(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6097875
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】シリカ充填材、シリカ充填材の表面処理方法及びエポキシ樹脂複合材
(51)【国際特許分類】
C09C 3/10 20060101AFI20170306BHJP
C09C 1/28 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
C09C3/10
C09C1/28
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-217929(P2016-217929)
(22)【出願日】2016年11月8日
【審査請求日】2016年11月9日
(31)【優先権主張番号】201610013512.0
(32)【優先日】2016年1月7日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516323792
【氏名又は名称】深▲セン▼先進技術研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫蓉
(72)【発明者】
【氏名】郭倩
(72)【発明者】
【氏名】朱朋莉
(72)【発明者】
【氏名】趙涛
(72)【発明者】
【氏名】李剛
【審査官】
松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−525456(JP,A)
【文献】
特開平04−154861(JP,A)
【文献】
特開2006−007113(JP,A)
【文献】
特開2011−153745(JP,A)
【文献】
特開平05−051541(JP,A)
【文献】
特開2006−022316(JP,A)
【文献】
特開2006−329349(JP,A)
【文献】
特開平09−180561(JP,A)
【文献】
特開2007−009136(JP,A)
【文献】
特開平10−330488(JP,A)
【文献】
特開2004−307837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 1/00−3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカ充填材の表面処理方法であって、
(1)シリカを溶剤に分散して、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)前記シリカ分散液と重合体水溶液又は重合体のアルコール溶液を混合して、20〜60℃で超音波処理を2〜24h行って、分離して、洗浄し、シリカをコアとし、重合体で構成される被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有するシリカ充填材を得るステップとを、含むことを特徴とする表面処理方法。
【請求項2】
ステップ(1)では、前記溶剤は水又は無水エタノールであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項3】
前記シリカ分散液において、シリカ濃度は1〜400g/Lであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項4】
前記重合体水溶液又は重合体のアルコール溶液の濃度は0.2〜50g/Lであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項5】
ステップ(2)において、超音波処理温度は室温であり、超音波処理時間は5〜20hであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ充填材及びその表面処理方法に関し、さらに本発明は、表面処理したシリカ充填材を含むエポキシ樹脂複合材に関する。また、本発明は、材料の表面改質及び重合体複合材の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、優れた接着性、耐薬品性、電気絶縁性、低収縮性、易加工性及び低コスト等の利点を有し、接着剤、塗料、建築、航空宇宙、電子パッケージング等の分野に幅広く適用できる。しかし、純粋なエポキシ樹脂は、硬化後の架橋密度が高いため、脆くて、内部応力が大きく、熱膨張係数が高い等の欠点があり、それにより、応用が制限される。シリカ材料は、高剛性、高弾性率及び低熱膨張係数等の長所を有するから、エポキシ樹脂の機械的特性を向上させ、硬化収縮及び熱膨張係数を低下させるため、充填材としてエポキシ樹脂に添加される。
【0003】
