特許第6097769号(P6097769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6097769超音波溶接による電気的接続のための電気プラグコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097769
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】超音波溶接による電気的接続のための電気プラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/02 20060101AFI20170306BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20170306BHJP
   B23K 20/10 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01R4/02 C
   H01R13/04 A
   B23K20/10
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-555975(P2014-555975)
(86)(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公表番号】特表2015-511375(P2015-511375A)
(43)【公表日】2015年4月16日
(86)【国際出願番号】EP2013000374
(87)【国際公開番号】WO2013117339
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2015年12月18日
(31)【優先権主張番号】102012002910.1
(32)【優先日】2012年2月11日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】202012001446.3
(32)【優先日】2012年2月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599092192
【氏名又は名称】アンフェノル−テュッヘル・エレクトロニクス・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベック ティル
(72)【発明者】
【氏名】ベドナルツィク ペーター
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ラングホフ ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ホリー ダニカ
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−199583(JP,A)
【文献】 特開2005−340107(JP,A)
【文献】 特開2005−108608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/02
H01R 13/04
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)接触部分(3)と、
B)前記接触部分(3)に隣接する移行部分(4)と、
C)超音波溶接によって電気ライン(100)に電気的に接続するための前記移行部分(4)に隣接する接続部分(5)と、
を備える固体接触ピン(2)の形態である電気プラグコネクタ(1)であって、
前記接続部分(5)は、超音波溶接の際に波を屈折させるための少なくとも1つの幾何学的波屈折要素(41)を有し、
前記幾何学的波屈折要素(41)は、湾曲した移行面(52)の領域において配置され、かつ前記湾曲した移行面(52)から突出する、電気プラグコネクタ(1)。
【請求項2】
前記接続部分(5)は、接続される電気ライン(100)のための、平面状の支持面(10)を有することを特徴とする、請求項1に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項3】
前記接続部分(5)は、第1の脚部(50)と、第2の脚部(51)とから形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項4】
前記接続部分(5)は、L字形の接続部分として形成され、前記第1脚部(50)と、前記第1の脚部(50)に対して実質的に直角に方向付けされた前記第2の脚部(51)とによって形成されることを特徴とする、請求項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項5】
前記第2の脚部(51)の支持面(10)は、前記湾曲した移行面(52)を介して、前記第1の脚部(50)によって形成され、および/または前記第1の脚部(50)と共通の表面を形成する脚部内側面(40)に接続されることを特徴とする、請求項3または4に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項6】
