特許第6097957号(P6097957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097957
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】遊技場演出装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-137659(P2016-137659)
(22)【出願日】2016年7月12日
(62)【分割の表示】特願2012-194592(P2012-194592)の分割
【原出願日】2012年9月4日
(65)【公開番号】特開2016-179283(P2016-179283A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2016年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】月東 康慶
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−000623(JP,A)
【文献】 特開平08−196728(JP,A)
【文献】 特開2007−089774(JP,A)
【文献】 特開2005−160927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の遊技状態に応じた演出を行う遊技場演出装置であって、
予め定められた遊技機群に属する遊技機のうち、複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっているか否かを判定する遊技状態判定手段と、
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定された場合に、所定の演出を行う演出手段と、を備えた
ことを特徴とする遊技場演出装置。
【請求項2】
所定時間において、前記遊技状態判定手段が前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定した回数を判定する回数判定手段を備え、
前記演出手段は、前記回数判定手段の判定結果に応じて、異なる演出を行うことが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技場演出装置。
【請求項3】
前記所定の演出は、所定の音声が出力される演出である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場演出装置。
【請求項4】
遊技機の遊技状態に応じた演出を行う遊技場演出装置を構成するコンピュータを、
予め定められた遊技機群に属する遊技機のうち、複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっているか否かを判定する遊技状態判定手段、及び
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定された場合に、所定の演出を行う演出手段、として機能させる
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた遊技機群に属する遊技機のうち、複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定された場合に、所定の演出を行う遊技場演出装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機が設置される遊技場においては、遊技態様を工夫した様々な遊技システムが提案されている。
例えば、ある遊技機が大当たり等、特定の遊技状態になった場合に、事前の登録により関連付けた他の遊技機を同様の遊技状態に移行させる遊技システムが開示されている(特許文献1参照)。
これにより、関連付けられた遊技機が同じ遊技状態となるので、それぞれの遊技機において、例えば、装飾ランプの点滅、スピーカーの鳴動によるファンファーレ音の出力など、特定の遊技状態に関連する光や音による演出が同時期に行われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−15169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、予め定められた遊技機群に属する遊技機のうち、複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定された場合に、所定の演出を行う遊技場演出装置及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場演出装置は、遊技機の遊技状態に応じた演出を行う遊技場演出装置であって、予め定められた遊技機群に属する遊技機のうち、複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっているか否かを判定する遊技状態判定手段と、前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定された場合に、所定の演出を行う演出手段と、を備えた構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係る演出制御装置と他の遊技場装置とからなる遊技場システムの構成を示す概略図である。
