特許第6097812号(P6097812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097812
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G06F3/041 450
   G06F3/041 430
   G06F3/041 495
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-223860(P2015-223860)
(22)【出願日】2015年11月16日
(65)【公開番号】特開2016-110637(P2016-110637A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】201410718261.7
(32)【優先日】2014年12月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヤオチェン
(72)【発明者】
【氏名】ライ ビン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ダーファ
(72)【発明者】
【氏名】イェン ジエンビン
(72)【発明者】
【氏名】シュー リエンジェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ユー
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−052775(JP,A)
【文献】 特開2013−218010(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/108564(WO,A1)
【文献】 特開2014−146283(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0063361(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041 − 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面上に配置され、前記基板をマスク領域と前記マスク領域に隣接して配置
された可視領域とに分割する第1マスク構造体と、
少なくとも前記第1マスク構造体の前記基板から遠い表面をマスキングする密集構造体
と、を備え、
前記第1マスク構造体は前記マスク領域に配置され、
前記密集構造体の密度は、前記第1マスク構造体よりも高く、
前記密集構造体の材料は、SiOとNbとの混合物である、タッチパネル。
【請求項2】
前記密集構造体は、さらに、前記第1マスク構造体の側面をマスクする、請求項1に記
載のタッチパネル。
【請求項3】
前記密集構造体は、前記第1マスク構造体の前記可視領域に近い前記側面に沿って前記
基板の表面まで延長された、請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記密集構造体は、前記第1マスク構造体の前記可視領域に遠い前記側面に沿って前記
基板の表面まで延長された、請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記密集構造体は透明な絶縁材料からなり、前記可視領域をさらにマスクする、請求項
3に記載のタッチパネル。
【請求項6】
さらにタッチ感知構造体を備え、
前記タッチ感知構造体は、
前記第1マスク構造体が形成された前記基板の表面上に配置された電極構造体と、
前記密集構造体上に配置され前記マスク領域に位置し電極構造体に電気的に接続された
複数のワイヤと、を有し、
前記電極構造体が前記可視領域内に位置し、前記電極構造体の一部が前記マスク領域において前記密集構造体まで延長された請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項7】
さらに、前記密集構造体と前記ワイヤとの間に配置され前記マスク領域内に位置する第
2マスク構造体を備える、請求項6に記載のタッチパネル。
【請求項8】
さらにタッチ感知構造体を備え、
前記タッチ感知構造体は、
前記第1マスク構造体が形成された前記基板の表面に配置され、前記可視領域内に位置する電極構造体と、
前記密集構造体上に配置され一部が前記可視領域まで延長され前記電極構造体と電気的
に接続された複数のワイヤと、を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタッチ
