(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該交信装置は、前記制御装置および前記複数のスレーブ装置それぞれと集線装置により接続されており、前記集線装置を経由して、前記制御装置および前記複数のスレーブ装置と通信する、請求項1〜3のいずれかに記載の交信装置。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0030】
<実施の形態1>
本実施の形態に係るRFIDシステムは、たとえば、工場等の生産ラインにおいて、搬送路上を搬送されるワークの情報を管理するために用いられる。
【0031】
一般的に、ICタグは、管理対象のワーク、または、ワークを支持もしくは収容するパレットやコンテナなどに取付けられるが、その位置にばらつきがあることがある。また、搬送路上において、パレットやコンテナが回転することによりICタグの位置が変更されることがある。このような場合、一般的なRFIDシステムでは、ICタグがリーダライタの交信領域外となり、ICタグの情報を読み書きできない可能性がある。
【0032】
これに対し、本実施の形態に係るRFIDシステムでは、ICタグの位置にばらつきがあったり変更されたりしても、ICタグの情報を確実に読み書きすることができる。以下に、このようなシステムの構成および動作について、詳細に説明する。なお、「読み書き」とは、ICタグからの情報の読取り、および、ICタグへの情報の書込みのいずれか一方の動作、あるいは、これら両方を含む動作を示す。
【0033】
(構成について)
はじめに、本実施の形態に係るRFIDシステムの概略構成について説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態1に係るRFIDシステムSYSの概略構成図である。
【0035】
図1を参照して、RFIDシステムSYSは、制御装置としての上位機器1と、複数の交信装置としてのマスタリーダライタ(以下「マスタ」と略す)10およびスレーブリーダライタ(以下「スレーブ」と略す)20と、集線装置としてのハブ2と、ICタグ3とを備える。本実施の形態では、スレーブ20は、2台のスレーブ20.1,20.2を含むこととするが、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。以下の説明において、スレーブ20.1,20.2を区別する必要がない場合は、これらを総称して「スレーブ20」という。
【0036】
上位機器1は、ICタグ3に対する情報の読み書きを統括制御する。上位機器1は、たとえば、パーソナルコンピュータ、あるいは、PLC(Programmable Logic Controller)で実現される。上位機器1は、ハブ2を介して、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2と接続されているが、マスタ10との間でのみ通信を行う。ハブ2は、たとえばイーサネット(登録商標)ハブである。
【0037】
マスタ10およびスレーブ20.1,20.2は、ICタグ3に対する情報の読み書きを実行する。マスタ10は、上位機器1からのコマンドに従い、ICタグ3との交信処理、および、スレーブ20.1,20.2の制御を行う。スレーブ20.1,20.2は、マスタ10からのコマンド(交信指示)に従い、ICタグ3との交信処理を実行する。
【0038】
ここで、このようなマスタ10およびスレーブ20.1,20.2の設置例について説明する。
【0039】
図2は、本発明の実施の形態1において、複数のリーダライタの設置例を示す図である。なお、
図2においては、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2とハブ2とを接続するケーブルの図示は、簡略化のために省略されている。
【0040】
図2を参照して、本実施の形態では、搬送路4上を、処理対象のワークWを載置したパレット5が搬送されていると仮定する。パレット5には、ワークWについての情報が書き込まれたICタグ3が貼り付けられている。搬送路4の上方空間をまたがるように、ゲート6が配置されている。ゲート6において、中央および左右に、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2が離れて設置されている。マスタ10およびスレーブ20.1,20.2の設置位置は特に限定されない。
【0041】
次に、各リーダライタすなわち、マスタ10およびスレーブ20のハードウェア構成例について説明する。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態1における各リーダライタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0043】
図3を参照して、各リーダライタ(マスタ10およびスレーブ20)は、アンテナコイル71を含むアンテナ部70と、制御部31を具備する交信制御装置30とにより構成される。ただし、この構成は一例にすぎず、アンテナ部70と交信制御装置30とを一体にしてもよい。
【0044】
交信制御装置30は、制御部31のほかに、送信回路32、受信回路33、受信レベル検出回路34、入出力I/F(インターフェイス)35、記憶部36、計時部37、および表示部38を含む。
