特許第6097834号(P6097834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097834
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】携帯型心臓健康モニタリング
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20170306BHJP
   A61B 5/0452 20060101ALI20170306BHJP
   A61B 5/0404 20060101ALI20170306BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20170306BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A61B5/02 DZDM
   A61B5/02 A
   A61B5/04 312A
   A61B5/04 310H
   G06F1/16 312G
   H04M1/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-531110(P2015-531110)
(86)(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公表番号】特表2015-536692(P2015-536692A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013056378
(87)【国際公開番号】WO2014042845
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2015年4月10日
(31)【優先権主張番号】61/700,260
(32)【優先日】2012年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/973,916
(32)【優先日】2013年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511064915
【氏名又は名称】ニューロスキー・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUROSKY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ・ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ・アン
(72)【発明者】
【氏名】チュアン・チャン−イ
【審査官】 遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3667327(JP,B2)
【文献】 特開2009−072438(JP,A)
【文献】 特開2012−105100(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/132865(WO,A1)
【文献】 特表2008−536545(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/156374(WO,A2)
【文献】 特開2012−125281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型心臓健康モニタリングのための装置であって、
単独で使用され得る携帯機器のプロセッサと、
前記プロセッサに連結され、かつ前記プロセッサに命令を提供するように構成されたメモリと、
前記携帯機器に配置された光センサと、
前記携帯機器用のケースの長手方向の側面に組み込まれ、測定の際に、ユーザの指の一つが前記光センサに触れた状態でユーザの他の指が接触可能な位置に配置された電気センサと、
を含み、
前記プロセッサは、
記光センサから生成された各フレームの平均輝度値によって代表される脈波データに対応した第1のデータセットを受信し
前記光センサから前記第1のデータセットを受信するための前記携帯機器の使用に伴って、前記電気センサから心電図(ECG)データに対応した第2のデータセットを受信し、かつ
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットの非侵襲的な測定を用いて、複数の心臓健康測定を実施するように構成され、
前記複数の心臓健康測定の実施は、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させ、
前記ECGデータのR波ピークを検出し、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算する構成を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記電気センサは心電図(ECG)センサを含み、前記複数の心臓健康測定には1つ以上の以下の事項:ECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる、装置。
【請求項3】
携帯型心臓健康モニタリングのための装置であって、
単独で使用され得る携帯機器のプロセッサと、
前記プロセッサに連結され、かつ前記プロセッサに命令を提供するように構成されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、
前記携帯機器に組み込まれた光センサから生成された各フレームの平均輝度値によって代表される脈波データに対応した第1のデータセットを受信し
前記光センサから前記第1のデータセットを受信するための前記携帯機器の使用に伴って、電気センサから心電図(ECG)データに対応した第2のデータセットを受信し、かつ
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットの非侵襲的な測定を用いて、複数の心臓健康測定を実施するように構成され、