パネル。
【請求項9】
さらに、前記密集構造体と前記ワイヤとの間に配置され前記マスク領域内に位置する第
2マスク構造体を備える、請求項8に記載のタッチパネル。
【請求項10】
さらに、前記タッチ感知構造体の前記第2マスク構造体から遠い側に配置されマスク領
域内に位置し少なくとも前記ワイヤおよび前記第2マスク構造体をマスクする保護層を備
える、請求項9に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記第1マスク構造体は、
前記基板上に配置された第1マスク層と、
前記第1マスク層上で、かつ、前記密集構造体と前記第1マスク層との間に配置され第
2マスク層と、を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記第2マスク層の領域は前記第1マスク層の領域よりも小さく、前記可視領域に近い
、前記第2マスク層の端部および前記第1マスク層の端部は階段状構造に形成されている
、請求項11に記載のタッチパネル。
【請求項13】
前記第1マスク層の領域が前記第2マスク層の領域よりも小さく、前記第2マスク層が
前記第1マスク層の前記可視領域に近い側面に沿って前記基板まで延長された、請求項1
1に記載のタッチパネル。
【請求項14】
前記第2マスク層と前記第1マスク層との間に少なくとも第3マスク層が配置された、
請求項11に記載のタッチパネル。
【請求項15】
前記第1マスク構造体の材料は、不透明な非黒色の絶縁材料である、請求項1乃至14
のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項16】
前記第1マスク構造体の材料は、白色インク材料である、請求項15に記載のタッチパ
ネル。
【請求項17】
前記密集構造体の密度が0.74以上である、請求項1乃至16のいずれか1項に記
載のタッチパネル。
【請求項18】
前記密集構造体は透明な層である、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のタッチパ
ネル。
【請求項19】
前記第2マスク構造体および前記保護層の材料は、黒色インク材料または黒色フォトレ
ジスト材料を含む、請求項10に記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のタッチ技術では回路は、一般的にタッチパネルの感知領域近くに配置され、タッチ信号は処理のための回路を介して関連する処理回路に伝達されることができる。さらに、美的な理由のため、インクまたはフォトレジスト材料のようなマスク構造体は、一般的に、いわゆる境界領域と呼ばれるマスク構造体(マスク領域)を持つ領域が形成されるよう、回路をマスクキングするために回路と反対側のタッチパネルの一部に配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、境界領域は、主に黒であり、透過率特性が低い黒色インクまたはフォトレジスト材料により回路をマスキングする。しかしながら、マスク構造体は、他の色の材料、特に明るい色(例えば、白色インク)で形成されている場合、境界領域において、マスク構造体は、温度に対してより敏感である(例えば、白色インクが黄色に変わる)ため、後の工程における温度、酸素または薬液の影響によって容易に色が変わり、製品の外観が影響を受ける。
【0004】
前述の主題の観点において、本開示は、マスク領域内のマスク構造体が変色するのを防止することができるタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示されたタッチパネルは、基板と、第1マスク構造体と、密集構造体と、を備える。第1マスク構造体は、基板の表面上に配置され、基板をマスク領域とマスク領域に隣接して配置された可視領域とに分割する。第1マスク構造体は、マスク領域に配置される。密集構造体は、少なくとも第1マスク構造体の基板から遠い表面をマスキングする。
【0006】
幾つかの実施形態では、密集構造体は、さらに、第1マスク構造体の側面をマスクする。
【0007】
幾つかの実施形態では、密集構造体は、第1マスク構造体の可視領域に近い側面に沿って基板の表面まで延長されている。
【0008】
幾つかの実施形態では、密集構造体は、第1マスク構造体の可視領域に遠い側面に沿って基板の表面まで延長されている。
【0009】
幾つかの実施形態では、密集構造体は透明な絶縁材料からなり、可視領域をさらにマスクする。
【0010】