【0045】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置により実現される。入出力I/F(インターフェイス)35には、イーサネット(登録商標)ケーブルが接続され、他装置との間で情報の入出力を行う。記憶部36は、各種プログラムやデータを記憶する。マスタ10の記憶部36には、スレーブ20.1および20.2のIPアドレスが記憶されているものとする。計時部37は、計時動作を行い、制御部31に計時データを出力する。表示部38は、制御部31からの指示に従い、各種情報を表示する。
【0046】
送信回路32は、ドライブ回路41、変調回路42、乗算回路43、増幅回路45、増幅回路を挟む一対のZ変換回路44,46などにより構成される。受信回路33は、バンドパスフィルタ(BPF)回路51、検波回路52、ローパスフィルタ(LPF)回路53、増幅回路54、コンパレータ55などにより構成される。受信レベル検出回路34は、検波回路61およびA/D(Analog to Digital)変換回路62により構成される。
【0047】
なお、交信制御装置3は、キャリア信号となる高周波パルスを出力する発振回路(図示せず)を含んでいるものとする。
【0048】
上記構成において、制御部31は、発振回路(図示せず)からのパルス信号に基づき、搬送波の元となる高周波パルス(以下「キャリア信号」という)を出力する。また、制御部31は、適宜、所定ビット数のコマンド信号を出力する。キャリア信号は、ドライブ回路41により搬送波に変換された後に、Z変換回路44,46によるインピーダンスの整合処理や増幅回路45による増幅処理を経て、アンテナコイル71に供給され、電磁波として送出される。また変調回路42および乗算回路43がコマンド信号に基づき搬送波を振幅変調することによって、コマンド信号が搬送波に重畳される。
【0049】
上記の処理によりアンテナコイル71から電磁波が送出されると、この電磁波により交信領域内のRFIDタグ3に誘導起電力が生じ、タグ3側の制御部(図示せず)が起動する。この状態下でアンテナコイル71からコマンド信号が送信されると、タグ3側の制御部は、コマンド信号が表すコマンドを解読して指示された処理を実行した後に、所定の応答データを表す信号(応答信号)を生成し、リーダライタ(マスタ10等)に返送する。
【0050】
受信回路33では、バンドパスフィルタ回路51によりノイズを除去した後に、検波回路52により応答信号を含む搬送波を抽出する。さらに、ローパスフィルタ回路53により搬送波からタグ3の応答信号を抽出し、これを増幅回路54で増幅した後に、コンパレータ55により矩形信号に変換する。制御部31は、コンパレータ55から入力された信号を用いてタグ3の応答内容を解読し、この解読データを含む交信結果データを入出力I/F35に出力する。
【0051】
受信レベル検出回路34の検波回路61は、コンパレータ55に入力されるのと同一の応答信号の入力を受け、応答信号の各ピークのレベル変化を表す包絡線信号を生成する。A/D変換回路62はこの包絡線信号をディジタル変換する。制御部31は、この変換により生じたディジタルデータを応答信号の受信レベルとして入力する。
【0052】
次に、各リーダライタすなわち、マスタ10およびスレーブ20の機能構成例について説明する。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態1において、マスタ10およびスレーブ20それぞれの機能構成を示す機能ブロック図である。なお、ここでは、理解の容易のために、マスタ10は、1台のスレーブ20のみを制御していると仮定して説明する。
【0054】
図4を参照して、上位機器1は、送受信部100を含む。送受信部100は、複数のリーダライタのうち、マスタ10との間でのみ情報の送受信を行う入出力I/Fである。すなわち、送受信部100は、マスタ10に対しコマンドを送信し、マスタ10からのレスポンスを受信する。
【0055】
マスタ10は、その機能構成として、コマンド受信部102と、交信処理部104と、判定部106と、指示出力部108と、結果受信部110と、応答処理部112とを含む。コマンド受信部102は、上位機器1の送受信部100から送信されたコマンドを受信する。交信処理部104は、受信されたコマンドに基づいて、タグ3との交信処理を実行する。交信処理部104での処理結果(以下「交信結果」という)は、判定部106に出力される。判定部106は、入力された交信結果に基づき、交信処理が正常終了したか否かを判定する。
【0056】
指示出力部108は、判定部106による判定結果に応じて、スレーブ20に対し、タグ3との交信指示をコマンドとして出力する処理を実行する。本実施の形態では、判定部106により交信処理が正常終了しなかった(失敗)と判定された場合に、スレーブ20に対し交信指示を出力する。結果受信部110は、スレーブ20からの交信結果を受信し、交信結果を判定部106へ出力する。これにより、スレーブ20での交信結果が、正常終了したか否かについても判定される。
【0057】