前記複数の心臓健康測定の実施は、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させ、
前記ECGデータのR波ピークを検出し、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算する構成を含み、
記プロセッサはさらに、
前記光センサの解像度及びサンプリングレートを選択するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記プロセッサはさらに、
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットを用いて、ユーザーの血圧及び心拍出量に関連する指標を決定するように構成される、装置。
【請求項5】
携帯型心臓健康モニタリングのための方法であって、
単独で使用され得る携帯機器に組み込まれた光センサから生成された各フレームの平均輝度値によって代表される脈波データに対応した第1のデータセットを受信する工程と、
前記光センサから前記第1のデータセットを受信するための前記携帯機器の使用に伴って、前記携帯機器用のケースの長手方向の側面に組み込まれ、測定の際に、ユーザの指の一つが前記光センサに触れた状態でユーザの他の指が接触可能な位置に配置された電気センサから心電図(ECG)データに対応した第2のデータセットを受信する工程と、
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットの非侵襲的な測定を用いて、複数の心臓健康測定を実施する工程と、を含み、
前記複数の心臓健康測定を実施する工程は、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させる工程、
前記ECGデータのR波ピークを検出する工程、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算する工程を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記電気センサは心電図(ECG)センサを含み、前記複数の心臓健康測定にはECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる、方法。
【請求項7】
携帯型心臓健康モニタリングのための方法であって、
単独で使用され得る携帯機器に組み込まれた光センサから生成された各フレームの平均輝度値によって代表される脈波データに対応した第1のデータセットを受信する工程と、
前記光センサから前記第1のデータセットを受信するための前記携帯機器の使用に伴って、電気センサから心電図(ECG)データに対応した第2のデータセットを受信する工程と、
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットの非侵襲的な測定を用いて、複数の心臓健康測定を実施する工程と、を含み、
前記複数の心臓健康測定を実施する工程は、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させる工程、
前記ECGデータのR波ピークを検出する工程、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算する工程を含み、
さらに、
前記光センサの解像度及びサンプリングレートを選択する工程を含む、方法。
【請求項8】
携帯型心臓健康モニタリングのためのコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムは、有形のコンピュータ可読記憶媒体において具現化され、及び
単独で使用され得る携帯機器に組み込まれた光センサから生成された各フレームの平均輝度値によって代表される脈波データに対応した第1のデータセットを受信し、
前記光センサから前記第1のデータセットを受信するための前記携帯機器の使用に伴って、前記携帯機器用のケースの長手方向の側面に組み込まれ、測定の際に、ユーザの指の一つが前記光センサに触れた状態でユーザの他の指が接触可能な位置に配置された電気センサから心電図(ECG)データに対応した第2のデータセットを受信し、かつ
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットの非侵襲的な測定を用いて、複数の心臓健康測定を実施するための、コンピュータ命令を含み、
前記複数の心臓健康測定を実施するコンピュータ命令は、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させ、
前記ECGデータのR波ピークを検出し、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算する構成を含む、コンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラムであって、前記電気センサは心電図(ECG)センサを含み、前記複数の心臓健康測定にはECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる、コンピュータプログラム。
【請求項10】
携帯型心臓健康モニタリングのためのコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムは、有形のコンピュータ可読記憶媒体において具現化され、及び
単独で使用され得る携帯機器に組み込まれた光センサから生成された各フレームの平均輝度値によって代表される脈波データに対応した第1のデータセットを受信し、
前記光センサから前記第1のデータセットを受信するための前記携帯機器の使用に伴って、電気センサから心電図(ECG)データに対応した第2のデータセットを受信し、かつ
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットの非侵襲的な測定を用いて、複数の心臓健康測定を実施するための、コンピュータ命令を含み、