幾つかの実施形態では、タッチパネルはさらに、電極構造体と複数のワイヤとを有するタッチ感知構造体を備える。電極構造体は、第1マスク構造体が形成され、可視領域内に位置し、一部がマスク領域において密集構造体まで延長された基板の表面上に配置されている。ワイヤは、密集構造体上に配置され、マスク領域に位置し、電極構造体に電気的に接続されている。
【0011】
幾つかの実施形態では、タッチパネルはさらに、電極構造体と複数のワイヤとを有するタッチ感知構造体を備える。電極構造体は、第1マスク構造体が形成され可視領域内に位置する基板の表面に配置されている。ワイヤは、密集構造体上に配置され、一部が可視領域まで延長され、電極構造体と電気的に接続されている。
【0012】
幾つかの実施形態では、タッチパネルはさらに、密集構造体とワイヤとの間に配置され、マスク領域内に位置する第2マスク構造体を備える。
【0013】
幾つかの実施形態では、タッチパネルはさらに、タッチ感知構造体の第2マスク構造体から遠い側に配置され、マスク領域内に位置し少なくともワイヤおよび第2マスク構造体をマスクする保護層を備える。
【0014】
幾つかの実施形態では、第1マスク構造体は、第1マスク層と第2マスク層とを有する。
第1マスク層は、基板上に配置される。第2マスク層は、第1マスク層上で、かつ、密集構造体と第1マスク層との間に配置されている。
【0015】
幾つかの実施形態では、第2マスク層の領域は第1マスク層の領域よりも小さく、可視領域に近い、第2マスク層の端部および第1マスク層の端部は階段状構造に形成されている。
【0016】
幾つかの実施形態では、第1マスク層の領域が第2マスク層の領域よりも小さく、第2マスク層が第1マスク層の可視領域に近い側面に沿って基板まで延長されている。
【0017】
幾つかの実施形態では、第2マスク層と第1マスク層との間に少なくとも第3マスク層が配置されている。
【0018】
幾つかの実施形態では、第1マスク構造体の材料は、不透明な非黒色の絶縁材料である。
【0019】
幾つかの実施形態では、第1マスク構造体の材料は、白色インク材料である。
【0020】
幾つかの実施形態では、密集構造体の密集度が0.74以上である。
【0021】
幾つかの実施形態では、密集構造体は透明な層である。
【0022】
幾つかの実施形態では、密集構造体の材料は、透明なSiO、SiONまたはSiOとNbとの混合物である。
【0023】
幾つかの実施形態では、第2マスク構造体および保護層の材料は、黒色インク材料または黒色フォトレジスト材料を含む。
【0024】
上記のように、本開示のタッチパネルにおいて、密集構造体は第1マスク構造体をマスクし、高密集度であり、高温に耐え得る能力を有する。したがって、マスク領域内における第1マスク構造体の劣化や変色を避けることができるように、第1のマスク構造体は保護されている。これにより、タッチパネルの外観がより良く見える。
【0025】
本開示の効果は、マスク領域内のマスク構造体が変色するのを防止できることである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、詳細な説明及び添付図面により完全に理解される。詳細な説明及び添付図面は、例示のためのみに与えられるものであり、したがって、本発明を限定するものではない。
図1A】本開示にかかる幾つかの実施例のタッチパネルの概略構成を示す上面図である。
図1B図1Aの線A−A’に沿った概略断面図である。
図2A図1Bのタッチパネルの他の実施形態を示す概略図である。
図2B図1Bのタッチパネルの他の実施形態を示す概略図である。
図2C図1Bのタッチパネルの他の実施形態を示す概略図である。
図3A】本開示の他の実施形態のタッチパネルの概略上面図である。
図3B図3AのB−B’線に沿った概略断面図である。
図4A】本開示の他の実施形態のタッチパネルの概略上面図である。
図4B図4AのC−C’線に沿った概略断面図である。
図5】本開示の他の実施形態のタッチパネルの概略図である。
図6】本開示の他の実施形態のタッチパネルの概略図である。
図7A】本開示の他の第1マスク構造の概略図である。
図7B】本開示の他の第1マスク構造の概略図である。
図7C】本開示の他の第1マスク構造の概略図である。
図7D】本開示の他の第1マスク構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、添付の図面を参照して進める以下の詳細な説明から明らかになるであろう。添付の図面において同じ参照符号は同じ要素に関連する。
【0028】
