(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持機構は、一対の腕部材を備え、前記被検査物の走査される部分以外の両端部を前記一対の腕部材で挟むことで、前記被検査物を保持するように構成されている、請求項4に記載の超音波探傷装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(基礎的知見)
本発明者等は、複合材で構成されている被検査物の超音波探傷検査を従来よりも簡易に実行すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。すなわち、探触子は、所定の範囲(面積)において超音波を送受信するように構成されている。また、複合材で構成されている被検査物は、その内部構造が一様ではない。このため、探触子は、被検査物の表面と裏面で反射された超音波以外にも、その部品内部で反射された超音波である材料ノイズを受信する。
【0014】
一方、超音波探傷検査装置内で機器内部又は探触子ケーブルなど様々な部分から、電気ノイズが受信される。
【0015】
そして、
図4に示すように、部品内部で反射された超音波(材料ノイズ)及び装置内で発生したノイズ(電気ノイズ)は、複合されて、微小な波形(ノイズ)として現れる。このため、探触子で受信される被検査物の裏面で反射された超音波は、ノイズ分だけ変動する。なお、ノイズとは、
図4に示すように、被検査物内に欠陥がある場合に、当該欠陥により反射された超音波の強度(波形)よりも充分に小さい超音波の波形、つまりSN比(信号雑音比)が十分大きく検査できるレベルの波形をいう。
【0016】
そこで、本発明者等は、被検査物を支持する支持機構により増大又は減衰する超音波の反射率の割合が、ノイズの変動範囲内、すなわち、ノイズレベルであれば検査に支障がないSN比が保たれ、被検査物を支持機構が支持した状態で、被検査物の検査を実行しても、検査に支障が出ないことを見出し、本発明を想到した。換言すると、被検査物の内部を透過し、裏面に到達した超音波のバラツキと同等程度に、被検査物における支持機構が支持する部分での支持機構によるノイズを抑制することで、被検査物の検査を実行しても、検査に支障が出ないことを見出し、本発明を想到した。
【0017】
なお、電気ノイズは、超音波探傷検査装置において、種々の対策をとることにより、ほぼ取り除くことができるので、上記ノイズは、材料ノイズとして取り扱ってもよい。
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0019】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る超音波探傷装置は、複合材で構成されている被検査物に向けて超音波を送信し、被検査物で反射した超音波を受信する探触子を有する探傷ヘッドと、探傷ヘッドを走査させる移動機構と、被検査物の下面と接触するように配置され、被検査物を支持する支持機構と、を備え、支持機構は、被検査物との接触箇所で反射して、探触子で受信される超音波の波形が、ノイズレベルに収まるように、所定の面積で被検査物と接触するように構成されている。
【0020】
かかる構成により、支持機構により、複合材で構成されている被検査物を支持しつつ、支持機構による超音波の反射率の増大又は減衰を低減し、被検査物の検査を正確に実行することができる。
【0021】
また、本実施の形態1に係る超音波探傷装置では、支持機構が、基部と、該基部に立設され、その先端部が被検査物の下面と接触するように構成されている複数の突起部と、を備えていてもよい。
【0022】
また、本実施の形態1に係る超音波探傷装置では、突起部の先端部が、テーパー状に形成されていてもよい。
【0023】
また、本実施の形態1に係る超音波探傷装置では、支持機構が、突起部が起立した状態と突起部が横倒した状態とに変動させる回動部をさらに備えていてもよい。
【0024】
また、本実施の形態1に係る超音波探傷装置では、被検査物を保持する保持機構をさらに備えていてもよい。
【0025】
さらに、本実施の形態1に係る超音波探傷装置では、保持機構が、一対の腕部材を備え、被検査物の走査される部分以外の両端部を一対の腕部材で挟むことで、被検査物を保持するように構成されていてもよい。
