【文献】
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【文献】
「今からでも遅くない! パズドラ攻略ブック Androider+ 2013年6月号付録」,日本,株式会社インプレスジャパン,2013年 4月23日,p.5,8,独立行政法人「工業所有権情報・研修館」受入
【文献】
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【文献】
"ドラゴンコレクション",「アプリスタイル VOL.2 Koiunreki 4月号増刊」,日本,株式会社イースト・プレス,2011年 4月 1日,p.026-028
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オブジェクトを変化させる処理を行う条件が定義された変化条件であって、少なくとも複数のオブジェクトを示す情報を含む変化条件と、ユーザが所持するオブジェクトを示す情報を含む所持情報とが記憶された記憶装置にアクセス可能な情報処理装置において、
選択された選択オブジェクトに対応する前記変化条件を、前記記憶装置から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記変化条件に含まれる複数のオブジェクトを示す情報を用いて、当該複数のオブジェクトをユーザにそれぞれ識別可能な表示形式で表示させるための出力データを出力する出力手段と、
前記出力手段により前記出力データが出力されたことに応じて、前記ユーザによる操作を介してなされた要求であって、前記複数のオブジェクトのうち少なくともいずれかのオブジェクトに対して処理を制限させるための要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記要求を受け付けたことに応じて、前記取得手段により取得された前記変化条件と、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報とに基づいて、当該ユーザが所持するオブジェクトのうち、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限すべき制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限する制限手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
前記制限手段は、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報に、オブジェクトを示す情報が追加された場合であって、前記ユーザが所持するオブジェクトのうち、当該追加されたオブジェクトが前記制限すべき制限オブジェクトであると判定された場合、当該追加されたオブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
所定のタイミングで、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報と、前記取得手段により取得された前記変化条件とに基づき、当該ユーザが当該変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していると判定された場合、当該変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していることを当該ユーザが識別可能な形式で報知する報知手段、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記報知手段は、所定のタイミングで、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報と、前記取得手段により取得された前記変化条件とに基づき、当該ユーザが当該変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していると判定されたことにより、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理を行う条件が成立したと判定された場合、当該選択された選択オブジェクトを変化させる処理を行う条件が成立したことを当該ユーザが識別可能な形式で報知することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
前記報知手段は、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報に、オブジェクトを示す情報が追加されることに応じて報知することを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
前記制限手段は、前記制限すべき制限オブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理を実行する要求がなされた場合、当該処理の中断、またはユーザに対する警告の少なくともいずれかの処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記ユーザが所持するオブジェクトのうち、前記制限手段により前記制限すべき制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトと、他のオブジェクトとを、当該ユーザが識別可能な表示形式で表示させるための制御を行う表示手段、
を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
ベースオブジェクトに対応する複数の参照オブジェクトがユーザの所持オブジェクトに含まれる場合に、前記ベースオブジェクトのオブジェクト情報を変更する変更処理を含むゲーム、に用いられる情報処理装置であって、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記所持オブジェクトの中からいずれかのオブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記ベースオブジェクトである場合に、前記複数の参照オブジェクトのうち前記ユーザの所持オブジェクトである参照オブジェクトのオブジェクト情報を記憶装置に記録する記録手段と、
前記記憶装置に記録されているオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記変更処理以外の処理に用いられることを制限する制限手段と、
を備えた、情報処理装置。
前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのうち一部のオブジェクトが前記記憶装置に記録されており、前記ユーザが前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのいずれかであって、かつ前記所持オブジェクトに含まれないオブジェクトを入手した場合には、前記記録手段は、当該入手したオブジェクトのオブジェクト情報を前記記憶装置に記録する、
請求項9に記載された情報処理装置。
前記ユーザがオブジェクトを入手したことによって前記複数の参照オブジェクトが前記ユーザの所持オブジェクトに含まれることになった場合には、前記変更処理が実行可能になったこと、または、前記変更処理が実行されたこと前記ユーザに報知する報知手段、を備えた、
請求項9または10に記載された情報処理装置。
ベースオブジェクトに対応する複数の参照オブジェクトがユーザの所持オブジェクトに含まれる場合に、前記ベースオブジェクトのオブジェクト情報を変更する変更処理を含むゲーム、のためのプログラムであって、
コンピュータを、請求項1〜11のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)第1の実施形態
(1−1)ゲームシステムの構成
以下、情報処理システムの一実施形態として、ゲームシステム1について説明する。
【0014】
図1は、実施形態のゲームシステム1のシステム構成例を示している。
図1に示すように、このゲームシステム1は、ユーザ端末10a,10b,10c,…、およびゲームサーバ20を含む。各ユーザ端末10a,10b,10cからゲームサーバ20に対しては、例えばインターネットなどの通信網NWを通してアクセス可能である。ゲームサーバ20は、情報処理装置の一例である。
各ユーザ端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のユーザによって操作される端末であり、例えば、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)、通信機能付き携帯ゲーム機などの通信端末である。以下の説明において、各ユーザ端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、ユーザ端末10と表記する。
【0015】
ゲームサーバ20は、ゲームを実行するサーバである。ゲームサーバ20には、ウェブブラウザによって解釈可能な画像データ(例えばHTML、XMLなどの形式で記述された画像データのことである。本発明の実施形態では、HTMLデータを例として説明する。)を作成可能なプログラムが実装されている。なお、画像データは、出力データの一例である。
ユーザ端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるHTMLデータを解釈して表示するウェブブラウザを備えており、ユーザ端末10によるウェブページ上のユーザの操作に基づく要求を、ネットワークを介してゲームサーバ20へ送信し、ゲームサーバ20による処理結果を受信することでゲームの処理を実行する。
通信網NWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、専用回線、又はこれらの組み合わせによって構成される情報通信ネットワークである。
【0016】
(1−2)ユーザ端末の構成
図2を参照してユーザ端末10について説明する。
図2に示すように、ユーザ端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、操作入力部15、表示部16、通信インタフェース部17、および、ストレージ18を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス19が設けられている。
【0017】
CPU11は、ROM12に格納されているプログラムやデータを読み出して、ユーザ端末10内の各部との制御信号やデータ信号のタイミング処理等、ユーザ端末10内の全体の動作を制御する。CPU11はまた、ストレージ18に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データを読み出してRAM13に展開し、プログラムの実行に伴うデータの入出力処理、演算処理、判定処理等の各種処理を行う。RAM13は、CPU11による演算処理、判定処理等のために一時的にデータを記憶する。
【0018】
例えば、CPU11は、ストレージ18内に格納されているウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、操作入力部15等によってユーザに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の指定に基づき、通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を、通信インタフェース部17を介して取得し、ウェブブラウザを実行してHTMLデータを解釈する。なお、ユーザ端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてもよい。そのようなプラグインの一例は、米国のアドビシステムズ社によるフラッシュプレイヤである。あるいは、本実施形態でのHTMLデータを、動画及び音声の再生機能を備えたHTML5形式としてもよい。
【0019】
ウェブブラウザは、ゲームサーバ20とHTTP(HyperText Transfer Protocol)に従った通信を行う。ウェブブラウザは、ユーザによる操作入力部15の操作によってウェブページ上のURL(Uniform Resource Locator)または操作対象(例えば、ソフトウェアボタン(以下、単に「ボタン」と表記する。)等)が選択されると、ウェブページの更新のために、その選択結果を含むHTTPリクエストをゲームサーバ20に送信する。ウェブブラウザは、HTTPレスポンスとしてゲームサーバ20からHTMLデータを取得し、解釈して、ウェブページの画像を表示部16に表示する。
本実施形態において、HTMLデータは画像データの一例である。
【0020】
表示部16は、たとえば、LCD(Liquid Cristal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスである。マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタを適用した場合、表示部16は、薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示画面16aに表示する。
【0021】
ユーザ端末10が釦入力方式のユーザ端末である場合、操作入力部15は、例えば、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示釦、決定釦、テンキーなどの複数の指示入力釦を備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。
ユーザ端末10がタッチパネル入力方式のユーザ端末である場合、操作入力部15は、主として表示画面に指先あるいはペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。
【0022】
ストレージ18は、例えばフラッシュメモリあるいはHDD(Hard Disk Drive)によって構成される記憶装置である。
【0023】
(1−3)ゲームサーバの構成
図3を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
図3に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、通信インタフェース部24、および、ストレージ25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウェアに関しては汎用のネットワークサーバと同一の構成をとることができる。
【0024】
CPU21は、ROM22に格納されているプログラムやデータを読み出して、ゲームサーバ20内の各部との制御信号やデータ信号のタイミング処理等、ゲームサーバ20内の全体の動作を制御する。CPU21はまた、ストレージ25に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データを読み出してRAM23に展開し、プログラムの実行に伴うデータの入出力処理、演算処理、判定処理等の各種処理を行う。RAM23は、CPU21による演算処理、判定処理等のために一時的にデータを記憶する。
【0025】
