に示すように、絶縁膜40が所定の形状に加工される。
【0072】
次に、
図25(a)に示すように、絶縁膜40をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜30およびゲート電極20を選択的に除去する。これにより、絶縁膜30およびゲート電極20が所定の形状に加工される。
次に、
図25(b)に示すように、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に、ゲート絶縁膜22および半導体層24を形成する。なお、ゲート絶縁膜22および半導体層24の形成は、第1の実施形態と同様に行うことができる。
その後、第1の実施形態と同様に、配線層200を形成する。そして、例えば配線層200上に他の配線層を形成し、本実施形態に係る半導体装置308が得られる。
【0073】
本実施形態においても、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、レジスト膜254を用いて上層絶縁膜46をエッチングし、レジスト膜254をアッシングにより除去した後、パターニングした上層絶縁膜46をマスクとして下層絶縁膜44をエッチングすることができる。これにより、ゲート電極20が直接アッシングを受けるのに好ましくない材料により構成される場合であっても、ゲート電極20をアッシング環境にさらすことなく、絶縁膜40の加工を行うことができる。従って、ゲート電極20に用いる材料の選択肢が広くなる。
【0074】
図26は、第6の実施形態に係る半導体装置310を示す断面図であって、第1の実施形態に係る
図1に対応している。
本実施形態に係る半導体装置310は、導電膜260を備えている。また、配線層100上に設けられた絶縁膜224および絶縁膜226を備えている。これらの点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置300と同様の構成を有する。
【0075】
図26に示すように、半導体装置310は、導電膜260を備えている。導電膜260は、配線102上に設けられている。このため、配線102は、導電膜260を介して半導体層24と接続することなる。導電膜260は、例えば平面視で配線102の内側に位置するように設けられる。
導電膜260は、例えばTi、Ta、W、Al、TiN、TaNまたはWN、CoまたはWを含む化合物、もしくはこれらのいずれかにCおよびOの少なくとも1つを導入した材料等により構成される。導電膜260は、これらの材料により構成された単層であってもよく、二つ以上の層が積層したものであってもよい。導電膜260の膜厚は、例えば10〜50nmである、
【0076】
配線層100上には、絶縁膜224が形成されている。絶縁膜224は、ビアが形成
された領域および導電膜260が形成された領域を除いて、配線層100上全面に形成されている。絶縁膜224の材料としては、後述するように、絶縁膜226をエッチングによりパターニングする際のエッチングストッパ膜として機能するものを選択することができる。絶縁膜224は、例えばシリコン窒化膜等により構成される。
また、絶縁膜224上には、絶縁膜226が形成されている。絶縁膜226は、導電膜260が形成された領域および開口部32が形成された領域を除いて、平面視でゲート電極20、ゲート絶縁膜22、および半導体層24と重なる領域に形成されている。絶縁膜226は、例えばシリコン酸化膜等により構成される。
本実施形態において、絶縁膜30は、絶縁膜226上に形成される。また、拡散防止膜222は、絶縁膜30、ゲート電極20、絶縁膜40、ゲート絶縁膜22、および半導体層24を覆うように、絶縁膜224上に形成される。
【0077】
次に、本実施形態に係る半導体装置310の製造方法を説明する。
図27〜33は、本実施形態に係る半導体装置310の製造方法を示す断面図である。
まず、
図27(a)に示すように、配線層100を形成する。配線層100は、基板60上に設けられた多層配線層の一部を構成する。なお、配線層100は、第1の実施形態と同様に形成することができる。
次に、
図27(b)に示すように、配線層100上に絶縁膜224を形成する。次いで、絶縁膜224上に、絶縁膜226を形成する。
【0078】
次に、
図28(a)に示すように、絶縁膜226上に、レジスト膜256を形成する。次いで、レジスト膜256を露光および現像し、平面視で配線102上に位置する開口部258をレジスト膜256に形成する。なお、開口部258は、平面視で配線102の内側に位置するように設けられる。
次に、
図28(b)に示すように、レジスト膜256をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜226のうち開口部258下に位置する部分を選択的に除去する。これにより、絶縁膜226に開口部264が形成される。当該エッチング工程において、絶縁膜224は、エッチングストッパ膜として機能する。従って、開口部256下には、絶縁膜224が残ることとなる。
【0079】
次に、
図29(a)に示すように、レジスト膜256を除去する。レジスト膜256の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。このアッシング処理時において、配線102は、絶縁膜224により覆われており、露出していない。従って、アッシングを受けて配線102が劣化してしまうことを抑制できる。
次に、
図29(b)に示すように、絶縁膜226をマスクとしたドライエッチング等により、開口部264下に位置する絶縁膜224を選択的に除去する。これにより、絶縁膜224および絶縁膜226を貫通する開口部265が形成される。このとき、開口部265を介して、絶縁膜226上に配線102が露出することとなる。
【0080】
次に、
図30(a)に示すように、絶縁膜226上、および開口部265中に、導電膜260を形成する。
次に、
図30(b)に示すように、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により、導電膜260を平坦化する。これにより、絶縁膜226上の導電膜260が除去され、開口部265中の導電膜260が残ることとなる。
【0081】
次に、
図31(a)に示すように、絶縁膜226上、および導電膜260上に、絶縁膜30を形成する。
次に、
図31(b)に示すように、絶縁膜30上に、レジスト膜250を形成する。次いで、レジスト膜250を露光および現像し、平面視で配線104上に位置する開口部252をレジスト膜250に形成する。なお、開口部252は、平面視で配線104の内側に位置するように設けられる。
【0082】
次に、
図32(a)に示すように、レジスト膜250をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜30のうち開口部252下に位置する部分を選択的に除去する。これにより、絶縁膜30に開口部38が形成される。
図32(a)に示すように、当該エッチング工程により、開口部252下に位置する絶縁膜226も選択的に除去される。なお、絶縁膜226は、このエッチング工程の後に開口部252下に残っていてもよい。
次に、
図32(b)に示すように、レジスト膜250を除去する。レジスト膜250の除去は、例えばアッシング等の方法により行われる。このアッシング処理時において、配線104は、絶縁膜224により覆われており、露出していない。従って、アッシングを受けて配線104が劣化してしまうことを抑制できる。
【0083】
次に、
