(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は事実上模範的なものであり、形はどうあれ本発明の範囲や用途や構成を限定する目的をもつものではない。むしろ、以下の詳細な説明は、本発明の模範的実施形態を実行するための実例を提供するものである。構造、材料及び寸法の例は選ばれた要素のためのものであり、その他のあらゆる要素は本発明の当業者に知られたものを採用する。当業者であるならば、ここに提供された例の多くが利用可能な適当な代替手段を有すると認識するであろう。
【0009】
図1Aは本発明の幾つかの実施形態によるパンチ・アセンブリ100の斜視図である。
図1Aは、パンチガイド側壁10と、側壁10の第1の端部101に連結されるストリッパ・プレート14と、側壁10の第2の端部102に連結されるスプリングパック又はドライバ・アセンブリ90とを備えるアセンブリ100を示している。パンチガイド側壁10へのストリッパ・プレート14の連結に関しては、
図6A乃至
図6Eと
図7A及び
図7Bを参照して以下により詳細に説明する。アセンブリ90に代用可能なスプリングパック・アセンブリの様々な実施形態については
図8A乃至
図11Dを参照し、またアセンブリ90については
図12A乃至
図12Eを参照して説明する。
図1Aは更に、保持・解放部材16の作動接触面160を露出させるべく延設された開口105を備えるパンチガイド側壁10を示し、保持・解放部材は
図1Bの断面図に完全に見ることができる。
【0010】
図1Bは、幾つかの実施形態による、
図1Aの切断線A−Aを通るアセンブリ100の一部分の部分的断面図である。
図1Bは、パンチガイド側壁10の第1の端部101から第2の端部102へと延び、かつアセンブリ100(
図1A)の中央長手軸線1周りに形成されたガイド孔103を示しており、図示されたアセンブリ100のパンチホルダ15と解放可能パンチ・チップ18は、ガイド孔103に係合した状態でスライド可能になっている。アセンブリ100の残りから分離した状態のパンチガイド側壁10の斜視図である
図1Cを参照すれば、ガイド孔103は、開口105同様、より明確に見ることができる。
図1Bは更に、保持部160と、保持部160・作動接触面160間を延びるピボット軸163とを備える保持・解放部材16を示しており、図示されるピボット軸163は、例えばピン部材164を介してパンチホルダ15の側壁に回転可能に連結されている。図示された実施形態によれば、保持部160や、例えばバネなどの部材165を介して付与される付勢力によってパンチ・チップ18が固定された関係で係止されるように保持・解放部材16はパンチホルダ15に連結される。
【0011】
アセンブリ100の一部分の斜視図であって、パンチホルダ15から分離したパンチ・チップ18を示す
図1Dを参照するに、ここにはホルダ15の切り欠き部分を通し、パンチホルダ15の孔153が示されており、パンチ・チップ18の作用部184と連結部182とが確認される。
図1Dに示すパンチ・チップ18の連結部182は、フランジ181と、フランジ181・作用部184間を延びるシャンク183とを備え、パンチ・チップ18の作用部184は、フランジ186と、フランジ186から長手軸線方向に延びるパンチブレード187とを備える。
図1Bをまた参照するに、図示した実施形態によれば、パンチ・チップ18の連結部182は、保持・解放部材16によって係止された状態で孔153の中に延び、フランジ186はパンチホルダ15の第1の端部151に対し突き当ることで、パンチブレード187がパンチホルダ15から長手軸線方向に延びるようになっている。
図1Bは、フランジ181の下面189に接触する保持・解放部材16の保持部160の肩部162を示しており、同肩部はパンチ・チップ18の連結部182と係合してホルダ15とチップ18の間に自己着座機能を成している。
【0012】
図1A及び
図1Bを参照することで、当業者は、アセンブリ100をターレット型パンチプレスのターレット孔内に作動可能に据え付けることでプレス機のラムにより矢印A方向に沿ってアセンブリ90の第2の端部902近傍にあるアセンブリ100の面を打つことが可能であることを理解するであろう。そのようなラム打ちによりパンチホルダ15がガイド孔103内を移動し、それによりパンチ・チップ18がストリッパ・プレート14の開口部143を通って矢印A方向に駆動され、プレス機のワーク支持面上に保持された、その下のワークを成形する。図示された実施形態によれば、開口105がパンチガイド側壁10の長さにわたって長手軸線方向に延びることで、パンチ・チップ18がそのようなパンチング作業で矢印A方向に沿って移動された際には保持・解放部材16の作動接触面が移動するための間隙を提供する。
【0013】
図1Bは更に、作動接触面161のほぼ反対側に位置して保持・解放部材16を図示した自己着座係止位置へと付勢する付勢部材165を示している。当然ながら、上述したパンチ・チップ18の連結部182の係合に伴う保持部160からの付勢は、パンチング作業中においてパンチ・チップ18をパンチホルダ15に対して固定した状態に保つのに充分となっている。矢印A方向に沿う下方ストローク中において、パンチブレード187がワークと直面した時には、パンチ・チップ18を孔103の奥深くに押し込めることができ、その地点でフランジ181の下面189の角度βにより、保持部160の下面189に対する係合を締め付け状態にすることができる。そのような締め付けは、下方ストロークによってワークから付与され得るそう相反力に対する付加抵抗を提供することになるかもしれない。保持・解放部材16による係止状態では中央長手軸線1に対しほぼ垂直となるようなパンチ・チップ18の反対側面180に対し、上面189の角度βは0度と約30度の間になるかもしれない。実施形態によっては、下面189が軸線1とほぼ直交した状態で延設されたり、或いはパンチ・チップ18の面180に対する下面189が、図示した角度βと略反対の角度、例えば0〜−10度の間の角度で延設されるかもしれない。パンチホルダ15の外表面150、130とパンチ・チップ18のフランジ186は夫々、パンチング作動中においてパンチガイド側壁10の内面との接触する支持面を共に成し、更にフランジ186とパンチホルダ15の第1の端部151の各突合わせ面は、パンチング作動中のどんな重大な揺動、即ち横方向の回転に対してもパンチ・チップ18を安定化するのに役立つ。パンチ・チップ18と保持・解放部材16は夫々、A8鋼から形成されることが好ましいが、粉末金属を含めどんな適当な工具鋼も使用しても良い。幾つかの好適実施形態よれば、パンチ・チップ18と解放部材16を当業者に既知の熱処理工程により硬化処理したり窒化コーティングしても良い。
【0014】
アセンブリ100を改変させるためには、パンチング作動に続き、矢印B方向に沿った中央長手軸線1に向かう作動接触面161に与えられた力が部材165の付勢力に対して押圧することで、連結ピン164の周りでピボット軸163を回転させ、これにより保持・解放部材16の保持部160をパンチ・チップ18から切り離す。図では任意の突出部材155がパンチホルダ15に据え付けられ、保持・解放部材16がパンチ・チップ18から切り離された際にはパンチ・チップ18をホルダ15から噴出させるべく中央長手軸線1に沿って追加の力を与えるようにパンチ・チップ18と連動するようになっている。
図1A及び
図1Bを参照すれば、ひとたびストリッパ・プレート14が取り外されたならば、パンチホルダ15、パンチガイド側壁10、スプリングパック・アセンブリ90のいずれも他から分解する必要なく、パンチ・チップ18をアセンブリ100から容易に取り外せることが理解できよう。
【0015】
図1Dを参照するに、ここにはパンチホルダ15内にある保持・解放部材16の部分が示されており、
図1Dは、パンチ・チップ18がパンチホルダ15から分離された際に、保持・解放部材16の保持部160を孔153の内部における充分付勢された第1の位置に保持する付勢部材165を示している。
