特許第6097710号(P6097710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097710
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/00 20060101AFI20170306BHJP
   G06F 9/445 20060101ALI20170306BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170306BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   G06F9/06 630B
   G06F9/06 610Q
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 330
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-38694(P2014-38694)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-162210(P2015-162210A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克孝
【審査官】 坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−193218(JP,A)
【文献】 特開平11−212812(JP,A)
【文献】 特開2013−020354(JP,A)
【文献】 特開2012−018695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/00
G06F 13/00
B41J 29/38
G06F 9/445
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像形成するプリンタと、
情報を入力する入力装置と、
具体的な業務を行うプログラムである業務アプリケーションと、
前記業務アプリケーションの内部に保存されるユーザが設定した固有値を退避する固有値ファイルと、
更新プログラムによって前記業務アプリケーションを行う場合、前記業務アプリケーションから前記固有値を読み出して前記固有値ファイルに退避させ、前記更新プログラムによって前記業務アプリケーションを更新した後に前記固有値ファイルに退避した前記固有値によって前記業務アプリケーションをさらに更新する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
サーバから前記更新プログラムを受信し、
更新後に更新結果である更新情報を圧縮し、圧縮したファイルに更新した業務アプリケーション名及び更新日時を含むファイル名を付加して前記サーバに送信する情報処理装置。
【請求項2】
前記固有値は、
印字位置の補正値を少なくとも含む請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
記録媒体に画像形成するプリンタと、
情報を入力する入力装置と、
具体的な業務を行うプログラムである業務アプリケーションと、
前記業務アプリケーションの内部に保存されるユーザが設定した固有値を退避する固有値ファイルと、
を備える情報処理装置を、
更新プログラムによって前記業務アプリケーションを行う場合、サーバから前記更新プログラムを受信する更新プログラム受信手段と、
前記業務アプリケーションから前記固有値を読み出して前記固有値ファイルに退避させる固有値退避手段と、
前記更新プログラムによって前記業務アプリケーションを更新した後に前記固有値ファイルに退避した前記固有値によって前記業務アプリケーションをさらに更新する固有値復元手段と、
更新後に更新結果である更新情報を圧縮し、圧縮したファイルに更新した業務アプリケーション名及び更新日時を含むファイル名を付加して前記サーバに送信する更新結果送信手段と、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項4】
前記固有値は、
印字位置の補正値を少なくとも含む請求項記載の情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、請求書や売上伝票の情報処理及び印字処理に特化した情報処理装置、いわゆる事務コンピュータが知られている。
【0003】
この情報処理装置は、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの入出力装置と、複写帳票に印字可能なプリンタと、を備える。これらのうち、本体部にディスプレイと、プリンタと、が一体に構成されている。
【0004】
情報処理装置はネットワークを経由してサーバに接続される場合がある。この場合、情報処理装置にインストールされた業務アプリケーションは、起動されるとサーバに更新プログラムがあるかを問い合わせ、更新プログラムがある場合、この更新プログラムをダウンロードして既存の業務アプリケーションを上書き更新する。
【0005】
業務アプリケーションは、プリンタにおける印字位置の補正値やパスワードなどの固有値を業務アプリケーションの中に保存する。