【0026】
以下、本実施の形態1に係る超音波探傷装置の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
[超音波探傷装置の構成]
図1及び
図2は、本実施の形態1に係る超音波探傷装置の概略構成を示す模式図であり、
図1は、超音波探傷装置を上方から見たときの模式図であり、
図2は、超音波探傷装置を前方から見たときの模式図である。
図3は、
図2に示すAA線で切断した超音波探傷装置における支持機構の断面図である。
【0028】
なお、
図1においては、超音波探傷装置の前後方向及び左右方向を図に示す前後方向及び左右方向としている。また、
図2においても、超音波探傷装置の上下方向及び前後方向を図に示す上下方向及び左右方向とし、容器内に設けられている各機器の形状を示すために、容器内部の構成を示している。さらに、
図3においては、一部を省略し、突起部が横倒した状態を一点鎖線で示している。
【0029】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態1に係る超音波探傷装置100は、被検査物31を検査するセンサ(探触子)を有する探傷ヘッド10と、移動機構40と、制御器50と、容器60と、支持機構90と、を備えている。
【0030】
具体的には、容器60は、直方体状に形成されていて、長手方向が左右方向に位置するように配置されている。容器60の上部は開口されていて、容器60の内部空間には、被検査物31及び支持機構90が配置されている。探傷ヘッド10は、移動機構40に保持されていて、移動機構40は、探傷ヘッド10を被検査物31に対して走査させるように構成されている。
【0031】
容器60の内部空間には、水が貯められていて、被検査物31が支持機構90により支持されている。被検査物31は、ここでは、左右方向に長寸であって、その断面がU字状に形成されており、湾曲部が上方に位置するように配置されている(
図2参照)。
【0032】
なお、本実施の形態1においては、容器60の内部空間に水を貯める形態を採用したが、これに限定されず、容器60の内部空間に水を貯めない形態、すなわち、容器60の内部空間を空気が充満されている形態を採用してもよい。また、本実施の形態1においては、被検査物31は、複合材により構成されている航空機等の部品であってもよく、その断面形状は、U字状に限定されず、T字状、I字状、又はL字状等の種々の形状であってもよい。
【0033】
容器60内の右方向の端部には、校正用標準片21が配置されている。校正用標準片21には、探傷ヘッド10の校正を行うために必要な人工欠陥22が形成されている。なお、本実施の形態1においては、校正用標準片21を容器60の右側端部に配置する形態を採用したがこれに限定されない。校正用標準片21を容器60内の左側端部、又は上部に配置する形態を採用してもよく、容器60内の左右方向の両端部に配置する形態を採用してもよい。
【0034】
また、容器60の前方及び後方には、それぞれ、容器60の長手方向(左右方向)に延伸するように形成された、ガイド部材43A及びガイド部材43Bが配置されている。具体的には、ガイド部材43A及びガイド部材43Bは、超音波探傷装置100の上下方向から見て、容器60を挟んで、互いに平行になるように配置されている。
【0035】
そして、移動機構40は、ガイド部材43A及びガイド部材43Bの上に載置されていて、ガイド部材43A及びガイド部材43Bに沿って、左右方向に移動するように構成されている。
【0036】
また、本実施の形態1に係る超音波探傷装置100は、探傷時に被検査物31を保持するための保持機構70を備えている。保持機構70は、容器60の内部空間に配置されている。
【0037】
保持機構70は、一対の腕部材71A、71Bを備えている(ここでは、4つの腕部材71A、71B)。そして、保持機構70は、被検査物31の探傷ヘッド10が走査しない部分(ここでは、被検査物31の両端(前後方向(幅方向)の端))を腕部材71A、71Bで挟むことで、被検査物31を保持している。
【0038】
次に、本実施の形態1に係る超音波探傷装置100を構成する各機器について、
図1〜
