【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、高い清浄度を提供可能な高圧洗浄を常時ベルトコンベア乗り継ぎ部へ適用可能とし、かつ、洗浄水を再使用可能とし、かつ、濁水から粉粒体をほぼ回収し元のベルトコンベアに戻す、散逸するのは乾燥過程の蒸気にすぎず、外部からは蒸発を補う補給水と運転電力を供給するだけ済む、持続可能性のある、ベルトコンベア乗り継ぎ部のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法を提供する。
【0015】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法は、高圧水洗浄に洗浄水を高圧水洗浄としても再使用可能とし、水の外界からの補給量を最小限に、上水の消費及び洗浄濁水の処理に関し、持続可能性のある、コンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法とするべきである。
【0016】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法は、粉塵発生を防止するだけでなく、ベルトコンベアに付着する搬送粉粒体をほぼ完全に回収し、元のベルトコンベア搬送系に戻すことが可能であり、別途、粉粒体の処分を必要としない、持続可能性のある、コンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法とするべきである。
【0017】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法は、水を粉粒体の洗浄に使用して、洗浄水の泥水や濁水が大量に発生しても、これら濁水の集水、濁水の浄水化処理を経て、濁水は所定の清浄度の高いレベルの洗浄水として水濾過再生され、高圧水洗浄でも再使用可能であって、トンネル内等の閉じた空間のコンベア搬送の場合に大量濁水のその他の後処分処理の発生を防止可能な、持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法とするべきである。
【0018】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法は、ベルトコンベア洗浄排水をシュート散水のように他の用途に使用するのではなく、洗浄水として再生し循環再使用可能とし、水の利用に関して、持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法である。補給水が必要とされても、従来の水洗方式よりも少量の補給水の供給で済むコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法である。
【0019】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法は、高圧水洗浄により、ベルトに付着した異物、砂、泥はほぼ除去されてベルトコンベアの故障リスクが大幅に低減し、坑内の粉塵発生が無く快適な環境を保全し、粉塵による発火、爆発のリスクが極小化されるべきである。高圧水洗浄に使用可能な所定の清浄度レベルに濁水を浄水化するために、水濾過フィルタを使用可能とし、水濾過フィルタの濾過表面に付着物が蓄積しても、フィルタ性能を回復可能な手段を備え、持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置、及び、フィルタ性能を回復可能な手段を用い、持続可能性のあるコンベアリターンベルトの洗浄方法を提供すべきである。
【0020】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法は、再使用可能に洗浄水を浄水化する過程で発生するスラリーから元の粉状物を脱水及び乾燥手段によって回収可能とされ、濁水に含まれる粉粒体を実質的に回収し、後続のコンベアで搬送を続け、外部からは乾燥時の水の蒸発を補う補給水と運転電力を供給するのみで足り、かつ、別途のスラッジ・スラリー等の専用の搬送機構を必要としない、設置にも、ランニングにも低コスト、かつ、持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置及びコンベアリターンベルトの洗浄方法を実現すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この課題を解決した本発明は以下のとおりである。
