(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記内部電圧を出力する回路と上記比較手段との間に挿入され、上記内部電圧を所定の分圧比で抵抗分圧して出力する抵抗分圧回路をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、内部電圧波形を観測する従来例の方法は、以下に説明するように、特に電圧の駆動力が弱いという点で大きな問題点を有している。
【0008】
フラッシュメモリ102の内部電圧はマルチパッドMPを介してテスタ装置101によりモニタされる。しかし、内部電圧はテスタ装置101に接続されている場合、大きな寄生容量Cpがテスタ装置101内部の寄生容量のみならず、フラッシュメモリ102とテスタ装置101との間のケーブルに存在する。このような寄生容量は内部電圧の特に、立ち上がり又は立ち下がり時間に影響を与える。
【0009】
図10は
図9のNAND型フラッシュメモリ102内の内部電圧波形と、テスタ装置101で観測される観測電圧波形とを示す波形図である。
図10から明らかなように、観察された内部電圧波形は、実際に予想される内部電圧波形よりも、はるかに遅い立ち上がり又は立ち下がりを示している。従って、外部負荷効果により、そのような観測波形が所定の仕様値を満たしてOKであるか否かを検証することが非常に困難となる。
【0010】
例えば、特許文献2は、内部信号を実際の波形状態に近い状態で観測することができ、しかも、試験環境や試験装置の違いによる信号波形の品質の違いをも把握することができる半導体装置を提供するために、当該半導体装置は、内部信号を半導体装置の外部へ出力して観測するためのテスト回路を備えたことを特徴としている。テスト回路は、第1のテスト入力ピンを介して入力される第1の制御信号に応じて通常動作モードとテスト動作モードとが切り替えられ、通常動作モードの時に所定値を出力し、テスト動作モードの時に内部信号を出力する出力切替回路と、第2のテスト入力ピンを介して入力される第2の制御信号に応じて出力切替回路の出力信号を保持してテスト出力ピンから出力するメモリ回路とを備える。
【0011】
特に、特許文献2のテストモードでは、そのトリップ電圧に応じてハイレベル又はローレベルの16個の出力信号が制御信号によりラッチされた後、モニタピンを介して出力される。もし複数の回路を準備するならば、16個のトリップ電圧を選択することができる。この場合において、回路構成が大きくなり複雑になるという問題点及びトリップ電圧が回路によって決まる固定値であり装置完成後に変更の自由度がないという問題点があった。
【0012】
また、特許文献3は、外部接続してロジックアナライザを使用した場合、LSI内部の状態値を記録した際のメモリ容量不足などを引き起こすとともに、デバック作業の非効率化を招く要因となるという問題点を解決するために以下の構成を有するオンチップ・ロジックアナライザを提供する。ここで、モニタ信号の波形データが異なる状態値を出力する場合、メモリアドレスをカウントUPしこの状態値をメモリへ書き込む。連続する同一状態値を出力する場合はこの状態値を圧縮処理し、同一データ繰り返し回数カウント値、値の異なるデータ個数のカウント値を重畳させて記録する。また波形データにおいてトリガが発生しない間は、メモリ有効アドレス内において何度もメモリアドレス、メモリデータを上書きする。トリガが発生するとカウント信号生成回路のカウンタがデクリメントされ、カウンタが0になるとメモリ書き込み動作が停止し終了合図のステータスを通知する。このステータス情報を元にメモリ格納データのメモリリードへ移行する。
【0013】
すなわち、特許文献3では、LSIチップ内に設けられたロジック・アナライザを提案している。ここで、テストデータはSRAMに格納され、チップ外のCPUによって読み出される。これにより、データの波形を読み取ることができるが、当該波形は1又は0のロジック波形であり、高精度で波形観測できないという問題点があった。
【0014】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して回路構成が簡単であってしかも高精度で内部電圧波形を観測することができる半導体装置と、上記半導体装置をテストするためのテスタ装置と、上記テスタ装置と上記半導体装置とを備えるテスタシステムとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明に係る半導体装置は、半導体装置を所定の観測期間において所定の動作を行ったときの内部電圧を検出して波形観測を行うテストモードの制御回路を備える半導体装置であって、
