特許第6097982号(P6097982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6097982-手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6097982
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/16 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   A63B23/16
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-218874(P2015-218874)
(22)【出願日】2015年10月19日
【審査請求日】2016年6月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515309047
【氏名又は名称】知念 康成
(72)【発明者】
【氏名】知念 康成
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0081746(US,A1)
【文献】 特開2005−205112(JP,A)
【文献】 特開2003−325701(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0065172(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3085026(JP,U)
【文献】 特開2011−212420(JP,A)
【文献】 特開2012−239861(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0311546(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の手の第一指ないし第五指の第一関節付近にそれぞれ装着される左手指第一指ないし第五指リング部及び右手指第一指ないし第五指リング部と、左手指第一指リング部と右手指第一指リング部の間、左手指第二指リング部と右手指第二指リング部の間、左手指第三指リング部と右手指第三指リング部の間、左手指第四指リング部と右手指第四指リング部の間、左手指第五指リング部と右手指第五指リング部の間に、それぞれ独立して架け渡され、左右の手のそれぞれにおいて対応する手指の間に張力を与える左右手指間連結部と、左手指及び右手指の第一指リング部と同第二指リング部の間、同第二指リング部と同第三指リング部の間、同第三指リング部と同第四指リング部の間、同第四指リング部と同第五指リング部の間に、それぞれ架け渡され、左右の手のそれぞれにおいて隣接する手指の間に張力を与える隣接手指間連結部とから構成されており、各連結部の弾性素材の張力の負荷によって手指の伸展筋群と外転筋群をトレーニングでき、手指の屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチできる手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具。
【請求項2】
前記左手指第一指ないし第五指リング部及び右手指第一指ないし第五指リング部は、より安定した手指の位置に装着できるように、手指の第一関節部を覆うことのできるキャップ部に密着された構成を特徴とする請求項1に記載の手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具。
【請求項3】
前記左手指第一指ないし第五指リング部及び右手指第一指ないし第五指リング部は、より安定した手指の位置に装着できるように、リング部の大きさを調整できる調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右全ての手指の伸展筋群(手の甲側の筋肉)と外転筋群(手指を横に広げる筋肉)を同時に効率良くトレーニングできる運動器具である。また、手指の伸展筋群と外転筋群をトレーニングする事によって疲労しがちな手指の屈曲筋群(手のひら側の筋肉)と内転筋群(手指を横に閉じる筋肉)を動的ストレッチさせ弛緩させる運動器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
疲労しがちな手指の屈曲筋群と内転筋群をほぐす方法としては、手指のマッサージや手指を反らしたり広げたりする静的ストレッチが主流であった。
【0003】
従来の手指に関する運動器具は握力を鍛えるための手指の屈曲筋群をトレーニングするものが主流で、手指を握る動作と手指を広げる動作を併用して行え、手指と前腕筋を鍛える指前腕運動器具は、既に発案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3178932号 登録実用新案公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
疲労しがちな手指の屈曲筋群と内転筋群をほぐすために行うマッサージや静的ストレッチより、筋肉の相反性抑制という性質を利用して手指の屈曲筋群と内転筋群の拮抗筋である手指の伸展筋群と外転筋群をトレーニングさせると同時に、手指の屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチさせた方が手指の屈曲筋群と内転筋群を弛緩させ、ほぐす事ができる。
【0006】
しかし、特許文献1の考案は、第一指のトレーニングができず、左右全ての手指の伸展筋群と外転筋群を同時に効率良くトレーニングできるものではなかった。また、疲労しがちな手指の屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチさせ、弛緩させるのが目的のものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、左右の手の第一指ないし第五指の第一関節付近にそれぞれ装着される左手指第一指ないし第五指リング部及び右手指第一指ないし第五指リング部と、左手指第一指リング部と右手指第一指リング部の間、左手指第二指リング部と右手指第二指リング部の間、左手指第三指リング部と右手指第三指リング部の間、左手指第四指リング部と右手指第四指リング部の間、左手指第五指リング部と右手指第五指リング部の間に、それぞれ独立して架け渡され、左右の手のそれぞれにおいて対応する手指の間に張力を与える左右手指間連結部と、左手指及び右手指の第一指リング部と同第二指リング部の間、同第二指リング部と同第三指リング部の間、同第三指リング部と同第四指リング部の間、同第四指リング部と同第五指リング部の間に、それぞれ架け渡され、左右の手のそれぞれにおいて隣接する手指の間に張力を与える隣接手指間連結部とから構成されており、各連結部の弾性素材の張力の負荷によって手指の伸展筋群と外転筋群をトレーニングでき、手指の屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチできる手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具である。
