(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開閉制御部は、前記第1ブロー弁及び前記第2ブロー弁の開閉状態を、双方のブロー弁が閉状態にある第1開閉状態、いずれか一方のブロー弁が開状態にある第2開閉状態、及び双方のブロー弁が開状態にある第3開閉状態のいずれかの開閉状態に制御するとともに、
前記第1開閉状態に制御している状態で前記差分量が正の値である場合には、前記開閉状態を前記第2開閉状態に制御し、
前記第1開閉状態に制御している状態で前記差分量が負の値である場合には、前記開閉状態を前記第1開閉状態のまま維持し、
前記第2開閉状態に制御している状態で前記差分量が正の値である場合には、前記開閉状態を前記第3開閉状態に制御し、
前記第2開閉状態に制御している状態で前記差分量が負の値である場合には、前記開閉状態を前記第1開閉状態に制御し、
前記第3開閉状態に制御している状態で前記差分量が負の値である場合には、前記開閉状態を前記第2開閉状態に制御し、
前記第3開閉状態に制御している状態で前記差分量が正の値である場合には、前記開閉状態を前記第3開閉状態のまま維持する、
請求項1に記載のボイラシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ボイラといえば、従来は燃焼率を段階的に変更して燃焼可能な段階値制御方式のボイラが広く用いられていたが、近年では、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御方式のボイラも普及し始めている。
なお、段階値制御方式のボイラとは、複数段階の燃焼位置で燃焼するN位置ボイラ(例えば、燃焼停止、低燃焼、高燃焼等の3位置ボイラ)をいい、このような段階値制御方式のボイラでは、燃焼率が段階的(例えば、50%毎)に変更される。他方、比例制御方式のボイラとは、例えば、燃焼率を1%刻みで変更可能なボイラをいい、段階値制御方式のボイラに比べ細かな調整が可能であり、圧力安定性が向上する。
【0006】
ところで、熱回収、防食、圧力安定性等の観点から、濃縮ブロー量は、燃焼率に対して常時一定の割合になるよう制御されることが望ましい。この点、特許文献1では、段階値制御方式のボイラを対象にした濃縮ブロー方法が開示されており、比例制御ボイラに適用するには必ずしも適切ではない。即ち、比例制御ボイラでは、燃焼率が刻々と変化するため、変化する燃焼率に応じて適切に濃縮ブロー量を制御するための更なる工夫が求められる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、比例制御方式のボイラにおいて刻々と変化する燃焼率に対しても適切な濃縮ブローが可能なボイラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能なボイラと、前記ボイラを制御する制御部と、を備え、前記ボイラの濃縮ブローを行うボイラシステムであって、前記濃縮ブローを行うための濃縮ブローラインとして、第1ブロー弁を有する第1分岐ラインと、第2ブロー弁を有し、前記第1分岐ラインと並列に設置された第2分岐ラインと、を備え、前記制御部は、前記ボイラの燃焼率に応じたブロー量に差分量を加算することで目標ブロー量を算出するターゲット算出部と、前記第1ブロー弁及び前記第2ブロー弁から排出される実ブロー量を算出する実ブロー量算出部と、前記目標ブロー量から前記実ブロー量を減算した差分量を算出する差分算出部と、前記差分量に基づいて前記第1ブロー弁及び前記第2ブロー弁の開閉状態を制御する開閉制御部と、を備え、前記開閉制御部は、前記差分量が正の値である場合には閉状態にある前記第1ブロー弁又は前記第2ブロー弁を開状態にするとともに、前記差分量が負の値である場合には開状態にある前記第1ブロー弁又は前記第2ブロー弁を閉状態にするボイラシステムに関する。
【0009】
また、前記開閉制御部は、前記第1ブロー弁及び前記第2ブロー弁の開閉状態を、双方のブロー弁が閉状態にある第1開閉状態、いずれか一方のブロー弁が開状態にある第2開閉状態、及び双方のブロー弁が開状態にある第3開閉状態のいずれかの開閉状態に制御するとともに、前記第1開閉状態に制御している状態で前記差分量が正の値である場合には、前記開閉状態を前記第2開閉状態に制御し、前記第1開閉状態に制御している状態で前記差分量が負の値である場合には、前記開閉状態を前記第1開閉状態のまま維持し、前記第2開閉状態に制御している状態で前記差分量が正の値である場合には、前記開閉状態を前記第3開閉状態に制御し、前記第2開閉状態に制御している状態で前記差分量が負の値である場合には、前記開閉状態を前記第1開閉状態に制御し、前記第3開閉状態に制御している状態で前記差分量が負の値である場合には、前記開閉状態を前記第2開閉状態に制御し、前記第3開閉状態に制御している状態で前記差分量が正の値である場合には、前記開閉状態を前記第3開閉状態のまま維持することが好ましい。
