(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6098021
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】顧客消費データからの特定アプリケーショントラフィックの除外
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20170313BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20170313BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20170313BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 300
G06Q30/04
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-550550(P2014-550550)
(86)(22)【出願日】2013年1月3日
(65)【公表番号】特表2015-510625(P2015-510625A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】US2013020007
(87)【国際公開番号】WO2013103627
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年10月8日
(31)【優先権主張番号】13/342,727
(32)【優先日】2012年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515164963
【氏名又は名称】タイム ワーナー ケーブル エンタープライズス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エス ケルセン
(72)【発明者】
【氏名】トゥーシャー ナクレ
(72)【発明者】
【氏名】シャン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ダンフォース
(72)【発明者】
【氏名】ハワード プフェッファー
【審査官】
山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−74882(JP,A)
【文献】
特開2010−66821(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2006−0002122(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2011−0012481(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04L 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者によって操作される通信装置にコンテンツを分配する共有の通信リンクを介して第1のデータサービスフローおよび第2のデータサービスフローを確立し、前記第1のデータサービスフローで送信されるコンテンツは、前記加入者とのデータ配信契約に従って請求可能なコンテンツ配信にカウントされ、前記第2のデータサービスフローで送信されるコンテンツは、前記請求可能なコンテンツ配信から除外され、
前記第1のデータサービスフローを使用して、第1の要求されたコンテンツを前記通信装置に転送し、
第2の要求されたコンテンツが、第1のコンテンツ分配リソースから利用可能であるが、第2のコンテンツ分配リソースから受信されたことの検出に応答して、前記第1のデータサービスフローではなく、前記第2のデータサービスフローで第2の要求されたコンテンツを前記通信装置へリダイレクトする、方法。
【請求項2】
前記第1のコンテンツ分配リソースが、ケーブルネットワークサービス契約に従って、前記共有の通信リンクを介して前記第2の要求されたコンテンツを前記加入者に利用できるようにし、
前記第2のコンテンツ分配リソースが、インターネットサービス契約に従って、前記共有の通信リンクを介して前記第2の要求されたコンテンツを前記加入者に利用できるようにする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンテンツサービスプロバイダは、前記加入者に、前記ケーブルネットワークサービス契約および前記インターネットサービス契約を含む一括契約パッケージを提供し、
前記コンテンツサービスプロバイダは、前記第1のコンテンツ分配リソースおよび前記第2のコンテンツ分配リソースから分配するために、第2の要求されたコンテンツを提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の要求されたコンテンツが、前記第1のコンテンツ分配リソースおよび前記第2のコンテンツ分配リソースから入手可能なビデオデータであり、
前記第2の要求されたコンテンツは、前記第2のコンテンツ分配リソースが前記第2の要求されたコンテンツのソースであることを示すソース識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
方法はさらに、前記第2のコンテンツ分配リソースからデータパケットのストリームとして前記第2の要求されたコンテンツを受信し、
第2の要求されたコンテンツが前記第2のコンテンツ分配リソースから供給されることを検出することが、前記データパケットのストリームからネットワークアドレス情報を取得するために、前記データパケットのストリームを処理することを含み、前記ネットワークアドレス情報は、第2のコンテンツ分配リソースが、前記データパケットのストリームを前記通信装置に送信するそれぞれのリソースであることを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のコンテンツ分配リソースから前記第2の要求されたコンテンツを取得することができることへの前記加入者の支払いを識別する結果として、前記第2の要求されたコンテンツが、前記第1のデータサービスフローではなく、前記第2のデータサービスフローを介して送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のデータサービスフローおよび前記第2のデータサービスフローが、データパケットのストリームを受信するケーブルモデム終端システムと、加入者が居住する加入者の敷地内に設置されたそれぞれのケーブルモデムとの間に広がり、前記加入者が前記ケーブルモデムを介して前記通信装置で前記第2の要求されたコンテンツを受信し、
前記第2の要求されたコンテンツが、前記ケーブルモデムを介する以外のパス上での前記第1のコンテンツ分配リソースから共有の通信リンクを介して前記加入者に利用可能である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のコンテンツ分配リソースが、ケーブルネットワークサービス契約に従って、前記共有の通信リンクを介して、前記第2の要求されたコンテンツへの加入者アクセスを提供し、
前記第2のコンテンツ分配リソースが、前記ケーブルモデムを介する以外のパス上で、インターネットサービス契約に従って、第2の要求されたコンテンツへの加入者アクセスを提供する、請求項7に開催の方法。
【請求項9】
前記第1のデータサービスフローは、IP(インターネットプロトコル)データが前記加入者へ送信されるデフォルトのサービスフローである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
方法はさらに、前記第1のデータサービスフローを介して送信されるデータ量を示す第1のコンテンツ消費情報を生成し、
前記第2のデータサービスフローを介して送信されるデータ量を示す第2のコンテンツ消費情報を生成し、
前記第1のコンテンツ消費情報および前記第2のコンテンツ消費情報を、請求システムへ転送する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1のコンテンツ分配リソースから、通信装置を操作する加入者によって要求されたデータパケットのストリームを受信し、
前記受信したデータパケットのストリームを分析し、
前記データパケットのストリームが、第2のコンテンツ分配リソースからケーブルサービス契約の一部として前記加入者に代替的に利用可能であるコンテンツを表すことの検出に応答して、インターネットベースのデータ取得サービス契約に関連するデータ配信消費カウントから、前記データパケットのストリームの送信を除外し、前記データ配信消費カウントは、前記通信装置への対応する共有の通信リンクで送信されたデータ量を表す、方法。
【請求項12】
