(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記電池パック用ヒューズは、前記蓋部材が閉塞されている状態で前記蓋部材と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項5のうちいずれか1項に記載の車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  ところで、溶断したメインヒューズは交換する必要があるため、メインヒューズの交換を容易にすることが望まれている。
  本発明の目的は、電池ユニットに直列接続された電池パック用ヒューズを交換しやすい電池パック
及び電池パックが収容される収容部を有する車両を提供することにある。
 
【課題を解決するための手段】
【0005】
  上記課題を解決する電池パックは、電池セルと前記電池セルに直列接続された組電池用ヒューズとを有する組電池を複数接続した電池ユニットと、前記電池ユニットと直列接続されるとともに、前記電池ユニットに定格以上の電流が流れると前記組電池用ヒューズよりも早く溶断するように定数が設定された電池パック用ヒューズと、を備え、車両に搭載される電池パックであって、前記電池パック用ヒューズは、前記電池ユニットよりも鉛直方向上側に設けられ、前記
複数の組電池の各々は、前記組電池の一端に設けられた前記電池セルの接続端子に前記組電池用ヒューズが接続された状態で積層配置されていることを要旨とする。
【0006】
  これによれば、電池ユニットに定格以上の電流が流れると、電池パック用ヒューズは、組電池用ヒューズよりも早く溶断するため、交換頻度が多い。例えば、電池パック用ヒューズが電池ユニットよりも鉛直方向下側に設けられる場合、ユーザーは、電池パック用ヒューズの交換を行うときに、かがんで交換作業を行う必要がある。一方、電池パック用ヒューズが電池ユニットよりも鉛直方向上側に設けられている場合、ユーザーは、かがんで交換作業を行う必要がない、あるいは、かがんで交換作業をする必要があったとしても作業が容易となる。このため、交換頻度の多い電池パック用ヒューズを交換しやすい。
【0007】
  上記課題を解決する電池パックは、電池セルと前記電池セルに直列接続された組電池用ヒューズとを有する組電池を複数接続した電池ユニットと、前記電池ユニットと直列接続されるとともに、前記電池ユニットに定格以上の電流が流れると前記組電池用ヒューズよりも早く溶断するように定数が設定された電池パック用ヒューズと、前記電池ユニットを収容するケースと、を備え、車両に搭載される電池パックであって、前記電池パック用ヒューズは、前記ケースの外部に設けられ、前記
複数の組電池の各々は、前記組電池の一端に設けられた前記電池セルの接続端子に前記組電池用ヒューズが接続された状態で積層配置されていることを要旨とする。
【0008】
  これによれば、電池パック用ヒューズは、ケースの外部に設けられる。電池パック用ヒューズがケースの内部に設けられている場合には、電池パック用ヒューズの交換作業を行うときに、ケースの一部を取り外したり、ケースの内部の限られた空間内で作業を行う必要があり、交換作業を行いにくい。電池パック用ヒューズをケースの外部に設けることで、ケースの一部を取り外したり、ケースの内部の限られた空間内で作業を行う必要がなく、電池パック用ヒューズの交換作業を行いやすい。
【0009】
  上記電池パック
が収容される収容部を有する車両であって、前記収容部は、該収容部を閉塞する開閉可能な蓋部材を有し、該蓋部材は、前記車両の座席の下に設けられ、前記電池パックは、前記座席の鉛直方向下側に配置されることが好ましい。
【0010】
  これによれば、座席を開放すると、電池用パックヒューズを交換することができるため、電池パック用ヒューズの交換作業が行いやすい。
  上記電池パック
が収容される収容部を有する車両であって、前記収容部は、前記車両の車幅方向に開閉可能な蓋部材を有することが好ましい。
【0011】
  これによれば、蓋部材が車幅方向に開閉されるため、蓋部材の開閉を行いやすく、電池パック用ヒューズの交換作業が行いやすい。
  上記
車両について、前記電池パック用ヒューズは、前記蓋部材寄りに設けられていることが好ましい。
【0012】
  これによれば、蓋部材を開放したときに、電池パック用ヒューズが蓋部材寄りに設けられているため、電池パックの全体を収容部から取り出すことなく電池パック用ヒューズの交換作業を行うことができる。
【0013】
  上記
車両について、前記電池パック用ヒューズは、前記蓋部材が閉塞されている状態で前記蓋部材と対向する位置に設けられていることが好ましい。
  これによれば、蓋部材を開放すると、電池パック用ヒューズの交換作業を行うことができ、電池パック用ヒューズを交換しやすい。
【0014】
  上記電池パックについて、前記電池ユニットは、前記組電池を積層配置してなることが好ましい。
  これによれば、組電池を積層配置して電池ユニットを構成する場合、積層方向下側(鉛直方向下側)に設けられた組電池の組電池用ヒューズを交換するためには、積層方向上側に設けられた組電池を取り外して作業する必要がある。このため、組電池用ヒューズよりも先に溶断する電池パック用ヒューズを交換作業しやすい位置に設けることで、積層方向上側に設けられた組電池を取り外して作業を行う頻度が少なくなる。
 