図1Aは、本開示の幾つかの実施形態であるタッチパネル1の概略上面図で、図1Bは、図1AのA−A’に沿う概略断面図である。図1Aおよび図1Bに示すように、タッチパネル1は、基板2と、第1マスク構造体3と、密集構造体4と、を含む。第1マスク構造体3は、基板2をマスク領域21とマスク領域21に隣接して配置された可視領域22とに分割するために、基板2の表面上に配置される。マスク領域21は、第1マスク構造体3に対応して配置される。幾つかの実施形態では、マスク領域21は、可視領域22の周囲に配置されている。他の実施形態では、マスク領域21は、可視領域22の少なくとも一方の側に配置されてもよい。密集構造体4は、第1マスク構造体3の上に配置され、少なくとも第1マスク構造体3の基板2から遠い表面をマスクする。他の実施形態では、密集構造体4は、第1マスク構造体3の他の表面をマスクすることができることに留意する。
【0029】
基板2は電子機器の保護板として用いることができ、ユーザに面した基板2の表面、すなわち、基板2における第1マスク構造体3および密集構造体4と反対の表面はユーザによるタッチ操作のために直接供されてもよい。基板2は、ガラス、石英、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明な材料で作ることができる。ここで、基板2は、例えば、ガラスで作られ、厚さが約0.6〜0.8mmである。基板2は、硬さを強化するために、例えば、強化ガラスとすることもできるが、基板2の材料および厚さは本開示に限定されるものではない。他の実施形態では、ユーザのタッチ操作のために供される基板2の表面は、例えば、抗指紋層、防眩層またはアンチスクラッチ層、などユーザ経験を向上させるための様々な層でコーティングされる。
【0030】
第1マスク構造体3は、単層または多層構造とすることができ、その物理的な構造は以下に示され、簡単のため関連する図示はここでは省略される。第1マスク構造体3の材料は、非黒色インク材料やフォトレジスト材料(例えば白色、黄色、ピンクまたは緑の非黒色インクまたはフォトレジスト材料)などの非黒色の不透明または光絶縁である材料を含む。第1マスク構造体3がインク材料で作成されている場合、第1マスク構造体3を形成する方法は、スピンコーティング、バーコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、インクジェット印刷、スロットコーティングまたはブレードコーティングを含むことができる。第1マスク構造体3は、インク材料を除く、またはインク材料を加えた、マスキング効果を有する他の材料で形成することができることに留意する。第1マスク構造体3は、主に、マスク領域21における第1マスク構造体3よりもユーザから遠い側に配置された電子素子をカバーするために使用される。電子素子がユーザから見えるのは適切ではないので、電子素子が第1マスク構造体3によって覆われる場合にユーザの視認効果を高めることができる。実際の適用では、第1マスク構造体3は、マスキング機能を満たすことに加えて、製品の設計要件を満たすように、マスク領域21の表示が異なる色効果になるように作製してもよい。
【0031】
異なる色効果のために、第1マスク構造体3を上述した非黒色または明るい色の絶縁材料で作成してもよいが、当該材料の分子は温度および環境に敏感なので、第1マスク構造体3は、環境温度、または酸素との接触、または薬液との接触によって簡単に色が変化する。しかしながら、幾つかの実施形態では、第1マスク構造体3、特に第1マスク構造体3の表面の色が変わるのを防ぐために、密集構造体4が第1マスク構造体3の基板2から遠い表面上に配置される。
【0032】
密集構造体4は、高密度かつ高耐熱性材料からなり、通常は透明な層である。その材料は、例えば、SiO、SiONまたはSiOとNbとの混合物である。密集構造体4の高密度かつ高耐熱性の特性は、第1マスク構造体3と比較して定義され、密集構造体4の密度は、第1マスク構造体3よりも高いことに留意する。物理的に、密集構造体4の密度は約0.74以上であり、密集構造体4は、第1マスク構造体3の色が変わるのを防止するために後の工程において第1マスク構造体3から酸素や薬液を避けることができる。高い耐熱特性は、密集構造体4が熱抵抗によって劣化されないことを意味する。例えば、第1マスク構造体3が白色インクでできている場合には、密集構造体4は、SiO層とすることができる。SiO層は非常に高い密集特性と高い耐熱性を有しているので、白色インクの組成が劣化されないようにするために白色インクの表面と酸素、薬液との接触、または温度による影響を軽減し排除することができ、第1マスク構造体3の色が変化する(例えば、黄色に変化する)のを防止することができる。密集構造体4は、スパッタリング、蒸着または他のプロセスにより第1マスク構造体3上に形成することができ、その厚さは、酸素、薬液および温度の影響を遮断することができ、タッチパネルの薄さと軽さを実現することもできるように、約40〜約60nm、好ましくは45〜55nmである。幾つかの実施形態では、密集構造体4は単層構造であるが、他の実施形態では、第1マスク構造体3の色が変わるのを防止する効果を高めるために、密集構造体4は、二層または多層構造とすることができる。