上記観測期間において上記内部電圧を所定の基準電圧と比較して比較結果信号を出力し、当該比較を上記基準電圧を変化させて行って上記観測期間の内部電圧の電圧波形の比較結果信号をテスタ装置に出力する比較手段を備えることを特徴とする。
【0016】
上記半導体装置において、上記制御回路は、上記比較結果信号をそのまま上記テスタ装置に出力することを特徴とする。
【0017】
また、上記半導体装置において、上記比較結果信号を、上記半導体装置の内部クロックに基づく所定の時間間隔でサンプリングして二値データに変換するサンプリング回路と、
上記変換された二値データを所定の遅延時間だけ一時的に記憶して出力する出力ラッチとを備えることを特徴とする。
【0018】
さらに、上記半導体装置において、上記制御回路は、入力されるパラメータデータに従って、
(A)上記サンプリング回路の時間間隔に対応する時間分解能と、
(B)上記出力ラッチに一時記憶する上記サンプリングされた二値データの数に対応するクロック数とを設定することを特徴とする。
【0019】
またさらに、上記半導体装置において、上記制御回路は、上記テスタ装置に対するトリガ信号に同期して上記変換された二値データを出力することを特徴とする。
【0020】
ここで、上記トリガ信号は、上記半導体装置のステータス信号R/Bであることを特徴とする。
【0021】
またさらに、上記半導体装置において、上記制御回路は、上記テスタ装置から入力されるブレーク点のデータに基づいて、上記比較手段の比較を一時的に停止させた後、開始することを特徴とする。
【0022】
また、上記半導体装置において、上記比較結果信号を、上記テスタ装置のクロックに基づく所定の時間間隔でサンプリングして二値データに変換するサンプリング回路と、
上記変換された二値データを所定の遅延時間だけ一時的に記憶して出力する出力ラッチとをさらに備えることを特徴とする。
【0023】
ここで、上記テスタ装置のクロックは、リードイネーブル信号/RE又は出力イネーブル信号/OEとして上記半導体装置に入力されることを特徴とする。
【0024】
上記半導体装置において、上記半導体装置は複数の内部電圧を有し、
上記制御回路は、入力される選択コマンドに基づいて、上記複数の内部電圧のうちの1つの内部電圧を選択して上記比較手段に出力することを特徴とする。
【0025】
また、上記半導体装置において、上記内部電圧を出力する回路と上記比較手段との間に挿入され、上記内部電圧を所定の分圧比で抵抗分圧して出力する抵抗分圧回路をさらに備えることを特徴とする。
【0026】
さらに、上記半導体装置において、上記比較手段は、上記内部電圧をトリミングする比較手段と兼用されることを特徴とする。
【0027】
またさらに、上記半導体装置において、上記基準電圧は上記テスタ装置から上記半導体装置に入力されることを特徴とする。
【0028】
また、上記半導体装置において、上記制御回路の制御のもとで、上記基準電圧を発生する電圧発生回路をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
さらに、上記半導体装置において、上記半導体装置は不揮発性半導体記憶装置であることを特徴とする。
【0030】
第2の発明に係るテスタ装置は、上記半導体装置のためのテスタ装置であって、
上記出力される比較結果信号又は二値データを受信して内部電圧の観測電圧波形として表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0031】
上記テスタ装置において、上記受信した比較結果信号のデータ又は二値データを記憶する記憶手段をさらに備えることを特徴とする。
【0032】
第3の発明に係るテスタシステムは、上記半導体装置と、上記テスタ装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
従って、本発明に係る半導体装置等によれば、従来技術に比較して回路構成が簡単であってしかも高精度で内部電圧波形を観測することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について以下に説明する。図面において、同様のものについては同一の符号を付している。
【0036】