前記データ配信消費カウントから前記データパケットのストリームの送信を除外することは、インターネットベースのデータ配信をサポートする第1のデータサービスフローではなく、第2のデータサービスフローを介して前記データパケットのストリームを転送することを含み、前記第1のデータサービスフローを介して送信されたコンテンツが、インターネットベースのデータ取得サービス契約に従って、請求可能なコンテンツ配信にカウントされ、前記第2のデータサービスフローを介して送信された前記データパケットのストリームが、前記請求可能なコンテンツ配信から除外される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記データパケットのストリームを転送することは、前記データパケットのストリームを転送するそれぞれのソースを示すソースアドレスを分析することと、
前記ソースアドレスが、ケーブルモデムを介する以外の接続上で前記共有の通信リンクを介して入手可能な前記コンテンツの一種を送信するサーバリソースに割り当てられることを検出することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータプロセッサハードウェアと、
前記コンピュータプロセッサハードウェアに結合されたストレージリソースであって、当該ストレージリソースは、前記コンピュータプロセッサハードウェアによって実行されたとき、コンピュータプロセッサハードウェアに動作を実行させる命令を蓄積し、前記動作は、
加入者によって操作される通信デバイスにコンテンツを分配するために、共有の通信リンクを介して、第1のデータサービスフローおよび第2のデータサービスフローを確立し、前記第1のデータサービスフローを介して送信されたコンテンツが、前記加入者とのデータ配信契約に従って、請求可能なコンテンツ配信にカウントされ、前記第2のデータサービスフローを介して送信されたコンテンツが、前記請求可能なコンテンツ配信から除外される動作と、
前記第1のデータサービスフローを使用して、第1の要求されたコンテンツを前記通信デバイスに転送する動作と、
第2の要求されたコンテンツへの加入者のアクセスも提供する第1のコンテンツ分配リソースの代わりとして、前記第2の要求されたコンテンツを加入者へ提供する第2のコンテンツ分配リソースから前記第2の要求されたコンテンツが供給されたことの検出に応答して、前記第1のデータサービスフローではなく、前記第2のデータサービスフローを使用して、前記第2の要求されたコンテンツを前記通信デバイスに転送する動作とを含む、コンピュータシステム。
【請求項15】
前記第1のコンテンツ分配リソースが、ケーブルネットワークサービス契約に従って、前記第2の要求されたコンテンツを前記加入者に利用できるようにし、
前記第2のコンテンツ分配リソースが、インターネットサービス契約に従って、前記第2の要求されたコンテンツを前記加入者に利用できるようにする、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
コンテンツサービスプロバイダが、前記ケーブルネットワークサービス契約および前記インターネットサービス契約を含む一括契約のパッケージを加入者に提供し、
前記コンテンツサービスプロバイダが、前記第1のコンテンツ分配リソースおよび前記第2のコンテンツ分配リソースから分配するために前記第2の要求されたコンテンツを提供する、
請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記コンピュータプロセッサハードウェアがさらに、
前記第2のコンテンツ分配リソースからデータパケットのストリームとして前記第2の要求されたコンテンツを受信する動作を含み、
第2の要求されたコンテンツが第2のコンテンツ分配リソースから供給されることを検出することが、前記データパケットのストリームからネットワークアドレス情報を取得するために前記データパケットのストリームを処理することを含み、前記ネットワークアドレス情報は、前記第2のコンテンツ分配リソースが、前記データパケットのストリームを前記通信デバイスに送信するそれぞれのソースであることを示す、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記第1のコンテンツ分配リソースから前記第2の要求されたコンテンツを受け取ることができることへの前記加入者の支払いの結果として、前記第2の要求されたコンテンツが、前記第1のデータサービスフローではなく、前記第2のデータサービスフローを介して送信される、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記第1のデータサービスフローおよび前記第2のデータサービスフローが、データパケットのストリームを受信するケーブルモデム終端システムと、加入者が居住する加入者の敷地内に設置されたそれぞれのケーブルモデムとの間に広がり、前記加入者が、前記ケーブルモデムを介して前記通信デバイスで前記第2の要求されたコンテンツを受信し、
前記第2の要求されたコンテンツが、前記ケーブルモデムを介する以外のパスでの前記第1のコンテンツ分配リソースから前記共有の通信リンクを介して前記加入者に利用可能である、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記第1のコンテンツ分配リソースが、ケーブルネットワークサービス契約に従って、前記加入者に、前記第2の要求されたコンテンツへの加入者アクセスを提供し、
前記第2のコンテンツ分配リソースが、前記ケーブルモデムを介する以外のパスでのインターネットサービス契約に従って、前記第2の要求されたコンテンツへの加入者アクセスを提供する、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツ配信システム、および有線通信サービスならびにインターネットデータ通信サービスを含むこのようなコンテンツ配信システム用の請求システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットサービスプランの大部分は、ケーブルモデムを介したインターネット接続を提供する。このようなインターネット接続は、ケーブルテレビサービス事業者によってたびたび提供される。このようなケーブルベースのインターネットサービスは、従来のケーブルテレビサービスと共に提供されるのが一般的である。例えば、1つの同軸ケーブルは、従来のケーブルテレビサービス用およびインターネットデータ用の信号を顧客の所在地(住宅など)に同時に送信する。顧客の敷地(構内)でケーブル線は通常は分割されており、これにより、従来のケーブルテレビサービスが、1つまたはそれ以上のテレビに接続された1つまたはそれ以上のセットトップボックスに伝送され、一方でインターネットデータがケーブルモデムに繋がる別の線をたどる。ケーブルモデムは、デスクトップコンピュータ、ボイスオーバーアイピー電話、ラップトップコンピュータ、携帯電話機、タブレット型コンピュータなどのマルチプルデバイスへのインターネット接続を提供する。
【0003】
テレビのサービスコンテンツ(大抵は、ケーブル、衛星により配信されるか、または放送される)の大部分は、インターネットプロトコル(IP)またはIPベースの配信メカニズムにますます移行している。IPベースの配信を介した映画、テレビ番組およびその他のマルチメディアコンテンツを提供する様々な第三者サービスがある。インターネット接続(例えば、ケーブルモデルを介するもの)も提供するケーブルテレビサービス事業者もまた、消費者が操作するコンピュータアプリケーション(例えば、消費者の家庭用PCまたは携帯機器にダウンロードされて実行される、ケーブルテレビ事業者によって提供されるソフトウェアプログラム)を介して、一部のテレビ番組を提供する。これらの消費者向けソフトウェアアプリケーションは、従来のテレビ信号ではなく、IPベースの転送によりテレビ番組を受信する。具体例として、デスクトップコンピュータまたはタブレット型コンピュータは、リアルタイムすなわち生放送のテレビサービスを含め、ケーブルテレビサービス事業者から供給されるテレビ放送をユーザが選択および視聴することのできる、インストールされたアプリケーションを備えことができる。これらのテレビ放送は、セットトップボックスに伝達されて従来のテレビジョン信号(例えば、HDMI信号)に復号されるのではなく、インターネットで配信され、消費者のケーブルモデムを介してIPパケットで受信される。すなわち、ケーブルテレビサービスをセットトップボックスへ伝送することに加えて、ケーブルサービス事業者は、IPパケットを使用してインターネット接続を介したケーブルテレビサービスを配信することもできる。
【発明の概要】
【0004】
ケーブルテレビサービスをユーザの住居または携帯機器へIPベースで伝送することにより、実質的に、所与のケーブルテレビの顧客に第2または第3の(すなわち、追加の)TVが供給される。このようなテレビインターフェースは、テレビ画面を消費者の構内の至る所に容易に移動することができるので、消費者の携帯無線タブレット型コンピュータで利用されるような場合に便利である。ある種のインターネットサービス契約では、消費者のケーブルモデムに届くIPパケットが、その他のデータと同様に請求の目的のために扱われるので、このようなIPベースのケーブルテレビサービスは、請求の問題を生じさせることがある。
【0005】
