特許第6097511号(P6097511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097511
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】断熱材支持金具
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/80 20060101AFI20170306BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   E04B1/80 100A
   E04F15/18 F
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-206114(P2012-206114)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-58857(P2014-58857A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390018717
【氏名又は名称】旭化成建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100133307
【弁理士】
【氏名又は名称】西本 博之
(72)【発明者】
【氏名】永吉 智之
(72)【発明者】
【氏名】山中 一浩
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−197522(JP,A)
【文献】 特開2006−257718(JP,A)
【文献】 特開2006−316507(JP,A)
【文献】 特開平07−247619(JP,A)
【文献】 特開2007−285069(JP,A)
【文献】 実開昭57−029755(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/76−1/80
E04F 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎上に配置される床組に設けられた木質の枠部に入れ込まれる断熱材を支持するための断熱材支持金具において、
前記枠部の隅角部で互いに直交する第1の部分と第2の部分との間で直状且つ斜めに延びるように架け渡されて、前記断熱材を下から支持する支持片と、
前記支持片の両端から直角に立ち上がって、前記枠部の内側側面に当接する一対の第1及び第2の立上げ片と、
前記第1及び第2の立上げ片の上端から直角且つ外側にそれぞれ突出し、前記第1の部分と前記第2の部分の上面にそれぞれ固定される第1及び第2の固定片と、を備えたことを特徴とする断熱材支持金具。
【請求項2】
展開状態の基材は、
直状に延在する前記支持片と、
前記支持片に対して鈍角をもって延在する直状の前記一対の立上げ片と、
前記立上げ片の延長上に形成された前記第1及び第2の固定片と、からなり、
前記支持片に対して前記一対の立上げ片は、直角に谷折りされ、前記立上げ片に対して前記固定片は直角に山折りされていることを特徴とする請求項1記載の断熱材支持金具。
【請求項3】
前記支持片の中央部に分離部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材支持金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の基礎上の土台をなす木質の枠部に取り付けられて、この枠部に入れ込まれた断熱材を枠部の中で支持するための断熱材支持金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術としては、特開2008−261114号公報がある。この公報に記載された断熱材取り付け具(断熱材支持金具)は、枠部の上面に固定される係止片(固定片)と、この係止片の両端から直角に下がって枠部の外側側面及び内側側面に当接する一対の垂下片と、垂下片の下端から直角且つ外側にそれぞれ突出し、断熱材を下から支持する一対の台座(支持片)とを備える。この公報に記載された断熱材取り付け具は、一対の台座の端部を下方に折り曲げることにより、台座の強度を高める工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−261114号公報
【特許文献2】特開2009−97265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の断熱材取り付け具(断熱材支持金具)では、台座(支持片)が枠部の内側側面から外側に突出し、その突出した端部が自由端となっているため、断熱材取り付け具の取付時に作業者の作業着等が台座に引っ掛かる虞がある。さらに、断熱材を安定して支持させるために、事前に断熱材の大きさに応じて断熱材取り付け具の取付位置を適切に定める作業が必要になるので、作業性が悪くなるといった問題点があった。
