(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の金融商品が前記ある顧客によって実際に利用されたか否か、又は、前記ある顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否かを検証する検証部をさらに備え、
前記検証部による検証結果は、当該検証結果が出された後に生成される前記ニーズ情報又は前記リスク情報に関して、前記過去の実績データとして利用されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記生成部は、前記属性情報、前記審査情報及び前記取引情報を用いて前記採用変数及び前記係数を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記生成部の人工知能機能は、異なる金融商品に対しては、異なる採用変数と異なる係数を用いて前記ニーズ情報又は前記リスク情報を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記生成部で生成される前記リスク情報から、前記ある顧客に対する与信可能額又は前記ある顧客に対する適用金利を算出する算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記取引情報は、預金取引情報、貸金取引情報、前記金融機関との契約情報、前記金融機関の提供するサービスの利用情報又は決済情報を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記審査情報は、前記金融機関に対する前記顧客の借入申し込みに関する情報又は前記顧客の信用情報を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記生成部は、複数の金融機関における前記属性情報、前記審査情報及び前記取引情報のいずれか1つ以上から前記採用変数及び当該採用変数に対する係数を生成し、当該採用変数及び当該係数を用いて、前記ニーズ情報又は前記リスク情報を生成することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記出力部は、前記ニーズ情報に含まれるニーズの値がニーズ閾値以上となっている、又は、前記リスク情報に含まれるリスクの値がリスク閾値以下となっている顧客のみを出力の対象とすることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような判断には相当程度の経験を要する上、判断手法によっては必ずしも客観的なデータに基づくとはいえないこともあった。
【0005】
本発明は、客観的なデータに基づいて、顧客が所定の金融商品を利用する可能性に関するニーズ情報又は顧客に金銭を貸し付けた際の貸倒リスクもしくは延滞リスクに関するリスク情報を出力できる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による情報処理装置は、
人工知能機能を有する生成部であって、金融機関を利用する顧客の属性情報、前記顧客に関する審査情報及び前記顧客の前記金融機関における取引情報のいずれか1つ以上から生成される採用変数及び前記採用変数に対する係数を用いて、ある顧客が所定の金融商品を利用する可能性に関するニーズ情報又は前記ある顧客に金銭を貸し付けた際の貸倒リスクもしくは延滞リスクに関するリスク情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された情報を出力する出力部と、
を備え、
前記採用変数及び前記係数は過去の実績データに基づき決定される。
【0007】
本発明による情報処理装置は、
前記所定の金融商品が前記ある顧客によって実際に利用されたか否か、又は、前記ある顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否かを検証する検証部をさらに備え、
前記検証部による検証結果は、当該検証結果が出された後に生成される前記ニーズ情報又は前記リスク情報に関して、前記過去の実績データとして利用されてもよい。
【0008】
本発明による情報処理装置において、
前記生成部は、前記ニーズ情報及び前記リスク情報を生成してもよい。
【0009】
本発明による情報処理装置において、
前記生成部は、前記属性情報、前記審査情報及び前記取引情報を用いて前記採用変数及び前記係数を生成してもよい。
【0010】
本発明による情報処理装置において、
前記生成部の人工知能機能は、異なる金融商品に対しては、異なる採用変数と異なる係数を用いて前記ニーズ情報又は前記リスク情報を生成してもよい。
【0011】
本発明による情報処理装置は、
前記ある顧客の借入金額、当該借入に際しての金利及び経費情報を用いて、収益を算出する算出部をさらに備えてもよい。