【発明の効果】
【0015】
  本発明によれば、電池ユニットに直列接続された電池パック用ヒューズを交換しやすい。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0017】
  (第1の実施形態)
  以下、車両に搭載される電池パックの第1の実施形態について説明する。以下の説明において「前」「後」「左」「右」「上」「下」は、フォークリフト(車両)の運転者がフォークリフトの前方を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「左」「右」「上」「下」を示すものとする。
 
【0018】
  図1及び
図2に示すように、フォークリフト10の車体11の前下部には駆動輪12が設けられているとともに、車体11の後下部には操舵輪13が設けられている。また、車体11の前部には、荷役装置が設けられている。荷役装置を構成するマスト14は、車体11の前部に立設されているとともに、当該マスト14にはリフトブラケット15を介して左右一対のフォーク16が設けられている。フォーク16には、積荷19が搭載される。本実施形態のフォークリフト10は、フォーク16に搭載される積荷19を搬送する搬送用の産業車両である。車体11には、駆動輪12の駆動源となる走行用モータM1と、フォーク16の駆動源となる荷役用モータM2が搭載されている。車体11の中央には、開閉可能なバッテリフード17(蓋部材)が設けられるとともに、バッテリフード17上には、座席18が設けられている。座席18の下方には、電池パック20を収容する収容部21が設けられるとともに、収容部21には電池パック20が収容されている。
 
【0019】
  図3(a)に示すように、電池パック20は、四角箱状のケース22に電池ユニット23が収容されている。ケース22は、L字状をなすウェイト25を有している。ウェイト25は、矩形板状をなす底部27と、底部27の一辺(縁部)から底部27の厚み方向に立設された矩形板状の壁部28を有している。底部27において、壁部28が設けられた縁部とは反対側の縁部の角には、底部27の厚み方向に向けて延びる柱部材29が設けられている。壁部28と、柱部材29は、矩形板状の天板30を支持している。天板30は、厚み方向に切り欠かれた切欠部31を2箇所に有している。そして、天板30、柱部材29及びウェイト25によって囲まれた各開口部が、矩形板状の板部材32によって閉塞されることでケース22が構成されている。底部27及び壁部28は、板部材32よりも厚い。
 
【0020】
  壁部28には、組電池40が固定されている。本実施形態では、組電池40を3個積層配置した電池列が、2組設けられている。そして、6個の組電池40によって電池ユニット23が構成されている。
 
【0021】
  図4に示すように、各組電池40は、電池ホルダ41に保持された電池セル42(例えば、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素蓄電池、鉛蓄電池などの二次電池)を複数有している。複数の電池セル42は、並設されるとともに、電池セル42の並設方向の両端に設けられたエンドプレート43によって挟み込まれている。各エンドプレート43には、ブラケット44が固定されている。このブラケット44は、壁部28に固定されている。なお、図示は省略するが、各組電池40には、各組電池40の状態を監視するための電池ECUや、各組電池40の充放電を寄与する電子部品(例えば、リレーなど)が実装された基板などが設けられている。
 