応答処理部112は、交信処理部104および結果受信部110から得られる交信結果に基づいて、上位機器1へのレスポンス情報を生成する。本実施の形態では、交信処理部104での交信結果が正常終了(成功)であった場合には、当該マスタ10にて読み書きされたタグ情報がレスポンスとして返信される。交信処理部104での交信結果が異常終了であり、結果受信部110で受信されたスレーブ20での交信結果が正常終了であった場合には、スレーブ20にて読み書きされたタグ情報がレスポンスとして返信される。一方、いずれの交信結果も異常終了であった場合には、異常終了を示す情報がレスポンスとして返信される。応答処理部112において生成されたレスポンス情報は、
図3に示した入出力I/F35を介して、上位機器1の送受信部100へ送信される。これにより、上位機器1は、受信したレスポンス情報に基づいて、所定の制御を行う。
【0058】
スレーブ20は、その機能構成として、コマンド受信部202と、交信処理部204と、結果送信部206とを含む。コマンド受信部202は、マスタ10の指示出力部108から送信されたコマンドを受信する。交信処理部204は、受信されたコマンドに基づいて、タグ3との交信処理を実行する。結果送信部206は、交信処理部204での交信結果を、マスタ10に返信する。
【0059】
このように、本実施の形態では、スレーブ20の交信処理は、マスタ10によって制御される。
【0060】
なお、マスタ10内の複数の機能ブロックのうち、交信処理部104、判定部106および応答処理部112の機能は、典型的には、マスタ10の制御部31が記憶部36内に格納されたプログラムを実行することで実現されてよい。それ以外のコマンド受信部102、指示出力部108および結果受信部110の機能は、典型的には、マスタ10の入出力I/F35により実現されてよい。
【0061】
また、スレーブ20内の複数の機能ブロックのうち、交信処理部204は、典型的には、スレーブ20の制御部31が記憶部36内に格納されたプログラムを実行することで実現されてよい。それ以外のコマンド受信部202および結果返信部206の機能は、典型的には、スレーブ20の入出力I/F35により実現されてよい。
【0062】
(動作について)
次に、本実施の形態に係るRFIDシステムSYSの動作について具体的に説明する。動作の説明においては、理解の容易のために、各交信装置によって、タグ情報の読み書きとして、タグ情報の読取りのみが実行されるものと仮定する。しかしながら、タグ情報の書込みのみが実行される場合や、タグ情報の読取りおよび書込みの両方が実行される場合においても、以下に説明する処理手順と同様の手順によってこれらの処理が実行可能である。
【0063】
図5は、本発明の実施の形態1に係るRFIDシステムSYSにおいて、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2により実行される拡張交信処理を示すフローチャートである。なお、
図5において、スレーブ20.1およびスレーブ20.2を、それぞれ、「スレーブ1」および「スレーブ2」と記載している。
【0064】
図5を参照して、マスタ10のコマンド受信部102は、上位機器1からコマンドを受信するまで待機する(ステップS(以下「S」と略す)2にてNO)。コマンドを受信した場合(S2にてYES)、交信処理部104は、ワンスモードにて交信処理を実行する(S4)。ワンスモードとは、後述のオートモードと対比されるモードであり、タグ3の検知処理を実行することなく、タグ3からタグ情報を読取る処理を実行するモードである。このような交信処理について、
図6にサブルーチンを挙げて説明する。
【0065】
図6は、本発明の実施の形態1において実行されるワンスモードでの交信処理を示すフローチャートである。
【0066】
図6を参照して、交信処理部104は、ICタグ3からのタグ情報を読取る(S62)。タグ情報の読取りが完了していない場合(S64にてNO)、読取りを開始してから所定時間経過したか否かを判断する(S66)。所定時間以内に読取りが完了すると(S64にてYES)、交信結果を「正常終了」としてメインルーチンに戻る。また、所定時間経過しても読取りが完了しなかった場合には(S66にてYES)、交信結果を「異常終了」としてメインルーチンに戻る。
【0067】
なお、本実施の形態では、読取り時間に制限を設けることとしたが、リトライ回数に制限を設けてもよい。
【0068】
再び
図5を参照して、交信処理部104による交信処理が終了した場合、判定部106は、交信結果が正常終了であったか否かを判定する(S6)。正常終了であった場合(S6にてYES)、ステップS20に進む。一方、交信結果が異常終了であった場合には(S6にてNO)、スレーブ20.1に交信指示のコマンドを出力する(S8)。ここでのコマンドは、ステップS2で、マスタ10が上位機器1より受信したコマンドと同じであってよい。つまり、ステップS8では、スレーブ20.1に対し、上位機器1からのコマンドが転送される。
【0069】
スレーブ20.1のコマンド受信部202は、交信指示を受信する(S102)。そうすると、交信処理部204は、
図6に示したワンスモードでの交信処理を実行する(S104)。交信処理が終了すると、スレーブ20.1の結果返信部206は、その交信結果をマスタ10に返信する(S106)。
【0070】
