特許第6097804号(P6097804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6097804プライスカードストリップ生成装置、プライスカードストリップ生成方法、プライスカードストリップ生成システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6097804
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】プライスカードストリップ生成装置、プライスカードストリップ生成方法、プライスカードストリップ生成システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20170306BHJP
【FI】
   G06Q30/06
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-185041(P2015-185041)
(22)【出願日】2015年9月18日
【審査請求日】2015年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】515264137
【氏名又は名称】株式会社エイジス
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人JAZY国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近江 元
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−089142(JP,A)
【文献】 特開2012−185576(JP,A)
【文献】 特開2013−214245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0043016(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0234668(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列棚に各棚段に装着されるプライスカードストリップの生成装置であって、
上記陳列棚に係る棚割データファイルを取得する棚割データファイル取得部と、
上記棚割データファイルに基づいて、上記陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する印刷位置演算部と、
上記印刷位置に基づいて、上記プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する印刷イメージファイル生成部と、を備え、
上記印刷位置演算部は、nを自然数としたとき、上記陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、上記第1の商品に係るプライスカードは、上記ストリップの左端を印刷開始位置とし、上記第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する
プライスカードストリップ生成装置。
【請求項2】
上記印刷位置演算部は、上記第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値が上記プライスカードの幅よりも大きい場合には、上記プライスカードのサイズを縮小する
請求項1に記載のプライスカードストリップ生成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプライスカードストリップ生成装置と、
上記印刷イメージファイルに基づいて上記プライスカードストリップを印刷する印刷装置と、を有するプライスカードストリップ生成システム。
【請求項4】
陳列棚に各棚段に装着されるプライスカードストリップの生成方法であって、
上記陳列棚に係る棚割データファイルを取得する第1のステップと、
上記棚割データファイルに基づいて、上記陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する第2のステップと、
上記印刷位置に基づいて、上記プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する第3のステップと、を有し、
上記第2のステップでは、nを自然数としたとき、上記陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、上記第1の商品に係るプライスカードは、上記ストリップの左端を印刷開始位置とし、上記第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する
プライスカードストリップ生成方法。
【請求項5】
上記第2のステップでは、上記第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値が上記プライスカードの幅よりも大きい場合には、上記プライスカードのサイズを縮小する
請求項4に記載のプライスカードストリップ生成方法。
【請求項6】
コンピュータを、
陳列棚に係る棚割データファイルを取得する棚割データファイル取得部と、
上記棚割データファイルに基づいて、上記陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する印刷位置演算部と、
上記印刷位置に基づいて、プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する印刷イメージファイル生成部と、して機能させ、
上記印刷位置演算部は、nを自然数としたとき、上記陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、上記第1の商品に係るプライスカードは、上記ストリップの左端を印刷開始位置とし、上記第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する
プログラム。
【請求項7】