前記複数の心臓健康測定を実施するコンピュータ命令は、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させ、
前記ECGデータのR波ピークを検出し、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算する構成を含み、
さらに、前記光センサの解像度及びサンプリングレートを選択するためのコンピュータ命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[他の出願の相互参照]
本出願は、2012年9月12日に出願された、MOBILE CARDIAC HEALTH MONITORINGと題された米国仮特許出願第61/700,260号(代理人整理番号NEURP018+)の優先権を主張し、それは全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
疾病管理予防センターによれば、心臓疾患は米国における主要な死亡原因であり、それは米国における3件の死亡事例毎にそのうちの1件と関与している。例えば、毎年米国内では約200万件の心臓発作及び脳卒中が発生しており、それにより米国は推定4440億ドル/年の医療費を負担している。残念ながら、心臓血管疾患のリスクのある人の約15%は未診断であり、予防的処置を取る可能性が低い。
【0003】
本発明の様々な実施形態を以下の詳細な説明及び添付の図面において開示する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】ケースに収納されたスマートフォンを用いた、いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングシステムの正面図である。
【0005】
図1B】ケースに収納されたスマートフォンを用いた、いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングシステムの背面図である。
【0006】
図2】いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器の構成を示す機能ブロック図である。
【0007】
図3】いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器を用いてユーザーの心電図(ECG)及び脈波を測定する方法を説明する説明図である。
【0008】
図4】いくつかの実施形態におけるECGセンサによって検出されたECG波形を示すグラフである。
【0009】
図5】いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器の光センサによって検出された脈波を示すグラフである。
【0010】
図6】いくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器を用いてECG波形及び脈波から測定された脈波伝播時間(PWTT)を示すグラフである。
【0011】
図7】いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングを実施するためのフロー図である。
【0012】
図8】いくつかの実施形態における携帯型心臓健康モニタリングを実施するための別のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体において具現化されるプロセス;装置;システム;組成物;コンピュータプログラム製品;及び/又はプロセッサに連結されたメモリに記憶された及び/又はメモリによって提供された命令を実行するように構成されるプロセッサなどのプロセッサとして、多数の方法で実装可能である。本明細書では、これらの実装形態、又は本発明がとり得る任意の他の形態は技術と称され得る。概して、開示のプロセスにおけるステップの順序は、本発明の範囲内で変更され得る。特に明記しない限り、タスクを実行するように構成されたとして記載のプロセッサ又はメモリなどの構成要素は、一時的に所定の時間にタスクを実行するように構成される一般的な構成要素、又はタスクを実行するために製造された特定の構成要素として実装され得る。本明細書で使用するとき、用語「プロセッサ」は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するように構成された1つ以上の機器、回路、及び/又は処理コアを指す。
【0014】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細な説明を本発明の原理を説明する添付の図面と共に以下に提供する。このような実施形態に関連して本発明を説明するが、本発明はいずれの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定され、かつ本発明は多数の代替、変更及び等価物を包含する。本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を以下の記載において説明する。これらの詳細は例示のために提供し、本発明はこれらの具体的な詳細の一部又は全てを含まずに特許請求の範囲に従って実施可能である。明確にする目的で、本発明に関連する技術分野で知られている技術項目は、本発明が不必要に不明瞭にならないよう詳細に記載していない。
【0015】
心電図(ECG)信号、心拍数、呼吸数、心拍出量、血液酸素飽和度及び血圧などの複数のバイタルサインを測定可能な従来の心臓血管モニタリングシステムは、手術室、集中治療室(ICU)及び病院施設の患者の部屋において患者の心臓血管機能を評価するために使用されている。しかしながら、このような従来の心臓血管モニタリングシステムは、典型的には扱いにくく不便であり、一般的にはこのような従来の心臓血管モニタリングシステムを操作するために医療従事者を必要とする。心拍出量などの一部の測定は侵襲的である。血圧及び血液酸素飽和度などのいくつかの測定には、カフ又はフィンガークリップを要する。従来の心臓血管モニタリングシステムのこれらの制限によって、種々の心臓疾患を検出、監視及び/又は予防するために個人の心臓の健康状態を個人の日常生活において効率的かつ効果的に監視することは、不可能及び/又は非現実的となる。