マスタ10の結果受信部110は、スレーブ20.1からの交信結果を受信する(S10)。交信結果が受信されると、判定部106は、当該結果が正常終了であったか否かを判定する(S12)。正常終了であった場合(S12にてYES)、ステップS20に進む。一方、スレーブ20.1での交信結果が異常終了であった場合には(S12にてNO)、続いて、スレーブ20.2に交信指示のコマンドを出力する(S14)。ここでも、スレーブ20.2に対し、上位機器1からのコマンドが転送される。
【0071】
スレーブ2のコマンド受信部202は、交信指示を受信する(S202)。そうすると、交信処理部204は、
図6に示したワンスモードでの交信処理を実行する(S204)。交信処理が終了すると、スレーブ20.2の結果返信部206は、その交信結果をマスタ10に返信する(S206)。
【0072】
マスタ10の結果受信部110は、スレーブ20.2からの交信結果を受信する(S16)。交信結果が受信されると、判定部106は、当該結果が正常終了であったか否かを判定する(S18)。正常終了であった場合(S18にてYES)、ステップS20に進む。一方、スレーブ20.1での交信結果が異常終了であった場合には(S18にてNO)、ステップS22に進む。
【0073】
ステップS20において、応答処理部112は、「正常終了」のレスポンスを上位機器1に返信する。この際、タグ3から読取った情報をレスポンス情報として返信する。タグ3から読取った情報とは、マスタ10、スレーブ20.1およびスレーブ20.2のうちいずれかのリーダライタで読取られた情報である。つまり、ステップS4、S104、S204のうちのいずれかの交信処理により読取られた情報がレスポンス情報として返信される。レスポンス情報は、入出力I/F35から上位機器1の送受信部100に送信される。ステップS20の処理が終わると、一連の拡張交信処理は終了される。
【0074】
ステップS22では、応答処理部112は、「異常終了」のレスポンスを上位機器1に返信する。その後、交信処理を繰返して実行する必要があるか否かが判断される(S24)。繰返し要か不要かは、上位機器1からの指示に従う。繰返し要であれば(S24にてYES)、上述のステップS4に戻り、一連の処理が繰返される。一方、繰返し不要であれば(S24にてNO)、当該拡張交信処理は終了される。
【0075】
なお、本実施の形態では、マスタ、スレーブ20.1、スレーブ20.2の順番に交信処理を実行することとしたが、これらの順序は限定されない。
【0076】
上述のように、本実施の形態によれば、複数のリーダライタ(マスタ10、スレーブ20.1、スレーブ20.2)が
図2に示したような位置に設置された場合、搬送路4上においてパレット5が回転してしまった場合や、ICタグ3の取付け位置にばらつきがある場合でも、確実にいずれかのリーダライタでタグ3の情報を読取ることができる。その結果、上位機器1にとっては、1つのリーダライタ(マスタ10)が広範囲の交信領域を有する交信装置であるかのように見える。
【0077】
なお、複数のリーダライタの設置位置は自由であるため、ICタグが配置される可能性のある箇所を網羅するような位置に複数のリーダライタを設置すればよい。たとえば、ワークを収容するコンテナの高さが高い場合には、複数のリーダライタを縦一列に並べて設置してもよい。このように、本実施の形態によれば、本システムSYSの使用環境に応じてリーダライタの個数および設置位置を自由に決定できるため、ユーザ所望の交信領域を設計することができる。
【0078】
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、複数のリーダライタにより交信領域を拡張することで、複数のリーダライタのうちいずれか1つでタグ情報が読み書きされる構成であった。これに対し、本発明の実施の形態2に係るRFIDシステムでは、複数のリーダライタにより交信領域の絶対域を拡張することで、ワークの高速移動にも対応可能である。
【0079】
以下に、実施の形態1との相違点について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るRFIDシステムのハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでも
図1および3で用いた符号を用いる。
【0080】
(設置例について)
図7は、本発明の実施の形態2において、複数のリーダライタの設置例を示す図である。なお、
図7においても、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2とハブ2とを接続するケーブルの図示は、簡略化のために省略されている。
【0081】
図7を参照して、本実施の形態では、パレット5の搬送方向に沿って、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2が横一列に離れて配置されている。マスタ10およびスレーブ20.1,20.2の設置順序は問われないが、マスタ10は、設置順序情報を保持している。具体的には、本実施の形態では、マスタ10の記憶部36には、各スレーブのIPアドレスと、設置順序情報とを対応付けて記憶している。設置順序情報には、自装置の順序の情報も含まれる。つまり、
図7のような設置順序の場合、マスタ10が1番目(最も上流側)であることも記憶部36には記憶されているものとする。これにより、マスタ10によって、搬送方向の上流側の交信装置から順に交信処理を実行するよう制御することができる。