例えば、ストレージ25には、クライアントであるユーザ端末10のウェブブラウザとの間でHTTPに従った通信を行ってウェブサービスを提供するプログラムが格納されている。CPU21は、ストレージ25に格納されているプログラムをRAM23に展開して、プログラムを実行する。プログラムの実行に伴ってCPU21は、通信インタフェース部24を介してユーザ端末10からHTTPリクエストを取得し、当該HTTPリクエストに応じた処理を実行し、その実行結果を含むHTMLデータをHTTPレスポンスとしてユーザ端末10へ返す。
【0026】
ストレージ25は、例えばフラッシュメモリあるいはHDD(Hard Disk Drive)によって構成される情報記録装置であり、上述したプログラムに加え、データテーブル群70(後述する)を格納する。データテーブル群70は、カードデータテーブル、進化合成データテーブル、所持カードデータテーブル、および、予約データテーブルを含む。ストレージ25内の各データテーブルは、適宜CPU21からデータの読み書きのためにアクセスされる。
【0027】
(1−4)本実施形態のゲームのカードの進化合成における予約
本実施形態のゲームシステム1において実行されるゲームは、ユーザがオブジェクトとしてのカードを利用して実行するゲームである。このゲームでは、例えば、ユーザがゲーム上のエリアを探索してカードやアイテムを取得し、あるいはユーザが所持するカードを用いて他のユーザやNPC(Non-Player Character)と対戦するゲームである。
本実施形態のゲームにおいて、カードの進化合成処理(以下、適宜単に「進化合成」という。)とは、所定の条件を満足する場合に、ユーザが所持するカードを進化させる処理である。カードの進化合成は、本実施形態の例では後述するようにカードIDを変更する処理であるが、カードに対応するカードデータ(後述する)の少なくとも一部を変更する処理であってもよい。その場合、カードデータの変更対象は特に問わないが、例えば、カード名やカード画像、レアリティ等のカードパラメータである。カードの進化合成は、オブジェクトを変化させる処理、オブジェクト情報を変更する変更処理の一例である。
進化合成を実行するには、ユーザは自身が所持するカード(以下、適宜「所持カード」という。)の中から、進化させたいカード(つまり、カードデータの変更処理の対象とするカード)としてベースカードを選択する。ベースカードとして選択されたカードは、選択オブジェクトの一例である。
進化合成では、ベースカードごとに、そのベースカードを進化させるのに必要な複数のカード(「参照カード」という。)の組合せ条件が決められている。進化合成が実行されると、その進化合成に使用された参照カードはユーザの所持カードから消失する。
本実施形態において、ベースカード、参照カード、および、所持カードはそれぞれ、ベースオブジェクト、参照オブジェクト、および、所持オブジェクトの一例である。
本実施形態のゲームでは、ユーザによってベースカードとして選択されたカードに対応する組合せ条件となる複数の参照カードをユーザが所持していることが、選択されたカードを進化させるための条件(変化条件の一例)である。
【0028】
なお、本実施形態のゲームでは、ユーザが自身の所持カードを失う処理の一例として、例えば、通常合成処理と売却処理がある。通常合成処理を実行するには、ユーザは自身の所持カードの中から、成長させたいカードとしてベースカードを選択する。通常合成処理では、ベースカードごとに参照カードの組合せ条件が決められていなくてもよく、ユーザは適宜参照カードを所持カードの中から選択することができる。通常合成処理が実行されると、ベースカードのカードパラメータが変化する(例えば、カードレベルやスキルレベルが増加する)代わりに、参照カードはユーザの所持カードから消失する。
売却処理では、ユーザの所持カードの中から選択されたカード(例えば、ユーザが不要とするカード)を、そのカードに対応する売却価格(例えば、ゲーム上のポイント)をユーザが得る代わりに、売却したカードがユーザの所持カードから消失する。
【0029】
本実施形態のゲームにおいて、ユーザが所望のカードを進化合成によって進化させたいが当該カードを進化させるのに必要な参照カードの一部、あるいはすべてをユーザが所持していない場合を考える。この場合、参照カードの組合せ条件を満たすための新しいカード(つまり、残りの参照カード)をユーザが入手できるまで所望のカードの進化合成を実行することを待機する必要がある。しかし、ユーザが、ベースカードや、ベースカードを進化させるために所持している参照カードの一部を誤って消失してしまう場合(例えば、上述した売却処理や通常合成等)がある。特に、進化合成のための組合せ条件を成立させるのに必要となる参照カードが多い場合や、ベースカードごとに組合せ条件が異なる場合は、ユーザは進化合成のための組合せ条件を覚えておくのが大変であり、ベースカードや参照カードを誤って消失させてしまう可能性が高くなる。
そこで、本実施形態では、ユーザの所持カードのうち、ベースカード、および、ベースカードを進化させるのに必要となる複数の参照カードの中で少なくともいずれかを、ユーザが進化合成のために予約できるようにする。進化合成のために予約されたカードを、以下の説明では「予約済カード」という。予約済カードは、制限オブジェクトの一例である。予約済カードに対しては、予約の対象となる進化合成以外の処理(例えば、上述した通常合成や売却処理)の実行が制限される。
【0030】
進化合成におけるカードの予約について、
図4を参照して具体的に説明する。
図4は、進化合成におけるカードの予約を概念的に説明するための図である。
図4において、ユーザがカードQ,A,Cを所持し、カードQを進化させたい場合を考える。ここでは、カードQを進化させるための条件(変化条件)が、カードQに対応する組合せ条件である複数の参照カードA,B,Cをユーザがすべて所持している場合を想定する。ユーザは現時点でカードBを所持していないため、カードQに対して進化合成を実行することはできない。その場合に、ユーザは、自身が所持しているカードQ,A,Cを誤ってカードQの進化合成以外の処理に用いて消失してしまうことがないように、カードQの進化合成のためにカードQ,A,Cを予約しておく。そして、予約済カードQ,A,Cは、カードQの進化合成以外の処理(例えば、上述した通常合成や売却)に用いられることが制限される。
【0031】
なお、予約済カードについて「進化合成以外の処理に用いられることが制限される」とは、予約済カードを用いた、目的とする進化合成以外の処理自体が禁止されることに限られず、予約済カードを用いた、目的とする進化合成以外の処理は実行可能であるが、その処理の実行の手続きをし難くする、あるいは処理の実行手続きを煩雑にすることであってもよい。予約済カードについての「進化合成以外の処理」が、予約済カードをユーザの所持カードから消失させる処理(つまり、予約済カードを非所持とする処理)である場合に、当該処理が制限されることが特に好ましい。
また、
図4に示す例では、ユーザが所持するベースカードQおよび参照カードA,Cのすべてを予約済カードとする場合について例示したが、この場合に限られない。いずれの所持カードを予約済カードとするかについては、ユーザが適宜選択できるようにしても構わない。
【0032】
(1−5)データテーブルの構成
次に、ゲームサーバ20のストレージ25に格納されるカードデータテーブル、進化合成データテーブル、所持カードデータテーブル、および、予約データテーブルについて、
図5〜8を参照して順に説明する。ゲームサーバ20のストレージ25は、記憶装置の一例である。
【0033】
(i)カードデータテーブル
カードデータテーブルには、本実施形態のゲームで使用されるカードのデータが記録されている。
図5にカードデータテーブルの構成例を示す。
図5に示す例では、カードIDごとにカード名、カード画像、および、カードパラメータのデータが含まれる。カードIDは、オブジェクトを示す情報の一例である。
カード名は、カードに表示されるキャラクタの名称を示す文字列である。カード画像は、カードに表示されるキャラクタの画像である。カードパラメータは、レアリティ、属性、コスト、スキル、売却価格、攻撃力、防御力、および、限定フラグの各データから構成されている。
レアリティは、カードの希少価値を示す指標であり、
図5に示す例ではR1〜R5の順にレアリティが高く設定されている。
属性は、カードに表示されるキャラクタの属性であり、
図5に示す例ではN1〜N3のいずれかである。
コストは、カードをユーザのカードチームに組み込むときに参照される値である。例えばカードチームによる対戦を行う場合には、カードチームに含まれるカードのコストの総和が所定値以下に制限される。
スキルは、カードを用いてゲームを実行するときに有利となる効果を示す情報であり、
図4に示す例では、SK1〜SK12の様々な効果を備えたスキルが各カードに設定されている。なお、すべてのカードがスキルを備えていなくてもよい。
売却価格は、ユーザが自身で所持しているカードを売却するときにユーザが得られるゲーム上のポイントである。
攻撃力および防御力は、カードを対戦で用いるときに参照されるパラメータである。
限定フラグは、期間限定で発行されたカードであるか否かを示すフラグである。
図4に示す例では、限定フラグが「1」であるカードは期間限定で発行されたカードであることを意味し、限定フラグが「0」であるカードは期間限定でないカードであることを意味する。
【0034】
(ii)進化合成データテーブル
進化合成データテーブルには、本実施形態のゲームのカードの進化合成の条件が記録されている。
図6に進化合成データテーブルの構成例を示す。
図6に示す例では、進化合成の内容を識別するための進化IDごとに、進化前カードID(つまり、進化前のベースカードとなるカードのカードID)、進化後カードID(ベースカードの進化後のカードID)、および進化合成を実行するために必要となる参照カードのカードIDの組合せ条件(C1〜C5の欄の5枚の参照カード)が記録されている。例えば、進化ID:0002が示す条件では、ユーザが所持カードの中からカードID:0072のカードをベースカードとして選択し、ユーザの所持カードの中にカードID:0025,0060,0070の3枚のカードの組合せが存在する場合には、進化合成を実行することによって、カードID:0072のカードをカードID:9072のカードに進化させることができる。すなわち、進化合成データテーブルにおける参照カードIDの組合せ条件は、進化前カードIDに対応するカードを変化させる変化条件の一例である。
なお、参照カードのカードIDの組合せ条件を示すC1〜C5の欄には、少なくともいずれか2つの欄に同一のカードIDが記録されていることもある。例えば、ベースカードを進化合成するときに使用する参照カードの組合せ条件に同一の参照カードが2枚以上含まれていてもよい。ベースカードを進化させるための参照カードの組合せ条件が、同一のカードIDである参照カードが所定数含まれることである場合には、
図6に示したようなデータ形式ではなく、参照カードのカードIDとその枚数とからなるデータ形式であってもよい。
【0035】
(iii)所持カードデータテーブル
所持カードデータテーブルは、ユーザの所持カードの情報(所持情報)が記録されている。
図7に所持カードデータテーブルの構成例を示す。
図7では1ユーザ分の所持カードデータテーブルを例示するが、所持カードデータテーブルは、ゲームに登録しているユーザ毎に設けられる。
図7に示す所持カードデータテーブルには、カードIDごとに、シリアル番号、カードレベル、スキルレベル、および、予約IDの各データが対応付けられて記録されている。シリアル番号は、ユーザにカードが付与された時点で決定される固有の番号である。同一のカードIDのカードに対しても異なるシリアル番号が付される。なお、カードが進化した場合には、そのカードの進化前後でシリアル番号を変化させてもよいし、変化させなくてもよい。
カードレベルはカードの育成レベルを示すパラメータであり、例えば上記通常合成を実行することによって増加する。ユーザがカードを取得した時点でのカードレベルの値(初期値)は1であり、ユーザは通常合成を実行することでそのカードを成長(つまり、カードレベルを増加)させることができる。
スキルレベルはカードの育成レベルを示すパラメータであり、特にカードが備えるスキルのレベルを示すパラメータである。ユーザがスキルを備えたカードを取得した時点でのスキルレベルの値(初期値)は1であり、例えば所定の条件を満たすカードを参照カードとした通常合成を行うことによってカードのスキルレベルを増加させることができる。カードのスキルレベルが増加するにつれて、スキルによって発生する効果が増大する。
予約IDは、進化合成のための予約内容を識別するための識別情報である。予約済カードとなっているユーザの所持カードには、予約IDが対応付けられている。例えば、
図7に示す例では、カードID:0591,0010(2枚)、0033、2005の5枚のカードが予約済カードであることを示している。所持カードデータテーブルに記録されている予約IDは、後述する予約データテーブルに記録されている予約IDに対応している。
【0036】
(iv)予約データテーブル
予約データテーブルは、ユーザの進化合成のための予約済カードの情報が記録されている。
図8に予約データテーブルの構成例を示す。
図8では1ユーザ分の予約データテーブルを例示するが、予約データテーブルは、ゲームに登録しているユーザ毎に設けられる。
図8において、予約IDは進化合成の予約が行われた順に発行されるIDである。
図8に示す例では、01,02,…といった具合に昇順に番号が記録される。進化IDは、進化合成データテーブルに示した進化IDに対応しており、進化合成の内容を特定するIDである。
予約済カードのシリアル番号のうち、進化前カードのシリアル番号は、進化合成のベースカードとしてユーザによって選択された所持カードに対応するシリアル番号である。予約済みカードのシリアル番号のうち参照カードのC1〜C5の欄はそれぞれ、進化合成データテーブルの参照カードIDの組合せ条件を構成するC1〜C5の欄に対応しており、各欄に対応する参照カードが予約済みである場合には、その参照カードのシリアル番号が記録されている。
参照カードの各欄において、予約済みでない参照カードに対応する欄には「予約無し」を示すデータ(例えば、NULL)が記録される。
ユーザが所定の操作入力を行うことによって、所持カードを対象として予約処理が実行された場合には、そのカードに対応する欄に、そのカードに対応するシリアル番号が書き込まれる。
なお、以下では、予約データテーブルを設ける場合について説明するが、予約データテーブルを独立して設けることは必須ではない。進化合成のための予約の管理方法として、予約データテーブルに記録すべきデータを、所持カードデータテーブルに記録してもよい。その場合には、所持カードデータテーブルにおいて、予約済カードのカードIDに対応付けて、予約ID、進化ID、C1〜C5のいずれかの文字列(進化合成データテーブルのC1〜C5の欄に対応する文字列であれば何でもよい。)が記録される。
【0037】
以下の説明では、カードIDに関連付けられたカード名、カード画像、シリアル番号、および、カードパラメータを総称して、適宜「カードデータ」という。カードデータを構成するカードパラメータは、カードデータテーブルに記録される各カードパラメータや、所持カードデータテーブルに記録されるカードレベル、スキルレベルが含まれる。すなわち、カード名、カード画像、シリアル番号、および、各カードパラメータの中のいずれかのデータが、カードデータに相当する。カードデータは、オブジェクト情報の一例である。
【0038】
(1−6)カードの予約および進化合成処理の具体例
以下、本実施形態のゲームのカードの予約および進化合成処理の具体例について、