インターネットサービスプランが、ダウンロード/アップロードの速度に応じて、サービスおよび対応する価格を変えることは一般的である。というのは、価格設定が、インターネットサービス事業者によって提供される一定のダウンロードの速度範囲を反映し得るからである。例えば、一定のインターネットサービスプランでは、毎秒15メガバイトのダウンロード速度であるインターネット接続を行う第1の月極め料金を加算し、その後、毎秒最大50メガバイトのダウンロード速度であるインターネット接続を提供する第2の月極め料金を課金することがある。このようなデータレート請求プランまたはパッケージでは、通常はデータ転送は無制限であるが、速度制限を受ける。このように、このインターネットプランは速度ベースである。
【0006】
他のタイプのインターネットサービスプランは、速度ベースの制限ではなく、または速度ベースの制限に加えて、利用ベースの価格設定を有することがある。すなわち、他のタイプのインターネットサービスプランは、一定期間内にダウンロード/消費され得る特定のデータ量に定期料金を設定することができる。これは、消費ベースの請求(CBB)モデルとしても知られている。例えば、インターネットサービスプランは、一般に毎月の請求サイクルを有する。あるプランでは無制限のデータ転送(データ転送または帯域幅のレートを受ける)が可能であり、他のプランでは、速度無制限で、または特定の転送速度制限を条件として、請求期間ごとに転送することのできる特定のデータ量を制限することが可能である。例えば、このようなプランは、月に最大20ギガバイト(GB)、月に50GB、月に500GB、または任意の他の提供量まで、データダウンロードの価格を設定することができる。ユーザが所与の期間内にこのデータ転送量を超過した場合、超過分に対して追加料金が請求される。これらの追加料金は高額となることがある。
【0007】
本明細書で開示される実施形態は、ケーブルサービス事業者によって提供され、IPベースのインターフェース(例えば、ケーブルモデムを経由してユーザのコンピュータまたは携帯機器にストリームされる)を介して閲覧されるケーブルテレビのコンテンツ(例えば、テレビ番組、映画、オンデマンドの番組等であり、消費者の住居のセットトップボックスで受信されることにより、従来のテレビで視聴することができるものである)を利用し、その結果、どんなタイプのデータ帯域幅消費の上限または制限にも不利にカウントされることが望ましくないという観点に部分的に基づいている。すなわち、消費者は自身のセットトップボックスおよび従来のテレビを使用してテレビを視聴することできるので、自身のコンピュータ上で同じ番組またはコンテンツの視聴を選択することにより、なぜユーザが不利益を被らなくてはならないのであろうか。(この不利益は、コンテンツがここでは、自身の月極めのデータ制限または帯域幅制限に不利に作用するデータパケットとして受信されるというものである。)
【0008】
本明細書で開示される技術は、消費者の消費ベースの請求データカウントから特定のアプリケーションのトラフィックを除外するためのシステムおよび方法を含む。このような除外は、リアルタイムで実行され得る。ひとつの例示的な構成では、システムは、IPテレビサービス(またはコンテンツを提供するマネージドサービス)を提供するすべてのデバイスまたはサーバ(すなわち、コンテンツ分配ネットワーク(CDN)サーバ)を、IPアドレス(例えば、CDNアドレス)の明確に定義されたブロックに分類することができる。その後、システムは、ケーブルモデム終端システム(CMTS)で分類子を作成または設定する。CMTSとは、データおよび信号を個々の消費者のケーブルモデムに伝達および提供するヘッドエンドデバイスである。分類子により、CMTSは、予め決められたケーブルモデムに(または、ケーブルモデムから)伝送されるすべてのデータパケットの異なるタイプのIPデータフローまたはストリームを識別することができる。すなわち、分類子によって、CMTSは、IPアドレスのブロックからの特定のIPパケットトラフィック(消費者のケーブルモデムにダウンストリームに伝送されるトラフィック)であるか、またはIPアドレスのブロックへの特定のIPパケットトラフィック(特定のIPアドレスにアップストリームに伝送されるトラフィック)であるかを識別することができる。これに応答して、CMTSは、このトラフィックを、別個のデータサービスフローまたはトラフィックフローに分類し、トラフィックフローはその後、消費者のアカウントに適用される消費者のデータ帯域幅または月極めの伝送制限に加算されるその他のデータ転送から(請求目的では)除外される。すなわち、システムは、一定の既知のIPアドレスから生じるCDNコンテンツを運ぶインターネットトラフィックと、デフォルトのインターネットトラフィック(例えば、通常のウェブトラフィック、Eメール、データ等)を区別する。消費者が、結合型のケーブルテレビサービスの契約によりこのトラフィックを視聴可能であることに既に代金を支払っているので、IPベースのストリーミングテレビなどのCDNトラフィックを除外することが、これらの実施形態で実行される。その結果、システムは、タブレット型コンピュータが消費者の自宅にある単に別のTV装置であるかのように、ケーブルテレビコンテンツを表示するタブレット型コンピュータを原則的に取り扱う。この請求の除外は、消費者が既に購入したサービスを意味する“マネージドサービス”に適用することができる。
【0009】
1つの実施形態は、消費ベースのデータ請求プランの請求を管理するために、データ消費の追跡および課金プロセスまたはシステムを実行するコンテンツマネージャを含む。コンテンツマネージャは、ケーブルモデム終端システム(CMTS)で、またはモデムなどの顧客装置にデータを送るその他の装置(例えば、顧客ケーブルモデム、または光ネットワーク、ハイブリッド同軸/光ネットワークなどの、“ケーブル”ネットワークではないメディアネットワークで機能するモデム)で、顧客ケーブルモデムの宛先アドレスを有するインターネットプロトコル(IP)データパケットを受信する。CMTSは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して顧客ケーブルモデムにIPデータパケットを送るように構成される。すなわち、初期設定は、第1の論理データサービスフローを介してIPパケットを送信する。顧客ケーブルモデムは、ケーブルテレビサービスとケーブルインターネットサービスの両方を有する顧客サービスアカウントに対応する。コンテンツマネージャは、CMTSで受信されたIPデータパケットのパケットヘッダを調査する。予め決められた一連のIPアドレスの中から1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有するデータパケットのストリームを識別することに応答して、CMTSは、第1の論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して、ケーブルモデムにそのデータパケットのストリームを転送する。この予め決められた一連のIPアドレスは、ケーブルテレビサービスの一部として既に購入されたケーブルテレビ番組などの、ケーブルインターネットサービスの消費ベースのデータ請求プランから除外されるケーブルテレビコンテンツを供給する装置に対応する。コンテンツマネージャはまた、顧客サービスアカウントを処理する請求システムにIP詳細レコード(IPDR)を送る。IPDRは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して転送されたデータの第1のデータ消費カウントを示す。
【0010】
したがって、別々に、またはその他の手段により課金されるケーブルテレビおよびその他のマネージドサービスは、消費ベースのインターネットサービス契約上でデータ利用に加算されることなく、IPネットワークを介して顧客装置へ配信され得る。
【0011】
本明細書におけるさらに他の実施形態は、上記で概説し、下記でより詳細に開示される工程および動作を実行するためのソフトウェアプログラムを含む。1つのこのような実施形態は、そこで符号化されたコンピュータプログラム論理を含むコンピュータ記憶媒体(例えば、持続性かつ有形のコンピュータ可読媒体、異なる場所または共通の場所に設置された記憶媒体、コンピュータ記憶媒体等)を有するコンピュータプログラム製品を含み、プロセッサおよび対応するメモリを有するコンピュータ制御の装置で実行される場合には、本明細書で開示される動作を実行するようにプロセッサをプログラムする(または、ここで開示される動作をプロセッサに実行させる)。このような構成は、通常、光媒体(例えば、CD‐ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、1つまたは複数のROMもしくはRAMもしくはPROMチップ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等で構成または符号化された、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、コードデータ(例えば、データ構造)として提供される。ソフトウェアまたはファームウェアまたはその他のこのような構成を、コンピュータ制御された装置にインストールして、このコンピュータ制御された装置に本明細書で開示される技術を実行させることができる。