上記印刷位置演算部は、上記第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値が上記プライスカードの幅よりも大きい場合には、上記プライスカードのサイズを縮小する
請求項6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚の各棚段に陳列される複数種類の商品について、棚段ごとにプライスカードストリップを生成するプライスカードストリップ生成装置、プライスカードストリップ生成方法、プライスカードストリップ生成システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやドラッグストアの陳列棚のプライスカードは従来1つの商品に1つ印刷して、それぞれの陳列位置の前のレールに取り付けられていた。
【0003】
従来の陳列の手順は、一般的には次のようになる。先ず、第1に、棚割図で示された棚の左端の商品を探し、棚割図が示す棚の上に指示されたフェイシング(横に並べた商品フェイスの数)と同じ数の商品を横に手前一列のみ並べる。第2に、その右に仕切板を設置する。第3に、この第1、第2の作業を繰り返し、棚割図にある全ての商品を手前一列のみ並べる。第4に、残りの商品を陳列する。そして、第5に、プライスカードを正しい位置(通常は陳列商品の左端にプライスカードの左端をあわせる)に取り付ける。
【0004】
このような陳列の際に用いられる棚割については、陳列棚への商品の陳列方法に係る情報である棚割の情報を管理し、棚割の前後における店舗割付および棚割パターンの情報に基づいて、陳列対象の商品の差分を抽出し、差分に基づいて棚替の際の指示情報を作成する棚割管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、棚段等に陳列する商品群の少なくとも一部が複数の候補から選択可能となっている棚割案を、販売店の各店舗について一括で作成する棚割支援方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−146190号公報
【特許文献2】特開2008−299768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した従来の方法では、左から順に陳列位置を決めていくので、商品を探さなくてはならない。欠品しているときは仮の設置をしておくしかなく、欠品商品入荷後に陳列位置の微調整が必要になることがある。
【0008】
また、従来の方法では、作業者が勝手に作業を簡略化して計画通りの棚割にならないことが発生しがちである。例えば、陳列変更作業時点で商品在庫数が多い場合、指示されたフェイシングを勝手に増やして在庫品が棚にすべて並べられてしまうことがある。その場合、本来陳列しなくてはならない商品の陳列スペースがなくなってしまうため、その時点で未入荷且つ未在庫の商品は、品揃えから外されてしまう危険性が高い。また、陳列変更作業は商品の入れ替えが伴うが、取扱い中止商品は売場から撤去され、値下げ処分や返品処理などの作業が必要になる。この作業をやりたくないがために、取扱い中止の指示を無視してそのまま陳列されていることも起こりがちである。
【0009】
また、従来は、いくつかの大きさのプライスカードを用意しているものの、一部は、隣の商品のプライスカードに重なってしまう例がある。また、サイズの異なるプライスカードを陳列順に印刷することはできないため、プライスカードの大きさを変えるとプライスカードを貼付する作業に必要以上に時間がかかっていた。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、陳列棚の各段に陳列される複数種類の商品について、棚段ごとに棚割に従ったプライスカードを生成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るプライスカードストリップ生成装置は、陳列棚に各棚段に装着されるプライスカードストリップの生成装置であって、上記陳列棚に係る棚割データファイルを取得する棚割データファイル取得部と、上記棚割データファイルに基づいて、上記陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する印刷位置演算部と、上記印刷位置に基づいて、上記プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する印刷イメージファイル生成部と、を備え、上記印刷位置演算部は、nを自然数としたとき、上記陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、上記第1の商品に係るプライスカードは、上記ストリップの左端を印刷開始位置とし、上記第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する。
【0013】
ここで、上記第1の態様に係る装置において、上記印刷位置演算部は、上記第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値が上記プライスカードの幅よりも大きい場合には、上記プライスカードのサイズを縮小してよい。
【0014】
本発明の第の態様に係るプライスカードストリップ生成システムは、第1の態様に係るプライスカードストリップ生成装置と、上記印刷イメージファイルに基づいて上記プライスカードストリップを印刷する印刷装置とを有する。
【0015】
本発明の第の態様に係るプライスカードストリップ生成方法は、陳列棚に各棚段に装着されるプライスカードストリップの生成方法であって、上記陳列棚に係る棚割データファイルを取得する第1のステップと、上記棚割データファイルに基づいて、上記陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する第2のステップと、上記印刷位置に基づいて、上記プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する第3のステップと、を有し、上記第2のステップでは、nを自然数としたとき、上記陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、上記第1の商品に係るプライスカードは、上記ストリップの左端を印刷開始位置とし、上記第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する。
