【文献】
LIU Weishan,SlipChip for Immunoassays in Nanoliter Volumes,Anal Chem,2010年 4月15日,Vol.82 No.8,Page.3276-3282
【文献】
Du W,SlipChip,Lab on a chip,2009年 8月21日,Vol.9 No.16,Page.2286-2292,Epub 2009 May 15
【文献】
Song Y,Multiplexed volumetric bar-chart chip for point-of-care diagnostics,Nat Commun,2012年12月18日,Vol.3,Page.1283
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の装置であって、前記試薬が、複数の横列に置かれ、1つの横列が、前記捕捉剤、結合された前記分析物および結合された前記プローブを含む前記横列に隣接し、前記横列の残りが、増幅剤を含む横列と互い違いになって、前記試薬を含み、前記試薬と前記増幅剤との反応が、前記試薬と前記プローブとの前記反応によって生成されたガスの量より多いが比例する量のガスを生成する、装置。
請求項3に記載の方法であって、前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する別個の凹部でそれぞれ結合される複数のタンパク質特異的抗体をさらに含む、方法。
請求項3に記載の方法であって、前記複数のチャネルに含まれるインクの進行が、前記試料に存在する前記標的タンパク質または他のバイオマーカーもしくは他の分子分析物の量を表示する、方法。
請求項3に記載の方法であって、前記頂部プレートおよび前記底部プレートが、ガラス、シリコン、プラスチック、セラミック、石英および金属酸化物からなるグループから選択された材料から作製される、方法。
請求項3に記載の方法であって、前記複数のチャネルと連通する前記複数の縦列が、前記試料に存在する前記標的タンパク質、および、他のタイプのバイオマーカーまたは分析物のうちの一方または双方の量を定量するための読取りパネルを形成する、方法。
請求項3に記載の方法であって、試料に存在する前記標的タンパク質、バイオマーカーまたは分析物が、タンパク質、核酸、ペプチド、糖、有機化合物、ポリマー、金属イオン、バクテリア、細胞および粒子からなるグループから選択される、方法。
請求項14に記載の方法であって、前記プローブおよび試薬が、カタラーゼおよび過酸化水素と、白金膜または白金粒子および過酸化水素と、カタラーゼおよび過酸化尿素と、亜鉛および塩素酸と、鉄および塩素酸とからなるグループから選択される、方法。
請求項14に記載の方法であって、前記頂部プレートおよび前記底部プレートが、ガラス、シリコン、プラスチック、セラミック、石英および金属酸化物からなるグループから選択された材料から作製される、方法。
請求項14に記載の方法であって、前記複数のチャネルと連通する前記複数の縦列が、前記試料に存在する前記分析物の量を定量するための読取りパネルを形成する、方法。
請求項14に記載の方法であって、結合された前記分析物およびプローブが、アッセイのサンドイッチを形成し、前記アッセイのサンドイッチが、ELISA、核酸ハイブリダイゼーション、水素結合、静電気反応、および、共有結合の形成からなるグループから選択された1つによって形成される、方法。
請求項14に記載の方法であって、試料に存在する前記標的分析物が、タンパク質、核酸、ペプチド、糖、有機化合物、ポリマー、金属イオン、バクテリア、細胞および粒子からなるグループから選択される、方法。
請求項14に記載の方法であって、前記試薬と前記プローブとの反応が、前記試料に存在する前記分析物の量を反映する量のガスを生成し、さらに、前記試薬が、複数の横列に置かれ、1つの横列が、前記捕捉剤、結合された前記分析物および結合された前記プローブを含む前記横列に隣接し、前記横列の残りが、増幅剤を含む横列と互い違いになって、前記試薬を含み、前記試薬と前記増幅剤との反応が、前記試薬と前記プローブとの前記反応によって生成されたガスの量より多いが比例する量のガスを生成する、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]これらのおよび他の目的は、試料に存在するタンパク質の量(および好ましくは
複数のタンパク質の量)のポイントオブケア定量のための新規の方法および装置の提供お
よび使用によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明の一形態では、試料に存在する標的タンパク質および/または他のタイプ
のバイオマーカーまたは分析物の量を定量するための装置が提供され、前記装置が、
[0008]互いに平行に延在する複数の横列(row)を形成するように配列された複数の
凹部を備える頂部プレートと、
[0009]互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部、およ
び底部プレートの前記複数の横列に垂直に延在する複数のチャネルを備える、底部プレー
トとを備え、
[0010]前記頂部プレートが、前記底部プレートの上にあり、前記頂部プレートの前記凹
部が、複数の横列を形成するように前記底部プレートの前記凹部と連通するように、前記
頂部プレートと前記底部プレートが、共に組み立てられ、
[0011]複数の縦列(column)を形成するために、前記頂部プレートと前記底部プ
レートのうち少なくとも一方が、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対し
てスライドするように構成され、前記複数の縦列のそれぞれが前記複数のチャネルのそれ
ぞれと連通する。
【0008】
[0012]本発明の別の形態では、試料に存在する標的タンパク質および/または他のタイ
プのバイオマーカーまたは分析物の量を定量するための方法において、装置が、
[0013]互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部を備え
る頂部プレートと、
互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部、および底部
プレートの前記複数の横列に垂直に延在する複数のチャネルを備える、底部プレートとを
備え、
前記頂部プレートが、前記底部プレートの上にあり、前記頂部プレートの前記凹部が、
複数の横列を形成するように前記底部プレートの前記凹部と連通するように、前記頂部プ
レートと前記底部プレートが、共に組み立てられ、
複数の縦列を形成するために、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち少なくとも
一方が、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドするように構
成され、前記複数の縦列のそれぞれが前記複数のチャネルのそれぞれと連通する、装置を
提供するステップと、
[0014]前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する少なくとも1つの凹
部でタンパク質特異的抗体を結合させるステップと、
[0015]前記タンパク質特異的抗体を含む前記横列に隣接する凹部に過酸化水素を置くス
テップと、
[0016]前記複数のチャネルに隣接する横列の凹部にインクを置くステップと、
[0017]前記タンパク質特異的抗体を含む前記少なくとも1つの凹部に試料を置くステッ
プと、
[0018]前記タンパク質特異的抗体および前記試料を含む前記少なくとも1つの凹部にカ
タラーゼを置くステップと、