【0012】
したがって、本開示の1つの特定の実施形態は、次のような動作を支援するための、そこに記憶される命令を有する1つまたは複数の持続性コンピュータ記憶媒体を含むコンピュータプログラムを対象とする。その動作とは、ケーブルモデム終端システム(CMTS)で、顧客ケーブルモデムの宛先アドレスを有するインターネットプロトコル(IP)データパケットを受信し、このCMTSは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して顧客ケーブルモデムにこのIPデータパケットを送るように構成され、この顧客ケーブルモデムは、ケーブルテレビサービスとケーブルインターネットサービスの両方を有する顧客サービスアカウントに対応し;CMTSで受信されたIPデータパケットのパケッドヘッダを調査し;予め決められた一連のIPアドレスからの1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有するデータパケットのストリームを識別することに応答して、第1の論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して、ケーブルモデムにこのデータパケットのストリームを転送し、この予め決められた一連のIPアドレスは、ケーブルインターネットサービスの消費ベースのデータ請求プランから除外されるケーブルテレビコンテンツを供給する装置に対応し;顧客サービスアカウントを処理する請求システムにIP詳細レコード(IPDR)を送信し、このIPDRは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して転送されたデータの第1のデータ消費カウントを示す。請求システムは、各サービスフローに命名規則を利用して、どのフローが顧客消費制限にカウントされるべきか、またはカウントされないべきかを識別する。命令、および本明細書で開示される方法は、個々のコンピュータ装置のプロセッサにより実行される場合は、プロセッサに本明細書で開示される方法を実行させる。
【0013】
本開示のその他の実施形態は、上記で概説され、下記でより詳細に開示される方法の実施形態の工程および動作のいずれかを実行するソフトウェアを含む。
【0014】
当然、本明細書で述べられる種々の工程についての議論の順番は、理解しやすいように提示されている。一般に、これらの工程は、任意の適切な順番で実行することができる。
【0015】
また、本明細書におけるシステム、方法、装置等のそれぞれは、厳密には、プロセッサ内、オペレーティングシステム内、もしくはソフトウェアアプリケーション内の、または、人が全てもしくは一部の動作を実行するような非ソフトウェアアプリケーションを介するソフトウェアプログラムとして、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして、もしくはハードウェア単体として、体現され得ることを理解すべきである。本明細書で開示される例示的な実施形態は、ニューヨーク州ニューヨーク市所在のTime Warner Cable Inc.が製造するような製品および/またはソフトウェアアプリケーションで実行することができる。
【0016】
上述のように、本明細書の技術はIPデータサービスに対する請求をサポートするソフトウェアアプリケーションでの使用に適している。しかし、本明細書における実施形態がこのような適用例での使用に限定されず、本明細書で説明される技術はその他の適用例にも同様に適していることに留意すべきである。
【0017】
さらに、本明細書における異なる特徴、技術、構成等のそれぞれが本開示の様々な箇所で述べられるが、概念のそれぞれが、互いに独立して、または互いに組み合わせて実行可能であることが意図される。したがって、本発明は、多くの様々な方法で具体化され、かつ考察され得る。
【0018】
本明細書におけるこの概説部分が、本開示もしくは請求される発明のすべての実施形態および/または漸進的な新規性の態様を特定しないことに留意されたい。むしろ、この概説は、様々な実施形態、および従来技術についての新規性の対応部分の導入的な議論を提供するに過ぎない。本発明および実施形態の追加の詳細および/または実行可能な観点について、読者は、下記でさらに議論される本開示の詳細な説明の部分および対応する図面に導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の前述およびその他の目的、特徴および利点は、添付の図面で説明されるように、本明細書における好ましい実施形態についての下記のより詳細な説明から明らかとなろう。添付の図面中では、類似の参照文字は、異なる図中で同じ部分に言及するものである。これらの図面は必ずしも変倍されておらず、むしろ、実施形態、原則および概念を説明することに重点が置かれている。
【
図1】本発明の実施形態によるケーブルインターネットシステム内のサービスフローのブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態によるコンテンツ管理および請求をサポートするプロセスの一例を表すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態によるコンテンツ管理および請求をサポートするプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態によるコンテンツ管理および請求をサポートするプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態によるコンテンツ管理および請求をサポートするプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態によるコンピュータ/ネットワーク環境において動作するコンテンツマネージャおよび/または請求システムの例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で開示される技術は、特定のアプリケーショントラフィックを、顧客の消費ベースの請求データカウント用の予め決められた制限に対して不利なデータとしてカウントされることから除外するためのシステム、方法および装置を含む。この技術は、次の場合に、消費総計からトラフィックを除外するのに役立つ。すなわち、両方のサービスが同一の請求であることができるのに、別個又は異なるサービスとして請求されるなど、アプリケーショントラフィックが計算される場合、またはアプリケーションが消費者に異なる手段を使用して利用可能である場合である。例えば、タブレット型コンピュータは、高速データネットワーク(ケーブルモデムを介するもの)を使用するビデオソフトウェアアプリケーションを実行することができる。このビデオアプリケーションは、別個のケーブルテレビサービス事業者と関連する基本のビデオパッケージ(包括契約)の一部として含まれ得る。そのため、そのようなコンテンツが別々に計算される場合に、このビデオソフトウェアアプリケーションにより消費され、ユーザに提供されたトラフィックについて顧客に請求することは望ましくないであろう。すなわち、テレビ用コンテンツがユーザのケーブルモデムトラフィックプラン上の帯域幅またはデータ利用制限を使い果たすことなく、またはその制限に加算されることなく、ユーザは、自身のテレビでその同一のコンテンツを単に視聴することができる。したがって、システムは、その他のマネージドサービスを除いた、顧客トラフィックについての正確な消費の請求を提供することができる。
【0021】
一般に、システムは、顧客のトラフィックをマネージドフローおよび非マネージドフローに分割し識別することができ、その後、バックオフィス消費管理ツールに、顧客の請求目的では、マネージドフローからのデータフローカウントを無視するように命じる。一例として、システムは、すべての所望のサービス(CDNサーバからのCDNデータストリーミングなどのマネージドサービス)を、対応するアプリケーションサーバ用の共通のまたは中央のIPアドレスブロックにグループ化することができる。新たなデータ・オーバー・ケーブル・サービス・インターフェース・スペシフィケーション(DOCSIS)サービスフローが、顧客モデム用に定義される。システムは、この共通のIPアドレスへの/からのトラフィックと一致する(すなわち、トラフィックの量を識別し記録する)分類子を使用する。例えば、ビデオアプリケーションサーバファームおよびコンテンツ配信ネットワークは、すべて、この共通のIPアドレスブロック(特定のアドレスの範囲内にある)から割り当てられたIPアドレスであり得る。このアドレスブロックを分類子として使用して、この空間からの/へのいずれかのトラフィック上で一致させることによって、システムは、このアプリケーション特有のトラフィックを、別個のDOCSISサービスフローに方向付けまたは移動させることができる。別個のフローに分割された所望のトラフィックにより、システムは、IP詳細レコード(IPDR)コレクタまたは請求システムなどのバックオフィスシステムに、顧客の全体の帯域幅消費を計算するときに、このフローからの消費を無視するように命令することができる。