図1Dは更に、保持部160の肩部162と終端167との間に延びるカム面166を備えた保持部160も示している。カム面166は第1の完全付勢位置にある状態で示されており、パンチ・チップ18の連結部182が孔153内に戻る際には、孔153内に位置してパンチ・チップ18のフランジ181とスライド状態で接触し、このフランジ181とカム面166の接触により保持部160が第1の完全付勢位置から移動し、作動接触面161に直接力を加えることなく
図1Bに示すように保持・解放部材16とパンチ・チップを係合させる。更に
図1Dを参照すると、ここに示されたパンチ・チップ18のフランジ186には穴が188が開けられ、ここにピン159が嵌め込まれ、第1の端部151の表面にスロット158を備えたパンチホルダ15が示されている。図示実施形態によれば、チップ18が孔153に挿入された際には、アセンブリ100の中央長手軸線1の周りにパンチブレード187のフットプリントをつけたり、それに合致させるため、ピン159はスロット158内に係合されるようになっている。
【0016】
図1A乃至
図1Dは単一の保持・解放部材16を示したものであるが、本発明の範囲は、例えばパンチング作動時におけるパンチホルダ15とパンチ・チップ18の係合を一層安定させるべく、アセンブリ100の周方向に複数の保持・解放部材16を備えるようにアセンブリ100を構成した別の実施形態もカバーしている。幾つかの別実施形態によれば、少なくとも1つの別の保持・解放部材16を、図示されたものの反対側にあってパンチホルダ15の側壁に取り付けることで、手の反対側の指によって対向する作動接触面161を中央長手軸線1に向けて内側に押し、アセンブリからパンチ・チップ18を解放するように構成される。更に当然のことながら、パンチホルダをアセンブリのガイド孔の中に置きつつ、手の1本以上の指によってパンチホルダからパンチ・チップを解放できるように構成されたパンチ・アセンブリの別実施形態も本発明の範囲内に含まれるものであるが、これらの別実施形態の幾つかの例を
図2A乃至
図4Bに関連付け、以下に説明する。
【0017】
幾つかの好適実施形態では、パンチガイド側壁10の外表面が手の指を作動接触面161に接近させ、特殊な工具を要することなく前述した力を矢印B方向(
図1B)に付与させる。図示した実施形態では、側壁10は更に開口105周りに凹部106を備え、作動接触面161は開口105から突出するが、接触面106はパンチガイド側壁10の外表面の大半から僅かに奥まった所に配置される。
【0018】
保持・解放部材16の保持部160と作動接触面161はピボット軸163と一体を成す延長部として示されているが、別実施形態として注目すべきは、保持・解放部材を2つ以上の個別部品からなるサブアセンブリで構成し、それらをより間接的に連結しても可能であるということである。例えば、
図1Eは拡大した詳細図を含むパンチ・アセンブリ250の部分的断面図であって、ここに示される保持・解放部材16’は別のボタン部材161’として形成される作動接触面を備えている。
図1Eは、ピン部材164を介してパンチホルダ15に回転可能に連結されたピボット軸163’と、このピボット軸163’から延びる保持部160とを備えた保持・解放部材16’を示している。図示した実施形態によれば、ボタン部材161’は、アセンブリ100に関して上述したのと同様に、その作動のためにピボット軸163’の表面と連動するように、アセンブリ250のパンチガイド側壁110’に形成された開口に据え付けられる。
図1Eは更に、開口内に付勢されたボタン部材161’を示しており、ピボット軸163を連結ピン164周りに回転させて保持・解放部材16の保持部160をパンチ・チップ18から解放するためには、矢印B方向に沿ってボタン部材161’に加えられた力はこの付勢力と付勢部材165の付勢力の双方に打ち勝たなければならない。
【0019】
図1Fを参照するに、本発明の他の実施形態による保持・解放部材は、パンチ・チップ18の不用意な解放を回避するためのロック機構を備える。
図1Fはアセンブリ100とかなり類似したパンチ・アセンブリ100’の一部分の斜視図である。
図1Fは、アセンブリ100’の保持・解放部材136の作動接触面131が1組の平行な対向側壁131A、131Bによって形成され、その少なくとも一方がその外方面から突出するロック機構132を有しているという点で、アセンブリ100とは異なるアセンブリ100’を示している。
図1Fでは側壁131Aのただ1つの機構132だけしか見えないかもしれないが、当然のことながら、実施形態によっては側壁131Bから別のロック機構132が同様に突出する場合もある。
図1Fは更に、開口105の横にあって凹部106内のパンチガイド側壁10の対応部分133に係合するロック機構132を示しており、これにより保持・解放部材136を例えばパンチ・チップ18の連結部182(
図1D)のようなアセンブリ100’のパンチ・チップの連結部から解放するには、例えば矢印B(
図1B)方向に沿った内向きの印加力だけでは不十分な状態となっている。注目すべきは、保持・解放部材136は他の点においては前述の保持・解放部材16と極めて類似したものでも良く、保持部160と、保持部160・作動接触面131間に延びるピボット軸163とを備え、ピボット軸163はピン部材164(
図1B)を介してパンチホルダ15に回転可能に連結されるかもしれないということである。またこれに代わるものとして、
図1Eに関連して説明したように、保持・解放部材136の作動接触面131を、保持・解放部材16’のボタン部材161’に似た別個のボタン部材として形成しても良い。図示した実施形態によれば、パンチガイド側壁10からロック機構132を解放するためには、側壁131A、131Bに付与された矢印Q方向の別の力によって側壁131A、131Bを互いに接近させるように曲げ、次いで上述した内向きの力によって作動接触面131を開口105の中に移動させてピボット軸163を回転させ、これによりパンチ・チップ18を解放するようにしても良い。
【0020】
図2Aは本発明の幾つかの別実施形態によるパンチ・アセンブリ200の斜視図であり、
図2Bは幾つかの実施形態に従い、
図2Aの切断線B−Bを通るアセンブリ200の断面図である。
図2A−Bはパンチガイド側壁20を備えたアセンブリ200を示しており、側壁を通って開口205A、205Bが延びて、保持・解放部材26A、26Bの作動接触面261を露出させている。
図2Bはパンチガイド側壁20によって形成されるガイド孔203を示し、その中にはアセンブリ100と同様にパンチホルダ25とパンチ・チップ28がスライド可能に係合されている。
図2Bは更に、ピン部材264を介してパンチホルダ25に旋回可能に連結された各保持・解放部材26A、26Bのピボット軸263と、パンチング作業中はパンチ・チップ28のフランジ281の下面289に係合してパンチ・チップ28をパンチホルダ25に対し固定した状態で保持する肩部262を備えた各保持・解放部材26A、26Bの保持部260とを示している。
【0021】
図示した実施形態によれば、パンチガイド側壁20にある開口205A、205Bの夫々は、各保持部260をパンチ・チップ28から引き離すべく矢印C方向の力を付与するための手の指のためのアクセスを与えるようになっており、その力は、保持・解放部材26の作動接触面261を持ち上げるために、外側に向きかつアセンブリ200の中央長手軸線2から離れるように示されている。従って、ひとたびストリッパ・プレート14がアセンブリ200から取り外されたならば、特殊な工具や更なるアセンブリ200の分解を必要とすることなく、パンチガイド側壁20の外面から与えられる力の上記付与によって、パンチ・チップ28をパンチホルダ25から解放することができる。別実施形態に従って注目すべきことは、アセンブリ200は保持・解放部材26A、26Bの内の唯1つを使用しても、或いは部材26A、26Bに加えて1つ以上の保持・解放部材を使用しても良いことである。