【0022】
  各電池セル42は、電池セル42の並設方向に隣り合う接続端子の極性が異なる極性となるように(正負の接続端子が隣り合うように)配置されている。そして、電池セル42は、隣り合う電池セル42の接続端子がバスバー46で接続されることで直列接続されている。組電池40の一端に設けられた電池セル42の接続端子(組電池40の負極)には、組電池用ヒューズF1を介して負極用ケーブル51が接続されている。組電池40の他端に設けられた電池セル42の接続端子(組電池40の正極)には、正極用ケーブル52が接続されている。
 
【0023】
  図3(a)及び(b)に示すように、各組電池40に接続されたケーブル51,52は、天板30上に設けられた二つの端子台53,58に接続されている。第1の端子台53は、絶縁性の基台54上に金属板55が設けられている。金属板55には、各組電池40に接続された負極用ケーブル51が固定されている。また、金属板55には、負荷(モータM1,M2)に接続される接続用ケーブル56が固定されている。
 
【0024】
  第2の端子台58は、絶縁性の基台59上に、二つの金属板61,62が設けられている。各金属板61,62は、電池パック用ヒューズF2によって電気的に接続されている。金属板61には、各組電池40に接続された正極用ケーブル52が固定されている。金属板62には、負荷(モータM1,M2)に接続される接続用ケーブル63が固定されている。電池パック用ヒューズF2は、天板30上に設けられることで、ケース22の外部に設けられている。
 
【0025】
  上記のように構成された電池パック20は、底部27が鉛直方向下側となり、天板30が鉛直方向上側となるようにフォークリフト10の収容部21に収容される。これにより、電池パック用ヒューズF2は、電池ユニット23よりも鉛直方向上側に配置される。また、電池パック20は、積荷19と釣り合いをとるために、重心が後となるように、すなわち、壁部28がフォークリフト10の後方を向くように収容される。また、電池パック用ヒューズF2は、バッテリフード17が閉塞されている状態でバッテリフード17と対向する位置(バッテリフード17が閉塞されている状態で、バッテリフード17と対向する面上)に設けられている。
 
【0026】
  次に、電池パック20の電気的な構成について説明する。
  
図5に示すように、各組電池40は、複数の電池セル42(
図5では1個のみ図示)に組電池用ヒューズF1が直列接続されている。組電池用ヒューズF1は、電池セル42の内部短絡時に溶断するヒューズである。6個の組電池40は並列接続されている。これにより、組電池40を並列接続した電池ユニット23が構成されている。電池ユニット23には、負荷(モータM1,M2)が接続されるとともに、電池ユニット23と負荷との間には、電池パック用ヒューズF2が設けられている。電池パック用ヒューズF2は、電池ユニット23に直列接続されている。電池パック用ヒューズF2は、負荷が短絡したときに(外部短絡時に)溶断するヒューズである。
 
【0027】
  本実施形態では、負荷が短絡したときに、電池パック用ヒューズF2が各組電池用ヒューズF1よりも先に溶断するようにヒューズの定数を設定している。電池パック用ヒューズF2に流れる電流は、各組電池40に流れる電流の総和(各組電池40の抵抗値が同一だとすると、1つの組電池40に流れる電流の6倍)である。各組電池用ヒューズF1の溶断電流(定数)として、各組電池40の定格電流+マージンを設定した場合には、電池パック用ヒューズF2として電池ユニット23の定格電流より大きく、組電池用ヒューズF1の溶断電流の6倍より小さい溶断電流(定数)を設定すればよい。ヒューズの定数は、ヒューズのエレメント部分の太さ、長さ、材料や、エレメントの放熱性などを調整することで設定することができる。
 
【0028】
  次に、本実施形態の電池パック20の作用について説明する。
  負荷が短絡し、電池ユニット23に定格以上の電流(溶断電流)が流れると、電池パック用ヒューズF2が溶断する。電池パック用ヒューズF2は、組電池用ヒューズF1よりも早く溶断して、電気的な接続を遮断するため、負荷の短絡時、組電池用ヒューズF1が溶断しにくい。したがって、電池パック用ヒューズF2の交換頻度は、組電池用ヒューズF1よりも多い。
 
