(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の前方に刈取装置(4)を設け、該刈取装置(4)は、圃場の穀稈を分草する複数の分草装置(7)と、分草穀稈を引き起こす引起装置(8)と、引き起こした穀稈の株元を切断する刈刃(10)を有して構成すると共に、刈取装置(4)の対地高さを検出する刈高さ検出装置(24)を刈取装置(4)の所定位置に設け、前記刈高さ検出装置(24)は、通常刈取状態において、圃場面より所定高さ上方に位置させた分草装置(7)のブラケット(30)の後部に、刈高さ検出装置(24)の刈高さセンサユニット(25)のケース(26)の前部を、第一軸(27)により上下回動自在に取付けて構成し、前記ケース(26)の後部に備えた第二軸(50)に、圃場面に接触する接触体(51)の基部を、前記ケース(26)に対して所定位置からの上方回動が規制されるように回動自在に取付け、刈高さ検出装置(24)は第一軸(27)まわりのケース(26)の回転を検出する検出装置(59)を備えると共に、機体前進状態において、前記接触体(51)が圃場面に接触すると、前記ケース(26)および接触体(51)が一体的に第一軸(27)中心に上下回動する構成とし、前記分草装置(7)の分草フレーム(22)における前記刈高さセンサユニット(25)よりも前方の部位に、平面視において後方広がりの三角状の分草用のガイド板(37)を設け、前記ガイド板(37)は側面視後上がりに傾斜させ、ガイド板(37)の後部はブラケット(30)の後側板部(35)の下面と略同じ高さとしたコンバイン。
請求項1記載の発明において、前記ガイド板(37)は、分草フレーム(22)の前部から刈高さセンサユニット(25)を取付けるブラケット(30)の外側端に向かって、広がる形状に形成したコンバイン。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方位置に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク
、6は操縦部である。
刈取装置4は、左右方向に間隔をおいて配置した複数の分草装置7と、各分草装置7の後方に設けた複数の引起装置8等を有して構成する。引起装置8の後方には、穀稈の株元を切断する刈刃10および刈り取った穀稈を搬送する穀稈搬送装置を設ける。穀稈搬送装置の構成は、任意であり、11は引起装置8の後方の掻込装置、12は株元搬送装置、13は穂先搬送装置、18は脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置である(
図2,
図3)。
刈取装置4は刈取フレーム20に縦支持フレーム21の先端を取付けて構成し、縦支持フレーム21の基部を機体フレーム1側に設けた支持台(図示省略)に回動自在に取付け、刈取上下シリンダ(図示省略)により上下動自在に取付ける。
刈取装置4の分草装置7は、分草フレーム22の上部に分草体23を取付けて構成し、分草体23の下側に刈高さ検出装置24を設け、該刈高さ検出装置24により、刈取装置4の高さが所定高さに位置するように自動刈高さ制御を行って、刈取作業を行う。
【0009】
刈高さ検出装置24は、刈高さセンサユニット25を有して構成する。刈高さセンサユニット25はケース26の前側を左右方向の第一軸27により分草フレーム22側にブラケット30を介して回動自在に取付ける。
ブラケット30の前側部分は、一方側片31と他方側片32を有して平面視横向き「<」形状に形成し、一方側片31と他方側片32の内面に補強取付部材33の両面を当接固定し、補強取付部材33の上部を分草装置7の分草フレーム22に固定して、ブラケット30を分草フレーム22に固定状態に取付ける。
ブラケット30の一方側片31と他方側片32は、金属製縦の平板により形成し、ブラケット30が分草装置7の前部より分草された穀稈を、刈高さセンサユニット25から離れる方向に案内する案内部を兼用する。
そのため、分草装置7の前部より左右に分草された穀稈は、ブラケット30により左右に分草されて刈高さセンサユニット25の側方を通過させる。
また、ブラケット30は金属部材により形成しているので、刈高さセンサユニット25の支持および取付強度を確保する。
【0010】
ブラケット30の一方側片31と他方側片32の何れか一方には後側板部35を設け、ケース26の前側を左右方向の第一軸27により回動自在に取付ける。