図3を参照しながら、さらに詳細に説明する。
【0039】
[移動機構の構成]
図1及び
図2に示すように、移動機構40は、可動部41と、ガントリー部42と、を備えていて、超音波探傷装置100における右方向の端部に配置されている。移動機構40は、モーター、ギア、ピストン、又はシリンダ等の公知のアクチュエーターを有していて、これらのアクチュエーターにより、探傷ヘッド10を前後、左右、及び上下方向に移動及び/又は回転させるように構成されている。すなわち、移動機構40は、探傷ヘッド10を3軸移動、及び/又は3軸回転させるように構成されている。なお、移動機構40のアクチュエーターは、探傷ヘッド10を前後、左右、及び上下方向に移動及び/又は回転させることができれば、どのような形態であってもよい。
【0040】
ガントリー部42は、左右方向から見て、容器60を跨ぐように、アーチ状に形成されている。具体的には、ガントリー部42は、容器60の前後に立設された一対の脚部と、これらの脚部の上端部間を接続する架橋部と、を備えている。ガントリー部42の一対の脚部の基端部は、それぞれ、ガイド部材43A、43Bの上端部と当接している。ガントリー部42の脚部の基端部には、該ガイド部材43A、43Bに沿って移動できるように、モーター等のアクチュエーターが設けられている(図示せず)。
【0041】
そして、移動機構40は、該ガイド部材43A、43Bに沿って移動することにより、左右方向に直線的に移動することができ、探傷ヘッド10を左右方向に移動させることができる。なお、移動機構40が、左右方向に直線的に移動することができれば(蛇行しなければ)、ガイド部材43A及びガイド部材43Bのいずれか一方、又は両方を設けない形態を採用してもよい。
【0042】
ガントリー部42の架橋部には、下方へ延びる可動部41と、該可動部41を前後方向に移動可能なようにモーター等のアクチュエーター(図示せず)と、が設けられている。また、可動部41には、探傷ヘッド10を上下方向に進退可能なように、モーター等のアクチュエーターが設けられている。これにより、探傷ヘッド10は、前後方向、又は上下方向に移動することができる。
【0043】
[探傷ヘッドの構成]
図2に示すように、探傷ヘッド10は、取付部11を介して、移動機構40の可動部41に取り付けられている。探傷ヘッド10は、探触子を有していて、該探触子は、ここでは、超音波を送信し、被検査物31で反射された超音波を受信するように構成されている。
【0044】
また、探傷ヘッド10は、被検査物31の平坦部分を超音波探傷するように構成されたタイプと、被検査物31の湾曲部分を超音波探傷するように構成されたタイプと、に大別される。被検査物31の平坦部分を探傷するタイプには、探傷範囲の広いタイプと、探傷範囲の狭いタイプと、がある。また、被検査物31の湾曲部分を探傷するタイプには、被検査物31の内面側を走査するタイプと、被検査物31の外面側を走査するタイプと、がある。
【0045】
そして、本実施の形態1に係る超音波探傷装置100では、被検査物31の検査する部分に応じて、これらの探傷ヘッド10を適宜変更するように構成されている。なお、移動機構40に複数のタイプの探傷ヘッド10を取り付けて、被検査物31の検査する部分に応じて、探傷ヘッドを切り替える形態を採用してもよい。
【0046】
[保持機構の構成]
保持機構70は、一対の腕部材71A、71Bと、モーター等のアクチュエーター(図示せず)を筐体に収容した駆動装置72と、腕部材71A、71Bと駆動装置72を接続する接続部73と、を備えている。駆動装置72は、接続部73を上下方向に移動させ、かつ、後述するベルト機構等を駆動するように構成されている。
【0047】
腕部材71Aと腕部材71Bは、ここでは、U字状に形成されていて、駆動装置72を挟んで互いに対向するように配置されている。より具体的には、前側の腕部材71Aは後側に開口したU字状に形成されていて、右側の腕部材71Bは前側に開口したU字状に形成されている。
【0048】
そして、腕部材71A及び腕部材71Bは、互いの開口部分が対向するようにして配設されている。腕部材71A及び腕部材71Bの一方の先端部(下端部)は、接続部73の一方の端部と接続されている。また、接続部73の他方の端部は、駆動装置72内のアクチュエーターと接続されている。