【0008】
前記発明において、前記左手指第一指ないし第五指リング部及び右手指第一指ないし第五指リング部は、より安定した手指の位置に装着できるように、手指の第一関節部を覆うことのできるキャップ部に密着された構成を特徴とする手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具である。
【0009】
前記発明において、前記左手指第一指ないし第五指リング部及び右手指第一指ないし第五指リング部は、より安定した手指の位置に装着できるように、リング部の大きさを調整できる調整手段が設けられていることを特徴とする手指伸展筋群と手指外転筋群の運動器具である。
【発明の効果】
【0010】
左右全ての手指の伸展筋群と外転筋群を効率良く同時にトレーニングする事ができる。筋肉の相反性抑制という性質を利用して、疲労しがちな手指の屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチさせ弛緩させる事ができるため、手指のマッサージやストレッチより効果が期待できる。手指を酷使する運動選手や仕事をされている方には最適なコンディショニング器具である。また、従来ある手指の屈曲筋群のトレーニングと併用して行う事によって握力強化にも繋がる可能性もある。
【0011】
また、普段使わない手指の伸展筋群と外転筋群を同時にトレーニングできるため、手指の冷えの解消や手指のリハビリにも効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を全ての手指の第一関節部付近に装着して、弾性素材の左右手指連結部を手の甲側に引っ張り合う事によって手指の伸展筋群をトレーニングすると同時に手指の屈曲筋群を動的ストレッチしている使用例を示す斜視図
図2】本発明を全ての手指の第一関節部付近に装着して、隣接する手指の間を広げる事によって弾性素材の負荷によって手指の外転筋群をトレーニングすると同時に手指の内転筋を動的ストレッチしている使用例を示す側面図
図3】本発明の平面図
図4】本発明の全てのリング部にキャップ部を設け全ての手指に装着した実施例を示した状態図
図5】本発明の左右の第一指(拇指)のリング部にキャップ部を密着させ、リング部と左右手指連結部が同じ弾性素材の場合の状態図
【発明を実施するするための形態】
【0013】
本発明(1)は、図1図3が示すように、全ての左右手指の周囲を覆うリング部(4a、4b、4c、4d、4e、5a、5b、5c、5d、5e)を設ける。左右の手のひらを向かい合わせた状態でリング部を手指の適当な位置に装着し、弾性素材の左右手指連結部(2)によって左右対称のリング部と繋げる。
【0014】
また、図2図3が示すように、同側の隣接する手指のリング部も弾性素材の隣接手指間連結部(3a,3b、3d、3d、)によって繋げる。
【0015】
リング部を全ての手指に適当な位置に固定できるように、図4図5が示すように全ての手指の第一関節部分を覆うキャップ部(6a、6b、6c、6d、6e、7a、7b、7c、7d、7e)を設けリング部と密着させたり、リング部の大きさを調整出来る手段を設けたりする。
【0016】
図5が示すように、左右手指間連結部がリング部と同じ弾性素材である場合は、とめ具(8)で繋いだりする。
【0017】
図1が示すように、左右の手のひらを向い合わせた状態で、本発明を全ての手指の適当な位置に装着し、手指を真っすぐ伸ばした状態で手の甲側に向かって引っ張り合う。弾性素材の張力の負荷によって左右全ての手指の伸展筋群をトレーニングすることができ、手指の屈曲筋群を動的ストレッチすることができる。
【0018】
図2が示すように、本発明を全ての手指に装着し手指を外側に広げる。弾性素材の張力の負荷によって手指の外転筋をトレーニングすることができ、手指の内転筋群を動的すストレッチすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、左右全ての手指の伸展筋群と外転筋群を同時に効率良くトレーニングする事によって、疲労して硬縮しがちな手指の屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチし弛緩する事ができるため、手指を酷使する運動選手や仕事をされている方には最適なコンディショニング器具である。また、握力強化にも繋がる可能性もある。
【0020】
また、普段使わない手指の筋肉をトレーニングできるため、手指の冷えの解消やリハビリにも使用できる。
【符号の説明】
【0021】
1、運動器具
2、左右手指間連結部
3a、第一指と第二指の隣接手指間連結部
3b、第二指と第三指の隣接手指間連結部
3c、第三指と第四指の隣接手指間連結部
3d、第四指と第五指の隣接手指間連結部
4a、右手指第一指リング部
4b、右手指第二指リング部
4c、右手指第三指リング部
4d、右手指第四指リング部
4e、右手指第五指リング部
5a、左手指第一指リング部
5b、左手指第二指リング部
5c、左手指第三指リング部
5d、左手指第四指リング部
5e、左手指第五指リング部
6a、右手指第一指キャップ部
6b、右手指第二指キャップ部
6c、右手指第三指キャップ部
6d、右手指第四指キャップ部
6e、右手指第五指キャップ部
7a、左手指第一指キャップ部
7b、左手指第二指キャップ部
7c、左手指第三指キャップ部
7d、左手指第四指キャップ部
7e、左手指第五指キャップ部
8、とめ具
【要約】
【課題】本発明は、左右全ての手指の伸展筋群と外転筋群を同時にトレーニングでき、手指の握る筋肉である屈曲筋群と内転筋群を動的ストレッチできる運動器具を提供する。
【解決手段】左右全ての手指の周囲を覆うリング部を設け、左右全ての手指の適当な位置(例えば第一関節部付近)にリング部を装着し、左右の手のひら側を向かい合わせた状態で弾性素材の連結部で左右対称の手指のリング部を連結し、手の甲側に引っ張り合う事によって手指の伸展筋群(手の甲側の筋肉)がトレーニングできると同時に手指の屈曲筋(手のひら側の筋肉)を動的ストレッチできる。また、同側の手指のリング部も弾性素材の連結部で連結し、同側の手指を外側に広げる手指の外転筋のトレーニングもできると同時に手指を内側に閉じる内転筋の動的ストレッチもできる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5