【0022】
図3Aは本発明の幾つかの別実施形態によるパンチ・アセンブリ300の斜視図であり、
図3Bは幾つかの実施形態に従い、
図3Aの切断線C−Cを通る断面図である。
図3A−Bはパンチガイド側壁30を備えたアセンブリ300を示しており、側壁を通って1組の開口305A、305Bが延びて、保持・解放部材36の作動接触面361を露出させている。
図3Bはパンチガイド側壁30によって形成されるガイド孔303を示し、その中にはアセンブリ100、200と同様にパンチホルダ35とパンチ・チップ38がスライド可能に係合されている。図示されたパンチ・チップ38はシャンク383を備え、そこには周方向に延びる外溝389が形成される。
図3Bは更に、パンチホルダ35の外面周りにスライド可能に据え付けられかつ付勢部材365を介して図示された位置に付勢されるカラー363と、パンチ・チップ38の溝389に適合しかつカラー363の係合面362によって溝386内に保持される、例えばボールベリングなどの複数の球状部材369とを備えた保持・解放部材36を示している。
【0023】
図4Aは本発明の更なる実施形態によるパンチ・アセンブリ400の斜視図であり、
図4Bは幾つかの実施形態に従い、
図4Aの切断線D1−D1を通る断面図である。
図4A−Bはパンチガイド側壁40を備えたアセンブリ400を示しており、側壁を通って1組の開口405A、405Bが延びて、保持・解放部材46の作動接触面461を露出させている。
図4Bはパンチガイド側壁40によって形成されるガイド孔403を示し、その中にはアセンブリ100、200と同様にパンチホルダ45とパンチ・チップ48がスライド可能に係合されている。図示されたパンチ・チップ48はシャンク483を備え、そこには周方向に延びる外溝489が形成される。
図4Bは更に、パンチホルダ45の外面周りに据え付けられたカラー463を備えた保持・解放部材46を示しており、図示されるカラー463の外面が作動接触面461を形成している。
【0024】
図4Cは、幾つかの実施形態による
図4Bの切断線D2−D2を通る断面図であって、そこではパンチ・チップ48をパンチホルダ45に対し固定した状態に係合するように、例えばボールベアリングのような複数の球状部材469がパンチ・チップ48の溝489に係合された状態で示されている。
図4Cは更に、その内面に複数の内向き凹部466を形成するカラー463を示している。図示された実施形態によれば、カラー463は、溝489の中に球状部材469を保持するべく付勢され、更にホルダ45に関し、アセンブリ400の中央長手軸線4の周りで矢印E方向に回転されるように取り付けられており、複数の内向きの凹部466の夫々が対応する球状部材469と一致し、その結果、各球状部材469が溝489の外に出て、対応するカラー463の内向き凹部466の中に移動することでパンチ・チップ48をアセンブリ400から解放するようになっている。
図4A−Cを参照すれば、手の対向する指に対しては、開口405A、405Bが保持・解放部材46の作動接触面461へのアクセスを提供し、結果としてアセンブリ400の他の部分を分解する必要なくパンチ・チップ48をアセンブリ400から解放できることが理解されるだろう。
【0025】
図5Aは、
図1A−Bのアセンブリ100に類似するも本発明の幾つかの別実施形態により、諸刃の剣のようなパンチ・チップ58を使用するため改変されたパンチホルダ15’を備えたパンチ・アセンブリ500の
図1の切断線A−Aを通る断面図である。
図5Aは、パンチ・チップ18のように、パンチホルダ15’の端部に突き当てられた状態にあるパンチ・チップ58のフランジ186を示しており、その結果としてチップ58の第1の作用部187Aはパンチホルダ15’から長手方向に延びる一方で、チップ58の第2の作用部187Bはパンチホルダ15’内に収められている。
図5Aは更に、第1のシャンク183Aを備えたパンチ・チップ58の第1の連結部を示しており、前記シャンクは第1のフランジ181Aの下面189Aへと延び、その下面189Aは保持・解放部材16の保持部160によって係合されている。図示した実施形態によれば、前述したように保持・解放部材16の作動接触面161によりパンチ・チップ58をアセンブリ500から解放し、次いでパンチ・チップ58の向きを変え、第1の作用部187Aとパンチ・チップ58の第2の連結部48をホルダ15’内に挿入することで第1の作用部187Aを第2の作用部187Bと交換することも可能である。パンチ・チップ58の第2の連結部は、第2のフランジ181Bの下面189Bへと延びる第2のシャンク183Bを備え、そこでは第2の連結部は、フランジ186を境にして前述したパンチ・チップ58の第1の連結部の鏡像である。
【0026】
図5Bは追加の別実施形態で使用可能なパンチ・チップ580の平面図である。
図5Bは、連結部585と、その連結部585の第1の側部から長手方向に延びる第1の作用部584と、第1の作用部584とは反対側にある連結部585の第2の側部から長手方向に延びる第2の作用部586とを備えたパンチ・チップ580を示している。
図5Bは又、溝589を形成したシャンク583を備えた連結部585も示している。図示した実施形態によれば、例えば部材36(
図3A−B)のような保持・解放部材がパンチ・チップ58の溝589に係合することで、第1の作用部584がパンチホルダから長手方向に延びるような第1の方向性、或いは第2の作用部586がパンチホルダから長手方向に延びるような第2の方向性のどちらかにより、パンチ・チップ58をパンチホルダに対し固定した状態に保持することも可能である。
【0027】
図6A−Bはアセンブリ100(
図1A−D)の一部分の斜視図であり、夫々が本発明の幾つかの方法による、分解の異なった段階におけるアセンブリ100を示している。
図6Aは、ストリッパ・プレート保持クリップ12を備えたアセンブリ100を示しており、ここではクリップ12を中央長手軸線1から離れるようにして矢印F方向に外側に引っ張ることで、ストリッパ・プレート14をパンチガイド側壁10の第1の端部101のガイド孔103の開口部113から落下できるようにし、これによりクリップがパンチガイド側壁10の外面140から外された状態にある。
図6Bは、保持・解放部材16の作動接触面161を矢印B方向に押し、パンチ・チップ18をガイド孔開口部113から矢印G方向に落下させることでアセンブリ100から外されたパンチ・チップ18を示している。
【0028】
従って、本発明の好適方法によれば、ひとたびストリッパ・プレート14が開口部113上から取り外されたならば、
図6Bに示すようにパンチガイド側壁10の開口105を介して保持・解放部材16を作動させることで、パンチ・チップ18をアセンブリ100から解放することができる。前述したようにこの作動は、特殊な工具を必要とすることなく手の少なくとも1本の指で作動接触面161を矢印B方向に押すことで成すことができる。このようにして、別のパンチ・チップを準備をしたり、研削/研磨に続くパンチ・チップ18のその後の交換のために、パンチ・チップ18を取り外すことができる。更に上述したように、保持・解放部材26、36、46のいずれかを外側に作動させ、対応するパンチ・チップをアセンブリ200、300、400から外すようにしても良い。
【0029】
更に
図6Bを参照するに、例えば研削の後にパンチ・チップ18を矢印G’方向に沿ってガイド孔103内に挿入し、パンチホルダ15の保持・解放部材16と係合させるようにしても良い。
図1Dに関連して前述したように、パンチ・チップ18の連結部182が孔153内に戻された際には、パンチ・チップ18のフランジ181が保持部160のカム面166と接触することにより、保持部160は、充分付勢された状態の第1の位置から移動することとなり、これにより保持・解放部材16はパンチ・チップ18と再係合可能となる。解放後において仮に、例えば