【0010】
また、前記開閉制御部は、前記ボイラの燃焼率が一定燃焼率以下である場合には、前記差分量に関わらず前記開閉状態を前記第3開閉状態としないことが好ましい。
【0011】
また、前記第1ブロー弁により排出されるブロー量は、前記第2ブロー弁により排出されるブロー量よりも少なく、前記開閉制御部は、前記第2開閉状態として、前記第1ブロー弁を開状態とし、前記第2ブロー弁を閉状態とすることが好ましい。
【0012】
また、前記第1ブロー弁及び前記第2ブロー弁には開閉状態を切り替える周期についての制限が設けられており、前記開閉制御部は、前記制限された周期を超える周期で、前記第1ブロー弁及び前記第2ブロー弁の開閉状態の制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、比例制御方式のボイラにおいて刻々と変化する燃焼率に対しても適切な濃縮ブローが可能なボイラシステムを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るボイラについて説明する。
図1は、本実施形態に係るボイラシステム100の構成を概略的に示す模式図である。
図1に示すように、ボイラシステム100は、ボイラ1と制御装置40とを含んで構成される。ボイラ1は、缶体2、送風機3、ダクト4、排気筒5、セパレータ6、濃縮ブローライン10、給水ライン20、熱交換器30を備えている。
【0016】
ボイラ1では、送風機3から燃焼用空気が供給され、ダクト4において混合される燃料ガスと燃焼用空気が缶体2内で燃焼して缶体2内の上部ヘッダーと下部ヘッダーとを連結する多数の水管を加熱する。燃焼後の排気ガスは、排気筒5から外部へ排出される。セパレータ6は、蒸気取出ライン7によって上部ヘッダーと接続され、降水管8によって下部ヘッダーと接続されており、主蒸気弁9を開くことでセパレータ6から蒸気が取り出される。
【0017】
濃縮ブローライン10は降水管8に接続されており、濃縮ブロー時には濃縮水が濃縮ブローライン10を介して外部に排出される。濃縮ブローライン10は、並列に分岐した第1分岐ライン11、第2分岐ライン15を備えている。第1分岐ライン11には、第1ブロー電磁弁12と、第1オリフィス13が設置され、第2分岐ライン15には、第2ブロー電磁弁16と、第2オリフィス17が設置されている。
【0018】
ここで、第1及び第2分岐ライン11,15を構成する配管サイズは同じであるが、第1オリフィス13と第2オリフィス17のオリフィス径は異なっており、第1分岐ライン11と第2分岐ライン15の各瞬間ブロー量(単位時間当たりのブロー量)が異なっている。本実施形態では、第1分岐ライン11と第2分岐ライン15の瞬間ブロー量の比率が、2:3となるように構成されている。即ち、第1、第2ブロー電磁弁12,16を全開とした状態で濃縮ブローライン10に流れる全体の瞬間ブロー量を1としたとき、第1分岐ライン11の瞬間ブロー量は5分の2、第2分岐ライン15の瞬間ブロー量は5分の3となる。より具体的には、第1分岐ライン11の瞬間ブロー量は0.0667kg/sであり、第2分岐ライン15の瞬間ブロー量は0.1kg/sである。
【0019】
なお、第1分岐ライン11の瞬間ブロー量は、第1ブロー電磁弁12を開きっぱなしにしたときの濃縮ブロー率(給水量に対するブロー水量の比率)が8%となるように設定され、第2分岐ライン15の瞬間ブロー量は、第2ブロー電磁弁16を開きっぱなしにしたときの濃縮ブロー率が12%となるように設定されている。なお、本明細書において予め設定される濃縮ブロー率とは、燃焼率100%を基準にした値である。したがって、燃焼率50%である場合には、第1ブロー電磁弁12を開きっぱなしにしたときの瞬間的な濃縮ブロー率は16%となり、第2ブロー電磁弁16を開きっぱなしにしたときの瞬間的な濃縮ブロー率は24%となる。
【0020】
給水ライン20は、下部ヘッダーに接続されており、缶体2側から順に、逆止弁21、給水バルブ22、流量計23、給水ポンプ24を備えている。給水バルブ22は、モータバルブであり、本実施形態では、連続的に給水量を可変する連続給水が行われる。
【0021】
