【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明は、基板処理装置であって、基板に一連の処理を行う複数の
基板処理列と、複数の
基板処理列を制御する制御部と、を備え、前記
基板処理列は、複数の処理ユニットと、処理ユニットに基板を搬送する主搬送機構と、を有し、前記制御部は、基板が搬送される処理ユニットの順番を規定する搬送順序情報と、運転させる
基板処理列を選択するための選択情報とに基づいて、選択情報によって選択されている
基板処理列を搬送順序情報どおりに運転させ、選択情報によって選択されていない
基板処理列を停止させる基板処理装置である。
【0009】
[作用・効果]本発明に係る基板処理装置によれば、制御部は、選択情報によって選択されている
基板処理列を搬送順序情報どおりに運転させ、選択情報によって選択されていない
基板処理列の運転を、搬送順序情報に関係なく休止させる。ここで、選択情報と搬送順序情報は別個独立の情報であり、選択情報の変更は、搬送順序情報の変更を伴わない。よって、搬送順序情報を変更することなく、
基板処理列を個別に運転させたり、停止させることができる。また、選択情報は
基板処理列に関する情報であるので、選択情報において変更する情報の数は、運転・停止を切り換えたい
基板処理列の数と同等程度となり、比較的に少ない。このように、搬送順序情報を変更することなく、かつ、簡易に
基板処理列を個別に運転・停止させることができる。
【0010】
さらに、
基板処理列を運転させるときには、制御部は基本的に搬送順序情報に基づいて制御する。よって、任意の
基板処理列が運転しているときに選択情報を変更する場合であっても、運転中の
基板処理列を一旦停止させる必要がない。すなわち、任意の
基板処理列が運転している場合であっても、選択情報を支障なく変更できる。なお、選択情報が変更されると、制御部による制御内容の切り換えが即時に実行されるとは限らない。
【0011】
上述した発明において、選択情報は、各
基板処理列の識別情報と、運転させる
基板処理列に指定されているか否かを示す設定情報とが関連付けられた情報であることが好ましい。これによれば、設定情報を変更することによって、任意の
基板処理列に関する選択情報を一括して変更することができる。
【0012】
上述した発明において、前記制御部は、選択情報に基づいて一部の
基板処理列の運転・停止を切り換えるときに他の
基板処理列が運転中である場合には、他の
基板処理列の運転を中断させることなく、一部の
基板処理列の運転・停止を切り換えることが好ましい。これによれば、一部の
基板処理列の運転・停止を切り換える際に、他の
基板処理列の運転を継続させることができる。よって、基板処理装置の稼動率が著しく低下することを防止できる。
【0013】
上述した発明において、基板を収容する収容器から各
基板処理列に基板を搬送するインデクサ部を備え、前記制御部は、収容器が更新される際に、
基板処理列の運転・停止の切り換えを実行することが好ましい。これによれば、
基板処理列に対する制御内容を切り換えるタイミングは、収容器が更新される際のみに限られる。よって、同じ収容器内の複数の基板間において処理品質がばらつくことを抑制できる。
【0014】
上述した発明において、前記制御部は、選択情報を参照し、基板を投入する
基板処理列を収容器ごとに決定することが好ましい。これによれば、収容器ごとに基板の搬送先を決定するので、1の収容器から
基板処理列に基板を投入している途中で収容器内の基板の搬送先が変わることがない。よって、同じ収容器内の複数の基板間において処理品質がばらつくことを抑制できる。
【0015】
上述した発明において、選択情報を設定または変更するための入力部を備えていることが好ましい。これによれば、ユーザーが入力部を操作することによって、選択情報を容易に変更できる。
【0016】
上述した発明において、搬送順序情報は、所定の処理が施された製品としての基板を生産するときに基板が搬送される処理ユニットの順番を規定することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、複数の処理ユニットに基板を搬送し、基板に一連の処理を行う複数の
基板処理列を制御する制御方法であって、基板が搬送される処理ユニットの順番を規定する搬送順序情報と、運転させる
基板処理列を選択するための選択情報とに基づいて、各
基板処理列を制御する工程を備え、制御する工程は、選択情報によって選択されている
基板処理列を、選択されている
基板処理列に対応する搬送順序情報の部分に基づいて運転させ、かつ、選択されていない
基板処理列に対応する搬送順序情報の部分を無視して、選択情報によって選択されていない
基板処理列の運転を停止させる
基板処理列制御方法である。
【0018】
[作用・効果]本発明に係る
基板処理列制御方法によれば、制御する工程は、搬送順序情報と選択情報に基づいて各
基板処理列を制御する。具体的には、搬送順序情報と選択情報とを掛け合わせた部分を有効とみなし、この有効な部分に基づいて選択されている
基板処理列を運転させる。他方、搬送順序情報のうち、有効とみなした部分から外れている部分を無効とみなし、選択されていない
基板処理列を停止させる。ここで、選択情報と搬送順序情報は別個独立の情報であり、選択情報の変更は、搬送順序情報の変更を伴わない。よって、搬送順序情報を変更せずに、一部の
基板処理列のみを運転させたり、停止させることができる。また、選択情報は
基板処理列に関する情報であるので、選択情報において変更する情報の数は、運転・停止を切り換えたい
基板処理列の数と同等程度となり、比較的に少ない。このように、搬送順序情報を変更することなく、かつ、簡易に
基板処理列を個別に運転・停止させることができる。
【0019】