図5のパンチ・チップ18のように1組の作用部を対向させたパンチ・チップ18を使用した場合、新たな方向をパンチ・チップに与えることができ、以前の係合時点ではパンチホルダ15から延びていた作用部組の一方をパンチホルダ15の孔153内に配し、作用部ペアの他方をパンチホルダ15から延ばすことも可能である。
【0030】
図6Aは更に、パンチガイド側壁10の外周部分周りで第1の端部141から第2の端部142へと延びるパンチガイド側壁10の外面140を示しており、同外面は中央長手軸線1の周りでパンチガイド側壁10の第1の端部101から凹んで形成されており、例えば溝などの周方向に延びる係合機構104を備えている。外面140は
図1Cにも見ることができる。アセンブリ100の残りの部分から分離した状態でのストリッパ・プレート保持クリップ14の斜視図である
図7Aを参照するに、
図1Cと
図6Aと共に、図示されたストリッパ・プレート保持クリップ12は例えば突起等の周方向に延びる第1の嵌合機構125を備えており、それはパンチガイド側壁10の係合機構104と係合するような大きさを有し、クリップ12の内面120に沿って位置決めされる。図示した実施形態によれば、嵌合機構125は任意の凸状端部225を備え、夫々は外面140の両端141、142(
図1Cではその一方が良く見える)に位置する対応ポケット325にスナップ嵌合する。なお、保持クリップ12は、嵌合機構125が係合機構104と係合した際には、
図1Aに示すようにクリップ12がパンチガイド側壁10と係合した状態を保持するように、任意の凸状端部225と協働するバネ力を持つように形成されることが好ましい。
図6Aと併せて
図1Aを更に参照するに、クリップの第1の端面121と第2の端面122との間で定義されるストリッパ・プレート保持クリップ12の厚みは、クリップがパンチガイド側壁10と係合した際に、第1の端面121がパンチガイド側壁10の第1の端部101とほぼ同一平面上に位置するような厚みになっている。
【0031】
図6Aと
図7Aは又、周方向に延びる第2の嵌合機構126を備えた保持クリップ12を示している。図示された実施形態によれば、例えば突起などの保持クリップ12の第2の嵌合機構126は、第1の嵌合機構125に対し、第1の嵌合機構125がパンチガイド側壁10の外面140の係合機構104と係合した際には、例えばストリッパ・プレート14の溝等の係合機構146(
図6A)と係合し、それにより
図1Aに示すように、ストリッパ・プレート14をガイド孔開口部113上に保持するような大きさを有しかつクリップ12の内面120に沿って位置決めされる。再度
図1Cを参照するに、図示されたガイド側壁10は、例えば溝などの内部嵌合機構111を備えており、それは第1の端部101において側壁10の内面に沿ってガイド孔103の周りを周方向に延びている。図示した実施形態によれば、嵌合機構111はクリップ12と連動して動作し、またストリッパ・プレート14の係合機構146と係合することで、ストリッパ・プレート14をガイド孔開口部113上に保持している。
【0032】
図1A、6A、及び
図7Aは更に、凹部120’を備えた保持クリップ12の内面を示している。図示した実施形態によれば、保持クリップ12がストリッパ・プレート14と係合した状態では凹部120’とプレート14との間に間隙gが存在し(
図1A)、指や工具へのアクセスを提供する。そのアクセスは、中央長手軸線1から離れて矢印F方向(
図6A)にクリップ12を外側に引っ張るのを容易にすることができ、クリップ12をストリッパ・プレート14とパンチガイド側壁10から切り離し、ストリッパ・プレート14をガイド孔開口部113上から取り外せるようになっている。当然、幾つかあるクリップ12の別実施形態では、矢印F方向に沿うクリップ12の引き抜きを容易にするために、例えばクリップ12の外面に配置されるような、他のタイプの機構を使用することも可能である。注目すべきは、他のアセンブリ200、300、400(
図2A−4B)の如何なるパンチガイド側壁でも、クリップ12に類似したストリッパ・プレート保持クリップを使用するように構成することが可能であり、その結果として前述した改変方法がアセンブリ200、300、400に採用できるということである。
【0033】
図7Bはストリッパ・プレート保持クリップ12’の別実施形態の斜視図である。
図7Bは、クリップ12の上述した嵌合機構125にほぼ対応した1組の第1嵌合機構セグメント125A、125Bと、クリップ12の上述した嵌合機構126にほぼ対応した1組の第2嵌合機構セグメント126A、126Bとを示している。図示されるセグメント125A、126Aはクリップ12’の内面123周りでセグメント125B、126Bから周方向に隔てられており、その結果、クリップ12’がストリッパ・プレート14と係合した際には、クリップ12’の上述した凹部120’と同様に内面123の一部123’によって、クリップ12’とストリッパ・プレート14の間に間隙gが提供され、例えば
図6Aのクリップ12で示したように、矢印F方向の引張りによるクリップ12’のストリッパ・プレート14からの切り離しを容易にしている。
【0034】
図6Cは幾つかの別方法による分解を可能にするパンチ・アセンブリの一部分の斜視図である。
図6Cのパンチ・アセンブリは、パンチ・アセンブリ100と非常に類似しているかもしれないが、ストリッパ・プレート保持クリップ13の保持と解放に関する機構に関しては異なっている。
図6Cは、例えば側壁10’から延びクリップ13の孔114Bを通るピン114A(
図6E)によって形成されるピボット継手114によってパンチガイド側壁10’の第1の端部101’に接続された保持クリップ13を示しており、ここに示される保持クリップ13はストリッパ・プレート14の外周周りに接近した第1の位置にあり、ストリッパ・プレート14をパンチガイド側壁10’で形成されるガイド孔の開口部上に保持している。もう1つの斜視図である
図6Dは、パンチガイド側壁10’から離れるようにクリップ13を、中央長手軸線1(
図6A、6D)に略直交する面内において第2の位置に向けて矢印T方向に旋回又は回転することにより、ストリッパ・プレート14から切り離された保持クリップ13を示しており、結果としてプレート14はガイド孔の開口部上から取り外せるようになっている。
【0035】
図6Eは、ストリッパ・プレート14を省いたパンチ・アセンブリの分解斜視図である。
図6Eは、クリップ13の係合機構222と係合するため、パンチガイド側壁10’の外面140’に形成された係合機構104’を示しており、クリップ13の係合機構222は周方向に延びる肩部か、或いはクリップ13の第2の端面122’から長手方向に延びる突起として示されている。
図6Eは更に、アセンブリ100で前述したように、ストリッパ・プレート14の係合機構146(
図6A、D)と係合するためのクリップ13の別の係合機構126’を示している。
【0036】
図6C−Eを参照すれば、外表面140’がパンチガイド側壁10’の外周部分の周りで第1の端部141’から第2の端部142’へと延び、アセンブリ100の側壁10の面140と同様にパンチガイド側壁10’の第1の端部101’から長手方向に凹んで形成され、その結果として、機構104’がクリップ13と係合した際にはクリップ13の第1の端面121’が第1の端部101’とほぼ面一となることが理解できるであろう。
図6Cと
図6Eは更に、クリップ13が側壁10’と係合する際には外面の第2の端部142’から隔てられることが好ましい末端部138を備えたクリップ13を示しており、この隔たりは、矢印T方向のクリップ旋回のために末端部138を係合するべく、手の指や工具に対し間隙Gを介したアクセスを提供するものである。
【0037】
図6C−Dは更に、外面140’に近接してパンチガイド側壁10’に連結される解放可能なロック部材135を示している。