濃縮ブローライン10及び給水ライン20は、熱交換器30を経由しており、濃縮ブローライン10を流れるブロー水と、給水ライン20を流れる給水との間で熱交換が行われる。
【0022】
ここで、本実施形態に係るボイラ1は、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態(例えば、燃焼率20%)から最大燃焼状態(例えば、燃焼率100%)の範囲で、燃焼率が連続的に制御可能とされているボイラである。なお、燃焼率を連続的に変更するとは、燃焼率が1%刻みで制御される場合であっても、事実上連続的に変更することに含まれる。
【0023】
制御装置40は、制御部及び記憶部を備える装置であり、主蒸気弁9、第1ブロー電磁弁12、第2ブロー電磁弁16、給水バルブ22及び給水ポンプ24と接続され、これらの弁の開閉やポンプ動作を制御する。
【0024】
また、制御装置40は、ブロー電磁弁の開閉を制御することで、所定周期の1インターバルの濃縮ブロー率(給水量に対するブロー量の比率)が予め設定された所望の濃縮ブロー率となるようにブロー量を調整する。
なお、1インターバルとは、燃焼率100%換算における10分間をいう。即ち、ボイラ1が燃焼率100%で燃焼している場合の1インターバルは10分間であり、ボイラ1が燃焼率50%で燃焼している場合の1インターバルは20分間である。本実施形態におけるボイラ1は、燃焼率を刻々と変更するため、1インターバルに相当する時間も変化することになる。
【0025】
また、所望の濃縮ブロー率は、給水の成分等、ボイラ1の設置環境に応じて設定され、ボイラ1の設置にあたって一旦設定されれば、大きな環境変動が無い限りそのまま運用される。本実施形態では、一例として、濃縮ブロー率を10%と設定している。ボイラ1が3tボイラである場合、1インターバル当たりの濃縮ブロー率10%とは、ブロー量50kgに相当する(3000kg/h×10%×10/60=50kg)。
【0026】
以上、ボイラシステム100の構成について説明した。続いて、ボイラ1における濃縮ブロー時の制御態様について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、制御装置40の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置40は、ターゲット算出部41と、実ブロー量算出部42と、差分算出部43と、開閉制御部44と、を含んで構成される。
【0027】
濃縮ブローのために必要なボイラ水のブロー量は、ボイラ1の燃焼率に応じて異なる。この点、本実施形態では、ボイラ1を比例制御ボイラにより構成することとしているため、ボイラ1の燃焼量は刻々と変更され、濃縮ブローのために必要なブロー量(以下、「目標ブロー量」と呼ぶことがある)も刻々と変化する。
そこで、ターゲット算出部41は、ボイラ1の燃焼率に応じた目標ブロー量を算出する。なお、比例制御ボイラでは、ボイラ1の燃焼率をリアルタイムに変更するものの、濃縮ブローのための第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉を燃焼率の変更に併せてリアルタイムで行うと、開閉動作が頻繁に起こりブロー電磁弁が早急に破損してしまう。そのため、第1、第2ブロー電磁弁12,16には開閉状態を切り替える周期(例えば、60秒)を設けることとしている。そこで、ターゲット算出部41は、この切替周期毎にボイラ1の燃焼率に応じた目標ブロー量を算出する。
【0028】
ターゲット算出部41が算出した目標ブロー量分のボイラ水が、第1及び第2分岐ライン11,15から排出されることになる。ここで、第1及び第2分岐ライン11,15のブロー量は固定的に設定されている一方、燃焼率が連続的に変更するボイラ1の目標ブロー量はタイミングに応じて都度異なる。そのため、第1及び第2分岐ライン11,15の実際のブロー量(以下、「実ブロー量」と呼ぶことがある)は、目標ブロー量に対して過剰又は過少になることがある。
そこで、ターゲット算出部41は、ボイラ1の燃焼率に応じたブロー量に、過剰又は過少分のブロー量(以下、「差分量」と呼ぶことがある)を加算し、目標ブロー量を算出する。即ち、1インターバルの開始時は、差分量が0であるため、ボイラ1の燃焼率に応じたブロー量がそのまま目標ブロー量となる。一方、その後は実ブロー量が過剰又は過少になることがあるため、ボイラ1の燃焼率に応じたブロー量に差分量を加算した値が目標ブロー量となる。
【0029】