【0012】
本発明による情報処理装置において、
前記借入金額及び前記金利が前記リスク情報に基づいて決定されてもよい。
【0013】
本発明による情報処理装置は、
前記生成部で生成される前記リスク情報から、前記ある顧客に対する与信可能額又は前記ある顧客に対する適用金利を算出する算出部をさらに備えてもよい。
【0014】
本発明による情報処理装置において、
前記属性情報は、同一の顧客をまとめて管理するための名寄せ情報を含んでもよい。
【0015】
本発明による情報処理装置において、
前記属性情報は、前記顧客の家族に関する情報を含んでもよい。
【0016】
本発明による情報処理装置において、
前記取引情報は、預金取引情報、貸金取引情報、前記金融機関との契約情報、前記金融機関の提供するサービスの利用情報又は決済情報を含んでもよい。
【0017】
本発明による情報処理装置において、
前記審査情報は、前記金融機関に対する前記顧客の借入申し込みに関する情報又は前記顧客の信用情報を含んでもよい。
【0018】
本発明による情報処理装置において、
前記金融機関が提供する複数の金融商品の各々に関して、前記生成部が前記ニーズ情報又は前記リスク情報を生成し、
前記出力部が、複数の金融商品の各々に関する前記ニーズ情報又は前記リスク情報を出力してもよい。
【0019】
本発明による情報処理装置において、
前記生成部は、複数の金融機関における前記属性情報、前記審査情報及び前記取引情報のいずれか1つ以上から前記採用変数及び当該採用変数に対する係数を生成し、当該採用変数及び当該係数を用いて、前記ニーズ情報又は前記リスク情報を生成してもよい。
【0020】
本発明による情報処理装置において、
前記出力部は、前記ニーズ情報に含まれるニーズの値がニーズ閾値以上となっている、又は、前記リスク情報に含まれるリスクの値がリスク閾値以下となっている顧客のみを出力の対象としてもよい。
【0021】
本発明による情報処理方法は、
人工知能機能を有する生成部によって、金融機関を利用する顧客の属性情報、前記顧客に関する審査情報及び前記顧客の前記金融機関における取引情報のいずれか1つ以上から生成される採用変数と、前記採用変数に対する係数とを用いて、前記ある顧客が所定の金融商品を利用する可能性に関するニーズ情報又は前記ある顧客に金銭を貸し付けた際の貸倒リスクもしくは延滞リスクに関するリスク情報を生成部によって生成することと、
前記生成部により生成された情報を出力部によって出力することと、
を備え、
前記採用変数及び前記係数は過去の実績データに基づき決定される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、人工知能機能を有する生成部が、金融機関を利用する顧客の属性情報、顧客に関する審査情報及び顧客の金融機関における取引情報のいずれか1つ以上から生成される採用変数及び採用変数に対する係数を用いて、ある顧客が所定の金融商品を利用する可能性に関するニーズ情報又はある顧客に金銭を貸し付けた際の貸倒リスクもしくは延滞リスクに関するリスク情報を生成し、その結果が出力部によって出力される。用いられる採用変数及び係数が過去の実績データに基づき決定されている。このため、客観的なデータに基づいてニーズ情報又はリスク情報を出力できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る情報処理装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、
図1乃至
図5は本発明の実施の形態を説明するための図である。
【0025】
図2に示すように、本実施の形態では情報処理装置が金融機関の外部機関に設置されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、情報処理装置は金融機関内に設置されてもよく、この場合には、金融機関が当該情報処理装置を所有及び/又は管理してもよい。本実施の形態の情報処理装置は、一つの装置から構成されてもよいし複数の装置から構成されてもよい。また、複数の装置から情報処理装置が構成される場合には、各装置が同じ部屋等の同じ空間に設けられる必要はなく、異なる部屋、異なる建物、異なる地域等に設けられてもよい。また、複数の装置から情報処理装置が構成される場合には、その一部を金融機関が所有及び/又は管理し、残りを外部機関が所有及び/又は管理してもよい。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の情報処理装置は、人工知能機能を有し、所定の情報を生成する生成部11と、生成部11により生成された情報を出力する出力部30と、を有している。生成部11は、銀行、郵便局等の金融機関を利用する顧客の属性情報、顧客に関する審査情報及び顧客の金融機関における取引情報のいずれか1つ以上から生成される採用変数及び当該採用変数に対する係数を用いて、ある顧客が所定の金融商品を利用する可能性に関するニーズ情報及び/又はある顧客に金銭を貸し付けた際の貸倒リスクもしくは延滞リスクに関するリスク情報を生成するようになっている。採用変数及び係数は、過去の実績データに基づき、生成部11によって決定される。この過去の実績データには、予め入力された過去の実績データや後述する検証部16による検証結果が含まれている(より正確には、当該ある顧客に対してニーズ情報やリスク情報を生成する前に検証された検証結果が含まれている。)。