分草装置7の分草フレーム22は縦板状の縦板部36を有し、ブラケット30の一方側片31と他方側片32の前側部分の分草フレーム22の縦板部36の左右両側にはガイド板37を設ける。
即ち、分草フレーム22における刈高さセンサユニット25よりも前方の部位に穀稈を分草する平面視において後方広がりの三角状のガイド板37を設ける。
そのため、ブラケット30の前方にガイド板37を設けているので、ブラケット30による穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
また、ブラケット30の一方側片31と他方側片32は、分草装置7の分草体23の左右幅よりも平面視外側に広くすると、刈高さセンサユニット25による穀稈の押し倒しを抑制でき、好適である。
【0011】
ガイド板37は側面視後上がりに傾斜させ、ガイド板37の後部はブラケット30の後側板部35の下面と略同じ高さとする。
そのため、ガイド板37の後部がブラケット30の後側板部35の下面まで穀稈を案内し、ガイド板37の案内作用を確実にする。
ガイド板37は、分草フレーム22の前部から刈高さセンサユニット25を取付けるブラケット30の外側端に向かって、広がる形状に形成する。
そのため、ガイド板37は、分草フレーム22の前部からブラケット30の外側端に向けて穀稈を左右に広げながら分草し、刈高さセンサユニット25による穀稈の押し倒しを抑制する。
ガイド板37の先端部は平面視において分草装置7の分草体23の先端位置と略一致させ、ガイド板37の後方部はガイド板37の先端部とブラケット30の一方側片31および他方側片32の夫々の後部とを結んだ線上に位置させる。
【0012】
即ち、ガイド板37からブラケット30に掛けて連続して傾斜させている。
そのため、ブラケット30による穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
ブラケット30は、その前側部分を分草フレーム22に固定した片持ち構成で支持され、ブラケット30の第一軸27と反対側の刈高さセンサユニット25との隙間に穀稈が侵入することを防止するガイドバー40を設ける。
即ち、ブラケット30の前側下部には、後方に突き出すガイドバー40を設け、ガイドバー40は軸棒部材により上側に屈曲させた取付部41と後方に突き出すガイド部42を有して構成し、取付部41を一方側片31の前側内側に固定して取付ける。
そのため、ブラケット30に対してケース26が上方回動した際に、ブラケット30と圃場面との間に隙間が生じ、この隙間に穀稈が入るのをガイドバー40が防止することにより、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
【0013】
ガイドバー40のガイド部42は、通常刈取状態では、圃場面と略平行状態となるように構成する。
そのため、ブラケット30の下方への穀稈の潜り込みを一層防止でき、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
この場合、ガイドバー40のガイド部42の後端は、少なくとも、ケース26を取付けた第一軸27より前側に位置させると、ケース26の下方回動との干渉を防止でき、好適である。
ガイドバー40はブラケット30の一方側片31に取付部41を固定して取付け、ガイド部42は一方側片31と平面視において平行方向に設ける。
そのため、ガイド部42は穀稈をブラケット30と同様に外側後方に案内し、ブラケット30の下方への穀稈の潜り込みを防止して、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
また、ガイドバー40は、通常刈取状態で、側面視において対地平行とする。
そのため、ブラケット30の下方への穀稈の潜り込みを防止して、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
【0014】
分草装置7の分草体23の下方の分草フレーム22の縦板部36の上面には補強部材44を設ける。
そのため、分草装置7が土中や畦にぶつかった際の破損を防止する。
分草装置7の分草フレーム22の縦板部36は、
