(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097902
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】高性能生海苔裁断装置
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20170313BHJP
【FI】
A23L17/60 103C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-267199(P2014-267199)
(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2016-112009(P2016-112009A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2016年6月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512051549
【氏名又は名称】大川精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森田 政勝
(72)【発明者】
【氏名】森田 健司
【審査官】
柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】
実用新案登録第3189010(JP,Y2)
【文献】
実用新案登録第3182182(JP,Y2)
【文献】
実用新案登録第3175323(JP,Y2)
【文献】
実用新案登録第3103510(JP,Y2)
【文献】
特開平07−099943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多通穴状固定円盤状プレートと羽根付回転ナイフからなる生海苔の裁断装置において、前記羽根付回転ナイフと噛み合わせて、最適な切断な可能にするために、直径120〜180mmφ、厚さ12〜20mmの特殊鋼又は鋳物の円盤状プレートに、開口の長さが5〜15mmで、長さ/幅の比率が1.5〜5倍の比率の略棒状形状である、総計600〜1000個の貫通棒状穴が、前記円盤状プレート上に二次曲線的に連続に並んだ貫通棒状穴群状態になるように、前記円盤状プレートの中心線から初期角度で20〜60°の放物線上に並べられており、かつ、すべての前記貫通棒状穴は、回転方向の前側の各穴縁が5〜20°の角度の傾斜が刃部を形成するように彫り込まれ、回転方向の後側の各穴縁が80〜95°の鈍角の刃部を形成するように彫り込まれ、前記刃部を有する面が曲線的刃部付開口刃部面となっている、ことを特徴とする高性能生海苔裁断装置。
【請求項2】
前記羽根付回転ナイフは、特殊鋼又は鋳物で4〜12本の60〜110mmの長さの羽根状刃部を有しており、前記多通穴状固定円盤状プレートの前記貫通棒状穴と前記羽根状刃部とが回転駆動によって生海苔の裁断に適した角度となるように、前記各羽根状刃部の回転方向に2〜5mm幅、長さ50〜100mmの超高度鋼の刃部が埋め込まれ、前記各羽根状刃部が半径方向の中心線から10〜40°の角度にずらして取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の高性能生海苔裁断装置。
【請求項3】
前記多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける4〜12本の羽根状刃部を有する前記羽根付回転ナイフを持つ押出しスクリュウによって押し付けられた生海苔を有効な条件で裁断することを確保するために、前記多通穴状固定円盤状プレートは前記押出しスクリュウの前記羽根状刃部に対して0.03mmの凹凸面以内の平滑度を有しており、可変速モータによる回転数の制御により、前記押出しスクリュウの前記羽根状刃型面と前記多通穴状固定円盤状プレートの前記曲線的刃部付き開口刃部面との接触面を0.03mm以内に保つようにしている