[0019]前記複数の縦列を形成するように、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち
の一方を、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドさせるステ
ップであって、それぞれの縦列が、前記複数のチャネルのうちの1つと連通する、スライ
ドさせるステップと、
[0020]前記複数のチャネルに含まれる前記インクの長手方向位置を検出することによっ
て、前記試料に存在する前記標的タンパク質および/または他のバイオマーカーおよび/
または他の分子分析物の量を定量するステップとを含む、方法が提供される。
【0009】
[0021]本発明の別の形態では、試料に存在する標的分析物の量を定量するための方法に
おいて、装置が、
[0022]互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部を備え
る頂部プレートと、
互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部、および底部
プレートの前記複数の横列に垂直に延在する複数のチャネルを備える底部プレートとを備
え、
前記頂部プレートが、前記底部プレートの上にあり、前記頂部プレートの前記凹部が、
複数の横列を形成するように前記底部プレートの前記凹部と連通するように、前記頂部プ
レートと前記底部プレートが、共に組み立てられ、
複数の縦列を形成するために、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち少なくとも
一方が、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドするように構
成され、前記複数の縦列のそれぞれが前記複数のチャネルのそれぞれと連通する、装置を
提供するステップと、
[0023]前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する少なくとも1つの凹
部で捕捉剤を結合させて、試料に含まれる分析物が前記捕捉剤に結合されるように前記少
なくとも1つの凹部中に前記試料を導入して、前記結合された分析物にプローブを結合さ
せるステップと、前記捕捉剤、結合された分析物および結合されたプローブを含む前記横
列に隣接する凹部に試薬を置くステップと、前記複数のチャネルに隣接する横列の凹部に
インクを置くステップと、
[0024]前記複数の縦列を形成するように、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち
の一方を、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドさせるステ
ップであって、それぞれの縦列が、前記複数のチャネルのうちの1つと連通する、スライ
ドさせるステップと、
[0025]前記複数のチャネルに含まれる前記インクの長手方向位置を検出することによっ
て、前記試料に存在する前記分析物の前記量を定量するステップとを含む、方法が提供さ
れる。
【0010】
[0026]本発明の別の一形態では、試料に存在する標的タンパク質および/または他のタ
イプのバイオマーカーまたは分析物の量を定量するための装置が提供され、前記装置が、
[0027]少なくとも1つの凹部を備える頂部プレートと、
[0028]少なくとも1つの凹部、および底部プレートの前記少なくとも1つの凹部と連通
する少なくとも1つの紆曲形チャネルを備える底部プレートとを備え、
[0029]前記頂部プレートの前記少なくとも1つの凹部を、前記底部プレートの前記少な
くとも1つの凹部と位置合せするために、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち少
なくとも一方が、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドする
ように構成され、その結果、前記頂部プレートの前記少なくとも1つの凹部と、前記底部
プレートの前記少なくとも1つの凹部と、前記底部プレートの前記少なくとも1つの凹部
と連通する前記少なくとも1つの紆曲形チャネルとの間に流体連通が存在する。
【0011】
[0030]本発明のこれらのおよび他の、目的および特徴は、添付の図面と共に検討される
本発明の以下の詳細な説明によって、より完全に開示されまたは明らかになるであろう。
図面では、同様の符号は同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】血液試料が患者から採取され、次いで比較的大型の複雑な器具によって処理される、タンパク質ベースのバイオマーカーアッセイの典型的な先行技術手法を示す図である。
【
図2】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップを示す図である。
【
図3】
図2の新規の多重化体積測定バーチャートチップ、および多重化体積測定バーチャートチップを読み取るために使用され得るバーコードスキャナーを示す図である。
【
図4】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップのさらなる詳細を示す図である。
【
図5】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップのさらなる詳細を示す図である。
【
図6】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップのさらなる詳細を示す図である。
【
図7】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップのさらなる詳細を示す図である。
【
図8】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップのさらなる詳細を示す図である。
【
図9】多重化体積測定バーチャートチップの頂部プレートおよび底部プレートの凹部およびチャネルを形成するために使用され得るエッチングプロセスの概略図である。
【
図10】本発明の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作の概略図である。
【
図11】本発明の多重化体積測定バーチャートチップの使用を示す概略図である。
【
図12】本発明の多重化体積測定バーチャートチップの使用を示す概略図である。
【
図13】底部プレートに対して頂部プレートを斜めにスライドさせる以前の本発明の多重化体積測定バーチャートチップを示す図である。
【
図14】本発明に従って得られた種々の試料の試験結果を示す図である。
【
図15】本発明に従って得られた種々の試料の試験結果を示す図である。
【
図16】本発明に従って得られた種々の試料の試験結果を示す図である。
【
図17】本発明の方法に従って実行された具体的なステップを示す図である。
【
図18】本発明の方法に従って実行された具体的なステップを示す図である。
【
図19】本発明の方法に従って実行された具体的なステップを示す図である。
【
図20】本発明の方法に従って実行された具体的なステップを示す図である。
【