【0022】
使用記録(この例ではIPDR)は、固有の命名規則を使用して、各論理サービスデータフローを識別することができる。例えば、顧客のデータ消費にカウントされるべきデータパケットに対し、論理データサービスフローはHSD_RES_250と命名され得る。この例示的な名前は、所与の顧客に対し1か月に250GBの最大消費量を有する住宅用高速データサービスの総使用量にカウントされるべきすべてのパケットのデータ使用量を追跡するのに使用され得る。顧客ケーブルモデムが最初に起動して構成される場合、ケーブルモデムは、論理データサービスフローのリストをCMTSに提供することができる。各論理データサービスフローは、顧客のデータ使用量を決定する請求システムによって認識可能な予め決められた名前を有する。ケーブルモデムを介して(すなわち、IPデータパケットを介して)顧客構内に伝送されるデータ、ビデオ、または他の媒体などのデータトラフィックを顧客が要求する際、CMTSは、どの論理データサービスフローがデータトラフィックと関連するかを識別することができ、また、それぞれの異なる論理データサービスフロータイプのデータ量をカウントし続けることができる。周期的に(例えば、15分毎に)、CMTSは、使用量レコード(例えば、この例ではIPDR)を請求システムに送信することができる。請求システムは、各論理データサービスフローに対して予め定義された固有の命名規則を使用して、顧客のデータ消費を計算する際に、どの論理データサービスフローが排除されるべきか、または含まれるべきかを即座に決定することができる。一例として、請求システムは、この顧客の総消費制限に不利な、論理データサービスフローHSD_RES_250で送信されたデータパケット(例えば、ユーザのコンピュータで視聴されたオンデマンドのテレビ番組を伝送するのに使用されたデータ以外の、すべての顧客データ)をカウントすることができ、一方ですべてのその他の論理データサービスフローは無視される。このように、使用量レコードは、各論理データサービスフローをそれぞれ識別するための命名規則を含む。請求システムは、各論理データサービスフローの命名規則を使用して、どのデータサービスフローが顧客装置に対応するデータ使用量にカウントされるべきか、またはカウントされないべきかを判定する。
【0023】
この技術は、ホームセキュリティ、オンデマンドのビデオ/コンテンツ、WIFIローミングおよび第三者のアプリケーション/サイトを含め(これらに限定されない)、顧客に対するその他のマネージドサービスを含むように拡張することができる。DOCSISサービスフローおよび分類子に関する更なる詳細は、2011年3月29日に出願された米国特許出願番号第13/074,634“A System and Method for Assigning a Service Flow Classifier”において理解することができ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0024】
次に、より具体的に
図1を参照すると、ブロック部は、マネージドサービストラフィックのためのケーブルモデムサービスフローを表す。ケーブルモデム終端システム(CMTS)170は、一般にケーブル事業者のヘッドエンドまたはハブサイトに位置する従来装置である。CMTSは、ケーブルインターネットまたはインターネットプロトコルを介した音声などの高速データサービスをケーブルテレビ顧客へ提供するように構成される。所与のCMTSは一般に、ケーブルモデム160またはアドバンストワイヤレスゲートウェイ(AWG)などの複数の顧客ケーブルモデムへデータサービスを提供する。CMTS170は、混成光ファイバ/同軸ケーブル(Hybrid Fiber Coax、HFC)120の接続を介して顧客ケーブルモデム160に接続される。このHFCは大容量のデータリンクを提供するものである。
【0025】
顧客ケーブルモデム160は一般的に、建物、住宅およびオフィスビル等内の利用者の使用区画などの顧客構内に位置する。この図は、電話109とラップトップコンピュータ106とタブレット型コンピュータ105とに接続された顧客ケーブルモデム160を示す。これらは、顧客ケーブルモデム160に接続され得る単なる例示的な顧客装置であることに留意されたい。また、顧客ケーブルモデム160への接続は有線および無線(例えば、802.11ベースのワイヤレス通信プロトコルを介したもの)とすることができ、また、ワイヤレスルータまたはその他の顧客ゲートウェイデバイスが、エンドユーザデバイスと顧客ケーブルモデム160の間に存在することができることにも留意されたい。電話機109は、従来の回路交換電話システムとは対照的に、IPベースの音声配信サービスである。
【0026】
CMTS170は、様々なリソースに接続されるものとして表されている。CMTS170は、電話の着信を配線および管理し、かつ様々なタイプの携帯および固定電話システムと連動するサーバコンピュータを含むことのできる音声ネットワーク125に接続する。CMTS170は、基本的に、ニュース、ウェブサイト、Eメール、マルチメディア等などのオンラインで利用可能なコンテンツのためにインターネット122に接続している。ネットワーク122からのコンテンツは、一般に、ケーブルテレビ会社などのCMTS170のプロバイダが提供または管理するのではない。しかし、CMTS170のプロバイダは、コンテンツ127を提供または管理する。このようなマネージドコンテンツは、ケーブルテレビコンテンツ114、ホームセキュリティサービス115(監視カメラからの映像を含むものである)、および多種多様なマネージドサービス117を含むことができる。
【0027】
CMTS170は、CMTS170と顧客ケーブルモデム160の間にサービスフロー121‐1および121‐2を確立することができる。各サービスフローは論理フローである。システムは、複数のデータサービスフローを創出することができる。例えば、図示するように、動的音声データ(Voice‐over‐IP)用、音声信号用、ケーブルモデム制御メッセージ用、高速インターネットデータ用、およびマネージドサービス用(これらを矢印の線内に示す)の別個のサービスフローがある。別個の論理サービスフローを創出することによって、CMTS170は、予め決められたデータサービスフローで送受信されるデータを別々にカウントすることができる。CMTS170は、このデータアクティビティを記録し、IP詳細レコード(IPDR)を発生させる。この詳細なレコードは、MACアドレスまたはIPアドレスによって特定の顧客を識別し、このレコードの間隔を示すタイムスタンプを含み、ネットワーク上で利用されたバイト量を報告する。CMTS170は、顧客が使用している各サービスフローのためのIPDR情報を収集する。音声信号用、および通話ベアラ(call bearer)トラフィックならびにコンテンツプレビューサービス用に定義された特定のサービスフローがある場合がある。高速インターネットフローなどの特定のサービスフローに分類されないトラフィックは、デフォルトのサービスフローにカウントされることができる。このトラフィックは、データ消費プランの一部として顧客に最終的に請求され得るデフォルトのサービスフロートラフィックである。CMTS170は、IPDRを、IPデータコレクタ175またはその他の中央コレクタに送信するように構成され得、IPDRは次いで合計されて、ケーブルサービス請求システム181へ送信され得る。
【0028】
サービスフローは、一定のクオリティオブサービス(QoS)を提供する一方向のパケットのフローを含むことができる。QoSに加えて、請求システム/IPDRコレクタは、請求目的のために特定のサービスフローのバイトをカウントするように、またはカウントしないように命令され得る。分類子は、特定のサービスフローを使用すべきトラフィックを識別するパターンマッチングルールの使用を含むことができる。送信元/宛先MAC/IPアドレス、送信元/宛先ポート番号、タイプオブサービス(ToS)ビット(プライオリティ)、IPプロトコルタイプ、およびIPパケットヘッダのその他の値に基づいて、分類子はトラフィックを識別することができる。各分類子はまた、適切な順番で所望のサービスフローへ配置するために分類子を評価するようにCMTS170に命令するための、トラフィックと関連するプライオリティを有することもできる。いくつかの実施形態では、複数の分類子は、すべてが単一のサービスフローを指すように構成され得る。ケーブルモデムがオンラインになると(電源がオンになると)、サービスフローが創出される。顧客ケーブルモデムの電源がオンになると、モデムはそれ自体をセットアップしてCMTSに接続する。
【0029】
いくつかの特定の実施形態では、分類子およびフローは、顧客ケーブルモデムがブートするときに受信する構成ファイル内で定義され得る。すべての異なるIPブロックもしくはIPグループ、または、コンテンツデータネットワークフローもしくは“マネージドサービスフロー”の一部として一致および識別されるべき個々のIPアドレスのリストを定義する構成ファイルを、サーバは生成することができる。これらの構成ファイルを受信した後に、ケーブルモデムはそのレジストレーションをCMTSと交換し、レジストレーションをDOCSISプロトコルの一部としてCMTSに提供する。ケーブルモデムがレジストレーションプロセスの一部として構成ファイルの情報をCMTSと交換した後に、構成ファイルがケーブルモデムに送信され得ることに留意されたい。