図33(a)に示すように、絶縁膜30をマスクとしたドライエッチング等により、開口部38下に位置する絶縁膜224を選択的に除去する。これにより、絶縁膜224、絶縁膜226、および絶縁膜30を貫通する開口部32が形成される。このとき、開口部32を介して、絶縁膜30上に配線104が露出することとなる。
【0084】
次に、
図33(b)に示すように、絶縁膜30上、および開口部32中に、ゲート電極20を形成する。次いで、ゲート電極20上に絶縁膜40を形成する。次いで、
図34(a)に示すように、レジスト膜254を形成する。次いで、
図34(b)に示すように、レジスト膜254をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜40を選択的に除去する。
次に、
図35(a)に示すように、レジスト膜254を、アッシング等の方法により除去する。次いで、
図35(a)に示すように、絶縁膜40をマスクとしたドライエッチング等により、ゲート電極20を選択的に除去する。このとき、ゲート電極20の端部の一部が平面視で導電膜260と重なるように、ゲート電極20が加工される。
これらの工程は、
図19、
図21、および
図22(a)に示す第4の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
【0085】
次に、
図36に示すように、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上、ゲート絶縁膜22、および半導体層24を順に形成する。この工程については、
図9(b)、
図10、および
図11(a)に示す第1の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
本実施形態では、ゲート絶縁膜22および半導体層24を全面エッチバックする工程において、配線102は導電膜260により覆われており、露出していない。このため、配線102がエッチングに曝されて生じるエッチング生成物の発生を抑制することができる。
なお、ゲート絶縁膜22および半導体層24を全面エッチバックする工程では、ゲート電極20、ゲート絶縁膜22、および半導体層24と平面視で重ならない領域に位置する絶縁膜226も同様に除去されることとなる。
【0086】
次に、拡散防止膜222および層間絶縁膜220を形成する。次いで、拡散防止膜222および層間絶縁膜220中に、各配線およびビアを形成する。これにより、配線層200が得られる。これらの工程については、
図11(b)、および
図12に示す第1の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
その後、例えば配線層200上に他の配線層を形成し、本実施形態に係る半導体装置310が得られる。
【0087】
次に、本実施形態の効果を説明する。
配線102がエッチングに曝されることにより、配線102周囲にはエッチング生成物が生じる。これは、例えば銅配線である場合において特に顕著となる。配線102から発生したエッチング生成物がゲート電極20周囲に付着した場合、トランジスタ10の動作不良等の原因となる。
本実施形態によれば、ゲート絶縁膜22および半導体層24を全面エッチバックする工程において、配線102がエッチングに曝されない。このため、当該エッチバック工程において、配線102からエッチング生成物が生じることを抑制することができる。従って、トランジスタの動作不良等が生じることを防止して、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、配線102は、配線102とは異なる材料からなる導電膜260を介して半導体層24と接続している。このため、配線102を構成する材料である銅が半導体層24中へ拡散することを抑制することができる。従って、トランジスタ特性の安定化を図ることができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
図37は、第7の実施形態に係る半導体装置312を示す断面図であって、第6の実施形態における
図26に対応している。
本実施形態に係る半導体装置312は、導電膜262を備えている。この点を除いて、本実施形態に係る半導体装置312は、第6の実施形態に係る半導体装置310と同様の構成を有する。
【0091】
図37に示すように、半導体装置312は、導電膜262を備えている。導電膜262は、配線104上に設けられている。このため、配線104は、導電膜262を介してゲート電極20と接続することとなる。導電膜262は、配線104とは異なる材料により構成される。
導電膜262は、導電膜260と同一の工程により形成される。このため、導電膜262は、導電膜260と同様の材料により構成される。導電膜260および導電膜262は、例えばTi、Ta、W、Al、TiN、TaNまたはWN、CoまたはWを含む化合物、もしくはこれらのいずれかにCおよびOの少なくとも1つを導入した材料等により構成される。導電膜260および導電膜262は、これらの材料により構成された単層であってもよく、二つ以上の層が積層したものであってもよい。導電膜260および導電膜262の膜厚は、例えば10〜50nmである、
本実施形態では、導電膜260および導電膜262は、後述するように、絶縁膜226上に設けられた導電膜270をドライエッチング等によりパターニングすることにより形成される。
【0092】
次に、本実施形態に係る半導体装置312の製造方法を説明する。
図38〜43は、本実施形態に係る半導体装置312の製造方法を示す断面図である。
まず、配線層100を形成する。次いで、配線層100上に、絶縁膜224および絶縁膜226を形成する。これらの工程は、
図27に示す第6の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
次いで、配線102上および配線104上に位置する開口部265を絶縁膜224および絶縁膜226に形成する。開口部265の形成は、
図28および
図29に示す第6の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。これにより、
図38(a)に示す構造が得られる。
【0093】
次に、
図38(b)に示すように、絶縁膜226上、および開口部265内に、導電膜270を形成する。導電膜270は、導電膜260および導電膜262を構成する材料により構成される。
次に、
図39(a)に示すように、レジスト膜272を形成する。レジスト膜272は、平面視で配線102と重なる領域、および平面視で配線104と重なる領域のそれぞれに、各領域上に設けられたレジスト膜272が互いに分離するように設けられる。レジスト膜272は、導電膜270上に設けられたレジスト膜を露光および現像することにより形成される。
次に、
図39(b)に示すように、レジスト膜272をマスクとしたドライエッチング等により、導電膜270を選択的に除去する。これにより、配線102上に導電膜260が、配線104上に導電膜262が形成されることとなる。
【0094】
次に、
図40(a)に示すように、レジスト膜272をアッシング等の方法により除去する。次に、
図40(b)に示すように、絶縁膜226上に絶縁膜30を形成する。絶縁膜30は、導電膜260および導電膜262を覆うように形成される。
【0095】
次に、
図41(a)に示すように、絶縁膜30上に、レジスト膜250を形成する。次いで、レジスト膜250を露光および現像し、平面視で導電膜262上に位置する開口部252をレジスト膜250に形成する。なお、開口部252は、平面視で導電膜262の内側に位置するように設けられる。
次に、