【0027】
なお以下では、主として、生成部11がニーズ情報及びリスク情報の両方を生成する態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、生成部11がニーズ情報又はリスク情報のいずれかのみを作成するようになっていてもよい。
【0028】
図1に示すように、情報処理装置は、様々な情報を記憶する装置記憶部20と、様々な制御を行う装置制御部10とを有している。前述した生成部11、後述する算出部15及び検証部16はいずれも装置制御部10に含まれている。装置記憶部20には、自動でニーズ情報及びリスク情報を生成するために予め入力されたデータに加えて、後述する検証部16による検証結果が記憶されてもよい。また、ある程度のデータが蓄積された場合には、ニーズ情報及びリスク情報を生成するために予め入力されたデータは削除されてもよい。また、一定期間(例えば2年)よりも古い検証結果を含むデータは削除されてもよい。このように一定期間内(例えば2年以内)のデータのみに基づいてニーズ情報及びリスク情報を生成する場合には、時代の流れに沿った正確性の高いニーズ情報及びリスク情報を生成して出力することができる。
【0029】
上記人工知能機能の一例として、機械学習の手法を用いた分類器を用いることができる。この分類器によれば、ある過去期間(例えば2年)の顧客情報から、貸倒が生じる確率(リスクモデルの場合)、商品申込(ニーズモデルの場合)等の目標事象が生じる確率を顧客毎に出力することができる。この分類器では、過去の実績データから、目標事象が生じる確率が最も確からしくなるように、機械学習技術によって、利用する採用変数(要素)と、その係数(重み)が定められる。そして、定められた採用変数(要素)と、その係数(重み)を、対象となる顧客(=「ある顧客」)に関するデータに適用することで、当該顧客に関する商品毎のニーズ率、ニーズに関する絶対的な数値等を含むニーズ情報と、リスク率、リスクに関する絶対的な数値等を含むリスク情報とが生成される。
【0030】
対象となっている顧客に関して目標事象が生じる確率を出力するために、生成部11は、商品単位でニーズモデルとリスクモデルの「学習」を行う。ここで「学習」とは、データの中から見つけたい「特徴」、すなわち金融商品を購入したといったニーズ事象やローンで延滞が発生したといったリスク事象を特定し、この「特徴」を最もよく分類できるような採用変数(要素)と、その係数(重み)を自動的な試行錯誤によって定めることを意味する。つまり、生成部11では、過去の実績データに基づく属性情報、審査情報、取引情報等の情報が集約され、パラメータを変化させながら最も誤差が小さくなるよう繰り返し学習が行われ(ツリーモデルを採用するのであれば複数のツリーが作成され、過去の実績データとの誤差が小さくなるように繰り返し学習が行われ)、対象となっている顧客に適用するニーズモデル及びリスクモデルが定められる。そして、定められた採用変数(要素)と、その係数(重み)を、対象となる顧客に関するデータに適用することで、当該顧客に関する商品毎のニーズ情報及びリスク情報が算出される。
【0031】
変化させるパラメータとしては、例えば、繰返し学習の回数(例えばツリーモデルにおけるツリーの本数を意味する。)、繰り返し学習時の直前までに得られた特徴量を次の学習の際に用いる際の係数(重み)、学習時のデータの利用割合(利用されるデータの量を意味し、例えば100万件ある母数のうち10万件を利用するのか20万件を利用するのかというような割合を意味する。)、学習時の深さの水準(例えばツリーモデルにおけるツリーの分岐の数を意味する。)等を挙げることができる。一例ではあるが、繰返し学習の回数が多い場合にはツリーモデルにおけるツリーの本数が多くなり、他方、繰返し学習の回数が少ない場合にはツリーモデルにおけるツリーの本数が少なくなる。また、学習時の深さの水準が深い場合にはツリーモデルにおけるツリーの分岐が多くなり、学習時の深さの水準が浅い場合にはツリーモデルにおけるツリーの分岐が少なくなる。なお、前述したパラメータはあくまでも一例であり、これに限られることはなく、前述したパラメータを減らしたり、他の要素をパラメータとしたりすることもできる。
【0032】
用いられる属性情報(
図3参照)としては、例えば、氏名、性別、生年月日、年齢、住所等を挙げることができる。