図6Cでは、ロック部材はストリッパ・プレート保持クリップ13の接触面137に係合した状態で示されており、その接触面137はクリップ13の第2の端面122’(
図6E)に近接した外面として形成されている。図示された実施形態によれば、ロック部材135は付勢されて接触面137内へと延び、クリップ13がパンチガイド側壁10’から離れて旋回するのを防止し、更にその外側にある作動接触面139に対し矢印S方向に力を付与することでクリップ13のロックを解除するべく移動可能になっている。ロック部材135の下面に取り付けられたバネ部材(図示せず)によって、ロック部材135を
図6Cに示すロック位置に付勢しても良い。そのバネ部材は、パンチガイド側壁10’の外面に形成されてロック部材135の下に位置する溝の中に据え付けることができる。本発明の幾つかの方法によれば、ひとたびロック部材135が矢印S方向に移動されたならば、クリップ13は矢印T方向に旋回されることになりストリッパ・プレート14をパンチ・アセンブリから解放することができる。
【0038】
本発明の幾つかの追加実施形態によれば、パンチ・アセンブリはロック部材を解放した上でパンチドライバに対するパンチ・チップの軸線方向位置又はパンチ・アセンブリの中のヘッドの軸線方向位置の調整を容易にする1つ以上の機構を備えている。チップを再び鋭くするための研削に続いて特別なパンチ・チップの長さの変化に対処するため、或いは、例えば上述した実施形態で使用されたような交換可能かつ解放可能なパンチ・チップの長さ間のバラツキに対処するため、そのような調整は必要となるかもしれない。この種の調整用機構を組み込むパンチ・アセンブリの例は、同一出願人による米国特許第5,131,303号に開示されており、それは参照により本願に含まれている。なお、同特許‘303号に開示されたものと類似する調整機構は、例えば
図8A−Bに関連して後述するように本発明の実施形態に組み入れることができる。パンチ工具アセンブリ内におけるパンチ・チップの軸線方向位置調整のためのサブアセンブリを組み込んだ本発明の他の実施形態は又、
図9A乃至
図12Eに関連して説明することにする。本発明の調整サブアセンブリを備えたパンチ工具は上述した解放可能パンチ・チップの独創的な機構を備える場合もあるし、また備えないこともあり得ることに留意されたい。即ち、続く説明ではパンチホルダは調整サブアセンブリと連動する機構を備えるものとして記述されるが、当然ながら、別の実施形態として一体成形されたパンチ・チップを備えたパンチボディは、パンチ・チップと代替え可能である。
【0039】
図8Aは、本発明の幾つかの追加実施形態によるパンチ・アセンブリ800の軸線方向断面図であり、
図8Bは
図8Aの切断線E−Eに沿う半径方向断面図である。
図8Aは、パンチホルダ85を備えたアセンブリ800を示しており、このホルダに対してはアセンブリ100(
図1A−D)で前述したように、解放可能なパンチ・チップ18と係合するべく保持・解放部材18が連結され、結果としてホルダ85とチップは共に、パンチガイド側壁10のガイド孔103の中にスライド可能に係合される。
図8Aは更に、パンチドライバ又はヘッド87の外ネジ面874に噛み合う内ネジ面854を備えたパンチホルダ85を示している。図示された実施形態によれば、ドライバ87がパンチホルダ85に対し中央長手軸線8周りで回転されると、ホルダ85は中央長手軸線8に沿って移動せしめられ、結果としてドライバ87に対するパンチ・チップ18の軸線方向位置が新しくなる。当然ながら、これに代わる実施形態としてホルダ85に外ネジ面を備えさせ、ドライバ87に内ネジ面を備えさせても良い。
【0040】
図8A−Bは、パンチホルダ85周りで係合する保持クリップ836の形態の保持・解放部材と、パンチホルダ85の開口部853を介して突出してドライバ87の外ネジ面874に形成された切欠き872と係合するカムピン839を示している。
図8A−Bは更に、カムピン839を切欠き872内に保持してホルダ85に対してドライバ87の回転ロックするため、パンチガイド側壁10によってホルダ85周りに固着された保持クリップ836を示している。図示した実施形態によれば、パンチガイド側壁10がクリップ836とパンチホルダ85から離反してドライバ87がホルダ85に対し矢印H方向に回転された際には、ロック部材のカムピン839は、矢印I方向に沿って切欠き872を自由に乗り越えられ、それによりロック部材を非ロック位置に置くことができ。その位置において中央長手軸線8に沿ったパンチホルダ85の移動をもたらすようなロック部材の相対回転が可能となる。
【0041】
図9Aは、本発明のパンチ・アセンブリに内蔵可能な、本発明の幾つかの実施形態によるスプリングパック又はドライバ・アセンブリ60の斜視図である。
図9Aはアセンブリ60を示しており、同アセンブリは、アセンブリ60の中央長手軸線6周りでその第1の端部601から第2の端部602へと延びるキャニスタ側壁600と、そのキャニスタ側壁600の第1の端部601に連結された支持部材675と、キャニスタ側壁600の第2の端部602に連結された調整サブアセンブリ650とを備えている。
図1A−Bを再び参照するに、軸線6が軸線1にほぼ一致しかつパンチホルダ15の一部分がキャニスタ側壁600内に延びるように、アセンブリ90の代わりにアセンブリ60を代用しても良い。
図9Aと併せて
図1Bを更に参照すると、当業者に既知の方法により関連して支持部材675の端部をパンチガイド側壁10の第2の端部102に挿入してそれに連結しても良く、更にパンチホルダ15の外ネジ面154を、調整サブアセンブリ650の長手方向に延びる孔605を囲むパンチドライバ又はヘッド655の内ネジ面615に噛み合わせても良い。図示しないが、当業者であるならば、キャニスタ側壁600内でパンチホルダ15周りに延びるリフタ・スプリングは、サブアセンブリ650を支持すると共に支持部材675の上面に支えられていることを理解するであろう。従って、パンチング動作中においては、パンチドライバ又はヘッド655に付与されるラム打ちによりパンチホルダ15とパンチ・チップ18が矢印A方向に移動し、リフタ・スプリングを支持部材675に対し圧縮し、その結果スプリングの力が戻り行程のパンチ・チップ18を駆動させる。
【0042】
図示した実施形態によれば、ネジ面154、615の噛み合いによるパンチホルダ15に対するパンチヘッド655の回転はパンチング動作中ロックされるが、調整サブアセンブリ650の解放部材652を介してロック解除できる。ひとたびロック解除されたならば、例えば特定長のパンチ・チップ18を収納するため、パンチヘッド655を回転して、パンチ・アセンブリの如何なる部分をも分解する必要なく、アセンブリ60とパンチガイド側壁10の中におけるヘッド655に対するパンチホルダ15の軸線方向位置を調整することが可能である。
図9Bは幾つかの実施形態による調整サブアセンブリ650の分解斜視図であって、そこにはこのロック状態と非ロック状態を容易にするサブアセンブリ650の構成部品が示されている。
【0043】
図9Bは、ロック部材は嵌め込まれ得る横孔657を備えた調整サブアセンブリ650のパンチヘッド655を示しており、ここではロック部材は球状部材656とバネなどの付勢部材658とによって形成され、両方は解放部材652から延びる軸654に係合されている。図示した実施形態によれば、軸654、球状部材656及び付勢部材658が横孔657内に適合された際には、パンチヘッド655の外面614の切欠き部619が解放部材652を収容し、解放部材652の作動接触面612が外部から接近可能なようになっている。
図9Bは更に、パンチヘッド655の側壁の横孔657と外面614の間に形成され、その中に球状部材656を保持する開口659を示しており、これにより球状部材656は開口から突出して係合側壁613にある複数のロック機構653の内の1つと係合する。ロック機構は、係合側壁613に形成される凹部として示され、係合側壁613は保持リング651の内面として示される。
図9Bを併せて