[請求項1記載の発明]
搬送コンベア上の粉粒体が付着したコンベアリターンベルトを水洗により洗浄するコンベアリターンベルト洗浄装置であって、以下のコンポーネント:
洗浄水高圧噴射ノズルと、;
前記コンベアリターンベルト下方に配置されて前記粉粒体を含む洗浄水の濁水を受ける水受部材と、;
前記水受部材と接続されている管路によって流体連通し、前記水受部材に流下する洗浄濁水を貯留可能である原水タンクと、;
前記原水タンクと接続されている管路によって流体連通し、前記原水タンク内の原水を浄水化可能な浄水化ユニットと、;
前記浄水化ユニットと接続されている管路によって流体連通し、前記浄水化ユニットで浄水化された浄水を貯留し清水化可能なフィルタユニットと、;
前記フィルタユニットで濾過された清水を前記洗浄水高圧噴射ノズルへ還流可能な管路によって流体連通している洗浄水還流水路と、;
前記浄水化ユニット底部に配設されているスラリー出口と流体連通されているスラリー管路と、;
前記原水タンクの底部に配設されている高濃度スラリー出口と接続されている高濃度スラリー管路によって流体連通されているスラリー脱水乾燥手段と、;
前記スラリー脱水乾燥手段から前記原水タンクと接続されている管路によって流体連通される濾液還流路と、そして;
前記スラリー脱水乾燥手段から中継コンベア上方へ流体連通している、脱水ケークの通路と、
を含むコンベアリターンベルト洗浄装置。
【0022】
[発明の作用効果]
本発明は、洗浄水高圧噴射ノズルによる洗浄によって高い清浄度を提供可能であり、高圧洗浄をコンベア運転中常時ベルトコンベア乗り継ぎ部へ適用可能とする、ベルトコンベア乗り継ぎ部のコンベアリターンベルト洗浄装置を提供する。洗浄水高圧噴射ノズルによる高圧洗浄方法は、低圧洗浄より洗浄に効率的で水量も少なくできるという効果が得られる。
【0023】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置は、高圧水洗浄に洗浄水を再使用可能とするシステム機構を構成し、外部から新規に供給する水の使用コストが激減するという効果が得られる。濁水を本コンベアリターンベルト洗浄装置内でクローズ処理するため、既設の濁水処理装置の増設も不要であり、また、補給水も少なくて済むという効果がある。
【0024】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置は、高圧水洗浄で洗浄水を使用し、高圧水洗浄により、ベルトに付着した異物、砂、泥をほぼ除去し、その処理液に粉粒体を含み、粉塵発生対策に有効である。
【0025】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置は、水を粉粒体の洗浄に使用して、濁水が大量に発生しても、濁水の集水、濁水の浄水化処理を洗浄水使用後の後処理として構成し、濁水は再使用され、たとえ、トンネル内等の閉じた空間であっても、大量濁水の発生は、問題とならない。
【0026】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置は、ベルトコンベア洗浄排水をシュート散水のように他の用途に使用するのではなく、再度洗浄水を循環再使用し、補給水が必要とされても、少量の補給水の供給で済むという意味で持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置である。
【0027】
本発明のコンベアリターンベルト洗浄装置は、高圧水洗浄により、ベルトに付着した異物、砂、泥をほぼ除去するのでベルトコンベアの故障リスクが大幅に低減するし、坑内の粉塵発生を防止し、快適な環境を保全し、粉塵による発火、爆発のリスクが極小化できるという効果が得られる。
【0028】
水濾過装置とスラリー脱水乾燥手段を結合するシステムによって、高圧ノズル洗浄によって発生する濁水を清水化し再使用する。一方で、残渣スラリーを濾液分離後、脱水排出し、この排水も原水タンクへ回収され、水の逸失は蒸発による大気への散逸に絞られ、水利用効率が高いという効果が得られる。