【0082】
(機能構成について)
図4を参照して、本実施の形態では、マスタ10に含まれる交信処理部104、指示出力部108および応答処理部112の機能と、スレーブ20に含まれる交信処理部204の機能とが、実施の形態1と異なる。
【0083】
マスタ10に含まれる交信処理部104、および、各スレーブ20に含まれる交信処理部204は、タグ3のタグ情報を分割して読み書きする。具体的には、タグ情報を読取る動作の場合、各リーダライタにおいて、タグ3のタグ情報のうち、割り当てられた区分(たとえばバイト数、種別)についての情報のみ読取る。タグ情報を書込む動作の場合には、各リーダライタにおいて、割り当てられた区分の情報をタグ3に書込む。各リーダライタに割り当てられる区分は、完全に異なっていてもよいし、一部重なっていてもよい。各交信処理部104,204は、オートモードでの交信処理を実行する。オートモードとは、タグ3の検知処理を実行し、タグ3が検知されてはじめてタグ3からタグ情報を読取る処理を実行するモードである。一般的には、タグ3との交信処理が終了すると、結果を上位機器1へ返信し、コマンド待ち状態とされる。
【0084】
指示出力部108は、判定部106によりマスタ10での交信結果が正常終了と判定された場合に、記憶部36に記憶されたIPアドレスおよび設置位置情報により特定される各スレーブ20に交信指示を出力する。指示出力部108は、設置位置が上流側のスレーブ20から、順に交信指示を出力する。
【0085】
応答処理部112は、マスタ10での第1の区分についての読み書き結果およびスレーブ20での第2の区分についての読み書き結果(具体的には、スレーブ20.1および20.2での、それぞれの区分についての読み書き結果)をマージして、レスポンス情報を生成する。
【0086】
このような機能構成とすることで、各リーダライタは、順に、割り当てられた区分についての情報のみを読み書きすればよいため、パレット5を高速移動したままタグ3の情報を読み書きすることができる。
【0087】
(動作について)
図8は、本発明の実施の形態2に係るRFIDシステムSYSにおいて、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2により実行される拡張交信処理を示すフローチャートである。なお、
図8においても、スレーブ20.1およびスレーブ20.2を、それぞれ、「スレーブ1」および「スレーブ2」と記載している。ここでも、各交信装置によって、タグ情報の読み書きとして、タグ情報の読取りのみが実行されるものと仮定する。また、マスタ10の記憶部36には、設置順序情報として、自装置が1番目であること、スレーブ20.1が2番目であること、スレーブ20.2が3番目であることが記憶されているものとする。
【0088】
図8を参照して、マスタ10のコマンド受信部102は、上位機器1からコマンドを受信するまで待機する(S302にてNO)。コマンドを受信した場合(S302にてYES)、自装置が最も上流側の交信装置であるため、交信処理部104において、オートモードにて交信処理を実行する(S304)。ここでの交信処理については、
図9にサブルーチンを挙げて説明する。
【0089】
図9は、本発明の実施の形態2において実行されるオートモードでの交信処理を示すフローチャートである。
【0090】
図9を参照して、交信処理部104は、自身の交信領域内においてICタグ3が検知されるまで、ICタグ3の検知処理を実行する(S361にてNO)。ICタグ3が検知されると(S361にてYES)、ICタグ3から、割り当てられた区分についてのタグ情報の読取り処理を開始する(S362)。本実施の形態では、3つのリーダライタそれぞれでタグ3の情報を分割して読取る。たとえば、タグ情報が300バイトの情報であるとすると、各リーダライタにおいて100バイトずつ読取る。この場合、マスタ10は、たとえば、1〜100バイトまでの情報を読取る処理を実行すればよい。
【0091】
なお、各区分は、マスタ10において割り当てることとしてよい。この場合、たとえば、上位機器1からのコマンドにタグ情報の全バイト数の情報が含まれている。マスタ10は、全バイト数とスレーブの個数とに基づいて、各リーダライタで読取るべき区分を割り当てることができる。
【0092】
交信処理部104は、タグ情報の読取りを開始してから所定時間経過したか否かを判断する(S364)。所定時間以内に読取りが完了すると(S364にてYES)、交信結果を「正常終了」としてメインルーチンに戻る。また、所定時間経過しても読取りが完了しなかった場合には(S366にてYES)、交信結果を「異常終了」としてメインルーチンに戻る。
【0093】
再び
図8を参照して、交信処理部104による交信処理が終了した場合、判定部106は、交信結果が正常終了であったか否かを判定する(S306)。交信処理部104での交信結果が異常終了であった場合には(S306にてNO)、ステップS322に進む。これに対し、当該交信結果が正常終了であった場合(S306にてYES)、S304での交信結果、すなわちマスタ10にて読取った情報がたとえば内部メモリに一時記憶される(S307)。
【0094】
続いて、2番目の交信装置がスレーブ20.1であるため、指示出力部108は、スレーブ20.1に交信指示のコマンドを出力する(S308)。ここでのコマンドには、たとえば、割り当てられた区分が101〜200バイトまでであることを示す情報が含まれる。