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高性能生海苔裁断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生海苔の細胞の破壊を少なくして、適切な海苔破砕物を得るための固定プレートにおける特徴形状の貫通棒状穴に角度持たせて高切断力を得ることを目的とした生海苔切断機の多通穴状固定円盤状プレートと特殊角度を持つ羽根付き回転ナイフで、生海苔を裁断時に細胞の破壊を少なく、しかも微細均一に切断した生海苔を確保できる高性能生海苔裁断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生海苔の切断には、多数の穴孔を有する固定プレートに回転ナイフを加圧当接して、前記穴孔を通過する生海苔を、前記透孔の縁部と、ナイフとにより切断している。従って、固定プレートの裏面は、回転ナイフを当接させるために精密な平面仕上げをするのが普通であった(特許文献1参照)。
【0003】
前記海苔裁断機において生海苔を正確に裁断する場合は、多孔プレートの孔数を最大限に多くして抵抗無く均一に裁断されるように工夫されているが、その限界は孔面積比で35%程度である。しかし、生海苔の物性(硬さ、長さ、幅等の物理的な品質)によっては、カッターによる切れ味を悪くすることで、生海苔を、ムリヤリ裁断する等の作業をもって、この生海苔に揉み作用を与える。このような作業で、この生海苔の物性を変えることによって、製品仕上がりの品質の向上を図る手法も採用されている。
【0004】
従来の技術文献においては、微小生物及び/又は珪藻類等の海苔に付着した異物を除去することはできるが、柔らかくすることを目的する方法にとどまっている。従って、これらの方法では、好むように生海苔に揉み作用を与えて、生海苔の物性を変えることによって、品質の向上、生海苔の均質化を図れない等の問題があった。
【0005】
生海苔を、多通穴を持つ開口プレート側に押し付ける押出しスクリュウと、所定の長さに切断する摺接を司る加圧機構及び回転を司る回転機構を備えたナイフが摺接回転する多孔プレートにおいて、押出しスクリュウの刃部と多孔プレートの丸孔とにする切断に時間的なスペックを確保するために、前記多孔プレートの丸孔の開口率を設定する構成とした生海苔裁断機が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
さらに生海苔における繊維等の除去方法及び装置が挙げられる(特許文献3参照)。その内容は、通穴開口の固定プレートにナイフを緩く摺接し、プレートとナイフとの間に繊維等を保留させること、又は固定プレートとナイフの間隙を調整し、生海苔を確実に切断すること、また生海苔は切断できるが、繊維は切断できない構成とし、一層高精度に繊維等を分離するが、プレートに曲面状の通過孔を繞設する構成が開示されている。この通過孔を利用して繊維等の切断を回避することを目的としているものもある。
【0007】
多開口プレートをナイフの加圧当接により、効率よく生海苔をほぐす作用は生ずるが、引きちぎり切断及びすりつぶし作用等は生じないため、ムリヤリ裁断する等の作業をもって、この生海苔に揉み作用を与え、生海苔の物性を変えることは困難である。また、押出孔から押し出された生海苔は、揉み作用を充分に与えられないため、微小生物及び/又は珪藻類等の海苔に付着した異物を除去することはできず、品質の向上、生海苔の均質化が望めない等の問題が生じる(特許文献4参照)。
【0008】
またナイフの回転数とスクリューの回転数との比率を調整し、生海苔の物性に捉われることなく、生海苔の切断長さを細かくすること、また軟らかい切断済み生海苔を提供することに留まる。従って、生海苔の物性に対応して多孔プレート背面の揉み作用を与えることはできない。また多孔プレートに対する工夫がなく、この多孔プレートの利点を充分活用していない。
【0009】