【0029】
脱水ケークは、スラリーポンプまたはエアー搬送によりスラリー脱水乾燥手段から中継コンベア上方へ流体連通している通路を経て、中継コンベア上に戻され元通りコンベア搬送される。追加で脱水ケーク専用の搬送機構を要しないという設備効果が得られ、システム装置の総合製造費用、設置費用の低減化がはかれるという効果が得られる。
【0030】
[請求項2記載の発明]
前記フィルタユニットで濾過された前記清水は、浮遊物質の含有濃度が1mg/L以下である請求項1記載のコンベアリターンベルト洗浄装置。
【0031】
[発明の作用効果]
浮遊物質量濃度が1mg/L以下であれば、高圧ポンプの運転にも支障はなく、噴射水によるベルト損耗リスクが十分に低減されているという効果が得られる。
【0032】
[請求項3記載の発明]
前記洗浄水高圧噴射ノズルがノズル圧力8〜11MPaの範囲内の高圧水ノズルであって、所定の流量で前記ノズル圧力を供給可能である高圧ポンプを含む請求項1又は2記載のコンベアリターンベルト洗浄装置。
【0033】
[発明の作用効果]
ノズル圧力8〜11MPaの範囲であれば、ベルト損耗リスク、高圧力ポンプの経済性確保をしつつ必要な洗浄力の確保に好適である。
【0034】
[請求項4記載の発明]
前記浄水化ユニットは、水濾過容器を含み、前記水濾過容器内に以下のコンポーネント:
水濾過フィルタと、;
前記水濾過フィルタに対向して配設されるフィルタ洗浄ノズルと、;
前記水濾過容器底部に配設されるスラリー出口と、;
を含み、前記フィルタ洗浄ノズルからの洗浄液噴射によって洗い落されたフィルタ表面の付着物は前記スラリー出口から前記原水とともにスラリーとして排出可能であり、かつ、前記スラリー出口と流体連通されている前記スラリー管路を通じて前記原水タンクへ移送可能である前記請求項1〜3いずれか1項記載のコンベアリターンベルト洗浄装置。
【0035】
[発明の作用効果]
水濾過装置とスラリー脱水乾燥手段を結合するシステムによって、高圧ノズル洗浄によって発生する濁水を清水化し再使用する一方で、浄水化ユニットで発生する膜付着物は洗浄ノズルでフィルタ濾過膜表面から脱落させられ、スラリーとして容器底部から排出され、原水タンクを経由して、スラリー脱水乾燥手段へ送られる。フィルタ濾過膜表面の膜付着物はフィルタを交換する必要もなく、フィルタ濾過膜表面から落とされ、フィルタの手入れで、コンベアリターンベルト洗浄装置を保守停止する必要もなく、フィルタの長期間連続使用を可能とする点でも持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置を提供する。スラリー脱水乾燥手段でスラリーを固液分離後、水分を脱水排出し、この排水も原水タンクへ戻され回収され、水の逸失は蒸発による大気への散逸に絞られ、水再使用率が高いという効果が得られ、持続可能性も増している。
【0036】
[請求項5記載の発明]
請求項1〜4いずれか1項記載のコンベアリターンベルト洗浄装置を用いるコンベアリターンベルトの高圧水洗浄方法であって、コンベア速度が毎分160m〜200mの範囲では、以下の前記洗浄水高圧噴射ノズルの噴射条件:
ノズル圧力 8〜11MPa、 ;
1ノズルあたりのノズル水量 20〜23L/min、;
ノズル距離 200〜400mm、;
ノズル角度 50〜60°、そして;
1ノズルあたりの洗浄幅 220mm〜250mm、 ;
を含む噴射条件によって高圧水洗するコンベアリターンベルトの高圧洗浄方法。
【0037】
[発明の作用効果]
上記の洗浄水高圧噴射ノズルの噴射条件であれば、ベルト損耗リスク、高圧力ポンプの経済性確保をしつつ必要な洗浄力の確保に好適である。
【0038】
[請求項6記載の発明]
洗浄後のコンベア表面のレーザー・カメラ画像を取得して、コンベア表面に生じた微小裂傷を検査する請求項1〜4いずれか1項記載のコンベアリターンベルト洗浄装置を用いるコンベアの予防保全方法。
【0039】
[発明の作用効果]
高圧水ノズルによる洗浄によってベルトに付着した異物、砂、泥をほぼ除去するので、表面の泥汚損により発見精度のこれら付着物による低下があまりなく、ベルト表面の微小裂傷の発見精度が高まり予防保全に寄与するという効果が得られる。