【0016】
携帯技術の出現及びバイオセンサの進歩によって、携帯型及び個人中心のヘルスケアシステムを提供するシステムが促進されるよう従来のヘルスケアシステムが変わることが期待される。携帯型モニタリングシステムは、個人の全体的な健康に関する連続した生理学的データ及びより良い情報を提供可能である。例えば、このような携帯型心臓健康モニタリングシステムは、疾患管理によって疾患を予防し、かつ生活の質を向上させることにより、医療費を削減し得る。
【0017】
したがって、連続的かつ非侵襲的な方法で、ECG、心拍数、心拍出量及び血圧などの複数の重要な心臓血管パラメータ及び/又はそれらの指標を監視することによってユーザーの心臓の健康状態を決定する携帯機器を開示する。例えば、ユーザーは好都合なことに、どこにでも手持ち式の携帯機器を持ち運び、そして所望するとき又は必要なとき(例えば、常に、又は必要に応じて、又は都合のよいとき)はいつでもセルフモニタリングを実施できる。
【0018】
ECGを介した心臓の働きの監視は、ECG電極を皮膚に配置して心臓の電気的活動を測定することによって行われる一般的な技術である。装着可能なECG及び心拍数のモニタは、健康状態及び運動活動を監視するために使用されてきた。しかしながら、これらの機器は1つ又は2つのパラメータの測定に限定されている。本明細書に開示するような複数パラメータのモニタリング技術によって、単一パラメータのモニタリングと比較して心臓の健康状態を監視するためのより信頼できる有用な技術が提供される。
【0019】
人々が定期的に自らの血圧を監視するために、血圧の連続的でカフなしの非侵襲的な測定がより望ましい。他の生理学的パラメータを用いた血圧の推定は広く研究されている。一般的に、脈波伝播時間(PWTT)は動脈壁硬化の指標と見なすことができ、かつ血圧の間接的な推定値として使用されてきたことが認められる。PWTTは、ECG及び脈波が同時に記録されるときに、同じ心臓周期におけるECGのR波ピークと脈波の到着との間の時間間隔として測定され得る。PWTTは初め、1976年にGribbinらによって血圧推定の領域に適用された(B.Gribbinら「Pulse wave velocity as a measure of blood pressure change」,Psychophysiology,vol.13,no.1,pp.86-90,1976を参照のこと)。それ以来、研究者はこの方法の機構及び実現可能性を研究してきた。1979年にObristは、PWTTは血圧の指標として使用可能であることを説明した。Laneは1983年に実験によってPWTTと収縮期血圧、拡張期血圧及び平均動脈血圧との間の関係を調査した(P.A.Obristら「Pulse transit time:relationship to blood pressure and myocardial performance」,Psychophysiology,vol.16,no.3,pp.292-301,1979を参照のこと)。以下の論文:M.Y.Wongら「An Estimation of the Cuffless Blood Pressure Estimation Based on Pulse Transit Time Techniques:a Half Year Study on Normotensive Subjects」,Cardiovasc Eng.DOI 10.1007/s 10558-009-9070-7に記載されているように、血圧とPWTTとの間の関係を特徴付けるために、種々の表現が導出されてきた。
【0020】
PWTTはまた、別の重要な心臓血管パラメータである心拍出量を推定するために使用され得ることが研究から示された。心拍出量は一般に、毎分心室から送り出される全血液量を指す。心臓血管系の疾患、特に高血圧及び心不全の流行病は、しばしば心拍出量の変化を伴う。現在、心拍出量は典型的には肺動脈を通過するカテーテルの挿入を伴う侵襲的な測定を用いて実施されているので、通常はICU又は手術室でのみ患者において監視される。PWTTに基づく心拍出量の推定値は、侵襲的な心拍出量の測定値と高い相関があることが研究から示された。従って、本明細書に開示するように、このような非侵襲的技術はユーザーが日常的に心拍出量の傾向を追跡するために便利な方法を提供する。
【0021】
脈波は通常、パルスオキシメータによって測定される。脈波を測定するとき、典型的にはフォトプレチスモグラフ(PPG)センサを指先又は耳たぶに配置して、心臓から末梢点まで移動する脈を追跡する。2つの異なる波長の光は患者を通過して光検出器に入る。各波長での吸光度の変化を測定することで、脈動する動脈血に起因した吸光度を決定できる。C.G.Scullyら「Physiological Parameter Monitoring from Optical Recordings With a Mobile Phone」(IEEE Transaction on Biomedical Engineering,Vol.59,No.2,2012)の最近の研究では、指先をビデオカメラの光レンズに置いたときに、携帯電話の光センサによって検出された色変化信号は脈波の評価として使用可能であることが実証された。
【0022】
スマートフォン及び携帯機器の処理能力及びセンサ機能の増大により、このような携帯機器が便利なヘルスケアモニタ用の装置として機能することが可能となる。いくつかの実施形態では、電気センサ(例えば、2つのECGセンサは携帯機器及び/又は携帯機器のケースに備えられ得/と一体化し得、ECGセンサは、ブルートゥース、無線周波(RF)又は他の無線通信技術を介して携帯機器と無線で通信可能である)及び光センサ(例えば、市販のスマートフォンに備えられた/組み込まれた市販の光センサは、本明細書にさらに記載するように、様々な技術を実装するために使用かつ構成され得る)を含む携帯機器は、脈波を記録し、かつ記録された脈波をECGセンサによって捉えられた同時のECG記録と組み合わせるように構成されるため、血圧及び心拍出量に関連する指標などの他の心臓血管関連情報を導出できる。