【0016】
ここで、上記第の態様に係る方法において、上記第2のステップでは、上記第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値が上記プライスカードの幅よりも大きい場合には、上記プライスカードのサイズを縮小してよい。
【0017】
本発明の第の態様に係るプログラムは、コンピュータを、陳列棚に係る棚割データファイルを取得する棚割データファイル取得部と、上記棚割データファイルに基づいて、上記陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する印刷位置演算部と、上記印刷位置に基づいて、プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する印刷イメージファイル生成部と、して機能させ、上記印刷位置演算部は、nを自然数としたとき、上記陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、上記第1の商品に係るプライスカードは、上記ストリップの左端を印刷開始位置とし、上記第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する。
【0019】
ここで、上記第4の態様に係るプログラムにおいて、上記印刷位置演算部は、上記第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値が上記プライスカードの幅よりも大きい場合には、上記プライスカードのサイズを縮小してよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、陳列棚の各段に陳列される複数種類の商品について、棚段ごとに棚割に従ったプライスカードストリップが生成可能なプラスカードストリップ生成装置、プライスカードストリップ生成方法、プライスカードストリップ生成システム、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るプライスカードストリップ生成装置、及びそれを用いたプライスカードストリップ生成システムの構成図である。
図2】プログラムの改良例の機能を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るプライスカードストリップ生成装置が用いる棚割データファイルの一例を示す図である。
図4】棚割データファイルに基づく表示例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るプライスカードストリップ生成装置により生成されたプライスカードストリップの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るプライスカードストリップ生成装置による処理の概要を示す図である。
図7】棚割に関する各種パラメータを定義する概念図である。
図8】本発明の一実施形態に係るプライスカードストリップ生成装置による処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0023】
本発明の一実施形態に係るプラスカードストリップ生成装置、プライスカードストリップ生成方法、プライスカードストップ生成システム、及びプログラムは、棚1段(90センチもしくは120センチ)分にある複数のプライスカードの情報を1枚の細い帯状紙に印刷することで、計画された棚割り(陳列位置)を実現し、陳列変更作業をより効率よく実行可能にするものである。そのために正確な陳列位置を設定できるようにし、陳列位置情報を基にプライスカードストリップ(以下、PCストリップと称する)を印刷するための画像データを生成するものである。以下、詳述する。
【0024】
図1には本発明の一実施形態に係るPCストリップ生成装置及びそれを用いたPCストリップ生成システムの構成を示し説明する。
【0025】
同図に示されるように、PCストリップ生成装置1は、CPU等の制御部2を備えている。この制御部2は、通信部3、入力部4、操作部5、表示部6、記憶部7、出力部8と接続されている。通信部3は、インターネット等のネットワークを介して外部機器と通信を行うものである。入力部4は、インタフェースであり、外部機器からのデータファイルの入力を受け付けるものである。操作部5は、キーボードやマウス等の操作デバイスであり、各種操作を受けるものである。表示部6は、LCD等の表示デバイスであり、各種表示を行うものである。記憶部7は、メモリやHDD(Hard Disc Device)であり、プログラム9を記憶していると共に、その実行時にはワークエリアを提供する。そして、出力部8は、インタフェースであり、外部機器へとデータファイルを出力する。
【0026】
そして、制御部2は、記憶部7のプログラム9を読み出し実行することで、棚割データファイル取得部2a、印刷位置演算部2b、印刷イメージファイル生成部2c、表示制御部2d、及び主制御部2eとして機能する。
【0027】
このような構成において、通信部3又は入力部4を介して陳列棚に係る棚割データファイルが入力されると、棚割データファイル取得部2aがこれを取得する。そして、印刷位置演算部2bが、棚割データファイルに基づいて、陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する。印刷イメージファイル生成部2cは、この演算により得られた印刷位置に基づいて、プライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する。表示制御部2dは、この印刷イメージファイルに基づく表示を表示部6に行うよう制御する。また、印刷イメージファイルは、出力部8を介して外部機器に出力される。例えば、この例では、外部機器としての印刷装置20と接続されており、印刷装置20によりプライスカードストリップが印刷され出力される。