多孔プレートの内側に加圧摺接回転させたナイフを設けた生海苔切断装置において、前記多孔プレートの半円状の上端中央部に水を噴霧する射水装置を多孔プレートの外側に設ける構成であり、高温になる多孔プレートを冷却するとともに、切断された生海苔を洗浄することを行っている生海苔切断装置が提案されている(特許文献5参照)。
【0010】
生海苔の移送通路にその通路を横切って回転する回転刃を設け、その上流側に粗切り用の回転不能な多孔板に設け、その下流側に細切り用な回転不能な多孔板が形成している構成であり、生海苔をスムーズに供給できて細かく均一に切断でき、長期間にわたって高い切断能力を維持する生海苔切断装置も提案されている(特許文献6参照)。
【0011】
また、生海苔の細断方法及び装置の内容は、ナイフの回転数とスクリューの回転数との比率を調整可能とし、生海苔葉の物性により前記比率調整すること、この生海苔葉の加工度を調整すること、又は製品の品質の向上を図る生海苔の細断方法及び装置が提案されている(特許文献7参照)。
【0012】
しかし生海苔の細胞破壊をせずに、裁断する生海苔切断装置はない。特に多穴プレートは、刃の形状をしていなく、切断効果が少ないものを使用されている。生海苔の細胞を壊すことなく、生海苔を適切に裁断されることが望ましい。また当社においては、実用新案登録3175323号公報と実用新案登録3182182号公報で示しているように細胞の破壊を少ないものを開発したが、さらに微細で均一な裁断する固定プレートと回転ナイフが要請されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実開平2−145090号公報
【特許文献2】特開2007−275024号公報
【特許文献3】特開平10−75745号公報
【特許文献4】実用新案登録3103510号公報
【特許文献5】実公平5−38635号公報
【特許文献6】特開平7−99943号公報
【特許文献7】特開2001−8669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
多通穴を持つ開口固定円盤式プレートの内側に加圧摺接回転させたナイフを設けた生海苔切断装置において、前記多通穴の開口を持つ固定円盤式プレートの半円状の上端中央部に設ける構成であり、高温になる開口を持つ固定円盤式プレートを冷却するとともに、切断された生海苔を直接的に洗浄されている。
【0015】
生海苔の移送通路にその通路を横切って回転する回転ナイス刃を設け、その上流側に粗切り用の多通穴固定円盤式プレート板に設け、生海苔をスムーズに供給できて細かく均一に切断でき、長期間にわたって高い切断能力を維持することが検討されている。羽根状回転ナイフの回転数とスクリューの回転数との比率を調整可能とし、生海苔の物性により前記比率調整すること、通穴を持つ固定円盤式プレートの開口でこの生海苔の加工度を調整することが行われている。しかし十分には調整がなされておらず実用化にはいたっていない。
【0016】
多通穴を持つ固定円盤式プレートの穴数の割合、形状を適切して、供給抵抗無く均一に生海苔を裁断されるように工夫されているが、その限界多通は穴の開口面積比で35%程度であるが、生海苔の物性によっては、羽根付き回転ナイフのカッターによる切れ味を悪くすることで、生海苔を、ムリヤリ裁断する等の作業をもって、この生海苔に揉み作用を与える。生海苔の細胞を破壊せずに、このような作業で、専ら熟練を要することなく、このような裁断作業を行うには、通穴開口固定プレートの穴数の割合、形状を適切にする必要があること等の問題点を指摘されている。
【0017】
生海苔の細胞破壊をせずに、裁断する生海苔切断装置において、固定円盤式プレートに、穴部に刃の形状を持たせて、切断効果を多く持たせて、生海苔の細胞を壊すことなく、生海苔を微細で均一な裁断し、美味しい海苔を製造できる多穴を持つ固定プレートが望ましい。また貫通棒状穴の刃部を、回転方向に角度の傾斜を持たせ、刃部の角度を持たせて高切断力を得た刃に彫り込んだことも一手段である。また回転ナイフにおいても、貫通穴にマッチした角度を持って切断を行うことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