前記幾何学的波屈折要素(41)は、前記移行面(52)から外側に突出する湾曲したビードとして形成されることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項7】
前記ビードは、その位置において延在し、したがってその、前記第1の脚部(50)の高さ全体にわたる進行において延在し、かつ、その端部(53)のうちの1つを介して前記第2の脚部(51)まで達することを特徴とする、請求項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項8】
前記接続部分(5)および前記幾何学的波屈折要素(41)は、高純度の銅材料から材料結合されて形成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項9】
前記接触ピン(2)は、部分的に表面コーティングされていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項10】
前記接続部分(5)は、前記支持面(10)の領域において表面コーティングが施されず、かつ、前記超音波溶接のための接触材料は、接触要素の材料の、この領域に存在することを特徴とする、請求項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項11】
前記接触ピン(2)は、金属材料からなり、前記接触ピン(2)は、めっきコーティングされた表面を有するとともに、前記接続部分(5)は、表面コーティング、およびその他のコーティングがまったく施されていない支持面(10)を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項12】
前記接続部分(5)は、接続される電気ライン(100)のための支持面(10)を有することを特徴とする、請求項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項13】
前記接続部分(5)は、L字形の接続部分として形成されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項14】
前記接触ピン(2)の金属材料は、銅または銅の含有量が高い銅合金からなることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【請求項15】
前記接触ピン(2)のめっきコーティングは、銀または金または錫からなることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気プラグコネクタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に係る電気プラグコネクタに関する。
【0002】
本発明は、特に、超音波溶接プロセスによってケーブルに電気的に接続するための接触ピンとして形成された電気プラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
電気プラグコネクタは、例えば電気ラインと、さらなる電気ラインまたは電気機器との間を、コネクタのプラグ連結対を介して、すなわちそのソケット部分と、プラグ部分とを介して、接離可能な電気的接続を生成するためのものである。
【0004】
現在、ケーブルまたは電気ラインをプラグコネクタに接続するための種々の接続法が従来技術において知られている。
【0005】
ねじ式接続以外に、圧着接続、はんだ接続、圧入または穿孔接続、およびその他の、フォームフィット接続、特に溶接接続などの接続技術が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ほとんどの用途において、電気プラグコネクタの接触子と接続されるケーブルとの間に、特に耐久性のある接続を生成することが通常望まれる。
【0007】
特に自動車産業界では、電気的接続の耐久性および確実性に対する要求が高まっている。
【0008】
特に、車両使用中の温度の変動ならびに機械的振動および機械的干渉にさらされた場合でも、接触子に接続されるラインは、確実に、かつ永続して接続から外れないことが要求される。
【0009】
自動車分野における電気モーターおよびハイブリッド技術の現在および将来の発展により、高温においても、特に自己発熱の結果生じた高温においても、確実性のある接続を生成する高電流容量を備える接触子を配置することがさらに必要となる。
【0010】
温度変更動作では、温度上昇と冷却とを交互にともなう緩和プロセスの結果、そのような接触材料は時間とともに正しく機能しなくなり、ケーブルから外れてしまうおそれがあるので特に好適ではない。
【0011】