【0005】
本発明は、断熱材を安定して支持させると共に、作業性を良好にした断熱材支持金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、建物の基礎上に配置される床組に設けられた木質の枠部に入れ込まれる断熱材を支持するための断熱材支持金具において、
枠部の隅角部で互いに直交する第1の部分と第2の部分との間で直状且つ斜めに延びるように架け渡されて、断熱材を下から支持する支持片と、
支持片の両端から直角に立ち上がって、枠部の内側側面に当接する一対の第1及び第2の立上げ片と、
第1及び第2の立上げ片の上端から直角且つ外側にそれぞれ突出し、第1の部分と第2の部分の上面にそれぞれ固定される第1及び第2の固定片と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明では、断熱材を下から支持する支持片が枠部の互いに直交する第1の部分と第2の部分とに架け渡されている。従って、支持片の端部が自由端となっていないため、支持強度が高く、断熱材支持金具の取付時に作業着等が支持片に引っ掛かる事態を回避でき、断熱材支持金具を枠部の四隅に取り付けることにより、断熱材は枠部の四隅で支持されることとなるため、断熱材をより安定して支持させることができる。さらに、支持片は、枠部の隅角部で互いに直交する第1の部分と第2の部分とに架け渡されるため、断熱材支持金具の取付時には、断熱材支持金具を隅角部に寄せて第1及び第2の立上げ片を枠部の内側側面に当接させるだけで必然的に取付位置が定まることとなり、事前に断熱材支持金具の取付位置を定める作業が不要となるので、作業性が良好になるといった優れた効果を有する。
【0008】
また、展開状態の基材は、直状に延在する支持片と、支持片に対して鈍角をもって延在する直状の一対の立上げ片と、立上げ片の延長上に形成された第1及び第2の固定片と、からなり、支持片に対して一対の立上げ片は、直角に谷折りされ、立上げ片に対して固定片は直角に山折りされていると好適である。
このような構成は、展開状態の基材を折り曲げることにより、簡単に断熱材支持金具の製造を可能とする。
【0009】
また、支持片の中央部に分離部が設けられていることが好適である。
このような構成を採用すると、支持片を分離部を目安として分離させることにより、分離した断熱材支持金具を例えば枠部の隅角部以外の部分で使用することが可能となり、汎用性を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、断熱材を安定して支持させると共に、作業性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る断熱材支持金具によって断熱材が支持された状態を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図2図1の断熱材支持部材が木質の枠部に取り付けられた状態を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図3図1の断熱材支持部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
図4図3に示す断熱材支持部材の展開状態を示す平面図である。
図5図3に示す断熱材支持部材を分離して使用した状態を示す平面図であり、(a)は断熱材支持金具半部の支持片が枠部の内側側面から突出する状態、(b)は断熱材支持金具半部の固定片が枠部の内側側面から突出する状態を示す。
図6】第2の実施形態に係る断熱材支持金具を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
図7】第3の実施形態に係る断熱材支持金具を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る断熱材支持金具の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1及び図2に示されるように、床組Aは、長手方向に延びる断面矩形状の木材である土台103と、土台103の間に取り付けられる複数の大引104と、土台103と大引104とを連結する繋ぎ材105aと、大引104と隣接する大引104とを連結する繋ぎ材105bと、を備える。土台103は長手方向に延びるコンクリートの基礎101上に支持されており、大引104は支持脚102によって支持されている。大引104は土台103に対して平行に延び、繋ぎ材105a,105bは大引104に対して垂直に延び、これらの土台103、大引104及び繋ぎ材105a,105bによって平面視正方形状の空間Sを内部に備えた枠部100が構成される。なお、土台103、大引104及び繋ぎ材105a,105bの上面の高さは全て同一となっている。