多通穴状固定円盤状プレートと羽根付回転ナイフからなる生海苔の裁断装置において、前記羽根付回転ナイフと噛み合わせて、最適な切断な可能にするために、直径120〜180mmφ、厚さ12〜20mmの特殊鋼又は鋳物の円盤状プレートに、開口の長さが5〜15mmで、長さ/幅の比率が1.5〜5倍の比率の略棒状形状である、総計600〜1000個の貫通棒状穴が、前記円盤状プレート上に二次曲線的に連続に並んだ貫通棒状穴群状態になるように、前記円盤状プレートの中心線から初期角度で20〜60°の放物線上に並べられており、かつ、すべての前記貫通棒状穴は、回転方向の前側の各穴縁が5〜20°の角度の傾斜が刃部を形成するように彫り込まれ、回転方向の後側の各穴縁が80〜95°の鈍角の刃部を形成するように彫り込まれ、前記刃部を有する面が曲線的刃部付開口刃部面となっている、ことを特徴とする高性能生海苔裁断装置。
【0019】
前記羽根付回転ナイフは、特殊鋼又は鋳物で4〜12本の60〜110mmの長さの羽根状刃部を有しており、前記多通穴状固定円盤状プレートの前記貫通棒状穴と前記羽根状刃部とが回転駆動によって生海苔の裁断に適した角度となるように、前記各羽根状刃部の回転方向に2〜5mm幅、長さ50〜100mmの超高度鋼の刃部が埋め込まれ、前記各羽根状刃部が半径方向の中心線から10〜40°の角度にずらして取り付けられている。
【0020】
前記多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける4〜12本の羽根状刃部を有する前記羽根付回転ナイフを持つ押出しスクリュウによって押し付けられた生海苔を有効な条件で裁断することを確保するために、前記多通穴状固定円盤状プレートは前記押出しスクリュウの前記羽根状刃部に対して0.03mmの凹凸面以内の平滑度を有しており、可変速モータによる回転数の制御により、前記押出しスクリュウの前記羽根状刃型面と前記多通穴状固定円盤状プレートの前記曲線的刃部付き開口刃部面との接触面を0.03mm以内に保つようにしている。
【0021】
長さ5〜15mmで総計600〜1000個を有して、20〜60°の放物線上に並んだ貫通棒状穴の開口を持つ、裁断用多通穴状固定円盤状プレートにおいて、5〜20°の角度の傾斜を持たせて彫り込んだ貫通棒状穴の刃部の内部は、小径エンドミル付高速スピンドル用円テーブル傾斜式のNCフライス盤によって2mm以下の径ドリルで切削されている。
【0021】
この発明は、多通穴状固定円盤状プレートの表裏面を平面仕上げ面としてあるので、羽根付回転ナイフと多通穴状固定円盤状プレートの当接面が密接面となり、羽根付回転ナイフなどの耐用年限を誦来のものより延長することができ、しかも海苔の切断断面もシャープで、微細で分布も狭くなく、さらに美味しい食用海苔になるようになった。また超微細なものが発せず、ロスも少なく、排水を汚濁すことはなかった。
【0022】
生海苔を、回転方向に10〜30°の角度を持たせて彫り込んだ多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける、押出しスクリュウにある羽根付回転ナイフによって、この押し付けられた生海苔を、所定の長さに切断する前記貫通棒状穴の開口を有する前記固定円盤状プレートにおいて、前記押出しスクリュウにある羽根状刃型部と固定円盤状プレートの刃部付き棒状穴の開口とによる切断でスペックを確保するために、可変速モータによる回転数の制御による押出しスクリュウにある羽根状刃型部の構造にマッチできるような前記固定円盤状プレートの貫通棒状穴の開口である略棒状形状の一辺での刃部の長さを20〜60°の角度の長さ5〜10mmである貫通棒状穴を総計600〜1000個を所持した生海苔微細均一切断用円盤状プレートである。
【0023】