【0049】
接続部73は、駆動装置72から容器60の内底部へ至るダクトと、該ダクト内に収容された動力伝達機構(例えば、ベルト機構;図示せず)と、を有している。動力伝達機構の基端部は、駆動装置72のアクチュエーターに接続され、その先端部は、ラック及びピニオン等を収容した変換器を介して、腕部材71A、71Bの下端部に接続されている。そして、動力伝達機構が作動することにより、腕部材71A、71Bを前後方向に進退(接近/離間)させることができる。
【0050】
これにより、腕部材71A及び腕部材71Bの他方の先端部(上端部)が、被検査物31と当接することで、被検査物31を保持することができる。また、腕部材71A及び腕部材71Bの他方の先端部が、被検査物31から離間することで、被検査物31の保持を解放することができる。
【0051】
なお、保持機構70のアクチュエーターは、腕部材71A及び腕部材71Bを前後方向及び上下方向に進退することができれば、どのような形態であってもよい。
【0052】
[支持機構の構成]
図1〜
図3に示すように、支持機構90は、支持部材90Aと、台部材90Bと、駆動器90Cと、を備えている。支持部材90Aは、台部材90Bに取り付けられていて、駆動器90Cにより、起立した状態と横倒した状態との間で回動するように構成されている。台部材90Bは、左右方向に長寸の支持台であり、容器60の内部空間に設置されている。駆動器90Cは、ここでは、容器60の外部に配置されている。
【0053】
駆動器90Cは、ステッピングモーター、ギア、ピストン、又はシリンダ等の公知のアクチュエーターを有していて、これらのアクチュエーターにより、支持部材90Aを回動するように構成されている。
【0054】
支持部材90Aは、突起部91、基部92、支持部93、及び回動部94を備えていて、回動部94は、土台部94Aと、棒部94Bと、軸部94Cと、を有している。軸部94Cは、その軸心が前後方向に位置するように配置されていて、台部材90Bに設けられている軸受け95により軸支されている。また、軸部94Cの後方側端部は、駆動器90Cに接続されている。
【0055】
棒部94Bの一方の端部には、貫通孔が設けられていて、該貫通孔には、軸部94Cが嵌設されている。これにより、軸部94Cの回動に伴って、棒部94Bが回動することができる。
【0056】
また、棒部94Bの他方の端部には、板状の土台部94Aが設けられていて、土台部94Aは、ここでは、矩形に形成されている。土台部94Aの一方の主面には、棒部94Bの他方の端部が接続されている。土台部94Aの他方の主面には、板状の支持部93の基端部が接続されている。より詳細には、土台部94Aの他方の主面には、4つの支持部93が、左右方向から見て、互いに平行となるように(並ぶように)立設されている(
図2参照)。なお、支持部93の主面には、開口が形成されている。
【0057】
近接する一対の支持部93(前側の一対の支持部93と後側の一対の支持部93)の先端部には、板状の基部92が架設されている(基部92の一方の主面が接続されている)。換言すると、基部92は、一対の支持部93により支持されている。基部92は、ここでは、矩形に形成されている。なお、支持部93は、基部92を支持することができれば、板状であってもよく、柱状であってもよい。
【0058】
基部92の他方の主面には、例えば、8つ(2列×4)の突起部91が、左右方向(前後方向)から見て、互いに平行となるように(並ぶように)立設されている(
図2及び
図3参照)。なお、本実施の形態1においては、突起部91は、互いに平行となるように設けたが、これに限定されない。突起部91は、当該部分における探触子で受信する超音波がノイズレベルにあれば、その配置位置は限定されず、例えば、上下方向から見て、千鳥状に配置されていてもよい。
【0059】
突起部91は、棒状に形成されていて、その先端部が、テーパー状(先細り形状)に形成されている。突起部91は、樹脂(例えば、ポリアセタール等)で構成されていてもよい。また、突起部91の被検査物31と接触する部分(すなわち、突起部91の先端)は、被検査物31の表面を傷つけなければ、平面上に形成されていてもよく、円弧状に形成されていてもよい。