図1は本発明の一実施形態に係るテスタ装置1とNAND型フラッシュメモリ2を含むテスタシステムの構成例を示すブロック図である。
図1において、NAND型フラッシュメモリ2は半導体チップであって、特に、ユーザパッドP0〜P13のほかに、テスタ装置1からの比較用基準電圧Vrefを入力するテストパッドTPを備え、内部電圧の波形観測のためのテストモード回路5を備えたことを特徴としている。
【0037】
図1において、テスタ装置1は、テスト処理を制御するコントローラであるCPU40と、実行テスト処理の制御フロー及びデータを格納するDRAMであるワークメモリ41と、入力コマンド及び入力データを入力するキーボード、マウスなどの入力部42と、波形観測結果などの出力データを表示する表示部43と、フラッシュメモリ2のユーザパッドP0〜P13と接続され入出力信号の変換を行うインターフェース部(I/F部)44と、パス/フェイルデータを一時格納するフェイルメモリを含む測定結果の電圧・電流データを格納する測定データメモリ47と、テストプログラムや観測データを保存格納するハードディスクドライブ(HDD)45と、所定の比較用基準電圧(比較のためのしきい値電圧をいう)Vrefを発生する電圧発生回路46とを備えて構成される。ここで、各回路41〜47はCPU40と接続される。テスタ装置1において、ハードディスクドライブ45に後述する
図3〜
図6のテスト処理等のプログラムが予め格納され、使用時にワークメモリ41にロードされる。テスタ装置1は、後述する
図3〜
図6のテスト処理をフラッシュメモリ2に対して実行することで、フラッシュメモリ2内の内部電圧(
図1の高電圧及び中間電圧発生回路32からの高電圧及び中間電圧などの内部電圧をいう。)の電圧波形を観測して二値データの形式(
図2)で得る。ここで、観測波形データの二値データは例えば初め測定データメモリ47に格納され、保存する場合にはハードディスクドライブ45にコピー・格納される。
【0038】
フラッシュメモリ2は、NAND型フラッシュメモリブロック10と、ユーザパッドP0〜P13と、テストパッドTPと、動作コントローラ20と、制御信号ロジック回路21と、入出力コントローラ22と、コマンドレジスタ23と、アドレスレジスタ24と、入出力データレジスタ25と、高電圧及び中間電圧発生回路32と、テストモード回路5とを備えて構成される。ここで、NAND型フラッシュメモリブロック10は、NAND型フラッシュメモリアレイ11と、ページバッファ12と、Xデコーダ13と、Yデコーダ14とを備えて構成される。また、テストモード回路5は、テストレジスタR1〜R6を有するテストレジスタ回路37と、テストモードの制御回路であるテストモードロジック回路38と、マルチプレクサ33と、抵抗分圧回路34と、コンパレータ36とを備えて構成される。
【0039】
ユーザパッドP0〜P13は、本実施形態に係るテストシステムでは、テスタ装置1のインターフェース部44に接続され、以下の信号を入出力するために設けられる。
【0040】
(1)P0〜P7:8ビットの、アドレス、データ又はコマンドなどの入出力データIO[0]〜IO[7];
(2)P8:チップがレディ状態(R)であるか、ビジー状態(/B)であるかを示すステータス信号R/B;
(3)P9:チップをイネーブル状態にするためのチップイネーブル信号/CE;
(4)P10:コマンドラッチをイネーブルするためのコマンドラッチイネーブル信号CLE;
(5)P11:アドレスラッチをイネーブルするためのアドレスラッチイネーブル信号ALE;
(6)P12:チップに対してデータを書き込むためのライトイネーブル信号/WE;及び
(7)P13:チップからデータを読み出すためリードイネーブル信号/RE。
なお、信号名の前にある「/」はローイネーブル信号を示す。
【0041】