さらに、
基板処理列を運転させるときには、制御する工程は基本的に搬送順序情報に基づいて制御する。よって、任意の
基板処理列が運転している場合であっても、選択情報を支障なく変更できる。
【0020】
上述した発明において、選択情報は、各
基板処理列の識別情報と、運転させる
基板処理列に指定されているか否かを示す設定情報とが関連付けられた情報であることが好ましい。これによれば、設定情報を変更することによって、任意の
基板処理列に関する選択情報を一括して変更することができる。
【0021】
上述した発明において、制御する工程は、選択情報に基づいて一部の
基板処理列の運転・停止を切り換えるときに他の
基板処理列が運転中である場合には、他の
基板処理列の運転を停止させることなく、一部の
基板処理列の運転・停止を切り換えることが好ましい。これによれば、他の
基板処理列の運転を中断せずに、一部の
基板処理列の運転・停止を切り換えることができる。よって、基板処理能力が著しく低下することを防止できる。
【0022】
上述した発明において、ささらに、基板を収容する収容器から
基板処理列に基板を投入する工程を備え、制御する工程は、収容器が更新されるときに、
基板処理列の運転・停止の切り換えを実行することが好ましい。これによれば、
基板処理列の制御内容の切り換えは、収容器が更新されるときのみに限られる。よって、同じ収容器内の複数の基板間において処理品質がばらつくことを抑制できる。
【0023】
上述した発明において、投入する工程は、収容器が更新される度に、選択情報に基づいて基板を投入する
基板処理列を決定することが好ましい。これによれば、収容器内の基板の投入先を適切なタイミングで決定するので、個々の収容器についてみれば、基板の投入先が途中で変わることがない。よって、収容器内の複数の基板間において処理品質がばらつくことを抑制できる。
【0024】
上述した発明において、制御する工程は、選択情報において選択が解除された
基板処理列がその解除時に運転している場合には、当該
基板処理列で処理中の基板を収容する収容器内の全ての基板に対して処理が完了するまで当該
基板処理列の運転を継続させ、その後に当該
基板処理列の運転を停止させることが好ましい。これによれば、収容器内の各基板の間で処理品質がばらつくことを抑制できる。
【0025】
上述した発明において、投入する工程は、選択情報において
基板処理列の選択が解除された場合、その解除後に新たな収容器から当該
基板処理列へ基板を投入しないことが好ましい。これによれば、収容器内の各基板の間で処理品質がばらつくことを抑制しつつ、選択が解除された
基板処理列の運転を速やかに停止できる。
【0026】
上述した発明において、さらに、選択情報を設定または変更する工程を備えていることが好ましい。これによれば、選択情報を好適に変更することができる。
【0027】
上述した発明において、搬送順序情報は、所定の処理が施された製品としての基板を生産するときに基板が搬送される処理ユニットの順番を規定することが好ましい。
【0028】
なお、本明細書は、次のような基板処理装置および
基板処理列制御方法に係る発明も開示している。
【0029】
(1)前記制御部は、搬送順序情報のうち、選択されていない
基板処理列に対応する部分を無視し、選択されている
基板処理列に対応する部分のみを有効とみなすことが好ましい。
【0030】
前記(1)によれば、搬送順序情報を変更することなく、一部の
基板処理列のみの運転・停止を好適に切り換えることができる。
【0031】
(2)前記制御部は、選択情報が変更された場合、搬送順序情報を変更することなく、搬送順序情報と変更された選択情報に基づいて、各
基板処理列の制御を変更することが好ましい。
【0032】
(3)制御する工程は、選択情報が変更された場合、搬送順序情報を変更することなく、搬送順序情報と変更された選択情報に基づいて、各
基板処理列の制御を変更することが好ましい。
【0033】
前記(2)、(3)によれば、搬送順序情報を変更せずに、一部の処理部の運転・停止を好適に切り換えることができる。
【0034】
(4)前記制御部は、選択情報において選択が解除された
基板処理列がその解除時に運転している場合には、当該
基板処理列で処理中の基板を収容する収容器内の全ての基板に対して処理が完了するまで当該
基板処理列の運転を継続させ、その後に当該
基板処理列の運転を停止させることが好ましい。
【0035】
前記(4)に記載によれば、収容器内の各基板の間で処理品質がばらつくことを抑制できる。
【0036】
(5)前記制御部は、選択情報において
基板処理列の選択が解除された場合、その解除後に新たな収容器から当該
基板処理列への基板搬送を開始することを禁止することが好ましい。
【0037】
前記(5)によれば、収容器内の各基板の間で処理品質がばらつくことを抑制しつつ、選択が解除された
基板処理列の運転を速やかに停止できる。
【0038】
(6)前記入力部は、設定情報を設定または変更するための命令を受け付けることが好ましい。
【0039】
前記(6)によれば、選択情報を好適に変更することができる。
【0040】
(7)さらに、選択情報を設定または変更するための命令を受け付ける工程を備えていることが好ましい。
【0041】
前記(7)によれば、ユーザーは簡易に選択情報を変更できる。
【0042】
(8)前記制御部は、複数の
基板処理列を制御するコントローラと、選択情報を設定・変更する設定部とを備えていることが好ましい。
【0043】
前記(8)によれば、制御部が設定部を備えているので、選択情報を好適に設定・変更できる。
【0044】
(9)搬送順序情報は、搬送順番に処理ユニットの識別情報が対応付けられた情報であることが好ましい。
【0045】
前記(9)によれば、搬送順序情報を好適に構成できる。