【0033】
属性情報は、同一の顧客をまとめて管理するための名寄せ情報を含んでもよい。一つの金融機関に複数の口座を持つことがあり得る。この名寄せ情報を用いることで、複数の口座の名義人を一人の顧客として名寄せし、管理したり後工程の処理で用いたりすることができる。なお、名寄せ情報としては、店番号、CIF番号(Customer Information File番号)、個人名寄せ番号等を挙げることができる。
【0034】
また、属性情報は、顧客の家族に関する情報といった同じ世帯に属する人物の情報を含んでもよい。ここでいう家族には、顧客がローン等の各種申請書に記載した本人以外の人物、同一住所である本人以外の人物、同一電話番号である本人以外の人物等を挙げることができる。同じ世帯に属する人物の情報をまとめることを世帯名寄せということができる。この世帯名寄せによれば、一つの金融機関に複数の口座をある世帯が持つ場合に、当該口座に関する情報を一世帯のものとして名寄せし、その結果を用いてニーズモデルやリスクモデルを作成することができる。
【0035】
用いられる審査情報(
図3参照)は、金融機関に対する顧客の借入申し込みに関する情報及び顧客の信用情報のいずれか1つ以上を含んでもよい。より具体的には、審査情報としては、例えば、職業、勤務先、勤務先区分、年収等を挙げることができる。審査情報としては、その他として、審査の申込年月、諾否結果等の「消費性ローン申込関連情報」、ブラック情報、債務者区分、債務者格付といった「行内信用情報」等を挙げることができる。
【0036】
用いられる取引情報(
図3参照)は、預金取引情報、貸金取引情報、金融機関との契約情報、金融機関の提供するサービスの利用情報及び決済情報のいずれか1つ以上を含んでもよい。より具体的には、取引情報としては、例えば、入金、出金、振込、延滞等に関する情報を挙げることができる。取引情報には、流動固定別預金残高、入出金明細、入出金摘要欄等の「預金取引情報」、貸金残高、当貸極度額、貸金の延滞状況等の「貸金取引情報」、ローン保有有無、カードローン契約有無、ネットバンキングといったサービス利用有無等の「契約情報」・「利用情報」、公振引落不能有無、公振引落金額等の「決済情報」等が含まれる。上述した入出金明細には、入金頻度、入金金額、出金頻度、出金額、振込先、振込金等に関する情報を挙げることができる。
【0037】
用いられるその他の情報(
図3参照)としては、ダイレクトメールや電話によるコンタクトを希望するか否か等に関する情報(提案可否情報)を挙げることができる。コンタクトを希望しないということになっている場合には、最初からニーズ情報の作成を行わないか、ニーズ情報を作成するものの金融商品の提供の提案を当該顧客へ行わないようにしてもよい。
【0038】
顧客は個人であってもよいし法人であってもよい。顧客に関する属性情報等の情報は、金融機関の店頭、ATM等から取得されたり、Web、電子メール、ダイレクトメール、電話等から取得されたりする。顧客が法人である場合には、上記の他に、訪問して属性情報等の情報が取得されることもある。なお、このようにして取得された属性情報等に対して、当該顧客の審査情報や取引情報等が金融制御部60で関連付けられて金融記憶部61に記憶される。
図1に示すように、本実施の形態では、金融機関に金融制御部60及び金融記憶部61が設けられている態様を用いて説明しているが、これに限られることはなく、金融制御部60及び/又は金融記憶部61は外部機関に設けられてもよい。
【0039】
また、金融記憶部61及び金融制御部60の機能を複数のシステムが担ってもよく、金融機関に金融制御部60及び金融記憶部61が設けられているという前提では、後述するMCIF、自動審査システム、基幹系、CRMシステム及びEBMシステムのいずれか1つ以上が金融記憶部61及び金融制御部60の機能を担ってもよい。
【0040】
情報の流れとしては、
図2に示すように、顧客から取得された顧客情報に基づき当該顧客に対する金融機関内での審査が行われ、記帳勘定されて、取引情報等として金融記憶部61に記憶されることになる。本実施の形態では顧客に関するあらゆる情報を「顧客情報」という。なお、「顧客情報」は、金融機関を利用する顧客データベースであるMCIF(Marketing Customer Information File)、自動審査システム、基幹系等から提供されてもよい。これらMCIF、自動審査システム、基幹系等に上記金融制御部60及び金融記憶部61が含まれてもよい。
【0041】
金融機関には、顧客の属性や接触履歴を記録・管理するCRM(Customer Relationship Management)システムと、就職、結婚、住宅購入、退職等の顧客の身に起きた出来事(イベント)を推察し、最適のタイミングでふさわしい商品・サービスを提案するためのEBM(Event Based Marketing)システムとが設けられている(