図41(b)に示すように、レジスト膜250をマスクとしたドライエッチング等により、絶縁膜30のうち開口部252下に位置する部分を選択的に除去する。これにより、絶縁膜30に開口部32が形成される。このとき、開口部32を介して、絶縁膜30上に導電膜262が露出することとなる。
【0096】
次に、
図42(a)に示すように、レジスト膜250をアッシング等の方法により除去する。
次に、
図42(b)に示すように、絶縁膜30上および開口部32内に、ゲート電極20を形成する。次いで、ゲート電極20上に、絶縁膜40を形成する。
【0097】
次に、
図43(a)に示すように、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40を、所定の形状にパターニングする。当該パターニング工程は、
図34および
図35に示す第6の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
次に、
図43(b)に示すように、絶縁膜30、ゲート電極20、および絶縁膜40の側面上に、ゲート絶縁膜22および半導体層24を形成する。この工程については、
図9(b)、
図10、および
図11(a)に示す第1の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
【0098】
次に、拡散防止膜222および層間絶縁膜220を形成する。次いで、拡散防止膜222および層間絶縁膜220中に、各配線およびビアを形成する。これにより、配線層200が得られる。これらの工程については、
図11(b)、および
図12に示す第1の実施形態の製造工程と同様に行うことができる。
その後、例えば配線層200上に他の配線層を形成し、本実施形態に係る半導体装置312が得られる。
【0099】
本実施形態においても、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0100】
図44は、第8の実施形態に係る半導体装置314を示す断面図であって、第1の実施形態における
図1に対応している。
図45は、
図44に示す半導体装置314を示す平面図であって、第1の実施形態における
図2に対応している。
図44は、
図45におけるB−B'断面を示している。
図45は、
図44におけるA−A'平面を示している。
本実施形態に係る半導体装置314は、配線102およびビア212の構成を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置300と同様の構成を有する。
【0101】
半導体装置314において、平面視で配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の一辺を含まず、当該一辺と隣接する二辺の一部を含む。
本実施形態において、ゲート電極20は長方形である。
図44および
図45に示すように、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の短辺を含まず、当該短辺に隣接する二つの長辺の一部を含んでいる。
【0102】
本実施形態では、半導体層24のうち、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に含まれるゲート電極20の上記一部に隣接して設けられた部分が、チャネル領域50として機能することとなる。
本実施形態では、配線102およびビア212とゲート電極20との位置関係にズレが生じても、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域が含む、ゲート電極20の辺の長さは一定となる。この場合、チャネル領域50のチャネル幅も一定に保たれることとなる。
【0103】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、平面視で配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の一辺を含まず、当該一辺と隣接する二辺の一部を含む。この場合、プロセス上の変動等により、配線102およびビア212とゲート電極20との間の位置関係にズレが生じても、チャネル幅は一定に保たれる。このため、半導体素子ごとの特性にばらつきが生じることを抑制することができる。
【0104】
図46は、第9の実施形態に係る半導体装置316を示す断面図であって、第8の実施形態における
図44に対応している。また、
図47は、
図46に示す半導体装置316を示す平面図であって、第8の実施形態における
図45に対応している。
図45は、
図46におけるB−B'断面を示している。
図46は、
図45におけるA−A'平面を示している。
本実施形態に係る半導体装置316は、ビア212の構成を除いて、第8の実施形態に係る半導体装置314と同様の構成を有する。
【0105】
半導体装置316において、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に位置するゲート電極20の二辺の延伸方向において、配線102の上面およびビア212の底面のうち一方は、平面視で他方の内側に位置する。
本実施形態において、ゲート電極20は長方形である。
図46および
図47に示すように、本実施形態に係る半導体装置316では、ビア212の底面が、平面視で配線102の上面の内側に位置している。すなわち、ゲート電極20の長辺の延伸方向において、ビア212の底面は、配線102の上面の内側に位置することとなる。
この場合、配線102の上面とビア212の底面との間の位置関係にズレが生じても、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域の大きさは一定に保たれる。この場合、チャネル領域50のチャネル幅も一定に保たれることとなる。
なお、本実施形態では、ゲート電極20の長辺の延伸方向において、配線102の上面が、平面視でビア212の底面の内側に位置していてもよい。
【0106】
本実施形態においても、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に位置するゲート電極20の二辺の延伸方向において、配線102の上面およびビア212の底面のうち一方は、平面視で他方の内側に位置する。この場合、プロセス上の変動等により、配線102の上面とビア212の底面との間の位置関係にズレが生じても、チャネル幅は一定に保たれる。このため、半導体素子ごとの特性にばらつきが生じることを抑制することができる。
【0107】
図48は、第10の実施形態に係る半導体装置318を示す平面図であって、第1の実施形態における
図2に対応している。
本実施形態に係る半導体装置318は、配線102およびビア212の構成を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置300と同様の構成を有する。
【0108】
本実施形態に係る半導体装置318において、平面視で配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の一辺の少なくとも一部を含み、かつ当該一辺と隣接する二辺を含まない。
本実施形態において、ゲート電極20は長方形である。
図48に示すように、ゲート電極20の短辺の延伸方向において、ビア212の底面は、ゲート電極20の短辺よりも短い。このため、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の短辺の一部を含み、かつ二つの長辺を含まない。
【0109】