生海苔を微細切断する際に、羽根付回転ナイフと組み合せて使用する複数の貫通棒状穴の開口を有する前記固定円盤状プレートは、円心内部に固定円盤状プレートの留め口部を有して、その貫通棒状穴の開口の形状として略棒状形状で、当該形状で中心部から円周方向の二次曲線的になっている貫通穴の刃部を彫り込んでいる直径120〜180mmφ、厚さ12〜20mmの特殊鋼、又は鋳物の円盤状である。
【0024】
多通穴状固定円盤状プレートの開口数を少なくし、所謂、開口率を下げ、押出しスクリュウの圧力に比例しない形態を採用し、固定円盤状プレート背面の揉み作用を与えること、又は同時にこの開口率以下の孔数として押出し圧を過大にすることで、固定円盤状プレート背面の揉み作用を与える。ナイフの損耗を回避して、経済性の向上と、このナイフによる効率的な裁断を図る。さらに、生海苔に揉み作用を利用することで、その物性を変えることは多通穴状固定円盤状プレートの利点を充分活用された。
【0025】
生海苔を、多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける押出しスクリュウと、この押し付けられた生海苔を、所定の長さに切断する前記多通穴を持つ固定円盤状プレートに摺接回転する羽根付き回転ナイフと、このナイフの摺接を司る加圧機構及びこの特殊な角度を持つ羽根付き回転ナイフの回転を司る回転機構を備えて、前記押出しスクリュウでのナイフの刃部と多通穴状固定円盤状プレートの貫通棒状穴の開口の形状と刃部とにする鈍角的切断を確保するために、前記多通穴状固定円盤状プレートの貫通棒状穴の開口率を設定する構成とした。
る。
【発明の効果】
【0026】
この発明は、多通穴状固定円盤状プレートの貫通棒状穴の開口の長さ/幅が1.5〜3.0倍の比率で、長さ3mm〜10mmである略棒状形状を半径方向に二次曲線的に配列した、回転方向に10〜30°の角度を持たせて彫り込んだ通穴開口を持つ多通穴状固定円盤状プレートの表面を何れも羽根付回転ナイフの当接面としたので、適切な生海苔の切断になって、海苔の細胞の破壊を少なくして、無駄がなく、均一で微細な形状の破砕生海苔状態になって、乾燥して美味しい食用海苔になる。また細胞破壊が少なく、洗浄排水に対する環境対策に対しても有効であった。
【0027】
前記回転方向に10〜30°の角度を持たせて彫り込んだ貫通棒状穴の長さ/幅が1.5〜3.0倍の比率で、長さ3〜00mmである略棒状形状を半径方向に放物線上に配列した貫通棒状穴の開口を持つ多通穴状固定円盤状プレートの貫通棒状穴の開口率を設定する構成として、羽根付回転ナイフは、各羽根の回転方向に超高度鋼の刃部を埋め込み、各羽根部を中心線から20〜30°にずらして取り付けている生海苔裁断装置であるために、生海苔を、貫通棒状穴通穴開口を持つ多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける押出しスクリュウと、この押し付けられた生海苔を、均一で微細な切断する。そのため美味しい海苔が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】回転方向に角度を持たせて彫り込んだ貫通棒状穴の開口を有する多通穴状固定円盤状プレートと羽根付回転ナイフを示した使用状態図と羽根付き回転ナイフの状態図と固定円盤状プレートと接触面の状態の図。A:平面図 B:断面図(接触面)
【
図2】多通穴開口を有する固定円盤状プレートで、貫通棒状穴の刃部を、回転方向に角度の傾斜を持たせて彫り込んだ略貫通棒状穴を持つ固定円盤状プレートの図 A:多通穴状固定円盤状プレート平面図 B:断面図
【
図3】角度に羽根を持った刃付き回転ナイフの表面図(A)と裏面図(B)と+断面図(C)
【
図4】回転方向に角度を持たせて彫り込んだ貫通棒状穴通穴開口を有する固定円盤状プレート部と貫通棒状穴の刃部との詳細図 A:固定円盤状プレートの穴部分図 B:切断穴の状態図、C:断面図
【
図5】回転方向に角度の傾斜を持たせて彫り込んだ略貫通棒状穴数の切削方法を使用した装置の図
【
図6】従来品と本願の固定円盤状プレートを使用した生海苔切断状態の写真 A:従来品 B:本願品
【発明を実施するための形態】
【0029】