【0030】
より具体的な例として、顧客ケーブルモデム160が、ケーブルベースのインターネットサービスとケーブルテレビサービスの両方を購入する顧客アカウントに結び付けられている場合を考慮されたい。通常、これは“バンドリング”またはグルーピングサービスと呼ばれる。VOIPサービスもまた、顧客アカウントにグループ化され得る。このようなグルーピングによって、顧客は1つのアカウントまたは請求書を用いて複数のサービスのための支払いをすることができる。タブレット型コンピュータ105が、ケーブルモデム160を経由したIPベースの配信によりケーブルテレビ番組を視聴するための、ケーブルテレビ視聴アプリケーションを含む場合も考慮されたい。従来のケーブルテレビ信号は顧客ケーブルモデム160を通過しないので、この顧客は、テレビのセットトップボックスへの別個の接続を有することに留意されたい。
【0031】
エンドユーザは、タブレット型コンピュータ105上でケーブルテレビ視聴アプリケーションを起動する。これに応じて、タブレット型コンピュータ105は、マネージドコンテンツ127にアクセスするために、ケーブルテレビコンテンツに対する要求を送信する。この要求は、マネージドサービスフローを使用して顧客ケーブルモデム160を介してパス128を進み、CMTS170を経由してケーブルテレビコンテンツ114にアクセスする。これに応答して、マネージドコンテンツ127内の1つもしくは複数のサーバは、パス129によって図示されるように、ケーブルテレビコンテンツ(またはその他のマネージドサービス)を送信する。対応するデータパケットがCMTS170に到着すると、分類子は、データパケットを調べて、データパケットが特定のIPアドレスブロックから発生したかどうかを判定する。これに反応して、分類子は、これらのデータパケットをマネージドサービス/コンテンツフロー識別子へ送信(または転送)し、次いで、ケーブルモデム160を介してタブレット型コンピュータ105へ送信(または転送)する。別個のデータサービスフロー上でこのようなデータパケットをルーティングすることによって、別個のIPDRがこのフロー専用で創出され得る。
【0032】
図6は、本明細書の実施形態に従った、市販のコンピュータ/ネットワーク環境で動作するコンテンツマネージャ140の例示的なブロック図を示す。要約すれば、
図6は、消費ベースの請求システムインタフェースを提供するグラフィカルユーザインタフェース133を表示するコンピュータシステム149を示す。コンピュータシステム149は、アシスタンスを処理するためのリモートサーバに接続することができる。
図6のコンピュータシステムハードウェアの態様は、以下のフローチャートの説明でより詳細に説明される。
【0033】
コンテンツマネージャ140と関連付けられた機能が、
図2から
図5のフローチャートおよび図を用いて次に説明される。以下の説明のために、コンテンツマネージャ140または他の適切なエンティティ(CMTSまたは顧客ケーブルモデムなど)は、フローチャートの工程を実行する。
【0034】
次に、より詳細に実施形態を説明すると、
図2は本明細書で開示される実施形態を示すフローチャートである。ステップ210において、コンテンツマネージャ140は、ケーブルモデム終端システム(CMTS)で、顧客ケーブルモデムの宛先アドレスを有するインターネットプロトコル(IP)データパケットを受信する。顧客ケーブルモデムの宛先アドレスを有することは、宛先アドレスが、ケーブルモデムそれ自体を識別するか、または、宛先アドレスが、ケーブルモデム(このケーブルモデムは、1つまたは複数の顧客構内設備へのゲートウェイの一種である)を介してアクセスされる顧客構内設備(CPE)を識別するかのいずれかであることを意味する。ケーブルモデムをCPEに直接リンクすることができ、または、CPEへのデータ接続を提供するルータ(無線ホームルータなど)に直接リンクすることができることに留意されたい。
【0035】
CMTSは、インターネットトラフィック用のデフォルトのサービスフローなどの第1の論理データサービスフロー識別子を介して、顧客ケーブルモデムへIPデータパケットを送信するように構成される。顧客ケーブルモデムは、サービスのバンドルパッケージなどの、ケーブルテレビサービスとケーブルインターネットサービスの両方を有する顧客サービスアカウントに対応する。顧客ケーブルモデムの宛先アドレスは、ケーブルモデム、任意の関連するルータもしくはAWG、またはローカルネットワーク内のエンドユーザのデバイスを含むことができる。すなわち、顧客ケーブルモデムの宛先アドレスを有すると、特定の顧客ケーブルモデムへ、またはそこを介して転送またはルートされる必要のあるデータパケットが参照される。
【0036】
ステップ220において、コンテンツマネージャ140は、CMTSで受信されたIPデータパケットのパケットヘッダを調査する。この調査によりIPアドレスまたはMACアドレスが識別され得る。
【0037】
ステップ230において、予め決められた一連のIPアドレスの中から1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有するデータパケットのストリームを識別することに応答して(または、パケッドヘッダの予め決められた情報を識別することに応答して)、CMTSは、第1の(デフォルトの)論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して、ケーブルモデムへデータパケットのストリームを送信する。この予め決められた一連のIPアドレスは、ケーブルテレビコンテンツを供給するデバイスに対応しており、このコンテンツは、ケーブルインターネットサービスの消費ベースのデータ請求プランから除外されるものである。一連のIPアドレスが、除外する目的で、IPアドレスのブロックもしくは範囲、または特定のIPアドレスのリストを含むことができることに留意されたい。
【0038】
ステップ240において、CMTSは、顧客サービスアカウントを処理する請求システムへIP詳細レコード(IPDR)を送信する。IPDRは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して転送されたデータの第1のデータ消費カウントを示す。これは、請求システムへ送信される前にコレクタまたは仲介の集約システムに最初に送信され、次いで、請求システムへ伝送され得る。
【0039】
図3および
図4は、本明細書で開示されるコンテンツマネージャ140の追加のおよび/または代替的な実施例ならびに選択的な機能を示すフローチャートである。
【0040】
ステップ210において、コンテンツマネージャ140は、ケーブルモデム終端システム(CMTS)で、顧客ケーブルモデムの宛先アドレスを有するインターネットプロトコル(IP)データパケットを受信する。CMTSは、インターネットトラフィック用のデフォルトのサービスフローなどの第1の論理データサービスフロー識別子を経由して、顧客ケーブルモデムにIPデータパケットを転送するように構成される。顧客ケーブルモデムは、サービスのバンドルパッケージなどの、ケーブルテレビサービスとケーブルインターネットサービスの両方を有する顧客サービスアカウントに対応する。
【0041】
ステップ212において、ケーブルテレビサービスの提供者は、予め決められた一連のIPアドレスから生じるケーブルインターネットサービスを介して送信されるケーブルテレビコンテンツの提供者と同じである。すなわち、1つの特定のエンティティが、セット販売のサービスプランなど、インターネット接続に加えてケーブルテレビ(またはその他のマネージドサービス)を提供する。
【0042】
ステップ220において、コンテンツマネージャ140は、CMTSで受信されたIPデータパケットのパケットヘッダを調査する。
【0043】
ステップ230において、予め決められた一連のIPアドレスの中から1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有するデータパケットのストリームを識別することに応答して、CMTSは、第1の(デフォルトの)論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して、ケーブルモデムへデータパケットのストリームを転送する。この予め決められた一連のIPアドレスは、ケーブルテレビコンテンツを供給するデバイスに対応しており、このコンテンツは、ケーブルインターネットサービスの消費ベースのデータ請求プランから除外されるものである。第2の論理データサービスを介してケーブルモデムへデータパケットのストリームを転送することにより、CMTSはそのストリームのデータパケット量を追跡し、この情報を使用記録に記録する。各論理データサービスフローは、固有の名前を有することができ、命名規則がこの使用記録内で使用され得る。それゆえ、その顧客に認められた総消費量に対して不利にカウントされるデータが、CMTSによって追跡され得、論理データサービスフローの名前が請求システムによって識別され得る。請求システムは、使用記録を周期的に受信し、論理データサービスフローの予め決められた名前を使用して、どのサービスフローが顧客の総データ消費量に不利にカウントされることから除外されるか、または除外されないかを即座に判定する。