【0029】
  電池パック用ヒューズF2が溶断すると、ユーザーは、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行う。ユーザーは、フォークリフト10から電池パック20を取り外し、電池パック用ヒューズF2を交換する。電池パック20の高さは、一般的に、ユーザーの腰の高さ程度であるため、電池パック用ヒューズF2が鉛直方向下側に設けられているほど、かがんで作業する必要があり、交換作業が行いにくい。本実施形態では、電池パック用ヒューズF2が電池ユニット23よりも鉛直方向上側に設けられているため、電池パック用ヒューズF2を交換しやすい。特に、本実施形態では、ケース22の外部であり、かつ、バッテリフード17と対向する位置に電池パック用ヒューズF2を設けているため、バッテリフード17を開放すると、電池パック用ヒューズF2が車体11の外部に露出する。このため、収容部21から電池パック20を取り外すことなく、電池パック用ヒューズF2を交換することもできる。
 
【0030】
  本実施形態では、組電池40を積層している。フォークリフト10など、積荷19を搬送する産業車両に搭載される電池パック20は、積荷19との釣り合いをとるためのカウンタウェイトとしても機能させる場合がある。積荷19と釣り合いをとるためには、電池パック20の重心をなるべく下側にしつつ、電池パック20の荷重が後方にかかるように電池パック20が配置されることが望ましい。組電池40を水平方向に並べて配置すると、電池パック20の大きさがフォークリフト10の前後方向(進行方向)に広がってしまい、電池パック20の荷重が分散してしまう。このため、電池パック20の荷重を前後方向に分散させないために、組電池40を積層することで、電池パック20を細長形状にすることができ、電池パック20を後方に設けることで後方に荷重がかかるようにすることができる。
 
【0031】
  しかしながら、組電池40を積層した場合には、積層方向(鉛直方向)下側に設けられた組電池40に接続される組電池用ヒューズF1が溶断したときに交換作業を行いにくい。本実施形態では、負荷が短絡したときには、電池パック用ヒューズF2が溶断し、組電池用ヒューズF1が溶断しにくいため、積層方向下側に設けられた組電池40に接続される組電池用ヒューズF1の交換作業を行う頻度が少ない。
 
【0032】
  したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
  (1)負荷が短絡したときに組電池用ヒューズF1よりも早く溶断する電池パック用ヒューズF2を設けることで、負荷が短絡しても組電池用ヒューズF1が溶断しにくい。交換頻度の多い電池パック用ヒューズF2を電池ユニット23よりも鉛直方向上側に設けることで、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。
 
【0033】
  (2)電池パック用ヒューズF2は、ケース22の外部に設けられている。電池パック用ヒューズF2がケース22の内部に設けられている場合、天板30や板部材32を取り外して電池パック用ヒューズF2の交換作業を行う必要がある。電池パック用ヒューズF2をケース22の外部に設けることで、天板30や板部材32を取り外して交換作業を行う必要がなく、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。
 
【0034】
  (3)バッテリフード17と対向する位置に電池パック用ヒューズF2を設けているため、バッテリフード17を開放すると電池パック用ヒューズF2が車体11の外部に露出する。このため、電池パック用ヒューズF2を交換するために、収容部21から電池パック20を取り外す必要がなく、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。
 
【0035】
  (4)組電池40は積層配置されている。組電池40が積層配置されている場合には、積層方向下側の組電池40に接続された組電池用ヒューズF1の交換作業を行うために、積層方向上側の組電池40を取り外す必要があり、手間がかかる。本実施形態のように、負荷が短絡したときに組電池用ヒューズF1よりも先に溶断する電池パック用ヒューズF2を設けることで、組電池用ヒューズF1の交換頻度を少なくすることができる。したがって、積層方向上側の組電池40を取り外して作業を行う頻度が少なくなる。
 
【0036】
  (5)本実施形態の電池パック20は、フォークリフト10に搭載されている。すなわち、電池パック20は、フォークリフト10とともに移動する。このため、電池パック用ヒューズF2が溶断したときに、電池パック用ヒューズF2の交換を行うための設備が近傍にあるとは限らない。本実施形態のように、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすくすることで、フォークリフト10を設備まで移動させることなく、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行える。
 