この考案は、
図1〜
図5に示すように、多通穴開口を有する固定円盤状プレートの表裏両面を仕上げ面とした考案である。従って、
図2に示すように羽根付き回転ナイフを加圧当接して使用することができるので、偏摩した場合には、表面及び裏面を修正し、使用することができる。
【0030】
この考案の実施例を
図1〜
図6について説明すると、円盤にプレートの開口面を円盤全体の50〜80%になって、長さ/幅が1.5〜3倍の比率で、長さ3mm〜10mmである略棒状形状を半径方向に放射状二次曲線的に配列して、使用面積の50〜80%になって、略棒状形状にして、当該形状は中心部から円周方向の直線刃部の切り込みの角度を中心線から20〜60°方向に直線刃部を設け、その表裏面の中央部に、軸受けを固定する為の円形凹入部を設けて固定プレートを構成した。中心部は軸受け固定用のボルト孔である。多通穴状固定円盤状プレートであって、表面側の外周部に環状突条を有し、固定時にはこの突条部を加圧固定している。
【実施例1】
【0031】
図2に示すように、生海苔を切断する生海苔裁断機に使用する多通穴状固定円盤状プレートは、厚さ15mmの特殊鋼の180mmの円盤を使用して、
図5に示すように切削機によって加工を行った。また
図3に示すような羽根付き回転ナイフと組み合せて使用する複数の貫通棒状穴の開口を有する多通穴状固定円盤状プレートは、直径180mmφ、厚さ15mmの特殊鋼の円盤状で、円心内部に固定プレートの留め口部を有して、その周囲に多通穴状固定円盤状プレートの円盤全体でプレートの開口面を円盤全体の75%になって、長さ/幅が2.4倍の比率で、長6mmである略貫通棒状形状を約714個配列して約75%の開口面を有して、その形状として略長方形形状であって、当該形状で切り刃に対して角度を30°の方向に配列した放射状にした。また刃部の形状は回転方向に10°の角度の傾斜を持たせて彫り込んだ。
【0032】
回転ナイフは、鋳物で8本の75mmの長さの羽根状部になって、多通穴状固定円盤状プレートの各通穴状開口と羽根状部とが回転駆動によって海苔裁断に適した角度状態にするために、各羽根の回転方向に4mm幅、長さ75mmの超高度鋼の刃部を埋め込み、各羽根部を中心線から15°にずらして取り付けた。
【0033】
生海苔を、多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける8本の羽根付回転ナイフを持つ押出しスクリュウによって、この押し付けられた生海苔を有効的な条件で裁断することを確保するために、前記押出しスクリュウの羽根状刃型部に対して0.03mmの凹凸面以内の平滑度を持つ多通穴状固定円盤状プレートになっており、可変速モータによる回転数の制御による押出しスクリュウにおいて、羽根式回転ナイフの刃型部面と固定プレートの曲線的刃部付き開口刃部面との接触面を0.03mm以内に保つようにした。
【0034】
裁断用多通穴状固定円盤状プレートにおいて、10°の角度の傾斜を持たせて彫り込んだ貫通棒状穴の刃部の内部は、小径エンドミル付高速スピンドル用円テーブル傾斜式のNCフライス盤によって1.5mmの径ドリルで切削された。
【0035】
生海苔を、多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける、押出しスクリュウにある8本のナイフを持つ羽根付き回転ナイフによって、この押し付けられた生海苔を、前記押出しスクリュウの羽根刃型部と0.03mmの凹凸面以内の平滑度を持つ多通穴状固定円盤状プレートの曲線的刃部付き開口刃部とによる裁断での有効的な条件を確保するために、可変速モータによる回転数の制御による押出しスクリュウの羽根刃型部の構造である、スクリュウの羽根刃型部と多通穴状固定円盤状プレートの曲線的刃部付き開口刃部との接触面を0.05mm以内になった。
【0036】
生海苔を、