【0040】
[請求項7記載の発明]
搬送コンベア上の粉粒体が付着したコンベアリターンベルトを水洗により洗浄するコンベアリターンベルトの洗浄方法であって、以下の:
洗浄水高圧噴射ノズルによってコンベアリターンベルトを高圧水洗浄する高圧水洗浄段階S100と、;
前記コンベアリターンベルト下方で前記粉粒体を含む洗浄水の濁水を受け、流下する前記濁水を貯留し、
原水含有物を原水タンクで沈殿させる原水タンク沈殿段階S200と、;
前記原水タンクと管路によって流体連通され、前記原水タンク内の原水を受入れ、
前記原水を濾過
するフィルタを有する浄水化ユニットで前記原水を浄水化し、合わせて、前記原水を前記フィルタの濾過表面に対して、洗浄流体として噴射し、前記フィルタの濾過表面に蓄積される付着物を浄水化ユニット底部に落下させ前記浄水化ユニット底部でスラリーを生成させる浄水化段階S300と、;
前記浄水化ユニットの浄水を受入れ、フィルタユニットで清水化する清水化段階S400と、;
前記フィルタユニットで濾過された清水を前記洗浄水高圧噴射ノズルへ還流する洗浄水還流段階S500と、;
前記浄水化ユニット底部に配設されているスラリー出口からこれと接続されているスラリー管路によって、前記浄水化段階S300で生成された前記浄水化ユニットの容器の底部の前記スラリーを前記原水タンクへの容器下部に戻す、スラリー移送段階S600段階と、;
前記原水タンクの底部に配設されている高濃度スラリー出口と、これと接続されている高濃度スラリー管路によってスラリー脱水乾燥手段へ、前記原水タンクに沈殿されている高濃度スラリーを圧送する高濃度スラリー圧送段階S700と、;
前記高濃度スラリーを前記
スラリー脱水乾燥手段によって脱水乾燥するスラリー脱水乾燥段階S800と、;
前記スラリー脱水乾燥手段から中継コンベア上方へ脱水乾燥ケークの通路を用い中継コンベア上方へ脱水乾燥ケークを搬送する脱水ケーク搬送段階S900と、そして、;
前記スラリー脱水乾燥手段から前記原水タンクと接続されている管路によって前記原水タンクへ濾液を還流する脱水濾液還流段階S1000と、
を含むコンベアリターンベルトの洗浄方法。
【0041】
[発明の作用効果]
本発明のコンベアリターンベルトの洗浄方法は、ベルトコンベア洗浄排水をシュート散水のように他の用途に使用するのではなく、再度洗浄水を循環再使用し、水の利用に関して、持続可能性のあるコンベアリターンベルト洗浄装置である。補給水が必要とされても、少量の補給水の供給で済むという意味での持続可能性のあるコンベアリターンベルトの洗浄方法である。
【0042】
本発明のコンベアリターンベルトの洗浄方法は、高圧水洗浄により、ベルトに付着した異物、砂、泥をほぼ除去するのでベルトコンベアの故障リスクが大幅に低減するし、坑内の粉塵発生を防止し、快適な環境を保全し、粉塵による発火、爆発のリスクが極小化できるという効果が得られる。
【0043】
水濾過装置とスラリー脱水乾燥手段を結合するコンベアリターンベルトの洗浄方法によって、高圧ノズル洗浄によって発生する濁水を清水化し再使用する。一方で、残渣スラリーを濾液分離後、脱水排出し、この排水も原水タンクへ回収され、水の逸失は蒸発による大気への散逸に絞られ、水利用効率が高いという効果が得られる。
【0044】
[請求項8記載の発明]
請求項1〜4いずれか1項記載のコンベアリターンベルト洗浄装置を用いる請求項7記載のコンベアリターンベルトの洗浄方法。
【0045】
[請求項9記載の発明]
外部からは前記
スラリー脱水乾燥手段で失う水蒸気の補給及び運転電力の供給のみで持続可能である請求項1〜4いずれか1項記載のコンベアリターンベルト洗浄装置
【0046】
[発明の作用効果]
水蒸気の補給及び運転電力の供給のみで実質的に持続可能であるという効果が得られる。
【0047】
[請求項10記載の発明]
外部からは前記
スラリー脱水乾燥手段で失う水蒸気の補給及び運転電力の供給のみで持続可能である請求項5又は7又は8記載のコンベアリターンベルトの洗浄方法
【0048】
[発明の作用効果]
水蒸気の補給及び運転電力の供給のみで実質的に持続可能であるという効果が得られる。