図4のように、後方に至るに従い高く形成し、分草フレーム22のの縦板部36の後部には後下がりの取付部45を設け、取付部45を刈取フレーム20側に基部を取付けた前後方向の分草杆46の先端に固定状態に取付ける。分草杆46の先端は、前上がりに上方に屈曲させて屈曲部47に形成し、屈曲部47の下面(前面)と圃場面の間に空間48を形成し、空間48内に前記刈高さセンサユニット25を位置させる。
空間48内の前側部分に位置する分草装置7の分草フレーム22にブラケット30の一方側片31と他方側片32を補強取付部材33を介して固定状態に取付け、補強取付部材33に続く後側板部35に第一軸27を固定状態に設け、第一軸27にケース26の軸筒49を回動自在に取付けている。
ケース26の後部には左右方向の第二軸50を設け、第二軸50に後方に突出する接触体51の基部を回動自在に取付ける。
【0015】
接触体51は、左右方向の板部材により形成した接触部52の上部に取付部53を設け、取付部53を第二軸50に固定し、第二軸50をケース26に回転自在に取付ける。
接触体51は、
図4において、時計回り方向には回動するが、反時計回り方向には回動しないように構成する。
即ち、接触体51の第二軸50にはストッパ54を固定し、ストッパ54は接触部52が所定位置にてケース26の内壁の所定部位に常時当接して、反時計回り方向の回動を規制する。
55はストッパ54がケース26の内壁の所定部位に当接するように付勢するバネである。
ブラケット30側に固定状態の第一軸27にはストッパ56を固定し、ストッパ56はケース26内に設けた当接部57に常時当接し、 第一軸27に軸筒49を介して回動自在に取付けたケース26の下方回動を規制する。
ケース26はストッパ56が当接部57に当接した最下方位置から、ストッパ56が当接部57の反対側のケース26の内壁に当接する最上方位置の間回動する。
【0016】
58はケース26を常時時計回り方向に回動(下方回動)するように付勢するバ
ネであり、ケース26および接触体51を所定位置に保持する。
ケース26には、ブラケット30に対する第一軸27回りの回転位置を検出する検出装置(ポテンショメータ)59を設ける。検出装置59の検出軸60には、アーム61を固定し、アーム61は前記ストッパ56に設けた係合ピン62を係合させる。
検出装置59の一部となる係合ピン62およびアーム61はケース26内に設ける。
刈高さ検出装置24は、機体前進時、接触体51の先端が圃場面に接触すると、接触体51は第二軸50に対して固定状態を維持したままケース26を第一軸27中心に一体的に上方回動させ、位置不動の係合ピン62に対してアーム61が回動し、アーム61の回動位置を検出装置59が検出して刈取装置4を上昇させる信号を送る。
反対に、接触体51の先端が圃場面から離れようとすると、ケース26がバネ58の弾力により第一軸27中心に下方回動し、ケース26の下方回動による係合ピン62に対するアーム61の回動を検出装置59が検出して刈取装置4を下降させる信号を送り、自動刈高さ制御を行う。
【0017】
即ち、
図12に示すように、ケース26が上方回動(反時計回り)すると、刈高さ検出装置24のアーム61が第一軸27中心に(時計回り)して、ケース26の上方回動を検出する。
なお、刈高さ検出装置24は、ブラケット30とケース26との位置関係を検出し、刈高さ検出装置24の検出に基づいて、自動高さ制御するものであり、
図12は接触体51の圃場面との接触状態を示し、自動高さ制御状態を示すものではない。
65は、検出装置59と制御部(図示省略)とを接続するハーネスである。
前記補強部材44は分草体23の左右中間位置よりも右側に配置する。
そのため、分草フレーム22の縦板部36の左側にケース26が位置し、ケース26の右側から伸びるハーネス65を分草体23の下方にある装着部材66への配索距離が短くなって、合理的配置となる。
また、装着部材66の配置スペースを補強部材44の側方に確保しつつ、装着部材66およびハーネス65を補強部材44により強固に保護できる。
【0018】
前記補強部材44は断面逆さL型状とし、補強部材44の上面下方に装着部材66を配置する。
そのため、装着部材66の側方は開放しているので、着脱を容易にし、メンテナンスを容易にする。
また、機体後進時、刈高さ検出装置24は、接触体51の先端が圃場面に接触すると、接触体51が第二軸50中心に時計回り方向回動して退避し、破損するのを防止する(
図13)。