【0037】
  (第2の実施形態)
  次に、車両に搭載される電池パックの第2の実施形態について説明する。
  
図6に示すように、電池パック20は、リーチ式フォークリフト70(産業車両)に搭載されている。フォークリフト70の車体71には、左右一対のリーチレグ72が前方に向かって延設されている。各リーチレグ72の前方にはそれぞれ前輪73が設けられている。一方、車体71の後方には、駆動輪としての後輪74とキャスタホイール(図示せず)が配設されている。また、車体71の前方には、各リーチレグ72に沿ってリーチシリンダ(図示せず)の駆動により前後動作するマスト75が立設されている。マスト75の前面側には、左右一対のフォーク76がリフトブラケット77を介して設けられている。
 
【0038】
  図7に示すように、車体71の中央には、電池パック20が収容される収容部78が設けられている。収容部21は、開閉可能な蓋部材79によって閉塞されている。蓋部材79は、車体71の側面(車幅方向)に設けられており、車体71の車幅方向に開閉可能となっている。電池パック20は、蓋部材79寄りに、電池パック用ヒューズF2が設けられている。電池パック用ヒューズF2の交換作業を行うときには、蓋部材79を開放して、電池パック20を収容部21から外部に取り出す。このとき、電池パック用ヒューズF2が電池ユニット23より鉛直方向上側に設けられていることで、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。
 
【0039】
  したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
  (6)蓋部材79が車体71の車幅方向に開閉可能に設けられているため蓋部材79の開閉を行いやすく、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。
 
【0040】
  (7)電池パック用ヒューズF2が、蓋部材79寄りに設けられているため、電池パック20の全体を収容部78から取り出さなくても電池パック用ヒューズF2の交換作業を行うことができる。
 
【0041】
  なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
  ○  実施形態では、天板30上に電池パック用ヒューズF2が設けられていたが、ケース22内に電池パック用ヒューズF2が設けられていてもよい。例えば、積層方向の最も上側に設けられる組電池40と天板30との間にジャンクションボックスを設けて、ジャンクションボックスの内部に電池パック用ヒューズF2を収容してもよい。ケース22内に電池パック用ヒューズF2を設けたとしても、電池パック用ヒューズF2が、組電池40よりも鉛直方向上側に設けられていることで、ユーザーはかがんで作業する必要がなく、あるいは、かがんで作業する必要があったとしても、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。
 
【0042】
  ○  第2の実施形態において、電池パック用ヒューズF2は、ケース22の外部に設けられていれば、天板30上とは異なる位置に配置されていてもよい。例えば、
図7に二点鎖線で示すように、電池パック用ヒューズF2が蓋部材79(閉塞されている状態)と対向する位置(閉塞されている状態の蓋部材79と対向する板部材32の外面)に設けられていてもよい。この場合には、蓋部材79を開放すると、電池パック用ヒューズF2が車体71の外部に露出するため、収容部78から電池パック20を取り出すことなく電池パック用ヒューズF2の交換作業を行うことができる。また、電池パック用ヒューズF2は、蓋部材79と対向する板部材32とは異なる板部材32の外面や、壁部28の外面に設けられていてもよい。この場合であっても、ケース22の外部に電池パック用ヒューズF2が設けられているため、電池パック用ヒューズF2の交換作業を行いやすい。なお、電池パック用ヒューズF2が、天板30上とは異なる位置に配置される場合でも、電池パック用ヒューズF2を、蓋部材79寄りに設けることで、電池パック20の全体を収容部78から取り出さなくても電池パック用ヒューズF2の交換作業を行うことができる。
 
【0043】
  ○  各実施形態のフォークリフト10,70では、電池パック20を収容部21,78から取り出すための蓋部材を開放することで電池パック用ヒューズF2を車体11,71の外部に露出させているが、電池パック用ヒューズF2を交換できる程度の大きさの蓋部材を車体11,71に設けてもよい。そして、その蓋部材を開放することで電池パック用ヒューズF2を交換できるようにしてもよい。
 
【0044】
  ○  電池ユニット23は、組電池40を直列接続して構成されてもよい。この場合、組電池用ヒューズF1に流れる電流と、電池パック用ヒューズF2に流れる電流は、同じ値となるため、電池パック用ヒューズF2の定数として、組電池用ヒューズF1よりも低い電流で溶断するように定数を設定すればよい。
 