図9Aを参照するに、一緒に組み立てられた状態ではパンチヘッド655の一部655がリング651内に挿入され、そのリング651はキャニスタ側壁600の第2の端部602にある開口部603内に適合し、側壁内に収納されたリフタ・スプリングの端部に支えられることが理解されよう。
【0044】
図9Aは更に、1ロック機構653との係合を解除するべく球状部材656を移動するために解放部材652を押し込むことができる矢印Jの方向を示しており、更に
図9Bは、矢印J方向に解放部材652が押された際に球状部材656が移動する矢印Kの方向を示している。矢印Kの方向は軸線6に向かって内側へと示されており、矢印Jの方向は軸線6と矢印Kの両方に対し略直交した状態で示されている。付勢部材658に係合する解放部材652を拡大させた
図9Cを参照して、矢印J方向に沿う球状部材656の移動を容易にする解放部材652の軸654の構造を説明する。
【0045】
図9Cは、末端部618に延びかつアセンブリ650の球状部材656に係合する凹部617を形成する軸654を示している。
図9Bも併せ、
図9Cを参照すると、付勢部材658が、サブアセンブリ650の孔657の端壁に当接するのに必要な長さを超えて末端部618から延びることで開口659とそこに適合される球状部材652に対し凹部617を付勢することがわかる。図示された実施形態によれば、凹部617の第1のセクション617Aは凹部617の第2のセクション617Bより浅いため、解放部材652が完全に付勢された位置にある時、セクション617Aは球状部材652に連動し、1ロック機構653との係合状態にある球状部材656を保持する。前述したように解放部材652が矢印J方向に押されるとき、軸654は同様に付勢部材658に向けて移動することで、第2セクション617Bを球状部材656と開口659に並ばせる。パンチヘッド655が回転した際には、第2セクション617Bの大きな深さによって球状部材656が開口659の中に後退し、ロック機構653との係合が解除されるのが理解されよう。 従って、パンチヘッド655に対するパンチホルダ15の軸線方向位置を調整するためには、解放部材652が矢印J方向に押され、パンチヘッド655が保持リング651に対し所望の角度にわたって回転され、次いで解放部材652が解放されて付勢部材658を凹部617の第1のセクション617Aに対して充分付勢させて球状部材656と接触させ、以て球状部材656を係合側壁613の別のロック機構653とのロック係合に追いやるようになっている。
【0046】
更に
図9A−Bを参照すれば、調整アセンブリ650はキャニスタ側壁600内でスライド可能に係合され、ラム打ちに対応して軸線6に沿って移動するが、キャニスタ側壁600の内面に沿って形成された軸線方向に延びる内溝(図示せず)に嵌合する保持651の突起部材616により、全体としてはキャニスタ側壁600に対し回転方向にロックされていることが理解できよう。
【0047】
図10Aは、本発明のパンチ・アセンブリに内蔵可能な、本発明の幾つかの追加実施形態によるスプリングパック又はドライバ・アセンブリ70の斜視図である。
図10Aはアセンブリ70を示しており、同アセンブリは、アセンブリ70の中央長手軸線7周りでその第1の端部701から第2の端部702へと延びるキャニスタ側壁700と、そのキャニスタ側壁700の第1の端部701に連結された支持部材775と、キャニスタ側壁700の第2の端部702に連結された調整サブアセンブリ750とを備えている。
図1A−Bを再び参照するに、軸線7が軸線1にほぼ一致しかつパンチホルダ15の一部分がキャニスタ側壁700内に延びるように、アセンブリ90の代わりにアセンブリ70を代用しても良い。
図10Aを併せて
図1Bを更に参照すると、当業者に既知の方法により、支持部材775の端部をパンチガイド側壁10の第2の端部102に挿入してそれに連結しても良く、更にパンチホルダ15の外ネジ面154を、調整サブアセンブリ750の長手方向に延びる孔705を囲むパンチドライバ又はヘッド755の内ネジ面715に噛み合わせても良い。図示しないが、当業者であるならば、アセンブリ70をリフタ・スプリングに適合させて、アセンブリ60で上述したのと同じように機能させることが可能なことが理解できるであろう。
【0048】
図示した実施形態によれば、ネジ面154、715の噛み合いによるパンチホルダ15に対するパンチヘッド755の回転はパンチング動作中ロックされるが、調整サブアセンブリ750の解放部材752を介してロック解除できる。ひとたびロック解除されたならば、例えば特定長のパンチ・チップ18を収納するため、パンチヘッド755を回転して、パンチ・アセンブリの如何なる部分をも分解する必要なく、アセンブリ70とパンチガイド側壁10の中におけるヘッド755に対するパンチホルダ15の軸線方向位置を調整することが可能である。
図10Bは幾つかの実施形態による調整サブアセンブリ750の分解斜視図であって、そこにはこのロック状態と非ロック状態を容易にするサブアセンブリ750の機構が示されている。
【0049】
図10Bは、解放部材752を受ける切欠き部719を持つ外面714を備えた調整サブアセンブリ750のパンチヘッド755を示しており、切欠き部719の側壁は、パンチヘッドに対する解放部材752の枢着のため、解放部材752のピボットピン754を受ける横孔757を備えており、解放部材752の作動接触面712が外側からアクセスできるようになっている。ロック部材756は作動接触面712の延長部として、解放部材752と一体形成された状態で示されており、バネなどの付勢部材758はロック部材756の反対側において解放部材752に連結された状態で示され、ロック部材756をパンチヘッド755の切欠き部719に対し付勢している。
図10Bは更に保持リング751と係合側壁713を備えた調整サブアセンブリ750を示し、係合側壁713は、キャニスタ側壁700の第2の端部702にある内面によって形成され、付勢されたロック部材756と嵌合する大きさのロック機構753を構成する複数の溝を備えている。
【0050】
図10Aと併せて
図10Bを参照すれば、リング751とパンチヘッド755が共に、キャニスタ側壁700の第2の端部702にある開口部703に嵌め込まれた際には、両方とも調整サブアセンブリ750の長手方向に延びる孔705を囲むと共に、リング701は係合側壁713の直下で、側壁700内に収納されるリフタ・スプリングの端部に寄りかかるように位置決めされることが理解できよう。図示された実施形態によれば、矢印L方向(
図10A)の内方押圧力が、外側からアクセス可能な解放部材752の作動接触面712に付与され、部材758の付勢力に抗してロック部材756が移動しロック機構753の1つから切り離されるまでは、付勢されたロック部材756が各ロック機構756に嵌合し、パンチヘッド755とパンチホルダ15間の相対的回転をロックするようになっている。従って、例えば手の指によって作動接触面712が長手軸線7に向かって内側に押されたならば、手でパンチヘッド755を回転することができ、それによりパンチホルダ15の軸線方向位置を調整することができる。
【0051】
上述した調整サブアセンブリ650、750の夫々によるパンチホルダ15の位置調整は、その後の回転のために対応するパンチヘッド655、755をロック解除するために作動される解放部材652、752によって夫々容易となる。それでも尚、本発明の幾つかの別方法によれば、パンチヘッドのロック解除のための解放部材を回転することが好ましい。例えば幾つかの別実施形態では、以下に提示するように、外側からアクセス可能な解放部材の作動接触面を握ることで、初めに解放部材を回転させてパンチヘッドのロックを解除しても良い。即ち、ひとたびパンチヘッドのロック解除がなされたならば、解放部材を更に回転することでパンチヘッドを回転させることにもなり、パンチ工具アセンブリのパンチホルダ又はパンチボディの位置が調整されることになる。上述したアセンブリと同様に、以下で説明されるアセンブリは、パンチヘッドのロック解除やその後の調整にあたり、その如何なる部分の分解を必要としない。更に、好適な方法によれば、ここで説明したどんな実施形態の調整アセンブリでさえも、特別な工具を必要とすることなく手動操作することができる。