本実施形態では、半導体層24のうち、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域に含まれるゲート電極20の上記一部に隣接する部分が、チャネル領域50として機能する。このため、配線102およびビア212とゲート電極20との位置関係にズレが生じても、配線102の上面とビア212の底面が重なる領域が含む、ゲート電極20の辺の長さは一定となる。この場合、チャネル領域50のチャネル幅も一定に保たれることとなる。
【0110】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、平面視で配線102の上面とビア212の底面が重なる領域は、ゲート電極20の一辺の少なくとも一部を含み、かつ当該一辺と隣接する二辺を含まない。この場合、プロセス上の変動等により、配線102およびビア212とゲート電極20との間の位置関係にズレが生じても、チャネル幅は一定に保たれる。このため、半導体素子ごとの特性にばらつきが生じることを抑制することができる。
【0111】
図49は、第11の実施形態に係る半導体装置320を示す断面図であって、第1の実施形態における
図1に対応している。また、
図50は、
図49に示す半導体装置320を示す平面図であって、第1の実施形態における
図2に対応している。
図49は、
図50におけるB−B'断面を示している。
図50は、
図49におけるA−A'平面を示している。
本実施形態に係る半導体装置320は、二つのトランジスタを用いてCMOSを構成している。この点を除いて、本実施形態に係る半導体装置320は、第1の実施形態に係る半導体装置300と同様の構成を有する。
【0112】
図49に示すように、配線層100中には、配線108およびビア118が設けられている。ビア118は、配線108下に設けられており、配線108と接続している。
配線108は、層間絶縁膜120内に埋め込まれている。また、配線108は、例えば配線102と同一の工程により形成される。このため、配線108は、配線102と同一の深さを有し、かつ同一の材料により構成される。
【0113】
図49に示すように、配線層200中には、配線208およびビア218が設けられている。ビア218は、配線208下に設けられており、配線208と接続している。
配線208は、層間絶縁膜220内に埋め込まれている。また、配線208は、例えば配線202と同一の工程により形成される。このため、配線208は、配線202と同一の深さを有し、かつ同一の材料により構成される。
また、
図49に示すように、配線208およびビア218を埋め込むための溝または孔の側壁には、バリアメタル膜238が形成されていてもよい。バリアメタル膜238は、例えばバリアメタル膜232と同様の材料および構成を有している。
【0114】
図50に示すビア218は、ビア218の底面を示している。また、
図50に示す配線108は、配線108の上面を示している。
図50に示すように、配線108の上面とビア218の底面は、平面視で重なっている。また、半導体層24の一部は、配線108の上面とビア218の底面とが重なる領域に位置する。
【0115】
図49に示すように、ゲート電極20と配線108との間には絶縁膜30が設けられている。このため、ゲート電極20は、配線108と接続していない。また、ゲート電極20とビア218との間には、絶縁膜40が設けられている。このため、ゲート電極20は、ビア218と接続していない。
半導体層24は、配線108およびビア218と接続している。半導体層24のうち、配線102およびビア212と接続する部分は、第1導電型を有している。また、半導体層24のうち、配線108およびビア218と接続する部分は、当該第1導電型とは異なる第2導電型を有する。半導体層24を構成する材料を選択することにより、半導体層24の導電型を設計することができる。ここで、第1導電型および第2導電型とは、P型およびN型のいずれかを意味する。
本実施形態においては、例えば半導体層24の材料を作り分けることにより、半導体層24の各部分における導電型を制御する。半導体層24のうち第1導電型を有する部分または第2導電型を有する部分の一方を形成する際に、他方を形成する領域をマスクにより保護することで、半導体層24の材料を作り分けることができる。
【0116】
本実施形態において、配線108、配線208、ゲート電極20、ゲート絶縁膜22、および半導体層24は、トランジスタ12を構成する。
半導体層24のうち、配線108の上面とビア218の底面とが重なる領域に位置する部分において、チャネル領域52が形成される。また、ビア218を介して半導体層24と接続する配線208、および半導体層24と接続する配線108が、ソース・ドレイン電極として機能する。絶縁膜30および絶縁膜40は、ゲート電極20とソース・ドレイン電極との間の距離を規定するサイドウォールとしての機能を有する。
【0117】
本実施形態において、トランジスタ12を構成する半導体層24は、上述のように、第2導電型を有する。このため、トランジスタ12は、第2導電型のトランジスタとなる。一方、トランジスタ10を構成する半導体層24は、第1導電型を有する。すなわち、トランジスタ10は、第1導電型のトランジスタとなる。このため、トランジスタ10およびトランジスタ12により、CMOSが構成されることとなる。
本実施形態では、トランジスタ10のソース・ドレイン電極と、トランジスタ12のソース・ドレイン電極と、を接続することにより、インバータとして動作させることが可能となる。
【0118】
図49に示すように、本実施形態では、第2の実施形態と同様、配線層200に設けられた配線204を介してゲート電極20へゲート電圧を印加している。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様、配線104を介してゲート電極20へゲート電圧を印加する構成を有していてもよい。
【0119】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、多層配線層中にCMOSを備える半導体装置を提供することが可能となる。
【0120】
図51は、第12の実施形態に係る半導体装置322を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置322は、配線層100および配線層200により構成される、機能層400および機能層500を備えている。基板60上に設けられた多層配線層のうち、機能層400を構成する配線層100および配線層200には、トランジスタ14(10)が設けられている。また、機能層500を構成する配線層100および配線層200には、トランジスタ15(10)が設けられている。また、トランジスタ14とトランジスタ15とは、互いに異なる特性を有する。
本明細書中において、機能層とは、多層配線層中における、特定の機能を有する素子が集まっている特定の領域を指す。このとき、特定の領域には、特定の機能を有する回路や素子のみが形成されていることが好ましい。特定の領域とは、基板平面と水平な面方向、および配線層の積層方向の両方により特定される領域を意味する。
なお、本実施形態における機能層400および機能層500は、それぞれ第1ないし第10の実施形態のいずれかに開示される配線層100および配線層200からなる。本明細書において、機能層400に設けられるトランジスタ10をトランジスタ14とし、機能層500に設けられるトランジスタ10をトランジスタ15とする。
【0121】
図51に示すように、本実施形態に係る半導体装置322において、機能層500は、機能層400上に積層されている。この場合、機能層500が有する配線層100は、機能層400が有する配線層200上に位置することとなる。