【0045】
  ○  電池パック20は、フォークリフト10以外の産業車両に搭載されてもよい。特に、ローリフトや、パワーショベルなど、搬送対象物(積荷)を搬送する搬送用の産業車両に搭載される場合には、電池パック20をカウンタウェイトとして機能させることができる。このため、本実施形態の電池パック20は、搬送用の産業車両に搭載されることが特に好ましい。
 
【0046】
  ○  電池パック20は、産業車両以外の車両に搭載されてもよい。例えば、電池パック20は、電池パック20を電力源として走行する自動車(電気自動車やハイブリッド自動車)や、二輪車などに搭載されてもよい。
 
【0047】
  ○  端子台53,58の形状は、各組電池40を接続できる形状であればどのような形状でもよい。また、組電池40を接続できれば、端子台53,58は設けられていなくてもよい。
 
【0048】
  ○  各組電池40を構成する電池セル42の個数や、電池ユニット23を構成する組電池40の個数は、増やしてもよいし、減らしてもよい。
  ○  組電池40は、電池ホルダ41に保持された電池セル42を並設して構成されていたが、電池ホルダ41を有さず、電池セル42のみを並設して構成されていてもよい。
 
【0049】
  ○  ケース22は、ウェイト25を有していなくてもよい。また、ケース22の形状は、四角箱状に限られず、円形の箱状や、五角箱状や、六角箱状などの多角箱状でもよい。
  ○  組電池用ヒューズF1は、電池セル42(組電池40)と直列接続されていればよく、組電池40の正極に接続されていてもよい。
 
【0050】
  ○  組電池用ヒューズF1は、正極用ケーブル52や、負極用ケーブル51に内蔵されていてもよい。また、電池パック用ヒューズF2は、接続用ケーブル56,63に内蔵されていてもよい。
 
【0051】
  ○  電池パック20のケース22は、天板30を有していなくてもよい、すなわち、ケース22として鉛直方向上側に開口部を有するケースを用いてもよい。この場合、電池パック用ヒューズF2は、最も積層方向上側の組電池40上(電池ユニット23上)に配置される。この場合であっても、電池パック用ヒューズF2は、ケース22の外部に露出するため、バッテリフード17が開放されると、車体11の外部に露出する。したがって、バッテリフード17を開放することで容易に電池パック用ヒューズF2の交換作業を行うことができる。特に、電池セル42として鉛蓄電池を採用している場合、鉛直方向上側から電池セル42の作業を行えるように天板30が設けられていない場合が多い。具体的にいえば、電池セル42として鉛蓄電池が採用される場合、充放電に伴う蒸発や、充電による電気分解によって電解液中の水分が減少するため、定期的に水分を補給(補水)する必要がある。このため、鉛蓄電池は、一面に補水を行うための補水部が設けられ、この補水部から補水を行えるように構成されている。そして、補水部が設けられた面が鉛直方向上側を向くように各電池セル42が並設される。このとき、天板30が設けられていると、天板30を外して作業を行う必要があり、手間がかかる。このため、電池セル42として鉛蓄電池が採用される場合には、メンテナンス性の向上のために、天板30が設けられていない場合が多い。このため、電池セル42として鉛蓄電池が用いられる場合には、電池ユニット23上に電池パック用ヒューズF2を設けることで、電池パック用ヒューズF2を車体11の外部に露出させることができ、電池パック用ヒューズF2の交換作業が容易になる。また、鉛蓄電池は、リチウムイオン電池などに比べて重量が重いため、電池パック20をカウンタウェイトとして機能させる場合には、より好適である。
 
【0052】
  ○  組電池40は、電池セル42を並列接続して構成されていてもよい。
  次に、上記実施形態及び別例から把握することができる技術的思想について説明する。
  (イ)電池セルと前記電池セルに直列接続された組電池用ヒューズとを有する組電池を複数接続した電池ユニットを電力源として走行する車両であって、請求項1〜請求項7のうちいずれか1項に記載の電池パックを搭載した車両。