【0014】
枠部100の空間Sには、直方体状の断熱材Dが入れ込まれる。断熱材Dは、フェノールフォーム等からなる発泡プラスチック系の断熱材であり、その平面視における形状及び大きさが空間Sの平面視における形状及び大きさと同程度となるように1枚または複数枚の断熱材が配されている。このような枠部100の空間Sに入れ込まれた断熱材Dを下から支持するために用いられる断熱材支持金具1について説明する。
【0015】
断熱材支持金具1は、図3に示されるように、長手方向に延びるように形成され断熱材Dの下面が接触し断熱材Dを下から支持する支持片2と、支持片2の一端から直角に立ち上がる立上げ片3と、支持片2の他端から直角に立ち上がる立上げ片4と、立上げ片3の上端から直角に折り曲げられ、支持片2に対して外側に突出し枠部100の上面に固定される固定片5と、立上げ片4の上端から直角に折り曲げられ、支持片2に対して外側に突出し枠部100の上面に固定される固定片6とを備えている。なお、下記の説明の「左右」は、図面上における左右を意味する。
【0016】
支持片2は、直状に延在する平坦な上面2a及び下面2bと、支持片2の一部をV字状に切り込んで上面2aより上方に立ち曲げて形成した三角形状の左右一対の棘部2cと、支持片2を二つに分離するための分離ライン(分離部)2dとを有している。
【0017】
支持片2は、図3(b)に示されるように、平面視において、共通の下底Xを有する第1台形部2eと第2台形部2fとからなり、全体として左右に長い六角形状をなしている。第1台形部2eと第2台形部2fは左右対称となっている。第2台形部2fは、第1台形部2eから拡張して設けられた部位であり、この第2台形部2fを有することにより、支持片2の幅と、立上げ片3,4、固定片5,6の幅とが同一となっている。また、第1台形部2eの脚に対して、第2台形部2fの脚は直角をなしている。
【0018】
分離ライン2dは、支持片2を二つに分離させるための線であり、目安とするために引かれた線であってもよいし、簡単に分離できるように分離ライン2dに沿って溝や切り込みが形成されていてもよい。支持片2は、この分離ライン2dに沿って折ったり切ったりすることで分離でき、互いに左右対称に形成された2つの分離支持片2gが得られる。なお、支持片2は、分離ライン2dを有していなくてもよい。また、分離ライン2dに代わる分離部の他の例として、支持片2の分離の目安となるものであれば、分離する箇所を点や三角状の印等で示すものであってもよく、カッタやハサミを利用して支持片2を分離してもよい。
【0019】
立上げ片3は、第1台形部2eの左側の脚から直角に立ち上がるように形成されている。立上げ片3は、枠部100に対する設置状態で外側を向く平坦な外面3aと、枠部100に対する設置状態で内側を向く平坦な内面3bとを有する。外面3aと内面3bは、上下に延在する長方形状となっている。立上げ片4は、第1台形部2eの右側の脚から直角に立ち上がるように形成されており、立上げ片3と同様の外面4aと内面4bとを有する。また、立上げ片4は、立上げ片3と左右対称となっており、その形状及び大きさは立上げ片3の形状及び大きさと同一である。
【0020】
固定片5は、立上げ片3の上端から、立上げ片3に対して直角に折り曲げられ、支持片2より外側に突出している。固定片5は、平坦な上面5a及び下面5bと、固定片5の一部をV字状に切り込んで下面5bより下方に立ち曲げて形成した三角形状の棘部5cとを有する。固定片5は、立上げ片3の上端から水平方向に延在する長方形状に形成されている。固定片6は、立上げ片4の上端から、立上げ片4に対して直角に折り曲げられ、支持片2より外側に突出しており、固定片5と同様の上面6aと内面6bと棘部6cとを有する。また、固定片6は、分離ライン2dを通る鉛直面に対して固定片5と左右対称となっており、その形状及び大きさは固定片5の形状及び大きさと同一である。
【0021】
次に、図4を参照しながら展開状態の基材Bから断熱材支持金具1を製造する方法について説明する。
【0022】
まず、基材Bは例えば鉄板から打抜き成形されたものであり、展開状態において、支持片2は直状に延在しており、立上げ片3は支持片2の左端から支持片2に対して鈍角をもって延在し、立上げ片4は支持片2の右端から支持片2に対して鈍角をもって延在している。そして、固定片5は立上げ片3の延在方向の端部から更に延長して形成されており、固定片6は立上げ片4の延在方向の端部から更に延長して形成されている。
【0023】