図9〜12を参照しながら説明する。
図9〜12はそれぞれ、本実施形態のゲームの処理を実行しているときのユーザ端末10に表示される画面の一例を示す図である。
【0039】
(A)進化合成の予約処理(
図9)
図9は、ユーザの所持カードについて進化合成のための予約をするときの一連の表示画面の変化を示している。
図9において、画像P1は、本実施形態のゲームにおいてユーザがモンスターカード(以下、単に「カード」という。)について、処理要求を行うときの画像である。画像P1には、ユーザの操作対象として、ボタンb1(「所持モンスターを見る」)、ボタンb2(「チーム編成」)、ボタンb3(「通常合成」)、ボタンb4(「進化合成」)、ボタンb5(「売却」)が設けられる。
ボタンb1は、ユーザの所持カードの閲覧処理の要求を行うときに操作されるボタンである。ボタンb2は、ユーザが自身の所持カードの中から他のユーザやNPCとの対戦において使用するカードを選択するときに操作されるボタンである。ボタンb3は、ユーザが所持カードの中からベースカードとして選択したカードの通常合成の実行要求を行うときに操作されるボタンである。ボタンb4は、ユーザが所持カードの中からベースカードとして選択したカードの進化合成の実行要求を行うときに操作されるボタンである。ボタンb5は、ユーザが所持カードの中から選択したカードに対して売却処理の要求を行うときに操作されるボタンである。
【0040】
画像P1においてボタンb4(「進化合成」)が操作されると、P2に示すように画像が変化する。画像P2では、ユーザの所持カードの中からいずれかのカードをベースカードとして選択するために、複数の所持カードが一覧表示される。なお、進化することができないカード(図示する例では、カードTOM,TED,DSG)についてはベースカードとして選択できないように、画像が構成されている。すなわち、画像P2では、ユーザの所持カードのうち進化可能なカードと進化不可能なカードとをユーザが識別可能な表示形式で示している。進化可能なカードと進化不可能なカードとをユーザが識別可能な表示形式で示す方法は、
図9の画像P2に示した例に限られない。所持カードの一覧は各カードのカード名の文字列の一覧であってもよく、その場合には、進化可能なカードと進化不可能なカードとを文字列の輝度、サイズ等によって識別できるようにしてもよい。 画像P2において、進化可能ないずれかのカードとして例えばカードKLMが選択されると、P3に示すように画像が変化する。画像P3には、選択したカードを進化合成のベースカードとして確定させるためのボタンb6(「選択する」)と、画像P2に戻って別のカードをベースカードとして選択するためのボタンb7(「戻る」)とが含まれる。
画像P3においてユーザによってボタンb6が操作されると、ベースカードとして選択されたカードKLMが進化するために必要な参照カードの条件を満たしていない場合には、P4に示すように画像が更新される。画像P4は、ベースカードとして選択されたカードKLMが進化するために必要な参照カードのうちユーザが所持しているカードを、進化合成のために予約するための画像である。なお、画像P3においてユーザがボタンb6を操作した時点で、ベースカードとして選択されたカードKLMが進化するために必要な参照カードの条件を満たしている場合には、画像P4に代えて、カードKLMの進化合成を実行するか否かについてのユーザが指示するための画像(図示せず)が表示される。
【0041】
画像P4では、進化前カード(ここでは、ベースカードであるカードKLM)と進化後カード(例えば、カードQRS)とを示す表示領域101、進化合成に必要な参照カードとその状態(所持、未所持、予約済のいずれか)を示す表示領域102、および、ユーザが所持している参照カードを予約するためのボタンb8(「予約する」)を含む。画像P4においてボタンb8が操作されると、ユーザが所持している参照カードについて予約が実行され、予約が完了したことを示す画像P5が表示される。
なお、画像P4では、ユーザが所持している参照カードのすべてが予約される場合について示したが、予約するカードを個別に選択可能に構成されてもよい。例えば、所持している参照カードの少なくともいずれかを指定して予約するように構成してもよい。
【0042】
(B)所持カードの閲覧処理(
図10)
図10は、ユーザの所持カードの閲覧処理を実行するときの一連の表示画面の変化を示している。
図10において、画像P1は
図9に示したものと同じである。
画像P1においてボタンb1(「所持モンスターを見る」)が操作されると、P6に示すように画像が変化する。画像P6では、ユーザの所持カードの一覧が表示される。このとき、進化合成の予約済カードについては、ユーザが他のカードと識別可能な表示形式で表示することが好ましい。
図10に示す例では、予約済カード上に鍵の形を示すマークを表示させることで、ユーザに予約済カードであることを示している。予約済カードであることを示すことで、ユーザが予約済カードを進化合成以外の処理に用いて消失させてしまうことを防止することができる。
なお、予約済カードとそれ以外のカードとをユーザが識別可能な表示形式で示す方法は、
図10の画像P6に示した例に限られない。所持カードの一覧は各カードのカード名の文字列の一覧であってもよく、その場合には、予約済カードとそれ以外のカードとを文字列の輝度、サイズ等によって識別できるようにしてもよい。
【0043】
(C)予約済カードの売却処理(
図11)
図11は、ユーザが予約済カードを売却するときの処理を実行するときの一連の表示画面の変化を示している。
図11において、画像P1は
図9に示したものと同じである。
画像P1においてボタンb5(「売却」)が操作されると、P7に示すように画像が変化する。画像P7では、ユーザの所持カードの一覧が表示される。画像P7の所持カードの一覧の中からユーザが売却することを希望するカードを選択する。このとき、所持カードの中から予約済カードを売却対象として選択した場合、P8に示すように画像が変化する。画像P8は、ユーザが選択したカードが予約済カードであることを通知するためのテキストと、売却処理を続行するか否かを選択させるためのボタンb10(「続ける」)およびb11(「戻る」)を含む。画像P8においてボタンb10が操作された場合には、予約済カードであっても売却処理が行われ、それによってユーザは当該カードに対応する売却価格のポイントを得るとともに予約済カードを失う。
【0044】
画像P8に示すように、予約済カードを売却処理の実行手続きを煩雑にすることは、予約済カードが進化合成以外の処理に用いられることを制限する一例である。
また、
図11には図示していないが、画像P7において、ユーザの所持カードの一覧を、予約済カードについては選択できないような態様で表示するようにしてもよい。すなわち、予約済カードが進化合成以外の処理に用いられることをより確実に防止するために、予約済カードの売却処理の実行が禁止されるようにしてもよい。
【0045】
(D)進化合成処理(
図12)
図12は、ユーザの操作に基づいて進化合成処理を実行するときの一連の表示画面の変化を示している。
図12において画像P10は、ユーザがゲームを実行中に新たなカードDSGを入手した場合に表示される画像の一例である。
この新たなカードDSGを入手したことで、予約済みの進化合成の参照カードの組合せ条件が満たされるようになった場合には、新たなカードの入手によって、予約された進化合成のための参照カードの組合せ条件が満たされるようになったことをユーザに通知することが好ましい。より好ましくは、P11に示すように進化合成を実行するための画像を表示することが好ましい。
画像P11は、進化前カード(カードKLM)と進化後カード(カードQRS)とを示す表示領域101、進化合成に必要な参照カードとその状態(ここでは、予約済または所持)を示す表示領域102、および、進化合成を実行するか否かの要求を受け付けるためのボタンb20(「はい」)およびボタンb21(「いいえ」)が表示される。
画像P11においてボタンb20が操作されると、P12に示すように画像が変化する。画像P12の例では、進化後カードのカード画像やカード名、およびパラメータの少なくとも一部が表示される。
なお、新たなカードを入手したことで、予約済みの進化合成の参照カードの組合せ条件が満たされるようになった場合には、ユーザによる操作を待たずに進化合成を実行し、実行後にユーザに対して、進化合成が行われたことを通知してもよい。すなわち、
図12において、画像P10に続いて画像P12が表示されてもよい。
【0046】
(1−7)情報処理装置が備える機能の概要
次に、上述した本実施形態のゲームを実現するためにゲームサーバ20が備える機能について説明する。
図13は、本実施形態のゲームサーバ20で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図13において、データテーブル群70は、前述したように、カードデータテーブル、進化合成データテーブル、所持カードデータテーブル、および、予約データテーブルを含む。なお、
図13に示す機能ブロック図に含まれる手段のすべてが本発明に必須の要素とは限らない。例えば、本発明の一態様では、受付手段51、取得手段55、出力手段56、および、制限手段58を備えていればよい。
【0047】
受付手段51は、ユーザの操作入力に関する情報に基づいてユーザからの各種の要求を受け付ける機能を備える。本実施形態のゲームにおいてユーザからの要求としては、例えば、カードの進化合成処理の要求、進化合成の予約処理の要求、進化合成の実行要求、ユーザの所持カードの閲覧処理の要求、ユーザの所持カードの売却処理の要求などがある。
進化合成の予約処理の要求は、出力手段56により画像データが出力されたことに応じて、進化合成におけるベースカード、および、ベースカードに対応する複数の参照カードうち少なくともいずれかのカードを進化合成のために予約し、当該進化合成以外の処理を制限させる要求である。
受付手段51の機能を実現するために、ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、ユーザ端末10から画像であるウェブページ内のユーザによるボタンの操作入力に対応する要求を受信する。ゲームサーバ20のCPU21は、受信した要求に含まれる情報に基づいて、要求の内容を判別し、要求の受付処理を行う。受付処理では、要求がRAM13に記録される。CPU21は、受け付けられた要求に応じた処理を順に実行する。
【0048】
ゲーム処理手段52は、受付手段51にて受け付けたユーザ端末10からの要求に基づいて、進化合成以外の様々なゲームの処理を実行する機能を備える。本実施形態のゲームの処理は、適宜設けられてよいが、例えば、ユーザ間の対戦処理、ユーザ対NPCの対戦処理、ユーザによるクエスト処理、ユーザの所持カードの通常合成の処理、ユーザの所持カードの売却処理である。
対戦処理については詳しく述べないが、例えば、ユーザは、コストの総和が所定の上限値以下となるように予め複数の所持カードからなるチームを編成し、チームによって他のユーザまたはNPCと対戦する。対戦結果は、チームを構成する各カードの攻撃力、防御力、スキルなどのパラメータによって決定される。
クエスト処理は、ユーザがゲーム内のエリアを探索する処理を行うことで、カードやアイテムを入手するための処理である。
【0049】
ユーザの所持カードの通常合成の処理を実行する場合のゲーム処理手段52の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、ベースカードおよび参照カードについてのユーザの選択結果を含む通常合成の実行要求を受け付けると、所持カードデータテーブルからベースカードおよび参照カードのカードデータを読み出してRAM23に展開する。次いでゲームサーバ20のCPU21は、ベースカードおよび参照カードのパラメータに基づいてベースカードのパラメータ(例えば、カードレベルやスキルレベル)を変更し、変更後のベースカードのパラメータを所持カードデータテーブルに書き込むとともに、所持カードデータテーブルから参照カードとした所持カードのカードデータを削除する。なお、ベースカードのカードレベルやスキルレベルは、通常合成を実行する度に常に増加するとは限らない。例えば、通常合成を実行する度にカードに関連付けられた育成パラメータの値を増加させ、その育成パラメータの値が所定値に達した場合にカードレベルを1つ増加させるとともに育成パラメータの値をゼロにリセットするようにしてもよい。
【0050】
ユーザの所持カードの売却処理を実行する場合のゲーム処理手段52の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、売却処理の要求を受け付け、売却対象のカードの選択結果を取得すると、所持カードデータテーブルから売却対象のカードのカードデータを削除する。さらにゲームサーバ20のCPU21は、カードデータテーブルから売却対象のカードの売却価格の値(ポイント)を読み出し、読み出したポイントをユーザに付与する処理を行う。ポイントをユーザに付与する処理は、例えば、ユーザデータベース(図示せず)に記録されているユーザの所持ポイントの値を更新する処理である。
【0051】
判定手段53は、ベースカードに対応する組合せ条件である複数の参照カードがユーザの所持カードに含まれるという条件を満たすか否かを判定する機能を備える。
判定手段53の機能を実現するために、例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、予約データテーブルにおいて判定対象とする予約IDに対応する参照カードがすべて揃ったか否か判定する。具体的には、ゲームサーバ20のCPU21は、判定対象とする予約IDに対応する進化IDに対応する各参照カードID(
図6の進化合成データテーブルのC1〜C5の欄に記録されているカードID)を、進化合成データテーブルから読み出す。さらにCPU21は、読み出したC1〜C5の欄のカードIDに対応した、予約データテーブルにおける参照カードのC1〜C5のすべての欄に、シリアル番号が記録されているか否か判定する。すべての欄にシリアル番号が記録されている場合には、ベースカードに対応する複数の参照カードの組合せがユーザの所持カードに含まれるという条件を満たしたことになる。
【0052】
カードデータ変更手段54は、判定手段53によって条件を満たすと判定された場合に、ベースカードのカードデータを変更する進化合成を実行する機能を備える。進化合成は、カードを変化させる処理、あるいは、変更処理の一例である。
本実施形態の例では、カードデータ変更手段54の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、進化合成の実行要求を受け付けると、所持カードデータテーブルにおいて、進化前カード(つまり、進化合成のベースカード)のカードデータを消去し、進化後カードのカードデータを新たに書き込む。それによって、ユーザの所持カードのベースカードが進化することになる。なお、進化合成データテーブルに示すように、進化前と進化後とでカードIDは異なるため、カード名、カード画像、および、カードパラメータのうち少なくともいずれかが進化合成によって変更される。
【0053】
取得手段55は、ユーザによって選択されたベースカード(選択オブジェクトの一例)に対応する参照カードの組合せ条件(変化条件の一例)である複数の参照カードIDを、進化合成データテーブルから取得する機能を備える。また、取得手段55は、進化合成のためにカードの予約をするに当たって、ユーザの操作入力に基づいて、ユーザの所持カードの中のいずれかのカードのシリアル番号(オブジェクト情報の一例)を取得する機能を備える。
