特許第6097857号(P6097857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097857
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】鍋底部の保温部材
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   A47J27/00 101E
   A47J27/00 101Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-32195(P2016-32195)
(22)【出願日】2016年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-168324(P2016-168324A)
(43)【公開日】2016年9月23日
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】104203644
(32)【優先日】2015年3月11日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515082900
【氏名又は名称】鄭仲延
(73)【特許権者】
【識別番号】516055228
【氏名又は名称】劉駿宏
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】鄭仲延
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3148396(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3078351(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0045186(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00 − 36/42
F24B 1/00 − 15/10
F24C 9/00 − 15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板を備え、該底板の中心に火取入れ口が形成され、該火取入れ口の周囲に複数の当接リブが間隔をおいて放射状に配列され、該各当接リブの上面に1つ以上の凸部が凸設される、ベースと、
前記ベースの凸部に当接されるように、火取入れ口に嵌めこまれるガイドブロックと、
前記ガイドブロックの周囲に環状に設置されると共に、ベースの凸部に当接する、複数の保温ブロックと、を有することを特徴とする、
鍋底部の保温部材。
【請求項2】
前記ガイドブロックは、熱伝導部と、該熱伝導部の上部の外周縁に径方向へ延出する当接フランジと、該熱伝導部に間隔を形成される複数のスリットとを備え、また、該当接フランジは、凸部に当接することを特徴とする請求項1に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項3】
前記保温ブロックは、加熱部と、該加熱部の側面に設けられ、凸部に当接する1つ以上の当接翼部と、該加熱部を貫通するように形成されるガイド穴を備えることを特徴とする請求項2に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項4】
前記保温ブロックにおける加熱部の上面に、ガイド穴と連通するガイドスリットが凹設されることを特徴とする請求項3に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項5】
前記ベースの底板に環状の壁部が凸設され、前記当接リブの高さは壁部の高さより低く、前記当接リブの表面に複数の凸部が間隔をおいて左右交互に設けられることを特徴とする請求項4に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項6】
前記ガイドブロックの熱伝導部の上面に十字形のガイド溝が形成され、該ガイド溝が交差する中心に貫通穴が形成され、該各ガイド溝にスリットと連通する1つ以上のガイド穴が形成されることを特徴とする請求項5に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項7】