図21】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図22】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図23】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図24】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図25】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図26】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図27】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図28】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図29】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図30】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図31】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図32】本発明の一形態の多重化体積測定バーチャートチップの組立ておよび操作を示す一連の概略図である。
【
図33】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図34】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図35】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図36】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図37】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図38】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図39】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図40】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図41】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図42】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図43】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図44】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図45】試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分子分析物の量に従って、種々のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にどのように多重化体積測定バーチャートチップ中を進むかを示す一連の概略図である。
【
図46】DNAアッセイスキームおよび酸素発生機構に従って実行された具体的なステップを示す図である。
【
図47】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図48】
図47の多重化体積測定バーチャートチップを使用して、白金ウェル中に押し込まれた過酸化水素水の画像を示す図である。
【
図49】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図50】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図51】本発明の新規の多重化体積測定バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図52】白金ナノ粒子が、カタラーゼの代わりに利用される、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図53】チャネル(複数可)が、紆曲形構成で配列された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図54】チャネルが、直線およびV字型構成で配列された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図55】新規の多重化バーチャートチップが、原発性肝細胞癌のリスク評価アッセイ用に構成された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図56】新規の多重化バーチャートチップが、乳がんのリスク/診断アッセイ用に構成された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図57】新規の多重化バーチャートチップが、敗血症評価アッセイ用に構成された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図58】新規の多重化バーチャートチップが、薬物乱用評価アッセイ用に構成された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図59】新規の多重化バーチャートチップが、いくつかの重要な生理学的バイオマーカーのアッセイ用に構成された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【
図60】新規の多重化バーチャートチップが、DNA、RNAおよび/またはマイクロRNA標的のアッセイ用に構成された、本発明の新規の多重化バーチャートチップの代替実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0031]本発明は、試料に存在するタンパク質の量(および好ましくは複数のタンパク質
の量)のポイントオブケア定量のための新たな方法および装置を提供する。
多重化体積測定バーチャートチップ
[0032]ここで
図2を参照すると、より具体的には、本発明の1つの好ましい形態では、
新規の多重化体積測定バーチャートチップ5が提供される。多重化体積測定バーチャート
チップ5は、試料に存在し得る複数のタンパク質の量を同時に定量するように構成され、
試料に存在するそれぞれのタンパク質の量が、複数のバーチャネル10のうちの特定の1
つに表示される。限定しないが例として、6、10、30および50重化または50重化
より多く、チャネルが、多重化体積測定バーチャートチップ5に組み込まれ得る。バーチ
ャネル10は、(
図2に示すように)直線または曲線(例えば、紆曲形、円形、Z字型)
、または長さを有する一連のチャネルを具備する任意の他の構成で形成され得る。この構
造の結果、特定のバーチャネル10の概観は、試料に存在し得る特定のタンパク質の量を
表示し、有意には、複数のバーチャネル10の集合的なアレイが、バーチャート形態で、
試料に存在し得る複数のタンパク質の量を同時に表示し、これによって、多タンパク質の
量測定値ひいてはより包括的な診断結果を提供する。
【0014】
[0033]
図3に示すように、多重化体積測定バーチャートチップ5によってバーチャート
形態で提示される多タンパク質測定値は、次いでスマートフォンまたはバーコードスキャ
ナー15を用いて読み取ることができ、これによって、データ収集プロセスを自動化する
ことができる。
【0015】
[0034]ここで
図4〜
図8を参照すると、多重化体積測定バーチャートチップ5が、2つ
のプレート、透明な頂部プレート20と底部プレート25(これは透明であってもなくと
もよい)とを備える。
【0016】
[0035]頂部プレート20(
図5および
図6)は、その下表面に形成された複数の凹部3
0を有し、凹部30が複数の横列35(すなわち35A、35B、35C、他)に配列さ