なお、機能層400と機能層500は、多層配線層中のいずれの部分を構成してもよく、例えば互いに離間していてもよい。
【0122】
図51に示すように、本実施形態における機能層400を構成する配線層100および配線層200は、例えば第2の実施形態に係る配線層100および配線層200と同様の構成を有する。すなわち、機能層400において、ゲート電極20には、配線層200に設けられた配線206を介してゲート電圧が印加される。
また、本実施形態における機能層500を構成する配線層100および配線層200は、例えば第1の実施形態に係る配線層100および配線層200と同様の構成を有する。すなわち、機能層500において、ゲート電極20には、配線層100に設けられた配線106を介してゲート電圧が印加される。
【0123】
図51に示すように、機能層500の配線106と、機能層400の配線206は、機能層500のビア116を介して接続している。このため、トランジスタ14のゲート電極20とトランジスタ15のゲート電極20は、互いに接続することとなる。
また、
図51に示すように、機能層400の配線202と、機能層500の配線102は、機能層500のビア112を介して接続している。このため、トランジスタ14のソース・ドレイン電極の一方と、トランジスタ15のソース・ドレイン電極の一方は、互いに接続することとなる。
【0124】
トランジスタ14とトランジスタ15は、互いに異なる特性を有している。ここで、異なる特性とは、例えばトランジスタの導電型、またはしきい値電圧を指す。
トランジスタの導電型は、半導体層24を構成する材料を選択することにより、設計することができる。また、トランジスタのしきい値電圧は、例えばゲート電極20の材料を選択することにより設計することができる。
【0125】
本実施形態において、トランジスタ14は、例えば第1導電型を有する。また、トランジスタ15は、例えば第1導電型とは異なる第2導電型を有する。なお、ここで、第1導電型および第2導電型とは、P型およびN型のいずれかを意味する。
また、トランジスタ14とトランジスタ15は、互いにソース・ドレイン電極により接続されている。さらに、トランジスタ14とトランジスタ15のゲート電極20は、互いに接続している。このため、半導体装置322は、トランジスタ14およびトランジスタ15により構成されるインバータを備えることとなる。
【0126】
図52は、
図51に示す半導体装置322が有するCMOSインバータ回路を示す回路図である。ここでは、トランジスタ14をP型トランジスタとし、トランジスタ15をN型トランジスタとしている。
図52に示すように、トランジスタ14およびトランジスタ15のゲート電極20を入力端子に接続し、ドレイン電極を出力端子に接続している。このとき、トランジスタ14においては配線202がドレイン電極となり、トランジスタ15においては配線102がドレイン電極となる。また、トランジスタ14のソース電極が接地され、トランジスタ15のソース電極が電源と接続している。このとき、トランジスタ14の配線102がソース電極となり、トランジスタ15の配線202がソース電極となる。
このように回路を設計することで、本実施形態に係る半導体装置322をインバータとして動作させることが可能となる。
【0127】
図53は、
図51に示す半導体装置322の第1変形例を示す断面図である。半導体装置322は、本変形例に係る配線層100および配線層200の構造を有していてもよい。
後述するように、本変形例に係る半導体装置322では、配線420、配線430、半導体層424、およびゲート絶縁膜422により、トランジスタ10が構成される。
【0128】
図53に示すように、本変形例に係る半導体装置322では、配線層100中に埋め込まれた配線420によりゲート電極が構成される。配線420は、例えば配線102と同様の材料により構成される。
配線420を埋め込むための溝の側壁には、バリアメタル膜421が形成されている。バリアメタル膜421は、例えばバリアメタル膜232と同様の材料により構成される。
また、配線420上には、拡散防止膜222と同一層に配置されたゲート絶縁膜422が形成されている。ゲート絶縁膜422は、例えば拡散防止膜222よりも薄い。ゲート絶縁膜422は、例えば拡散防止膜222のうち配線420と重なる領域、およびその周囲の上面に凹部を形成することにより形成される。
【0129】
また、ゲート絶縁膜422およびその周囲に位置する拡散防止膜222上には、半導体層424が形成されている。半導体層424は、例えば半導体層24と同様の材料により構成される。また、半導体層424は、例えばポリシリコン層またはアモルファスシリコン層であってもよい。
半導体層424には、ソースおよびドレインが設けられている。半導体膜424が酸化物半導体層である場合、ソースおよびドレインは、例えば酸素欠陥を導入することにより形成されるが、不純物を導入することにより形成されても良い。半導体膜424がポリシリコン層やアモルファスシリコン層である場合、ソースおよびドレインは不純物を導入することにより形成される。半導体層424のうち、ソースおよびドレインに挟まれている領域が、チャネル領域となる。
【0130】
また、配線層200には、二つの配線430が形成されている。二つの配線430は、それぞれビア431を介して半導体層424のソース/ドレインに接続している。すなわち、二つの配線430により、ソース・ドレイン電極が構成されることとなる。配線430は、例えば配線202と同様の材料により構成される。
配線430およびビア431を埋め込むための溝または孔の側壁には、バリアメタル膜432が形成されている。バリアメタル膜432は、例えばバリアメタル膜232と同様の材料により構成される。
半導体層424上には、ハードマスク膜428が設けられている。ハードマスク膜428は、半導体膜424をエッチングにより選択的に残す際に用いられる。ハードマスク膜428は、半導体膜424に対してエッチング選択比が取れる材料であればよい。配線430は、ハードマスク膜428を貫通して、半導体層424と接続する。
【0131】
図53に示すように、各機能層は、例えばそれぞれ複数のトランジスタを有していてもよい。同一の機能層に設けられた複数のトランジスタそれぞれが有するゲート電極は、互いに同一の工程により形成される。このため、各ゲート電極は、同一の材料により構成されることとなる。また、同一の機能層に設けられた複数のトランジスタそれぞれが有する半導体層424は、互いに同一の工程により形成される。このため、各半導体層424は、同一の材料により構成されることとなる。
従って、同一の機能層に設けられたトランジスタは、同一の特性を有する。
【0132】
本変形例においても、トランジスタ14は、例えば第1導電型を有する。また、トランジスタ15は、例えば第1導電型とは異なる第2導電型を有する。なお、ここで、第1導電型および第2導電型とは、P型およびN型のいずれかを意味する。
このため、トランジスタ14とトランジスタ15において、ソース・ドレイン電極の一方を互いに接続し、かつゲート電極を互いに接続することにより、インバータとしての動作を行うことができる。
【0133】
図54は、
図51に示す半導体装置322の第2変形例を示す断面図である。半導体装置322は、本変形例に係る配線層100および配線層200の構造を有していてもよい。
本変形例に係る半導体装置322は、ゲート電極およびゲート絶縁膜の構成を除いて、第1変形例に係る半導体装置322と同様の構成を有する。
【0134】
図54に示すように、本変形例に係る半導体装置322において、ゲート電極440は、配線420上に設けられており、配線420と接続している。ゲート電極440は、配線420とは別工程で形成されている。ゲート電極440は、例えばゲート電極20と同様の材料により構成することができる。