【0006】
従って、業務アプリケーションが更新プログラムによって上書き更新されると、これらの固有値はデフォルト値に戻ってしまう。固有値がデフォルト値に戻ってしまうと、更新の度に固有値を設定しなければならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−77244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、業務アプリケーションの更新の際に業務アプリケーション内に保存された固有値を維持することができる情報処理装置及び情報処理プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、記録媒体に画像形成するプリンタと、プリンタに一体に設けられる表示装置と、情報を入力する入力装置と、具体的な業務を行うプログラムである業務アプリケーションと、業務アプリケーションの内部に保存されるユーザが設定した固有値を退避する固有値ファイルと、更新プログラムによって業務アプリケーションを行う場合、業務アプリケーションから固有値を読み出して固有値ファイルに退避させ、更新プログラムによって業務アプリケーションを更新した後に固有値ファイルに退避した固有値によって業務アプリケーションをさらに更新する制御部と、を備え、制御部は、サーバから更新プログラムを受信し、更新後に更新結果である更新情報を圧縮し、圧縮したファイルに更新した業務アプリケーション名及び更新日時を含むファイル名を付加してサーバに送信する情報処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理装置の外観斜視図である。
図2】情報処理装置とサーバとのネットワーク構成の例を示す図である。
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】固有値ファイルのデータ構成を示す図である。
図5】情報処理装置の制御部によるプログラム更新動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、情報処理装置及び情報処理プログラムの一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
本実施形態の情報処理装置は、記録媒体に画像形成するプリンタと、情報を入力する入力装置と、具体的な業務を行うプログラムである業務アプリケーションと、業務アプリケーションの内部に保存されるユーザが設定した固有値を退避する固有値ファイルと、更新プログラムによって業務アプリケーションを行う場合、業務アプリケーションから固有値を読み出して固有値に退避させ、更新プログラムによって業務アプリケーションを更新した後に固有値ファイルに退避した固有値によって業務アプリケーションをさらに更新する制御部と、を備える。
【0013】
図1は、情報処理装置1の外観斜視図である。図1に示すように、情報処理装置1は、記録媒体に画像形成するプリンタ14と、プリンタ14に一体に設けられるディスプレイなどの表示装置11と、キーボード12及びマウス13などの入力装置と、を備える。
【0014】
プリンタ14は、情報処理装置1の前面に記録媒体を挿入する挿入孔14Aと、表示装置11の背後に記録媒体を排出する排出口と、を備える。情報処理装置1の前面とは、図1の手前側であり、背面とは、図1の奥側である。
【0015】
プリンタ14は複写帳票に印字可能な画像形成部を備える。画像形成部は例えばドットマトリックスヘッドなどが挙げられる。
【0016】
なお、画像形成部はレーザープリンタのような電子式のものであっても、インクジェット式のものであってもよい。
【0017】
図2は、情報処理装置1とサーバ2とのネットワーク構成の例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置1はネットワークを経由して複数台が1台のサーバ2に接続される。
【0018】
情報処理装置1は、サーバ2と接続することによりサーバ2から業務アプリケーション102Dの更新プログラムをサーバ2から受信することができる。
【0019】
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置1は、演算装置であるCPU(central processing unit)を含む制御部101と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部102と、表示装置11、キーボード12、マウス13などの入出力装置を含む入出力部103と、プリンタ14と、通信を行う通信部105と、を備える。
【0020】
記憶部102は、具体的な業務を行う業務アプリケーションの内部に保存される固有値を退避させる固有値ファイル102Aと、オペレーションシステム(以下、オペレーションシステムをOSという。)102Bと、メニュープログラム、プリンタ制御プログラムなどのミドルウエア102Cと、業務アプリケーション102Dと、作業用の記憶領域である作業バッファ102Eと、を格納する。
【0021】
また、記憶部102は情報処理プログラムを格納し、制御部101は記憶部102から情報処理プログラムを読み出して順次実行する。
【0022】