【0052】
図11Aは、本発明のパンチ・アセンブリに内蔵可能な、本発明の幾つかの別実施形態によるスプリングパック1100の斜視図である。
図11Aはアセンブリ1100を示しており、同アセンブリは、アセンブリ1100の中央長手軸線11周りでその第1の端部1201から第2の端部1202へと延びるキャニスタ側壁1200と、そのキャニスタ側壁1200の第1の端部1201に連結された支持部材1175と、キャニスタ側壁1200の第2の端部1202に連結された調整サブアセンブリ1150とを備えている。
図1A−Bを再び参照するに、軸線11が軸線1にほぼ一致しかつパンチホルダ15の一部分がキャニスタ側壁1200内に延びるように、アセンブリ90の代わりにアセンブリ1100を代用しても良い。
図11Aを併せて
図11Bを更に参照すると、当業者に既知の方法により、支持部材1175の端部をパンチガイド側壁10の第2の端部102に挿入してそれに連結しても良く、更にパンチホルダ15の外ネジ面154を、調整サブアセンブリ1150の長手方向に延びる孔1105を囲む調整サブアセンブリ1150のパンチドライバ又はヘッド1155の内ネジ面1115に噛み合わせても良い。図示しないが、当業者であるならば、アセンブリ1100をリフタ・スプリングに適合させて、アセンブリ60で上述したのと同じように機能させることが可能なことが理解できるであろう。
【0053】
図11Aは更に、外側の作動接触面1152’を持つ解放部材1152を備えた調整サブアセンブリ1150を示している。図示された実施形態によれば、矢印M方向に解放部材1152を回転させるために作動接触面1152’に付与される力により、パンチヘッド1152のロックが解除され、例えばホルダ(
図1B)などのパンチボディやホルダに対して回転できるようになる。尚、この回転は、例えば上述したようなヘッド1155・ホルダ15間のネジ係合により、パンチボディやホルダを軸線方向に移動させる。このようにしてアセンブリ1100内でのパンチボディやホルダの軸線方向位置は、パンチ・アセンブリの如何なる部分も分解する必要なく、解放部材1152を矢印M方向に回転することにより調整可能となる。以下、
図11C−Dから分かるように、解放部材1152は、矢印M方向で示した回転方向とは反対の方向の回転に対応するように構成され、調整のためパンチヘッド1155を逆方向にロック解除するようになっている。前述した力が作動接触面1152’に付与されない場合、パンチヘッド1155の回転はサブアセンブリ1150のロック部材によってロックされる。
図11Bは、ロックとロック解除を容易にするサブアセンブリ1150の構成部品を見ることができる、幾つかの実施形態による調整サブアセンブリ1150の分解斜視図である。
【0054】
図11Bは、サブアセンブリ1150の保持リング1151との係合のため、球状部材1156によって形成されかつパンチヘッド1155の半径方向孔1159内に据え付けられる、調整サブアセンブリ1150のロック部材を示しており、図示される保持リング1151は係合側壁1113を備えており、その中には凹部などに代表される複数のロック機構1153が形成されている。調整サブアセンブリ1150の一部分の別斜視図である
図11Cを参照すれば、パンチヘッド1155は内面1157を備えており、それはパンチヘッド1155の内側部分1155’を間隔を隔てて取り囲むことで環状空間1154を形成していることが分かるであろう。図示された実施形態によれば、パンチヘッド1155の外面1119から内面1157に延びる半径方向孔1159が、側壁1113のロック機構1153と軸線方向に並ぶように、環状空間1154は、サブアセンブリ1150において保持リング1151の側壁1113を受け入れる。
図11Dは、
図11Bの切断線F−Fを通る調整サブアセンブリ1150の半径方向断面図であって、側壁1113のロック機構1153の1つと係合するように位置決めされた球状部材1156を示している。
図11C−Dは更に、パンチヘッド1155の外面1119周り延びるリングとして形成される解放部材1152を示しており、その解放部材1152はパンチヘッド1155の半径方向孔1159に接近した内方ロック・解放機構1117を備えている。図示された内方ロック・解放機構1117は、内方保持面1117Aと隣接内方凹部117Bを備えており、この凹部は保持面1117Aの両側に配置される。
【0055】
図示された実施形態によれば、保持面1117Aが球状部材1156と並んだ際には、同面1117Aが部材1156を押してパンチヘッド1155の内面1157から突出させ、ロック機構1153の1つと係合し、パンチヘッド1155の回転をロックする。なお面1117Aと球状部材1156の合致は、以下に説明するようにしてサブアセンブリ1150の付勢部材1158によって付勢される。
図11Dは、凹部1117Bの1つを球状部材1156と並ばせることで同部材1156を1ロック機構1153との係合から外し、パンチヘッド1155を側壁1113からロック解除するため、矢印M方向に回転された解放部材1152を示している。
図11Dを参照すれば、解放部材1152を矢印M方向に更に回転することで、解放部材1152の凹部1117Bとパンチヘッド1155の半径方向孔1159とに対する球状部材1156のインターロックを介して、パンチヘッド1155が軸線11(
図11A−B)周りで回転するのが理解できよう。以上のようにして、球状部材1156をもう一方の凹部1117Bと並ばせるために矢印M方向とは反対の方向に解放部材1152を回転させると、パンチヘッド1155のロックが解除され、反対方向での調整が可能となることが理解できる。パンチヘッド1155の内ネジ面1115と、例えばホルダ15の面154(
図1B)などのパンチボディ又はホルダの噛み合いネジ面とがネジ係合していることで、パンチヘッド1155の回転は、パンチボディ又はパンチホルダ(図示せず)を軸線11に沿って移動させることになる。このようにして、パンチボディ又はホルダの軸線方向位置の調整がなされる。
【0056】
図11C−Dは、1組の球状要素1160間に保持されるバネ要素1170を含め、パンチヘッド1155の外キャビティ1185と解放部材1152の内キャビティ1182の双方に係入される調整サブアセンブリ1150の付勢部材1158を示している。
図11C−Dに示される付勢部材1158はキャビティ1185、1182の対向する端部によって圧縮されており、これらのキャビティは、最初に解放部材1152を矢印M方向に回転した状態では、合致の状態からお互いから変位された状態にある。
図11Dを参照することで、矢印M方向沿って力が解放部材1152を回転し続けている間は付勢部材1158が圧縮されたままとなり、上述した調整が可能であるが、ひとたび力が解放されたならばバネ要素1170の力によって付勢部材1158が拡がり、解放部材1152を矢印Rに逆回転させてしまうことが理解できよう。この矢印R方向の回転はキャビティ1185、1182同士を互いに再一致させ、保持面1117Aを球状部材1156に並ばせる。尚、この内、後者の保持面117Aの再合致によって球状部材1156は矢印N方向に移動して係合側壁1113のロック機構1153の1つと係合した状態に戻り、上述したようなパンチヘッド1155の回転をロックすることになる。
【0057】
図12A−Bは、本発明の更なる実施形態に従い、
図1Aのパンチ・アセンブリ100から分離した状態でのパック・アセンブリ90の分解斜視図である。
図1Aと
図12A−Bは、アセンブリ90を示しており、同アセンブリは、中央長手軸線1周りでその第1の端部901から第2の端部902へと延びるキャニスタ側壁900と、そのキャニスタ側壁900の第1の端部901に連結された支持部材975と、キャニスタ側壁900の第2の端部902に連結された調整サブアセンブリ950とを備えている。