実ブロー量算出部42は、第1及び第2分岐ライン11,15から排出される実ブロー量(即ち、第1、第2ブロー電磁弁12,16から排出される実ブロー量)を、切替周期毎に算出する。第1及び第2分岐ライン11,15の瞬間ブロー量は夫々予め設定されているため、実ブロー量算出部42は、第1、第2ブロー電磁弁12,16が開放されていた時間に応じて実ブロー量を算出することができる。
【0030】
差分算出部43は、目標ブロー量から実ブロー量を減算し、差分量を算出する。差分算出部43が算出した差分量は、後述する第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉制御、及び上述のように目標ブロー量の算出に用いられる。
【0031】
開閉制御部44は、算出した差分量に基づいて第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態を制御する。ここで、開閉制御部44は、基本的には、差分量が正(目標ブロー量>実ブロー量)である場合には、閉状態にある第1、第2ブロー電磁弁12,16を開状態にし、差分量が負(目標ブロー量<実ブロー量)である場合には、開状態にある第1、第2ブロー電磁弁12,16を閉状態にする。このとき、開閉制御部44は、瞬間ブロー量の少ない第1ブロー電磁弁12を優先的に開放することで、実ブロー量を略一定に抑えることとしている。
【0032】
開閉制御部44の開閉制御の詳細について、
図3を参照して説明する。
図3は、差分量と第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態との関係を示す説明図である。
2つのブロー弁を有するボイラ1では、第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態は、第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方が閉状態にある第1開閉状態、第1、第2ブロー電磁弁12,16のうちのいずれかが開状態にあり他方が閉状態にある第2開閉状態、第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方が開状態にある第3開閉状態の3つの態様が考えられる。なお、上述のように本実施形態では、第1ブロー電磁弁12を優先的に開放するため、本実施形態における第2開閉状態とは第1ブロー電磁弁12が開状態にあり、第2ブロー電磁弁16が閉状態にある開閉状態である。
【0033】
図3(1)を参照して、第1開閉状態(双方が閉)にある状態で、差分量が正になると、開閉制御部44は、第1ブロー電磁弁12を開状態にするとともに、第2ブロー電磁弁16を閉状態のまま維持する。これにより、第1開閉状態から第2開閉状態(一方が開、他方が閉)になる。
これに対して、第1開閉状態(双方が閉)にある状態で、差分量が負になると、開閉制御部44は、第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方を閉状態のまま維持、即ち第1開閉状態のまま維持する。
【0034】
図3(2)を参照して、第2開閉状態(一方が開、他方が閉)にある状態で、差分量が正になると、開閉制御部44は、第1ブロー電磁弁12を開状態のまま維持するとともに、第2ブロー電磁弁16を開状態にする。これにより、第2開閉状態から第3開閉状態(双方が開)になる。
これに対して、第2開閉状態(一方が開、他方が閉)にある状態で、差分量が負になると、開閉制御部44は、第1ブロー電磁弁12を閉状態にするとともに、第2ブロー電磁弁16を閉状態のまま維持する。これにより、第2開閉状態から第1開閉状態(双方が閉)になる。
【0035】
図3(3)を参照して、第3開閉状態(双方が開)にある状態で、差分量が正になると、開閉制御部44は、第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方を開状態のまま維持、即ち第3開閉状態のまま維持する。
これに対して、第3開閉状態(双方が開)にある状態で、差分量が負になると、開閉制御部44は、第1ブロー電磁弁12を開状態のまま維持するとともに、第2ブロー電磁弁16を閉状態にする。これにより、第3開閉状態から第2開閉状態(一方が開、他方が閉)になる。
【0036】
このような態様により、開閉制御部44は、差分量に基づいて第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態を制御する。