エポキシ樹脂/シリカ複合材の特性は、充填材の寸法、寸法分布、形態、充填量、特に充填材と重合体マトリックスの界面相の性質に関わる。研究した結果、充填材の寸法がナノスケールに達すると、充填材と重合体マトリックスの界面相の性質は重合体複合材の特性を左右する重要な要素の一つとなる。従って、充填材と重合体マトリックスの界面相の性質を調整して改善することによって、エポキシ樹脂/シリカ複合材の総合的特性を更に向上させることができる。しかし、シリカの比表面積が高く、表面に大量のヒドロキシ基を有することによって、エポキシ樹脂マトリックスとの適合性が悪く、粒子同士が凝集しやすくて、エポキシ樹脂の粘度が急激に増大し、エポキシ樹脂のワーカビリティー及び取扱い性の低下を招いてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、シリカの表面に重合体シェルが被覆されることによって、シリカとエポキシ樹脂マトリックスの適合性及び界面結合力を向上させるとともに、エポキシ樹脂複合材の粘度及び熱膨張係数を効果的に低下させるシリカ充填材を提供することを第一目的とする。
【0005】
本発明は、シリカの表面に重合体シェルを被覆することによって、シリカとエポキシ樹脂マトリックスの適合性及び界面結合力を向上させるとともに、エポキシ樹脂複合材の粘度及び熱膨張係数を効果的に低下させるシリカ充填材の表面処理方法を提供することを第二目的とする。
【0006】
本発明は、表面処理したシリカ充填材を含むエポキシ樹脂複合材を提供することを第三目的とし、シリカの表面に重合体シェルが被覆されるため、エポキシ樹脂とシリカは優れた適合性及び界面結合力を有するとともに、エポキシ樹脂複合材の粘度と熱膨張係数が効果的に低下する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る前記シリカ充填材は、シリカをコア、重合体で構成される被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有する。
【0008】
好ましくは、前記重合体は線状重合体であり、
好ましくは、前記線状重合体の相対分子質量は5000〜70000、好ましくは10000〜60000、より好ましくは20000〜45000、更に好ましくは30000〜40000であり、
線状重合体の相対分子質量は5500、8000、10000、12000、18000、20000、23000、27000、30000、36000、43000、48000、53000、56000、60000、62000、65000又は67000であってもよい。
【0009】
好ましくは、前記線状重合体はポリオレフィンアルコール及び/又はアミノ基を含有する重合体であり、
好ましくは、前記線状重合体はポリビニルアルコール、ポリドーパミン、ポリエチレンイミン、ポリイミド、ポリアミド酸のうちの1種又は2種以上であり、前記組合せの代表例として、ポリビニルアルコールとポリドーパミンの組合せ、ポリビニルアルコールとポリエチレンイミンの組合せ、ポリビニルアルコールとポリアミド酸の組合せ、ポリビニルアルコール、ポリドーパミン及びポリエチレンイミンの組合せ、ポリドーパミン、ポリエチレンイミン及びポリイミドの組合せ、ポリエチレンイミン、ポリイミド及びポリアミド酸の組合せ等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0010】
好ましくは、前記被覆層の厚さは5〜100nm、好ましくは5〜85nm、より好ましくは10〜60nm、更に好ましくは10〜30nmである。
【0011】
被覆層の厚さは10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、93nm、95nm又は98nmであってもよい。
【0012】
本発明の前記シリカ充填材の表面処理方法は、
(1)シリカを溶剤に溶解して、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)前記シリカ分散液と重合体水溶液又は重合体のアルコール溶液を混合して、20〜60℃で2〜24h超音波分離して、洗浄し、コア−シェル構造を有するシリカ充填材を得るステップとを含む。
【0013】
好ましくは、ステップ(1)では、前記溶剤は水又は無水エタノールである。
【0014】
好ましくは、前記シリカ分散液において、シリカ濃度は1〜400g/L、好ましくは5〜350g/L、より好ましくは50〜300g/L、更に好ましくは100〜200g/Lである。
【0015】
前記シリカ分散液において、シリカ濃度は5g/L、50g/L、100g/L、130g/L、150g/L、180g/L、200g/L、220g/L、250g/L、270g/L、300g/L、320g/L、350g/L又は370g/Lであってもよい。
【0016】
好ましくは、前記重合体水溶液又は重合体のアルコール溶液の濃度は0.2〜50g/L、好ましくは5〜45g/L、より好ましくは10〜40g/L、更に好ましくは15〜30g/Lである。
【0017】
重合体水溶液又は重合体のアルコール溶液の濃度は0.3g/L、0.5g/L、0.8g/L、1g/L、5g/L、8g/L、10g/L、12g/L、15g/L、18g/L、20g/L、23g/L、25g/L、27g/L、30g/L、33g/L、35g/L、39g/L、40g/L、42g/L、45g/L又は48g/Lであってもよい。
【0018】
好ましくは、ステップ(2)において、超音波処理温度は室温であり、好ましくは、超音波処理時間は5〜20h、好ましくは8〜15h、更に好ましくは10〜15hである。超音波処理時間は6h、7h、8h、9h、10h、11h、12h、13h、14h、15h、16h、17h、18h、19hであってもよい。
【0019】