この機体後進時には、接触体51の先端が圃場面に接触して第二軸50中心に時計回り方向回動して退避するが、バネ58の弾力以上の負荷が掛かると、ケース26が第一軸27中心に上方回動して、接触体51と共にケース26も上方退避して、破損するのを防止する(なお、理解を容易にするために、
図13では、ケース26の上方回動の図示は省略している。また、理解を容易にするために、各図のケース26および接触体51の下方に複数の横線を図示しているが、これにより構成は限定されない。)。
【0019】
なお、ケース26はブラケット30に対して上下して、このケース26の上下回動を検出装置59が検出して高さ制御すればよく、ケース26と第一軸27とブラケット30との取付構成は任意であり、上記実施形態に限定されず、第一軸27をブラケット30に回転自在とし、第一軸27とケース26とを固定状態としてもよい。
接触部52の上下方向の所定部分より先端側は、後側に屈曲させて先端部67を形成する。
そのため、接触部52の先端部67は、屈曲させないときに比し、圃場面に対して水平状態で接触することになり、圃場面の凹凸に対する追従性を良好にする。
接触部52の先端部67の下端は、背面視において円弧形状に形成すると、接触部52に横方向から負荷が掛かったとき、この負荷を接触部52が上方回動するように作用させられ、破損を防止することができて、好適である。
先端部67の上端は、接触体51が圃場に非接触状態でケース26の下端面よりも上方に位置させる。
そのため、ケース26と接触体51との間の隙間に藁屑が引っ掛かるのを防止する。
【0020】
ケース26の後部には、ケース26の後面69より後方へ突出するガイド(突起)68を設ける。
そのため、株間を通過する際の穀稈屑が、接触体51の接触部52とケース26の後面69の間に詰まるのを防止し、刈高さ検出装置24の検知精度を低下させず、安定した水平制御を実現する。
この場合、ケース26の前側下面は、通常検知状態において、後側に至るに従い低くなる前側傾斜面70に形成し、前側傾斜面70に続いて後側に至るに従い更に低くなる後側傾斜面71に形成しており、この後側傾斜面71に続く傾斜状態で後方に突出するようにガイド68を設けると、ケース26の下面とガイド68が連続して分草穀稈や穀稈屑を後方に円滑に案内する。
接触体51の接触部52の取付部53への取付位置は、ケース26の後側傾斜面71より上方に位置させる。
そのため、接触部52の取付部53との取付部分に穀稈屑が絡まるのを抑制でき、刈高さ検出装置24の検知精度を低下させず、安定した水平制御を実現する。
【0021】
刈高さセンサユニット25のケース26と前記分草装置7との間には、ケース26を格納状態に保持するロック装置75を設ける。ロック装置75は、ケース26の後部上面に係合孔76を有する係合部77を設け、分草装置7の分草体フレーム22に設けた係合孔78とケース26の係合孔76とを合わせて係合ピン79を挿入係合させてロックする構成としている(
図14)。
そのため、非作業中の移動の際に、刈高さセンサユニット25が不用意に破損するのを防止する。
図15は、刈取装置4の右穂先搬送装置13の横断平面図を示し、穂先搬送装置13のケース90の前部非作用側に着脱自在にカバー91を設ける。
そのため、穂先搬送装置13の搬送ラグ92との接触による摩耗が生じても、カバー91を交換すればよく、交換作業も容易である。
【0022】
前記カバー91は、前記ケース90よりも耐摩耗性の高い部材とする。
そのため、摩耗してもカバー91のみの交換で済み、また、耐摩耗性の必要な部分のみを強化でき、コストダウンできる。
図17は刈取装置4の引起装置8を示し、引起ケース93の上部裏面に引起ラグ94が引起した穀稈を上側後方へ案内するガイド95を設ける。ガイド95は軸部材により形成し、中間下部部分を取付部材96により引起ケース93に取付ける。
この場合、ガイド95の下部は、正面視及び側面視において、取付部材96の下方に位置させ、側面視においてはガイド95の下端部は引起ケース92の裏面に当接させる。
そのため、取付部材96はガイド95により引起通路よりカバーされ、引起された穀稈はガイド95の下端部より案内されて、取付部材96の裏側を通って引き起こされる。
【0023】
したがって、取付部材96と穀稈との接触を防止し、取付部材96と穀稈との接触による脱粒を防止する。
97は引起装置8の引起メタルであり、引起メタル97に引起ケース92の上部を取付けており、前記ガイド95の上端は側面視において引起メタル97の後方に位置させる。