図2参照)。これらCRMシステム及び/又はEBMシステムに、上述した金融記憶部61や金融制御部60が含まれてもよい。
【0042】
所定の金融商品としては、個人向けのものとして、カードローン、教育ローン、住宅ローン、カーローン、保険、投資信託等を挙げることができる。他方、法人向けのものとしては、運転資金融資、設備投資融資、保険、運用商品等を挙げることができる。
【0043】
金融商品の内容に応じて、ニーズ情報及びリスク情報の作成の有無が決定されてもよい。
図3に示す態様では、カードローン新規、カードローン極度増枠、教育ローン、カーローン、住宅ローン及びその他ローンについて、ニーズモデル及びリスクモデルを生成部11が生成可能となっており、これらに関してはニーズ情報及びリスク情報の両方が作成されるようになっている。他方、保険及び投資信託について、ニーズモデルのみを生成部11が生成するようになっており、これらに関してはニーズ情報のみが作成されリスク情報は作成されないようになっている。なお、
図3における「AI」は「artificial intelligence」の頭文字であり、「人工知能」のことを意味している。
【0044】
生成部11は、異なる金融商品に対して、異なる採用変数と異なる係数を用いてニーズ情報及びリスク情報を生成するようになってもよい。一例を挙げるとすると、カードローン、教育ローン、住宅ローン、カーローン、保険、投資信託、運転資金融資、設備投資融資、運用商品といった異なる金融商品に対しては、異なる採用変数と異なる係数が用いられてもよい。
図5(a)では、一例として、カードローンにおける採用変数(図中の「Feature」)及び係数(図中の「Gain」)が示され、
図5(b)では、別の例として、自動車ローンにおける採用変数(図中の「Feature」)及び係数(図中の「Gain」が示されている。
図5(a)と
図5(b)とを比較することで、これらカードローン及び自動車ローンにおいて、異なる採用変数と異なる係数が用いられていることを理解できる。
【0045】
図1に示すように、情報処理装置は、所定のデータを算出する算出部15を有してもよい。この算出部15は、対象となっている顧客の借入金額、当該借入に際しての金利及び経費情報等を用いて、当該顧客に対する収益を算出する機能を有してもよい。また、この機能に加えて又はこの機能に変えて、算出部15は、生成部11で生成されるリスク情報から、対象となっている顧客に対する与信可能額及び/又は対象となっている顧客に対する適用金利を算出する機能を有してもよい。なお、算出部15が上記収益を算出する機能を有している場合には、上記借入金額が対象となっている顧客に対するリスク情報に基づいて決定された与信可能額の範囲内で決定され、金利(=適用金利)もリスク情報に基づいて決定されてもよい。借入金額や金利が変更された場合には、変更された借入金額及び金利に基づいて、対象となっている顧客に対するリスク情報が再度生成されてもよい。与信可能額の範囲内とは、与信可能額における最高額であってもよいし、それ未満の任意の額であってもよい。算出部は、複数の額で借入金額を決定して、各借入金額に関して収益を算出してもよい。
【0046】
図1に示すように、情報処理装置は、所定の金融商品がある顧客によって実際に利用されたか否か(「所定の金融商品に対して申し込みがあったか否か」を含む。)、又は、ある顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否かを検証する検証部16をさらに有してもよい。このような検証部16が設けられている場合には、生成部11は、予め入力されていた情報に加えて又は代えて、検証部16による検証結果(より正確には、当該ある顧客に対してニーズ情報やリスク情報を生成する前に検証された検証結果)を用いて、ニーズ情報及び/又はリスク情報を生成してもよい。なお、当該「ある顧客」に関する検証部16による検証結果は、当該検証結果が出された後に生成されるニーズ情報及び/又はリスク情報に関して、過去の実績データとして利用されることになる。
【0047】
情報処理装置は、金融機関が提供する複数の金融商品の各々に関して、生成部11がニーズ情報及び/又はリスク情報を生成するようになっていてもよい。このようにして生成された複数のニーズ情報及びリスク情報の各々は、出力部30によってリストとして出力されてもよい。
図3に示す態様を用いて説明すると、カードローン新規、カードローン極度増枠、教育ローン、カーローン、住宅ローン及びその他ローンについてのニーズ情報及びリスク情報と、保険及び投資信託についてのニーズ情報とが、出力部30によってリストとして出力されてもよい。
【0048】
出力されたニーズ情報及びリスク情報は、
図2に示すように、金融機関に送られ、金融機関の金融記憶部61(
図1参照)で記憶されることになる。そして、金融機関のCRMシステムやEBMシステム等を介して顧客に対する金融商品の提供が提案される(