図2】各遊技場装置間の信号の流れを示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る演出制御装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る遊技機群を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る遊技場演出方法を示すフローチャートである。
図6】特賞の種別に応じた他の演出例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の遊技場演出装置の一実施形態である演出制御装置90について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の演出制御装置90は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機10が設置されている遊技場において、近接する遊技機10からなる遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に、例えば、パチンコ機ならば、大当りや確率変動遊技状態など、スロットマシンならば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)などのボーナス遊技又は、ボーナス遊技以外の遊技者に有利な遊技状態であるRT(リプレイタイム)、ART(アシスト・リプレイタイム)などの、特定の遊技状態(以下、特賞状態という)になった場合に、遊技機群として盛況な遊技状態になったと周囲が認識できるよう、遊技場における照明や音声の出力制御を介した演出を行う遊技場装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係る演出制御装置と他の遊技場装置とからなる遊技場システムの構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技場システムは、主に、複数の遊技機10が設置される遊技場に備えられる、台間機20、呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、ホールコンピュータ60、及び、演出制御装置90によって構成されている。
遊技機10と、台間機20と、呼出ランプ30と、台コンピュータ40と、島コンピュータ50と、ホールコンピュータ60とは、ローカル・エリア・ネットワーク等を介して通信可能に接続され、島単位に設けられる演出制御装置90は、島コンピュータ50と通信可能に接続される。
以下、各遊技場装置の構成について詳細に説明する。
【0008】
遊技機10は、パチンコ機,スロットマシン,アレンジボール機,雀球機等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技装置である。
このような遊技機からは、以下のような遊技信号が出力される。
例えば、パチンコ機からは、特定の遊技状態を示す遊技信号(特賞信号)として、大当り状態を示す大当り信号、大当りの抽選確率が通常遊技状態よりアップする確率変動遊技状態、図柄の変動時間が通常遊技状態より短縮する時間短縮遊技状態を示す確変・時短信号等が出力される。
また、スロットマシンからは、特定の遊技状態を示す遊技信号(特賞信号)として、ボーナス遊技に係るBB信号やRB信号が出力され、遊技者に有利なその他の遊技状態として、RT信号やART信号が出力される。
また、その他の遊技信号では、遊技媒体の出入数を示す遊技信号として、遊技機10への遊技媒体の投入数を示すアウト信号(投入信号)、遊技機10から遊技媒体の払出数を示すセーフ信号(払出信号)、一ゲームごとに出力されるスタート信号(パチンコ機に限る)、所定の入賞口に遊技媒体が入賞したことを示す入賞信号(パチンコ機に限る)等が出力される。
これらの遊技信号は呼出ランプ30及び台コンピュータ40に入力される(図2参照)。
【0009】
台間機20は、遊技機10に一対一に対応して設けられた遊技媒体を貸し出す装置であって、現金、貯玉会員カード、ICコインなどが投入されることによって、投入金額に応じた遊技媒体の貸出しを行うとともに、遊技媒体の貸出数又は貸出金額を示す売上信号を台コンピュータ40へ出力する。
【0010】
呼出ランプ30は、遊技機10の上方に設置されており、電球やLEDなどのランプを点灯又は点滅させることで、大当りの発生、確変中、店員呼出中等を遊技者に告知する。また、遊技機10から出力される各種遊技信号を受信する。