【0023】
いくつかの実施形態では、ECG測定モジュール及び分析モジュールを含む、スマートフォン、タブレット又はラップトップなどの手持ち式の携帯機器が提供される。いくつかの実施形態では、ECG測定モジュールは着脱可能に携帯機器に連結されるように構築され、それは携帯機器に取り付けるために、例えば、ドングル(例えば、又は携帯機器と通信及び/又は連結可能な外部構成要素の別の類似の種類)の形態で、又は携帯機器を収納するためのケースの形態で構築され得る。いくつかの実施形態では、ECG機器はチップ又はチップセット(例えば、1つ以上のプロセッサ)の形態で携帯機器の内部に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、ECG測定モジュールは独立型の携帯機器として構築され得、それはブルートゥース、RF又は他の無線通信技術を介して携帯機器と通信できる。
【0024】
いくつかの実施形態では、分析モジュールは、光センサによって検出された様々な画像に基づいて脈波を分析する工程と、脈波を同時に記録されたECGデータと同期させる工程と、心拍出量及び血圧の指標を導出する工程とを含む。いくつかの実施形態では、分析モジュールは携帯機器の中央プロセッサにおいて実行されるソフトウェアプログラムとして実装される。いくつかの実施形態では、ECGセンサは携帯機器のある位置に設置され、それによりユーザーが携帯機器を保持しているときに指を光センサの光レンズ上に置くことによって、ユーザーの手はECGセンサ及び光センサと同時に接触し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、手持ち式の携帯型心臓健康モニタは、ECG、心拍数、血圧及び心拍出量などの複数の心臓血管パラメータ及び/又は関連情報を追跡するために備えられる。いくつかの実施形態では、このような情報は、ユーザーの心臓血管機能及びその経時的変化の評価を手助けするために使用され得る。したがって、医師はこのような情報に基づいて患者を処置し得る。例えば、心臓発作などの心臓血管事象の発症は、例えば、心臓血管パラメータの異常又は急激な変化が検出又は示される場合に検出され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、アルゴリズムは記録部に埋め込まれ、かつリアルタイムで決定を行う。いくつかの実施形態では、データは決定が行われて適切な動作が実行される別の機器又は機能要素(例えば、コンピュータ又は他の計算装置若しくは機能処理装置)に無線送信される。
【0027】
いくつかの実施形態では、オンボードメモリ又はメモリカードなどの記憶部は、異常なパラメータが存在するときに、このようなデータがさらなる評価のために連続的に記録されるように備えられる。いくつかの実施形態では、ユーザーは(例えば、このような記憶部に)自発的かつ連続的にデータを記録し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、無線送信部は(例えば、介護者及び/又は医師に電話又は通知するために)アラームを動作させるため又はコマンドを送信するために、携帯機器に含まれる。いくつかの実施形態では、例えば無線送信部を用いて心臓血管疾患又は心臓発作の事象が決定されたときに、ユーザー/患者の位置情報を通信するためにユーザー/患者の位置情報を記録/記憶するようにGPS要素も含まれる。事象、疾患又は心臓発作が検出されると、患者/介護者/医師が適切な行動をとることができるように警告が発される。状況を阻止又は緩和するために投薬などの処置も行われ得る。
【0029】
図1Aはいくつかの実施形態によるケース中のスマートフォンを用いた携帯型心臓健康モニタリングシステムの正面図を示している。図1Bはいくつかの実施形態によるケース中のスマートフォンを用いた携帯型心臓健康モニタリングシステムの背面図を示している。示されるように、スマートフォン100はECG電極130及び光センサ140を含む。また示されるように、スマートフォン100はスマートフォンケース120に囲まれており、ECG電極130はスマートフォンケース120に組み込まれている。いくつかの実施形態では、ECG電極はスマートフォン100と一体化している。いくつかの実装形態では、スマートフォン100は、様々な実施形態に関連してさらに本明細書において記載するように、携帯型心臓健康モニタリングの様々な技術のために、光センサからのデータを提供するよう光センサ140においてサンプリングレートでピクセル解像度(例えば、30ヘルツ(Hz)で720×480のピクセル解像度など)を選択するように構成され得るプロセッサを含む。いくつかの実装では、他の種類の電気センサは、様々な実施形態に関連してさらに本明細書において記載するように、携帯型心臓健康モニタリングのための様々な技術を実施するために使用可能である。
【0030】
図2はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器の構成を示す機能ブロック図である。特に、図2はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器200の構成を提供する。示されるように、携帯機器200はECG測定モジュール202、表示部212、中央制御部214、記憶部216及び分析モジュール218を含む。
【0031】
図2に示されるように、ECG測定モジュール202は、ユーザーからECGを検出するためのECGセンサ部208、ECG及び心拍数を処理及び分析するための信号処理部206、及びデータを携帯機器200の中央制御部214に送信するための送信部204を含む。