図2参照)。この提案は、金融機関の担当者に対して行われてもよいし、直接、顧客に対して行われてもよい。金融機関の担当者に対して提案が行われる場合には、金融機関の窓口、コールセンター、ATM等や、Web上のネットバンキング、電子メール、ダイレクトメール等によって、当該担当者から顧客に対して金融商品の利用が提案される。他方、上記提案が顧客に対して直接行われる場合には、ATMや、Web上のネットバンキング、電子メール、ダイレクトメール等によって、自動的に、顧客に対して金融商品の利用が提案される。
【0049】
(一定期間内に)提案の行われた顧客から提案した金融商品の申し込みがあったか否か、また顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否かについては、例えば金融機関の自動審査システム、CRMシステム、EBMシステム等で管理され記憶される。また上記情報(提案の行われた顧客から提案した金融商品の申し込みがあったか否か、また顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否か)は、金融機関から検証部16へと送られ(
図2の「顧客情報」に含まれている。)、検証部16による検証が行われる。このような検証は、随時行われてもよいし、一定期間ごと(例えば1週間ごと、1か月ごと等)にまとめて行われてもよい。検証結果は、装置記憶部20で記憶されることになる。
【0050】
生成部11はランダムに対象となる顧客を選択し、当該顧客に対するニーズ情報及びリスク情報を生成してもよい。その結果は出力部30によって全て出力されてもよいが、一定の要件をクリアーしたものだけが出力部30によって出力されるようにしてもよい。一例としては、出力部30は、ニーズ率、ニーズに関する絶対的な数値等のニーズの値が一定の閾値(ニーズ閾値)以上となっている顧客、及び/又は、リスク率、リスクに関する絶対的な数値等のリスクの値が一定の閾値(リスク閾値)以下となっている顧客のみを出力の対象としていてもよい。特に、ニーズの値がニーズ閾値以上となり、かつ、リスクの値がリスク閾値以下となっている顧客のみが出力の対象とされる態様によれば、オペレータは金融商品を提供すべき厳選された顧客を一目で確認することができる点で有益である。なお、上記要件を満たして出力の対象となった顧客であっても、コンタクトを希望しない場合には、金融商品の提供の提案を当該顧客へ行わないようにしてもよい。
【0051】
算出部15は、顧客の借入金額や口座における残高の推移、顧客に貸付時に適用される適用金利や処理にかかる経費、貸し倒れリスク等から、仮に当該顧客に貸付を実行した場合に、どれだけ収益額を期待できるかも計算してもよい。また、貸倒リスクが第一閾値を超える場合には、算出部15は、適用金利を高く設定し直したり与信金額を小さくしたりし、具体的な適用金利及び/又は与信金額を算出してもよい。逆に、貸倒リスクが第二閾値(なお、第二閾値<第一閾値となっている。)を下回る場合には、算出部15は、適用金利を低く設定し直したり与信金額を大きくしたりし、具体的な適用金利及び/又は与信金額を算出してもよい。適用金利及び/又は与信金額を算出する際には、特定の金利及び/又は金額を算出してもよいし、一定の幅を持った金利及び/又は金額を算出してもよい。
【0052】
また、金融機関が例えば銀行と保証会社とをグループとして持っている場合には、算出部15は、予想される銀行収益と保証会社収益とからグループとしての収益を算出してもよい。一例としては、貸し付けた金銭の累積残高と、金利から保証料率、調達コスト率、事務コスト率等のコスト率を差し引いた数字(一例として、金利−保証料率−調達コスト率−事務コスト率)とから銀行収益を算出してもよい。また、貸し付けた金銭の累積残高と、保証料率から事務コスト率等のコスト率を差し引いた数字(一例として、保証料率−事務コスト率)と、信用コストとから保証会社の収益を算出してもよい。
【0053】
算出部15が収益を算出する機能を有する場合には、期待収益を計算し、与信した場合の期待収益率及び期待収益額が出力されてもよい(
図3参照)。
【0054】
生成部11は、名寄せされた顧客又は当該顧客の属する世帯に基づき、属性情報、審査情報及び取引情報から生成される採用変数と、採用変数に対する係数とを用いて、ニーズ情報及リスク情報を顧客毎に「リスト」として生成し、当該「リスト」を出力部30が出力してもよい。この際には、複数の金融商品に対するニーズ情報及びリスク情報を「リスト」として生成し、当該「リスト」を出力部30が出力してもよい(
図4参照)。このように「リスト」にすることで、対象となっている顧客にどの金融商品を提案すべきかをオペレータが一目で確認できる。
【0055】