本発明の前記エポキシ樹脂複合材は、エポキシ樹脂と充填材を含み、前記充填材は上記シリカ充填材である。
【0020】
好ましくは、前記エポキシ樹脂はビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂のうちの1種又は2種以上であり、
好ましくは、前記エポキシ樹脂複合材は硬化剤を更に含み、
好ましくは、前記硬化剤は脂環族酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤であり、
好ましくは、前記エポキシ樹脂複合材は更に触媒を含み、
好ましくは、前記触媒はイミダゾール又はイミダゾール誘導体である。
【0021】
本発明の前記エポキシ樹脂複合材中のエポキシ樹脂、硬化剤、触媒はすべて本分野においてよく使用される物質を使用し、本願では、各成分について特に限定がなく、さらに、本発明の前記エポキシ樹脂複合材では、エポキシ樹脂、充填材、硬化剤、触媒の含有量は本分野の従来技術と同様であり、本願では各成分の含有量について限定がない。
【発明の効果】
【0022】
従来技術に比べて、本発明の利点は以下のとおりである:
本発明の前記シリカ充填材はシリカの表面に重合体で構成される被覆層を被覆し、被覆層中の重合体がシリカの表面におけるヒドロキシ基を置換又は被覆できるため、シリカの高表面エネルギー及び反応活性を低下させることが可能であり、更に、該被覆層は、シリカ充填材とエポキシ樹脂との適合性及び界面結合力を向上させ、それにより、エポキシ樹脂複合材の粘度と熱膨張係数を低下させ、また、被覆層中の重合体の官能基とエポキシ樹脂又は硬化剤の相互作用によって、エポキシ樹脂複合材の室温での粘度安定性を向上させる。
【0023】
テストした結果、エポキシ樹脂複合材に本発明の前記シリカ充填材を添加すると、エポキシ樹脂の粘度は90%程度低下し、熱膨張係数は10%程度低下し、24h放置後の粘度は99.9%程度低下する。
【0024】
また、本発明のシリカ充填材の表面処理方法はプロセスがシンプルで、操作しやすく、更に環境に優しい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例を利用して本発明を更に詳細に説明する。
【0026】
実施例1
本実施例のシリカ充填材の表面処理方法は、
(1)シリカ粒子2gを超音波で400mlの水溶液に分散させて、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)相対分子質量10000のポリビニルアルコール0.2gを水100mlに溶解して、質量濃度2g/Lのポリビニルアルコール水溶液を調製するステップと、
(3)上記シリカ分散液とポリビニルアルコール水溶液を混合して、得た混合液を室温で5時間超音波反応させて、分離して洗浄し、シリカ充填材を得るステップとを含む。
【0027】
本実施例で製造されたシリカ充填材はシリカ粒子をコア、ポリビニルアルコールで構成された厚さ5nmの被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有する。
【0028】
本実施例で製造されたポリビニルアルコールで被覆されたシリカナノ粒子を充填材としてビスフェノールFエポキシ樹脂、酸無水物硬化剤及びイミダゾール触媒の系に添加して、エポキシ樹脂複合材を得た。本実施例のエポキシ樹脂複合材において、各成分の質量百分率は、ビスフェノールFエポキシ樹脂32%、シリカ充填材40%、酸無水物硬化剤27%、イミダゾール触媒1%であった。
【0029】
実施例2
本実施例のシリカ充填材の表面処理方法は、
(1)シリカ粒子5gを超音波で水溶液450mlに分散させて、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)分子量70000のポリエチレンイミン0.025gを水溶液50mlに溶解して、濃度0.5g/Lのポリエチレンイミン水溶液を調製するステップと、
(3)上記シリカ水溶液とポリエチレンイミン水溶液を混合して、得た混合液を室温で2時間超音波反応させて、分離して洗浄し、シリカ充填材を得るステップとを含む。
【0030】
本実施例で製造されたシリカ充填材は、シリカ粒子をコア、ポリエチレンイミンで構成される厚さ約10nmの被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有する。
【0031】
本実施例で製造されたポリエチレンイミンで被覆されたシリカ粒子を充填材としてビスフェノールFエポキシ樹脂とジアミン硬化剤系に添加して、エポキシ樹脂複合材を製造した。本実施例のエポキシ樹脂複合材において、各成分の質量百分率は、ビスフェノールFエポキシ樹脂55%、シリカ充填材30%、ジアミン硬化剤15%であった。
【0032】
実施例3
本実施例のシリカ充填材の表面処理方法は、
(1)シリカ粒子5gを超音波で水溶液450mlに分散させて、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)分子量70000のポリエチレンイミン0.05gを水溶液50mlに溶解して、濃度1g/Lのポリエチレンイミン水溶液を調製するステップと、