【0032】
表示部212は、例えば、同時かつ連続的な方法で、ECG測定モジュール202からのECG及び心拍数の信号、並びに分析モジュール218からの心拍出量及び血圧の推定値を表示する。
【0033】
記憶部216は、例えば、医療専門家の遡及的検討及び/又はさらなる調査のために検出かつ導出された信号を記憶する。
【0034】
また、図2に示されるように、分析モジュール218は脈波検出部220及び分析部222を含む。分析モジュール218の脈波検出部220は、携帯機器200の光センサ(例えば、図1に関連して示される光センサ140)と接触して置かれた指先の様々な色信号を検出することから脈波データを得るように機能する。いくつかの実装形態では、中央制御部214は携帯機器の光センサから光データを受信するように構成され得る(例えば、いくつかの場合では、中央制御部はまた、30ヘルツ(Hz)で720×480のピクセル解像度など、所望の光センサのピクセル解像度及びサンプリングレートを設定可能である)。
【0035】
いくつかの実装形態では、分析モジュール218の分析部222は、ECG測定モジュール202から受信した同時のECGデータと、脈波検出部220から受信した脈波データとを同期させる。例えば、分析部222は、次にこのような同期されたECGデータ及び脈波データを使用することで、脈波伝播時間(PWTT)を測定でき、また血圧及び心拍出量を推定し得る。いくつかの実施形態では、分析モジュール218は、中央制御部214(例えば、携帯機器の中央プロセッサ)において実行されるソフトウェアプログラムとして実装される。いくつかの実装形態では、分析モジュール又は分析モジュールの特定の機能モジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのハードウェアにおいて実装可能である。
【0036】
例えば、携帯機器200は、次の又は類似の持ち運び可能な計算装置、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、及び/又はラップトップコンピュータのいずれかであり得る。他の例の携帯機器には、装着可能な計算装置(例えば、スマートウォッチ、GPS対応の腕時計、無線対応の装着可能な機器、及び/若しくは他の類似の種類の装着可能な計算装置)、並びに/又は光センサ及び電気センサ(例えば、ECGセンサ)と一体化し得る様々な他の携帯型の計算装置、並びに/又は光センサ及び電気センサ(例えば、ECGセンサ)と一体化し得るこのような携帯型の計算装置に連結されたケースが含まれ得る。
【0037】
図3はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器を用いてユーザーのECG及び脈波を測定する方法を説明する図を示している。特に、図3は、示されるように、ECGセンサと一体化したケースを含む携帯機器300を用いて、同時にECG及び脈波を測定する方法を説明する図を提供する。いくつかの実施形態では、かつ図2を再び参照すると、ECG測定モジュール202は着脱可能に携帯機器に取り付けられるように構成される。例えば、モジュール202は、図3に示されるように、携帯機器300を収容するためのケースの形態で構成され得る。いくつかの実装形態では、ECG測定モジュール202は携帯機器に取り付けられたドングルの形態で構成され得る。図3に示されるように、例えば、ユーザーは片方の手の指を携帯機器300の光レンズに置き、それと同時に両方の手の2本の人差し指/中指をECG電極330に置くことができる。
【0038】
図4はいくつかの実施形態によるECGセンサによって検出されたECGの通常の特徴を示している。ECGは皮膚電極を用いてわずかな電気的変化を検出することにより、心臓の電気的活動を記録する。検出されたECG波形データには、P、Q、R、S及びT波がある。ECG波形の各部分はその身体的な意味を有する。P波は心房脱分極(例えば、又は心房収縮)を反映する。QRS群は心室の急速な脱分極を反映する。T波は心室の再分極(例えば、又は回復)を表している。R−R間隔は心拍間のタイミングを示している。
【0039】
図5はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器の光センサによって検出された脈波を示している。
【0040】
特に、図4及び5は、例えば、図2に関連して上記に示しかつ説明したように、ECG測定モジュール202及び分析モジュール218を用いて検出かつ処理されたECG波形及び脈波を示している。
【0041】
図6はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施する携帯機器を用いてECG波形及び脈波から測定された脈波伝播時間(PWTT)を示している。図6を参照すると、PWTTの出発点はECGにおけるR波のピークであり、脈波における終了点についてはいくつかの異なる選択肢、例えば、底部、ピーク又は最大勾配点がなどある。
【0042】
特に、図6は、同時のECGのデータセット及び脈波のデータセット(例えば、本明細書に記載するような携帯機器の各ECGセンサ及び光センサを用いて捉えられた、同期化されたECGデータ及び脈波データ)からのPWTTの測定を示している。いくつかの実装形態において、同時のECG及び脈波を用いてPWTTの測定値を決定(例えば、推定)するためのプロセスには以下が挙げられる:(1)ECGセンサ及び光センサから検出されたECG及び脈波を同期させる工程;(2)ECGのR波ピークを検出する工程;及び(3)PWTTを計算する工程。いくつかの実施形態では、PWTTは、ECGデータと脈波とが同時に記録されたときに、ECGデータのR波ピークと脈波の到着との間の時間間隔から計算される。いくつかの実施形態では、PWTTはR波ピークから脈波の底部までの時間間隔である。いくつかの実施形態では、PWTTはR波ピークと微分脈波が、例えば微分脈波の30%のピークに到達するときとの間の間隔から計算される。
【0043】