制御信号ロジック回路21はユーザパッドP9〜P13からの各制御信号に基づいて入出力コントローラ22の入出力動作及び動作コントローラ20のメモリ書き込み、消去、ベリファイ、及び読み出し動作を制御する。入出力コントローラ22は、制御信号ロジック回路21からの制御信号に基づいて、ユーザパッドP0〜P7から入力されるデータを入出力データレジスタ25を介してフラッシュメモリブロック10に書き込むとともに、フラッシュメモリブロック10からのデータを入出力データレジスタ25を介してユーザパッドP0〜P7に出力する。また、入出力コントローラ22は、制御信号ロジック回路21からの制御信号に基づいて、ユーザパッドP0〜P7から入力されるアドレスをアドレスレジスタ24を介してフラッシュメモリブロック10に出力する。さらに、入出力コントローラ22は、制御信号ロジック回路21からの制御信号に基づいて、ユーザパッドP0〜P7から入力されるコマンドをコマンドレジスタ23を介して動作コントローラ20に出力する。テストモードロジック回路38は、コンパレータ36から出力される比較結果信号Scompのデータを、テストレジスタ回路37内のサンプリング回路37Sにより所定のサンプリングレートでサンプリングして二値データに変換した後、入出力コントローラ22に出力し、次いで、出力ラッチ22Lによりラッチし又はラッチしないでユーザパッドP0等を介してテスタ装置1に出力する。ここで、サンプリング回路22Sは、内部クロック同期モードではフラッシュメモリ2の内部クロックに基づいて決定されるクロックでサンプリングされ、また、テスタクロック同期モードでは、例えばリードイネーブル信号/REに基づいてサンプリングされる。
【0042】
動作コントローラ20は、コマンドレジスタ23からのコマンド、制御信号ロジック回路21からの制御信号、テストモードロジック回路38からの制御信号に基づいて、フラッシュメモリブロック10及び高電圧及び中間電圧発生回路32の動作を制御する。高電圧及び中間電圧発生回路32はフラッシュメモリブロック10において必要な所定の高電圧及び中間電圧(総称して、内部電圧という。)を発生してフラッシュメモリブロック10に出力するとともに、テストモードロジック回路38により選択制御されるマルチプレクサ33を介して抵抗分圧回路34に出力する。
【0043】
テストレジスタ回路37は、コマンドレジスタ23又は入出力コントローラ22からのコマンドを一時的に記憶した後、テストモードロジック回路38に出力する。また、テストレジスタ回路37はコンパレータ36からの比較結果信号Scompの二値データを一時的に記憶した後、入出力コントローラ22を介してテスタ装置1に出力する。ここで、テストレジスタ回路37は以下のレジスタを有する。
【0044】
(1)レジスタR1:モニタすべき内部電圧を選択するマルチプレクサ33用コマンドを一時的に記憶するレジスタである。
(2)レジスタR2:抵抗分圧回路34の分圧比(例えば、1/2、1/4、1/8など)を選択する抵抗分圧回路34用コマンドを一時的に記憶するレジスタである。
(3)レジスタR3:コンパレータ36からの比較結果信号Scompの二値データを一時的に記憶するレジスタである。
(4)レジスタR4:内部クロック同期モード、テスタクロック同期モード又はブレークモードなどのテストモード(各テストモードについては詳細後述)をセットするコマンドを一時的に記憶するレジスタである。
(5)レジスタR5:時間分解能(例えば、10ns、50ns、100ns、200ns、300nsなど)及び出力ラッチ記憶クロック数(入出力コントローラ22内の出力ラッチ22Lにおけるラッチビット数に対応するクロック数であって、例えば、0(スルーモード)、1、8、16、32など)を一時的に記憶するレジスタである。
(6)レジスタR6:内部電圧、時間分解能又は出力ラッチ記憶クロック数を変更するコマンドを一時的に記憶するレジスタである。
【0045】
テストモードロジック回路38は、レジスタR1のモニタすべき内部電圧を選択するマルチプレクサ33用コマンドに基づいて、マルチプレクサ33が選択すべき内部電圧を指示して切り替え制御する。また、テストモードロジック回路38は、レジスタR2の抵抗分圧回路34用コマンドに基づいて、抵抗分圧回路34がセットすべき抵抗分圧比をセットして設定制御する。コンパレータ36は、抵抗分圧回路34から出力される内部電圧又は内部電圧から抵抗分圧された電圧を、テスタ装置1からテストパッドTPを介して入力される基準電圧(しきい値電圧)Vrefと比較して、比較結果信号Scompの二値データをテストレジスタ回路37内のレジスタR3に出力する。
【0046】
図2は
図1のテスタシステムにより観測される内部電圧観測データの一例を示すタイミングチャートである。テストモードロジック回路38はまず、マルチプレクサ33において所定の内部電圧を選択し、抵抗分圧回路34において抵抗分圧比を設定する。テスタ装置1は1回目の基準電圧Vr1を設定して、所定の観測期間(t0〜t24)での内部電圧を所定の時間間隔(後述する時間分解能を対応する)で観測し、このときの比較結果信号Scompの二値データをテストレジスタ回路37に記憶する。この処理を基準電圧Vrefを順次所定のインクリメント電圧だけインクリメントしながら(Vr2〜Vr16)上記観測期間(t0〜t24)での内部電圧を観測し、このときの比較結果信号Scompの二値データをテストレジスタ回路37に記憶することを繰り返す。これにより、いわゆる「シュムプロット(shmoo plot)」と呼ばれる