(3)上記シリカ分散液とポリエチレンイミン水溶液を混合して、得た混合液を室温で2時間超音波反応させ、分離して洗浄し、シリカ充填材を製造するステップとを含む。
【0033】
本実施例で製造されたシリカ充填材は、シリカ粒子をコア、ポリエチレンイミンで構成される厚さ約20nmの被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有する。
【0034】
本実施例で製造されたポリエチレンイミンで被覆されたシリカ粒子を充填材としてビスフェノールFエポキシ樹脂とジアミン硬化剤系に添加して、エポキシ樹脂複合材を製造した。本実施例のエポキシ樹脂複合材において、各成分の質量百分率は、ビスフェノールFエポキシ樹脂55%、シリカ充填材30%、ジアミン硬化剤15%であった。
【0035】
実施例4
本実施例のシリカ充填材の表面処理方法は、
(1)シリカ粒子10gを超音波で水溶液800mlに分散させ、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)分子量40000のポリドーパミン0.05gを水溶液200mlに溶解して、濃度0.25g/Lのポリドーパミン水溶液を調製するステップと、
(3)上記シリカ分散液とポリドーパミン水溶液を混合し、得た混合液を室温で12時間超音波反応させ、分離して洗浄し、シリカ充填材を得るステップとを含む。
【0036】
本実施例で製造されたシリカ充填材は、シリカ粒子をコア、ポリドーパミンで構成される厚さ約20nmの被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有する。
【0037】
本実施例で製造されたポリドーパミンで被覆されたシリカ粒子を充填材としてビスフェノールFエポキシ樹脂とジアミン硬化剤系に添加して、エポキシ樹脂複合材を製造した。本実施例のエポキシ樹脂複合材において、各成分の質量百分率は、ビスフェノールFエポキシ樹脂55%、シリカ充填材30%、ジアミン硬化剤15%であった。
【0038】
実施例5
本実施例のシリカ充填材の表面処理方法は、
(1)シリカ粒子20gを超音波で水溶液1000mlに分散させ、シリカ分散液を調製するステップと、
(2)分子量10000のポリイミド0.1gを水溶液200mlに溶解して、濃度0.5g/Lのポリイミド水溶液を調製するステップと、
(3)上記シリカ分散液とポリイミド水溶液を混合し、得た混合液を室温で24時間超音波反応させ、分離して洗浄し、シリカ充填材を得るステップとを含む。
【0039】
本実施例で製造されたシリカ充填材は、シリカ粒子をコア、ポリイミドで構成される厚さ約15nmの被覆層をシェルとするコア−シェル構造を有する。
【0040】
本実施例で製造されたポリイミドで被覆されるシリカ粒子を充填材としてビスフェノールFエポキシ樹脂とジアミン硬化剤系に添加して、エポキシ樹脂複合材を製造した。本実施例のエポキシ樹脂複合材において、各成分の質量百分率は、ビスフェノールFエポキシ樹脂55%、シリカ充填材30%、ジアミン硬化剤15%であった。
【0041】
比較例1
エポキシ樹脂複合材中の充填材であるシリカを表面処理しない以外、本実施例のエポキシ樹脂複合材は実施例1と同様である。エポキシ樹脂複合材中の各成分及びその添加量は実施例1と同様である。
【0042】
比較例2
エポキシ樹脂複合材中の充填材であるシリカを表面処理しない以外、本実施例のエポキシ樹脂複合材は実施例2と同様である。エポキシ樹脂複合材中の各成分及びその添加量は実施例2と同様である。
【0043】
比較例3
エポキシ樹脂複合材中の充填材であるシリカを表面処理しない以外、本実施例のエポキシ樹脂複合材は実施例3と同様である。エポキシ樹脂複合材中の各成分及びその添加量は実施例3と同様である。
【0044】
比較例4
エポキシ樹脂複合材中の充填材であるシリカを表面処理しない以外、本実施例のエポキシ樹脂複合材は実施例4と同様である。エポキシ樹脂複合材中の各成分及びその添加量は実施例4と同様である。
【0045】
比較例5
エポキシ樹脂複合材中の充填材であるシリカを表面処理しない以外、本実施例のエポキシ樹脂複合材は実施例5と同様である。エポキシ樹脂複合材中の各成分及びその添加量は実施例5と同様である。
【0046】
テストした結果、各実施例のエポキシ樹脂複合材の特性は表1に示される。
【0048】
表1から明らかなように、シリカを表面処理することで、シリカの表面に重合体被覆層を被覆することによって、エポキシ樹脂の粘度と熱膨張係数を著しく低下させることができる。
【0049】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、当業者であれば、本発明の趣旨に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲を変更することができ、本明細書は本発明を制限するものではない。
【要約】
【課題】本発明は、シリカをコアとし、重合体で構成される被覆層をシェルとするシェル−コア構造を有するシリカ充填材に関する。
【解決手段】本発明のシリカ充填材は、具体的に、シリカの表面に重合体で構成される被覆層を被覆し、該被覆層によって、シリカ充填材とエポキシ樹脂の適合性及び界面結合力を向上させて、エポキシ樹脂複合材の粘度及び熱膨張係数を低下させることができる。
【選択図】なし