具体的には、立上げ片3は、支持片2の第1台形部2eの左側の脚に対して垂直な方向に延在する長方形状となっており、支持片2の延在方向と立上げ片3の延在方向とのなす角度αは135度となっている。また、立上げ片4は第1台形部2eの右側の脚に対して垂直な方向に延在する長方形状となっており、支持片2の延在方向と立上げ片4の延在方向とのなす角度αも135度となっている。このように、支持片2の延在方向と立上げ片3の延在方向とのなす角度が135度であり支持片2の延在方向と立上げ片4の延在方向とのなす角度も135度となっていることにより、断熱材支持金具1を枠部100に取り付けたときに、断熱材支持金具1の支持片2と枠部100の隅角部とで直角二等辺三角形が形成されるため(例えば、図1(b)参照)、断熱材Dを枠部100の四隅でより安定して支持させることができる。また、固定片5は立上げ片3の延在方向の延長上に長方形状に形成され、固定片6は立上げ片4の延在方向の延長上に長方形状に形成されている。立上げ片3及び固定片5は、立上げ片4及び固定片6と分離ライン2dを通る直線に対して左右対称となっている。
【0024】
このような展開状態の基材Bから断熱材支持金具1を製造するには、まず、支持片2に対して立上げ片3を、第1台形部2eの左側の脚を折り目F1として、谷折りする。そして、支持片2に対して立上げ片4を、第1台形部2eの右側の脚を折り目F2として、谷折りする。なお、折り目F1は立上げ片3の延在方向に対して垂直となっており、折り目F2は立上げ片4の延在方向に対して垂直となっている。その後、立上げ片3に対して固定片5を、立上げ片3の延在方向に対して垂直な方向に延びる線を折り目F3として、山折りする。そして、立上げ片4に対して固定片6を、立上げ片4の延在方向に対して垂直な方向に延びる線を折り目F4として、山折りする。こうして、折り目F1〜F4に沿って展開状態の基材Bを折り曲げていくことにより、簡単に図3(a)に示されるような断熱材支持金具1を製造できる。なお、上述した谷折り、山折りの順序は逆でもよく、適宜変更可能である。
【0025】
次に、断熱材支持金具1を枠部100に取り付けて、断熱材Dを枠部100の中に入れ込む作業について説明する。
【0026】
まず、作業者は、断熱材支持金具1を手に持って、枠部100の上面に固定片5,6を載置させた状態で断熱材支持金具1を枠部100の中央部から隅角部に向かう方向に寄せていく。そして、図1及び図3に示されるように、立上げ片4の外面4aを枠部100の第1の部分100aの内側側面100cに当接させると共に、立上げ片3の外面3aを第1の部分100aに直交する第2の部分100bの内側側面100dに当接させる。この状態で、固定片6の棘部6cの先端を第1の部分100aの上面に接触させると共に、固定片5の棘部5cの先端を第2の部分100bの上面に接触させて、上からハンマー等で固定片5,6の上面5a,6aを叩いて、棘部6cを第1の部分100aに、そして棘部5cを第2の部分100bに、それぞれ突き刺すことにより、断熱材支持金具1を枠部100の隅角部に固定させることができる。
【0027】
上記のように、枠部100の四隅に断熱材支持金具1を取り付けた後に、断熱材Dを枠部100の上方から空間Sに降ろすことにより、断熱材Dが枠部100に入り込む。そして、断熱材Dの側面が内面3b及び内面4bに当接して断熱材Dの下面が支持片2の上面2aに当接すると共に、断熱材Dの下面に左右一対の棘部2cが突き刺さることとなり、枠部100に入り込んだ断熱材Dを四個の断熱材支持金具1によってより安定して固定させることができる。
【0028】
このように、断熱材支持金具1を枠部100に取り付けた状態において、断熱材Dを下から支持する支持片2が枠部100の互いに直交する第1の部分100aと第2の部分100bとに架け渡されており、従来のように支持片の端部が自由端となっていないため、支持強度が高く、断熱材支持金具1の取付時に作業着等が支持片2に引っ掛かる事態を回避できる。また、断熱材支持金具1を枠部100の四隅に取り付けることにより、断熱材Dは枠部100の四隅で支持されることとなるため、断熱材Dをより安定して支持させることができる。さらに、支持片2は、第1の部分100aと、第1の部分100aに直交する第2の部分100bに架け渡されるため、断熱材支持金具1の取付時には、断熱材支持金具1を枠部100の隅角部に寄せて立上げ片3の外面3aを内側側面100dに、立上げ片4の外面4aを内側側面100cに、それぞれ当接させるだけで、必然的に断熱材支持金具1の取付位置が定まることとなり、事前に断熱材支持金具1の取付位置を定める作業が不要となるので、作業性が向上するといった優れた効果を有する。
【0029】