れ、凹部30のそれぞれが、所与の横列35の軸に対して45度の角度で延在し、1つの
横列35の凹部30が、隣接する横列35のオフセット凹部30と位置合せされる。イン
レット40が、最終横列35Aの離れた側の凹部30に接続され、アウトレット45が、
同じ最終横列35Aの逆の離れた側の凹部30に隣接して形成される。インレット50は
、最終から2番目の横列35Bの離れた側の凹部30に接続され、アウトレット55は、
同じ最終から2番目の横列35Bの逆の離れた側の凹部30に隣接して形成される。最終
から3番目の横列35Cは、インレットもアウトレットもない。インレット60は、最終
から4番目の横列35Dの離れた側の凹部30に接続され、アウトレット65は、同じ最
終から4番目の横列35Dの逆の離れた側の凹部30に隣接して形成される。
【0017】
[0036]ここで
図9を参照すると、本発明の1つの好ましい形態では、凹部30、インレ
ット40、50、60およびアウトレット45、55、65が、エッチング技術ではよく
知られる部類の従来型エッチングプロセスを使用して、頂部プレート20の下表面に全て
形成される。好ましくは、凹部30、インレット40、50、60およびアウトレット4
5、55、65が、ガラスプレートの下表面でエッチングされる。代替的に、凹部30、
インレット40、50、60およびアウトレット45、55、65が、シリコンプレート
、プラスチックプレート、セラミックプレート、石英プレート、金属酸化物プレートまた
は他の適切な基体材料で形成され得る。
【0018】
[0037]底部プレート25は、その上表面に形成された複数の凹部70を有し、凹部70
が、複数の横列75(すなわち75A、75B、75C、他)で配列され、凹部70のそ
れぞれが、所与の横列75の軸に対して45度の角度で延在し、1つの横列75の凹部7
0が、隣接する横列75のオフセット凹部70と位置合せされる。アウトレット80が、
最終横列75Aの離れた側の凹部70に接続される。アウトレット85が、最終から2番
目の横列75Bの離れた側の凹部70に接続される。最終から3番目の横列75Cは、ア
ウトレットがない。アウトレット90は、最終から4番目の横列75Dの離れた側の凹部
70に接続される。加えて、複数のバーチャネル10が、底部プレート25の上表面に形
成され、バーチャネル10のそれぞれが、最終から4番目の横列75Eの凹部70(
図8
参照)に接続され、バーチャネル10のそれぞれが、互いに平行に、また横列75の軸に
垂直に延在する。
【0019】
[0038]ここで
図9を参照すると、本発明の1つの好ましい形態では、凹部70、アウト
レット80、85、90およびバーチャネル10が、エッチング技術ではよく知られる部
類の従来型エッチングプロセスを使用して、底部プレート25の上表面に全て形成される
。好ましくは、凹部70、アウトレット80、85、90およびバーチャネル10が、ガ
ラスプレートの上表面でエッチングされる。代替的に、凹部70、アウトレット80、8
5、90およびバーチャネル10が、シリコンプレート、プラスチックプレート、セラミ
ックプレート、石英プレート、金属酸化物プレートまたは他の適切な基体材料で形成され
得る。
多重化体積測定バーチャートチップの組立体
[0039]次に
図10を参照すると、頂部プレート20は、頂部プレート20の凹部30が
底部プレート25の凹部70と連通するように、底部プレート25の上に組み立てられる
。より具体的には、このように、頂部プレート20が底部プレート25の上に組み立てら
れるとき、多重化体積測定バーチャートチップ5の複数の連続的な横列95(すなわち9
5A、95B、95C、95D、他)を最初に形成するように、頂部プレート20の凹部
30が、底部プレート25の凹部70と協働し、最終横列95Aのインレット40が、最
終横列95Aのアウトレット45に接続され、最終から2番目の横列95Bのインレット
50が、最終から2番目の横列95Bのアウトレット55に接続され、最終から4番目の
横列95Dのインレット60が、最終から4番目の横列95Dのアウトレット65に接続
される。上に述べたように、最終から3番目の横列95Cは、インレットもアウトレット
もない。
【0020】
[0040]ここでさらに
図10を参照すると、頂部プレート20の凹部30および底部プレ
ート25の凹部70の配置に因り、底部プレート25に対して頂部プレート20が斜めに
スライドすると、前述の横列95が崩れ、これらが変形して複数の連続的な縦列100(
すなわち100A、100B、100C、他)になり、それぞれの縦列100が、前述の
バー縦列10のうちの1つと流体連通することが理解されよう。
多重化体積測定バーチャートチップを使用した試料に存在する複数のタンパク質の量の定
量
[0041]先の構造を考慮すると、多重化体積測定バーチャートチップ5は、試料に存在す
る複数のタンパク質の量を同時に定量するために使用され、それぞれの特定のタンパク質
の量が、複数のバーチャネル10のうちの特定の1つに表示され得る。
【0021】
[0042]ここで
図11および
図12を参照すると、より具体的には、以下のさらなる詳細
を下文で検討するが、多重化体積測定バーチャートチップ5の製造中に、別個のタンパク
質特異的抗体が、最終から2番目の横列35Bの凹部30で付着される。結果として、底
部プレート20および頂部プレート25が、共に組み立てられた後で、横列75Bが、一
連の別個のタンパク質特異的抗体を含み、別個のタンパク質特異的抗体が、横列75Bの
それぞれの凹部30に位置づけされる。
【0022】
[0043]使用の前に、過酸化水素(H2O2)が、多重化体積測定バーチャートチップ5
のインレット40に導入され、これによって、多重化体積測定バーチャートチップ5の最
終横列75Aを過酸化水素で充填する。赤色インク(または、頂部プレート25を通して
、底部プレート20と対照して容易に識別可能な他のいくつかの色の材料)が、多重化体
積測定バーチャートチップ5のインレット60に導入され、これによって、多重化体積測
定バーチャートチップ5の最終から4番目の横列75Dを赤色インクで充填する。最終か
ら3番目の横列75Cに、空気スペーサとして働くように意図的に空所が残され、それに
よって、試料と赤色インクとの間の直接の接触を回避する。
【0023】
[0044]次いで、試料が、特定のタンパク質(すなわち、横列75Bの凹部30に既に結
合されたタンパク質特異的抗体に結合するタンパク質)の存在および/または量に関して
チェックされるものであるとき、試料が最終から2番目の横列75Bを充填するように、
試料は、多重化体積測定バーチャートチップ5のインレット50に導入される。この動作
により、試料が、凹部30で底部プレート20に付着した別個のタンパク質特異的抗体と
混合され、その結果、標的タンパク質が、凹部30中の適切なタンパク質特異的抗体と結
合する。それぞれの標的タンパク質が、有意に1つのタンパク質特異的抗体のみに結合し
、こうした結合が、最終から2番目の横列75Bの凹部30のうちの1つのみで起こる。
その後は、最終から2番目の横列75Bが、タンパク質特異的抗体に結合されないいずれ
かの材料を取り除くように赤くなる。
【0024】
[0045]次に、カタラーゼが、最終から2番目の横列75Bを充填するように多重化体積
測定バーチャートチップ5のインレット50に導入される。この動作により、カタラーゼ
が、凹部30でタンパク質特異的抗体にそれ自体結合された標的タンパク質に結合する。
この目的を達成するために、カタラーゼは、標的タンパク質に結合する必要があるプロー
ブを検出する全てのカタラーゼの混合物(例えば、検出する抗体およびカタラーゼ分子と
共役したシリカナノ粒子)であることが理解されよう。次いで、過剰なカタラーゼは、最