ゲート電極440上には、ゲート絶縁膜422が設けられている。ゲート絶縁膜422は、拡散防止膜222とは別工程で形成されている。ゲート絶縁膜422は、例えばゲート絶縁膜22と同様の材料により構成される。
【0135】
次に、本実施形態の効果を説明する。
互いに特性の異なる二つのトランジスタを形成する場合、各トランジスタは、それぞれ別工程により形成される必要がある。このため、互いに特性の異なる二つのトランジスタを同一配線層内に設ける場合、一方のトランジスタを形成する際に、例えばハードマスクを形成して他方のトランジスタを保護する必要がある。すなわち、二つのトランジスタを作り分けるための工程を追加する必要がある。この場合、半導体装置の製造は、煩雑となってしまう。
また、この場合、二つのトランジスタを作り分ける工程において発生する目ズレ等を考慮してトランジスタを設計する必要がある。このため、同一配線層内におけるトランジスタの面内密度は制限されてしまう。
【0136】
本実施形態によれば、半導体装置322は、互いに異なる特性を有するトランジスタ14およびトランジスタ15を備えている。また、トランジスタ15は、トランジスタ14が設けられる機能層400とは異なる機能層500に形成される。すなわち、トランジスタ14とトランジスタ15は、互いに異なる配線層に設けられることとなる。この場合、トランジスタ14とトランジスタ15を作り分けるための工程は不要となる。
従って、互いに異なる特性を有する二つのトランジスタを備える半導体装置を、容易に製造することが可能となる。
また、互いに異なる特性を有する二つのトランジスタを備える半導体装置において、トランジスタの面内密度を向上させることが可能となる。
【0137】
互いに特性の異なる二つのトランジスタを同一配線層内に設ける場合、一方のトランジスタを形成する際に、例えばハードマスクを形成して他方のトランジスタを保護する。この場合、ハードマスクをドライエッチング等により除去する必要がある。これにより、配線層にダメージが生じてしまう。
本実施形態によれば、上述のように、トランジスタ14とトランジスタ15を作り分けるための工程は不要となる。従って、配線層にダメージが生じてしまうことを抑制することができる。
【0138】
図55は、第13の実施形態に係る半導体装置324を示す回路図である。
本実施形態に係る半導体装置324は、配線層100および配線層200により構成される機能層600を備えている。基板60上に設けられた多層配線層のうち、機能層600を構成する配線層200には、アクセストランジスタとして機能するトランジスタ16(10)が設けられている。この点を除いて、本実施形態に係る半導体装置324は、第12の実施形態に係る半導体装置322と同様の構成を有する。
なお、本実施形態における機能層600は、第1ないし第10の実施形態のいずれかに開示される配線層100および配線層200からなる。本明細書において、機能層600に設けられるトランジスタ10をトランジスタ16とする。
【0139】
図55に示すように、本実施形態に係る半導体装置324は、二つのインバータおよび二つのアクセストランジスタにより構成される、6トランジスタ型のSRAMセルを備えている。
インバータは、第12の実施形態に係る半導体装置322が有するトランジスタ14およびトランジスタ15により構成されるCMOSインバータである。当該インバータは、例えば
図51に示される構造を有する。また、アクセストランジスタは、トランジスタ16により構成される。
【0140】
図55に示すように、本実施形態に係る半導体装置324は、機能層600、機能層400、および機能層500をこの順に積層して構成される。
機能層400は、PMOS層を構成する。この場合、機能層400に設けられているトランジスタ14は、P型トランジスタである。機能層400は、一つのSRAMセルにつき、トランジスタ14を二つずつ有する。
機能層500は、NMOS層を構成する。この場合、機能層500に設けられているトランジスタ15は、N型トランジスタである。機能層500は、一つのSRAMセルにつき、トランジスタ15を二つずつ有する。
【0141】
図55に示すように、機能層600は、アクセストランジスタ層を構成している。また、機能層600は、一つのSRAMセルにつき、アクセストランジスタとして機能するトランジスタ16を二つずつ有する。
二つのアクセストランジスタ16のゲート電極は、共通のワード線(WL)に接続している。また、二つのアクセストランジスタ16において、ソース・ドレイン電極の一方はそれぞれ異なるビット線(BL)に接続し、他方はインバータ回路と接続している。
【0142】
本実施形態においても、第12の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0143】
アクセストランジスタを構成するトランジスタ16と、インバータを構成するトランジスタ14は、互いに機能が異なる。このため、トランジスタ16と、トランジスタ14およびトランジスタ15は、別工程により形成される必要がある。このため、同一配線層内にトランジスタ16と、トランジスタ14またはトランジスタ15とを形成する場合、これらを作り分けるための工程を追加する必要がある。
これに対し、本実施形態によれば、アクセストランジスタを構成するトランジスタ16を、インバータを構成するトランジスタ14およびトランジスタ15が設けられた配線層とは異なる配線層に形成している。このため、互いに機能が異なるトランジスタ16と、トランジスタ14およびトランジスタ15と、を作り分ける工程は不要となる。従って、半導体装置の製造が容易となる。
【0144】
図56は、第14の実施形態に係る半導体装置326を示す回路図である。
本実施形態に係る半導体装置326は、機能層700を備えている。機能層700は、容量層を構成しており、容量素子710を有している。容量素子710は、機能層600に設けられたトランジスタ16のソース・ドレイン電極の一方に接続し、DRAMセルを構成する。
なお、機能層600は、第13の実施形態と同様の構成とすることができる。
【0145】
機能層600は、アレイ状に配列された複数のトランジスタ16を備えている。また、機能層700は、複数の容量素子710を有している。複数の容量素子710は、それぞれ異なるトランジスタ16と接続し、DRAMセルアレイを構成する。
本実施形態では、例えば機能層600に設けられる複数のトランジスタ16のうちの一部がDRAMセルを構成し、他の一部が第13の実施形態に係るSRAMセルを構成する。
【0146】
図56に示すように、容量素子710は、プレート線(PL)に接続している。また、アクセストランジスタとして機能するトランジスタ16のゲート電極は、ワード線に接続している。さらに、トランジスタ16のソース・ドレイン電極の一方はビット線(BL)に接続し、他方は容量素子710に接続している。
【0147】
本実施形態によれば、DRAMセルとSRAMセルは、いずれも同一の配線層に設けられたトランジスタ16をアクセストランジスタとして用いる。この場合、DRAMセルのアクセストランジスタとSRAMセルのアクセストランジスタを、同一の工程により形成することが可能となる。従って、半導体装置の製造を容易とすることができる。
【0148】
図57は、第15の実施形態に係る半導体装置328を示す回路図である。
本実施形態に係る半導体装置328は、機能層800を備えている。機能層800は、抵抗変化素子層を構成しており、抵抗変化素子810を有している。抵抗変化素子810は、機能層600に設けられたトランジスタ16のソース・ドレイン電極の一方に接続し、抵抗変化素子セルを構成する。