そのため、引起された穀稈はガイド95より案内されて、引起メタル97の裏側を通って引き起こされ、引起メタル97と穀稈との接触を防止し、引起メタル97と穀稈との接触による脱粒を防止すると共に、引起メタル97の摩耗を抑制する。
【0024】
(実施形態の作用)
機体を走行させ、分草装置7により分草し、分草した穀稈をの引起装置8により引起し、引き起こした穀稈の株元を掻込装置11により掻込ながら刈刃10により切断し、刈り取った穀稈は穀稈搬送装置の株元搬送装置12と穂先搬送装置13により搬送して穀稈供給搬送装置18に引き継ぎ、穀稈供給搬送装置18は穀稈を脱穀装置3に供給して脱穀する。
このとき、刈高さ検出装置24は、圃場面に対する刈取装置4の上下位置を検出し、この検出値により所定高さに刈高さを一定にする自動刈高さ制御を行って、コンバインにおける穀稈搬送および脱穀性能を向上させるように、刈取作業を行う。
分草装置7の分草フレーム22は縦板状の縦板部36を有し、ブラケット30の一方側片31と他方側片32の前側部分の分草フレーム22の縦板部36の左右両側にはガイド板37を設けているので、ブラケット30による穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
【0025】
ガイド板37は側面視後上がりに傾斜させ、ガイド板37の後部は、ブラケット30の後側板部35の下面と略同じ高さとしているので、ガイド板37の後部がブラケット30の後側板部35の下面まで穀稈を案内し、ガイド板37の案内作用を確実にする。
ガイド板37は、分草フレーム22の前部から刈高さセンサユニット25を取付けるブラケット30の外側端に向かって、広がる形状に形成しているので、ガイド板37は、分草フレーム22の前部からブラケット30の外側端に向けて穀稈を左右に広げながら分草し、刈高さセンサユニット25による穀稈の押し倒しを抑制する。
ガイド板37の先端部は平面視において分草装置7の分草体23の先端位置と略一致させ、ガイド板37の後方部はガイド板37の先端部とブラケット30の一方側片31および他方側片32の後部とを結んだ線上に位置させ、ガイド板37からブラケット30に掛けて連続して傾斜させているので、ブラケット30による穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
【0026】
ブラケット30は、その前側部分を分草フレーム22に固定した片持ち構成で支持され、ブラケット30の第一軸27と反対側の刈高さセンサユニット25との隙間に穀稈が侵入することを防止するガイドバー40を設けているので、ブラケット30に対してケース26が上方回動した際に、ブラケット30と圃場面との間に隙間が生じるが、ガイドバー40がこの隙間に穀稈が入るのを防止することにより、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
ブラケット30の前側下部に設けた後方に突き出すガイドバー40は軸棒部材により上側に屈曲させた取付部41と後方に突き出すガイド部42を有して構成し、取付部41を一方側片31の前側内側に固定して取付けているので、ブラケット30の後側板部35の側方となる部分と圃場面との間に生じる隙間にガイドバー40により穀稈が入るのを防止することにより、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
【0027】
ガイドバー40のガイド部42は、通常刈取状態では、圃場面と略平行状態となるように構成しているので、ブラケット30の下方への穀稈の潜り込みを一層防止でき、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
ガイドバー40のガイド部42は、側面視においてブラケット30の後側板部35の下縁より下方に位置させているので、ブラケット30の一方側片31が側方に誘導した穀稈の下側部分をガイドバー40が引き続き側方に案内でき、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
この場合、ガイドバー40のガイド部42の後端は、少なくとも、ケース26を取付けた第一軸27より前側に位置させているので、ケース26の下方回動との干渉を防止でき、好適である。