図2の二値データを得ることができる。ここで、比較結果信号Scompの二値データは4つのテストモードでテスタ装置1に転送して表示部43に表示出力することができる。
【0047】
ここで、例えば、メモリ書込みの20Vの高電圧の波形を観測するとして、コンパレータ36の電源電圧が3.3Vであれば抵抗分圧回路34は1/8にセットされ、電源電圧に昇圧電圧7Vに使用するとすれば抵抗分圧回路34は1/4にセットするというように設定される。2つのコンパレータを用意して切替選択する回路にすることもできる。
【0048】
次いで、本実施形態に係る4つのテストモードについて詳述する。
【0049】
(1)スルーモード
図3は
図1のテスタシステムのスルーモードテスト処理を示すフローチャートである。
【0050】
テスタ装置1をいわゆる波形モニターモードに設定してスルーモードテスト処理を実行する。このとき、コンパレータ36からの比較結果信号Scompは連続信号として例えばユーザパッドP0(IO[0])を介してテスタ装置1に出力される。テスタ装置1は比較結果信号Scompをそのリードサイクルの周期で読み取って波形観測データ(
図7(b))を得る。この場合、テストレジスタ回路37は比較結果信号ScompをレジスタR3にラッチさせずにスルーして入出力コントローラ22に送り、そのままユーザパッドP0から出力させる。
【0051】
図3のステップS1において、モニタすべき内部電圧を選択するコマンドをテストレジスタR1に入力し、ステップS2において、抵抗分圧回路34の分圧比を選択するコマンドをテストレジスタR2に入力する。次いで、ステップS3においてテスタ装置1からテストパッドTPを介して初期基準電圧を印加し、ステップS4においてメモリチップの動作を開始させる所定の観測期間のコマンド、アドレス、データを入力する。さらに、ステップS5においてテストレジスタR3からスルーモードで比較結果信号Scompを読み出し、ステップS6においてメモリチップの動作を終了させるコマンドを入力する。ステップS7において基準電圧は終了電圧に到達したか否かが判断され、YESのときは当該テスト処理を終了する一方、NOのときはステップS8に進む。ステップS8では、基準電圧をインクリメントした後、ステップS4に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0052】
(2)内部クロック同期モード
図4は
図1のテスタシステムの内部クロック同期モードテスト処理を示すフローチャートである。
【0053】
スルーモードでは、比較用基準電圧近傍の電圧ではコンパレータ36からの比較結果信号Scompがハイレベルとローレベルの切り替えを頻繁に繰り返す状態になる可能性もあり、それは大きなノイズを発生する可能性もあり好ましくはない。そこで、チップ内部のクロックでハイレベル又はローレベルを一旦ラッチしてサンプリング(デジタイズ)することにより、出力するサイクルのレート(周波数)が決まることにより上記ノイズを抑えることを特徴とする。これに伴い、以下の2つのパラメータを追加する。
【0054】
(1)時間分解能のパラメータ:内部基本クロックの1倍、2倍、4倍、8倍などの設定で、この頻度でコンパレータ36からの比較結果信号Scompの二値データをサンプリング回路37Sによりサンプリングした後、レジスタR3及び出力ラッチ22Lによりラッチしてテスタ装置1に出力する。
(2)出力ラッチ22Lのパラメータ(出力ラッチ22Lに一時記憶するサンプリングされた二値データの数に対応するクロック数):コンパレータ36からの比較結果信号Scompの二値データをN個(出力ラッチ記憶クロック数N=0(スルーモード),1,8,16,…)だけラッチして、N個になったら例えばユーザパッドP0から出力する。この出力データをテスタ装置1で捕捉するために、同期信号として、ステータス信号R/Bをトグルさせる。なお、ステータス信号R/Bでなく、例えばユーザパッドP7(IO[7])でもよいが、出力ラッチ記憶クロック数に関連してユーザパッドP0〜P7は比較結果信号Scompの出力用に使用したいので、ステータス信号R/Bが最も適切である。