ところで、差分量に基づく開閉制御では、ボイラ1の燃焼率が低い場合であっても、第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方が開放されてしまうことがある。ここで、ボイラ1の燃焼率が低い場合、ボイラ1から発生する蒸気量も少ないため、本来であれば実ブロー量は少なく抑えることが好ましい。即ち、蒸気量と実ブロー量とは一定の関係に収まることが好ましいものの、ボイラ1の燃焼率が低いにも関わらず第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方が開放されると、蒸気量に対して実ブロー量が過剰になってしまう。そこで、開閉制御部44は、ボイラ1の燃焼率が所定値以下である場合には、第2ブロー電磁弁16を閉状態のまま維持し開状態にしないこととしてもよい。これにより、蒸気量と実ブロー量とを一定の関係に収めることができる。なお、第2ブロー電磁弁16の開放を制限する所定値以下の燃焼率は、第1及び第2分岐ライン11,15の濃縮ブロー率やボイラ1に設定された濃縮ブロー率に応じて任意に設定することができるが、本実施形態では、一例として30%と設定している。即ち、本実施形態では、ボイラ1の燃焼率が30%以下である場合には、第2ブロー電磁弁16が開放されることがない。
【0037】
以上説明した制御装置40による濃縮ブローの一例を
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、比較例における濃縮ブローの説明図であり、
図5は、本発明のボイラシステム100における濃縮ブローの説明図である。なお、
図4に示す比較例では、ボイラ1の燃焼率に応じて第1、第2ブロー電磁弁12,16を開閉することとしている。より具体的には、ボイラ1の燃焼率が50%になるまでは第1ブロー電磁弁12のみを開放し続け、ボイラ1の燃焼率が50%以上になると第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方を解放し続ける場合の濃縮ブローを示している。
【0038】
また、
図4及び
図5では、1インターバルに85kgのボイラ水をブローすることとしている。
図4及び
図5において、グラフ111は、ボイラ1の燃焼率を示し、グラフ112は、目標ブロー量を示す。ボイラ1の燃焼率が刻々と変化するため、燃焼率100%換算における10分間(インターバル)は、
図4及び
図5に示すように時間T1に相当する。
図4及び
図5では、1インターバル間に85kgのボイラ水をブローするグラフ、即ち時間T0における目標ブロー量85kgから順次減算していき、目標ブロー量0kgになるグラフを示している。
【0039】
図4を参照して、グラフ113は、比較例における第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態を示し、グラフ114は、比較例における実ブロー量を示す。
比較例のようにボイラ1の燃焼率に応じて第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態を制御すると、時間T2の時点で実ブロー量の総量が目標ブロー量の総量である85kgに到達する。このため、比較例では、時間T2から時間T1の間はボイラ水のブローを行わない。
【0040】
図5を参照して、グラフ115は、本発明のボイラシステム100における第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態を示し、グラフ116は、本発明のボイラシステム100における実ブロー量を示す。
本発明のボイラシステム100のように差分量の正負に応じて第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態を制御すると、グラフ112,116に示すように実ブロー量を目標ブロー量に追従させることができる。即ち、実ブロー量(グラフ116)が目標ブロー量(グラフ112)よりも上方にある場合には、第1、第2ブロー電磁弁12,16が開放され実ブロー量が多くなり、実ブロー量(グラフ116)が目標ブロー量(グラフ112)よりも下方にある場合には、第1、第2ブロー電磁弁12,16が閉鎖され実ブロー量が少なくなる。これにより、実ブロー量を目標ブロー量に追従させることができる。その結果、実ブロー量の総量が目標ブロー量の総量である85kgに到達するタイミングが、時間T1に近傍の時間T3になる。即ち、比較例において時間T2の時点で早々に終了していた濃縮ブローを、時間T3まで継続して行うことができる。これにより、目標ブロー量への追従性が高まり、ボイラ1から発生する蒸気量と実ブロー量との関係を一定に収めることができる。
【0041】
以上説明した本実施形態のボイラシステム100によれば、以下のような効果を奏する。