図7はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施するためのフロー図である。いくつかの実施形態では、プロセス700はプロセッサ、光センサ及び電気センサを含む携帯機器を用いて実施される。いくつかの実施形態では、電気センサは携帯機器用のケースに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、電気センサは携帯機器と一体化され得る。702では、光センサから第1のデータセットを受信する工程が実施される。704では、電気センサから第2のデータセットを受信する工程が実施される。706では、光センサからの第1のデータセット及び電気センサからの第2のデータセット用いて、複数の心臓健康測定を実施する。いくつかの実施形態では、電気センサは心電図(ECG)センサを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサはさらに、光センサの解像度(例えば、720×480のピクセル解像度など)を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサはさらに、(例えば、30ヘルツ(Hz)以上のサンプリングレートを使用するためなど)光センサのサンプリングレートを制御するように構成される。いくつかの実施形態において、複数の心臓健康測定には、ECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる。
【0044】
図8はいくつかの実施形態による携帯型心臓健康モニタリングを実施するための別のフロー図である。いくつかの実施形態では、プロセス800はプロセッサ、光センサ及び電気センサを含む携帯機器を用いて実施される。いくつかの実施形態では、電気センサは携帯機器用のケースに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、電気センサは携帯機器と一体化され得る。802では、同時のECGデータ及び脈波データが受信される(例えば、同時のECGデータ及び脈波データは、携帯機器の各ECGセンサ及び光センサを用いて測定され得、及び/又はこのようなセンサは携帯機器用のケースに組み込まれ得る)。804では、同時のECGデータ及び脈波データが同期される。806では、ECGデータのR波ピークが検出される。808では、検出されたR波ピークを用いてPWTTが計算される。いくつかの実施形態では、PWTTは、ECGと脈波とが同時に記録されたときに、ECGのR波ピークと脈波の到着との間の時間間隔から計算される。いくつかの実施形態では、PWTTはR波ピークから脈波の底部までの時間間隔から計算する。いくつかの実施形態では、PWTTはR波ピークと微分脈波が、例えば微分脈波の30%のピークに到達するときとの間の間隔から計算される。810では、計算されたPWTTを用いて複数の心臓健康測定が実施される。
【0045】
計算されたPWTTは、様々な心臓健康測定値を決定するために使用され得る。例えば、計算されたPWTTは、携帯機器を保持するユーザーの血圧の間接的な推定値として使用され得る。別の例として、計算されたPWTTは、心拍出量の推定値を提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、図3に関連して上記に示しかつ説明したように、例えば、ユーザーは、スマートフォンのカメラのレンズに彼/彼女の1本の指を置き、次に、画像又は画像の一部、例えば画像のグレースケール部分がスキャンかつ処理されることで、全てのフレームについて輝度情報が得られる。全ての心拍は、指の先端の毛細血管に到達する血液の波動を形成する。毛細血管が血液で満たされているとき、毛細血管は一般的に光を遮り、低い平均輝度値がもたらされる。血液が後退すると、より多くの光が通過できるため、より高い平均輝度がもたらされる。このようにして、脈波は、例えば、全てのフレームについて平均輝度値を引き出すことによって捉えられる。このプロセスの間、両方の手をECG電極に置くことによってECGは同時に捉えられ得る。データは、例えば、映像及びECG信号のタイムスタンプによって、互いに位置合わせ可能である。PWTTを測定するために、ECG信号からのR波ピークの検出、心拍間検出、及び脈波の特定の点、例えば脈波の底点の検出が実施される。PWTTと血圧及び心拍出量との間の関係を特徴付けるために多くの技術が導出された(例えば、全血圧(BP)は、P.Fungらの2004年9月、カリフォルニア州サンフランシスコの第26回IEEE EMBS年次国際会議の議事録「Continuous Noninvasive Blood Pressure Measurement by Pulse Transit Time」の刊行物に記載されているように、
BP=A/PWTT2+B
によって近似された)。Aは被験者の身長から推定され、
A=(0.6×身長)2×ρ/1.4
である。Bは較正値である。心拍出量(CO)は、H.Ishiharaら「A New Non-invasive Continuous Cardiac Output Trend Solely Utilizing Routine Cardiovascular Monitors」,Journal of Clinical Monitoring and Computing,18:313-320,2004に記載されているように、
CO=K×(α×PWTT+β)×HR
として導出され得、式中、HRは心拍数を表し、K、α及びβは較正により得られる。血圧及び心拍出量の推定に加えて、他の生理学的パラメータ、例えば心拍数、心拍変動及び呼吸数などもまた、本システムによって監視可能である。
【0046】
理解を明確にするために、前述の実施形態をある程度詳細に説明してきたが、本発明は提供した詳細に限定されるものではない。本発明を実装するための多くの代替法が存在する。開示の実施形態は例示であって制限するものではない。例えば、本発明は以下の適用例としても実施可能である。