前記ガイドブロックの熱伝導部の上面に米字形のガイド溝が形成され、該ガイド溝が交差する中心に貫通穴が形成され、該各ガイド溝にスリットと連通する1つ以上のガイド穴が形成されることを特徴とする請求項5に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項8】
前記ベースの底板の底部に火取入れ口の開閉程度を調整するための底部扉が取り付けられることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項9】
前記底部扉は、ベースの底板の底部に取り付けられる下枠と、移動可能に下枠と火取入れ口との間に取り付けられる扉部と、扉部に取り付けられるノブとを備えることを特徴とする請求項8に記載の鍋底部の保温部材。
【請求項10】
前記下枠に開口が形成され、前記扉部に該開口を設置するための止め凸縁が設けられることを特徴とする請求項9に記載の鍋底部の保温部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に保温調理鍋の底部に設置する保温装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12に示すように、従来の鍋50は通常、水や食材を入れ、コンロ60などにより加熱して、食材を煮込む。また、従来の鍋50の底面は平坦状であるため、余熱の保持効果に劣っており、加熱効率も低い。さらに、従来の鍋50を使用する時は、加熱時間が長く、火を消すと、底部の余熱が放散しやすく、保温効果に劣るので、改良する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許第I499397号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の鍋は、保温の構造を有しないことから、加熱効率が低く、余熱の保持効果に劣るので、改良する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る鍋底部の保温部材は、底板を備え、該底板の中心に火取入れ口が形成され、該火取入れ口の周囲に複数の当接リブが間隔をおいて放射状に配列され、該各当接リブの上面に1つ以上の凸部が凸設される、ベースと、前記ベースの凸部に当接されるように、火取入れ口に嵌めこまれるガイドブロックと、前記ガイドブロックの周囲に環状に設置されると共に、ベースの凸部に当接する、複数の保温ブロックと、を有するものである。
【0006】
かかる鍋底部の保温部材において、前記ガイドブロックは、熱伝導部と、該熱伝導部の上部の外周縁に径方向へ延出する当接フランジと、該熱伝導部に間隔を形成される複数のスリットとを備え、また、該当接フランジは、凸部に当接することが好ましい。
【0007】
かかる鍋底部の保温部材において、前記保温ブロックは、加熱部と、該加熱部の側面に設けられ、凸部に当接する1つ以上の当接翼部と、該加熱部を貫通するように形成されるガイド穴を備えることが好ましい。
【0008】
かかる鍋底部の保温部材において、前記保温ブロックにおける加熱部の上面に、ガイド穴と連通するガイドスリットが凹設されることが好ましい。
【0009】
かかる鍋底部の保温部材において、前記ベースの底板に環状の壁部が凸設され、前記当接リブの高さは壁部の高さより低く、前記当接リブの表面に複数の凸部が間隔をおいて左右交互に設けられることが好ましい。
【0010】
かかる鍋底部の保温部材において、前記ガイドブロックの熱伝導部の上面に十字形のガイド溝が形成され、該ガイド溝が交差する中心に貫通穴が形成され、該各ガイド溝にスリットと連通する1つ以上のガイド穴が形成されることが好ましい。
【0011】
かかる鍋底部の保温部材において、前記ガイドブロックの熱伝導部の上面に米字形のガイド溝が形成され、該ガイド溝が交差する中心に貫通穴が形成され、該各ガイド溝にスリットと連通する1つ以上のガイド穴が形成されることが好ましい。
【0012】
かかる鍋底部の保温部材において、前記ベースの底板の底部に火取入れ口の開閉程度を調整するための底部扉が取り付けられることが好ましい。
【0013】
かかる鍋底部の保温部材において、前記底部扉は、ベースの底板の底部に取り付けられる下枠と、移動可能に下枠と火取入れ口との間に取り付けられる扉部と、扉部に取り付けられるノブとを備えることが好ましい。
【0014】
かかる鍋底部の保温部材において、前記下枠に開口が形成され、前記扉部に該開口を設置するための止め凸縁が設けられること。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る鍋底部の保温部材は、以下に示すようなメリットを有する。