【0055】
テスタ装置1は、ステータス信号R/Bのローレベルからハイレベルへの立ち上がりを検知したら、時間分解能と出力ラッチ22Lのパラメータで決まる時間内に例えばユーザパッドP0から波形観測データを読み込む。例えば、プログラム(データ書き込み)モードでの波形モニタでは、プログラム動作に入るとステータス信号R/Bはローレベルになり、内部クロックの一定周期毎にステータス信号R/Bはハイレベルからローレベル、ハイレベル、ローレベルとトグルするので、当該ステータス信号R/Bをトリガ信号にしてテスタ装置1は上記波形観測データを捕捉する(
図7(c))。一定時間内にステータス信号R/Bがハイレベルからローレベルにならなかったらプログラム動作は終わったことを示す。
【0056】
図4のステップS1において、モニタすべき内部電圧を選択するコマンドをテストレジスタR1に入力し、ステップS2において抵抗分圧回路34の分圧比を選択するコマンドをテストレジスタR2に入力し、ステップS11において内部クロック同期モードをセットするコマンドをテストレジスタR4に入力する。次いで、ステップS12において時間分解能及び出力ラッチ記憶クロック数をセットするコマンドをテストレジスタR5に入力し、ステップS3においてテスタ装置1からテストパッドTPを介して初期基準電圧を印加する。そして、ステップS4においてメモリチップの動作を開始させる所定の観測期間のコマンド、アドレス、データを入力し、ステップS5Aにおいて出力ラッチ22Lからステータス信号R/Bトグルを補足・同期して比較結果信号Scompを読み出し、ステップS6においてメモリチップの動作を終了させるコマンドを入力する。次いで、ステップS7において基準電圧は終了電圧に到達したか否かが判断され、YESのときは当該テスト処理を終了する一方、NOのときはステップS8に進む。ステップS8において基準電圧をインクリメントしてステップS4に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0057】
図4のフローチャートが、
図3のフローチャートと違う点は、内部クロック同期モードのコマンド入力と上記2つのパラメータのセットが挿入され(ステップS11,S12)、また、ステータス信号R/Bのトグルとそれを捕捉してテスタ装置1での読み出し処理が挿入された(ステップS5A)ことである。
【0058】
(3)テスタクロック同期モード
図5は
図1のテスタシステムのテスタクロック同期モードテスト処理を示すフローチャートである。
【0059】
チップ内部の動作はチップ内部クロックに同期して進むが、コンパレータ36からの比較結果信号Scompのデジタイジング(サンプリング)、出力ラッチ22Lへの取り込み、ユーザパッドP0等からの出力はテスタ装置1からのクロック入力に同期して行われる。テスタ装置1のクロックは例えばユーザパッドP13(リードイネーブル信号/REの入力端子)に入力され、リードイネーブル信号/REがローレベルからハイレベルへの立ち上がりでコンパレータ36からの比較結果信号Scompが出力ラッチ22Lに取り込まれ、リードイネーブル信号/REがハイレベルからローレベルへの立ち下がりで例えばユーザパッドP0から出力される(
図7(d))。
【0060】
テスタクロック同期モードでは、リードイネーブル信号/REのハイレベル/ローレベルのサイクル(周期)を適宜変えることにより、時間分解能を時間軸で変えられるので、ラフな部分と詳細観測部分とを同時にできる。なお、波形観測データの出力はユーザパッドP0でなくステータス信号R/Bを利用してもよい。
【0061】
図5のステップS1においてモニタすべき内部電圧を選択するコマンドをテストレジスタR1に入力し、ステップS2において抵抗分圧回路34の分圧比を選択するコマンドをテストレジスタR2に入力し、ステップS13においてテスタクロック同期モードをセットするコマンドをテストレジスタR4に入力する。次いで、ステップS3においてテスタ装置1からテストパッドTPを介して初期基準電圧を印加し、ステップS4においてメモリチップの動作を開始させる所定の観測期間のコマンド、アドレス、データを入力し、ステップS5BにおいてテストレジスタR3から/REクロック同期テストモードでの比較結果信号Scompを読み出し、ステップS6においてメモリチップの動作を終了させるコマンドを入力する。そして、ステップS7において基準電圧は終了電圧に到達したか否かが判断され、YESのときは当該テスト処理を終了する一方、NOのときはステップS8に進む。ステップS8では、基準電圧をインクリメントしてステップS4に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0062】