取得手段55が参照カードの組合せ条件である複数の参照カードIDを取得する場合、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10からベースカードの選択結果を取得したことに応じて、進化合成データテーブルを参照して、ベースカードに対応する組合せ条件を構成する複数の参照カードIDを読み出す。
一方、取得手段55がカードのシリアル番号を取得する場合、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10から進化合成の予約処理の要求を受け付けると、進化合成の対象となるベースカード、および、当該ベースカードに対応する複数の参照カードの中から、予約済みでない所持カードを、所持カードデータテーブルを参照して特定し、特定したカードのシリアル番号を読み出す。
【0054】
出力手段56は、取得手段55により取得された、参照カードの組合せ条件である複数の参照カードID(複数のオブジェクトを示す情報)を用いて、当該複数の参照カードをユーザにそれぞれ識別可能な表示形式で表示させるための画像データ(出力データの一例)を出力する機能を備える。出力手段56によって表示される画像の一例は、
図9の画像P4である。
出力手段56の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10からベースカードの選択結果(シリアル番号)を取得すると、進化合成データテーブルを参照し、ユーザによって選択されたベースカードのシリアル番号に対応するカードIDと一致する進化前カードIDに対応する組合せ条件となる複数の参照カードID(C1〜C5の欄のカードID)を読み出す。CPU21は、各参照カードIDに対応するカードデータを取得するために、カードデータテーブルおよび所持カードデータテーブルを参照する。そしてCPU21は、選択されたベースカードと、当該ベースカードに対応する複数の参照カードとを、それぞれユーザに識別可能な表示形式で表示される画像を生成する。「ユーザに識別可能な表示形式」の一例は、
図9の画像P4に例示したように、各カードのカード画像を表示するようにした形式である。
【0055】
記録手段57は、進化合成の予約処理の要求を受け付けたことに応じて、取得手段55によって取得されたシリアル番号をストレージ25内の予約データテーブルに予約済カードとして記録する機能を備える。本実施形態の例では、予約対象カードは、選択されたベースカードの進化合成とは異なる処理に用いられることを制限すべき制限オブジェクトとして特定されたカードである。取得手段55によって取得された予約済みでない所持カードのシリアル番号が、予約対象カードのシリアル番号として予約データテーブルに記録される。
【0056】
記録手段57の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、進化合成の予約処理の要求を受け付けると、予約データテーブルにアクセスし、予約対象カードのシリアル番号を書き込む。より具体的には、予約対象カードのうちベースカードとして選択されたカードのシリアル番号が予約データテーブルに記録されていない場合には、新たな予約IDを発行する。CPU21は、発行した予約IDに対応付けて、ベースカードとして選択されたカードのシリアル番号を「進化前カード」の欄に書き込む。さらに、予約対象カードのうち参照カードのシリアル番号に対応するカードIDと同一の参照カードIDの欄(C1〜C5の欄のいずれか)を特定し、特定した欄に予約対象カードのうち参照カードのシリアル番号を書き込む。
一方、予約IDが発行済みである場合には、「進化前カード」の欄にはシリアル番号が既に記録されているため、CPU21は、予約対象カードのうち参照カードのシリアル番号の書き込みのみを行う。
【0057】
制限手段58は、予約データテーブルに記録されている予約済カードが、目的とする進化合成以外の処理に用いられることを制限する機能を備える。より具体的には、制限手段58は、受付手段51により進化合成の予約処理の要求を受け付けたことに応じて、当該ユーザの所持カードのうち、取得手段55により取得された参照カードの組合せ条件と、要求元のユーザの所持カードデータテーブル(所持情報の一例)とに基づいて予約データテーブルに記録されたカード(つまり、予約済カード)に対して、目的とする進化合成以外の処理に用いられることを制限する機能を備える。
「目的とする進化合成以外の処理に用いられる」とは、目的とする進化合成に対応付けられて予約済カードとして記録されているカードが、その目的とする進化合成以外の進化合成や通常合成に用いられる場合も含まれる。
制限手段58による制限方法は様々な方法が考えられる。例えば、制限対象となるカードを、ユーザが目的とする進化合成以外の処理を禁止する方法や、制限対象となるカードが目的とする進化合成以外の処理のために選択されたときに、ユーザに対して警告を行う、あるいは当該処理の続行を確認する処理を行う方法などが挙げられる。
【0058】
例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、本実施形態のゲームの様々な処理のいずれかの処理の実行要求を受け付けた場合、ユーザの所持カードが処理対象のカードとして選択されたときには、所持カードデータテーブルを参照して、当該選択されたカードのカードIDに予約IDが対応付けられているか否かについて判定する。CPU21は、選択されたカードのカードIDに予約IDが対応付けられ、かつ実行要求に係る処理が予約IDに対応する進化合成の処理ではない場合には、当該処理を禁止してもよいし、選択されたカードが予約済カードであることをユーザに報知してもよい。あるいは、選択されたカードが予約済カードであることをユーザに報知するとともに、処理を続行するか否かについてユーザに確認してもよい。予約データテーブルには進化IDと予約済カードのシリアル番号が対応付けられているため、ゲームサーバ20のCPU21は、予約済カードに対応した、目的とする進化合成(つまり、特定の進化IDに対応した進化合成)を特定することができる。そのため、ユーザが特定の所持カードを用いて実行しようとする処理が、目的とする進化合成の処理であるか否かを判別することができる。
【0059】
報知手段59は、所定のタイミングで、ユーザの所持カードデータテーブル(所持情報の一例)と、取得手段55により取得された参照カードの組合せ条件とに基づき、当該組合せ条件に含まれる複数の参照カードをユーザが所持していると判定された場合、当該組合せ条件に含まれる複数の参照カードを所持していることを上記ユーザが識別可能な形式で報知する機能を備える。本実施形態の例では、
図12の画像P11に示したように、ユーザがカードを入手したタイミングでユーザに報知するための画像データが生成され、ユーザ端末10に送信される。
報知手段59の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、例えば、ユーザがカードを入手した場合、そのカードを入手したことによって、予約データテーブルのいずれかの予約IDに対応する進化合成に必要な複数の参照カードがユーザの所持カードに含まれることになったか否か、つまり、予約IDに対応する参照カードがすべて揃ったか否か判定する。すべて揃ったと判定した場合には、進化合成に必要な参照カードが揃ったことをユーザに報知する画像データを作成し、ユーザ端末10へ送信する。
【0060】
報知手段59はさらに、所定のタイミングで、ユーザの所持カードデータテーブル(所持情報の一例)と、取得手段55により取得された参照カードの組合せ条件とに基づき、当該組合せ条件に含まれる複数の参照カードを所持していると判定されたことにより、ユーザによって選択されたカードの進化合成を実行する条件が成立したと判定された場合、当該カードの進化合成を実行する条件が成立したことをユーザが識別可能な形式で報知してもよい。
本実施形態では、進化合成に必要な参照カードが揃ったことが進化合成を実行する条件が成立するための必要十分条件である場合の例を示すが、この例に限られない。例えば、進化合成に必要な参照カードが揃ったことに加え、他の条件(例えば、ユーザが所定量のポイントを消費すること)が成立した場合に、進化合成を実行する条件が成立する場合があってもよい。その場合には、進化合成に必要な参照カードが揃った時点で他の条件が成立しないとき(例えば、ユーザが所持するポイントが所定量に足りないとき)には、参照カードが揃ったことのみをユーザに報知し、他の条件が成立した時点でさらに、進化合成を実行する条件が成立したことをユーザに報知してもよい。
【0061】
報知手段59を備えることは必須ではないが、報知手段59を設けることで、例えば、進化合成に必要となる複数の参照カードのうち一部の参照カードを進化合成の実行前に予約し、残りの参照カードを入手するまで進化合成を待機しているユーザに、カードの入手によって進化合成に必要な参照カードがすべて揃ったことが報知されるため、ユーザに対する利便性を高めることができる。
【0062】
表示手段60は、ユーザの所持カードのうち、予約済カード(つまり、制限手段58により制限すべき制限オブジェクトとして特定されたカード)と、他のカードとを、当該ユーザが識別可能な表示形式で表示させるための制御を行う機能を備える。このような表示を行うタイミングは特に限定されるものではないが、本実施形態の例では、(i)ユーザ端末10からカードの進化合成処理の要求、および、(ii)ユーザの所持カードの閲覧処理の要求を取得したタイミングである。
【0063】
(i) ユーザ端末10からカードの進化合成処理の要求時の表示
この場合、所持カード毎の表示態様の差異点は、
図9の画像P4に示すように、カードに関連付けて表示するテキストである。つまり、予約データテーブルに記録されているシリアル番号に対応するカードには、「予約済」というテキストがカードに関連付けて表示され、予約データテーブルに記録されていないシリアル番号に対応するカードには、「所持」または「未所持」というテキストがカードに関連付けて表示される。表示態様の差異はこの例に限られず、例えばカードの形態やサイズを変更して表示する場合等、ユーザが識別可能な表示形式であれば適宜設定してもよい。
この場合の表示手段60の機能は、以下のようにして実現できる。ゲームサーバ20のCPU21は、例えばユーザ端末10からベースカードの選択結果を取得したときに、そのベースカードを進化させるために必要となる複数の参照カードIDの組合せを進化合成データテーブルから読み出し、各参照カードについて、カードの状態(「予約済」、「所持」または「未所持」のいずれかの状態)を特定する。CPU21は、各参照カードの状態に基づいて、ユーザ端末10へ送信(出力)する画像データを生成する。画像データを生成するにあたっては、各参照カードの状態によって各カードの表示態様が区別される。ゲームサーバ20のCPU21は、各参照カードの状態を特定するために、所持カードデータテーブルおよび予約データテーブルを参照する。例えば、予約データテーブルにおいて、ベースカードに対応する進化IDに対応付けられたC1〜C5の欄(
図8参照)にシリアル番号が書き込まれている場合には、各欄に対応する参照カードが「予約済」として特定される。
【0064】
(ii)ユーザの所持カードの閲覧処理の要求時の表示
この場合、所持カード毎の表示態様の差異点は、
図10の画像P6に示すように、カードに関連付けて表示する記号の有無である。つまり、予約データテーブルに記録されているシリアル番号に対応するカード(つまり、予約済カード)には、所定の記号がカードに関連付けて表示され、予約データテーブルに記録されていないシリアル番号に対応するカード(予約済カードではないカード)には、その所定の記号がカードに関連付けて表示されないようにする。表示態様の差異はこの例に限られず、例えばカードの形態やサイズを変更して表示する場合等、適宜設定してもよい。
この場合の表示手段60の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルの所持カードの中から予約済カードを特定する。このとき、CPU21は、予約データテーブルに記録されている予約済カードのシリアル番号を読み出して、ユーザの所持カードのうち予約済カードを特定する。そして、ユーザの所持カードの一覧を、予約済カードとそれ以外のカードとをユーザが識別可能な表示形式で、ユーザ端末10へ送信(出力)する画像データを生成する。
なお、予約済カードの特定方法は、所持カードデータテーブルの「予約ID」の欄にデータが記録されているか否かに基づいて行ってもよい。
【0065】
表示手段60を設けることは必須ではないが、表示手段60を設けることで、表示画像を見たユーザは、予約済カードを他のカードと識別可能に認識することができる。また、ユーザの所持カードの中からいずれかのカードを指定して何らかの処理を実行する場合に、予約済カードと他のカードを識別可能に認識できるため、予約済カードを目的とする進化合成以外の処理に使用することがさらに効果的に防止できる。
【0066】
(1−8)本実施形態のゲームの処理フロー
次に、本実施形態のゲームの処理フローの一例について、
図14Aおよび
図14B、
図15、
図16A,16B、
図17Aおよび
図17B、
図18のシーケンスチャートを参照して説明する。
図14Aおよび
図14Bは、進化合成の予約処理を示すシーケンスチャートである。
図15は、所持カードの閲覧処理を示すシーケンスチャートである。
図16Aおよび
図16Bは、予約済カードの売却処理を示すシーケンスチャートである。
図17Aおよび
図17Bは、カード入手時の判定処理を示すシーケンスチャートである。
図18は、進化合成処理を示すシーケンスチャートである。
なお、各図において、
図9〜12に示した各画像P1〜P8、P10〜P12の表示されるステップに各画像の符号を付してある。
【0067】
(A)進化合成の予約処理(
図14A,
図14B)
以下で説明する予約処理では、一例として、ユーザが、ベースカードと、当該ベースカードを進化合成させるための複数の参照カードの一部とを所持している場合に、ベースカードと所持している参照カードとを予約する場合を想定する。
【0068】
図14Aにおいて、ユーザ端末10に表示された画像上で所定のボタン(例えば、
図9の画像P1のボタンb4)をユーザが操作することによって、ユーザ端末10のCPU11は進化合成処理の要求を受け付け(S10)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S12)。
ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10からの進化合成処理の要求を受け付けると、進化合成データテーブルおよび所持カードデータテーブルを参照して、進化可能なユーザの所持カードを読み出す(S14)。すなわち、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルからユーザの所持カードのカードデータを読み出し、進化合成データテーブルの進化前カードID(つまり、進化可能なカードのカードID)をすべて読み出す。次いでCPU21は、ユーザの所持カードの中から進化可能なカード(つまり、ベースカード候補)のカードIDに対応するシリアル番号を特定し、ベースカード候補の一覧を含む画像データを生成して(S16)、ユーザ端末10へ送信する(S18)。