なお、後述するように、呼出ランプ30は、遊技機10に内蔵する図示しないスピーカーと同様、演出制御装置90による演出の対象として用いることもできる。
【0011】
台コンピュータ40は、遊技機10、台間機20、呼出ランプ30、島コンピュータ50と通信可能に接続されており、これらの各装置間で所定の信号を送受信する情報処理装置である。台コンピュータ40は、遊技機10から出力される各種遊技信号と台間機20から出力される売上信号を受信し、適宜蓄積して島コンピュータ50へ送信するようになっている。なお、遊技機10から出力された遊技信号を、呼出ランプ30を介して受信することもできる。
【0012】
島コンピュータ50は、台コンピュータ40とホールコンピュータ60のそれぞれと通信可能に接続され、これらの各装置間で遊技信号を送受信する情報処理装置として動作することにより、台コンピュータ40から送信されてきた各種信号を受信し、ホールコンピュータ60及び演出制御装置90へ送信する。
【0013】
ホールコンピュータ60は、プログラム制御により動作する情報処理装置であって、遊技場に備えられる全遊技機10に関する遊技情報や機種情報等が記憶・管理・分析されるようになっており、この他にも、遊技場において必要な営業管理情報なども管理する。
【0014】
演出制御装置90は、主に、近接する遊技機10からなる所定の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に大当り、ボーナス遊技などの特賞状態(前述の特定の遊技状態)になったか否かを判定する動作や、係る状態になったと判定された場合に、遊技場内の照明や音声の出力制御によって、遊技機群が全体として盛り上がっている状態を認識できるような演出を行う。
演出制御装置90は、図1に示すように、装置本体を起動するための電源スイッチ910、同じ島など同一の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になったと判定された場合に演出動作に合わせて点灯又は点滅する動作確認用の島ランプ911、演出時間を手動設定するためのタイマー設定スイッチ912、及び、演出時における照明・音声の出力パターンや出力パターンごとの演出条件を設定する演出設定スイッチ913を、主なユーザーインターフェースとして備える。
【0015】
また、演出制御装置90は、図3に示すように、遊技機10からの遊技信号を島コンピュータ50を介して受信する通信I/F901、タイマー設定スイッチ912や演出設定スイッチ913の操作に応じた設定信号を入力する入力I/F902、演出時における照明・音声の出力パターン等を予め保存する記憶部903、初期値として又はタイマー設定スイッチ912の手動操作に応じて設定された演出時間を計測するタイマー904、演出時に遊技場内のスピーカーに所定の音声情報を出力するAMP(Amplifier)905、演出時に遊技場内の照明に制御信号を出力して点滅等の所定の演出を行うランプ出力部906、及び、CPU,ROM,RAM等を備えコンピュータとして動作する制御部907を、内部構成として備える。
また、AMP905の出力先には、音声の出力装置として遊技場内の遊技機群ごとに配置されたスピーカーがあり、ランプ出力部906の出力先には、光の出力装置として遊技場内の遊技機群ごとに配置された照明があり、これらの出力装置から出力される音声や照明のいずれかを含む出力形態によって演出を行うようにしている。
なお、ROMには、所定のプログラムが格納され、CPUがこのプログラムを読み取ることで、制御部907として以下の特徴的な動作を行う。
【0016】
制御部907は、自らが遊技状態判定手段として動作することによって、各遊技機10からの大当り信号、BB信号、RB信号、RT信号、ART信号などの特賞信号にもとづき、「近接する遊技機からなる所定の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になった」か、どうかを判定する。
【0017】
ここで、「近接する遊技機からなる所定の遊技機群」とは、遊技場において複数の遊技機10がまとまって配列された島、川などの遊技機群のことをいう。
このような遊技機群は、通常、同一種類、同一機種名の遊技機10によって構成される。
図4は、本発明の一実施形態に係る遊技機群を説明するための図であり、遊技場における遊技機のレイアウト図の一例である。
例えば、図4の斜線部に示すように、隣接する複数の遊技機10がまとまって形成される遊技機群を「島」(島A参照)という。
同様に、一列に配置された遊技機群を「列」(列g参照)といい、島と島をまたいで対向する両列の遊技機群を「川」(川B参照)という。
その他、「島」,「川」,「列」には該当しないが、台番号42〜44のように、数台の遊技機10が隣接する小グループも本発明の遊技機群として適用することができる。
なお、本実施形態の演出制御装置90は島ごとに設置されるため、「川」のように、複数の遊技機10が異なる島にわたる遊技機群についての判断を要する場合には、すべての遊技機10を管理するホールコンピュータ60に、前記遊技状態判定手段その他、制御部907の各機能動作を行わせることが好ましい。