図5のフローチャートでは、
図3のフローチャートに比較してテスタクロック同期モードのコマンド入力の処理を追加している(ステップS13)。また、コンパレータ36からの比較結果信号Scompをサンプリング(デジタイズ)して出力するタイミングを決めるため、テスタ装置1からリードイネーブル信号/REを用いてクロックを入力する。例えば、プログラムの動作開始後(ステータス信号R/Bがローレベルになる)にリードイネーブル信号/REをクロック同期して、/RE=ローレベルの期間に出力されるデータを読み取る。
【0063】
(4)ブレークモード
図6は
図1のテスタシステムのブレークモードテスト処理を示すフローチャートである。
【0064】
ブレークモードは上記3つのテストモードとは独立なモードであるが、主に内部クロック同期モードで使用される。当該ブレークモードはテストモードの1つで、プログラム、消去、読み出しの動作途中のあるポイントで動作を止める機能で、その時点に動作を変更したり、動作条件を変えることができる。
図6のブレークモードでは、内部クロック同期モードにおけるブレークモードの処理例を示す。当該ブレークモードでは、例えば、ラフな時間分解能から詳細な時間分解能に変更したり、観測する電圧の変更を行ったりできる。また、チップの動作条件を変えて波形がどう変化する等の観測も可能である。
【0065】
図6のステップS1においてモニタすべき内部電圧を選択するコマンドをテストレジスタR1に入力し、ステップS2において抵抗分圧回路34の分圧比を選択するコマンドをテストレジスタR2に入力し、ステップS12Aにおいて時間分解能及び出力ラッチ記憶クロック数をセットするコマンドをテストレジスタR5に入力し、ステップS14においてブレークモードをセットするコマンドをテストレジスタR4に入力する。次いで、ステップS3においてテスタ装置1からテストパッドTPを介して初期基準電圧を印加し、ステップS4においてメモリチップの動作を開始させる所定の観測期間のコマンド、アドレス、データを入力し、ステップS5AにおいてテストレジスタR3からステータス信号R/Bトグルテストモードでの比較結果信号Scompを読み出す。
【0066】
そして、ステップS15においてブレーク点でメモリチップの動作を一時停止させ、ステップS16において内部電圧、時間分解能又は出力ラッチ記憶クロック数を変更するコマンドをテストレジスタR6に入力し、ステップS17においてブレーク点からメモリチップの動作を再開させる。
【0067】
さらに、ステップS18においてテストレジスタR3からステータス信号R/Bトグルテストモードでの比較結果信号Scompを読み出し、ステップS6においてメモリチップの動作を終了させるコマンドを入力する。そして、ステップS7において基準電圧は終了電圧に到達したか否かが判断され、YESのときは当該テスト処理を終了する一方、NOのときはステップS8に進む。ステップS8において基準電圧をインクリメントした後、ステップS4に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0068】
図7は、以上のように構成された
図1のテスタシステムの動作を示す各信号のタイミングチャートである。ここで、
図7(a)は所定の観測期間での内部電圧波形と基準電圧との関係を示す波形図である。なお、
図7において、Stesterはテスタ装置1で取り込まれた比較結果信号Scompの二値データ(波形観測データ)を示す。また、ここでは、スルーモードを除き、レジスタR3から出力ラッチ回路22Lに比較結果信号Scompの二値データを転送する少なくとも1クロック分の遅延が必要であるが、それは波形との関係をわかり易くするために省略している。さらに、出力ラッチ22Lの記憶クロック数は1としている。
【0069】
図7(b)は、スルーモードの動作を示す各信号のタイミングチャートであり、レジスタR3及び出力ラッチ22Lの遅延がないのでIO[0]=Scompとなっており、テスタ装置1のデータ取り込みトリガ信号201に同期して比較結果信号Scompのデータが取り込まれる。