図4に示すように、ニーズ情報としては例えばニーズ率及びニーズ格付が出力されてもよい。リスク情報としては例えばリスク率及びリスク格付が出力されてもよい。また、ニーズ率及びリスク率は「%」で示されてもよいが、一目でわかるにグラフ形式で示されてもよい。なお、ニーズ格付及びリスク格付は該当する顧客がどの格付けにあるかを容易に認識できるように付されているものである。また、算出部15が与信可能額及び適用金利を算出する場合には、
図4に示すように、これら与信可能額及び適用金利もリストとして出力されてもよい。
図4に示す態様では、顧客毎かつ金融商品毎に、ニーズ率及びニーズ格付、リスク率及びリスク格付、並びに、与信可能額(
図4では「事前与信額」として示されている。)及び適用金利(
図4では「適用利率」として示されている。)が示されている。
【0056】
生成部11は、「複数」の金融機関における属性情報、審査情報及び取引情報のいずれか1つ以上から採用変数及び当該採用変数に対する係数を生成し、当該採用変数及び当該係数を用いて、ニーズ情報及び/又はリスク情報を生成するようになっていてもよい。この際には、系列関係にある金融機関だけではなく、何ら資本関係のない金融機関が保有している情報が互いに利用されるようになってもよい。
【0057】
《方法》
本実施の形態の情報処理装置がニーズ情報及び/又はリスク情報を生成し出力する際には、以下の工程を経ることになる。なお、上記と重複することになるので簡単に説明するに留めるが、上記「構成」で述べた全ての態様を「方法」において適用することができる。
【0058】
生成部11によって、顧客の属性情報、顧客に関する審査情報及び顧客の金融機関における取引情報のいずれか1つ以上から生成される採用変数及び当該採用変数に対する係数を用いて、対象となっている顧客の各金融商品に対するニーズ情報及び/又はリスク情報が生成される。なお、採用変数及び係数は過去の実績データに基づき生成部11によって決定される。
【0059】
そして、生成部11により生成された情報が出力部30によって出力される。
【0060】
そして、出力された情報に基づき、対象となっている顧客に対して、金融商品の提供が提案される。
【0061】
なお、所定の金融商品が対象となっている顧客によって実際に利用されたか否か、又は、対象となっている顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否かといった結果が検証部16によって検証されてもよい。そして、この検証部16による検証結果も用いて、それ以降のニーズ情報及び/又はリスク情報が生成されてもよい。
【0062】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。
【0063】
本実施の形態によれば、人工知能機能を有する生成部11が、金融機関を利用する顧客の属性情報、顧客に関する審査情報及び顧客の金融機関における取引情報のいずれか1つ以上から生成される採用変数及び採用変数に対する係数を用いて、対象となっている顧客(=ある顧客)に対するニーズ情報及び/又はリスク情報を生成し、その結果が出力部30によって出力される。用いられる採用変数及び係数が過去の実績データに基づき決定されている。このため、客観的なデータに基づいてニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。
【0064】
また、生成部11が、ニーズ情報及びリスク情報の両方を生成する場合には、これらの両方に関する情報を得ることができる。
【0065】
さらに、生成部11が、属性情報、審査情報及び取引情報を用いて採用変数及び係数を生成する場合には、これら属性情報、審査情報及び取引情報の全てを用いてニーズ情報及び/又はリスク情報を生成することができるので、より精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。なお、対象となる顧客に関して、存在しない情報(例えば審査情報)がある場合には、その情報は存在しないものとして処理される。
【0066】
属性情報が、同一の顧客をまとめて管理するための名寄せ情報を含む場合には、仮に複数の口座を顧客が持っている場合であっても、それらを一人の顧客として管理し、情報を収集することができる。このため、より多くの情報に基づきニーズ情報及び/又はリスク情報を生成することができるので、より精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。
【0067】
属性情報が、顧客の家族といった世帯に関する情報を含む場合には、同一世帯における情報に基づきニーズ情報及び/又はリスク情報を生成することができるので、より精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。なお、このように家族に関する情報を用いる場合には、顧客個人の情報に基づきニーズ情報及び/又はリスク情報を生成するとともに、顧客の家族の情報に基づきニーズ情報及び/又はリスク情報を生成してもよい。このような態様によれば、2つのパターンのニーズ情報及び/又はリスク情報に基づいた結果を出力できる。