なお、機能層600は、第13の実施形態と同様の構成とすることができる。
【0149】
機能層600は、アレイ状に配列された複数のトランジスタ16を備えている。また、機能層800は、複数の抵抗変化素子810を有している。複数の抵抗変化素子810は、それぞれ異なるトランジスタ16と接続し、抵抗変化素子セルアレイを構成している。
本実施形態では、例えば機能層600に設けられる複数のトランジスタ16のうちの一部が抵抗変化素子セルを構成し、他の一部が第13の実施形態に係るSRAMセルを構成する。さらに、例えば抵抗変化素子セルおよびSRAMセルを構成しない一部が、第14の実施形態に係るDRAMセルを構成する。この場合、容量素子710を有する機能層700と、抵抗変化素子810を有する機能層800は、例えば同一の配線層により構成される。
【0150】
図57に示すように、抵抗変化素子810は、プレート線(PL)に接続している。また、アクセストランジスタとして機能するトランジスタ16のゲート電極は、ワード線に接続している。さらに、トランジスタ16のソース・ドレイン電極の一方はビット線(BL)に接続し、他方は抵抗変化素子810に接続している。
【0151】
本実施形態によれば、抵抗変化素子セルとSRAMセルおよびDRAMセルは、いずれも同一の配線層に設けられたトランジスタ16をアクセストランジスタとして用いる。この場合、抵抗変化素子セルのアクセストランジスタ、SRAMセルのアクセストランジスタ、およびDRAMセルのアクセストランジスタを、同一の工程により形成することが可能となる。従って、半導体装置の製造を容易とすることができる。
【0152】
図58は、第16の実施形態に係る半導体装置330を示す断面図である。
図59は、
図58に示す半導体装置330を示す平面図である。
本実施形態に係る半導体装置330は、機能層900を備えている。機能層900はNAND型Flashメモリ層を構成している。機能層900は、第1ないし第11いずれかの実施形態における配線層200を多数積層した構造を有する。本実施形態において、機能層900を構成する配線層200は、後述するようにフローティングゲート膜21を有するメモリ素子18を備える。
【0153】
図58に示すように、機能層900は、配線層200を多数積層した構造を有する。本実施形態において、機能層900は、例えば配線層200を4段積層してなる。機能層900のうち最下層に位置する配線層200以外の各配線層200に設けられている半導体層24は、下層に位置する配線202と接続する。また、機能層900のうち最下層に位置する配線層200に設けられた半導体層24は、ビット線(BL)と接続する。
機能層900のうち最上層に位置する配線層200に設けられた配線202は、プレート線(PL)と接続する。また、各配線層200に設けられたゲート電極20は、それぞれワード線(WL)を構成する。
【0154】
本実施形態において、機能層900を構成する配線層200は、メモリ素子18を有する。
メモリ素子18は、絶縁膜23およびフローティングゲート膜21を有している。絶縁膜23は、ゲート電極20の側面上に設けられている。フローティングゲート膜21は、絶縁膜23を介してゲート電極20の側面上に設けられている。ゲート絶縁膜22は、絶縁膜23およびフローティングゲート膜21を介して、ゲート電極20の側面上に設けられる。フローティングゲート膜21は、絶縁膜30により、下層に位置する配線202と電気的に分離される。また、フローティングゲート膜21は、絶縁膜40によりビア212と電気的に分離される。なお、ゲート電極20は、Flashメモリのコントロールゲート膜として機能する。
また、本実施形態では、隣接する二つの配線層200それぞれに設けられた配線202が、ソース・ドレイン電極を構成する。当該ソース・ドレイン電極、ならびに配線層200の積層方向において当該ソース・ドレイン電極を構成する二つの配線202の間に位置するゲート電極20、絶縁膜23、フローティングゲート膜21、ゲート絶縁膜22、および半導体層24により、メモリ素子18が構成される。
これらの点を除いて、メモリ素子18は、第1の実施形態におけるトランジスタ10と同様の構成を有する。
【0155】
図58に示すように、配線層200の積層方向において隣接する二つのメモリ素子18は、互いにソース・ドレイン電極を介して接続することとなる。配線層200の積層方向に配列され、かつソース・ドレイン電極を介して互いに直列に接続された複数のメモリ素子18により、FlashメモリのNANDチェインが構成されることとなる。
【0156】
図59に示すように、各配線層200において、ゲート電極20は、図中Y方向(
図59中の上下方向)に延伸している。また、ゲート電極20上には、絶縁膜40を介して、互いに分離した複数の配線202(図示せず)および複数のビア212が設けられている。このとき、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極20の側面上に設けられた半導体層24には、互いに分離した複数のビア212に対応して、互いに分離した複数のチャネル領域50が形成される。これにより、同一配線層200内において、図中Y方向に配列された複数のメモリ素子18が形成されることとなる。
さらに、ゲート電極20、絶縁膜23、フローティングゲート21、ゲート絶縁膜22、半導体層24、および当該ゲート電極20上に設けられた複数の配線202は、図中X方向(
図59中の左右方向)において、互いに分離するように複数配列されている。
従って、各配線層200は、同一配線層内に、アレイ状に配列された複数のメモリ素子18を有することとなる。
同一配線内にアレイ状に配列された複数のメモリ素子18は、それぞれ異なるNAND型Flashメモリを構成する。このため、機能層900に設けられる複数のメモリ素子18により、Flashメモリアレイが構成されることとなる。
【0157】
なお、本実施形態においては、フローティングゲート21の代わりに、SiN等により構成されるトラップ膜、ナノクリスタル等の微結晶により構成される電荷保持膜、またはその他の電荷を保持する機能を有する膜が設けられていてもよい。
【0158】
本実施形態によれば、多層配線層中にNAND型Flashメモリを形成することができる。
また、本実施形態によれば、多層配線層の積層方向において積層された複数のメモリ素子18により、NAND型Flashメモリが構成される。このため、Flashメモリの搭載面積を縮小することが可能となる。従って、半導体装置に設けられる半導体素子の高密度化を図ることができる。
【0159】
図60は、第17の実施形態に係る半導体装置332を示す断面図である。
図61は、
図60に示す半導体装置332を示す回路図である。
本実施形態に係る半導体装置332は、機能層950を備えている。機能層950は、NOR型Flashメモリを構成している。機能層950は、第1ないし第11いずれかの実施形態における配線層100および配線層200を有する。本実施形態において、機能層950を構成する配線層200は、後述するようにフローティングゲート膜21を有するメモリ素子19を備える。
【0160】
図60に示すように、機能層950は、配線層100、および配線層100上に設けられた配線層200により構成される。
本実施形態において、機能層950を構成する配線層200は、メモリ素子19を有する。