超音波溶接プロセスは、ある種の材料の高強度な接続を生成するための特に好適な溶接プロセスであることが判明している一方で、これも、ある種の接触材料の接続には、重要な問題が生じる。
【0012】
したがって超音波溶接によって十分な溶接エネルギーが加えられると、どのような材料損傷が起こるのかを確認するための様々なテストがある。
【0013】
材料試験において、銅ケーブルが超音波溶接によって銅接触子に接続されると、接触ピンの接続部分が、部分的にかなりの損傷を受け、クラックを形成する傾向があることが判明している。
【0014】
加えて、確実性のあるケーブルへの超音波溶接を設計するために、適切な幾何学的形状の接触子を設計することに関する根本的な問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、超音波溶接プロセスによる電気的接続のための電気プラグコネクタまたは接触ピンであって、上述の問題を克服し、かつ、特に設置空間に対して最適化された幾何学的形状を有する電気プラグコネクタまたは接触ピンを提供することを目的とする。
【0016】
加えて、広く一般的に、かつ、費用効率的に、しかも多用途において使用可能な、接触ピンを提供することをさらに目的とする。
【0017】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0018】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に明記されている。
【0019】
本発明の基本的概念は、プラグコネクタ、特に固体接触ピンの形態であるプラグコネクタは、好ましくは移行部分を介して接続部分に接続する接触部分を有し、接続部分は、超音波溶接によって電気ラインに電気的に接続するために設計されており、したがって、超音波を屈折させるための波屈折ユニット、すなわち幾何学的波屈折要素が、この領域内、好ましくは接続部分と、隣接する移行部分または接触部分との間の移行領域に配置されるというものである。
【0020】
波屈折要素が及ぼす技術的な影響は、超音波溶接によってエネルギーが加えられると、波が特に生じる結果、接続部分の領域、特に、接続部分が接触部分へと移行する領域において、すなわち、接続部分と接触部分との間の移行部分において、クラックや損傷が生じるおそれがあるという事実であると考えることができる。そのような移行部分は、超音波溶接の際に特に負荷がかかる区域である。
【0021】
したがって、損傷を防ぐために、好適に形成された波屈折要素、好ましくは適切に形成されたビードを接続部分上に設けることが必要である。
【0022】
したがって、本発明によれば、接触部分と、接触部分に隣接する移行部分と、移行部分に隣接する接続部分とを備える電気プラグコネクタであって、接続部分は、超音波溶接によって電気ラインに電気的に接続するために設計されており、かつ、接続部分は、少なくとも1つの幾何学的波屈折要素、好ましくは超音波溶接の際に波を屈折させるための、突出したビードを介して形成される、電気プラグコネクタが提案される。
【0023】
接続部分は、接続されるラインのための、または接続されるラインの接触端のための、支持面、好ましくは平坦な支持面を有する。
【0024】
特に有利な方法においては、接続部分は、L字形の接続部分として形成される。より詳細には、接続部分は、第1の脚部と、第1の脚部に対して実質的に直角に方向付けされた第2の脚部とから形成され、それぞれの脚部は、接続部分の一部となっている。したがって、2つの脚部は、互いに対して実質的に垂直に方向付けされるように接続され、L字形の接続部分形態を形成する。
【0025】
第2の脚部は、十分に薄く設計されていることから、ラインのための支持面も有利に形成され、また、ラインおよび脚部の合計厚は、接触子全体の厚さに対してほぼ等しくなるか、あるいはごくわずかに厚くなるようにのみ選択されるので、電気プラグコネクタのための理想的な設置空間が確実に使用可能となる。
【0026】
したがって、そのような幾何学的形状は、設置空間に関して最適化され、同時に第1の脚部によってケーブル止めが設けられ、第2の脚部によってケーブル止め面が設けられる。
【0028】
さらに、第2の脚部は、有利には、第1の脚部に対して実質的に直角に方向付けされ、第1の脚部に接続される。これによりL字形の接続部分が形成され、この接続部分は、全体的にプラグ・イン方向に方向付けされて移行部分と一体的に形成されるか、またはプラグ・イン方向に対して垂直に移行部分上に一体的に形成される。
【0029】
超音波溶接の際に長手方向波によって引き起こされる損傷を実質的に除去するために、本発明に係る好ましいデザインは、細長いプラグコネクタの形態で提供される。このプラグコネクタでは、第2の脚部は、実質的に伸張方向、したがって接触ピンのプラグ・イン方向に配置される。
【0030】
第2の脚部の支持面は、有利には、移行面を有する。この移行面は、第1の脚部によって形成された脚部内側面に接続されるか、直接脚部内側面の中へと延びる。
【0031】