なお、S16で生成される画像データは、
図9の画像P2に示したように、ユーザの所持カードのうち進化可能なカードの画像と進化不可能なカードの画像とをユーザが識別可能な表示形式で生成されることが好ましい。
【0069】
ユーザ端末10のCPU11は、S18で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像を表示部16に表示する(S20)。S20で表示される画像には、
図9の画像P2に例示したように、ベースカード候補となる複数のカードの画像が含まれ、各カードの画像を操作することで各カードのシリアル番号が選択可能となるようにして構成されている。S20で表示された複数のベースカード候補の中でいずれかのカードがベースカードとして選択する操作が行われると、CPU11は、ベースカードの選択結果(シリアル番号)を受け付け(S22)、その選択結果をゲームサーバ20へ送信する(S24)。
【0070】
ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10からベースカードの選択結果(シリアル番号)を取得すると、進化合成データテーブルを参照し、ユーザによって選択されたベースカードのシリアル番号に対応するカードIDと一致する進化前カードIDに対応する組合せ条件となる複数の参照カードID(C1〜C5の欄のカードID)を読み出す(S26)。次いでCPU21は、所持カードデータテーブルおよび予約データテーブルを参照して、S26で読み出した各参照カードIDに対応するカードの状態(未所持、所持、予約済)を特定し、その特定結果に基づいて画像データを生成する(S28)。
【0071】
各参照カードの状態の特定方法は、以下の通りである。
予約データテーブルの「予約済カードのシリアル番号」の欄に記録されているシリアル番号を読み出し、所持カードデータテーブルを参照して、読み出したシリアル番号に対応するカードIDを特定する。特定したカードIDの中に、S26で読み出した参照カードIDと一致するカードIDがある場合には、その参照カードIDに対応するカードの状態は「予約済」として特定する。
ユーザの所持カードデータテーブルに記録されているカードIDの中に、S26で読み出した参照カードIDと一致するカードIDが含まれていると判定し、かつその参照カードIDに対応するカードの状態が「予約済」として特定されていない場合には、その参照カードIDに対応するカードの状態は「所持」として特定する。S26で読み出した参照カードIDに対応するカードの状態が「予約済」および「所持」のいずれにも特定されていない場合には、その参照カードIDに対応するカードの状態は「未所持」として特定する。
【0072】
S28で生成される画像データは、カードの状態の特定結果によって異なってもよい。
すなわち、S26で読み出したすべての参照カードの状態が「所持」または「予約済」である場合には、ベースカードとして選択されたカードの進化合成に必要な参照カードがすべて揃っていることを意味するため、ゲームサーバ20のCPU21は、進化合成を実行するか否かについてのユーザが指示するための画像データを生成する。そして、進化合成を実行することを選択する操作入力が行われた場合、
図18に示す進化合成処理に進む。
一方、CPU21は、S26で読み出した少なくともいずれかの参照カードの状態が「未所持」である場合(つまり、ベースカードとして選択されたカードの進化合成に必要な参照カードがすべて揃っていない場合)には、ベースカードとして選択されたカード、および「所持」の状態の参照カードを進化合成のために予約するための画像データを生成する。
ここでは、後者の場合(いずれかの参照カードの状態が「未所持」である場合)を想定する。後者の場合、CPU21は、
図9の画像P4に例示したように、各参照カードをカード画像と対応付けることで各参照カードがユーザにとって識別可能な表示形式とするとともに、各参照カードに対してカードの状態の特定結果を対応付けるようにして、画像データを生成する。また、画像データは、ベースカードと、複数の参照カードのうち予約済みでない所持カードとを予約対象カードとした、進化合成の予約処理の要求の受付が可能となる指示部(例えば、
図9の画像P4のボタンb8)が表示されるようにして生成される。
【0073】
ゲームサーバ20のCPU21は、S28で生成した画像データをユーザ端末10へ送信する(S30)。ユーザ端末10のCPU11は、S30で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像を表示部16に表示する(S32)。ここで、進化合成の予約処理の要求を行うための指示(例えば、画像P4のボタンb8の操作)が行われると、ユーザ端末10のCPU11は、進化合成の予約処理の要求を受け付け(S34)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S36)。
【0074】
進化合成の予約処理の要求を受け付けると、ゲームサーバ20のCPU21は、予約データテーブルにアクセスし、S24で取得したベースカードのシリアル番号に対応する予約IDが発行済みであるか(つまり、「進化前カード」の欄に同一のシリアル番号が記録されているか)否か判定する(S38)。予約IDが発行済みである場合には(S38:YES)、S42へ進み、予約IDが発行済みでない場合には(S38:NO)、予約IDを発行した後に(S40)、S42へ進む。S42では、ゲームサーバ20のCPU21は、予約データテーブルに、予約IDに対応付けて予約対象カードのシリアル番号を書き込む。
このとき、CPU21は、予約IDを新たに発行した場合には、予約対象カードのうちベースカードのシリアル番号を「進化前カード」の欄に書き込む。さらに、予約対象カードのうち参照カードのシリアル番号に対応するカードIDと同一の「参照カード」の欄(C1〜C5の欄のいずれか)を特定し、特定した欄に予約対象カードのうち参照カードのシリアル番号を書き込む。
一方、予約IDが発行済みである場合には、「進化前カード」の欄にはシリアル番号が既に記録されているため、CPU21は、予約対象カードのうち参照カードのシリアル番号の書き込みのみを行う。
なお、CPU21は、予約データテーブルの予約IDを新たに発行した場合、その予約IDに対応するC1〜C5の欄のうちシリアル番号の書き込みを行わない欄には、「予約無し」を示すデータ(例えば、NULL)を書き込む。
【0075】
次にゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルにおいて、予約対象カードのカードIDに対応する「予約ID」の欄に、S42の書き込み対象とした予約IDのデータを書き込む(S44)。最後にCPU21は、予約が完了したことを示す画像データを生成し(S46)、その画像データをユーザ端末10へ送信する(S48)。ユーザ端末10のCPU11は、S48で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図9の画像P5)を表示部16に表示する(S50)。
【0076】
(B)所持カードの閲覧処理(
図15)
図15において、ユーザ端末10に表示された画像上で所定のボタン(例えば、
図10の画像P1のボタンb1)をユーザが操作することによって、ユーザ端末10のCPU11は所持カードの閲覧処理の要求を受け付け(S60)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S62)。
ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10からの所持カードの閲覧処理の要求を受け付けると、所持カードデータテーブルから所持カードのカードIDを特定し、カードデータテーブルおよび所持カードデータテーブルから所持カードのカードデータを読み出す(S64)。
次にゲームサーバ20は、ユーザの所持カードの中から予約済カードを特定するために、以下の処理を行う。すなわち、ゲームサーバ20のCPU21は、予約データテーブルに記録されている予約済カードのシリアル番号を読み出して(S66)、ユーザの所持カードのうち予約済カードを特定する。そして、ユーザの所持カードの一覧を、予約済カードとそれ以外のカードとをユーザが識別可能な表示形式で画像データを生成し(S68)、その画像データをユーザ端末10へ送信する(S70)。ユーザ端末10のCPU11は、S70で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図10の画像P6)を表示部16に表示する(S72)。
【0077】
(C)予約済カードの売却処理(
図16A,
図16B)
図16Aにおいて、ユーザ端末10に表示された画像上で所定のボタン(例えば、
図11の画像P1のボタンb5)をユーザが操作することによって、ユーザ端末10のCPU11は所持カードの売却処理の要求を受け付け(S80)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S82)。
ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10からの所持カードの売却処理の要求を受け付けると、所持カードデータテーブルから所持カードのカードIDを特定し、カードデータテーブルおよび所持カードデータテーブルから所持カードのカードデータを読み出して、所持カードの一覧を含む画像データを生成し(S84)、その画像データをユーザ端末10へ送信する(S86)。ユーザ端末10のCPU11は、S86で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図11の画像P7)を表示部16に表示する(S88)。
S88で表示される画像には、
図11の画像P7に例示したように、整列されたユーザの所持カードの画像が含まれ、各カードの画像を操作することで各カードのシリアル番号が選択可能となるようにして構成されている。S88で表示された複数の所持カードの中でいずれかのカードが売却対象カードとして選択する操作が行われると、ユーザ端末10のCPU11は、売却対象カードの選択結果(シリアル番号)を受け付け(S90)、その選択結果をゲームサーバ20へ送信する(S92)。
【0078】
ゲームサーバ20は、ユーザ端末10から売却対象カードの選択結果(シリアル番号)を取得すると、その売却対象カードが進化合成のための予約済カードである場合には、ユーザに対して警告を行うために以下の処理を行う。すなわち、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルを参照して、売却対象カードのシリアル番号に予約IDが対応付けられているか否かについて判定する(S94)。売却対象カードのシリアル番号に予約IDが対応付けられている場合には(S94:YES)、警告用の画像データを生成し(S96)、その画像データをユーザ端末10へ送信する(S98)。ユーザ端末10のCPU11は、S98で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図11の画像P8)を表示部16に表示する(S100)。
S100で表示される画像には、
図11の画像P8に例示したように、売却処理を続行するか否かを確認するためのボタンが設けられている。このボタンのユーザによる操作に基づいて、CPU11が売却処理の続行要求を受け付けた場合には(S102:YES)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S104)。売却処理の続行要求を受け付けない場合には(S102:NO)、売却対象カードを選択する画像(例えば、
図11の画像P7)を再度表示してもよい。
【0079】
ユーザ端末10から受信した売却処理の続行要求を受け付けた場合、または、売却対象カードのシリアル番号に予約IDが対応付けられていない場合(予約済カードでない場合)には(S94:NO)、ゲームサーバ20のCPU21は、売却対象カードのシリアル番号をRAM23に記憶させ、所持カードデータテーブルにおいて当該シリアル番号の行のデータを消去する(S106)。さらに、予約データテーブルの更新を行うため、以下の処理を行う。すなわち、
図16Bに示すように、ゲームサーバ20のCPU21は、S106で消去したカード(消去対象カード)についてRAM23に記憶させたシリアル番号に基づいて、消去対象カードが、予約済みの参照カードであるか、予約済みのベースカードであるか、またはそれらのいずれでもないか判定する(S108)。
ゲームサーバ20のCPU21は、消去対象カードが予約済みの参照カードである場合には、予約データテーブルに記録されている消去対象カードのシリアル番号をすべて消去する(S110)。消去対象カードが予約済みのベースカード(進化前カード)である場合には、予約データテーブルに記録されている消去対象カード(進化前カード)のシリアル番号に対応する行のデータをすべて消去する(S112)。消去対象カードが予約済カードでない場合には、予約データテーブルに対する処理は行わない。
【0080】
上述したように、本実施形態では、進化合成の予約済カードが、進化合成以外の処理である売却処理に用いられる場合には、売却処理が実行されることが制限される。すなわち、予約済カードに対して直ちに売却処理が実行されるのではなく、売却対象カードが予約済カードであることをユーザに警告するための画像が提示され、売却処理の続行要求をユーザ端末から取得するまで待ってから、売却処理が実行される。
【0081】
(D)カード入手時の判定処理(
図17A,
図17B)
本実施形態のゲームでは、好ましくは、ユーザが新たにカードを入手した場合に、そのカードを入手したことによって、予約IDに対応した組合せ条件である複数の参照カードをユーザがすべて所持することになった(つまり、参照カードがすべて揃った)場合には、予約IDに対応した参照カードがすべて揃ったことをユーザに通知する。そこで、ユーザが新たにカードを入手した時点で、予約IDに対応したいずれかの進化合成の参照カードの組合せ条件を満たすことになったか否か判定を行う。
この判定処理では先ず、
図17Aにおいて、ゲームサーバ20のCPU21がゲームの処理によってユーザに対してカードを付与する場合に、カードデータテーブルからユーザが入手するカード(「入手カード」という。)のカードIDを決定する(S120)。入手カードのカードIDを決定するとゲームサーバ20は、ユーザ端末10に対して、入手カードのカードデータを含む画像データを生成してユーザ端末10へ送信する(S122)。ユーザ端末10のCPU11は、S122で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図12の画像P10)を表示部16に表示する(S124)。
次いでゲームサーバ20のCPU21は、入手カードに対応するシリアル番号を発行し、所持カードデータテーブルに、発行したシリアル番号に対応するデータを書き込む(S126)。このデータの書き込みでは、カードレベルおよびスキルレベルは初期値の「1」が書き込まれる。書き込まれるカードIDは、S120で決定されたカードIDである。
【0082】
次に、ゲームサーバ20のCPU21は、予約データテーブルに記録されている進化IDをすべて特定し、特定した進化IDに対応する組合せ条件を構成する複数の参照カードIDを、進化合成データテーブルから読み出す(S128)。