【0095】
スレーブ20.1のコマンド受信部202は、交信指示を受信すると(S402)、交信処理部204によって、
図9に示したオートモードでの交信処理が実行される(S404)。上記例では、スレーブ20.1においては、101〜200バイトまでの情報を読取る処理が実行される。交信処理が終了すると、スレーブ20.1の結果返信部206は、その交信結果をマスタ10に返信する(S406)。
【0096】
マスタ10の結果受信部110は、スレーブ20.1からの交信結果を受信する(S310)。交信結果が受信されると、判定部106は、当該結果が正常終了であったか否かを判定する(S312)。スレーブ20.1での交信結果が異常終了であった場合には(S312にてNO)、ステップS322に進む。これに対し、当該交信結果が正常終了であった場合(S312にてYES)、受信した交信結果、すなわちスレーブ20.1にて読取った情報がたとえば内部メモリに一時記憶される(S313)。
【0097】
続いて、3番目の交信装置がスレーブ20.2であるため、指示出力部108は、スレーブ20.2に交信指示のコマンドを出力する(S314)。ここでのコマンドには、たとえば、割り当てられた区分が201〜300バイトまでであることを示す情報が含まれる。
【0098】
スレーブ20.2のコマンド受信部202は、交信指示を受信すると(S502)、交信処理部204により、
図9に示したオートモードでの交信処理が実行される(S504)。上記例では、スレーブ20.2においては、201〜300バイトまでの情報を読取る処理が実行される。交信処理が終了すると、スレーブ20.2の結果返信部206は、その交信結果をマスタ10に返信する(S506)。
【0099】
マスタ10の結果受信部110は、スレーブ20.2からの交信結果を受信する(S316)。交信結果が受信されると、判定部106は、当該結果が正常終了であったか否かを判定する(S318)。スレーブ20.2での交信結果が異常終了であった場合(S318にてNO)、ステップS322に進む。これに対し、当該交信結果が正常終了であった場合には(S318にてYES)、受信した交信結果、すなわちスレーブ20.2にて読取った情報がたとえば内部メモリに一時記憶される(S319)。
【0100】
このように、全てのリーダライタで、それぞれ割り当てられた区分の情報が読取られると、マスタ10の応答処理部112は、「正常終了」のレスポンスを上位機器1に返信する。この際、応答処理部112は、全ての読取り情報をマージして上位機器1へ返信する(S320)。全ての読取り情報とは、内部メモリに記憶されていた、全てのリーダライタにて読取られた情報である。つまり、マスタ10、スレーブ20.1,20.2でステップS304、S404、S504において実行された交信処理により読取られた情報がマージされて、レスポンス情報として上位機器1に返信される。レスポンス情報は、入出力I/F35から上位機器1の送受信部100に送信される。ステップS20の処理が終わると、一連の拡張交信処理は終了される。
【0101】
ステップS322では、応答処理部112は、「異常終了」のレスポンスを上位機器1に返信して、当該拡張交信処理は終了される。
【0102】
上述のように、本実施の形態では、複数のリーダライタによって、上流側から順にタグ3の情報が分割して読み書きされる。したがって、搬送路4上のパレット5を停止させることなく、タグ3の情報を読み書きすることができる。その結果、生産ラインにおける各工程でのICタグ3に対する読み書き処理を短縮することができる。
【0103】
<実施の形態3>
上記実施の形態2では、タグ情報を分割して読み書きすることで、ワークの高速移動に対応するものであったが、タグ情報を分割して読み書きすることで、大容量のタグ情報を読み書きすることもできる。このようなシステムを、本発明の実施の形態3として説明する。
【0104】
以下に、実施の形態2との相違点について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るRFIDシステムのハードウェア構成も、実施の形態1,2と同様であるので、ここでも
図1および3で用いた符号を用いる。なお、本実施の形態では、複数のリーダライタは、たとえば縦一列または横一列等、隣接して設けられてよい。
【0105】
(機能構成について)
図4を参照して、本実施の形態では、主に、マスタ10に含まれる交信処理部104、および、スレーブ20に含まれる交信処理部204の機能が、実施の形態2と異なる。
【0106】
本実施の形態においても、交信処理部104,204は、実施の形態2と同様に、オートモードでタグ情報を読み書きする。ここで、本実施の形態では、大容量のタグ情報が読み書きされればよいだけであるため、実施の形態2のように、複数のリーダライタの設置順序に従って、ICタグの情報を読み書きする必要はない。したがって、各リーダライタにてタグの検知処理を同時に行うことも考えられる。しかし、そのようにすると、複数のリーダライタ間で相互干渉が起きる場合があるため、相互干渉の影響を低減するべく、これらが同時発振しないようにすることが望ましい。そこで、本実施の形態では、オートモードで交信処理を実行する場合でも、マスタが、リーダライタ同士が同時発振しないよう制御する構成としている。