【0018】
「同時期」は、同一の遊技機群に含まれる複数の遊技機10の特賞状態の時間帯が互いに重なった場合をいい、それらの時間帯の一部が重なり合うことで足りる。
例えば、台番号1〜10の遊技機10からなる島Aを同一の遊技機群とする場合において、台番号1の遊技機10からの特賞信号によって特定されるその遊技機が特賞状態になっている時間帯の一部と、台番号2の遊技機10からの特賞信号によって特定されるその遊技機が特賞状態になっている時間帯の一部が重なっている場合には、「島Aに属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になった」、と判定することができる。
【0019】
また、制御部907は、自らが演出手段として動作することによって、所定の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になった場合に、照明や音声のいずれかを含む出力形態によって、複数の遊技機10が同時期に特賞状態になったことを認識させる演出をその複数の遊技機10の属する遊技機群に併設された出力装置を介して行う。
例えば、前述の例において、台番号1と台番号2の遊技機10が同時期に特賞状態になった時からタイマー904に設定されている演出時間の間、島Aの島端ランプ70Aを点滅させるとともに、特別な音楽やアナウンスなど所定の音声を島Aの近辺に併設された場内スピーカーやその島に属する遊技機10に内蔵のスピーカーから流すように、AMP905とランプ出力部906を制御する。また、台番号16〜25からなる川Bを同一の遊技機群とする場合において、台番号19と台番号24の遊技機10が同時期に特賞状態になった場合には、川Bに関連する島端ランプ70Bと島端ランプ70Cを点滅させる等の制御を行う。
【0020】
このようにすると、その島や川において特賞状態の遊技機10が複数台となり、そのことによって島全体又は川全体として盛り上がっていることを、周囲の遊技者に効果的に認識させることができる。
また、島や川ごとに同一種類、機種名の属する遊技機10を配置する遊技場においては、どのような遊技機10が盛り上がっているかを容易に認識することができる。
【0021】
また、特賞状態の頻度や出玉数に応じて演出に変化を加えることもできる。
例えば、所定時間内に「所定の遊技機群に属する複数の遊技機が同時期に特賞状態になった」回数が多いほど華やかな演出をしたり、「所定の遊技機群に属する複数の遊技機が同時期に特賞状態」になっている間にそれら複数の遊技機10において払い出された出玉数の累計が多いほど華やか演出をしたりすることができる。
【0022】
前者の場合、制御部907が自ら頻度取得手段として機能することで、所定時間内において、島Aに属する遊技機10のうちの任意の組み合わせに係る複数の遊技機10が同時期に特賞状態になった回数を取得する。そして、例えば、島Aに係るこの回数が、M回未満の場合には、島端ランプ70Aを点滅させ、M回以上の場合には、島Aに属する各遊技機10に接続されたすべての呼出ランプ30を点滅させる等することができる。
後者の場合、制御部907が自ら出玉数累計取得手段として機能することで、島Aに属する遊技機10のうち任意の組み合わせからなる複数の遊技機10が同時期に特賞状態になるたびにその同時期における各遊技機10の出玉数の累計値を求める。そして、例えば、島Aに係るこの累計値がN以上かN未満かによって同様の演出を行うことができる。
【0023】
さらに、前者と後者との組み合わせに応じた演出も可能である。例えば、所定時間内に、島Aに属する遊技機10のうちの複数の遊技機10が同時期に特賞状態になった回数がM回未満の場合には、島端ランプ70Aを点滅させ、その回数がM回以上の場合には、島Aに属する各遊技機10に接続されたすべての呼出ランプ30を点滅させるが、さらに、島Aに属する前述した出玉数の累計値がN以上の場合には、島端ランプ70Aを点滅させるとともに、島Aに属する各遊技機10に接続されたすべての呼出ランプ30を点滅させる等することができる。
このような演出によれば、遊技者は、好調な遊技機群を認識できるだけでなく、好調の度合いを効果的に認識することが可能となる。
【0024】
また、遊技機群ごとに固有の演出ができるように、演出時の照明や音声の出力内容を遊技機群ごとに変えることもできる。
例えば、島Aに属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になった場合の照明の点滅パターン・色や音声の内容と、島Bにおいて同様の状態になった場合の照明の点滅パターン等を変えることができる。
このようにすると、遊技者は、どの遊技機群が好調かを、他の遊技機群と対比しながら判断することができ、また、前述した特賞状態の頻度や出玉数に応じた演出と組み合わせた場合には、どの遊技機がどの程度好調かを、他の遊技機群と対比しながら判断することができる。
このため、遊技者は、遊技機を選択する際の有用な情報として演出内容を参考にすることができる。