【0033】
図2Aおよび図2Bは、図1Bのタッチパネルの他の実施形態を示す概略図である。まず、図2Aに示されたタッチパネルと図1Bに示されたタッチパネルとの違いは、図2Aの密集構造体4が第1マスク構造体3の側面、特に、第1マスク構造体3の可視領域22に近い側面をより多くマスクしている点である。具体的には、第1マスク構造体3の基板2から遠い表面をマスキングしていることに加えて(例えば、図2Aに示された第1マスク構造体3の下面)、密集構造体4は、基板2の表面をマスクするために第1マスク構造体3の可視領域22に近い側面からさらに延長されている。
【0034】
図2Bに示されたタッチパネルと図2Aに示されたタッチパネルとの違いは、図2Bの密集構造体4が可視領域22をさらにマスクしている点である。すなわち、密集構造体4は、第1マスク構造体3と基板2との間の断面における高さの差を低減し、その後の工程において他の構造体(例えば、後述のタッチ感知構造体)の配置が容易になるように、第1マスク構造体3の基板2から遠い表面、第1マスク構造体3の可視領域22に近い側面、および可視領域22に位置する基板2の表面をマスクする。
【0035】
図2Cに示されたタッチパネルと図2Bに示されたタッチパネルとの違いは、図2Cの密集構造体4が第1マスク構造体3の可視領域22から遠い側面をさらにマスクしている点である。具体的には、密集構造体4が、第1マスク構造体3の基板2から遠い表面および第1マスク構造体3の可視領域22に近い側面をマスクするだけでなく、さらに、第1マスク構造体3の可視領域22から遠い側面から基板2の表面を覆うように延長されている。図2A図2Cに示される幾つかの実施形態では、密集構造体4は、第1マスク構造体3の全ての表面を保護して色の変化の発生の防止効果を向上させるために、第1マスク構造体3の表面と側面をより完全にマスクする。図2Bおよび図2Cの密集構造体4は可視領域22をマスクするので、密集構造体4は、例えば、透明なSiOの材料、または、他の高密度で透明な材料、例えば、SiONまたはSiOとNbとの混合物で作られている。しかしながら、本開示はこれらに限定されるものではない。
【0036】
図3Aは、本開示の幾つかの実施形態のタッチパネル1aの概略を示す上面図であり、図3Bは、図3AのB−B’線に沿う概略断面図である。図3Aおよび図3Bに示すように、幾つかの実施形態のタッチパネル1aは、上述した実施形態と概ね同じであるが、それらの違いは、タッチパネル1aが、さらにタッチ感知構造体5を含むことである。基板2、第1マスク構造体3および密集構造体4の相対的位置は、非限定的な例としての図2Bの構造を用いて説明したことに留意する。
【0037】
幾つかの実施形態では、タッチ感知構造体5は、電極構造体51及び複数のワイヤ52を備える。電極構造体51は、可視領域22内に配置され、一部はマスク領域21に位置する密集構造体4の部分に延長している。幾つかの実施形態では、電極構造体51および基板2は、密集構造体4における互いに反対の側にそれぞれ配置されている。導電性材料は、スパッタ法または化学蒸着法により堆積され、その後、密集構造体4の表面上に電極構造体51が形成されるようにフォトリソグラフィによりパターニングされる。ワイヤ52は、密集構造体4上に配置され、電極構造体51と電気的に接続される。ワイヤ52は、ユーザによって見られないようにするためマスク領域21内に配置され、第1マスク構造体3によって覆われている。幾つかの実施形態の電極構造体51は、例として示されるように、互いに交差する横方向の電極と縦方向の電極とを含むが、本開示はこれに限定されるものではない。電極構造体51は一軸性の電極だけを含んでもよい。電極構造体51のパターンと材料は限定されないが、電極構造体51は、好ましくは透明な導電性材料で作られている。