図1のように多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける押出しスクリュウにある回転ナイフと、この押し付けられた生海苔を、所定の長さに切断する前記貫通棒状穴の開口を有する多通穴状固定円盤状プレートにおいて、前記押出しスクリュウの刃部と多通穴状固定円盤状プレートの貫通棒状穴の開口とにする切断に適切なスペックを確保するために、押出しスクリュウの刃型形状と回転数を可変速モータの制御による構成と、前記多通穴状固定円盤状プレートの通穴口の略長方形状の形状と開口率を約75%に設定する構成からできている生海苔切断機の多通穴状固定円盤状プレートであった。
【0037】
生海苔を切断する際に、当該多通穴状固定円盤状プレート固定プレートにおいて、表裏両面を同一仕上げ面とすると共に、表裏両面の中央部へ夫々軸受け取付け部を設けた結果、
図6−Bに示すように生海苔を切断して、微細で均一に破砕された生海苔が得られた。また洗浄液も臭い、色もつかなくなった。洗浄後乾燥海苔を製造したところ、製品海苔のつや、味の上等海苔が得られた。また切断面が均一であって、細胞の破壊が少なかった。また得られた乾燥海苔製品も味のよいものであり、排水のおける色、あるいは臭いも少なかった。
【実施例2】
【0038】
生海苔を切断する生海苔裁断機に使用する多通穴状固定円盤状プレート固定プレートは、厚さ15mmの特殊鋼の180mmの円盤を使用して、切削機によって加工を行った。
図2に示すような羽根付き回転ナイフと組み合せて使用する複数の貫通棒状穴を有する多通穴状固定円盤状プレート固定プレートは、直径180mmφ、厚さ15mmの特殊鋼の円盤状で、円心内部に固定プレートの留め口部を有して、その周囲に多通穴状固定円盤状プレート固定プレートの円盤全体でプレートの開口面を円盤全体の65%になって、長さ/幅が2.0倍の比率で、長さ8mmである略棒状形状を半径方向二次曲線的に650個の通穴口を配列して約65%の開口面を有して、その形状として略長方形形状であって、当該形状で中心部から円周方向に中心線から28°にして、形状した。当該形状で切り刃に対して角度を30°の方向に配列した放射状にした。また刃部の形状は回転方向に10°の角度の傾斜を持たせて彫り込んだ。
【0039】
長さ8mmで総計650個を有して、25°の放物線上に並んだ貫通棒状穴の開口を持つ、裁断用円盤状プレートにおいて、12°の角度の傾斜を持たせて彫り込んだ貫通棒状穴の刃部の内部は、小径エンドミル付高速スピンドル用円テーブル傾斜式のNCフライス盤によって2mm以下の径ドリルで切削された。
【0040】
生海苔を、多通穴状固定円盤状プレート側に押し付ける回転ナイフ付き押出しスクリュウと、この押し付けられた生海苔を、所定の長さに切断する前記多通穴口を有する固定プレートにおいて、前記押出しスクリュウの刃部と多通穴状固定円盤状プレートの貫通棒状穴通穴口とにする切断にスペックを確保するために、押出しスクリュウの刃型形状と回転数を可変速モータの制御による構成と、前記固定円盤状プレートの貫通棒状穴の略長方形状の形状と開口率を約65%に設定する構成からできている生海苔切断機の多通穴状固定円盤状プレートであった。
【0041】
生海苔を切断する際に、当該多通穴状固定円盤状プレートにおいて、生海苔を切断して、均一に破砕された生海苔が得られた。また洗浄液も臭い、色もつかなくなった。洗浄後乾燥海苔を製造したところ、製品海苔の色彩、味の上等海苔が得られた。特に
図4に示すように切断面が均一であって、細胞の破壊が少なかった。また得られた乾燥海苔製品も味のよいものであり、排水のおける色、あるいは臭いも少なかった。一方通常の切断用円盤状プレートを使用した場合には
図6の示すように破砕片が不均一であって、超微細片が洗浄液に排出されて、排水の汚染をもたらされた。しかし本願のものはそのような状況にはならなかった。
【符号の説明】
【0042】
1 多通穴状固定円盤状プレート
2 貫通棒状穴
3 棒状形状
4 台形形状
5 軸受け
6 二次曲線的配列
7 羽根付き回転ナイフ
8 刃型部
9 円盤状プレート
10 可変速モータ
11 原料投入口
12 回転軸
13 傾斜部
14 切削刃物
15 傾斜NC円テーブル