【0025】
なお、このような様々な演出に対応するため、制御部907は、演出設定スイッチ913の操作に応じ、演出条件や照明や音声の出力パターン等、具体的な演出内容に相当する特賞演出設定及び演出条件を記憶部903に登録することができる。
例えば、照明と音声の組み合わせによる特賞演出設定としては、以下の設定態様がある。
(i)島端ランプ(該当する島の島端ランプ70)の点滅+遊技機スピーカー(特賞状態になった遊技機10に内蔵されているスピーカー又はその島に属する各遊技機10に内蔵されているスピーカー)からの音声出力。
(ii)島列遊技機の呼出ランプ(その島に属する各遊技機10と接続されたすべての呼出ランプ30)の点滅+遊技場スピーカー(該当する島の近辺に併設された場内スピーカー)からの音声出力。
(iii)島列遊技機の呼出ランプ(同上)と島端ランプ(同上)の点滅+遊技場スピーカー(同上)からの音声出力、を例示することができる。
また、演出条件としては、例えば、以下の二つの条件がある。
(iv)特賞回数の頻度が一定回数以上か否か。
(v)出玉数の累計が一定値以上か否か、を例示することができる。
【0026】
このような演出条件及び特賞演出設定によれば、同一の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になったかどうかを監視しつつ、例えば、その頻度や出玉数の累計値を算出し、(iv),(v)のいずれかの演出条件を満たす場合には、特賞演出設定(ii)にもとづく演出を行い、(iv),(v)のいずれの演出条件も満たす場合には、特賞演出設定(iii)にもとづく演出を行い、(iv),(v)のいずれの演出条件も満たさない場合には、特賞演出設定(i)にもとづく演出を行うようにすることができる。
【0027】
このように、本発明の演出制御装置90の特徴的な構成によれば、遊技状態判定手段が、同じ島、川,その他の所定の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に、大当たり,BB,RB,RT,ARTなどの特賞状態になったか否かを判定し、演出手段が、複数の遊技機10が同時期に特賞状態になったと判定された場合に、照明や音声の出力形態を用いて演出するようにしている。
また、特賞回数の頻度や出玉数に応じて演出に変化を加えることによって、遊技機群における盛り上がりの程度を認識できるようにすることができる。
このため、遊技機群において複数の遊技機10が特賞状態になり、そのことによって遊技機群が全体として盛り上がっていることを、華やかな演出によってアピールすることができる。
したがって、遊技者は、どの遊技機群に属する遊技機10が好調なのか、どの機種の遊技機10が好調なのか、どの程度好調なのか、を他の遊技機群に属する遊技機10で遊技を行いながら判断することができる。
また、好調な遊技機群において未だ特賞状態になっていない遊技中の遊技者は、特賞状態になる期待をもちながら遊技を続けることができる。
【0028】
(遊技場演出方法)
次に、本発明の遊技場演出方法について図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る遊技場演出方法を示すフローチャートである。
ここでは、前述した(i)〜(iii)の特賞演出設定、及び、(iv),(v)の演出条件を適用した場合の演出方法について説明する。なお、(i)〜(v)に関する部分については適宜対応する番号を示して説明する。
【0029】
図5に示すように、まず、演出制御装置90が、特賞信号を受信する(S1)。具体的には、遊技機10から出力される大当り信号、BB信号、RB信号、RT信号、ART信号等を、島コンピュータ50を介して受信する。
次に、制御部907が、受信した特賞信号にもとづき、同一の遊技機群に属する二以上の遊技機10が同時期に特賞状態になったか否かを判定する(S2)。
同一の遊技機群に属する二以上の遊技機10が同時期に特賞状態になったと判定されない場合には、通常の演出を行う(S3)。
【0030】
他方、同一の遊技機群に属する二以上の遊技機10が同時期に特賞状態になったと判定された場合には、所定時間内において、同一の遊技機群に属する二以上の遊技機10が同時期に特賞状態になった回数(以下、特賞回数という)がM以上か否か(v)を判定する(S4)。
特賞回数がM未満の場合(S4−No)、特賞演出設定(i)(S5)に応じた特賞演出を行う(S9)。具体的には、該当する島の島端ランプ70を点滅させるとともに、その島に属する遊技機10に内蔵のスピーカーから所定の音声を出力させる。
【0031】
特賞回数がM以上の場合(S4−Yes)、特賞演出設定(ii)が決定する(S6)。
続いて、制御部907は、同一の遊技機群に属する二以上の遊技機10が同時期に特賞状態になったことによる出玉数(以下、特賞出玉数という)の累計がN以上か否かを判定する(S7)。