図17BにおいてCPU21は、進化合成データテーブルから読み出した各参照カードIDが、入手カードのカードID(入手カードID)と一致するか否か判定する(S130)。入手カードIDと一致する参照カードIDが存在しなければ(S130:NO)、処理を終了する。CPU21は、入手カードIDと一致する参照カードIDが存在した場合であっても(S130:YES)、予約データテーブルにおいて、その参照カードIDに対応するシリアル番号が既に記録済みである場合(つまり、入手カードと予約済カードとが同じカードIDに対応付けられている場合)には(S132:YES)、予約データテーブルにシリアル番号を新たに記録する必要がないため、処理を終了する。
【0083】
一方、ゲームサーバ20のCPU21は、入手カードIDと一致する参照カードIDが存在した場合であって、予約データテーブルにおいて、その参照カードIDに対応するシリアル番号が記録されていない場合(S132:NO)、入手カードのシリアル番号を、その参照カードIDに対応する欄(C1〜C5のいずれか)に書き込むとともに(S134)、書き込んだシリアル番号に対応する予約IDを読み出す。さらにCPU21は、読み出した予約IDを、所持カードデータテーブルにおいて入手カードのシリアル番号に対応付けて書き込む(S136)。
【0084】
次にゲームサーバ20は、S134で書き込んだシリアル番号に対応する予約IDに対応する参照カードがすべて揃ったか否か判定する(S138)。具体的には、ゲームサーバ20のCPU21は、入手カードに対応する予約IDに対応する進化IDについての参照カードIDの組合せを構成するC1〜C5の欄(進化合成データテーブル参照)の参照カードIDに対応した、予約データテーブルにおける参照カードのC1〜C5のすべての欄に、シリアル番号が記録されているか判定することによって、参照カードがすべて揃ったか否か判定する。予約IDに対応する参照カードがすべて揃っていない場合には(S138:NO)、入手カードによって参照カードの組合せ条件が満たされていないため、処理を終了する。一方、予約IDに対応する参照カードがすべて揃った場合には(S138:YES)、予約IDに対応する参照カードがすべて揃ったことをユーザに通知するための画像データを生成し(S140)、その画像データをユーザ端末10へ送信する(S142)。ユーザ端末10のCPU11は、S142で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図12の画像P11)を表示部16に表示する(S144)。
【0085】
(E)進化合成処理(
図18)
例えば、上述したカード入手時の判定処理を実行した結果、入手したカードによって進化合成に必要な参照カードがすべて揃ったことで進化合成の条件を満たすことになった場合には、進化合成処理が実行される。
図18に示すシーケンスチャートは、
図17Aおよび
図17Bに示した判定処理に引き続いて実行される場合の処理の流れを示している。
図17BのS144で表示される画像は、
図12の画像P11に例示したように、進化合成の実行要求を行うか否かを確認するためのボタンが設けられている。
図18では、このボタンのユーザによる操作に基づいて、ユーザ端末10のCPU11が進化合成の実行要求を受け付けた場合(S150)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S152)。
【0086】
ゲームサーバ20のCPU21がユーザ端末10から受信した進化合成の実行要求を受け付けると、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルにおいて、進化前カード(つまり、進化合成のベースカード)のカードデータを消去し(S154)、進化後カードのカードデータを新たに書き込む(S156)。S156では、
図17BのS138の判定対象となった予約IDに対応して予約データテーブルに記録されている進化IDに基づいて、進化合成データテーブルから進化後カードIDを読み出し、この進化後カードIDに対応するカードデータを所持カードデータテーブルに書き込む。このとき、カードデータには、例えば、進化後カードIDに対応して発行したシリアル番号が含まれる。
次いでゲームサーバ20のCPU21は、進化合成に使用する参照カードのカードデータを所持カードデータテーブルから消去する(S158)。
【0087】
進化合成を実行した後は予約IDに対応付けられたデータを予約データテーブルに記録している必要がないため、ゲームサーバ20のCPU21は、予約データテーブルから、進化合成の対象となる予約IDの行のデータを消去する(S160)。最後にCPU21は、進化後カードのカードデータを含む画像データを生成し(S162)、その画像データをユーザ端末10へ送信する(S164)。ユーザ端末10のCPU11は、S164で送信された画像データを取得すると、当該画像データに基づいて画像(例えば、
図12の画像P12)を表示部16に表示する(S166)。
【0088】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムでは、オブジェクトを変化させる処理の一例であるカードの進化合成を実行するためには、進化合成の対象となるベースカードと、それに対応する複数の参照カードをユーザが所持していることが要件となる。従って、例えば、その複数の参照カードのうち一部の参照カードを所持しているに過ぎない場合には、ベースカードの進化合成を実行することができないため、進化合成を実行するためにはユーザは、残りの参照カードを入手して参照カードがすべて揃うまで待機する必要がある。このとき、本実施形態のゲームサーバ20は、ユーザによる要求に応じて、ユーザが所持し、かつ目的とする進化合成に必要となるベースカードおよび参照カードを進化合成の実行前に予約しておくことで、予約済カードが目的とする進化合成以外の処理に用いられることを制限する。そのため、ユーザが所持していない残りの参照カードを入手するまで待機期間において、ユーザが所持しているベースカードや参照カードを誤って目的とする進化合成以外の別の処理に使用してしまうことを防止することができる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、ベースカードに対応する複数の参照カードの一部が予約済カードである場合、その後にユーザが複数の参照カードのうち予約済みでないカードを入手したときには、その入手したカードが自動的に予約対象カードとなる場合(言わば、自動予約の場合)について説明した(
図17BのS136)。すなわち、記録手段57が、ベースカードおよび複数の参照カードのうち一部のカードがストレージ25の予約データテーブルに記録されており、ユーザがベースカードおよび複数の参照カードのいずれかであって、かつ所持カードに含まれないカードを入手した場合には、当該入手したカードのシリアル番号(カードデータ)を予約データテーブルに記録する場合について説明した。具体的には、
図17A,
図17Bに示したカード入手時の判定処理において、予約データテーブルに、予約IDに対応する参照カードIDのうち入手カードIDと同一の「参照カード」の欄にシリアル番号が記録されていない場合には、ユーザの操作入力によらずに入手カードのシリアル番号を書き込むようにしている(
図17BのS134)。
言い換えれば、上述した実施形態では、ユーザがカードを入手し、当該ユーザの所持カードデータテーブルに新たなカードIDに対応する行のデータが追加される場合であって、当該追加されたカードが予約データテーブルに予約されることで予約済カード(制限オブジェクトの一例)であると判定された場合、制限手段58が、当該追加されたカードに対して、予約IDに対応する進化合成とは異なる処理に用いられることを制限する場合について説明した。
【0090】
このような自動予約を行うことは以下の利点がある。すなわち、複数の参照カードのうち一部のカードが予約(つまり、予約データテーブルに記録)されている場合には、ユーザが目的とするベースカードの進化合成を実行することを予定していると考えることができるため、ユーザが入手したカードがその複数の参照カードのいずれかである場合には、その入手したカードを自動的に予約することで、ユーザが予約のための操作入力を行わなくて済むとともに、新たに入手したカードを目的とする進化合成以外の処理に用いられることをより確実に抑制することができる。
【0091】
しかし、入手カードについて自動予約を行わなくてもよい。その場合には、カード入手時の処理は、
図17AのS120〜S126の処理で終了する。S126の処理の後にS138の判定処理に進んでもよいし、進まなくてもよい。S138の判定処理に進まない場合には、ユーザの所望のタイミングで
図14Aに示した処理を開始し、その処理の開始時点ですべての参照カードが揃っていれば、S30では、進化合成を実行するか否かについてのユーザが指示するための画像データが送信される。そして、進化合成を実行することを選択する操作入力が行われた場合、
図18に示す進化合成処理に進む。
【0092】
本実施形態では、報知手段59が、前記ユーザの所持カードデータテーブルに新たなカードIDが追加されるタイミングでユーザのユーザ端末10に対して報知を行う場合を一例として説明したが、報知を行うタイミングはこの例に限られない。ユーザがゲームを開始するタイミング(例えば、ログインするタイミング)で報知してもよいし、ゲーム上での区切りのよいタイミング(例えば、ゲームが複数のステージから構成されている場合に各ステージのプレイが終了したタイミング等)で報知してもよい。
なお、ユーザがカードを入手するタイミングでユーザに対して報知が行われることで、ユーザはカードを入手する度に、ベースカードとして選択されたカードの進化合成を実行するための条件の一部またはすべてが満たされたか否かについて注目することになる。そのため、ユーザが新たなカードを入手するときの期待値を向上させることができる。
【0093】
本実施形態では、制限手段58が、予約済カードに対して、対応するベースカードの進化合成とは異なる処理を実行する要求がなされた場合、
図11の画像P8に例示したように、ユーザに対する警告を行う場合について説明した。なお、警告に限られず、実行を要求された処理を中断してもよい。例えば、
図11の画像P7においていずれかの所持カードが選択されたときに、選択されたカードについての処理を中断してもよい。また、画像P7において、予約済カードについては暗転表示して選択できないような態様で表示してもよい。
これによって、予約済カードが予約IDに対応した進化合成以外の処理に用いられることを確実に防止し、あるいは、予約IDに対応した進化合成以外の処理に用いられることについてユーザに対して注意喚起を促すことができる。
【0094】
(2)第2の実施形態
第1の実施形態では、ユーザ端末10とゲームサーバ20との間でHTTPに従った通信が行われ、ユーザ端末10がゲームサーバ20から取得するHTML文書を解釈することでゲーム画像を表示する、いわゆるブラウザ形式によって本発明が実現される場合について説明したが、この場合に限られない。ユーザ端末10がダウンロードしたゲームプログラムを実行することでユーザ端末10が主体的にゲームの処理を実行し、ユーザ端末10とゲームサーバ20の間の送受信処理を抑制した、いわゆるネイティブアプリケーション形式によって実現してもよい。ネイティブアプリケーション形式では、ウェブブラウザを利用せずにユーザ端末10内で画像データを生成して表示する。
第2の実施形態では、第1の実施形態のゲームをネイティブアプリケーション形式によって実現する場合の一例について説明する。なお、本実施形態のハードウェア構成は、第1の実施形態と同じ構成でよい。本実施形態のネイティブアプリケーションの形式では、処理のほとんどをユーザ端末10側で行うことを想定しているが、以下で説明しないゲームの処理の一部(例えば、ユーザに抽選によって付与する抽選処理や、ゲーム運営者がユーザにカードを付与するプレゼント処理等)については、ゲームサーバ20側で処理を実行し、ゲームサーバ20による処理結果をユーザ端末10へ送信するように構成してもよい。
【0095】
本実施形態では、ユーザ端末10がユーザによる所定の操作に基づいて、ゲーム運営者のサーバからゲームプログラムを受信し、受信したゲームプログラムがストレージ18に格納される。ユーザ端末10によってゲームが起動されると、ユーザ端末10とゲームサーバ20との間で通信が確立されてログイン処理が行われ、ゲームサーバ20からユーザ端末10へデータテーブル群(カードデータテーブル、進化合成データテーブル、所持カードデータテーブル)が送信される。ユーザ端末10に送信されるデータテーブル群は、ユーザ端末10のストレージ18内に保持される。この場合、ストレージ18内のデータテーブル群は、ログインの度に更新される。予約データテーブルは、ユーザ端末10で生成されてストレージ18に格納され、予約処理を実行する度に更新される。
所持カードデータテーブルがユーザ端末10において改竄されることを防止するため、ユーザ端末10による所定の処理が終了する度、あるいは、ゲームからログアウトする時点で、ユーザ端末10内の所持カードデータテーブルがゲームサーバ20へ送信される。ゲームサーバ20では、受信した所持カードデータテーブルと、ストレージ25内の所持カードデータテーブルとを比較し、データの改竄が行われていないか確認した後に、ストレージ25内の所持カードデータテーブルを受信したものに更新する。
【0096】
図19Aおよび
図19Bは、本実施形態の進化合成の予約処理を示すシーケンスチャートである。
図20Aおよび
図20Bは、予約済カードの売却処理を示すシーケンスチャートである。
図19A、
図19B、
図20A、
図20Bの各図において、
図14A、
図14B、
図16A、
図16Bと同一の処理については、同一の符合を付してある。
本実施形態の進化合成の予約処理(
図19Aおよび
図19B)では、例えばログイン時に、ゲームサーバ20はユーザ端末10へ、ストレージ25内のデータテーブル群(カードデータテーブル、進化合成データテーブル、所持カードデータテーブル)を送信する(S8)。ユーザ端末10のCPU11は、受信したデータテーブル群をストレージ18に記憶するとともに、操作入力部15からの操作入力に基づいて、RAM13および表示部16等と協働してS14〜S50の処理を実行する。ユーザ端末10のCPU11は、予約データテーブルを逐次更新して予約処理が終了した後に、予約データテーブルをストレージ18へ格納する。S50の処理が終了した後、あるいはログアウトの時点で、ユーザ端末10のCPU11は、所持カードデータテーブルをゲームサーバ20へ送信する(S52)。
【0097】
本実施形態の予約済カードの売却処理(
図20Aおよび
図20B)では、上記予約処理と同様に、ゲームサーバ20からユーザ端末10へのデータテーブル群の送信(S78)、および、売却処理の終了後のユーザ端末10からゲームサーバ20への所持カードデータテーブルの送信(S114)が行われる。ユーザ端末10のCPU11は、操作入力部15からの操作入力に基づいて、RAM13および表示部16等と協働してS80〜S112の処理を実行する。
なお、図示しないが、本実施形態では、所持カードの閲覧処理、カード入手時の判定処理、および、進化合成処理についても同様にして、ユーザ端末10が主体的に実行する。