【0107】
(動作について)
図10は、本発明の実施の形態3に係るRFIDシステムSYSにおいて、マスタ10およびスレーブ20.1,20.2により実行される拡張交信処理を示すフローチャートである。ここでも、各交信装置によって、タグ情報の読み書きとして、タグ情報の読取りのみが実行されるものと仮定する。なお、
図10においては、
図8に示した処理と同様の処理については同じステップ番号を付してある。したがって、それらについての説明は繰返さない。
【0108】
図10を参照して、本実施の形態では、各リーダライタで実行する交信処理(S304A,S404A,S504A)が異なる。本実施の形態での交信処理の流れを
図11に示す。
【0109】
図11は、本発明の実施の形態3において実行されるオートモードでの交信処理を示すフローチャートである。
【0110】
図11を参照して、交信処理部104は、実施の形態2と同様に、ICタグ3の検知処理を実行する(S361)。ここで、本実施の形態では、検知処理の継続時間を制限するため、所定時間経過してもICタグ3が検知されない場合には(S366AにてYES)、「タグ不検知」としてメインルーチンに戻る。所定時間内にICタグ3が検知されると(S361にてYES)、実施の形態2と同様に、一部のタグ情報を読取る(S362)。つまり、マスタ10、スレーブ20.1,20.2はそれぞれ、たとえば、100バイトずつタグ情報を読取る処理を実行すればよい。読取りが完了すると、「正常終了」としてメインルーチンに戻る。
【0111】
なお、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、読取り処理が所定時間(S366Aの「所定時間」とは異なる。
図9のS366の「所定時間」に相当。)内に完了しなければ、「異常終了」としてメインルーチンに戻ってもよい。
【0112】
再び
図10を参照して、交信処理が終了すると、判定部106Aは、タグは不検知であったか否かを判定する(S306A)。タグ3が不検知でない場合、すなわち正常終了であった場合(S306AにてNO)、ステップS307へ進み、マスタ10にて読取った情報を記憶する。一方、タグ3が不検知であった場合には(S306AにてYES)、ステップS308へスキップし、即座にスレーブ20.1に交信指示を出力する。
【0113】
スレーブ20.1での交信処理が終了後のステップS312Aでも、上記と同様の処理が行なわれる。つまり、タグ3が不検知でない場合、すなわち正常終了であった場合(S312AにてNO)、ステップS313へ進み、スレーブ20.1にて読取った情報を記憶する。一方、タグ3が不検知であった場合には(S312AにてYES)、ステップS314へスキップし、即座にスレーブ20.2に交信指示を出力する。
【0114】
スレーブ20.2での交信処理が終了後のステップS318Aでは、タグ3が不検知でない場合、すなわち正常終了であった場合(S318AにてNO)、ステップS319へ進み、スレーブ20.2にて読取った情報を記憶する。その後、全ての読取りが成功したと判定された場合(S601にてYES)、S320へ進み、応答処理部112は、全ての読取り情報をマージして上位機器1へ返信する。全ての読取りが成功していない場合、すなわち、いずれかのリーダライタでタグ不検知であった場合(S601にてNO)、上述のステップS304Aへ戻り、一連の処理を繰返す。
【0115】
一方、スレーブ20.2での交信結果がタグ不検知であった場合(S318AにてYES)、一連の交信処理を所定回数繰返したか否かを判断する(S602)。所定回数未満である場合(S602にてNO)、上述のステップS304Aへ戻り、一連の処理を繰返す。所定回数繰返された場合(S602にてYES)、ステップS322へ進み、上位機器1へ「異常終了」のレスポンスを返信する。
【0116】
なお、2回目以降の処理においては、読取りが完了していないリーダライタにおいてのみ、交信処理を実行することとしてもよい。
【0117】
本実施の形態によれば、タグ情報の容量に応じて、スレーブ20の台数を調整することで、大容量のタグ情報も確実に読取ることができる。
【0118】
図12は、本発明の実施の形態3における、複数のリーダライタの交信タイミングを示すタイミングチャートである。
【0119】
図12を参照して、はじめにマスタ10は、たとえば自装置において交信処理をONする。マスタ10においてタグ3が所定時間内に検知されない場合、自装置における交信処理をOFFし、スレーブ20.1(
図12において「スレーブ1」)の交信処理をONする。同様に、スレーブ20.1においてタグ3が所定時間内に検知されない場合、スレーブ20.1における交信処理をOFFし、スレーブ20.2(
図12において「スレーブ2」)の交信処理をONする。スレーブ20.2においてもタグ3が所定時間内に検知されない場合、スレーブ20.2における交信処理をOFFし、マスタ10の交信処理を再びONする。
【0120】
このような処理が、たとえば所定回数繰返される(