特賞出玉数の累計がN未満の場合(S7−No)、S6で決定した特賞演出設定(ii)に応じた特賞演出を行う(S9)。具体的には、該当する島に属する各遊技機10に接続されたすべての呼出ランプ30を点滅させるとともに、その島の近辺に併設された場内スピーカーから所定の音声を出力させる。
特賞出玉数の累計がN以上の場合(S7−Yes)、特賞演出設定(iii)(S8)に応じた特賞演出を行う(S9)。具体的には、該当する島に属する各遊技機10に接続されたすべての呼出ランプ30と島端ランプ70を点滅させるとともに、その島の近辺に併設された場内スピーカーから所定の音声を出力させる。
【0032】
以上のように、本発明の遊技場演出方法によれば、同じ島、川、その他同一の遊技機群に属する複数の遊技機10が同時期に特賞状態になったか否かを判定する工程と、係る特賞状態になったと判定された場合に、照明や音声のいずれかを含む出力形態によって、複数の遊技機10が同時期に特定の遊技状態になったことを認識させる演出を当該複数の遊技機の属する遊技機群に併設された所定の出力装置を介して行う工程と、を有するようにしている。
また、特賞の頻度や出玉数に応じた演出を行う工程を加えることも可能である。
このため、前述した装置発明のような構成・態様に拘わらず、上記遊技場演出方法によっても本発明の目的を達成し、所期の作用効果を奏することができる。
【0033】
(特賞の種別に応じた他の演出例)
ここで、特賞の種別に応じた他の演出例について図6を参照しながら説明する。
具体的には、同じ遊技機群に属する2台の遊技機10a,10bが同時期に特賞状態になったことを前提としつつ、特賞の種別によって演出を変化させたものである。
【0034】
このため、制御部907は、自らが遊技状態種別取得手段として動作することで、特賞がA賞(BB)、B賞(RB)、C賞(RT)のいずれの種別に該当するかを遊技信号にもとづき判断する(図6(a))機能をさらに備える。
そして、2台の遊技機10がそれぞれ当選する特賞の種別にもとづき、A賞が含まれる組み合わせ(A−A,A−B,A−C)、A賞を除きB賞が含まれる組み合わせ(B−B、B−C)、A賞及びB賞を除くC賞の組み合わせ(C−C)に区分し(図6(b))、区分ごとに照明・音声の(iii)〜(i)の特賞演出設定を紐付ける(図6(c))。
このようにすると、2台の遊技機10a、10bがそれぞれ当選し得る特賞の種別によって演出に変化を加えることができる。
【0035】
さらに、前記(iv)や(v)の演出条件を加えることも可能である(図6(d))。
例えば、特賞回数が所定の頻度に達したか否か、出玉数の累計が所定値を超過したか否か、に応じて特賞組み合わせに応じた(i)〜(iii)の出力制御による演出を行い、又は、係る演出条件の具備又は不備によって(i)〜(iii)の演出にさらに変化を加えるようにすることができる。
このようにすると、特賞回数や出玉数に代え、または、これらと併せて、遊技機群ごとの好調さが認識できるように演出を行うことが可能となる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の遊技場演出装置及びプログラムによれば、予め定められた遊技機群に属する遊技機のうち、複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になっていると判定された場合に、所定の演出を行うことができる。
すなわち、本実施形態の遊技場演出装置及びプログラムによれば、同時期に特定の遊技状態になった複数の遊技機の属する島又は川などの遊技機の設置単位ごとに演出を盛り上げることができるとともに、どの遊技機群に属する遊技機が好調なのかを判断することができ、また、遊技機群ごとに好調の程度を把握することができる。
【0037】
以上、本発明の遊技場演出装置や遊技場演出方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、演出制御装置90の一部又は全部の機能をホールコンピュータ60、島コンピュータ50、台コンピュータ40といった他の遊技場装置が備えることによって、これらの遊技場装置が単独又は複合的に本発明の遊技場演出装置を実現することができる。
また、出力形態として香りを加えることもできる。例えば、香料の調香が可能な香り発生装置を演出制御装置90に接続し、遊技信号から特定される演出条件に応じて調香された香りを遊技場内に噴霧させることができる。
このようにすると、好調な遊技機群の存在を嗅覚によって認識できるとともに、遊技者に満足感を与え遊技性を高めることができる。
【0038】
また、既設の照明以外に遊技場内の適切な場所(該当する遊技機群のエリア付近等)にLED照明を設置してその出力を制御対象とすることもできる。
このようにすると、既設照明による演出不足を解消し、演出効果をより高めながら、電力消費量を極力抑えることもできる。
また、場内のスピーカーに加え、遊技場外部のスピーカーを介した音声の演出も可能である。このようにすると、遊技場の臨場感を外部に伝えることができ、集客等の宣伝効果を期待することができる。
【0039】