視覚的に表現すれば、ほぼ「ハーフパイプ」の半分の形状が形成され、そこでは第2の脚部の支持面は、底部を形成し、脚部内側面を有する湾曲した移行面は、横方向に「ハーフパイプ」の円部分を構成する。
【0032】
言いかえれば、内側面、すなわちそれぞれ別の脚部に面している各表面は、湾曲した移行面を介して相互に連結される。湾曲した移行面は、ラジアンが約70°から90°までの中空円筒の内周部の弧にほぼ実質的に相当する。
【0033】
湾曲した移行面の湾曲半径は、有利には、移行面全体にわたって一定であり、幾何学的波屈折要素は、移行面から突出する。
【0034】
好ましい一実施形態では、幾何学的要素は、ビードとして形成される。このビードは、同様に湾曲しており、湾曲に沿って移行面から外側に突出する。
【0035】
特に好ましい一実施形態では、ビードは、その湾曲面全体にわたる進行において、より詳細には、第1の脚部の高さ全体にわたって延在し、その他端を介して側面へと、すなわち第2の脚部の表面へと延びる。
【0036】
ビードは、有利には、L字によって形成された接続部分の側縁に対して移行面のほぼ中央に位置する。
【0037】
言いかえれば、ビードの突起部は、平面視で接触ピンのプラグ・イン方向に対して平行に方向付けされる。
【0038】
したがって、接触ピンに形成している長手方向の超音波が、長手方向に形成された波屈折要素によって遮断されることで、超音波の影響が抑制されるので、接触ピンを損傷することなく超音波溶接によってラインに接続することができる。
【0039】
接続舌部において超音波溶接によってラインに接続されているだけの接触要素と、対応する波屈折輪郭部によって形成された接触要素とを比較したテストによって、最初のグループの接触要素では、事実上すべての場合において移行領域で損傷および/またはクラックが検出されたのに対して、本発明に係る接触要素はそうではなかったことが示されている。
【0040】
特に好ましい一実施形態では、接続部分および幾何学的波屈折要素、すなわち好ましくは、ビードは、材料結合されて1つの材料から、さらに特に好ましくは、高純度の銅または銅合金から形成される。
【0041】
電気伝導率が特に高いので、銅または銅の含有量が高い銅合金を使用することが好ましい。
【0042】
いずれにしても、接続部分から移行部分または接触部分へと移行していく間において、または接続部分において波屈折要素を好適に設計することが、本発明に係る接触子の技術的な効果を決定付ける。
【0043】
さらなる好ましい一実施形態は、上記の特徴の1つまたは複数に係る電気プラグコネクタである。この電気プラグコネクタでは、接触ピンは金属材料からなり、この接触ピンは、表面がめっきコーティングされ、移行部分は、表面コーティング、およびその他のコーティングがまったく施されていない支持面を有する。
【0044】
さらなる好ましい一実施形態は、前述の特徴の1つまたは複数に係る電気プラグコネクタである。この電気プラグコネクタでは、接続部分は、接続される電気ラインのための、好ましくは平面状の支持面を有する。
【0045】
さらなる好ましい一実施形態は、前述の特徴の1つまたは複数に係る電気プラグコネクタである。この電気プラブコネクタでは、接触ピンの金属材料は、銅または銅の含有量が高い銅合金および/または銀または金または錫からなる接触ピンのめっきコーティングからなる。
【0046】
2つ以上の特徴の組み合わせは、本発明により開示されているものとみなされる。
【0047】
さらなる有利な、および好適な実施形態は、さらなる請求項、図の説明および図面から推察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、超音波溶接による電気的接続のための電気プラグコネクタを示す。
図2図2は、接触子の斜視図を示す。
図3図3は、図1および図2の実施形態と同様の接触ピンの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1によれば、電気プラグコネクタ1は、接触ピン2の形態で設けられる。接触ピン2は、部分A、BおよびCに分割される。部分Cは、接触ピン2の接触部分3を構成する。接触部分3は、対応する相手プラグと接触するために使用される。そのすぐ隣で、接触ピンは、部分Bにおいて移行部分4に分かれる。相手プラグの戻り止め要素を係止するための戻り止め輪郭8が、移行部分4と接触部分3との間に配置される。移行部分4は、接触ピン2の部分Aにおいて接続部分5と隣接する。
【0050】
接触ピン2の接続部分5は、接続されるケーブルまたは接続されるライン100に電気的および機械的に接続するために使用される。接続部分5は、L字形の接続部分として形成され、接続部分ではL字形の一部が移行部分の一部となっている。接続部分5のL字形は、第1の脚部50と、第1の脚部に対して直角に配置された第2の脚部51とによって形成される。接続の反対側では、脚部50は、実質的に水平な、さらに進むにつれて曲率半径Rで湾曲して、第2の脚部51の支持面10に導く、あるいは移行する脚部面40を有する。第2の脚部51は、実質的に平坦な脚部として形成され、第2の脚部51は、接触ピン2の軸方向に、より詳細には接触ピン2の端部において配置される。下側、したがって、第2の脚部51の支持面10の反対側は、有利には、同様に水平であるので、設置空間を最小におさえることができる。