図1A−Bと併せて
図12A−Bを更に参照するに、当業者に既知の方法により、支持部材975の端部はパンチガイド側壁10の第2の端部102に挿入され、それに連結されるように形成され、更にパンチホルダ15の外ネジ面154は、調整サブアセンブリ950のパンチヘッド955の内ネジ面915に噛み合うように形成される。図示しないが、当業者であるならば、アセンブリ90をリフタ・スプリングに適合させて、スプリングパック・アセンブリ60について上述したのと同じように機能させてもよいことが分かるであろう。
図1A及び
図12Aは更に、外側の作動接触面952’を含む持つ解放部材952を備えた調整サブアセンブリ950を示している。図示された実施形態によれば、矢印O方向に解放部材952を回転させるために作動接触面952’に付与される力は、パンチヘッド1152のロックを解除し、パンチホルダ15(
図1B)に対して回転できるようになる。尚、この回転は上述したヘッド955・ホルダ15間のネジ係合によってパンチホルダ15を軸線方向に移動させる。このようにしてアセンブリ90内でのパンチホルダ15の軸線方向位置は、パンチ・アセンブリの如何なる部分も分解する必要なく、解放部材952を矢印O方向に回転することで調整可能となる。前述した力が作動接触面に952’に付与されない場合、パンチヘッド955の回転は調整サブアセンブリ950のロック部材956によってロックされる。
【0058】
図12A−Bは、ピン906とバネ907を備えたロック部材956と半径方向孔959を備えたパンチヘッド955を示しており、その孔はパンチヘッド955の外面919からパンチヘッド955の内面957へと延び、パンチヘッド955の内部955’へと続いている。図示した実施形態によれば、スプリングパック・アセンブリ90が組み立てられた状態では、バネ907とピン906はパンチヘッド955の半径方向孔959の中に取り付けられ、バネ907は内部955’内に延びる孔959のその一部分の中に配置される。ここでバネ907は、係合側壁913を通って延びるスロットの形の係合側壁913の複数のロック機構953の1つとピンが係合するように、パンチヘッド955に対してピン906を第1のロック位置に付勢する。
図12Bを参照すれば、内面957が内部955’から離れてこれを取り囲むことで環状空間954を形成し、ここにサブアセンブリ950の係合側壁913が挿入されることが分かる。尚、係合側壁913はここではキャニスタ側壁900の内側の延長部として形成されているが、別実施形態としては別の要素として構成しても良い。
図12Aは更に、係合側壁913を囲んでサブアセンブリ950内に置かれる解放部材952を示しており、同部材は、解放部材952のインターロック・解放機構970がピン906と連動するようにパンチヘッド955の環状空間954内に係合側壁913が挿入された状態で、パンチヘッド955の外面919を取り囲むようになっている。尚、解放部材952が例えば矢印O方向に回転された際には、インターロック・解放機構970はピン906をパンチヘッド955に対して第1のロック位置から第2の非ロック位置へと移動させる。以下、
図12D−Eに沿ってインターロック・解放機構970を更に詳細に説明する。尚、
図12A−Bは第1のロック位置にあるピン906を示している。
【0059】
図12Cは、幾つかの実施形態によるロック部材956の拡大斜視図であって、サブアセンブリ950の残りの部分から分離された状態を示した図である。
図12Cは、第1の外方端部691と第2の内方端部692を備え、バネ907と係合したピン906を示している。ここで図示されるピン906のロック部分694は内方端部692から外方端部691へと延び、
図12Dに示すように、バネ907がロック部分694を付勢してロック機構953の1つと係合している。
図12Cは更に解放部分693を備えたピンを示しており、同部分はロック部分694と外方端部691の間に延び、ロック部分694よりも小さな形状を有している。図示された実施形態によれば、解放部材952が回転されてバネ907の付勢に抗してピン906を移動させた場合、
図12Eに示すように、ロック部分694は係合側壁913との半径方向の一致状態から抜け出ると共にピン906の解放部分693が側壁913と半径方向に一致した状態となる。ピン906のロック部分694が係合側壁913と半径方向に一致すると、ピン906はロック機構953の1つと係合することになるが、ピン906の解放部分693が係合側壁913に対し半径方向に一致した場合、上述した解放部分693の小形状ゆえにピン906はロック機構953の1つと係合した状態ではなくなる。このようにして、解放部材952の初期の回転はパンチヘッド955のロックを解除して、パンチホルダ15の更なる回転と、その結果としての軸線方向の移動をもたらすことになる。
【0060】
図12D−Eは、パンチヘッド955を通って一部を切り取った半径方向断面を含む拡大詳細部である。
図12D−Eは、第1の端部917Aと第2の端部917Bを持つカム面917を備えた解放部材952のインターロック・解放機構970を示している。
図12Dは、ピン906の外方端部691がカム面917の第1の端部917Aに位置決めされるように、パンチヘッド955に関して第1のロック位置に付勢されたピン906を示している。尚、この位置においてピン906のロック部分694が、係合側壁913のロック機構953に係合されていることを見ることができる。
図12Eは、ピン906のロック部分694がロック機構953から切り離されるように、カム面917の第2の端部917Bに配置されたピン906の外方端部691を示している。図示された実施形態によれば、解放部材952が矢印O方向(
図12D)に移動された時は、解放機構970のカム面917がバネ907の付勢に抗してピン906を軸線方向内方へと矢印P方向(
図12D)に押し、ひとたびこの第2の非ロック位置に至ったならばピン906は小形状の解放部分693を介して係合側壁913を通過させ、これによりパンチヘッド955を解放部材952の回転によって更に回転させることになる。
【0061】
図12A−Bを再び参照するに、調整サブアセンブリ950は、
図11C−Dに関連して説明したサブアセンブリ1150の付勢部材1158と同様な、パンチヘッド955の外キャビティ985と解放部材952の内キャビティ982の両方に係入される付勢部材958を備えることが好ましい。付勢部材1158同様、付勢部材958は、解放部材が矢印O方向に回転された際にはキャビティ985、982の変位によって付勢部材958が圧縮されるように、1組の球状要素916の間に保持されたバネ要素971を備える。図示された実施形態によれば、力によって解放部材952を矢印O方向に回転する限りにおいては付勢部材958は圧縮されたままの状態となり上述した調整を成すことになるが、ひとたび力が解放されたならば付勢部材958はバネ要素971の力によって拡がることになり、これにより逆回転を推し進め、キャビティ985、982を互いに再合致させることになる。その結果、ピン906は係合側壁913のロック機構953の1つとの係合へと戻され、上述したようにパンチヘッド955の回転をロックすることになる。
【0062】
以上、詳細な説明では、本発明は特定の実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら添付された請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更と改変が可能であることが理解されよう。また、用語“パンチドライバ”と“パンチヘッド”は本開示においては互いに交換可能に使用されているに注目しなければならない。また、ここで使用した“部材”という用語は、単数の構成部品、又は複数の構成部品を備えたサブアセンブリのいずれかを意味し得るものである。