オペレータは情報処理装置1の電源を投入することによってオペレーションシステムを立ち上げる。情報処理装置1は、オペレータの指示に従って指定された業務アプリケーション102Dを実行する。
【0023】
業務アプリケーション102Dには、例えば請求書発行アプリケーション、領収書発行アプリケーションなどが含まれるが、これらに限られるものではない。
【0024】
通信部105は、ネットワークを介してサーバ2の通信部203と接続する。
【0025】
サーバ2は、演算装置であるCPUを含む制御部201と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部202と、通信を行う通信部203と、を備える。
【0026】
記憶部202は、更新用の業務アプリケーションの更新プログラムを格納する。
【0027】
図4は、固有値ファイル102Aのデータ構成を示す図である。図4に示すように、固有値ファイル102Aは、「パスワード」と、横方向の印字位置の補正値である「横補正値」と、縦方向の補正値である「縦補正値」と、を格納する。
【0028】
ここで、固有値は業務アプリケーション102Dの内部に保存されるユーザ用の情報を指し、例えば上述のパスワード、横補正値、縦補正値、及びその他設定情報などの情報から適宜取捨選択される。
【0029】
図5は、情報処理装置1の制御部101によるプログラム更新動作を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップ501において、業務アプリケーション102Dが起動されると情報処理装置1は、サーバ2に当該業務アプリケーション102Dの名称と更新問合せコマンドを送信して当該業務アプリケーション102Dの更新プログラムがあるかを問い合わせる。
【0030】
ステップ502において、サーバ2は受信した業務アプリケーション102Dの名称に基づいて更新ファイル202Aを検索し、更新プログラムの有無を情報処理装置1に更新有無応答として送信する。
【0031】
ステップ503において、情報処理装置1はサーバ2から受信した更新有無応答に基づいて当該業務アプリケーション102Dの更新プログラムがあるかを判定する。情報処理装置1は、当該業務アプリケーション102Dの更新プログラムがあると判定した場合(ステップ503のY)、ステップ504に進む。情報処理装置1は、当該業務アプリケーション102Dの更新プログラムがないと判定した場合(ステップ503のN)、プログラム更新動作を終了して通常の業務動作に移行する。
【0032】
ステップ504において、情報処理装置1はサーバ2に対して更新プログラムのダウンロード要求を送信する。
【0033】
ステップ505において、サーバ2は情報処理装置1に対して更新プログラムを送信する。
【0034】
ステップ506において、情報処理装置1は更新プログラムを受信する。
【0035】
ステップ507において、情報処理装置1は、業務アプリケーション102Dの内部、例えばソースコードやオブジェクトコードの内部に保存されている固有値を読み出し、固有値ファイル102Aに格納することにより退避させる。
【0036】
ステップ508において、情報処理装置1は業務アプリケーション102Dを受信した更新プログラムによって上書きする。
【0037】
ステップ509において、情報処理装置1は固有値ファイル102Aから固有値を読み出し、更新された業務アプリケーション102Dの内部のデフォルトの固有値を更新し、更新後の業務アプリケーション102Dを記憶部102に格納する。
【0038】
ステップ510において、情報処理装置1は更新結果である更新情報をサーバ2に送信する。
【0039】
この際、情報処理装置1は更新情報を圧縮し、この圧縮ファイルのファイル名を更新した業務アプリケーション名及び更新年月日時分秒を含むものとすることができる。
【0040】
更新情報には、更新した業務アプリケーション名、更新日時、更新の成功又は失敗などの更新ログが含まれる。
【0041】
以上述べたように、本実施形態の情報処理装置1は、記録媒体に画像形成するプリンタ14と、キーボード12及びマウス13などの入力装置と、具体的な業務を行うプログラムである業務アプリケーション102Dと、ユーザが設定した業務アプリケーション102Dの内部に保存される固有値を退避する固有値ファイル102Aと、サーバ2から受信した更新プログラムによって業務アプリケーション102Dを行う場合、業務アプリケーション102Dから固有値を読み出して固有値ファイル102Aに退避させ、更新プログラムによって業務アプリケーション102Dを更新した後に退避した固有値によって業務アプリケーション102Dをさらに更新する制御部101と、を備える。
【0042】
従って、業務アプリケーションの更新の際に業務アプリケーション内に保存された固有値を維持することができるという効果がある。よって、業務アプリケーションの更新の際、固有値がデフォルト値に戻らず、更新の度に固有値を設定する必要が無くなる。
【0043】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
1:情報処理装置
11:ディスプレイ
12:キーボード
13:マウス
14:プリンタ
101:制御部
102:記憶部
図1
図2
図3
図4
図5