【0051】
接触部分3および移行部分4は、第1の直径D1を有する実質的に円筒状の部分として形成される。接続部分5は、突起部11を介して外側の輪郭よりも突出し、したがって接触部分3と、移行部分4とによって形成された接触ピン2の円筒状の外側スリーブのスリーブ形状よりも突出している。
【0052】
突起部11によって、プラグコネクタは、例えばハウジングに当接して機械的に静止して、接触ピン2がその接触部分3とともに適正なプラグ・イン位置に確実に接触するようにする。
【0053】
図1および図2に見られるように、支持面10の進行は、第2の脚部51から第1の脚部50の脚部面40にわたる湾曲面として形成される。湾曲は、実質的にほぼ「ハーフパイプ」の半分の形状に沿っている。言いかえれば、底部面は、支持面10によって形成されるのに対して、ハーフパイプ側面は、湾曲した脚部面40によって形成される。
【0054】
図2に見られるように、波屈折器41は、脚部面40から突出している。本例示的な実施形態において、波屈折器41は、ビードまたは突出部として形成され、より詳細には、湾曲したビードを形成して、その突起部分は、図2に見られるように、軸方向S、すなわち接触ピン2のプラグ・イン方向Sに延在する。
【0055】
言いかえれば、ビード41は、支持面10から、軸方向に沿って上方に湾曲した脚部面40の湾曲上をビードの端部53まで、より詳細には、ほぼ突起部11の上端部まで、延びている。
【0056】
このように形成された突出部は、接続部分5において波屈折器41としての役割を果たし、特に長手方向波が屈折されるようにする。
【0057】
図1に示されるように、ケーブル100の被覆されていない端部は、支持面10に適用され、超音波によってケーブル100と接触ピン2または接触ピン2の接続部分5との間に超音波溶接された接続、すなわち超音波溶接による接続が形成される。
【0058】
このプロセスの間に生じる長手方向波と超音波は、移行部分5への「臨界」移行時において波屈折器41によって遮断される。このため、特に接続部分5から移行部分4までの移行領域における超音波のエネルギーが、機能を害する干渉や、材料の損傷につながることはまったくない。
【0059】
脚部50、脚部51の各側縁部42との間の実質的に中央部分に、突出部またはビード41が配置されていることが、図2では理解できる。
【0060】
あるいは、2つの並列した波屈折器41、すなわち2つの突出部または2つのビード41は、移行領域において並んで配置されてもまたよく、この突出部またはビードの幾何学的形状デザインが超音波の屈折を引き起こす。
【0061】
中央に湾曲したビード41を1つ形成すると、特に効果的であることが判明している。何故なら、このようにすることで、最適な超音波の波屈折が起こるからである。
【0062】
図1および図2に示された接続部分5は、その支持面10に表面コーティングされていないので、接触ピン2の材料と直接接触する。
【0063】
接触ピン2の材料は、有利には、銅材料または銅の含有量が高い銅合金として形成される。
【0064】
接触部分3は、有利には、表面コーティングすることができるので、本発明に係る電気プラグコネクタを、部分的にコーティングすることで費用効率的に提供することができ、かつ、これは、超音波溶接にとって好ましいやり方で適合することができる。
【0065】
加熱に関しては、第2の脚部51の長さを、接触ピン2の全長の約25%から40%までの長さにすれば、有利であることが判明している。
【0066】
したがって、第1の脚部50は、接触ピン2の全長のほぼ3分の1に等しい距離分だけ接続部分5の端部から離される。接触ピン2の長さの3分の2は移行部分4と接触部分3とによって形成される。
【0067】
図2に見られるように、支持面10は、その幅に関して、有利には、接触部分3および移行部分4の直径D1よりも大きい。これにより、第1の脚部50の領域内における、波屈折器41による波の屈折の影響が低減される。
【0068】
図1および図2の実施形態と同様の接触ピン2の斜視図が、図3に示される。
【0069】
斜視図では、本例示的実施形態における機械的波屈折要素すなわち波屈折器41の構成が、明確に理解できる。
【符号の説明】
【0070】
1 電気プラグコネクタ
2 接触ピン
3 接触部分
4 移行部分
5 接続部分
8 戻り止め輪郭
10 支持面
11 突起部
40 脚部面
41 波屈折器
42 脚部50および脚部51の各側縁部
50 第1の脚部
51 第2の脚部
52 湾曲した移行面
53 ビードの端部
100 ライン
S 軸方向
図1
図2
図3