本実施形態では、カードデータテーブル、進化合成データテーブル、所持カードデータテーブルがゲームサーバ20において保持され、予約データテーブルがユーザ端末10において保持される場合について説明したが、この場合に限られない。ネイティブアプリケーション形式のゲームでは、各データテーブルの保持分担については適宜設定することが可能であって、ユーザ端末10およびゲームサーバ20の少なくともいずれかに保持されるようにすればよく、特定の保持態様に限定されるものではない。ゲームサーバ20にいずれかのデータテーブルが保持される場合には、ゲームの実行時にゲームサーバ20に保持されるデータテーブルがユーザ端末10へ送信され、ユーザ端末10内で行われるゲームの処理に利用される。
【0098】
(3)変形例
以下、上述した各実施形態に共通の変形例について説明する。
(3−1)変形例1
実施形態では、ベースカードが選択された後、当該ベースカードを進化合成させるための複数の参照カードの中から予約済みでない所持カードを、ユーザ端末10からの進化合成の予約処理の要求に基づいて一括で予約する場合について説明したが、この場合に限られない。予約済みでない所持カードが複数存在する場合には、カード単位で予約対象のカードをユーザが選択できるようにしてもよい。
例えば、
図21に、
図9の画像P4の変形例に係る画像P4aを示す。
図21に示す画像P4aでは、ベースカードとして選択されたカードKLMに対して、進化合成に必要な参照カードとその状態について、
図9の画像P4とは異なる状態の場合を例として示している。
図21に示す画像P4aでは、複数の参照カードのうち予約済みでない2枚の所持カードの各々に対して、「予約する」と表記されたボタンb30,b31が表示される。各ボタンを操作することで、カード単位で予約対象カードをユーザが選択できるように構成されている。
本変形例では、例えば
図14Bにおいて、進化合成の予約処理の要求を行うための操作としてボタンb30,b31のいずれかのボタンに対する操作が行われると、進化合成の予約処理の要求を受け付け(S34)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S36)。各ボタンにはカードのシリアル番号が対応付けられており、進化合成の予約処理の要求には、操作されたボタンに対応するシリアル番号が含まれる。S38以降の処理は
図14Bに示したものと同様にして実行することができる。
【0099】
(3−2)変形例2
第1の実施形態の進化合成の予約処理では、
図9および
図14A,
図14Bに関連付けて、ユーザが、ベースカードと複数の参照カードの一部とを所持している場合に、ベースカードと所持している参照カードとを予約する場合について説明したが、ベースカードのみを予約できるようにしてもよい。つまり、ユーザがベースカードのみを所持し、そのベースカードを進化合成させるための参照カードを1枚も所持していない場合であっても、ベースカードのみを進化合成のために予約できるようにしてもよい。
例えば、
図22に、
図9の画像P4の変形例に係る画像P4bを示す。
図22に示す画像P4bでは、ベースカードとして選択されたカードKLMに対して、進化合成に必要な参照カードとその状態について、
図9の画像P4とは異なる状態の場合を例として示している。
図22に示す画像P4bでは、複数の参照カードのいずれもユーザが所持していない。このような場合でも、ベースカードとして選択されたカードKLMに対応付けてボタンb32(「予約する」)が設けられる。ボタンb32を操作することでユーザは、ベースカードのみを予約対象カードとして選択できるように構成されている。
本変形例では、例えば
図14Bにおいて、進化合成の予約処理の要求を行うための操作としてボタンb32に対する操作が行われると、進化合成の予約処理の要求を受け付け(S34)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S36)。ボタンb32にはカードのシリアル番号が対応付けられており、進化合成の予約処理の要求には、操作されたボタンに対応するシリアル番号が含まれる。S38以降の処理は
図14Bに示したものと同様にして実行することができる。
【0100】
(3−3)変形例3
上述した各実施形態において、予約データテーブルの予約IDに対応する進化合成に対応する参照カードがユーザの所持カードとしてすべて揃った場合には、ユーザの操作入力を待たずに自動的に進化合成を実行してもよい。その場合、報知手段59は、ユーザがカードを入手したことによって複数の参照カードがユーザの所持カードに含まれることで進化合成の条件を満たした場合には、進化合成が実行されたことをユーザに報知する。
例えば、
図17Bおよび
図18に示したフローにおいて、予約IDに対応する参照カードがすべて揃った場合には(S138:YES)、S140〜S152の各処理を省略し、S154の処理に移行してもよい。ユーザの操作入力を待たずに自動的に進化合成を実行する場合、進化合成が実行されたことは、S166で画像表示が行われることによってユーザに報知される。この変形例では、ユーザは、進化合成を実行するための操作が必要なくなるため操作性が向上するという利点がある。
【0101】
(3−4)変形例4
上述した各実施形態では、出力手段56が、複数の参照データを対象として進化合成の予約処理の要求するための指示部としてのボタンb8(
図9の画像P4参照)を表示させるための画像データを出力し、受付手段51が、ユーザによる操作によりボタンb8を介してなされた要求を受け付ける場合について説明した。ユーザ端末10に表示される画像内にユーザによる操作対象としての指示部を設けることで、ユーザは、複数の参照カードがそれぞれ識別可能な表示形式で表示されている状態で、当該複数の参照カードを対象として進化合成の予約処理の要求を行うことができるため、予約対象カードである複数の参照カードの確認および進化合成の予約処理の要求を、他の画像に遷移させることなく同時に実行することができる。
なお、要求の受付方法については上述した場合に限られない。例えば、要求の受付方法は、加速度センサを備えたユーザ端末を振ることによる指示入力、あるいはジェスチャによる指示入力(ジェスチャ入力)によって受け付ける方法であってもよい。ジェスチャ入力では、撮像機能を備えたユーザ端末に対する所定のジェスチャを行うことでユーザ端末がそのジェスチャを画像認識し、予めジェスチャに対応付けられた操作入力を認識する。また、音声認識プログラムを実行可能なユーザ端末の場合には、要求の受付方法は、所定の音声による指示入力によって受け付ける方法であってもよい。
【0102】
(3−5)変形例5
上述した実施形態では、例えば
図14AのS22,S24に示したように、ユーザ操作によってベースカードが選択され、その選択結果がゲームサーバ20へ送信される場合について説明したが、この場合に限られない。ベースカードが自動的に選択される場合であってもよい。例えば、ユーザは、現在は所持していないが将来的に進化させたいカードを登録しておく。そして、ユーザが登録しておいたカード(登録カード)を入手したタイミングで、登録カードをベースカードとしたS26以降の処理をゲームサーバ20が実行する。このとき、登録カードを入手したタイミングで予約処理を実行するか否かについての問い合わせをユーザ端末10に対して行い、予約処理を実行することが選択された場合に限り、S26以降の処理を実行してもよい。
本変形例では、ユーザの操作に基づいてユーザ端末10は、任意のタイミングでユーザが進化合成のベースカードとしたいカードをストレージ25内の登録データテーブル(図示せず)に記録することを要求する。当該要求に応じて、ゲームサーバ20のCPU21は、登録データテーブルにユーザに対応付けて記録する。そして、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザにカードを付与することを決定すると、ユーザに対して付与対象のカードのカードデータを通知するとともに、付与対象のカードが登録データテーブルに記録されているいずれかのカードと一致するか否か判定する。一致する場合には、
図14AのS26以降の処理を実行する。
【0103】
(4)ゲーム以外のアプリケーションへの適用について
上述した実施形態および変形例では、本発明がゲームに適用される場合について説明したが、他のアプリケーションに適用してもよい。例えばインターネット上のショッピングモールで商品を購入する度に複数種類の電子クーポン券を配布している場合、その電子クーポン券を本発明のオブジェクトの一例としてもよい。この場合、例えばベースオブジェクトとしてのクーポン券Qの特典内容をアップグレード(変更処理の一例)するために、クーポン券Qに対応する参照オブジェクトとしてのクーポン券A〜Cをユーザが所持し利用することが考えられる。この例において、クーポン券Qをアップグレードすること目的として、そのために必要なクーポン券A〜Cのいずれかのシリアル番号を予約データテーブルに書き込む。そして、予約データテーブルに記録されているクーポン券は、クーポン券Qをアップグレードする処理以外の処理に用いられることが制限される。
上述した例示以外の他のアプリケーションについても適宜適用可能である。
【0104】
[発明のまとめ]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。
【0105】
本発明の一態様は、オブジェクトを変化させる処理を行う条件が定義された変化条件であって、少なくとも複数のオブジェクトを示す情報を含む変化条件と、ユーザが所持するオブジェクトを示す情報を含む所持情報とが記憶された記憶装置(25)にアクセス可能な情報処理装置において、
選択された選択オブジェクトに対応する前記変化条件を、前記記憶装置(25)から取得する取得手段(55)と、
前記取得手段(55)により取得された前記変化条件に含まれる複数のオブジェクトを示す情報を用いて、当該複数のオブジェクトをユーザにそれぞれ識別可能な表示形式で表示させるための出力データを出力する出力手段(56)と、
前記出力手段(56)により前記出力データが出力されたことに応じて、前記ユーザによる操作を介してなされた要求であって、前記複数のオブジェクトのうち少なくともいずれかのオブジェクトに対して処理を制限させるための要求を受け付ける受付手段(51)と、
前記受付手段(51)により前記要求を受け付けたことに応じて、前記取得手段(55)により取得された前記変化条件と、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報とに基づいて、当該ユーザが所持するオブジェクトのうち、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限すべき制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限する制限手段(58)と、
を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0106】
「情報処理装置」は、スタンドアローンのゲーム機、あるいはユーザ端末(例えば、携帯端末やパーソナルコンピュータ等)やネットワーク上のサーバなどであってもよい。ゲームの実現形態によって適宜情報処理装置の実体を定義することができる。例えば、ユーザがゲーム機やユーザ端末を操作することで情報処理装置の各部の機能が実現される場合には、ゲーム機やユーザ端末が本発明の情報処理装置に相当する。あるいは、クライアントであるユーザ端末がユーザからの操作入力の受付や画像の表示の機能を有し、情報処理装置の各部の機能が実質的にユーザ端末と通信可能なサーバによって実現される場合には、サーバが本発明の情報処理装置に相当する。
「オブジェクト」は、ユーザが視覚的に認識可能である限り如何なる表示対象であってもよく、本発明の情報処理装置による処理内容に応じて適宜設定することができる。例えば、本発明の情報処理装置がゲームに関する情報を処理する場合、オブジェクトは、ゲーム上のキャラクタやアイテム等を含んでもよい。キャラクタは、例えばゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、それらがカードに表示されているものをも含む。
「ユーザが所持するオブジェクト」とは、情報処理上でユーザが所持するオブジェクトとして管理されているオブジェクトであって、ユーザに対応付けて記憶あるいは管理されているオブジェクトを意味する。
「記憶装置」は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等、如何なる構成のメモリデバイスであってもよい。また、記憶装置は、情報処理装置に内蔵された装置であってもよいし、情報処理装置から有線または無線でアクセス可能に構成された外部の装置であってもよい。
「選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限する」とは、選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理自体が禁止されることに限られず、選択オブジェクトを変化させる処理は実行可能であるが、その処理の実行の手続きをし難くする、あるいは処理の実行手続きを煩雑にすることであってもよい。
【0107】
上記情報処理装置において、選択オブジェクトを変化させる処理の実行は、少なくとも複数のオブジェクトを示す情報を含む変化条件と、ユーザの所持情報とに基づいて行われる。そのため、例えば変化条件を満たさない場合には、選択オブジェクトを変化させる処理の実行を実行することができない。このとき、上記情報処理装置では、ユーザからの要求に応じて、選択オブジェクトや、変化条件の基礎となる複数のオブジェクトのいずれかを、選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に用いられることを制限する。そのため、変化条件を満たす前に、ユーザが誤って、選択オブジェクトや、変化条件の基礎となる複数のオブジェクトのいずれかを、その選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に使用してしまうことを防止することができる。
【0108】
前記制限手段(58)は、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報に、オブジェクトを示す情報が追加される場合であって、当該追加されるオブジェクトが前記制限すべき制限オブジェクトであると判定された場合、当該追加されたオブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限してもよい。
「所持情報にオブジェクトを示す情報が追加される場合」とは、例えばユーザがオブジェクトを入手した場合である。このとき、ユーザが入手したオブジェクトが制限オブジェクトであると判定された場合には、そのオブジェクトは、当該ユーザによる指示を受け付けることなく自動的に、選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に用いられることが制限される。そのため、ユーザは指示のための操作入力を行わなくて済むとともに、新たに入手したオブジェクトを、選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に用いられることをより確実に抑制することができる。
【0109】
前記出力手段(56)は、前記複数のオブジェクトに対して処理を制限させることを要求可能な指示部(b8)を表示させるための出力データを出力し、前記受付手段(51)は、前記ユーザによる操作により前記指示部(b8)を介してなされた要求を受け付けてもよい。