1. 本発明の鍋底部の保温部材は、外部の熱源により保温部材を加熱すると共に、保温部材が伝導熱や、対流熱、放射熱の伝わり手段により熱エネルギーを鍋に送ることによって、鍋を長時間加熱すると、外部の熱源を消した後も、高温をある程度維持させることができる。つまり、熱の放散が少ないので、コンロの火を消した後も、ある程度食材を加熱し続けることができる。
2. 本発明の鍋底部の保温部材は、コンロなどからの火をガイドして集中させるガイドブロック、及びエネルギーを保存することができる複数の保温ブロックを有することから、熱エネルギーを均一且つスムーズに内鍋の底部にガイドして、短時間で加熱することができるので、熱エネルギーの節約に繋がる。
3. 本発明の鍋底部の保温部材は、底部扉によりベースの火取入れ口及び通気穴がカバーされていることから、外鍋を密封状態に調整することができ、且つ外鍋の内部の熱が放散することもなく、蒸気も外部に漏れないので、鍋底部の保温部材の周囲の環境温度を上昇させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を第一種類の鍋に設置した状態を示す第一実施例の斜視図である。
図2】本発明を第一種類の鍋に設置する状態を示す第一実施例の分解斜視図である。
図3】本発明に係る第一実施例の分解斜視図である。
図4】本発明に係る第一実施例の他の分解斜視図である。
図5】本発明を第一種類の鍋に設置した状態を示す第一実施例の部分断面斜視図である。
図6】本発明を第一種類の鍋に設置した状態を示す第一実施例の部分断面図である。
図7】本発明を第一種類の鍋に設置して使用している状態を示す第一実施例の断面図である。
図8】本発明を第一種類の鍋に設置して使用している状態を示す第一実施例の部分拡大断面図である。
図9】本発明を第二種類の鍋に設置した状態を示す第一実施例の部分断面斜視図である。
図10】本発明を第三種類の鍋に設置する状態を示す第二実施例の分解斜視図である。
図11】本発明に係る第二実施例の他の分解斜視図である。
図12】従来の鍋の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、下記実施例は、本発明の好適な実施の形態を示したものにすぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0018】
本発明に係る鍋底部の保温部材は、保温調理鍋の底部に装設する保温部材であり、図1乃至図6に示すように、外鍋10及び内鍋20を有する。
図1及び図2に示すように、前記外鍋10は、外鍋本体11を備え、該外鍋本体11は、中空状の円筒体であり、上部開口と、下部開口と、フランジ111と、複数の通気穴112と、外鍋扉113と、複数の固定穴114とを備える。そのうち、該上部開口は、外鍋本体11の上部に形成され、該下部開口は、外鍋本体11の下部に形成され、該フランジ111は、外鍋本体11の上部周縁から径方向へ延設され、該通気穴112はそれぞれ、間隔をおいて水平方向に配列するように、外鍋本体11の壁面に形成され、該外鍋扉113は、開閉可能に外鍋本体11の各通気穴112と対応する箇所に設けられ、通気穴112を閉ざすことができる。
尚、前記外鍋扉113は、縦方向、すなわち、図面の上下方向に開閉可能に設けられ、また、前記固定穴114は、細長状を呈し、等間隔で環状に外鍋本体11の外周面に配列するように、該各固定穴114に固定ユニット115が設置される。該固定ユニット115は、ボルトであることが好ましい。
【0019】
前記内鍋20は、外鍋10の内部に設置され、内鍋本体21と、1対の取っ手22と、内鍋底部23とを備える。
そのうち、該内鍋本体21の上端周縁に掛け止めフランジ211が延設され、該掛けフランジ211は、外鍋本体11のフランジ111に当接され、また、該内鍋本体21と外鍋本体11との間に隙間を有し、該1対の取っ手22はそれぞれ、掛け止めフランジ211の相対する両側に取り付けられる。該内鍋底部23は、内鍋本体21の底部に設けられ、該内鍋底部23の表面に複数の加熱柱231が間隔をおいて凸設され、該各加熱柱231は、中空状且つ矩形の柱であり、底部に複数の熱対流空間232が形成され、それによる高温の空気を流入させることによって保温効果を提供する。
【0020】
図2図3図4に示すように、本発明に係る鍋底部の保温部材の第一実施例によれば、保温部材は、外鍋本体11の下部開口の近傍に取り付けられると共に、ベース12と、ガイドブロック13と、複数の保温ブロック14と、底部扉15とを備える。