【0042】
(1)本実施形態のボイラシステム100においては、制御装置40は、比例制御ボイラにおいて連続的に変更する燃焼率に併せて刻々と変化する目標ブロー量をボイラ1から排出する実ブロー量で減算することで差分量を算出する。この差分量は、実ブロー量が目標ブロー量に対して過剰又は過少であることを示しており、制御装置40は、燃焼率に応じたブロー量に過剰又は過少を示す差分量を加算することで、次回以降の目標ブロー量の算出を算出する。このように算出された次回以降の目標ブロー量から実ブロー量を減算することで、前回において過剰又は過少であった分も加味して実ブロー量を制御することができる。
また、制御装置40は、差分量が正である場合に閉状態にある第1、第2ブロー電磁弁12,16を開放し、差分量が負である場合に開状態にある第1、第2ブロー電磁弁12,16を閉鎖する。これにより、実ブロー量が目標ブロー量に対して過少である場合に第1、第2ブロー電磁弁12,16が開放され、実ブロー量が増加するため、次回ブローにおいて前回の過少分も合わせて濃縮ブローを行うことができる。同様に、実ブロー量が目標ブロー量に対して過剰である場合に第1、第2ブロー電磁弁12,16が閉鎖され、実ブロー量が減少するため、次回ブローにおいて前回の過剰分を加味して濃縮ブローを行うことができる。よって、ボイラシステム100によれば、ボイラ1から排出する実ブロー量を、比例制御ボイラにおいて連続的に変更する燃焼率に併せて刻々と変化する目標ブロー量に追従させることができる。
【0043】
(2)また、第1、第2ブロー電磁弁12,16という2つのブロー弁を有するボイラ1では、第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態は、双方が閉状態にある第1開閉状態、いずれかが開状態にあり他方が閉状態にある第2開閉状態、双方が開状態にある第3開閉状態の3つの態様が考えられる。制御装置40は、第1開閉状態にある状態で差分量が正の値である場合、開閉状態を第2開閉状態に制御し、第1開閉状態にある状態で差分量が負の値である場合、開閉状態を第1開閉状態のまま維持し、第2開閉状態にある状態で差分量が正の値である場合、開閉状態を第3開閉状態に制御し、第2開閉状態にある状態で差分量が負の値である場合、開閉状態を第1開閉状態に制御し、第3開閉状態にある状態で差分量が負の値である場合、開閉状態を第2開閉状態に制御し、第3開閉状態にある状態で差分量が正の値である場合、開閉状態を第3開閉状態のまま維持する。これにより、第1開閉状態(双方が閉)と第3開閉状態(双方が開)との間に必ず第2開閉状態(一方が開、他方が閉)が介在することになり、実ブロー量が急激に変化することを防止できる。
【0044】
(3)また、制御装置40は、ボイラ1の燃焼率が一定燃焼率(例えば、30%)以下である場合には、開閉状態を第3開閉状態にすることがない(即ち第2ブロー電磁弁16を開状態にすることがない)。これにより、ボイラ1の燃焼率が低く、ボイラ1から発生する蒸気量が低いにもかかわらず、第1、第2ブロー電磁弁12,16の双方が開放されてしまうことを防止できる。その結果、ボイラ1から発生する蒸気量と実ブロー量とを一定の関係に収めることができる。
【0045】
(4)また、第1ブロー電磁弁12が開放された場合の瞬間ブロー量と、第2ブロー電磁弁16が開放された場合の瞬間ブロー量とでは、第2ブロー電磁弁16が開放された場合の瞬間ブロー量の方が多く、制御装置40は、瞬間ブロー量の少ない第1ブロー電磁弁12から優先して開状態に制御する。これにより、実ブロー量の増減を抑えることができ、実ブロー量を略一定に抑えることができる。
【0046】
(5)また、第1、第2ブロー電磁弁12,16には、開閉状態を切り替える切替周期(例えば、60秒)が設けられており、制御装置40は、この切替周期を超える周期で、第1、第2ブロー電磁弁12,16の開閉状態の制御を行う。これにより、リアルタイムに変更する比例制御ボイラの燃焼率に対して、開閉動作が起こるタイミングを調整することができ、第1、第2ブロー電磁弁12,16の頻繁な開閉動作を防止し、第1、第2ブロー電磁弁12,16の耐久性を向上させることができる。
【0047】
以上、本発明のボイラシステム100の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では1台のボイラ1を備えるボイラシステム100について説明したが、本発明に特有の濃縮ブローは、複数のボイラ1を備えるボイラシステムに対して適用することとしてもよい。