終から2番目の横列75Bからすすぎ落とされる。
【0025】
[0046]その後、頂部プレート25が、底部プレート20に対して斜めにスライドするこ
とにより、横列75(すなわち75A、75B、75C、75D、他)が、崩れ、変形し
て縦列100(すなわち100A、100B、100C、他)になる。この横列から縦列
への変形が起こるとき、以前に最終から2番目の横列75Bに位置づけされたそれぞれの
凹部30(タンパク質特異的抗体およびそれに結合された任意の標的タンパク質およびそ
の標的タンパク質に結合された任意のカタラーゼを含む)が、特定の縦列100(すなわ
ち100A、100B、100C、他)の一区画として組み込まれる。加えて、この横列
から縦列への変形が起こるとき、横列75Aに含まれる過酸化水素は、縦列100のそれ
ぞれに進むことが可能になり、それによって、標的タンパク質(これ自体タンパク質特異
的抗体に結合される)に結合されたいずれかのカタラーゼと混合され、この混合により、
酸素ガスを放出する反応が起こる。酸素ガスは、所与の縦列に存在するカタラーゼの量に
比例して(ひいては、所与の縦列に存在する標的タンパク質の量に比例して)生成される
。したがって、所与の縦列100で生成される酸素ガスの量は、所与の縦列100に存在
する標的タンパク質の量に比例し、縦列100のそれぞれが、(縦列100のそれぞれが
、別個のタンパク質特異的抗体を含むという事実の効力によって)別個の標的タンパク質
を含む。反応によって生成される酸素ガスは、縦列100の制限された体積内で蓄積し、
圧力の上昇を引き起こし、この圧力が、縦列100に含まれる赤色インクを、バー縦列1
0中へ、またそれに沿って推進し、インクが、その縦列で生成された酸素ガスの量に比例
する、バー縦列10に沿った距離を進み、この距離は、その縦列に関連する凹部に配置さ
れたタンパク質特異的抗体に結合された標的タンパク質の量に比例する。
【0026】
[0047]先の結果として、底部プレート20の横列35の凹部30の別個の1つずつに別
個のタンパク質特異的抗体を配置することによって、多重化体積測定バーチャートチップ
5が、試料に存在する複数のタンパク質の量を同時に定量するために使用され、それぞれ
のタンパク質の量が、複数のバーチャネル10の特定の1つに表示され得る。例えば、図
13〜
図16を参照すると、
図13に、底部プレート20に対して頂部プレート25が斜
めにスライドする前の多重化体積測定バーチャートチップ5を示し、
図14〜
図16に、
種々の試料の試験結果を示す。
【0027】
[0048]
図17〜
図20に、先のプロセスの特定のステップを示す。具体的には、
図17
に底部プレート20の凹部30で結合されたタンパク質特異的抗体を示し、
図18に、底
部プレート20の凹部30中にロードされた試料を示し、これらによって、標的タンパク
質をタンパク質特異的抗体に結合させる。
図19に、カタラーゼを標的タンパク質(これ
自体タンパク質特異的抗体に結合される)に結合するように、凹部30中にロードされた
カタラーゼを示し、
図20に、凹部30にロードされた過酸化水素を示し、これらによっ
て、凹部30に存在する標的タンパク質の量に比例する酸素ガスを放出する。
【0028】
[0049]必要ならば、同一のタンパク質特異的抗体が、底部プレート20の最終から2番
目の横列35Bの複数の凹部30で結合され、これによって余剰をもたらす。
【0029】
[0050]
図21〜
図32は、本発明の1つの好ましい形態の多重化体積測定バーチャート
チップの組立体および操作を示す一連の概略図である。
【0030】
[0051]
図33〜
図45は、所与のバーチャネル中のインクが、時間経過と共にそのバー
チャネルに沿った距離をどのように進むかを示す一連の概略図であり、その距離が、その
バーチャネルに関連する凹部中に配置されたタンパク質特異的抗体に結合された標的タン
パク質の量に比例し、これによって、多重化体積測定バーチャートの形態で同時に多タン
パク質アッセイの結果を表示する。
【0031】
[0052]本発明の新規の方法および装置は、瞬時のかつ視覚的な標的バイオマーカーの定
量または他の分子分析を提供し、器具、データ処理または図形描画を使用することなく視
覚的なバーチャートを提供する。このように、本発明の新規の方法および装置が、複雑な
器具の使用を必要としないので、本発明の新規の方法および装置は、試料に存在するタン
パク質の量(および好ましくは複数のタンパク質の量)のポイントオブケア定量として容
易に使用され得る。より具体的には、本発明の新規の方法および装置が、タンパク質、核
酸、ペプチド、糖、有機化合物、ポリマー、金属イオン、および/または他の分子分析物
の量、並びにバクテリア、細胞および/または粒子の量のポイントオブケア定量として使
用され得る。
代替のプローブおよび/または試薬
[0053]先の説明では、ガスが、ELISAプローブの試薬との反応によって発生し、具
体的には、ガスが、ELISAプローブ(すなわち、カタラーゼに結合された標的タンパ
ク質に結合されたタンパク質特異的抗体)の過酸化水素との反応によって発生する。プロ
ーブと試薬との多くの他の組合せが、ガスを発生させるために使用され得ることに留意す
ることが重要である。限定しないが例として、こうしたプローブと試薬との組合せには、
カタラーゼと過酸化水素、白金膜または白金粒子と過酸化水素、カタラーゼと過酸化尿素
、亜鉛と塩素酸、鉄と塩素酸、および他の類似の組合せが含まれ得る。したがって、多重
化体積測定バーチャートチップの読取りが、ガス発生の体積測定値に基づくので、多くの
迅速な反応のガス発生スキームが、このシステムのために使用され、カタラーゼと過酸化
水素、白金膜または白金粒子と過酸化水素、カタラーゼと過酸化尿素、亜鉛と塩素酸、鉄
と塩素酸、および他の類似の組合せを含むことができる。
【0032】
[0054]さらに、多重化体積測定バーチャートチップが、サンドイッチアッセイに基づく
。先の説明では、捕捉抗体が、分析物に結合し、カタラーゼプローブと共役する検出抗体
が、量を表示する。このように、サンドイッチスキームは、捕捉抗体/分析物/カタラー
ゼプローブと共役する検出抗体から構成される。
【0033】
[0055]このタイプのサンドイッチスキームは、核酸ハイブリダイゼーションに拡張する
こともでき、このサンドイッチは、捕捉DNA鎖/標的鎖/検出DNA鎖(すなわち、標
的鎖が、相補的捕捉DNA鎖である第1の半分と、相補的検出DNA鎖である第2の半分
とを有する)である。限定しないが例として、
図46を参照すると、この図にDNAアッ
セイスキームおよび酸素生成機構に従って実行される具体的なステップを示す。
【0034】
[0056]加えて、このタイプのサンドイッチスキームは、水素結合、静電気反応もしくは
相互作用、または共有結合に拡張することもでき、標的分析物は、水素結合、静電気反応
もしくは相互作用か、共有結合の形成のどれかによって分析物に付着することができる、
コーティングをもつ表面によって捕捉される。次いで、付着したまたは結合した分析物の
読取りは、カタラーゼプローブを用いた検出抗体によって検出され得る。これらのタイプ
のサンドイッチは、カタラーゼを用いた検出抗体の(水素結合、静電気相互作用、または
共有結合の付着力をもつ)表面/分析物/プローブである。
カスケード的増幅を利用した多重化体積測定バーチャートチップの代替実施形態
[0057]ここで
図47を参照すると、本発明の別の実施形態では、標的タンパク質または
他のタイプのバイオマーカーまたは他の分析物の量を定量するために、本発明に従って使
用され得る、新規の多重化体積測定バーチャートチップ200が提供され、標的タンパク
質または他のタイプのバイオマーカーまたは他の分析物の量を定量するための信号が増幅