また、平面視正方形状の空間Sを有する枠部100の四隅に断熱材支持金具1を取り付け、断熱材Dは枠部100の四隅で支持され、空間Sの中央部が空くこととなるため、断熱材支持金具1の取付作業における作業スペースを広くすることが可能となり、更に、従来よりも必要な断熱材支持金具1の個数を減らすことができる。
【0030】
また、支持片2の左右方向中央部に分離ライン2dが設けられている。図5(a)に示されるように、断熱材支持金具半部1Aは、支持片2を分離ライン2dに沿って分離させて分離支持片2gとすることにより形成され、断熱材支持金具半部1Aを隅角部以外の部分で使用可能となり、汎用性を高めることができる。平面視において左右方向に延びる長方形状の枠部106に断熱材支持金具1、断熱材支持金具半部1Aを取り付けるときに、枠部106の隅角部には上述した方法で断熱材支持金具1を取り付け、隅角部以外の部分には断熱材支持金具半部1Aを取り付けることにより、長手方向に延びる断熱材を枠部106に入れ込む際でもより安定してこの断熱材を支持させることができる。また、他の使用例として、図5(b)に示される断熱材支持金具半部1Bのように、枠部106の上面に分離支持片2gの上面2aを接触させた状態でハンマー等で下面2bを叩き棘部2cを枠部106の上面に突き刺すようにすれば、断熱材支持金具半部1Bの固定片5,6を枠部106の内側側面から垂直な方向に突出させることもできる。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態としての断熱材支持金具11は、図6に示されるように、平面視において支持片12の第1台形部12eと第2台形部12fの面積とが同一となっていると共に、立上げ片13の外面13aと内面13b、立上げ片14の外面14aと内面14b、固定片15の上面15aと下面15b、及び固定片16の上面16aと内面16bの形状が、第1実施形態と比較して、幅が小さく、より細長い長方形形状となっている点のみが、第1実施形態と異なっており、その他の点は第1実施形態と同様である。
【0032】
この断熱材支持金具11は、断熱材支持金具1と同様の効果を奏すると共に、断熱材支持金具1よりも展開状態の面積が小さくなるため、材料となる鉄板等の量を減らしコストを低減することができる。
【0033】
(第3実施形態)
第3実施形態としての断熱材支持金具21は、図7に示されるように、平面視において、支持片22に、第2台形部がなく第1台形部22eのみが形成されていると共に、立上げ片23の外面23aと内面23b、立上げ片24の外面24aと内面24b、固定片25の上面25aと下面25b、及び固定片26の上面26aと内面26bの形状が、第1実施形態と比較して、幅が大きく、より太い長方形形状となっている点が、第1実施形態と異なり、その他の点は第1実施形態と同様である。
【0034】
この断熱材支持金具21は、第1実施形態の断熱材支持金具1と同様の効果を奏すると共に、平面視で支持片22に下側台形部22fのみが形成されているため材料となる鉄板等の量を抑えることが可能となり、さらに、上記のように立上げ片23,24と固定片25,26の幅が大きくなっているため、断熱材支持金具21をより強固に枠部100に取り付けることが可能となり、断熱材支持金具21の脱落等をより確実に防止することができる。
【0035】
本発明は、上述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0036】
例えば、上述した実施形態では、支持片2,12,22の一部をV字状に切り込んでその上面2a,12a,22aより上方に立ち曲げて形成した三角形状の棘部2cを備える例について説明したが、この棘部2cはなくてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、展開状態の基材Bにおいて、支持片2の延在方向と立上げ片3の延在方向のなす角度が135度で、且つ支持片2の延在方向と立上げ片4の延在方向のなす角度が135度となっている例について説明したが、これらの角度が135度となっていなくてもよく、要は、支持片2の延在方向と立上げ片3の延在方向のなす角度、及び支持片2の延在方向と立上げ片4の延在方向のなす角度、が共に鈍角であって且つその和が270度となっていればよい。
【符号の説明】
【0038】
1,11,21…断熱材支持金具、2,12,22…支持片、2d…分離ライン(分離部)、3,4,13,14,23,24…立上げ片(一対の第1及び第2の立上げ片)、5,6,15,16,25,26…固定片(第1及び第2の固定片)、100,106…枠部、100a…第1の部分、100b…第2の部分、100c,100d…内側側面、101…基礎、103…土台、104…大引、105…繋ぎ材、A…床組、D…断熱材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7