[適用例1]携帯型心臓健康モニタリングのための装置であって、
携帯機器のプロセッサと、
前記プロセッサに連結され、かつ前記プロセッサに命令を提供するように構成されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、
光センサから第1のデータセットを受信し、
電気センサから第2のデータセットを受信し、かつ
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットを用いて、複数の心臓健康測定を実施するように構成される、装置。
[適用例2]適用例1に記載の装置であって、前記電気センサは心電図(ECG)センサを含み、前記複数の心臓健康測定には1つ以上の以下の事項:ECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる、装置。
[適用例3]適用例1に記載の装置であって、前記電気センサは前記携帯機器用のケースに組み込まれる、装置。
[適用例4]適用例1に記載の装置であって、前記電気センサは前記携帯機器と一体化される、装置。
[適用例5]適用例1に記載の装置であって、前記プロセッサはさらに、
前記光センサの解像度及びサンプリングレートを制御するように構成される、装置。
[適用例6]適用例1に記載の装置であって、前記プロセッサはさらに、
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセットを用いて、ユーザーの血圧及び心拍出量に関連する指標を決定するように構成される、装置。
[適用例7]適用例1に記載の装置であって、前記プロセッサはさらに、
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセット用いて、脈波伝播時間(PWTT)を決定するように構成される、装置。
[適用例8]適用例1に記載の装置であって、前記光センサから検出された前記第1のデータセットは脈波データを含み、前記電気センサから検出された前記第2のデータセットは心電図(ECG)データを含み、前記プロセッサはさらに、
前記脈波データ及び前記ECGデータを用いて脈波伝播時間(PWTT)を決定するように構成される、装置。
[適用例9]適用例1に記載の装置であって、前記光センサから検出された前記第1のデータセットは脈波データを含み、前記電気センサから検出された前記第2のデータセットは心電図(ECG)データを含み、前記プロセッサはさらに、
同時の前記ECGデータ及び前記脈波データを受信し、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させ、かつ
前記ECGデータ及び前記脈波データを用いて脈波伝播時間(PWTT)を決定するように構成される、装置。
[適用例10]適用例1に記載の装置であって、前記光センサからの前記第1のデータセットは脈波データを含み、前記電気センサからの前記第2のデータセットは心電図(ECG)データを含み、前記プロセッサはさらに、
同時の前記ECGデータ及び前記脈波データを受信し、
前記ECGデータと前記脈波データとを同期させ、
前記ECGデータのR波ピークを検出し、かつ
検出された前記ECGデータのR波ピークを用いて脈波伝播時間(PWTT)を計算するように構成される、装置。
[適用例11]携帯型心臓健康モニタリングのための方法であって、
携帯機器の光センサから第1のデータセットを受信する工程と、
電気センサから第2のデータセットを受信する工程と、
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセット用いて、複数の心臓健康測定を実施する工程と、を含む、方法。
[適用例12]適用例11に記載の方法であって、前記電気センサは心電図(ECG)センサを含み、前記複数の心臓健康測定にはECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる、方法。
[適用例13]適用例11に記載の方法であって、前記電気センサは前記携帯機器用のケースに組み込まれる、方法。
[適用例14]適用例11に記載の方法であって、前記電気センサは前記携帯機器と一体化される、方法。
[適用例15]適用例11に記載の方法であって、さらに、
前記光センサの解像度及びサンプリングレートを制御する工程を含む、方法。
[適用例16]携帯型心臓健康モニタリングのためのコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラム製品は、有形のコンピュータ可読記憶媒体において具現化され、及び
携帯機器の光センサから第1のデータセットを受信し、
電気センサから第2のデータセットを受信し、かつ
前記光センサからの前記第1のデータセット及び前記電気センサからの前記第2のデータセット用いて、複数の心臓健康測定を実施するための、コンピュータ命令を含む、コンピュータプログラム製品。
[適用例17]適用例16に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記電気センサは心電図(ECG)センサを含み、前記複数の心臓健康測定にはECG、心拍数、血圧及び心拍出量が含まれる、コンピュータプログラム製品。
[適用例18]適用例16に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記電気センサは前記携帯機器用のケースに組み込まれる、コンピュータプログラム製品。
[適用例19]適用例16に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記電気センサは前記携帯機器と一体化される、コンピュータプログラム製品。
[適用例20]適用例16に記載のコンピュータプログラム製品であって、さらに、
前記光センサの解像度及びサンプリングレートを制御するためのコンピュータ命令を含む、コンピュータプログラム製品。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8