される。
【0035】
[0058]より具体的には、多重化体積測定バーチャートチップ200が、2つのガラスプ
レートと、透明な頂部プレート220と、底部プレート225(これは透明であってもな
くともよい)とを備える。
【0036】
[0059]横列の凹部が、ELISA試薬(アッセイ)(すなわち、試料およびカタラーゼ
が結合されたタンパク質特異的抗体)、過酸化水素、白金膜、過酸化水素、白金膜、過酸
化水素、白金膜およびインク、を用いて充填されるように、複数の横列が、多重化体積測
定バーチャートチップ200上に配列されることを除き、頂部プレート220および底部
プレート225は、上記で検討した頂部プレート20および底部プレート25と類似する
。
【0037】
[0060]ELISA試薬が、過酸化水素と反応するとき、酸素が発生し、その酸素が試料
に存在する標的抗体の量に比例する。ELISA反応によって発生した酸素は、未反応の
過酸化水素の量(これは、ELISA反応から生成された酸素の量に比例する)を、チッ
プ(これは白金膜を含む)の次の横列に次々に移動させる。この未反応過酸化水素が、白
金膜を含む横列に移ると、さらなる酸素が発生し、発生した酸素の量は、元のELISA
反応から生成された酸素の量に比例(ただしそれより多く)する。このプロセスは、チッ
プの連続的な横列にカスケード的に続き、それぞれのステップを用いて、生成された酸素
の量が、ELISA反応によって生成された元の酸素の量に比例し(ただし連続してそれ
より多くなる)、次々に、試料に存在する標的タンパク質または他のタイプのバイオマー
カーまたは他の分析物の量に比例する。ただし、連続するそれぞれの過酸化水素/白金膜
反応によって、より多くの酸素が生成されるので、信号(すなわち、複数のチャネル中の
赤色インクの進行)が、増幅される。赤色インクの進行は、3つのステップにわたる過酸
化水素とカタラーゼの反応と、過酸化水素と白金膜の反応の結果との総量であるので、多
重化体積測定バーチャートチップ200は、上記で検討した多重化体積測定バーチャート
チップ5より高い感度を示す。例えば、
図48を参照すると、この図に、連続する白金ウ
ェルに押し込まれた過酸化水素水の画像を示す。チップの異なる段階での酸素の蓄積体積
に因り、より多くの過酸化水素が、より下の段階より高い段階で白金ウェルに押し込まれ
る。
プリロードされた試薬を利用した多重化体積測定バーチャートチップの代替実施形態
[0061]ここで
図49および
図50を参照すると、さらに本発明の別の実施形態では、新
規の多重化体積測定バーチャートチップ300が提供される。多重化体積測定バーチャー
トチップ300が、ユーザにとって必要な試薬のロードおよび洗浄のステップを削減する
ように製造されることを除き、多重化体積測定バーチャートチップ300は、上記で検討
した多重化体積測定バーチャートチップ5と類似する。
【0038】
[0062]この実施形態では、ELISA試薬(すなわち、洗浄緩衝液、カタラーゼプロー
ブおよび洗浄緩衝液)が、製造段階で多重化体積測定バーチャートチップに(例えば
図4
9に示す箇所に)プリロードされ得る。使用するときに、試料が多重化体積測定バーチャ
ートチップに(例えば
図49に示す箇所に)置かれる。次いで、試料、洗浄緩衝液、カタ
ラーゼプローブおよび洗浄緩衝液が、チップのELISA試薬横列を通して順次移される
ように、多重化体積測定バーチャートチップが、垂直にスライドされ、これによって、た
だ1つの動作でチップのELISAの横列を用意する。その後に、多重化体積測定バーチ
ャートチップが、酸素反応を活性化し、所望の成果を生じさせるように、斜め方向にスラ
イドされ得る。
【0039】
[0063]本発明のこの形態では、ユーザは、試料をチップにロードし、次いで、アッセイ
のプロセスを活性化するようにチップを斜めにスライドさせることだけが必要となる。
【0040】
[0064]
図51に本発明の別の形態を示すが、多重化体積測定バーチャートチップは、水
平動によりチップのELISAの横列をロードするように構成される。
白金ナノ粒子
[0065]先の説明では、ガスが、ELISAプローブの試薬との反応によって発生し、具
体的には、ガスが、ELISAプローブ(すなわち、カタラーゼに結合された標的タンパ
ク質に結合されたタンパク質特異的抗体)の過酸化水素との反応によって発生する。プロ
ーブと試薬との多くの他の組合せが、ガスを発生させるために使用され得ることに留意す
ることが重要である。限定しないが例として、こうしたプローブと試薬との組合せには、
カタラーゼと過酸化水素、白金膜または白金粒子と過酸化水素、カタラーゼと過酸化尿素
、亜鉛と塩素酸、鉄と塩素酸、および他の類似の組合せが含まれ得る。したがって、多重
化体積測定バーチャートチップの読取りが、ガス発生の体積測定値に基づくので、多くの
迅速な反応のガス発生スキームが、このシステムのために使用され、カタラーゼと過酸化
水素、白金膜または白金粒子と過酸化水素、カタラーゼと過酸化尿素、亜鉛と塩素酸、鉄
と塩素酸、および他の類似の組合せを含むことができる。
【0041】
[0066]このように、本発明の別の形態では、白金ナノ粒子が、カタラーゼの代わりに利
用され得る。ここで
図52(並びに他の図面)を参照すると、本発明のこの形態では、試
料が最終から2番目の横列75Bを充填するように、試料(例えば、血液、尿、他)が、
多重化体積測定バーチャートチップ5のインレット50に導入されて、その試料が、凹部
20で底部プレート20に付着した異なるタンパク質特異的抗体と混合されることになり
、その結果、標的タンパク質が、凹部30中の適切なタンパク質特異的抗体と結合する。
次いで、横列75Bが、タンパク質特異的抗体に結合されないいずれかの材料を取り除く
ように(例えば緩衝溶液を用いて)赤くなる。次いで、検出抗体と共役した白金ナノ粒子
が、最終から2番目の横列75Bを充填するように、インレット50に加えられる。この
動作により、白金ナノ粒子が、凹部30中でタンパク質特異的抗体にそれ自体結合された
標的タンパク質に結合する。次いで、白金ナノ粒子は、最終から2番目の横列75Bから
すすぎ落とされて、これらの検出抗体を介して標的タンパク質に結合されたこれらの白金
ナノ粒子のみを残す。
【0042】
[0067]以後、頂部プレート25が、底部プレート20に対して斜めにスライドし、横列
75が、縦列100に変形し、横列75Aに含まれる過酸化水素が、縦列100のそれぞ
れに進むことが可能になり、それによって標的タンパク質に結合されたいずれかの白金ナ
ノ粒子と混合され、それによって、白金ナノ粒子と過酸化水素との間の酸素ガスを生成す
る反応が可能となり、これによって、縦列100に含まれる赤色インクを、バー縦列10
中へ、またそれに沿って推進する。
【0043】
[0068]白金ナノ粒子は、それを有利にすることができるいくつかの特性を示す。限定し
ないが例として、カタラーゼは、最大約2分間まで過酸化水素と反応するが、一方白金ナ
ノ粒子は、こうした制限をもたない。したがって、いくつかの状況で、白金ナノ粒子は、
カタラーゼより高い感度およびより長い安定をもたらすことができる。
紆曲形チャネル
[0069]先の説明では、バーチャネル10は、一般にバーチャートということで検討され
、複数の直線バーチャネル10は、一連の離散的チャネルを具備するように平行に配列さ
れる。ただし、上記でも述べたように、バーチャネル10が曲線(例えば、紆曲形、円形
、Z字型)であり、または長さを有する一連のチャネルを具備する他の構成で形成され得
る。加えて、必要ならば、バーチャネル10が、単一の紆曲形経路410を備えることが
できる(
図53参照)ことを理解されよう。単一の紆曲形経路を具備することは、標的タ
ンパク質が高濃度で存在し、定量が望まれる(例えば、妊娠テストで望まれるような)状