また、ホールコンピュータ60における操作に応じ、すべての特賞演出設定を一括して登録することができる。このため、島ごとに設置された演出制御装置90の場合と比べ、設定の労力を軽減でき利便性を向上させることができる。
また、遊技機10の表示装置(液晶ディスプレイ)を含め遊技場内にある表示装置に信号割込処理を行い、表示装置に表示される遊技機10のレイアウト画像に、特賞状態が集中している島をカラー点滅等させることも可能である。このようにすると、遊技場全体における遊技機群ごとの遊技傾向を円滑に把握することができる。
【0040】
また、演出制御装置90を遊技場内のWifi等に接続することによって、演出制御装置90における特賞演出設定(演出の内容を説明するもの)をスマートフォンなどの携帯端末に表示させるようにすることもできる。このようにすると、遊技場内にいながら演出内容を容易に確認することができるため、遊技者は、どの遊技機群がどの程度好調かを把握しながら遊技を行うことができる。
【0041】
また、「複数の遊技機」は2台以上に限らず、任意の複数台以上とすることもできる。
また、「複数の遊技機」の台数に応じて演出に変化を加えることもできる。
また、「特賞状態」は、大当り、BB、RB、RT、ARTに限るものではなく、他の遊技状態を加えてもよく、または、減らしてもよい。
すなわち、このように、拡張性や汎用性に優れた遊技場演出装置及び遊技場演出方法を提供することができる。
【0042】
また、本明細書に開示された発明は以下のような構成とすることができる。
1.遊技機の遊技状態に応じた演出を行う遊技場演出装置であって、
近接する遊技機からなる所定の遊技機群において、当該遊技機群に属する複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったか否かを判定する遊技状態判定手段と、
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったと判定された場合に、少なくとも照明又は音声のいずれかを含む出力形態によって、前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったことを認識させる演出を当該複数の遊技機の属する遊技機群に併設された所定の出力装置を介して行う演出手段と、を備えた
ことを特徴とする遊技場演出装置。
2.同一の遊技機群に属する複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になった頻度を求める頻度取得手段を備え、
前記演出手段は、
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったと判定された場合に、前記頻度に応じた前記演出を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技場演出装置。
3.前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったと判定されるたびに、前記特定の遊技状態における前記複数の遊技機の出玉数の累計値を求める出玉数累計取得手段を備え、
前記演出手段は、
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったと判定された場合に、前記累計値に応じた前記演出を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場演出装置。
4.前記特定の遊技状態の種別を取得する遊技状態種別取得手段を備え、
前記演出手段は、
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったと判定された場合に、前記遊技状態の種別に応じた前記演出を行う
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技場演出装置。
5.遊技機の遊技状態に応じた演出を行う遊技場演出方法であって、
近接する遊技機からなる所定の遊技機群において、当該遊技機群に属する複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったか否かを判定する工程と、
前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったと判定された場合に、少なくとも照明又は音声のいずれかを含む出力形態によって、前記複数の遊技機が同時期に特定の遊技状態になったことを認識させる演出を当該複数の遊技機の属する遊技機群に併設された所定の出力装置を介して行う工程と、を有する
ことを特徴とする遊技場演出方法。
【符号の説明】
【0043】
10 遊技機
30 呼出ランプ
40 台コンピュータ
50 島コンピュータ
60 ホールコンピュータ
70 島端ランプ
90 演出制御装置
901 通信I/F
902 入力I/F
903 記憶部
904 タイマー
905 AMP
906 ランプ出力部
907 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6