【0028】
更に具体的に説明すると、印刷位置演算部2bは、nを自然数としたとき、陳列棚の一の棚段に第1の商品から第nの商品までのn個の商品が陳列される場合には、第1の商品に係るプライスカードは、ストリップの左端を印刷開始位置とし、第nの商品に係るプライスカードは、第n−1の商品の印刷開始位置に第n−1の商品の幅と仕切り板の幅との和だけ離れた位置を印刷開始位置する。そして、印刷位置演算部2bは、第1の商品から第nの商品の幅のうちの最小値がプライスカードの幅よりも大きい場合には、プライスカードのサイズを縮小する。
【0029】
このようなPCストリップ生成装置1と印刷装置20により本実施形態に係るPCストリップ生成システム30が構成される。
【0030】
図2は、プログラムの変形例である。プログラム10は、棚割データファイル取得部2aに代えて棚割データファイル生成部2fを備えている。従って、このプログラム10が実行されると、制御部2は、プライスカードストリップ生成部2fとしても機能し、入力部4又は通信部3から送られてきたマスタファイルに基づいて棚割データファイルを生成することになる。その後の処理は、プログラム9と同じであるので、重複した説明はここでは省略する。
【0031】
図3には本発明の一実施形態に係るPCストリップ生成装置1が用いる棚割データファイルに含まれる棚割データの一例を示し説明する。
【0032】
同図に示されるように、棚割データは、位置情報として、什器番号、棚番号、棚位置番号、及び陳列数のデータを有している。更に分類コードとして、部門、大分類、小分類のデータを有している。そして、JANコード、商品名、パッケージサイズ(幅、高さ、奥行き)、陳列方向の各データを有している。
【0033】
図4には棚割データファイルに基づく表示例を示し説明する。
【0034】
同図に示されるように、棚割データファイルに基づく表示では、棚のイメージが示されると共に、棚の各段における陳列イメージが示される。縦方向、及び横方向には、スケールの表記も行っているので、表示中でおおよそのスケールを確認することも可能となっている。尚、この例では、商品aから商品hまでの8種類の商品が陳列されているが、商品の間に仕切り板を設ける場合には、仕切り板の様子も示される。
【0035】
図5には本発明の一実施形態に係るPCストリップ生成装置1により生成されたPCストリップの一例を示し説明する。これは、プライスカード生成装置1より出力された印刷イメージファイルに基づいて印刷装置20が印刷出力をしたPCストリップである。
【0036】
同図に示されるように、PCストリップ40の左端には、什器番号、棚段数(上から何段目か)、作成日、パターン名もしくは番号などの情報を配置した種別表記部40aを印刷する。棚への取り付けの際は種別表記部40aを内側に折り曲げるようになっている。種別表記部の右端からは、棚割りに従って、陳列される商品のプライスカードが表記されている。具体的には、プライスカードは、商品写真表記部40bと商品説明部40cとからなる。商品写真表記部40bには陳列される商品の写真が表記される。そして、商品説明部40cでは、商品名、値段、バーコードが対応付けられて表記される。隣に陳列される商品についても、これと同様に、商品写真表記部40dと商品説明部40cが表記されることになる。以下、同様に、各段の端まで、陳列される商品について、同種のプライスカードが表記される。以上は一例であって、商品説明部40cには、特価情報や店長のお勧めコメントなど、種々の情報を表記することができる。
【0037】
以下、図6を参照して、本発明の一実施形態に係るPCストリップ生成装置1による処理の概要を説明する。
【0038】
同図に示されるように、商品マスタファイル50、メーカーマスタファイル51、商品分類マスタファイル52の入力を受けると、外部機器又はPCストリップ生成装置1がプログラム10に基づいて対象棚割作成処理を実行し、対象棚の棚割データファイル53を生成し、出力する(#1)。
【0039】
そして、この棚割データファイル53の入力を受けると、PCストリップ生成装置1がプログラム9に基づいてPCストリップ出力処理を実行し、印刷イメージファイル55を生成し、出力する(#2)。このPCストリップ出力処理では、印刷位置情報ファイル54を棚割データファイル53と共に受けて、処理を実行することもできる。印刷イメージファイル55は、印刷装置20に出力され、PCストリップが印刷出力される。
【0040】
次に、図7のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に係るPCストリップ生成装置による処理手順を更に詳細に説明する。ここでは、図8の棚割に関する各種パラメータを定義する概念図を適宜参照する。
【0041】
図8は、ある陳列棚の棚段における棚割のイメージを示している。この例では、m(mは自然数)種類(この例では、m=5個)の商品が陳列される場合を例示している。そして、商品の種別か異なるところに仕切り板を介在させている。商品z1の幅はa1、商品z2の幅はa2、商品z3の幅はa3、商品z4の幅はa4、商品z5の幅はa5としている。1つの種類について幅方向に複数個の商品が横並びで陳列される場合には、商品1つ当たりの幅に個数を乗算したものを商品の幅a1〜amと定義する。そして、仕切り板の幅はbとし、各商品に対するプライスカードのサイズは共通でcとしている。PCストリップ全体の幅は棚段の左端から右端まででdとしている。そして、PCストリップにおける各商品z1〜z5に係る各プライスカードの印刷開始位置(座標)は、この例ではプライスカードの左端を基点としてx1〜x5としている。
【0042】
さて、図7の処理を開始すると、印刷位置演算部2bは、商品数をカウントするための変数nをイニシャライズ(n=0)して(S1)、n=0であるかを判断する(S2)。最初にステップS2に入ったときには、n=0であるので(S2をYes)、印刷位置演算部2bは、x1=0とし(S3)、x1の座標を記憶部7に記憶する(S4)。そして、印刷位置演算部2bは、変数nをインクリメント(n=n+1)してステップS2に戻る(S5)。