透明な導電性材料は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムガリウム亜鉛酸化物(InGaZnO)、インジウムガリウム亜鉛マグネシウム酸化物(InGaZnMgO)、インジウムガリウムマグネシウム酸化物(InGaMgO)またはインジウムガリウムアルミニウム酸化物(InGaAlO)であってもよい。ワイヤ52の配置は実際的な必要性に応じて調整することができ、ワイヤ52の材料は、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、それらの任意の合金、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、電極構造体51の材料は、例えばITOであり、その厚さは約30〜50nmである。図3Bに示されているように、電極構造体51は可視領域22の位置からマスク領域21まで登る必要があるので、電極構造体51が、高い脆性を持つ材料(例えばITO)によって作られ、密集構造体4のマスク領域21と密集構造体4の可視領域22にある部分との間により大きな断面高さの差がある場合、電極構造体51は破損しやすくなる。図4Aは、本開示の他の実施形態に従ったタッチパネル1bの概略上面図で、図4Bは、図中C−C’線に沿う概略断面図である。図3Aおよび図3Bの実施形態との違いは、幾つかの実施形態では、電極構造体51は可視領域22内に配置され、ワイヤ52は、可視領域22内に配置された電極構造体51と電気的に接続されるように、密集構造体4の上に配置され、一部は可視領域22まで延長されている。いくつかの実施形態では、電極構造体51は登る必要がないため、登ることによる電極構造体51の破損を防止することができる。また、ワイヤ52は、主に金属材料で形成され、その延性が優れているので破損の問題が生じにくい。さらに、ワイヤ52が人の目によって見られる問題を低減するために、少なくとも可視領域22内に配置されたワイヤ52の部分は、低反射率材料または透明な導電性材料から作られてもよい。
【0039】
図3Bおよび図4Bに示すように、密集構造体4は、第1マスク構造体3の後で、かつ、電極構造体51に先立って形成され、第1マスク構造体3の基板2から遠い表面上に配置されるため、第1マスク構造体3は、密集構造体4によって、保護され、電極構造体51を形成する工程における温度、酸素または薬液の影響(例えばスパッタ法やフォトリソグラフィ工程など)から絶縁されるので、第1マスク構造体3の劣化と色の変化の問題を回避することができ、元来の色の効果を維持することができる。
【0040】
図5は、本開示の別の実施形態のタッチパネル1cの概略図である。幾つかの実施形態のタッチパネル1cは、上述した実施形態(図3Bにおけるタッチパネル1a)と概ね同じであり、それらの違いは、タッチパネル1cには、さらに第2マスク構造体6が、密集構造体4とワイヤ52との間に配置され、マスク領域21に対応して配置されることである。第2マスク構造体6の材料は、黒色フォトレジスト材料、黒色インク材料、濃色インク材料または他の濃色材料とすることができる。ここでは、例えば、第2マスク構造体6の材料は、黒色フォトレジスト材料である。第2マスク構造体6は、マスク領域21内に配置されているので、マスク領域21の光学密度(OD)をさらに向上させることができる。特に、第1マスク構造体3が白色インク材料または明るい色の他の材料で作られている場合、第2マスク構造体6は、マスク領域21内の可視要素(例えばワイヤ52)のためのより良いシェルターを提供することができる。
【0041】
図6は、本開示における他の実施形態のタッチパネル1dの概略図である。幾つかの実施形態のタッチパネル1dは、上述した実施形態(図5におけるタッチパネル1c)と概ね同じであり、それらの違いは、タッチパネル1dが、タッチ感知構造体5の第2マスク構造体6から遠い側に配置されマスク領域21に配置され少なくともワイヤ52と第2マスク構造体6をマスクする保護層7をさらに含むことである。保護層7の材料は、黒色フォトレジスト材料、黒色インク材料、濃色インク材料または他の濃色の材料とすることができる。ここでは、保護層7の材料は、例えば黒色のフォトレジスト材料である。保護層7は、ワイヤ52と第2マスク構造体6を最初から保護することができる。さらに、タッチパネル1dおよび他の表示パネルがタッチディスプレイ装置に統合されている場合、保護層7は、ユーザが斜めから表示された画像を見るときに、ユーザによって見られるマスク領域21内への光の漏れを防止することができる。
【0042】