況では有利となり得る。
チャネル変形形態
[0070]必要ならば、チャネル10の幅および/または深さが、チャネルの長さに沿って
変更することができる。限定しないが例として、ここで
図54を参照すると、チャネル1
0が、V字型を備えることができ、チャネル10の遠位端部(すなわち終端部分)の幅が
、その近位端部のチャネルの幅より大きい。加えて、および/または代替的に、チャネル
10の深さも、チャネルの長さに沿って(例えば、チャネルの遠位端部に向かってより深
くなるチャネル10を具備するように)変更され得る。その長さに沿ってチャネル10の
幅および/または深さを変更することによって、チャネルの内部の体積が、変更され、こ
れによって、反応中の赤色インクの進行ための付加的な時間/空間を提供することができ
る。限定しないが例として、こうした構造は、所望のアッセイのより高い感度およびより
大きなダイナミックレンジを得るために有利となり得る。
例示的アッセイ−HCC評価
[0071]本発明の1つの好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、原
発性肝細胞癌のリスク評価アッセイ用に利用され得る。より具体的には、ここで
図55を
参照すると、1つまたは複数のバイオマーカー(例えば、原発性肝細胞癌につながるバイ
オマーカー)が、横列75Bの凹部30に結合されたバイオマーカー特異的抗体をもつ多
重化体積測定バーチャートチップ5を用意することによってアッセイされ得る。限定しな
いが例として、バイオマーカーは、AFP、AFP−L3、DCP、AST、ALT、G
GT、CDT、HBcAg、HBeAg、HBsAg、HCVウイルス、HbA1C、フ
ェリチンおよびAFB1からなるグループから1つまたは複数を含むことができる。
例示的アッセイ−乳がん診断
[0072]本発明の別の好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、乳が
んのリスク/診断アッセイ用に利用され得る。より具体的には、ここで
図56を参照する
と、1つまたは複数のバイオマーカー(例えば、乳がん/乳がんのリスクにつながるバイ
オマーカー)が、横列75Bの凹部30に結合されたバイオマーカー特異的抗体をもつ多
重化体積測定バーチャートチップ5を用意することによってアッセイされ得る。限定しな
いが例として、バイオマーカーは、IFN−α2、IFN−γ、IL−1α、IL−1β
、IL−2、IL−3、IL−6、IL−7、IL−9、IL−12p40、IL−12
p70、IL−15、IL−17、TNF−α、TNF−β、IL−4、IL−5、IL
−13、IL−10、IL−1ra、sCD40L、sIL−2ra、エオタクシン(C
CL11)、フラクタルキン、(CXCL1)、GRO(CXCL3)、IL−8(CX
CL8)、IP−10(CXCL10)、MCP−1(CCL2)、MCP−3(CCL
7)、MDC(CCL22)、MIP−1a(CCL3)、MIP−1b(CCL4)、
CSLEX、OPG、OC、PTH、RankL、アディポネクチン、EGF、FGF−
β、Flt−3リガンド、G−CSF、GM−CSF、TGF−α、VEGFおよびTG
F−βΙ並びにコントロールからなるグループから1つまたは複数を含むことができる。
例示的アッセイ−敗血症評価
[0073]本発明の別の好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、敗血
症評価アッセイ用に利用され得る。より具体的には、ここで
図57を参照すると、1つま
たは複数のバイオマーカー(例えば、敗血症につながるバイオマーカー)が、横列75B
の凹部30に結合されたバイオマーカー特異的抗体をもつ多重化体積測定バーチャートチ
ップ5を用意することによってアッセイされ得る。限定しないが例として、バイオマーカ
ーは、プロカルシトニン、プロアドレノメデュリン、ラクトフェリン、PLAS2−II
、MCP1、E−セレクチン、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−18
、TNF−アルファ、MIP−1、MIF、HMG−1、レプチン、MSH、CRP、L
PS−結合タンパク質、フェブリノーゲン、SAA、フェリチン、PAI−1、TGF−
β、可溶性CD25およびアポリポタンパク質C1からなるグループから1つまたは複数
を含むことができる。
例示的アッセイ−薬物乱用評価
[0074]本発明の別の好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、薬物
乱用評価アッセイ用に利用され得る。より具体的には、ここで
図58を参照すると、1つ
または複数のバイオマーカー(例えば、薬物乱用につながるバイオマーカー)が、横列7
5Bの凹部30に結合されたバイオマーカー特異的抗体をもつ多重化体積測定バーチャー
トチップ5を用意することによってアッセイされ得る。限定しないが例として、バイオマ
ーカーは、AMP、mAMP、BAR、BZO、COC、MTD、OPI、PCP、TH
C、TCA、IgA、IgG、IgM、IL−6、TNF−α、セルロプラスミン、TH
Pおよびクレアチニンからなるグループから1つまたは複数を含むことができる。
例示的アッセイ−30重化V−チップ
[0075]本発明の別の好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、いく
つかの重要な生理学的バイオマーカーのアッセイ用に利用され得る。より具体的には、こ
こで
図59を参照すると、1つまたは複数のバイオマーカーが、横列75Bの凹部30に
結合されたバイオマーカー特異的抗体をもつ多重化体積測定バーチャートチップ5を用意
することによってアッセイされ得る。限定しないが例として、バイオマーカーは、ATP
、2,3−DPGおよびNOからなるグループから1つまたは複数を含むことができる。
例示的アッセイ−DNA、RNAおよび/またはマイクロRNAの検出
[0076]本発明の別の好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、DN
A、RNAおよび/またはマイクロRNA標的のアッセイ用に利用され得る。より具体的
には、ここで
図59を参照すると、1つまたは複数のDNA、RNAおよび/またはマイ
クロRNA標的が、横列75Bの凹部30に結合されたDNA、RNAおよび/またはマ
イクロRNA特異的抗体をもつ多重化体積測定バーチャートチップ5を用意することによ
ってアッセイされ得る。必要ならば、アッセイを容易にするために、白金膜が利用され得
る。
追加のアッセイ
[0077]発明の別の好ましい形態では、多重化体積測定バーチャートチップ5が、特定の
バイオマーカー/材料のアッセイ用に利用され得る。限定しないが例として、バイオマー
カーは、IL−1RA、sTNFRII、IL−1SR2、ATP、2,3−DPG、ヘ
モグロビン、NOおよび食物アレルゲン(例えば、ピーナッツ、松の実、他)からなるグ
ループから1つまたは複数を含むことができる。
好ましい実施形態の改変
[0078]本発明の本質を説明するために、本明細書において説明し例証してきた、詳細、
材料、ステップおよび部品の配列の多くの付加的変更が、本発明の原理および範囲内に依
然としてありながらも、当業者によってなされ得ることが理解されよう。
本発明は、願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載されていた以下のものも含む。
[請求項1]
試料に存在する標的タンパク質、及び、他のタイプのバイオマーカーまたは分析物のうちの一方または双方の量を定量するための装置であって、