【0043】
続いて、印刷位置演算部2bは、再びn=0であるかを判断する(S2)。ここで、n=1であるので(S2をNo)、印刷位置演算部2bは、商品z2の印刷開始位置(座標)x2を次式により求める(S6)。
x2=x1+a1+b
そして、印刷位置演算部2bは、x2の座標を記憶部7に記憶し(S7)、変数nをインクリメント(n=n+1)して(S8)、n=m(mは商品の種類数)であるか否かを判断する(S9)。ここでは、nは1であるので、ステップS2に戻る(S9をNo)。
【0044】
次に、上記同様の処理により、商品z3、z4、z5の印刷開始位置(座標)z3,x4,x5を求め(S2,S6,S7,S8)、n=5に至ったところで、ステップS9をYesに抜けることになる。
【0045】
そして、印刷位置演算部2bは、a1〜an(a5)の中の最小値aminを算出し(S10)、プライスカードの幅cがaminよりも大きいか否かを判断する(S11)。プライスカード幅cが最小値aminよりも大きい場合(S11をYes)、プライスカードがはみ出し重なって印刷されるのを防止するために、プライスカードの幅cのサイズを縮小処理する(S12)。一方、プライスカードの幅cが最小値aminよりも大きくない場合には(S11をNo)、ステップS13に移行する。
【0046】
こうして、印刷イメージファイル生成部2cが、上記演算により得られた印刷開始位置(座標)x1〜x5やプライスカードの幅c、PBストリップの幅d等に基づいて、印刷イメージデータファイルを生成する(S13)。こうして、一連の処理を終了する。印刷イメージデータファイルは出力部8を介して印刷装置20に出力され、当該印刷装置20にてPCストリップの印刷がなされることになる。
【0047】
以上のように生成された印刷イメージファイルに基づいて印刷されたPCストリップを用いて陳列を行う場合の手順は、次のようになる。先ず、第1に、PCストリップに予め印刷された什器番号と棚番号に従って棚にPCストリップをとりつける。第2に、PCストリップに合わせて仕切板を設置する。そして、第3に、PCストリップにある商品を探し、その位置に商品を陳列する。
【0048】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、以下の効果が奏される。
【0049】
顧客にとって最適な品揃えと棚割を計画通りに100%実行できれば、欠品による機会損失や本来品揃えしておくべき商品の売場からの欠落(distribution voidと呼ばれる)が大幅に減少して、来店するお客の満足度を高めると同時に売上げと利益を最大化できる。
【0050】
PCストリップを使用すれば、おのずと陳列すべき商品はより明確になり、例外的な陳列ができなくなる。売場の標準化は、日常の発注や補充陳列作業の標準化と効率化につながり高い労働生産性とより高い売場販売効率を両立させる。
【0051】
上述した陳列変更作業のプロセス変更によっても作業品質と作業効率は大幅に改善できる。具体的には以下の通りである。
・一旦PCストリップを取り付けてしまえば、棚割図を見る必要がない。
・仕切板の取り付け位置の微調整、やり直しが発生しない。
・従来は、陳列は位置決めでフェイシングと同じ数量を取り出し、残りは陳列位置決定後に行っていたが、PCストリップでは、まとめて一回で陳列ができる。また、従来は左から陳列位置を決めていく必要があったが、PCストリップでは既に陳列位置は定められているので、手に取った商品から陳列することができる。
・一枚一枚取り付けていたプライスカードを棚に一枚のPCストリップを取り付けるだけになるので、プライスカード取り付け作業そのものが大幅に削減できる。
【0052】
プライスカード部分の横に商品の写真を印刷することで陳列変更作業がより速く正確になる。同様に陳列作業も効率よく、間違いがなくなる。
【0053】
プライスカード部分の横に商品情報を同時に印刷することで、よりお客に商品のよさや使い方など有用な情報を容易に提供できる。従来の方法では、プライスカードとは別にPOPでそれを行っているが、別に作成し、取り付ける作業が発生する。しかし、PCストリップではそれが不要になる。
【0054】
PCストリップではプライスカードの幅を棚割りデータから最適化できる。従来のプライスカードは、いくつかの大きさのプライスカードを用意しているものの、一部は、隣の商品のプライスカードに重なってしまう例がある。また、サイズの異なるプライスカードを陳列順に印刷することはできないため、プライスカードの大きさを変えるとプライスカードを貼付する作業に必要以上に時間がかかる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0056】
例えば、プライスカードの幅cを商品種別ごとに異なる値としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 PCストリップ生成装置
2 制御部
2a 棚割データファイル取得部
2b 印刷位置演算部
2c 印刷イメージファイル生成部
2d 表示制御部
2e 主制御部
3 通信部
4 入力部
5 操作部
6 表示部
7 記憶部
8 出力部
9 プログラム
10 プログラム
20 印刷装置
30 PCストリップ生成システム
【要約】
【課題】陳列棚の各棚段に陳列される複数種類の商品について、棚段ごとに棚割に従った1枚のプライスカードを生成することにある。
【解決手段】本発明は、陳列棚に各棚段に装着されるプライスカードストリップの生成装置であって、陳列棚に係る棚割データファイルを取得する棚割データファイル取得部2aと、棚割データファイルに基づいて、陳列棚の各棚段に装着されるストリップにおける複数のプライスカードの印刷位置を演算する印刷位置演算部2bと、印刷位置に基づいてプライスカードストリップの印刷イメージファイルを生成する印刷イメージファイル生成部2cとを備えている。
【選択図】図1
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図7
図8