該ベース12は、円形の底板121を備え、該底板121の中心に火取入れ口122が形成され、更に、該底板121に円環状の壁部123が凸設されると共に、複数の当接リブ124が間隔をおいて放射状に配列される。また、該底板121の外周面における固定穴114と対応する箇所に複数のネジ穴1211が間隔をおいて凹設される。
更に、前記底板121のネジ穴1211が固定穴114と対応すると共に、前記固定ユニット115が固定穴114を通過してネジ穴1211に螺設することによって、底板121が調整可能に外鍋本体11の内側に組み合わされる。
また、前記当接リブ124の高さは壁部123の高さより低く、該当接リブ124の上面に複数の凸部1241がジグザグ状に且つ交互に間隔をおいて凸設される。この凸部1241を利用すれば、接触面積を小さくできるので、熱伝導の効率を高めることができる。尚、各当接リブ124に5つの凸部1241が設けられ、それらの凸部1241はそれぞれ、ジグザグ状に、且つ間隔をおいて配列されることが好ましい。
【0021】
前記ガイドブロック13は、ベース12の火取入れ口122と対応するように、底板121の火取入れ口122に嵌め込まれると共に、熱伝導部131を備え、該熱伝導部131の上部の外周縁に径方向へ延出する当接フランジ132が設けられ、該熱伝導部131に複数のスリット133が間隔をおいて形成される。
また、該熱伝導部131は、下方に行くにつれて外径が縮小する円錐体を呈すると共に、上面が平坦状を呈し、該上面に十字形のガイド溝1311が形成され、該ガイド溝1311が交差する中心に貫通穴1312が形成され、該各ガイド溝1311にスリット133と連通する複数のガイド穴1313が間隔をおいて形成される。該ガイドブロック13は、当接フランジ132を介して凸部1241に当接される。
【0022】
前記保温ブロック14はそれぞれ、ベース12の当接リブ124と対応すると共に、凸部1241の上方に当接するように環状に設置される。本実施例では、ベース12が8つの当接リブ124及び8つの保温ブロック14を有し、該各当接リブ124は、等間隔で環状に配列される。一方、各保温ブロック14は扇形を呈し、当接リブ124と対応するように当接されると共に、加熱部141と、2つの当接翼部142と、ガイド穴143とを備える。そのうち加熱部141は、扇形のブロックであり、それらの当接翼部142は、加熱部141の相対する両側に横方向に延設され、該ガイド穴143は、加熱部141の中間部分を貫通するように形成され、該各保温ブロック14の両側の当接翼部142は、両側の対応する当接リブ124の凸部1241に当接される。
【0023】
前記底部扉15は、水平開閉可能にベース12の底部に取り付けられ、下枠151と、扉部152と、ノブ153とを有する。
そのうち下枠151は、火取入れ口122の下方に位置するように、ベース12の底部に取り付けられ、火取入れ口122の周囲に位置する開口1511が形成され、該扉部152は、移動可能に下枠151と火取入れ口122との間に取り付けられ、該開口1511を設置するための止め凸縁1521が設けられ、該ノブ153は、外鍋本体11に突出するように、扉部152に取り付けられ、該ノブ153により火取入れ口122の開閉程度を自由に調整することができる。
【0024】
本発明に係る鍋底部の保温部材の第一実施例によれば、保温部材を第一種類の鍋に設置して使用する時、図7及び図8に示すように、使用者が食材を内鍋20に入れ、該内鍋20を外鍋10の内部に設置し、そして、外鍋10をコンロ40上に置いて点火し加熱する。この時、コンロ40で直接に外鍋10の保温部材を加熱し、火取入れ口122を通ってガイドブロック13を加熱しながら、そのガイドブロック13の特別な構成により火を周囲の保温ブロック14にガイドする。これによって、保温ブロック14の温度が急速に上昇し、それと同時に、熱が内鍋底部23の熱対流空間232に流入して対流するので、内鍋20の底部を均一に且つ急速に加熱することができる。
一方、鍋底部の保温部材の使用を止めるときは、コンロ40の火を消し、外鍋扉113を閉めて火取入れ口122を封止し、底部扉15を閉めて火取入れ口122を封止すると、外鍋10が完全に密封状態となるので、内部の熱対流または高温の空気の外部への放散が少なくなる。
また、その保温部材の体積は、一般的ななべより大きいので、多くの熱を吸収することができる。故に、本発明に係る鍋底部の保温部材は、長時間高温での煮込みや高温度維持することができ、一度加熱すれば高温を長時間維持することができ、熱を外部に放散することはないことから、ガス代を節約でき、実用性が高い。