互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部を備える頂部プレートと、
底部プレートであって、互いに平行に延在する複数の横列を形成するように配列された複数の凹部、および、前記底部プレートの複数の横列に垂直に延在する複数のチャネルを備える底部プレートと
を備え、
前記頂部プレートが、前記底部プレートの上にあり、前記頂部プレートの前記凹部が、複数の横列を形成するように前記底部プレートの前記凹部と連通するように、前記頂部プレートと前記底部プレートが、共に組み立てられ、
複数の縦列を形成するために、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち少なくとも一方が、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドするように構成され、前記複数の縦列のそれぞれが前記複数のチャネルのそれぞれと連通する、
装置。
[請求項2]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートが透明である、装置。
[請求項3]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートに形成された前記複数の横列のうちの少なくとも1つが、インレットおよびアウトレットを備える、装置。
[請求項4]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートの前記凹部および前記底部プレートの前記凹部が、横列の軸に対して45度の角度で延在する、装置。
[請求項5]
請求項1に記載の装置であって、前記複数のチャネルのそれぞれが、前記底部プレートに形成された凹部に接続する、装置。
[請求項6]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する少なくとも1つの凹部で結合されるタンパク質特異的抗体をさらに含む、装置。
[請求項7]
請求項6に記載の装置であって、前記タンパク質特異的抗体を含む前記少なくとも1つの凹部に置かれた試料をさらに含む、装置。
[請求項8]
請求項7に記載の装置であって、前記タンパク質特異的抗体および前記試料を含む前記少なくとも1つの凹部に置かれたカタラーゼをさらに含む、装置。
[請求項9]
請求項6に記載の装置であって、前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する別個の凹部でそれぞれ結合される複数のタンパク質特異的抗体をさらに含む、装置。
[請求項10]
請求項9に記載の装置であって、タンパク質特異的抗体を含むそれぞれの凹部に置かれた試料をさらに含む、装置。
[請求項11]
請求項6に記載の装置であって、前記タンパク質特異的抗体を含む前記横列に隣接する横列の凹部に置かれた過酸化水素をさらに含む、装置。
[請求項12]
請求項6に記載の装置であって、前記複数のチャネルに隣接する横列の凹部に置かれたインクをさらに含む、装置。
[請求項13]
請求項1に記載の装置であって、前記複数のチャネルに含まれたインクの長手方向位置を検出するためにバーコード読取り部をさらに含む、装置。
[請求項14]
請求項1に記載の装置であって、前記チャネルの幅が、前記チャネルの長さに沿って変化する、装置。
[請求項15]
請求項1に記載の装置であって、前記チャネルの深さが、前記チャネルの長さに沿って変化する、装置。
[請求項16]
請求項1に記載の装置であって、前記チャネルの前記幅と前記チャネルの前記深さの両方が、前記チャネルの前記長さに沿って変化する、装置。
[請求項26]
請求項1に記載の装置であって、試薬と反応してガスを発生させるELISAプローブをさらに含む装置。
[請求項27]
請求項26に記載の装置であって、前記ELISAプローブおよび試薬が、カタラーゼおよび過酸化水素と、白金膜または白金粒子および過酸化水素と、カタラーゼおよび過酸化尿素と、亜鉛および塩素酸と、鉄および塩素酸とからなるグループから選択される、装置。
[請求項29]
請求項1に記載の装置であって、前記複数のチャネルに含まれるインクの進行が、前記試料に存在する前記標的タンパク質または他のバイオマーカーもしくは他の分子分析物の前記量を表示する、装置。
[請求項31]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートおよび前記底部プレートが、ガラス、シリコン、プラスチック、セラミック、石英および金属酸化物からなるグループから選択された材料から作製される、装置。
[請求項34]
請求項1に記載の装置であって、前記複数のチャネルと連通する前記複数の縦列が、前記試料に存在する前記標的タンパク質、および、他のタイプのバイオマーカーまたは分析物の前記量を定量するための読取りパネルを形成する、装置。
[請求項38]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートの前記複数の横列の1つを形成する少なくとも1つの凹部で結合されたアッセイおよびプローブをさらに含む装置。
[請求項39]
請求項38に記載の装置であって、前記アッセイおよび前記プローブが、アッセイのサンドイッチを形成し、前記アッセイのサンドイッチが、ELISA、核酸ハイブリダイゼーション、水素結合、静電気反応、および、共有結合の形成からなるグループから選択された1つによって形成される、装置。
[請求項40]
請求項1に記載の装置であって、試料に存在する前記標的タンパク質、バイオマーカーまたは分析物が、タンパク質、核酸、ペプチド、糖、有機化合物、ポリマー、金属イオン、バクテリア、細胞および粒子からなるグループから選択される、装置。
[請求項43]
請求項1に記載の装置であって、
前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する少なくとも1つの凹部で結合された捕捉剤であって、試料が、少なくとも1つの分析物を含み、前記分析物が前記捕捉剤に結合され、プローブが結合された前記分析物に結合される、捕捉剤と、
前記捕捉剤、結合された前記分析物および結合された前記プローブを含む前記横列に隣接する横列の少なくとも1つの凹部に置かれた試薬であって、前記試薬と前記プローブの反応が、前記試料に存在する前記分析物の前記量を反映する量のガスを生成する、試薬と
前記複数のチャネルに隣接する横列に置かれたインクと
をさらに含む装置。
[請求項46]
請求項1に記載の装置であって、前記頂部プレートの前記複数の横列のうちの1つを形成する少なくとも1つの凹部で結合される捕捉剤をさらに含む装置。
[請求項47]
請求項46に記載の装置であって、少なくとも1つの分析物およびプローブを含む試料をさらに含む装置。
[請求項48]
試料に存在する標的タンパク質、および、他のタイプのバイオマーカーまたは分析物の量を定量するための装置であって、
少なくとも1つの凹部を備える頂部プレートと、
底部プレートであって、少なくとも1つの凹部、および、前記底部プレートの少なくとも1つの凹部と連通する少なくとも1つの紆曲形チャネルを備える底部プレートと
を備え、
前記頂部プレートの前記少なくとも1つの凹部を、前記底部プレートの前記少なくとも1つの凹部と位置合せするために、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち少なくとも一方が、前記頂部プレートと前記底部プレートのうち他方に対してスライドするように構成され、その結果、前記頂部プレートの前記少なくとも1つの凹部と、前記底部プレートの前記少なくとも1つの凹部と、前記底部プレートの前記少なくとも1つの凹部と連通する前記少なくとも1つの紆曲形チャネルとの間に流体連通が存在する、装置。