【0044】
ステップ232において、コンテンツマネージャ140は、無線タブレット型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、またはその他のエンドユーザデバイスにインストールされたケーブルテレビ視聴アプリケーションに、データパケットのストリームを転送する。
【0045】
ステップ234において、第1の論理データサービスフロー識別子および第2の論理データサービスフロー識別子は、その両方が、データ・オーバー・ケーブル・サービス・インターフェース・スペシフィケーション(DOCSIS)に従って確立される。
【0046】
ステップ240において、CMTSは、顧客サービスアカウントを処理する請求システムに、IP詳細レコード(IPDR)を送信する。IPDRは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して転送されたデータの第1のデータ消費カウントを示す。
【0047】
ステップ242において、コンテンツマネージャは、請求システムと連絡するIPDRコレクタにIPDRを伝送する。このようなIPDRコレクタは、個々の顧客のための複数のIPDRを収集することができる。
【0048】
ステップ243において、IPDRは、第2の論理データサービスフロー識別子を介して転送されたデータの第2のデータ消費カウントを示し、請求システムは、顧客サービスカウントのケーブルインターネットサービスのデータ利用を処理する際に、第2のデータ消費カウントを無視する。それゆえ、データカウントは、それぞれのまたは任意のサービスフローのために記録かつ報告されるが、1つまたは複数の特定のデータサービスフローのみが、データ消費請求目的のためにカウントされる。
【0049】
ステップ250において、コンテンツマネージャ140は、CMTSで、顧客構内設備(CPE)の送信元アドレスを有し、かつ顧客ケーブルモデムを介して受信された顧客IPデータパケットを受信する。CMTSは、第1の論理データサービスフロー識別子を介して顧客IPデータパケットを転送するように構成されている。それゆえ、システムは、CMTSから顧客ケーブルモデムへ、または顧客ケーブルモデムからCMTSへの双方向のトラフィックをカウントし、これらを除外することができる。
【0050】
ステップ260において、予め決められた一連のIPアドレスから1つのIPアドレスと一致する宛先IPアドレスを有する、顧客ケーブルモデムから受信された顧客IPデータパケットを識別することに応答して、コンテンツマネージャは、第1の論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して、顧客IPデータパケットを転送する。
【0051】
ステップ270において、第2の予め決められた一連のIPアドレスの中から少なくとも1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有するデータパケットの第2のストリームを識別することに応答して、コンテンツマネージャは、第1の論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第3の論理データサービスフロー識別子を介して、ケーブルモデムにデータパケットの第2のストリームを転送する。例えば、特定の顧客は、VOIPサービスまたはいくつかの他のタイプのマネージドサービスにも支払うことがあり、これはその他のサービスフローに含まれる必要のないものである。あるいは、この第2の予め決められた一連のIPアドレスは、顧客ケーブルモデムを介してホームセキュリティサービスを提供するサーバコンピュータに対応しており、このホームセキュリティサービスは、ケーブルインターネットサービスの消費ベースのデータ請求プランから除外されるものである。VOIPサービスが、IPブロックを使用する代わりに、VOIPプロトコルを使用するために別個に計算されてもよいことに留意されたい。
【0052】
ステップ280では、顧客ケーブルモデムが第1の地理的領域に物理的に設置されることを識別することに応答して、コンテンツマネージャは、第1の地理的領域に基づいて、予め決められた一連のIPアドレスに追加のIPアドレスを加え、その結果、追加のIPアドレスから送信されたコンテンツは、第2の論理データサービスフローを介して転送される。例えば、顧客ケーブルモデムがニューヨーク州に設置されているとシステムが識別する場合、ニューヨーク州用に指定された一連のサーバ用のIPアドレスは、一連のアドレスに追加され得る。
【0053】
図5は、本明細書で開示されるコンテンツマネージャ140の追加および/または代替的な実施形態ならびに選択的な機能を示すフローチャートである。
【0054】
ステップ510において、請求システムは、顧客ケーブルモデムに対応するデータ使用量を示すIP詳細レコード(IPDR)を受信する。このIPDRはケーブルモデム終端システム(CMTS)によってロギングされており、CMTSは、論理データサービスフローを介してインターネットプロトコル(IP)データパケットを転送することによって、顧客ケーブルモデムにケーブルインターネットサービスを提供するものである。IPDRは、第1の論理データサービスフロー識別子を使用してデータトラフィックの第1の量を識別する。IPDRはまた、第2の論理データサービスフロー識別子を使用して、データトラフィックの第2の量も識別する。CMTSは、顧客ケーブルモデムに向かうデータパケットのストリームを転送し、また、予め決められた一連のIPアドレスから1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有する場合に、第2の論理データサービスフロー識別子を使用する。予め決められた一連のIPアドレスは、ケーブルテレビコンテンツを供給するデバイスに対応する。請求システムは、ケーブルモデムに対応する顧客サービスアカウントに請求するように構成される。顧客サービスアカウントは、ケーブルテレビサービスとケーブルインターネットサービスの両方を購入し、このケーブルインターネットサービスは消費ベースのデータ請求プランである。
【0055】
ステップ520において、システムは、消費ベースのデータ請求プランのデータ使用量を計算する際に、第1の論理データサービスフロー識別子からのデータカウントを含む。
【0056】
ステップ530において、システムは、消費ベースのデータ請求プランのデータ消費量を計算する際に、第2の論理データサービスフロー識別子からのデータカウントを除外する。
【0057】
CMTSは、それゆえ、第1の論理データサービスフロー識別子を介してではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して、ケーブルモデムにデータパケットのストリームを転送することができる。また、CMTSは、無線タブレット型コンピュータにインストールされたケーブルテレビ視聴アプリケーションに、データパケットのストリームを転送することができる。第1の論理データサービスフロー識別子および第2の論理データサービスフロー識別子は、その両方が、データ・オーバー・ケーブル・サービス・インターフェース・スペシフィケーション(DOCSIS)によって確立される。したがって、CMTSは、顧客ケーブルモデムに向かうデータパケットの第2のストリームを転送し、かつ第2の予め決められたIPアドレスから少なくとも1つのIPアドレスと一致する送信元IPアドレスを有する場合に、第1の論理データサービスフロー識別子を使用するのではなく、第3の論理データサービスフロー識別子を使用することができる。第2の予め決められた一連のIPアドレスは、顧客ケーブルモデムに対応するホームセキュリティサービスを提供するサーバコンピュータに対応することができ、このホームセキュリティサービスは、ケーブルインターネットサービスの消費ベースのデータ請求プランから除外されるものである。
【0058】
さらに他の実施形態は、マネージドサービスコンテンツを一般の光速トラフィックと区別するためにディープパケットインスペクション(DPI)を含んでもよい。しかし、ディープパケットインスペクション(DPI)を実行することは煩雑かつ高額であり、それゆえ、データパケット内の実際のコンテンツを識別するための本明細書で前述した技術ほどは好ましくない。トラフィック分離に加えて、システムはトラフィック分割(例えば、SSIDを使用)を組み込んで、顧客の端末でトラフィックカウントをさらに分離することができ、または、別の顧客のWIFIネットワーク上でのローミングの間にこのような請求システムを作動させることができる。例えば、一括販売のサービスを受ける第1のユーザは、消費ベースのインターネットサービスのみを受ける第2のユーザを訪問する。第1のユーザが、第2のユーザのホームネットワークでケーブルテレビコンテンツを視聴する場合、対応するデータカウントは、第2のユーザに不利に/第2のユーザへカウントされるデータ利用から除外され得る。