メモリ素子19は、絶縁膜23およびフローティングゲート膜21を有している。絶縁膜23は、ゲート電極20の側面上に設けられている。フローティングゲート膜21は、絶縁膜23を介してゲート電極20の側面上に設けられている。ゲート絶縁膜22は、絶縁膜23およびフローティングゲート膜21を介して、ゲート電極20の側面上に設けられる。フローティングゲート膜21は、絶縁膜30により配線102と電気的に分離される。また、フローティングゲート膜21は、絶縁膜40によりビア212と電気的に分離される。なお、ゲート電極20は、Flashメモリのコントロールゲート膜として機能する。これらの点を除いて、メモリ素子19は、第1の実施形態におけるトランジスタ10と同様の構成を有する。
【0161】
本実施形態において、機能層950を構成する配線層100は、拡散防止膜122上に設けられたビット線(BL)を有している。メモリ素子19を構成する配線102は、ビット線(BL)上に設けられており、ビット線(BL)と接続している。
配線層200上には、プレート線(PL)が設けられている。メモリ素子19を構成する配線202は、プレート線(PL)と接続している。
メモリ素子19を構成するゲート電極20は、それぞれワード線(WL)を構成する。
【0162】
図61に示すように、機能層950は、
図61中のX方向およびY方向にアレイ状に配列された複数のメモリ素子19を備えている。
図61中のX方向に配列された複数のメモリ素子19は、互いに並列となるよう、共通のビット線(BL)に接続されている。このように、共通のビット線(BL)に接続された複数のメモリ素子19により、NOR型Flashメモリが形成されることとなる。
【0163】
本実施形態によれば、多層配線層中に、NOR型Flashメモリを形成することができる。
【0164】
図62は、第18の実施形態に係る半導体装置334を示す断面模式図である。
本実施形態に係る半導体装置334は、基板上に多層配線層を形成してなる。また、多層配線層は、互いに異なる配線層に設けられた、互いに異なる機能を有するデバイスを備えている。これにより、三次元LSI構造が実現される。以下、当該三次元LSI構造について詳細に説明する。
【0165】
図62に示すように、多層配線層は、互いに異なる複数の配線層それぞれに設けられたトランジスタを備えている。各配線層に設けられたトランジスタは、それぞれ各配線層により実現される機能に基づいて決定される特性を有する。トランジスタの特性とは、例えば導電型やしきい値電圧等である。
本実施形態において、多層配線層のうち一の層には、互いに同一の特性を有する複数のトランジスタが設けられている。また、多層配線層のうち上記一の層と異なる他の層には、上記一の層に設けられたトランジスタとは異なる特性を有し、かつ互いに同一の特性を有する複数のトランジスタが設けられている。
このように、一つの層内ではトランジスタの作り分けは行わず、異なる層の間においてトランジスタの作り分けを行う形態をとることにより、作り分けに伴って配線層内レイアウトが煩雑となることを抑制することができる。また、作り分けに伴ってトランジスタ素子の特性劣化が生じることを抑制することもできる。
多層配線層を構成する複数の配線層のうちの一部は、例えばロジック回路としての機能を有している。また、多層配線層を構成する複数の配線層のうちの他の一部は、例えば記憶回路としての機能を有している。本実施形態に係る半導体装置334は、例えば基板上に第1記憶回路、ロジック回路、第2記憶回路、ならびに電源系およびI/O回路を順に積層してなる多層配線構造を有する。
【0166】
本実施形態において、基板は、例えば絶縁性基板、または半導体基板により構成することができる。絶縁性基板は、例えばガラス基板、または樹脂基板等である。
【0167】
図62に示すように、ロジック回路および記憶回路は、複数のトランジスタ層を積層して構成されている。ロジック回路および記憶回路を構成する複数のトランジスタ層は、しきい値電圧または導電型が互いに異なるトランジスタによりそれぞれ構成されている。本実施形態における半導体装置334を構成する各トランジスタ層は、第1ないし第10いずれかの実施形態に係る配線層100および配線層200により構成される。
【0168】
本実施形態に係る半導体装置334において、ロジック回路は、例えばMVt−PMOSトランジスタ層、MVt−NMOSトランジスタ層、LVt−PMOSトランジスタ層、およびLVt−NMOSトランジスタ層を順に積層して構成されている。
本実施形態におけるトランジスタ層は、LVt、MVt、HVtの順にしきい値電圧が高くなる。各しきい値電圧の値は、例えばLVtが0.3V程度、MVtが0.4V程度、HVtが0.5V程度である。
【0169】
本実施形態に係る半導体装置334において、第1記憶回路は、例えばアクセストランジスタ層、HVt−PMOSトランジスタ層、およびHVt−NMOSトランジスタ層を順に積層してなる積層構造を含んでいる。アクセストランジスタ層は、例えばHVt−NMOSトランジスタ層により構成される。
第1記憶回路は、SRAMセルを備えている。SRAMセルは、アクセストランジスタ層に設けられたアクセストランジスタ、およびアクセストランジスタ層上に設けられたインバータを用いて、第13の実施形態と同様に形成される
また、第1記憶回路は、アクセストランジスタ層下に設けられた容量層を備えている。アクセストランジスタ層に設けられたアクセストランジスタ、および当該容量層を用いて、第14の実施形態と同様に、DRAMセルが形成される。
また、第1記憶回路は、アクセストランジスタ層下に設けられた抵抗変化素子層を備えている。アクセストランジスタ層に設けられたアクセストランジスタ、および当該抵抗変化素子層を用いて、第15の実施形態と同様に、抵抗変化素子セルが形成される。
図62に示すように、第1記憶回路は、受動素子を含んでいる。受動素子は、例えば抵抗素子等である。また、受動素子は、例えばアクセストランジスタ層の下層に位置する。
【0170】
第2記憶回路は、Flashメモリ層により構成される。Flashメモリ層は、第16の実施形態、または第17の実施形態におけるFlashメモリを有する。
【0171】
第2記憶回路上には、電源系配線およびI/O回路が形成されている。電源系配線は、外部から供給される電源電位およびGND電位を、各回路に供給している。
【0172】
なお、本実施形態に係る半導体装置334を構成する各配線層は、
図62に示す順に積層されていてもよく、
図62とは異なる順に積層されていてもよい。
【0173】
次に、本実施形態の効果を説明する。
互いに特性の異なる複数のトランジスタを形成する場合、各トランジスタは、それぞれ別工程により形成される必要がある。このため、互いに特性の異なる複数のトランジスタを同一配線層内に設ける場合、一方のトランジスタを形成する際に、例えばハードマスクを形成して他方のトランジスタを保護する必要がある。すなわち、複数のトランジスタを作り分けるための工程を追加する必要がある。この場合、半導体装置の製造は、煩雑となってしまう。
【0174】
本実施形態によれば、異なる特性を有する複数のトランジスタを、異なる配線層にそれぞれ設けている。これにより、互いに異なる配線層に設けられ、かつ互いに異なる機能を有する複数のデバイスを備えた三次元LSI構造を実現している。この場合、異なる特性を有する複数のトランジスタを形成するための作り分け工程を追加する必要がない。従って、互いに異なる機能を有する複数のデバイスを備えた半導体装置の製造を容易とすることができる。
【0175】
また、本実施形態によれば、半導体層をチャネルとして各配線層中にトランジスタを形成している。このため、絶縁性基板や半導体基板等、基板の種類を任意に選択することが可能となる。これにより、半導体装置の低コスト化を図ることができる。
【0176】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。