図11のS602)。たとえば時間t1以降に、ICタグ3が、各リーダライタの交信領域内に入ると、そのときに交信処理を行っていたスレーブ20.1において、一部のタグ情報の読取り処理が開始される。タグ情報の読取りが完了すると、マスタ10に対し、交信処理成功(正常終了)が通知されるとともに、読取った情報が返信される。続いて、マスタ10は、スレーブ20.2の交信処理をONすると、スレーブ20.2において、一部のタグ情報の読取りが実行される。この場合も、タグ情報の読取りが完了すると、マスタ10に対し、交信処理成功(正常終了)が通知されるとともに、読取った情報が返信される。
【0121】
なお、本実施の形態では、各スレーブ20において、所定時間内にタグ3が検知されない場合は、タグ3の不検知を示す情報がマスタ10に通知されることとした。しかしながら、このような例に限定されず、スレーブ20において、所定時間内にタグ3が検知された場合に、タグ検知成功を示す情報をマスタ10に通知することとしてもよい。この場合、一定時間内にタグ検知成功を示す情報がスレーブ20から通知されない場合には、マスタ10は、交信指示を出力したスレーブ20においてタグ3が検知されなかったことを知ることができる。
【0122】
<変形例1>
上述のように、実施の形態1は、ICタグの位置のばらつきや変更に対応する構成であり、実施の形態2は、ICタグ(ワーク)の高速移動に対応する構成であった。また、実施の形態3は、大容量のタグ情報に対応する構成であった。そして、実施の形態1では、ワンスモードで交信処理を実行し、実施の形態2および3ではオートモードで交信処理を実行することとして説明した。しかしながら、各実施形態でのモードは一例であり、ワンスモードとオートモードとを入れ替えてもよい。
【0123】
また、ワンスモードの場合、スレーブ20での交信処理をずらして行うこととしたが、限定的ではなく、複数のスレーブ20での交信処理が重なって行われてもよい。この場合、マスタ10の指示出力部108は、2以上のスレーブ20に同時に交信指示を出力してもよい。ここでの交信指示は、同じ内容のコマンドであってもよい。
【0124】
実施の形態1の交信処理をオートモードで実行する場合、実施の形態3の
図11に示した交信処理のように、タグ検知処理の継続時間に制限を設けるようにすればよい。
【0125】
実施の形態2の交信処理をワンスモードで実行する場合、各リーダライタにおいて、読み書きが成功するまで、実施の形態1の
図6に示した交信処理を実行すればよい。この場合の
図6のステップS66における「所定時間」は、実施の形態1での「所定時間」よりも長い時間であってよい。
【0126】
実施の形態3の交信処理をワンスモードで実行する場合、実施の形態1の
図6で示した交信処理を実行すればよい。
【0127】
<変形例2>
また、実施の形態1〜3を適宜組み合わせてもよい。
【0128】
たとえば、実施の形態1対応のプログラムと実施の形態3対応のプログラムがマスタ10の記憶部36に記憶されている場合、マスタ10は、上位機器1からのコマンドの種類に応じて、いずれか一方のプログラムを実行するようにしてもよい。コマンドの種類が「広領域リードコマンド」の場合、実施の形態1対応のプログラムを実行し、コマンドの種類が「大容量リードコマンド」の場合、実施の形態3対応のプログラムを実行するようにすればよい。
【0129】
<変形例3>
または、各実施の形態では、交信装置の機能をマスタとスレーブとで完全に切り分けて説明したが、システムには、両方の機能を兼ね備えた交信装置が含まれてもよい。つまり、交信装置は、マスタとして機能する第1のモードと、スレーブとして機能する第2のモードとのいずれかで動作できてもよい。その場合、交信装置の記憶部36には、マスタ10として機能するためのプログラムと、スレーブ20として機能するためのプログラムとが格納されている。また、交信装置には、動作モードを設定するための設定部(図示せず)が備えられる。
【0130】
設定部としては、たとえば、ディップスイッチ、または、ロータリスイッチであってよい。この場合、設定部は、たとえば、装置に備えられた操作部(図示せず)からの操作信号に応じてモードが切り替えられる。
【0131】
あるいは、設定部は、動作モードを示す設定値が記憶される所定の記憶領域であってもよい。この記憶領域は、交信装置の外部から読み書き可能なメモリ内に含まれる。当該メモリは、記憶部36であってもよいし、別の記録媒体であってもよい。
【0132】
なお、上記各実施の形態および各変形例に対応する、各交信装置の処理をプログラム(交信プログラム)として提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROMなどの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体にて記録させて提供することができる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0133】
交信装置は、たとえば、上位機器1より入出力I/F35を介してプログラムを取得することができる。また、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを、図示しないドライブ装置によって読み出すことによって取得することができる。交信装置は、プログラムを取得すると、記憶部36に格納されたプログラムをアップデートすることもできる。
【0134】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。