ガイドバー40はブラケット30の一方側片31に取付部41を固定して取付け、ガイド部42は一方側片31と平面視において平行方向に設けているので、ガイド部42は穀稈をブラケット30と同様に外側後方に案内し、ブラケット30の下方への穀稈の潜り込みを防止して、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
【0028】
ガイドバー40は、通常刈取状態で、側面視において対地平行としているので、ブラケット30の下方への穀稈の潜り込みを防止して、穀稈の倒しを防止し、倒れた穀稈の刈り残しを防止する。
分草装置7の分草体23の下方の分草フレーム22の縦板部36の上面には補強部材44を設けているので、分草装置7が土中や畦にぶつかった際の破損を防止する。
刈高さセンサユニット25は、ブラケット30に対する刈高さセンサユニット25の第一軸27回りの回転位置を検出する検出装置59をケース26内に設け、接触体51の基部は第二軸50に回動自在に取付けると共に、所定位置からの上方回動(反時計回転)は規制するように構成しているので、接触体51が圃場面に接触すると、接触体51は第二軸50に対する上方回動が規制されて、接触の反力によりケース26が第一軸27中心に上方回動し、これを検出装置59が検出して刈取装置4を上昇させる。
【0029】
また、接触体51は、第二軸50に所定位置からの下方回動(時計回動)は許容するように構成しているので、機体後進時には、第二軸50中心に時計回転方向に回動して、退避する。
接触体51は、左右方向の板部材により形成した接触部52の上部に取付部53を設け、取付部53を第二軸50に回動自在に取付け、取付部53はケース26の下面より上方位置させているので、接触体51の取付部53に分草穀稈や穀稈屑が引っ掛かるのを防止でき、接触体51による刈高さセンサユニット25の上下作動を安定させられる。
接触部52の上下方向の所定部分より先端側は、後側に屈曲させて先端部67を形成しているので、接触部52の先端部67は、屈曲させないときに比し、圃場面に対して水平状態で接触することになり、圃場面の凹凸に対する追従性を良好にする。
先端部67の上端は、接触体51が圃場に非接触状態でケース26の下端面よりも上方に位置させているので、ケース26と接触体51との間の隙間に藁屑が引っ掛かるのを防止する。
【0030】
ケース26の後部には、ケース26の後面69より後方へ突出するガイド(突起)ガイド68を設けているので、株間を通過する際の穀稈屑が、接触体51の接触部52とケース26の後面69の間に詰まるのを防止し、刈高さ検出装置24の検知精度を低下させず、安定した水平制御を実現する。
この場合、ケース26の前側下面は、通常検知状態において、後側に至るに従い低くなる前側傾斜面70に形成し、前側傾斜面70に続いて後側に至るに従い更に低くなる後側傾斜面71に形成しており、この後側傾斜面71に続く傾斜状態で後方に突出するようにガイド68を設けているので、ケース26の下面とガイド68が連続して分草穀稈や穀稈屑を後方に円滑に案内する。
接触体51の接触部52の取付部53への取付位置は、ケース26の後側傾斜面71より上方に位置させているので、接触部52の取付部53との取付部分に穀稈屑が絡まるのを抑制でき、刈高さ検出装置24の検知精度を低下させず、安定した水平制御を実現する。
【0031】
刈高さセンサユニット25のケース26と分草装置7との間には、ケース26を格納状態に保持するロック装置75を設けているので、非作業状態では、分草装置7の分草体フレーム22に設けた係合孔85と係合孔76とに係合ピン78を挿入係合させてロックする。
そのため、非作業中の移動の際に、刈高さセンサユニット25が不用意に破損するのを防止する。
分草装置7の補強部材44は分草体23の左右中間位置よりも右側に配置しているので、分草フレーム22の縦板部36の左側にケース26が位置し、ケース26の右側から伸びるハーネス65を分草体23の下方にあ
る装着部材66への配索距離が短くなって、合理的配置となる。
また、装着部材66の配置スペースを補強部材44の側方に確保しつつ、装着部材66およびハーネス65を補強部材44により強固に保護できる。
【0032】
補強部材44は断面逆さL型状とし、補強部材44の上面下方に装着部材66を配置しているので、装着部材66の側方は開放しているので、着脱を容易にし、メンテナンスを容易にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。