【0070】
図7(c)は内部クロック同期モードの動作を示す各信号のタイミングチャートであり、比較結果信号Scomp(
図7(a))を内部クロック(=ステータス信号R/Bのローレベルからハイレベルへの立ち上がり)でサンプリング(デジタイズ)した波形が出力ラッチ22Lを介してIO[0]から出力される。テスタ装置1はステータス信号R/Bのローレベルからハイレベルへの立ち上がりを検知してデータの取り込みのトリガ信号としている。テスタ装置1はステータス信号R/Bの信号変化を見てからデータを取り込むので、入出力コントローラ22は比較結果信号Scompをステータス信号R/Bから少し遅延して出力し(202)、テスタ装置1のトリガ信号はステータス信号R/Bのローレベルからハイレベルへの立ち上がりに同期して比較結果信号Scompの二値データを取り込む(203)。
【0071】
ここで、出力ラッチ記憶クロック数を8にセットした場合について説明する。このモードでは、内部クロックに同期してサンプリングされた比較結果信号Scompは出力ラッチ22Lの8ビット分のラッチに順々に8サンプリング分格納された都度毎に入出力IO[0]〜IO[7]から出力される。テスタ装置1はステータス信号R/Bを検知して8ビットデータの取り込みを行う。すなわち、ステータス信号R/Bとデータ出力の周波数が1/8になる。テスタ装置1の動作周波数が観測したい時間分解能より遅い場合に有効なモードである。なお、出力ラッチ記憶クロック数の最大は基本的には当該フラッシュメモリ2の入出力IO数で決まる。
【0072】
図7(d)はテスタクロック同期モードの動作を示す各信号のタイミングチャートであり、比較結果信号Scomp(
図7(a))をテスタ装置1から入力されるリードイネーブル信号/REのローレベルからハイレベルへの立ち上がりで入出力コントローラ22は比較結果信号Scompをラッチし(204)、リードイネーブル信号/REのハイレベルからローレベルへの立ち下がりで入出力データIOとして出力する(205)。テスタ装置1はリードイネーブル信号/REのハイレベルからローレベルへの立ち下がりで出力される比較結果信号Scompの二値データを取り込む。
【0073】
以上説明したように本実施形態に係るテスタシステムによれば、テスタ装置1でのサンプリング周波数は十分に高速であり、1つの基準電圧を用いて比較するのでコンパレータ36による内部電圧波形の立ち上がり又は立ち下がりの時間は急峻であって、非常に正確に捕捉することができる。チップ内部のコンパレータ36で内部電圧波形を観測するので、テスタ装置1とフラッシュメモリ2との間のケーブルの寄生容量及びテスタ装置1内の入力寄生容量とは関係なしに、メモリチップの内部電圧を従来技術に比較して簡単な構成でしかも高精度で測定することができる。
【0074】
変形例.
図8は本発明の変形例に係るテスタ装置1AとNAND型フラッシュメモリ2Aを含むテスタシステムの構成例を示すブロック図である。
図8のテスタシステムは、
図1のテスタシステムに比較して以下の点が異なる。
(1)テスタ装置1に代えて、電圧発生回路46を有しないテスタ装置1Aを備える。
(2)フラッシュメモリ2に代えて、テストモード回路5Aを有するフラッシュメモリ2Aを備える。ここで、テストモード回路5Aはテストモードロジック回路38からの制御信号に基づいて所定の比較用基準電圧Vrefを発生する電圧発生回路39を備える。すなわち、変形例では、電圧発生回路39を半導体チップ内部に設けたことを特徴としているが、DC電圧として使用されるのでトリミングにより正確な電圧を供給できるので、充分正確な波形を観測できる。
【0075】
以上の実施形態において、コンパレータ36を内部電圧の波形観測用のコンパレータとして用いているが、本発明はこれに限らず、
図9の従来例のごとくトリミング調整のためのコンパレータと兼用してもよい。MUX回路33、抵抗分圧回路34についても同様兼用できる。
【0076】
以上の実施形態においては、NAND型フラッシュメモリのためのテストモード回路5について説明しているが、本発明はこれに限らず、NOR型フラッシュメモリ、DRAM、SRAMなどの半導体記憶装置などを含む半導体装置に適用することができる。なお、NAND型フラッシュメモリ2の場合にテスタ装置1に対するトリガ信号として、リードイネーブル信号/REを使用しているが、NOR型フラッシュメモリの場合はこれに代えて出力イネーブル信号/OEを使用する。