【0068】
取引情報は、預金取引情報、貸金取引情報、金融機関との契約情報、金融機関の提供するサービスの利用情報又は決済情報を含んでいるが、多くの種類の情報から適宜選択することで、より精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。
【0069】
審査情報は、金融機関に対する顧客の借入申し込みに関する情報又は顧客の信用情報を含んでいるが、多くの種類の情報から適宜選択することで、より精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。
【0070】
なお、一般には情報量が多いほど精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を得ることを期待できるが、情報量が多すぎると処理に時間がかかったり、重要でない情報も取り込まれてしまったりする可能性もあることから、一定程度の歯止めが必要であることには留意が必要である。
【0071】
生成部11の人工知能機能が、異なる金融商品に対して、異なる採用変数と異なる係数を用いてニーズ情報及び/又はリスク情報を生成する場合には、金融商品に応じたより適切な採用変数と係数を用いることができる。このため、より精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。
【0072】
対象となっている顧客の借入金額、当該借入に際しての金利及び経費情報等を用いて算出部15が収益を算出する場合には、オペレータは、収益に関する情報も取得することができ、得られた収益に関する情報に基づき、金融商品を提供するか否かを判断できる。また、上記借入金額が当該顧客に対するリスク情報に基づいて決定された与信可能額の範囲内で決定され、金利(=適用金利)も当該顧客に対するリスク情報に基づいて決定される場合には、適切にカスタマイズされた金融商品を提供するとともに、適切な範囲の収益確保を期待できる。
【0073】
また、算出部15が生成部11で生成されるリスク情報から、顧客に対する与信可能額及び/又は顧客に対する適用金利を算出する場合には、当該与信可能額及び/又は適用金利に基づき当該顧客に対して金融商品を提供することを提案できる。このため、やはり、適切にカスタマイズされた金融商品を提供するとともに、適切な範囲の収益確保を期待できる。
【0074】
生成部11が、金融機関が提供する複数の金融商品の各々に関して、ニーズ情報及び/又はリスク情報を生成して出力する場合には、オペレータは出力された金融商品の各々に関してのニーズ情報及び/又はリスク情報を把握することができ、どの金融商品の提供を提案すべきかを比較して判断できる。
【0075】
生成部11が、一つの金融機関の情報に限られず、複数の金融機関における属性情報、審査情報及び取引情報のいずれか1つ以上から採用変数及び当該採用変数に対する係数を生成し、当該採用変数及び当該係数を用いて、ニーズ情報及び/又はリスク情報を生成する場合には、当該顧客についてのより広範かつ全体的な情報に基づきニーズ情報及び/又はリスク情報を生成することができるので、さらに精度の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を出力できる。
【0076】
検証部16が、所定の金融商品が顧客によって実際に利用されたか否か、又は、顧客に金銭を貸し付けた際に実際に貸倒れたかもしくは延滞が発生したか否かを検証する場合には、随時更新される検証結果を過去の実績データとして用いることができるので、より信頼度の高い情報に基づきニーズ情報及び/又はリスク情報を生成し出力できる。前述したように、一定期間内(例えば2年以内)のデータのみに基づいてニーズ情報及びリスク情報を生成してもよく、この場合には、時代の流れに沿った正確性の高いニーズ情報及び/又はリスク情報を生成して出力することができる。
【0077】
ちなみに、カードローンのニーズ率が高くなる場合としては、預金残高が少ない場合、少額での出金が多い場合等を挙げることができる。教育ローンのニーズ率が高くなる場合としては、振込口座に「中学」「高校」の文字が含まれている場合、世帯名寄せによって顧客に教育ローンが必要になりそうな年齢の子供がいることが分かっている場合等を挙げることができる。住宅ローンのニーズ率が高くなる場合としては、現時点で高い金利の住宅ローンを支払っている場合等を挙げることができる。
【0078】
最後になったが、上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。例えば、ニーズ情報やリスク情報以外の情報を提供するものであっても、本願における情報処理装置に該当することになる。