上述した実施形態は、主に、タッチパネルの全体構造の説明のためにある。本開示の幾つかの実施形態では、第1マスク構造体3は種々の設計が可能で、それらの幾つかの例を以下で説明する。図7A図7B図7Cおよび図7Dは、本開示の様々な実施形態に従った第1マスク構造体3の概略図である。
【0043】
図7Aに示すように、第1マスク構造体3は、基板2上に配置され、密集構造体4と基板2との間に配置された第1マスク層31を含む。換言すれば、幾つかの実施形態の第1マスク構造体3は、単層の白色インクなどの単層マスク構造である。
【0044】
図7Bに示すように、図7A図7Bの実施形態の違いは、第1マスク構造体3が二層マスク構造であることである。つまり、第1マスク構造体3が第1マスク層31および第2マスク層32を含むことを意味する。第1マスク層31および第2マスク層32の材料は、白色インク材料、黄色インク材料、他の色のインク材料または明るい色の他の材料とすることができる。第1マスク層31および第2マスク層32の色は、同一であっても異なっていてもよい。第1マスク層31は、基板2上に配置され、第2マスク層32は、第1マスク層31上に配置され密集構造体4と第1マスク層31との間に配置されている。
【0045】
第2マスク層32および第1マスク層31の領域(面積)は、同一であっても異なっていてもよいことに留意する。図7Bに示すように、第2マスク層32の領域は、第1マスク層31の領域よりも小さい。また、第2マスク層32は、可視領域22から遠くの第1マスク層31上に配置され、第2マスク層32および第1マスク層31の可視領域22に近い端部は階段状構造に形成される。階段状の第1マスク構造体3は、第1マスク構造体3と基板2との間の断面高さの差を減少させ、結果として、上述した電極構造体51(図6に示す)の配置は、より利益を得ることができる。また、技術的精度の要求も緩和され得る。例えば、第2マスク層32が第1マスク層31の端部を超えない限り、第1マスク層31の印刷耐性の正確な制御は第2マスク層32の精度要求を低減する。
【0046】
図7Cに示されているように、第2マスク層32の領域は、第1マスク層31の領域よりも大きくすることができる。第2マスク層32は、第1マスク層31の可視領域22に近い側面に沿って基板2に延長される。すなわち、第2マスク層は、第1マスク層31の上面および第1マスク層31の可視領域22に近い側面をマスクするので、第1マスク構造体3全体の厚さをより均一にすることができ、見た目の効果を良くすることもできる。
【0047】
さらに、少なくとも第3マスク層33は、多層構造を形成するように、第1マスク構造体3の第1マスク層31と第2マスク層32との間に配置することができる。第3マスク層33の材料は、白色インク材料、黄色インク材料、他の色のインク材料、または明るい色の他の材料とすることができる。多層構造としての第1マスク構造体3を形成することにより、第1マスク構造体3の光学密度を増加させることができる。特に、第1マスク構造体3が白色または他の明るい色のインク材料で作られている場合、多層構造は、より良好なシェルター効果を提供することができる。ここでは、例えば、図7Dに示すように、第1マスク構造体3は3つのインク層を含む。他の実施形態では、製品の異なる要件を満たすように、第1マスク構造体3は4つまたはそれ以上のインク層を含んでいてもよい。
【0048】
要約すると、本開示のタッチパネルにおいて、密集構造体は第1マスク構造体をマスクし、高い密度を有し、高温耐性がある。したがって、マスク領域内の第1マスク構造体における、温度、酸素または薬液による影響を回避することができるとともに、劣化および色の変化を防止することができるように、第1マスク構造体は保護される。これにより、タッチパネルの外観が改善される。
【0049】
本開示は特定の実施形態を参照して説明したが、本開示は限定的に解釈されることを意味するものではない。開示された実施形態の種々の変更、ならびに代替的な実施形態は、当業者にとっては明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の範囲内に入る全ての修正をカバーすることが意図される。
【0050】
本願は、出願番号が201410718261.7であって、出願日が2014年12月1日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
【符号の説明】
【0051】
1 タッチパネル
2 基板
3 第1マスク構造体
4 密集構造体
21 マスク領域
22 可視領域
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D