【0025】
本発明に係る鍋底部の保温部材の第一実施例によれば、保温部材を第二種類の鍋に設置する時、図9に示すように、第二種類の鍋の構造は、第一種類の鍋と殆ど同一であるが、内鍋底部23Aの加熱柱231Aが中空状且つ三角形を呈する点において異なる。
【0026】
本発明に係る鍋底部の保温部材の第二実施例によれば、保温部材を第三種類の鍋に設置する時、図10及び図11に示すように、第三種類の鍋の構造は、第一実施例と殆ど同一であるが、外鍋10Bの一部の構造が異なる。
即ち、その外鍋10Bは、外鍋本体11B及び保温部材を備え、該外鍋本体11Bは、上部開口と、下部開口と、フランジ111と、複数の通気穴112と、複数の固定穴114と、複数の固定ユニット115とを備える。そのうち、それらの通気穴112は、間隔をおいて縦方向に配列され、それらの固定穴114はそれぞれ縦方向の細長状穴であり、等間隔で外鍋本体11の外周面に形成される。該各固定ユニット115は、ねじ部及び六角ヘッド部を含み、該ねじ部は、外鍋本体11Bから固定穴114を通過して外鍋本体11Bの内部に挿し込まれ、ナットが螺設される。この構成によれば、固定ユニット115を移動自在に縦方向に調整して適当な高さで位置決めすることができる。
【0027】
本発明に係る鍋底部の保温部材の第二実施例によれば、その保温部材は、上部開口から外鍋本体11Bの内部に入り、底部により外鍋本体11Bの内部に挿し込んだ固定ユニット115の上方に係合される。また、保温部材は、ベース12と、ガイドブロック13Bと、複数の保温ブロック14Bと、底部扉15Bとを備える。そのうちベース12の底部に摺動溝125が凹設され、該ガイドブロック13Bにおける熱伝導部131Bの上面に米字形のガイド溝1311が形成され、該ガイド溝1311は、ガイドブロック13Bを貫通しても貫通しなくてもよい。
図面に示すように、本実施例においては、4つのガイド溝1311がガイドブロック13Bを貫通しないように形成されると共に、前記保温ブロック14Bにおける加熱部141Bの上面に、ガイド穴143と連通するガイドスリット144が凹設され、該ガイドスリット144は、ガイドブロック13Bのガイド溝1311と連通する。
【0028】
前記底部扉15Bは、水平開閉可能にベース12の底部に取り付けられ、下枠151Bと、扉部152Bと、ノブ153Bと、遮蔽板154とを備え、そのうち下枠151Bは、底板121の下方に位置するように、ベース12の底部に固定され、火取入れ口122を囲むように開口1511が形成される。
該扉部152は、移動可能にベース12の底部に挿し込まれ、該開口1511を通過する止め凸縁1521を有し、該扉部152Bが外鍋本体11Bから突出する外端を折ってノブ153Bに結合する結合プレート1522が設けられる。このため、該ノブ153を引いたり、押し込んだりすることにより、扉部152を摺動させて火取入れ口122の開き程度を調整することができる。また、前記遮蔽板154は、外鍋本体11Bの通気穴112と対応するように、外鍋本体11Bから突出した扉部152Bに係合され、該扉部152Bにより火取入れ口122を閉めると、遮蔽板154が通気穴112が封止され、外鍋10Bが密封状態となる。
【符号の説明】
【0029】
10、10B 外鍋
11、11B 外鍋本体
111 フランジ
112 通気穴
113 外鍋扉
114 固定穴
115 固定ユニット
12 ベース
121 底板
1211 ネジ穴
122 火取入れ口
123 壁部
124 当接リブ
1241 凸部
125 摺動溝
13、13B ガイドブロック
131、131B 熱伝導部
1311 ガイド溝
1312 貫通穴
1313 ガイド穴
132 当接フランジ
133 スリット
14、14B 保温ブロック
141、141B 加熱部
142 当接翼部
143 ガイド穴
144 ガイドスリット
15、15B 底部扉
151、151B 下枠
1511 開口
152、152B 扉部
1521 止め凸縁
1522 結合プレート
153、153B ノブ
154 遮蔽板
20 内鍋
21 内鍋本体
211 掛け止めフランジ
22 取っ手
23、23A 内鍋底部
231、231A 加熱柱
232 熱流空間
40 コンロ
50 鍋
60 コンロ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12