【0060】
また、超音波探傷装置100に配置される突起部91の全個数、突起部91の配置密度、及び突起部91の先端の面積は、探触子の検知感度と、被検査物31の材料、重量、表面構造、及び密度等と、により、適宜設定され、予め実験等により設定される。すなわち、超音波探傷装置100に配置される突起部91の全個数及び突起部91の先端の面積は、支持機構90により、増大又は減衰する超音波の反射率の割合がノイズレベルにあるように、適宜設定される。
【0061】
換言すると、被検査物31の支持機構90で支持されていない領域について、超音波探傷検査を実行した結果と、被検査物31の支持機構90で支持されている領域について、超音波探傷検査を実行した結果と、が、同じになるように、突起部91の全個数及び突起部91の先端の面積は設定される。
【0062】
ここで、「被検査物31の支持機構90で支持されている領域」とは、探触子で探傷される範囲(面積)内において、突起部91が被検査物31と接触している部分と、被検査物31と接触していない部分と、が混在する範囲をいい、突起部91が被検査物31と接触している部分のみが存在する範囲ではない。また、「同じになる」とは、完全一致をいうものではなく、ノイズレベルにある(検査に支障がないSN比を保つ)ことをいう。
【0063】
そして、制御器50の制御により、駆動器90Cが駆動して、支持部材90Aは、突起部91が起立した状態(突起部91が被検査物31の下面と接触することができる状態;
図3の実線)と、突起部91が横倒した状態(
図3の一点鎖線)と、に変動する。
【0064】
なお、制御器50は、被検査物31の大きさ等により、倒立させる支持機構90を適宜選択するように構成されている。また、突起部91が起立した状態と、突起部91が横倒した状態と、の変動は、駆動器90Cによらず、作業員が手動で実行してもよい。
【0065】
[制御器の構成]
制御器50は、超音波探傷装置100を構成する各部材(各機器)を制御するように構成されている。また、制御器50は、マイクロプロセッサ、CPU等に例示される演算処理部と、記憶部と、入力部と、を備えている。そして、制御器50は、演算処理部が、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、超音波探傷装置100に関する各種の制御を行う。
【0066】
記憶部は、各種データを読み出し可能に記憶するように構成されている。記憶部としては、公知のメモリ、ハードディスク等の記憶装置等が例示される。また、入力部は、超音波探傷装置100の各部材の制御に関する各種パラメータ、又はその他のデータ等を演算処理部に入力するように構成されている。入力部としては、キーボード、タッチパネル、又はボタンスイッチ群等の公知の入力装置で構成されている。
【0067】
なお、制御器50は、単独の制御器で構成される形態だけでなく、複数の制御器が協働して、超音波探傷装置100の制御を実行する制御器群で構成される形態であっても構わない。また、制御器50は、マイクロコントロールで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0068】
[超音波探傷装置の作用効果]
このように構成された、本実施の形態1に係る超音波探傷装置100では、支持機構90により、増大又は減衰する超音波の反射率の割合がノイズレベルにあるため、被検査物31を支持機構90が支持した状態で、被検査物31の検査を実行することができる。このため、従来のように、被検査物31を支持している部分をずらして、再度、当該部分の探傷検査を実行する必要がない。したがって、被検査物31の検査の作業時間を短縮することができる。
【0069】
また、本実施の形態1に係る超音波探傷装置100では、支持機構90が被検査物31を支持しているため、探傷ヘッド10が被検査物31と当接しながら(被検査物31を押圧しながら)被検査物31を走査する場合であっても、被検査物31が撓んだり、反ったりすることがなく、被検査物31と探触子との距離を一定に保つことができ、正確な検査を実行することができる。
【0070】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。