出力データを基に表示される画像内に指示部(b8)を設けることでユーザは、変化条件に含まれる複数のオブジェクトがそれぞれ識別可能な表示形式で表示されている状態で、当該複数のオブジェクトに対して処理を制限させるための要求を行うことができるため、当該複数のオブジェクトの確認および上記要求を他の画像に遷移させることなく同時に実行することができる。
【0110】
上記情報処理装置は、所定のタイミングで、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報と、前記取得手段(55)により取得された前記変化条件とに基づき、当該ユーザが当該変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していると判定された場合、当該変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していることを当該ユーザが識別可能な形式で報知する報知手段(59)、を有してもよい。
報知手段(59)を備えることでユーザは、変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していると判定された場合には、当該判定結果が認識可能な形式で認識することができる。そのため、ユーザは、選択オブジェクトを変化させる処理を実行するための変化条件のうち少なくとも一部が満たされたことを直ちに認識することが可能となる。
【0111】
前記報知手段(59)は、所定のタイミングで、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報と、前記取得手段(55)により取得された前記変化条件とに基づき、当該ユーザが当該変化条件に含まれる複数のオブジェクトを所持していると判定されたことにより、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理を行う条件が成立したと判定された場合、当該選択された選択オブジェクトを変化させる処理を行う条件が成立したことを当該ユーザが識別可能な形式で報知してもよい。
それによって、ユーザは、選択オブジェクトを変化させる処理を実行するための変化条件が満たされ、選択オブジェクトを変化させる処理が実行可能となったことを直ちに認識することが可能となる。
【0112】
前記報知手段(59)は、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報に、オブジェクトを示す情報が追加されることに応じて報知してもよい。
ユーザがオブジェクトを入手するタイミングでユーザに対して報知が行われることで、ユーザはオブジェクトを入手する度に、選択オブジェクトを変化させる処理を実行するための変化条件の一部またはすべてが満たされたか否かについて注目することになる。そのため、ユーザが新たなオブジェクトを入手するときの期待値を向上させることができる。
【0113】
前記制限手段(58)は、前記制限すべき制限オブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理を実行する要求がなされた場合、当該処理の中断、またはユーザに対する警告の少なくともいずれかの処理を行ってもよい。
これによって、制限オブジェクトが選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に用いられることを確実に防止し、あるいは、選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に用いられることについてユーザに対して注意喚起を促すことができる。
【0114】
上記情報処理装置は、前記ユーザが所持するオブジェクトのうち、前記制限手段(58)により前記制限すべき制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトと、他のオブジェクトとを、当該ユーザが識別可能な表示形式で表示させるための制御を行う表示手段(60)、を有してもよい。
このような表示手段(60)を設けたことで、表示画像を見たユーザは、制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトを他のオブジェクトと識別可能に認識することができる。また、ユーザが所持するオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを指定して何らかの処理を実行する場合に、制限オブジェクトと他のオブジェクトを識別可能に認識できるため、選択オブジェクトを変化させる処理以外の処理に制限オブジェクトを使用することがさらに効果的に防止できる。
【0115】
本発明の別の態様は、ユーザ端末(10)と、当該ユーザ端末(10)と通信可能に構成されるサーバ(20)と、を含むゲームシステム(1)であって、
オブジェクトを変化させる処理を行う条件が定義された変化条件であって、少なくとも複数のオブジェクトを示す情報を含む変化条件と、ユーザが所持するオブジェクトを示す情報を含む所持情報とが記憶された記憶装置(25)から、選択された選択オブジェクトに対応する前記変化条件を取得する取得手段(55)と、
前記取得手段(55)により取得された前記変化条件に含まれる複数のオブジェクトを示す情報を用いて、当該複数のオブジェクトをユーザにそれぞれ識別可能な表示形式で表示させるための出力データを出力する出力手段(56)と、
前記出力手段(56)により前記出力データが出力されたことに応じて、前記ユーザによる操作を介してなされた要求であって、前記複数のオブジェクトのうち少なくともいずれかのオブジェクトに対して処理を制限させるための要求を受け付ける受付手段(51)と、
前記受付手段(51)により前記要求を受け付けたことに応じて、前記取得手段(55)により取得された前記変化条件と、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報とに基づいて、当該ユーザが所持するオブジェクトのうち、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限すべき制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限する制限手段(58)と、
を有することを特徴とする情報処理システムである。
【0116】
本発明の別の態様は、オブジェクトを変化させる処理を行う条件が定義された変化条件であって、少なくとも複数のオブジェクトを示す情報を含む変化条件と、ユーザが所持するオブジェクトを示す情報を含む所持情報とが記憶された記憶装置(25)、にアクセス可能なコンピュータに、
選択された選択オブジェクトに対応する前記変化条件を、前記記憶装置(25)から取得する取得手段(55)、
前記取得手段(55)により取得された前記変化条件に含まれる複数のオブジェクトを示す情報を用いて、当該複数のオブジェクトをユーザにそれぞれ識別可能な表示形式で表示させるための出力データを出力する出力手段(56)、
前記出力手段(56)により前記出力データが出力されたことに応じて、前記ユーザによる操作を介してなされた要求であって、前記複数のオブジェクトのうち少なくともいずれかのオブジェクトに対して処理を制限させるための要求を受け付ける受付手段(51)、および、
前記受付手段(51)により前記要求を受け付けたことに応じて、前記取得手段(55)により取得された前記変化条件と、前記要求元のユーザが所持するオブジェクトを示す情報が含まれる前記所持情報とに基づいて、当該ユーザが所持するオブジェクトのうち、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限すべき制限オブジェクトとして特定されたオブジェクトに対して、前記選択された選択オブジェクトを変化させる処理とは異なる処理に用いられることを制限する制限手段(58)、
として機能させるためのプログラムである。
【0117】
本発明の別の態様は、上記プログラムを格納する、光ディスク、磁気ディスク等の、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【0118】
本発明の別の態様は、ベースオブジェクトに対応する複数の参照オブジェクトがユーザの所持オブジェクトに含まれる場合に、前記ベースオブジェクトのオブジェクト情報を変更する変更処理を含むゲーム、に用いられる情報処理装置であって、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記所持オブジェクトの中からいずれかのオブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得手段(55)と、
前記取得手段(55)によって取得されたオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのいずれかである場合に、前記取得手段(55)によって取得されたオブジェクト情報を記憶装置(25)に記録する記録手段(57)と、
前記記憶装置(25)に記録されているオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記変更処理以外の処理に用いられることを制限する制限手段(58)と、
を備えた情報処理装置である。
【0119】
この情報処理装置において「変更処理以外の処理に用いられることを制限する」とは、変更処理以外の処理自体が禁止されることに限られず、変更処理以外の処理は実行可能であるが、その処理の実行の手続きをし難くする、あるいは処理の実行手続きを煩雑にすることであってもよい。
【0120】
上記情報処理装置において、ベースオブジェクトのオブジェクト情報を変更する変更処理を実行するためには、ベースオブジェクトと、当該ベースカードに対応した組合せ条件を満たすための複数の参照オブジェクトとをユーザが所持していることが要件となる。従って、上記複数の参照オブジェクトのうち一部の参照オブジェクトを所持しているに過ぎない場合には、ベースオブジェクトの変更処理を実行することができないため、変更処理を実行するためにはユーザは、残りの参照オブジェクトを入手するまで待機する必要がある。このとき、上記情報処理装置では、ユーザが所持し、かつ変更処理に必要となるベースオブジェクトおよび参照オブジェクトを目的とする変更処理の実行前に記録しておくことで、ベースオブジェクトおよび参照オブジェクトが目的とする変更処理以外の処理に用いられることを制限する。そのため、ユーザの所持していない残りの参照オブジェクトを入手するまで待機期間において、ユーザが所持しているオブジェクトを誤って目的とする変更処理以外の別の処理に使用してしまうことを防止することができる。
【0121】
前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのうち一部のオブジェクトが前記記憶装置(25)に記録されており、前記ユーザが前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのいずれかであって、かつ前記所持オブジェクトに含まれないオブジェクトを入手した場合には、前記記録手段(57)は、当該入手したオブジェクトのオブジェクト情報を前記記憶装置(25)に記録してもよい。
複数の参照オブジェクトのうち一部のオブジェクトが記憶装置(25)に記録されている場合には、ユーザがベースオブジェクトの変更処理を実行することを予定していると考えることができるため、ユーザが入手したオブジェクトがその複数の参照オブジェクトのいずれかである場合には、その入手したオブジェクトを自動的に記憶装置(25)に記録することで、ユーザが記録のための操作入力を行わなくて済むとともに、新たに入手したオブジェクトを目的とする変更処理以外の処理に用いられることをより確実に抑制することができる。
【0122】
上記情報処理装置は、前記ユーザがオブジェクトを入手したことによって前記複数の参照オブジェクトが前記ユーザの所持オブジェクトに含まれることになった場合には、前記変更処理が実行可能になったこと、または、前記変更処理が実行されたこと前記ユーザに報知する報知手段(59)、を備えてもよい。
報知手段(59)を備えることで、例えば、変更処理に必要となる複数の参照オブジェクトのうち一部の参照オブジェクトを変更処理の実行前に記録し、残りの参照オブジェクトを取得するまで変更処理を待機しているユーザに、オブジェクトの取得によって変更処理が実行可能になったことが報知されるため、ユーザは直ちに目的とする変更処理を実行することが可能となる。
また、オブジェクトの取得によって変更処理が自動的に実行され、変更処理が実行されたことがユーザに通知されてもよい。その場合には、ユーザは、変更処理を実行するための操作が必要なくなるため操作性が向上する。
【0123】
本発明の別の態様は、ユーザ端末(10)と、当該ユーザ端末と通信可能に構成されるサーバ(20)と、を含み、
ベースオブジェクトに対応する複数の参照オブジェクトがユーザの所持オブジェクトに含まれる場合に、前記ベースオブジェクトのオブジェクト情報を変更する変更処理を含むゲーム、に用いられるゲームシステム(1)であって、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記所持オブジェクトの中からいずれかのオブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得手段(55)と、
前記取得手段(55)によって取得されたオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのいずれかである場合に、前記取得手段(55)によって取得されたオブジェクト情報を記憶装置(25)に記録する記録手段(57)と、
前記記憶装置(25)に記録されているオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記変更処理以外の処理に用いられることを制限する制限手段(58)と、
を備えた、情報処理システムである。
【0124】
本発明の別の態様は、ベースオブジェクトに対応する複数の参照オブジェクトがユーザの所持オブジェクトに含まれる場合に、前記ベースオブジェクトのオブジェクト情報を変更する変更処理を含むゲーム、のためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記所持オブジェクトの中からいずれかのオブジェクトのオブジェクト情報を取得する取得手段(55)、
前記取得手段(55)によって取得されたオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記ベースオブジェクトおよび前記複数の参照オブジェクトのいずれかである場合に、前記取得手段(55)によって取得されたオブジェクト情報を記憶装置(25)に記録する記録手段(57)、および、
前記記憶装置(25)に記録されているオブジェクト情報に対応するオブジェクトが前記変更処理以外の処理に用いられることを制限する制限手段(58)、
として機能させるためのプログラムである。
【0125】
本発明の別の態様は、上記プログラムを格納する、光ディスク、磁気ディスク等の、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【0126】
なお、上記では、本発明の理解を容易にするため、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載しているが、これにより本発明に係る情報処理装置等が図示の態様に限定されるものではない。