【0059】
別の実施形態では、技術は、消費ベースのデータ請求プランの請求を管理するための方法、システムまたは装置を含む。これは、顧客デバイスの宛先アドレスを有するデータパケットを受信することを含む。これらのデータパケットは、複数の顧客構内へコンテンツを配信するコンテンツ分配装置で受信される。このような装置は、ネットワークサーバ、ネットワークインタフェースデバイス、CMTS等とすることができる。顧客デバイスは、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、携帯電話、ケーブルモデム、DSLモデム、光ネットワークユニット(OUN)、ルータ等を含むことができる。コンテンツ分配装置は、複数の論理データサービスフロー識別子の第1の論理データサービスフロー識別子を介して、顧客デバイスへデータパケットを転送するように構成される。コンテンツ分配装置は、このコンテンツ分配装置で受信されたデータパケットのパケットヘッダを調査する。パケッドヘッダに予め決められた情報を有するデータパケットのストリームを識別することに応答して、コンテンツ分配装置は、データパケットのこのストリームを、第1の論理データサービスフロー識別子ではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して顧客デバイスに転送する。予め決められた情報は、顧客デバイスに関連付けられ得る、消費ベースのデータ請求プランから除外されるパケットを識別する。コンテンツ分配装置は、顧客デバイスまたは顧客デバイスに関連付けられたアカウントへの請求を処理する請求システムに使用記録を伝送する。使用記録は、複数の論理データサービスフロー識別子のうちの少なくとも1つのデータ消費カウントを示す。
【0060】
第2の論理データサービスフローを介して顧客デバイスにデータパケットのストリームを転送することは、タブレット型コンピュータやスマートフォンなどのポータブルコンピュータデバイス上にインストールされたテレビ視聴アプリケーションにデータパケットのストリームを転送することを含むことができる。コンテンツ分配装置は、混成光ファイバ/同軸ケーブル(HFC)ブロードバンドネットワーク、Fiber‐to‐the‐premises光ファイバーネットワーク、または同様のネットワークを使用して、テレビ用コンテンツとインターネット接続の両方を複数の顧客構内へ配信することができる。コンテンツ分配装置は、ケーブルモデム終端システム(CMTS)、デジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(DSLAM)、光ネットワークターミナル(ONT)、光ネットワーク装置(ONU)、または光加入者線端末(OLT)として体現され得る。テレビサービスの提供者が、予め決められた一連のIPアドレスから生じるインターネットサービスを介して送信されるテレビ用コンテンツの提供者と同じであり得ることに留意されたい。すなわち、所与のインターネットサービス事業者は、インターネット接続のみを提供するのではなく、マルチメディアコンテンツも供給する(第三者コンテンツへの接続のみを提供するのではない)。
【0061】
コンテンツ分配装置は、顧客構内装置(CPE)の送信元アドレスを有するデータパケットを受信することができ、そのパケットは顧客デバイスを介して受信されるものである。コンテンツ分配装置は、第1の論理データサービスフロー識別子を介して顧客データパケットを転送するように構成される。顧客デバイスから受信された顧客データパケットを識別することに応答して(これらのデータパケットは予め決められた一連のアドレスからの1つのアドレスと一致する宛先アドレスを有するものである)、コンテンツ分配装置は、第1の論理データサービスフロー識別子ではなく、第2の論理データサービスフロー識別子を介して顧客データパケットを転送する。
【0062】
引き続き
図6を参照すると、以下の説明は、上述のコンテンツマネージャ140と関連付けられた機能をどのように実行するかを示す基本的な実施形態を提供する。しかし、コンテンツマネージャ140を実行するための実際の構成は、それぞれの装置によって異なることに留意すべきである。例えば、コンピュータシステム149は、本明細書で説明される処理を実行する1つまたは複数のコンピュータを含むことができる。
【0063】
様々な実施形態において、コンピュータシステム149はあらゆるタイプのデバイスであることができ、それらは、携帯電話、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、またはノートブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ハンドヘルドコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、ルータ、ネットワークスイッチ、ブリッジ、アプリケーションサーバ、記憶装置、カメラやカムコーダなどの家庭用電子機器、セットトップボックス、モバイル装置、テレビゲーム機、携帯用テレビゲーム機、概ねあらゆるタイプのコンピュータ装置または電子機器を含むが、これらに限定されない。
【0064】
コンピュータシステム149は、ユーザが入力装置135を用いて操作するための、グラフィカルユーザインタフェースを表示するディスプレイモニタ130に接続される。リポジトリ138を、処理の前後でデータファイルおよびコンテンツを記憶するのに選択的に使用することができる。入力装置135は、キーボード、コンピュータマウス、マイクなどの1つまたは複数のデバイスを含んでもよい。
【0065】
図示するように、この例のコンピュータシステム149は、メモリシステム141、プロセッサ142、I/Oインターフェース144、および通信インターフェース145に結合された相互接続143を含む。
【0066】
I/Oインターフェース144は、コンピュータマウス、キーボード、カーソルを移動させるための選択ツール、ディスプレイスクリーン等を含め、入力装置135などの周辺機器への接続を提供する。
【0067】
通信インターフェース145により、コンピュータシステム149のコンテンツマネージャ140は、ネットワークを介して通信可能となり、必要であれば、本明細書における実施形態に従って、表示、処理コンテンツ、ユーザとの通信等をもたらすのに必要とされる任意のデータを取り出すことができる。
【0068】
図示するように、メモリシステム141は、上述され、以下で述べられる機能をサポートするコンテンツマネージャ140−1により符号化される。コンテンツマネージャ140−1(および/または本明細書に記載されるその他のリソース)は、本明細書で説明される種々の実施形態に従って処理機能をサポートするデータおよび/または論理命令などのソフトウェアコードとして実現され得る。
【0069】
1つの実施形態の動作中に、コンテンツマネージャ140−1の論理命令を開始、起動、実行、解釈、または遂行するために、プロセッサ142は、相互接続143を使用することでメモリシステム141にアクセスする。コンテンツマネージャ140−1を実行すると、コンテンツマネージャプロセス140−2内に処理機能が生成される。すなわち、コンテンツマネージャプロセス140−2は、コンピュータシステム149のプロセッサ142内またはプロセッサ142上で実行するコンテンツマネージャ140の1つまたは複数の部分を表示する。
【0070】
本明細書で説明された方法の動作を実行するコンテンツマネージャプロセス140−2に加えて、本明細書におけるその他の実施形態が、コンテンツマネージャ140−1それ自体(すなわち、執行されていない、または実行されていない論理命令および/またはデータ)を含むことに留意すべきである。コンテンツマネージャ140−1は、フロッピーディスク、ハードディスク、光媒体などのコンピュータ可読の記憶媒体を含め、持続性のある、有形のコンピュータ可読の記憶媒体に記憶され得る。その他の実施形態によれば、コンテンツマネージャ140−1はまた、ファームウェア、リードオンリメモリ(ROM)などのメモリタイプシステムに、または本例のように、メモリシステム141内の実行可能コードとして、記憶され得る。
【0071】
これらの実施形態に加えて、本明細書におけるその他の実施形態が、コンテンツマネージャプロセス140‐2として、プロセッサ142内でコンテンツマネージャ140‐1を実行することを含むことに留意すべきである。それゆえ、コンピュータシステム149が、ハードウェアリソースの割り当ておよび使用を制御するオペレーティングシステムなどの他のプロセスおよび/またはソフトウェアならびにハードウェアコンポーネント、または複数のプロセッサを含み得ることを、当業者は理解するであろう。
【0072】
また、本発明と同じ目的を達成しながら、上述の技術の動作に対してなされる多くの変形形態があり得ることを当業者は理解するであろう。このような変形形態は、本発明の範囲に包含されることが意図される。それゆえ、本発明の実施形態にかかる前述の説明は、限定的であることを意図しない。むしろ、本発明の実施形態の制限は、以下の特許請求の範囲に示される。